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JP4898613B2 - 緩衝器 - Google Patents
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JP4898613B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器に関する。
従来の緩衝器にあっては、たとえば、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内にピストン室とロッド室とに区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されて一端がピストンに連結されるロッドと、シリンダと外筒との間に形成したリザーバと、ロッド室からピストン室へ向かう流れを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与えるピストンバルブと、ピストン室からリザーバへ向かう流れを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、リザーバからピストン室へ向かう流れをのみを許容するチェックバルブと、ピストン室からロッド室へ向かう流れをのみを許容するピストン側チェックバルブとを備えて、いわゆる、片ロッドの複筒型緩衝器として構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
この緩衝器によれば、ピストンがシリンダに対して軸方向に移動する緩衝器の伸縮行程において、ロッドがシリンダ内に侵入あるいはロッドがシリンダ内から退出する体積がシリンダ内で過不足となるため、この過不足となる体積分の作動油を上記リザーバが供給或いは吸収することによって補償するようになっている。
特に、収縮行程時にあっては、ロッド室の容積が拡大し、ピストン室の容積が減少するので、作動油の流れは、ピストン室からロッド室へ向かう流れと、ピストン室からリザーバへ向かう流れの、二つの流れが生じる。
このとき、ロッド室容積拡大分の作動油がピストン室からロッド室へ移動し、シリンダ内で余剰となるロッド侵入体積分の作動油がピストン室からリザーバへ排出されることになる。
そして、この緩衝器の場合、収縮行程時に圧側減衰力を発揮するには、主としてシリンダ外へ流出する作動油の流れに抵抗を与えて、ロッド室とピストン室内の圧力を上昇させてピストン室とロッド室との受圧面積差で減衰力を発生するようにしており、この圧力上昇を担っているのがベースバルブであり、ピストン室からリザーバへ向かう作動油の流れに抵抗を与えて、シリンダ内の圧力上昇を図っている。
特開平11−182610号公報(図1)
このような複筒型の緩衝器にあっては、外周にリザーバを形成するためシリンダ径を大きくすることができず、収縮行程時にはシリンダ内の圧力を上昇させてピストン室とロッド室との受圧面積差で減衰力を発生するようにしているので、ピストン室のみならずロッド室も圧縮状態となり圧縮される液体量が伸長行程時に比較して多く、収縮行程時に応答性良く減衰力を発揮させることが難しい。
というのは、作動油は気体が混入されているため圧縮性を持っており、圧縮液体量が多い収縮行程時に、応答性良く減衰力を発生させるためには、シリンダ内圧力を高めて作動油の見かけ上の剛性を高くしておくとともに、ベースバルブにおける抵抗を大きくすることが考えられるが、そうすると、シリンダ内圧力が高くなりすぎてロッドの外周をシールするオイルシールがシリンダ内圧力で強くロッド側に圧迫されてしまい、ロッドのシリンダに対する円滑な移動が妨げられてしまう新たな不具合を生じてしまう虞がある。
また、他の方法としては、ピストン側チェックバルブの代わりに、収縮行程時にピストン室からロッド室へ向かう流れに抵抗を与えるバルブを設けて、ロッド室内を減圧させるようにし、ピストン室とロッド室との間に差圧を生じせしめる方法も考えうるが、そうすると、ロッド室内が過剰に減圧されることによってロッド室内の作動油に圧縮状態で混入していた気体が気泡となって現われるエアレーションを生じ、緩衝器の減衰力発生の応答性を悪化させてしまうのみならず、キャビテーションやエロージョンといった好ましくない現象を引起す新たな不具合を生じてしまう虞がある。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、収縮行程においても応答性良く減衰力を発揮できる緩衝器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、シリンダの上端を閉塞するヘッド部材と、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内にロッド室とピストン室とに区画するピストンと、ヘッド部材に軸支されながらシリンダ内に移動自在に挿入されて一端がピストンに連結されるロッドと、シリンダの外側に設けられてそれぞれ下方に作動油を上方に気体を封入したリザーバとを備えた緩衝器において、ロッド室からピストン室へ向かう流れを許容するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える伸側減衰流路と、ピストン室からリザーバへ向かう流れを許容するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える圧側減衰流路と、リザーバからピストン室へ向かう流れのみを許容するピストン室側吸込流路と、リザーバの作動油下方からヘッド部材内を通過してロッド室に連通するロッド室側吸込流路と、ロッド室側吸込流路の途中であってヘッド部材内に組み込まれてリザーバからロッド室へのみ作動油の流れを許容する逆止弁とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の緩衝器によれば、収縮行程時において、ピストン室のみを圧縮し増圧させて圧側の減衰力を発生することになるので、ロッド室とピストン室との圧力差を大きくすることができるとともに、従来緩衝器に比較して圧縮液体量が少なくなるので、シリンダ径を大きくすることができない複筒形式を採用する緩衝器であっても、応答性良く圧側の減衰力を発生させることができる。
また、緩衝器に応答性良く圧側の減衰力を発生させるのに、リザーバを加圧してシリンダ内のロッド室およびピストン室内の圧力、つまり、シリンダ内圧力を高めておく必要が無いので、シール部材をシリンダ内圧力で強くロッド側に圧迫してロッドの移動を妨げてしまう不具合を生じることもない。
さらに、収縮行程時には、容積拡大されるロッド室は、リザーバからロッド室側吸込流路を通じて作動油を吸込むことになるため、ロッド室が過剰に減圧されてエアレーションを生じて緩衝器の減衰力発生の応答性を悪化させてしまうこともなく、キャビテーションやエロージョンといった好ましくない現象を引起すこともない。
すなわち、この緩衝器では、従来緩衝器において生じる不具合を回避しつつ、収縮行程時において応答性良く圧側の減衰力を発生させることができ、緩衝器の実用性および信頼性が向上することになる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、本発明の緩衝器を原理的に示した図である。図2は、本発明の緩衝器の具体的な一構成例における縦断面図である。図3は、本発明の緩衝器の具体的な一構成例における一部拡大縦断面図である。
図1に示すように、本発明の緩衝器はシリンダ1と、シリンダ1の上端を閉塞するヘッド部材たるヘッド部10と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内にロッド室R1とピストン室R2とに区画するピストン2と、ヘッド部10に軸支されながらシリンダ1内に移動自在に挿入されて一端がピストン2に連結されるロッド3と、シリンダ1の外側に設けられてそれぞれ下方に作動油を上方に気G体を封入したリザーバRとを備えている。
そして、ロッド室R1からピストン室R2へ向かう流れを許容するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える伸側減衰流路4と、ピストン室R2からリザーバRへ向かう流れを許容するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える圧側減衰流路5と、リザーバRからピストン室R2へ向かう流れのみを許容するピストン室側吸込流路6と、リザーバRの作動油下方からヘッド部10内を通過してロッド室R1に連通するロッド室側吸込流路7と、ロッド室側吸込流路7の途中であってヘッド部10内に組み込まれてリザーバRからロッド室R1へのみ作動油の流れを許容する逆止弁7bとを備えている。
以下、詳しく説明すると、シリンダ1は筒状とされており、このシリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2によって、シリンダ1内には、液体たる作動油が充填されるロッド室R1とピストン室R2とが形成されている。また、シリンダ1内にはロッド3が移動自在に挿入され、その一端はピストン2に連結されている。なお、本実施の形態においては、液体は作動油とされているが、これに限られるものではなく、これ以外の液体であってもよい。
そして、ピストン2には、上記ロッド室R1とピストン室R2とを連通するポート4aが設けられており、このポート4aの途中には、ポート4aを通過する作動油の流れに抵抗を与える減衰バルブ4bと、ロッド室R1からピストン室R2へ向かう流れのみを許容する逆止弁4cとが設けられており、この実施の形態の場合、ポート4a、減衰バルブ4bおよび逆止弁4cとで伸側減衰流路4を形成しており、このように、伸側減衰流路4はピストン2に設けられている。
この伸側減衰流路4は、緩衝器Dの伸長行程時において、圧縮されるロッド室R1から拡大されるピストン室R2へ作動油の移動を許容するとともに、この作動油の通過に抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめてロッド室R1内を増圧させて、伸側の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
また、この緩衝器Dにあっては、収縮行程時に、ピストン室R2を増圧するとともにロッド室R1を減圧するようにしているので、原理的には、収縮行程時に、ピストン室R2からロッド室R1へ直接に作動油を移動させなくとも良いが、この実施の形態の場合、ピストン室R2とロッド室R1とを連通するポート8aと、ポート8aを通過する作動油の流れに抵抗を与える減衰バルブ8bと、ピストン室R2からロッド室R1へ向かう流れのみを許容する逆止弁8cとを備えた圧側減衰流路8を備えている。この第二圧側減衰流路8は、ピストン室R2からロッド室R1へ向かう作動油の流れのみを許容するとともに当該流れに抵抗を与えるようになっている。
ここで、緩衝器Dには収縮行程時においてピストン室R2からロッド室R1へ直接に作動油を移動させなくとも良いので、第二圧側減衰流路8を設置しなくとも良いのであるが、第二圧側減衰流路8を設置することで、収縮行程時におけるピストン速度に対するピストン室R2の増圧の程度を当該第二圧側減衰流路8で与える抵抗によって調整することができる。
したがって、この場合、緩衝器Dの収縮行程時において、ポート8aを介して圧縮されるピストン室R2から拡大されるロッド室R1へ作動油の移動が許容され、この作動油の通過に減衰バルブ8bで抵抗を与えてロッド室R1内の圧力を減圧して、ピストン室R2内とロッド室R1内の圧力に差圧を生じせしることができるようになっている。
また、ポート4a,8aは、本実施の形態ではピストン2に設けられているが、ピストン2を迂回してロッド室R1とピストン室R2とを連通するようにしてもよい。
さらに、減衰バルブ4b,8bは、図示するところでは、固定オリフィスとされているが、逆止弁4c,8cとしても機能するリーフバルブとされても良いし、流路面積を可変とする可変絞り等とされてもよい。
そして、シリンダ1の外方には、シリンダ1を覆う外筒9が設けられており、この外筒9とシリンダ1との間の環状隙間でリザーバRが形成されるとともに、外筒9およびシリンダ1の上端は、ロッド3を摺動自在に軸支するヘッド部材10によって閉塞され、シリンダ1および外筒9の上端が密閉されている。すなわち、この緩衝器Dでは、リザーバRがシリンダ1の外周側に形成される複筒型の緩衝器として構成されている。
さらに、外筒9およびシリンダ1の下端は、ボトム部材11によって閉塞され、シリンダ1および外筒9の下端が密閉されている。
リザーバR内には、作動油が充填されるとともに、作動油の油面を境に図1中上方に気体Gが充填されており、リザーバRは、緩衝器Dの収縮時に、シリンダ1内で過不足となるロッド3のシリンダ1内へ進退する体積分の作動油をシリンダ1に供給或いはシリンダ1から吸収するようになっている。
そして、このリザーバRの作動油の油面より下方側から延びてヘッド部材10を通過してロッド室R1へ連通される通路7aが設けられ、この通路7aの途中には、リザーバRからピストン室R2へ向かう流れをのみを許容する逆止弁7bが設けられ、これら通路7aおよび逆止弁7bによってロッド室側吸込流路7が形成されている。さらに、通路7aはパイプ材等を利用して、リザーバR内に設置するようにしてもよい。
また、ヘッド部材10は、ロッド3を軸支できるよう環状とされており、内周側にロッド3の外周に摺接するとともにロッド3の外周をシールするシール部材12を備え、シリンダ1内からの作動油の漏れを防止している。
他方、ボトム部材11には、上記ピストン室R2とリザーバRとを連通するポート5a,6aが設けられており、このポート5aの途中には、ポート5aを通過する作動油の流れに与える抵抗を与える減衰バルブ5bと、ピストン室R2からリザーバRへ向かう流れのみを許容する逆止弁5cとが設けられており、他方のポート6aの途中には、ポート6aを通過する作動油の流れに抵抗を与える減衰バルブ6bと、リザーバ室Rからピストン室R2へ向かう流れのみを許容する逆止弁6cとが設けられている。そして、この実施の形態の場合、ポート5a、減衰バルブ5bおよび逆止弁5cとで圧側減衰流路5を形成しており、ポート6a、減衰バルブ6bおよび逆止弁6cとでピストン室側吸込流路6を形成しており、このように、圧側減衰流路5およびピストン室側吸込流路6はボトム部材11に設けられている。
この圧側減衰流路5は、緩衝器Dの収縮行程時において、圧縮されるピストン室R2からリザーバRへ作動油の移動を許容するとともに、この作動油の通過に抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめてピストン室R2内を増圧させて、圧側の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能する。
また、ピストン室側吸込流路6にあっては、緩衝器Dの伸長行程時において、リザーバRから拡大されるピストン室R2へ作動油の移動が許容され、この作動油の通過に減衰バルブ6bで抵抗を与えてロッド室R1内とピストン室R2内の圧力により大きな差を生じせしることができるようになっている。なお、減衰バルブ6bを省略して伸長行程時においてはピストン室R2の圧力をリザーバRの圧力と同圧とするようにしても良い。
また、ポート5a,6aは、本実施の形態ではボトム部材11に設けられているが、ボトム部材11を迂回してリザーバRとピストン室R2とを連通するようにしてもよい。
さらに、減衰バルブ5b,6bは、図示するところでは、固定オリフィスとされているが、減衰バルブ4a,8aと同様に、逆止弁5c,6cとしても機能するリーフバルブとされても良いし、流路面積を可変とする可変絞り等とされてもよい。なお、圧側減衰流路5は、緩衝器Dの収縮行程時において圧縮されるピストン室R2からリザーバRへ作動油の移動を許容するとともに、この作動油の通過に抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめてピストン室R2内を増圧させて、圧側の減衰力を発生させる減衰力発生要素として機能するものであるので、逆止弁5cを省略することも可能である。
以上のように構成された緩衝器Dでは、シリンダ1に対しロッド3が図1中上方に変位する伸長行程にあっては、ロッド室R1が圧縮されてピストン室R2が拡大されるので、作動油は、ロッド室R1からピストン室R2へ伸側減衰流路4を介して移動するとともに、シリンダ1から退出するロッド3の体積分の作動油がリザーバRからピストン室側吸込流路6を介してピストン室R2へ供給される。
このとき、伸側減衰流路4は通過する作動油の流れに抵抗を与えるので所定の圧力損失が生じて、ロッド室R1が増圧されて、ロッド室R1とピストン室R2との間に大きな差圧が生じ、伸側の減衰力が発生される。なお、ピストン室側吸込流路6の途中にも減衰バルブ6bを設けているので、当該減衰バルブ6bが無いものに比較して伸長行程時の減衰力を大きくすることができる。
他方、シリンダ1に対しロッド3が図1中下方に変位する収縮行程にあっては、ピストン室R2が圧縮されてロッド室R1が拡大される。ここで、この緩衝器Dにあっては、圧縮されるピストン室R2からロッド3が下方へ変位することによって減少する容積分の作動油がリザーバRへ圧側減衰流路5を介して移動するとともに、上記した第二圧側減衰流路8を介してロッド室R1へ移動する。また、この緩衝器Dにあっては、リザーバRからロッド室R1へ向かう流れをのみを許容するロッド室側吸込流路7を備えているので、ロッド3が下方へ変位してシリンダ1内で不足する体積分の作動油は、このロッド室側吸込流路7を介してリザーバRからロッド室R1へ供給される。
そして、圧側減衰流路5、第二圧側減衰流路8は通過する作動油の流れに抵抗を与えるので圧力損失が生じ、さらには、ロッド室R1にはリザーバRから作動油が供給されるため、緩衝器Dにあっては、収縮行程時には、ロッド室およびピストン室の両方が圧縮される従来緩衝器とは異なり、ピストン室R2が増圧され、圧側の減衰力が発生されることになる。
したがって、この緩衝器Dは、収縮行程時において、ピストン室R2のみを圧縮し増圧させて圧側の減衰力を発生することになるので、ロッド室R1とピストン室R2との圧力差を大きくすることができるとともに、従来緩衝器に比較して圧縮液体量が少なくなるので、シリンダ径を大きくすることができない複筒形式を採用する緩衝器であっても、応答性良く圧側の減衰力を発生させることができる。
また、緩衝器Dに応答性良く圧側の減衰力を発生させるのに、リザーバRを加圧してシリンダ1内のロッド室R1およびピストン室R2内の圧力、つまり、シリンダ内圧力を高めておく必要が無いので、シール部材12をシリンダ内圧力で強くロッド3側に圧迫してロッド3の移動を妨げてしまう不具合を生じることもない。
さらに、収縮行程時には、減圧されるロッド室R1は、リザーバRからロッド室側吸込流路7を通じて作動油を吸込むことになるため、ロッド室R1が過剰に減圧されてエアレーションを生じて緩衝器の減衰力発生の応答性を悪化させてしまうこともなく、キャビテーションやエロージョンといった好ましくない現象を引起すこともない。
すなわち、この緩衝器Dでは、従来緩衝器において生じる不具合を回避しつつ、収縮行程時において応答性良く圧側の減衰力を発生させることができ、緩衝器Dの実用性および信頼性が向上することになる。
なお、第二圧側減衰流路8を設置しない場合には、ピストン室R2からはその容積減少に見合う作動油の全てが圧側減衰流路5を介してリザーバRへ排出されてピストン室R2が増圧されるとともに、ロッド室R1にはその容積拡大に見合う作動油がリザーバRから供給されることになるので、上記と同様に、ロッド室R1が減圧されるとともに、ピストン室R2が増圧され、圧側の減衰力が発生されることになる。
以上では緩衝器Dを概念的に説明したが、以下、具体的な一構成例の緩衝器D’を説明する。
図2および図3に示すように、具体的な構成の緩衝器D’は、基本的には、上記した概念的な緩衝器と同様に、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内にロッド室R1とピストン室R2とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されて一端がピストン2に連結されるロッド3と、リザーバRと、ロッド室R1からピストン室R2へ向かう流れを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側減衰流路4と、ピストン室R2からリザーバRへ向かう流れを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側減衰流路5と、リザーバRからピストン室R2へ向かう流れをのみを許容するピストン室側吸込流路6と、リザーバRからロッド室R1へ向かう流れをのみを許容するロッド室側吸込流路7とを備えて構成されている。なお、上述の原理的な緩衝器Dと同様の部材については、具体的な緩衝器D’の説明にあっても、同じ符号を付して説明する。
そして、この具体的な緩衝器D’では、ピストン2は、ロッド室R1とピストン室R2とを連通するポート4a,8aが設けられており、ピストン2の図2中下端にはポート4aの出口端を開閉して通過する作動油の流れに与える抵抗を与えるとともにロッド室R1からピストン室R2へ向かう流れのみを許容するリーフバルブ13が積層されてロッド3に固定されるとともに、ピストン2の図2中上端にはポート8aの出口端を開閉して通過する作動油の流れに与える抵抗を与えるとともにピストンR2からロッド室R1へ向かう流れのみを許容するリーフバルブ14が積層されてロッド3に固定されている。
したがって、この具体的な緩衝器D’の場合、伸側減衰流路4は、上記ポート4aとリーフバルブ13とを備えて構成されており、また、原理的な緩衝器Dと同様に、第二圧側減衰流路8では、ポート8aを作動油が通過する際にリーフバルブ14で抵抗を与えるようになっている。
さらに、この緩衝器D’では、シリンダ1の外側に配置されてシリンダ1との間にロッド室側吸込流路7の一部をなす環状隙間71を形成するパイプ15が設けられており、環状隙間71の図2中下端はリザーバRに接続されている。また、このパイプ15より外周側に外筒9が配置され、リザーバRがパイプ15と外筒9との間の環状隙間で形成されている。
そして、緩衝器D’の収縮行程において容積拡大されるロッド室R1がリザーバRから作動油を吸込む際に、ロッド室側吸込流路7を通過する作動油の流速があまりに低くなると、作動油を吸込み難くなるため、上記環状隙間71は上記吸込時における環状隙間71を通過する作動油の流速を一定以上にするべくその断面積が調節されている。
また、シリンダ1のロッド側端となる図2中上端とパイプ15のロッド側端となる図2中上端には、筒状のプラグ16が嵌合されている。
このプラグ16は、筒状とされて、シリンダ1の上端内周に嵌合する小径部16aと、小径部16aに連なって小径部16aより大径に設定されるとともパイプ15の上端内周に嵌合する中間部16bと、中間部16bに連なって中間部16bより大径に設定される大径部16cと、内周の上方の大内径部16dと下方の小内径部16eとの境に設けた段部16fと、前述の小径部16aと中間部16bの境から開口して段部16fに通じる通路16gとを備えて構成されており、内周側にはロッド3が挿通されるようになっている。
また、プラグ16をシリンダ1およびパイプ15に嵌合すると、環状隙間71の上端が通路16gを介してロッド室R1へ通じるようになっており、環状隙間71と通路16gとでロッド室側吸込流路7における通路7aを形成している。そして、小径部16aの外周とシリンダ1との間に介装されるシールリング17によって環状隙間71の上端が通路16gを介さずに直接ロッド室R1へ連通されてしまうことが阻止され、また、中間部16bとパイプ15との間に介装されるシールリング18とによって、環状隙間71の上端がリザーバRに連通されることを阻止している。
さらに、このプラグ16の上端内周には、外筒9のロッド側端となる図2中上端に嵌合するとともにロッド3を軸支するロッドガイド19が嵌合されている。このロッドガイド19は、環状に形成されており、プラグ16の上端内周に嵌合するソケット部19aを備えるとともに、内周側にロッド3の外周に摺接する筒状のベアリング29を保持し、上端に積層されるシール部材20とともに外筒9に固定されている。なお、この実施の形態の場合、外筒9の上端に外周に螺子部を備えた筒状の螺子部材21を結合し、当該螺子部材21に螺合するキャップ22を捩じ込むことで、ロッドガイド19およびシール部材20を外筒9に固定するようにしており、ロッドガイド19は直接的には螺子部材21に嵌合されるようになっているが、このようにロッドガイド19を外筒9に嵌合することには、螺子部材21のように外筒9に結合される部材を介して間接的に嵌合することをも含む概念である。ちなみに、このようにキャップ22の螺子部材21への締め込みによってロッドガイド19を外筒9に固定する場合には、緩衝器D’の解体が可能であるのでメンテナンスやリーフバルブ13,14の撓み剛性の変更等の調整が可能となる利点があるが、螺子部材21やキャップ22を省略し、外筒9に直接ロッドガイド19を嵌合してシール部材20を積層し、外筒9の開口端を内周側に加締めることによって、これらを外筒9に固定するようにしても良いことは当然である。
また、シール部材20は、環状プレート20aと、環状プレート20aの内周に設けられてロッド3の外周に摺接する内周シール20bと、環状プレート20aの外周に設けられて螺子部材21の内周に密着する外周シール20cと、環状プレート20aの図2中下端に設けられてロッドガイド19の上端に当接する環状のチェックシール20dとを備えて構成されており、チェックシール20dは、ロッド室R1からベアリング29とロッド3との間を通過してロッドガイド19の図2中上方の空間に溜まった作動油を開弁してリザーバRへ逃がして当該空間への蓄圧を防止する一方、リザーバRからロッド室R1への気体Gの逆流を阻止するようになっている。
戻って、ロッドガイド19の下端のプラグ16の内周に嵌合するソケット部19aの軸方向長さとなる図2中上下長さは、プラグ16の内周の大内径部16dにおける軸方向長さとなる図2中上下長さより短く設定されており、上記ソケット部19aの図2中下端とプラグ16の段部16fとの間には隙間が生じるようになっている。なお、ソケット部19aの外周とプラグ16の大内径部16dとの間にはシールリング30が介装されており、ロッドガイド19とプラグ16との間を介してのロッド室R1とリザーバRとの連通が阻止されている。
そして、段部16fには、プレート状の環状弁体23aが積層され、当該環状弁体23aとソケット部19aの図2中下端との間にはバネ23bが介装され、これら環状弁体23aおよびバネ23bとで通路16fの出口端に逆止弁23が形成されている。
この逆止弁23は、緩衝器D’の収縮行程時においてロッド室R1内の圧力が容積拡大によってリザーバR内の圧力より低圧となると、環状弁体23aが段部16fから離座して通路16gを開放することによってリザーバRからロッド室R1へ作動油が供給され、反対に、緩衝器D’が伸長行程にある場合にはロッド室R1内の圧力が高いので、環状弁体23aが段部16fに着座する状態となって通路16gを閉塞しロッド室側吸込流路7を介してロッド室R1からリザーバRへ作動油が移動することを阻止するようになっている。
すなわち、この具体的な緩衝器D’では、原理的な緩衝器Dにおけるヘッド部材10は、プラグ16、ロッドガイド19およびシール部材20によって構成されることになる。
転じて、シリンダ1の図2中下端とパイプ15の下端は、バルブディスク24が嵌合されており、このバルブディスク24は、有頂筒状とされており、シリンダ1の図2中下端に嵌合する小径部24aと、小径部24aに連なって小径部24aより大径とされてパイプ15の図2中下端に嵌合する中間部24bと、中間部24bに連なって中間部24bより大径の大径部24cと、大径部24cから中間部24bにかけて設けられて内外を連通する切欠24dと、上記ピストン室R2とリザーバRとを連通するポート5a,6aとを備えて構成されており、有底筒状に形成される外筒9の下端に載置され、上記したキャップ22の螺子部材21への捩じ込みによってシリンダ1を通じてプラグ16、ロッドガイド19およびシール部材20とともに外筒9に固定される。なお、シリンダ1はプラグ16とバルブディスク24とで挟持されて軸方向の荷重を受けるようになっているが、プラグ16をシリンダ1のロッド側端に嵌合した状態でプラグ16とパイプ15のロッド側端との間に軸方向隙間が形成されて、シリンダ1をプラグ16とバルブディスク24で挟み込んでもパイプ15は上記隙間による遊びで軸方向の荷重が作用しないようになっている。
したがって、パイプ15とシリンダ1に寸法誤差があっても、外筒9にシリンダ1およびパイプ15を組付けた際に、シリンダ1に軸方向の荷重を作用させるようにしているので、シリンダ1が遊んでしまってガタつきを生じることが無く、緩衝器D’の機能が損なわれる不安が無い。さらに、このようにパイプ15に軸方向の遊びを持たせることにより、シリンダ1とパイプ15、これらを挟持するプラグ16およびバルブディスク24について、高い寸法精度が求められることがないので、緩衝器D’の製造コストも低減されることになる。
そして、このように、バルブディスク24をシリンダ1とパイプ15の下端に嵌合すると、環状隙間71の下端は、切欠24dを介してリザーバRへの連通が確保され、また、リザーバRは、この切欠24dおよびポート5a,6aを介してピストン室R2へ連通される。
また、バルブディスク24の図2中下端にはポート5aの出口端を開閉して通過する作動油の流れに与える抵抗を与えるとともにピストン室R2からリザーバRへ向かう流れのみを許容するリーフバルブ25が積層固定されるとともに、バルブディスク24の図2中上端にはポート6aの出口端を開閉して通過する作動油の流れに与える抵抗を与えるとともにリザーバRからピストンR2へ向かう流れのみを許容するリーフバルブ26が積層固定されている。なお、この実施の形態にあっては、緩衝器D’の伸長行程時の減衰力を大きくするべく、減衰バルブとして機能するリーフバルブ26を設けてポート6aを開閉しているが、これを単に逆止弁としてもよい。
したがって、この具体的な緩衝器D’の場合、圧側減衰流路5は、上記ポート5aとリーフバルブ25とを備えて構成されており、また、ピストン室側吸込流路6を作動油が通過する際にはリーフバルブ26で抵抗を与えるようになっている。
このように緩衝器D’では、パイプ15とプラグ16を設けるだけで複筒型緩衝器のシリンダ1の外周側にロッド室側吸込流路7を設置することが可能となり、既存の複筒型緩衝器の構造に甚大な設計変更を加えることなくその構成を実現できるという利点がある。
さらに、パイプ15を設けることによって外筒9内であってシリンダ1の外周側にロッド室側吸込流路7を設置することができるので、緩衝器D’の外径が従来緩衝器に比較して大径となってしまうことも無く、緩衝器D’の適用箇所への搭載性を損なうこともない。
また、ロッド室側吸込流路7に設けるべき逆止弁23も、プラグ16の段部16fと、当該段部16fに離着座する環状弁体23aと、環状弁体23aとロッドガイド19との間に介装されるバネ23bとで構成されるので、既存の複筒型緩衝器への部品の追加によりこれらをスペースを取らず簡単に設置することができ、既存の複筒型緩衝器の構造に甚大な設計変更を加えることがないので、この点でも緩衝器D’の構成を実現できるという利点がある。
さて、上述のように構成された、この具体的な緩衝器D’にあっても、原理的な緩衝器Dと同様の作動を呈することになるので、収縮行程時において、ピストン室R2のみを圧縮し増圧させて圧側の減衰力を発生することになり、ロッド室R1とピストン室R2との圧力差を大きくすることができるとともに、従来緩衝器に比較して圧縮液体量が少なくなって、シリンダ径を大きくすることができない複筒形式を採用する緩衝器であっても、応答性良く圧側の減衰力を発生させることができる。
また、緩衝器D’に応答性良く圧側の減衰力を発生させるのに、リザーバRを加圧してシリンダ1内のロッド室R1およびピストン室R2内の圧力、つまり、シリンダ内圧力を高めておく必要が無いので、シール部材20における内周シール20bをシリンダ内圧力で強くロッド3側に圧迫してロッド3の移動を妨げてしまう不具合を生じることもない。
さらに、収縮行程時には、容積拡大されるロッド室R1は、リザーバRからロッド室側吸込流路7を通じて作動油を吸込むことになるため、ロッド室R1が過剰に減圧されてエアレーションを生じて緩衝器の減衰力発生の応答性を悪化させてしまうこともなく、キャビテーションやエロージョンといった好ましくない現象を引起すこともない。
すなわち、この緩衝器D’では、従来緩衝器において生じる不具合を回避しつつ、収縮行程時において応答性良く圧側の減衰力を発生させることができ、緩衝器Dの実用性および信頼性が向上することになる。
またさらに、上述したところでは、緩衝器D,D’を複筒型の緩衝器として説明しているが、モノチューブの緩衝器に本発明を具現化することも可能であり、作用効果を損なうこともない。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の緩衝器を原理的に示した図である。 本発明の緩衝器の具体的な一構成例における縦断面図である。 本発明の緩衝器の具体的な一構成例における一部拡大縦断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
3 ロッド
4 伸側減衰流路
4a,5a,6a,8a ポート
4b,5b,6b,8b 減衰バルブ
4c,5c,6c,7b,8c,23 逆止弁
5 圧側減衰流路
6 ピストン室側吸込流路
7 ロッド室側吸込流路
7a,16g 通路
8 第二圧側減衰流路
9 外筒
10 ヘッド部材
11 ボトム部材
12,20 シール部材
13,14,25,26 リーフバルブ
15 パイプ
16 プラグ
16a,24a 小径部
16b,24b 中間部
16c、24c 大径部
16d 大内径部
16e 小内径部
16f 段部
17,18,30 シールリング
19 ロッドガイド
19a ソケット部
20a 環状プレート
20b 内周シール
20c 外周シール
20d チェックシール
21 螺子部材
22 キャップ
23a 環状弁体
23b バネ
24d 切欠
29 ベアリング
71 環状通路
D,D’ 緩衝器
G 気体
R リザーバ
R1 ロッド室
R2 ピストン室

Claims (5)

  1. シリンダと、シリンダの上端を閉塞するヘッド部材と、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内にロッド室とピストン室とに区画するピストンと、ヘッド部材に軸支されながらシリンダ内に移動自在に挿入されて一端がピストンに連結されるロッドと、シリンダの外側に設けられてそれぞれ下方に作動油を上方に気体を封入したリザーバとを備えた緩衝器において、ロッド室からピストン室へ向かう流れを許容するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える伸側減衰流路と、ピストン室からリザーバへ向かう流れを許容するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える圧側減衰流路と、リザーバからピストン室へ向かう流れのみを許容するピストン室側吸込流路と、リザーバの作動油下方からヘッド部材内を通過してロッド室に連通するロッド室側吸込流路と、ロッド室側吸込流路の途中であってヘッド部材内に組み込まれてリザーバからロッド室へのみ作動油の流れを許容する逆止弁とを備えたことを特徴とする緩衝器。
  2. シリンダの外周側に配置されてシリンダとの間にロッド室側吸込流路を形成するパイプと、パイプの外周側に配置されてパイプとの間にリザーバを形成する外筒とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. シリンダのロッド側端とパイプのロッド側端に嵌合されるとともにシリンダとパイプとの間の環状隙間をロッド室へ連通する通路を備えた筒状のプラグと、プラグと外筒のロッド側端とに嵌合するとともにロッドを軸支するヘッド部材とを設け、プラグをシリンダのロッド側端に嵌合した状態でプラグとパイプのロッド側端との間に軸方向隙間が形成されることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
  4. プラグにおける通路の出口端に配置されてリザーバからロッド室側へ向かう流れのみを許容する逆止弁を設け、当該逆止弁は、プラグの内周側に設けられて通路の出口端が形成される段部と、当該段部に離着座することが可能な環状弁体と、環状弁体とヘッド部材との間に介装されるバネとを備えてなることを特徴とする請求項3に記載の緩衝器。
  5. ピストン室からロッド室へ向かう流れを許容するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える第二圧側減衰流路を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝器。
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