JP4904766B2 - 蛍光体、及びそれを用いた発光装置、並びに画像表示装置、照明装置 - Google Patents
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Description
即ち、下記一般式で表されるガーネット結晶構造の化合物を母体とし、該母体内に発光中心イオンを含有してなることを特徴とする蛍光体である。
M1' a' M2' b' M3' c' Od'
〔式中、M1' は2価の金属元素、M2' は3価の金属元素、M3’は4価の金属元素を
それぞれ示し、a’は2.7〜3.3、b'は1.8〜2.2、c'は2.7〜3.3、d'は11.0〜13.0の範囲の数である。〕
上記特許文献1には、2価の金属元素M1'としてのCaが開示され、更にCaの一部がMg、Zn等に置換された蛍光体についても開示されている。このCSS蛍光体は、組成によって緑色から黄色に発光するものであり、GaN系青色発光ダイオードと緑色蛍光体と赤色蛍光体を組み合わせた発光装置の緑色蛍光体としても使用できる高特性の蛍光体である。
致していないため、液晶ディスプレイとしての輝度が低下する傾向にある。また、[3]CSS蛍光体を含有する発光装置を照明として用いた場合では、視感度の低い青緑色の光(510nm以下)の全発光に占める割合が大きいため、エネルギー効率が低下する傾向にあり、演色性も充分満足できるものではない。
即ち、本発明は、以下の要旨からなるものである。
M1 a M2 b Xc M3 d M4 3 Oe (I)
〔式(I) 中、M1 はMg及び/又はZnであって、MgがM 1 の50モル%以上を占め
、M2 はMg及びZnを除く2価の金属元素であって、CaがM 2 の50モル%以上を占め、XはCeがXの50モル%以上を占める発光中心イオンの金属元素、M3 はXを除く3価の金属元素であって、ScがM 3 の50モル%以上を占め、M4はSiをそれぞれ示
し、a、b、c、d、及びeは、それぞれ以下の式を満たす数である。
0.001≦a≦0.5
2.5≦b≦3.3
0.005≦c≦0.5
1.5≦d≦2.2
e={(a+b)×2+(c+d)×3+12}/2〕
(2)前記一般式(I) において、0.001≦a≦0.3であることを特徴とする(1
)に記載の蛍光体。
(3)一般式(I) において、0.02≦c≦0.1であることを特徴とする(1)又は
(2)に記載の蛍光体。
(4)一般式(I) において、M2 がCa、Sr及びBaからなる群から選択される少な
くとも1種以上の2価の金属元素であって、CaがM 2 の50モル%以上を占めることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の蛍光体。
(5)一般式(I) において、M3 がAl、Sc、Ga、Y、In、La、Gd及びLu
からなる群から選択される少なくとも1種以上の3価の金属元素であって、ScがM 3 の50モル%以上を占めることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の蛍光体。(6)一般式(I) において、Ce以外の発光中心イオンの金属元素Xが、Mn、Fe、
Pr、Nd、Sm、Eu、Gb、Tb及びTmから選択される少なくとも1種以上の金属元素であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の蛍光体。
(7)一般式(I) において、M1 がMgであることを特徴とする(1)乃至(6)のい
ずれかに記載の蛍光体。
(8)一般式(I) において、XがCeであることを特徴とする(1)乃至(7)のいず
れかに記載の蛍光体。
(9)一般式(I) において、XがCe、M1がMg、M2がCa、M3がSc、M4がSi
であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の蛍光体。
(10)蛍光体のメジアン径が5μm〜30μmであることを特徴とする(1)乃至(9)のいずれかに記載の蛍光体。
(11)紫外光から可視光の範囲の光を発光する光源と、該光源からの光の少なくとも一部を波長変換し、光源の光よりも長波長領域の光を発光する蛍光体を少なくとも1種以上有する発光装置であって、前記蛍光体は(1)乃至(10)のいずれかに記載の蛍光体を含むことを特徴とする発光装置。
(12)白色系に発光することを特徴とする(11)に記載の発光装置。
(13)(11)又は(12)に記載の発光装置を含むことを特徴とする画像表示装置。(14)(11)又は(12)に記載の発光装置を含むことを特徴とする照明装置。
また、明細書における色名と色度座標との関係は、すべてJIS規格に基づく(JISZ8110)。
本発明の蛍光体は、ガーネット構造の化合物を母体とし、該母体内に発光中心イオンとしてセリウム(Ce)を主体とする金属元素を含有する下記一般式(I) で表される化合
物からなることを特徴とする。
M1 a M2 b Xc M3 d M4 3 Oe (I)
〔式(I) 中、M1 はMg及び/又はZn、M2 はMg及びZnを除く2価の金属元素、
XはCeを主体とする発光中心イオンの金属元素、M3 はXを除く3価の金属元素、M4 は4価の金属元素をそれぞれ示し、a、b、c、d、及びeは、それぞれ以下の式を満たす数である。
0.001≦a≦0.5
2.5≦b≦3.3
0.005≦c≦0.5
1.5≦d≦2.2
e={(a+b)×2+(c+d)×3+12}/2〕
M1 の50モル%以上を占めるのが好ましく、100モル%を占めるのが特に好ましい。
ては、Ca、Sr、及びBaからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましい。更に、く、CaがM2 の50モル%以上を占めるのが好ましく、100モル%を占めるのが特に好ましい。
を示すM3 としては、Al、Sc、Ga、Y、In、La、Gd、及びLuからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましく、Al、Sc、Y、及びLuからなる群から選択された少なくとも1種であるのがより好ましい。更に、ScがM3 の50モル%以上を占めるのが好ましく、その残余がY又はLuであるのが好ましく、ScがM3 の100モル%を占めるのが特に好ましい。
Ge、Zr、Sn、及びHfからなる群から選択された少なくとも1種であるのが好ましく、Si、Ge、及びSnからなる群から選択された少なくとも1種であるのがより好ましい。更に、SiがM4 の50モル%以上を占めるのが好ましく、100モル%を占めるのが特に好ましい。
Xとしては、CeがXの50モル%以上を占めるのが好ましく、70モル%以上を占めるのがより好ましく、90モル%以上を占めるのが更に好ましく、100モル%であるのが特に好ましい。
Ce3+イオンは、400nm〜500nmの波長領域の可視光線を吸収し、緑色、黄緑色、黄色、橙色の光を発するが、本発明の蛍光体は、Ceの添加量とM1イ
オンの添加量の両方を調節することにより、発光色を所望の色に調整することができる。
なお、Ce以外の発光中心イオンの金属元素としては、Mn、Fe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gb、Tb、及びTm等が挙げられる。例えば、Prを含有することにより、Ce3+イオン由来の発光と共に620nm付近にPr3+イオン由来の発光が現れるので、赤色の成分が増加して蛍光体の発光色を赤色寄りに調整することができ、演色性を高めることができる。
003以上であるのが好ましく、0.01以上であるのがより好ましく、0.03以上であるのが特に好ましい。また、aは、0.5以下であることを必須とし、0.3以下であるのが好ましく、0.1以下であるのが特に好ましい。aが0.001未満であると、その蛍光体を発光装置に用いたときの輝度を高くすることが困難となる。一方、0.5超過であると、蛍光体の発光強度の低下が著しく、高輝度の発光装置が得られなくなる。
、より好ましくは2.7〜3.1である。前記一般式A3 B2 C3 O12におけるAイオンの係数は3であり、本発明におけるMgやZnのM1 がAイオン位置を占めるとすると、bは「3−a」に近い値をとる。また、発光中心イオンの主体としてのCeの結晶中の占有位置は明らかではないが、そのCe3+イオンのイオン半径がCa2+イオンのイオン半径に極めて近いことから、CeがAイオン位置を占めるとすると、bは「3−a−c」に近い値をとることとなる。一方、本発明におけるMgやZnのM1 、及び2価の金属元素のM2 の一部がAイオン位置以外に存在する場合や、逆に3価の金属元素のM3 や4価の金属元素のM4 の一部、或いは後述するフラックス等として添加された1価金属元素がAイオン位置に存在する場合も考えられる。また、発光中心イオンの主体としてのCeがBイオン位置に存在することも考えられる。これらを考慮して、bが2.5〜3.3であれば所望の蛍光体となり得る。
01以上であるのが好ましく、0.02以上であるのがより好ましく、0.03以上がさらに好ましく、0.05以上が最も好ましい。また、cが、0.5以下であることを必須とし、0.3以下であるのが好ましく、0.2以下であるのがより好ましく、0.1以下であるのが特に好ましい。cが0.001未満及び0.5超過のいずれの場合共、その蛍光体を発光装置に用いたときの輝度を高くすることが困難となる。
である。前記一般式A3 B2 C3 O12におけるBイオンの係数は2である。本発明における発光中心イオンの金属元素XがBイオン位置を占めるとすると、d は「2−c 」に近
い値をとる。また、係数bにおける場合と同様に、3価の金属元素以外の金属元素がBイオン位置に存在すること等を考慮すると、dが1.5〜2.2であれば所望の蛍光体となり得る。
が困難である。そのため、酸素イオンが−2の電荷を持つものとし、陽イオンを構成する前記M1 、M2 、X、M3 、及びM4 の各原子価とその係数としての前記a、b、c、d、及び3から、電荷バランスが保たれるように算出することとした。即ち、e={(a+b)×2+(c+d)×3+12}/2としたものである。
一般式の(I)で表される蛍光体の中でも、
Mg0.03Ca2.97Ce0.03Sc1.97Si3O12、
Mg0.06Ca2.94Ce0.03Sc1.94Si3O12、
Mg0.03Ca2.97Ce0.03 Sc1.97Si3O12、
Mg0.03Ca2.94Ce0.06Sc1.97Si3O12、
Mg0.03Ca2.9Ce0.1Sc1.97Si3O12、
Mg0.06Si3O12Ca2.97Ce0.03Sc1.94Si3O12、
Mg0.06Ca2.94Ce0.06Sc1.94Si3O12、
Mg0.06Ca2.9Ce0.1Sc1.94Si3O12、
Mg0.1Ca2.97Ce0.03Sc1.9Si3O12、
Mg0.1Ca2.94Ce0.06Sc1.9Si3O12、
Mg0.1Ca2.9Ce0.1Sc1.9Si3O12
等で表せる蛍光体が好ましい。これらの中でも特に、
Mg0.03Ca2.97Ce0.03Sc1.97O12
Mg0.06Ca2.94Ce0.03Sc1.94O12
で表せる蛍光体が好ましい。
結晶中のCeの含有量について調べてみると、Mgを添加することによりCeの結晶中含有量が増加する傾向にあることがわかった。このことは、上記のメカニズムに従って、MgとCeが結晶中に共に存在していることを示している。逆に言えば、Mgの添加がCeの結晶中のCa位置への固溶を促進しているとも言える。そして、Mgを添加することによる発光スペクトルの長波長シフトは、上に述べたようにMgが存在することによる結晶場の変化に由来するのと同時に、結晶中に含まれるCeが増加することにより、Ce同士の相互作用によってCeイオンのエネルギー準位がシフトしたためであると考えられる。
本発明の前記蛍光体は、前記一般式(I) におけるMg及び/又はZnであるM1 源の
化合物、2価の金属元素であるM2 源の化合物、3価の金属元素であるM3 源の化合物、及び4価の金属元素M4 源の化合物、並びに、発光中心イオンとしてのCe等の金属元素源の各原料化合物から調整した粉砕混合物を、加熱処理して反応させることにより製造される。
(1)乾式法においては、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機を用いて上記の化合物を粉砕した後、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機により混合するか、又は、上記の化合物を混合した後、乾式粉砕機を用いて粉砕する。
(2)湿式法においては、水等の媒体中に上記の化合物を加え、媒体攪拌式粉砕機等の湿式粉砕機を用いて粉砕及び混合するか、又は、上記の化合物を乾式粉砕機により粉砕した後、水等の媒体中に加えて混合することにより調製されたスラリーを、噴霧乾燥等により乾燥させる。
上記粉砕混合物の調製法の中では、特に、発光中心イオンの元素源化合物は、少量の化合物を全体に均一に混合、分散させる必要があることから、液体媒体を用いる湿式法が好ましい。また、他の元素源化合物においても全体に均一な混合が得られる面から、湿式法が好ましい。
本発明の前記蛍光体のメジアン径D50は、通常、2μm〜50μmであり、5μm〜30μmが好ましく、10μm〜25μmがより好ましく、15μm〜20μmが最も好ましい。メジアン径が小さすぎると励起光の吸収効率が小さくなるため、蛍光体の輝度が低くなるおそれがあり、また、メジアン径が大きすぎると樹脂中で蛍光体が沈降してしまうため、LED輝度が低くなるおそれがある。
源の化合物、2価の金属元素であるM2 源の化合物、3価の金属元素であるM3 源の化合物、及び4価の金属元素M4 源の化合物、並びに、発光中心イオンとしてのCe等の金属元素X源の各原料化合物としては、M1 、M2 、M3 、及びM4 、並びにXの各金属元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等が挙げられる。これらの中から、複合酸化物への反応性、及び、焼成時におけるNOx 、SOx 等の非発生性等を考慮して選択される。
これらの原料化合物は、いずれも1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明の発光装置における蛍光体としては、本発明の前記蛍光体を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。本発明の前記蛍光体に加えて、赤色、橙色、黄色等に発光する蛍光体を併用することにより、更に演色性の高い発光装置とすることができる。その際、併用される蛍光体としては、580〜780nmの波長領域の光を発光する蛍光体が好ましい。例えば、2価のEuを発光中心イオンとしたものでは、CaS:Eu2+、SrS:Eu2+等の硫化物系蛍光体、Ca2 Si5 N8 :Eu2+、Sr2 Si5 N8 :Eu2+、Ba2 Si5 N8 :Eu2+、CaAlSiN3 :Eu2+、SrAlSiN3 :Eu2+、(Cax'',Sr1-x'')AlSiN3 :Eu2+(0≦x''≦
1)、LaSi3N5:Eu2+等の窒化物系蛍光体、及び、Sr2Si3Al2N6O2:Eu2+,Cax''(Siy'',Al1-y'')12(Oz'',N1-z'')16:Eu2+(0≦x''≦1, 0
≦y''≦1, 0≦z''≦1)等のオキシ窒化物系蛍光体等が好ましい。また、3価のEuを発光中心イオンとしたものでは、La2 O2 S:Eu3+、Y2 O2 S:Eu3+等のオキシ硫化物系蛍光体、及び、3価のEuにアセチルアセトンやテノイルトリフルオロアセトン等が配位した配位化合物系蛍光体等が好ましい。又、4価のMnを発光中心イオンとしたものでは、3.5MgO・0.5MgF2 ・GeO2 :Mn4+等が好ましい。中でも、Eu2+を発光中心イオンとする硫化物系蛍光体や窒化物系蛍光体は、発光強度が大きいことから特に好ましい。特に、赤色蛍光体の好ましい例としては、例えば、WO2005/052087Alパンフレットに記載されているようなCaAlSiN3:Eu2+、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+、M2Si5N8:Eu2+(Mは、Ca、Si、Baからなる群
から選ばれる少なくとも1種以上とする。)、Sr2Si3Al2N6O2:Eu2+、LaSi3N5:Eu2+等の窒化物系又は酸窒化物系蛍光体が好ましい。
本発明に係る発光装置は、半導体発光素子等の光源と、前記光源の発する紫外光から可視光の範囲の光を吸収してより長波長の可視光を発する蛍光体とを少なくとも有する発光装置である。演色性の高い発光装置であり、カラー液晶ディスプレイ等の画像表示装置や面発光等の照明装置等の光源として好適である。
本発明の発光素子を図面に基づいて説明する。図1は、波長変換材料としての本発明の蛍光体と、光源とから構成される発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。図2は、図1に示す発光装置を組み込んだ面発光照明装置の一実施例を示す模式的断面図である。図1、及び図2において、1は発光装置、2はマウントリード、3はインナーリード、4は光源、5は蛍光体含有樹脂部、6は導電性ワイヤ、7はモールド部材、8は面発光照明装置、9は拡散板、10は保持ケースである。
モールド部材7で被覆、保護されている。
例えば、発光ダイオード(以下適宜、「LED」という)、端面発光型又は面発光型のレーザーダイオード、エレクトロルミネセンス素子などが挙げられるが、通常は、安価なLEDが好ましい。LEDの具体例としては、シリコンカーバイド、サファイア、窒化ガリウム等の基板に、MOCVD法等の方法で結晶成長されたInGaN系、GaAlN系、InGaAlN系、ZnSeS系半導体等を用いたLEDなどが挙げられる。
さらに、LEDのパッケージの材料も任意であり、例えばセラミックスやPPA(ポリフタルアミド)等を適宜用いることができる。ただし、色再現性を向上させる観点からパッケージの色は白色又は銀色が好ましく、また、発光装置1の発光効率を高める観点からは、光の反射率を高められていることが好ましい。
また、光源に電力を供給する他の方法の例としては、バンプを用いたフリップチップ実装により光源に電力を供給する方法が挙げられる。
また、光源4は、一つの光源4を、2種類以上の蛍光体を含む蛍光体含有樹脂部5で共有しても良い。また、2個以上の蛍光体含有樹脂部5を作製し、それぞれに光源4を設けることも可能である。
蛍光体含有樹脂部5に本発明の蛍光体を単独で用いると、うすい黄緑、うすい緑、うすい青緑色の発光装置を得ることができる。また、本発明の蛍光体と任意の赤色蛍光体を組み合わせることにより、任意の色温度の白色発光装置を構成することができる。
例えば、蛍光体含有樹脂部5に含まれる蛍光体として、本発明の蛍光体と赤色蛍光体とを使用する。蛍光体含有樹脂部5は、光源4によって発光された紫外から青色領域の光の一部を吸収して緑色領域及び赤色領域の光を発光する。この蛍光体含有樹脂部5を上記の構成を有する発光装置1及び/又は面発光照明装置8に使用して、光源4により発光され
た青色光と、蛍光体の緑色光、及び赤色光とが混合されて、演色性の高い白色に発光する発光装置1及び/又は面発光照明装置8を提供する。該発光装置及び/又は該面発光照明装置は、例えばJIS規格に沿う電球色、昼白色、昼光色に発光させることが可能である。ここで、電球色、昼白色、昼光色とは、JIS Z9112に定められた蛍光ランプの光源色として規定された色度範囲の発光を指す。
M1 源化合物としてMg(OH)2 ・3MgCO3 ・3H2 O;Mgとして0.0006モル、M2 源化合物としてCaCO3 ;0.0297モル、M3 源化合物としてSc2 O3 ;0.0097モル、及びM4 源化合物としてSiO2 ;0.03モル、並びにX源化合物としてCe(NO3 )3 (水溶液);0.0003モルの各原料を、少量のエタノールと共にメノウ乳鉢に入れ、よく混合した後、乾燥させた。次いで、乾燥させた原料混合物を白金箔に包み、水素を4重量%含有する窒素ガスを流通させながら、大気下、1400℃で3時間、加熱することにより焼成した。引き続いて、粉砕、及び分級処理を行うことにより蛍光体を製造した。
次に、この蛍光体の発光スペクトルを以下に示す方法により測定し、結果を図3に示した。図3には比視感度曲線も重ねて示している。
日本分光社製蛍光測定装置において、励起光源として150Wキセノンランプを用いた。キセノンランプの光を10cm回折格子分光器に通し、波長455nmの光のみを光ファイバーを通じて蛍光体に照射した。励起光の照射により発生した光を25cm回折格子分光器により分光し、浜松フォトニクス社製マルチチャンネルCCD検出器「C7041」によって300nm〜800nmの各波長の発光強度を測定した。続いて、パーソナルコンピュータによる感度補正等の信号処理を経て発光スペクトルを得た。発光ピーク波長を表1に示した。
Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標xとyを算出し、結果を表1に示した。また、JIS Z8724に準拠して算出したXYZ表色系における刺激値Yから、後述する比較例1で得られた蛍光体の刺激値Yの値を100%とした相対輝度を算出し、結果を表1に示した。さらに、比較例1で得られた蛍光体の発光ピーク強度を100%とした相対発光ピーク強度を算出し、結果を表1に示した。
蛍光体製造原料を、M2 源化合物としてCaCO3 ;0.0297モル、M3 源化合物としてSc2 O3 ;0.01モル、及びM4 源化合物としてSiO2 ;0.03モル、並びにX源化合物としてCe(NO3 )3 (水溶液);0.0003モルとしたこと、及び、焼成温度を1500℃としたこと以外は、実施例1と同様にして蛍光体を製造し、同様に評価し、結果を表1に示した。この蛍光体の発光スペクトルを図5に示した。図5には比視感度曲線も重ねて示している。実施例1の蛍光体の発光スペクトル(図3)と比較すると、比較例1の蛍光体の発光スペクトルは、比視感度曲線との重なりが小さいことがわかる。
蛍光体製造原料を表1に示した組成で混合したこと、及び、焼成温度を表1に示す温度としたこと以外は、実施例1と同様にして蛍光体を製造し、同様に評価し、結果を表1に示した。尚、実施例7で得られた蛍光体の発光スペクトルを図4に示した。図3〜図5を見比べると、比較例1、実施例1、実施例7の順に発光スペクトルと比視感度曲線との重なりが増加しているのがわかる。発光スペクトルと比視感度曲線との重なりが増加すると、相対発光ピーク強度の割りに輝度の高い蛍光体となる。
蛍光体製造原料を表1に示した組成で混合したこと以外は実施例1に示された手順で蛍光体を製造したのち、その蛍光体を1mol/Lの塩酸に浸して撹拌し、12時間放置することにより、塩酸可溶性の不純物を除去した。溶けなかった蛍光体と塩酸溶液を分離したのち、水洗処理(水をそそぎ、撹拌したのち、固液分離する工程を繰り返す)を行った。引き続き、乾燥ののち、篩がけを行ったものを実施例14、15及び比較例4の蛍光体とした。
実施例14、及び15の蛍光体のメジアン径をレーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−300)で測定したところ、それぞれ7.5μmと6.1μmだった。
〈Ca、Sc、Si、Ce、Mgの含有量の測定〉
蛍光体試料を30倍量の炭酸ナトリウムとともに溶融し、希塩酸で溶解、希釈して測定溶液を得て、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)法で定量した。検量線用溶液は、市販の標準溶液を用いて試料溶液と同じ塩濃度となるように作成した。
蛍光体試料に50倍量の過塩素酸とフッ化水素酸(HF)を加え加熱、白煙処理し、塩酸を加えて加熱、希釈して測定溶液を得て、原子吸光(AAS)法によりNaを、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)法によりLiを定量した。検量線用溶液は、市販の標準溶液を用い試料溶液と同じ酸濃度となるように作成した。
これらの測定結果から、ケイ素の組成比を3として、蛍光体中の各成分原子の比率を求めた。結果を表2に示した。
図9〜図13は、実施例1、5、7、14及び15で得られた本発明の蛍光体の粉末X線回折パターンである。
実施例1、5及び7の蛍光体は、JCPDS標準チャートNo.72−1969に一致するガーネット構造の蛍光体の回折線が主成分として検出され、それ以外に、Sc2O3(JCPDS No.84−1880、88−2159)、CaSiO3(JCPDS No.3−1068、1−720)、Ca2MgSi2O7(JCPDS No.79−2425)、Ce4.67(SiO4)3O(JCPDS No.31−336)などに一致する不純物相に由来する回折線が観察された。不純物相が検出されたのは、この蛍光体が洗浄処理を行っていないためである。
一方、酸洗浄処理を行った実施例14及び15の蛍光体の回折パターンは、ガーネット構造の蛍光体の回折線と不純物相のSc2O3に由来する回折線だけが検出された。Sc2O3以外の不純物相は酸洗浄により溶解除去された。
図7は、Ce組成比が0.03である場合において、Mgの添加による発光ピーク波長のシフトに対する相対輝度(図7中、黒塗りした□で示す)及び相対発光ピーク強度(図7中、□で示す)の関係を実施例のデータから簡単に示したグラフである。Mgの添加量を増加させると相対発光ピーク強度は、若干の向上ののち大きく低下する。一方、輝度は、大きく向上したのちに低下していくが、今回の実施例の蛍光体はいずれも比較例1の蛍光体の輝度(相対輝度=100)よりも高い。これは、標準比視感度曲線と発光スペクトルとの重なりが増加したために輝度が向上し、その効果がピーク強度の低下を補ったものと考えられる。また、実施例12及び13で得られた蛍光体の相対輝度(図7中、●で示す)及び相対発光ピーク強度(図7中、○で示す)を図7に示した。このように本発明範囲内で原料混合比等の条件を調整することにより、極めて輝度の高い蛍光体が得られることがわかる。
図8も、Ce組成比が0.03である場合において、Mgの添加による発光ピーク波長のシフトに対する相対輝度(図8中、黒塗りした□で示す)および相対発光ピーク強度(図8中、□で示す)の関係を実施例のデータから簡単に示したグラフである。横軸にCIE色度座標のx値を、縦軸に相対ピーク強度と相対輝度を示している。Mg添加量の増加により色度座標値xが大きくなるにつれて、すなわち、長波長に発光ピークがシフトするにつれて、相対発光ピーク強度はわずかに増加ののち大きく低下する。一方、相対輝度は、大きく上昇したのちに低下していくが、今回の実施例の蛍光体はいずれも比較例1の蛍光体の輝度(相対輝度=100)よりも高い。これは、標準比視感度曲線と発光スペクトルとの重なりが増加したために輝度が向上し、その効果がピーク強度の低下を補ったものと考えられる。また、実施例12及び13で得られた蛍光体の相対輝度(図8中、●で示す)及び相対発光ピーク強度(図8中、○で示す)を図8に示した。このように本発明範囲内で原料混合比等の条件を調整することにより、極めて輝度の高い蛍光体が得られることがわかる。
(実施例16)
実施例14で製造した蛍光体を用いて、以下の手順で、図17に示す表面実装型白色LEDを作製し、その評価を行った。
まず、表面実装型LED用のフレームのカップ部の端子16に、460nmの波長で発光するLED(Cree社製のC460−MB290−S0100;MBグレード、光出力9〜10mW)を、銀ペースト(導電性マウント部材)を使ってボンディングした。次に、φ=20μmの金線(導電性ワイヤ)14を使用してLED11の電極と、フレーム13の端子15とを結線した。
赤色蛍光体Ca0.992AlSiEu0.008N2.85O0.15と実施例14の緑色蛍光体を重量比4対96で混合した。この蛍光体混合物1gに対して、シリコーン樹脂を10gの比率で良く混合した。なお、赤色蛍光体Ca0.992AlSiEu0.008N2.85O0.15については、公開公報WO2005/052087Alパンフレットに記載の方法で作成した。
上述のようにして得られた表面実装型白色LEDの発光スペクトルを、Ocean Optics Inc.のHR2000システムを使用して測定した。今回使用した分光器、積分球、光ファイバーなどからなる光学系は、発光分布の校正された標準ランプを使用して校正し、測定値はその校正データを反映させたものとした。また、測定及び計算方法において詳細に記載されていない部分は、JIS Z8724 、Z8725、 Z70
1、Z8726に準拠して測定及び計算を行った。
白色LEDは、室温(約24℃)において、20mAで駆動した。白色LEDからの全ての発光を積分球で受け、更に光ファイバーによって分光器に導き入れ、発光スペクトルを測定した。発光スペクトルのデータは、380nmから780nmの範囲を5nmおきに発光強度の数値を記録した。得られた白色LEDの発光スペクトルを図14に示した。これをもとに、CIE色度座標値x、及びyを求めたところ、x=0.319、y=0.336だった。また、相関温度(TCP)、平均演色評価数Ra、その他の演色評価数R1〜R15等の値も求め、表3に示した。
緑色蛍光体として、比較例1で製造した蛍光体を用いたこと以外は、実施例16と同様に表面実装型白色LEDを作製し、その評価を行った。測定された発光スペクトルを図15に示した。これをもとに、CIE色度座標値x、及びyを求めたところ、x=0.314、y=0.336だった。また、相関温度(TCP)、平均演色評価数Ra等の値も求め、表3に示した。
緑色蛍光体として、組成式が(Y0.85,Tb0.15,Ce0.1)3Al5O12で表される蛍光
体(通称YAG蛍光体)を用いたこと以外は、実施例16と同様に表面実装型白色LEDを作製し、その評価を行った。測定された発光スペクトルを図16に示した。これをもとに、CIE色度座標値x、及びyを求めたところ、x=0.336、y=0.335だった。また、相関温度(TCP)、平均演色評価数Ra等の値も求め、表3に示した。
2 マウントリード
3 インナーリード
4 光源
5 蛍光体含有樹脂部
6 導電性ワイヤ
7 モールド部材
8 面発光照明装置
9 拡散板
10 保持ケース
11 LED
12 蛍光体含有樹脂部
13 フレーム
14 導電性ワイヤ
15 端子
16 端子
Claims (14)
- ガーネット構造の化合物を母体とし、該母体内に発光中心イオンの金属元素を含有する下記一般式(I) で表される化合物からなることを特徴とする蛍光体。
M1 a M2 b Xc M3 d M4 3 Oe (I)
〔式(I) 中、M1 はMg及び/又はZnであって、MgがM 1 の50モル%以上を占め
、M2 はMg及びZnを除く2価の金属元素であって、CaがM 2 の50モル%以上を占め、XはCeがXの50モル%以上を占める発光中心イオンの金属元素、M3 はXを除く3価の金属元素であって、ScがM 3 の50モル%以上を占め、M4はSiをそれぞれ示
し、a、b、c、d、及びeは、それぞれ以下の式を満たす数である。
0.001≦a≦0.5
2.5≦b≦3.3
0.005≦c≦0.5
1.5≦d≦2.2
e={(a+b)×2+(c+d)×3+12}/2〕 - 前記一般式(I) において、0.001≦a≦0.3であることを特徴とする請求項1
に記載の蛍光体。 - 一般式(I) において、0.02≦c≦0.1であることを特徴とする請求項1又は2
に記載の蛍光体。 - 一般式(I) において、M2 がCa、Sr及びBaからなる群から選択される少なくと
も1種以上の2価の金属元素であって、CaがM 2 の50モル%以上を占めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蛍光体。 - 一般式(I) において、M3 がAl、Sc、Ga、Y、In、La、Gd及びLuから
なる群から選択される少なくとも1種以上の3価の金属元素であって、ScがM 3 の50モル%以上を占めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蛍光体。 - 一般式(I) において、Ce以外の発光中心イオンの金属元素Xが、Mn、Fe、Pr
、Nd、Sm、Eu、Gb、Tb及びTmから選択される少なくとも1種以上の金属元素であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蛍光体。 - 一般式(I) において、M1 がMgであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
1項に記載の蛍光体。 - 一般式(I) において、XがCeであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに
記載の蛍光体。 - 一般式(I) において、XがCe、M1がMg、M2がCa、M3がSc、M4がSiであ
ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蛍光体。 - 蛍光体のメジアン径が5μm〜30μmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の蛍光体。
- 紫外光から可視光の範囲の光を発光する光源と、該光源からの光の少なくとも一部を波長変換し、光源の光よりも長波長領域の光を発光する蛍光体を少なくとも1種以上有する発光装置であって、前記蛍光体は請求項1乃至10のいずれか1項に記載の蛍光体を含むことを特徴とする発光装置。
- 白色系に発光することを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
- 請求項11又は12に記載の発光装置を含むことを特徴とする画像表示装置。
- 請求項11又は12に記載の発光装置を含むことを特徴とする照明装置。
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