JP4905939B2 - 空調システムの運転制御方法 - Google Patents
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(1)複数の空調機を有する空調ゾーンにおける空調システム運転制御方法であって、各空調機の運転効率を比較して、優先的に運転すべき優先空調機を予め設定し、優先空調機以外の一の空調機が運転開始温度条件に至ったときに、当該一の空調機に対して運転開始指示せずに、非稼動の優先空調機に対して運転開始を指示、又は、稼動中の優先空調機に対して出力を上げて運転することを指示し(優先運転制御)、その後、当該一の空調機が運転停止温度条件に至ったときは、優先運転制御を解除する、ことを特徴とする。
(1)式において、KA(0)は新品時のKA値、KA(t)は新品時から時間t経過後のKA値である。これより、(1−R)は新品時から時間t経過後の熱交換器劣化度を表す。また、KA値は以下により求めることができる。すなわち、図8(モリエール線図)を参照して、凝縮器における熱交換量(放熱量)Qcは、
Qc=Gr(h3−h1’)・・・・・(2)
となる。ここに、冷媒循環量Grは、例えば圧縮機周波数の測定により求めることができる。h1’は、冷媒高圧圧力Pcに対応する凝縮温度Tcから過冷却された状態における冷媒エンタルピである。過冷却温度は、冷媒循環量、膨張弁開度により求めることもできるが、近似的に平均過冷却温度(3〜5℃)を用いてもよい。これらより、
KA=Qc/MTD ・・・・・(3)
となる。ここに、MTDは対数平均温度差であり、MTD=(△1−△2)/log(△1/△2)で示される。なお、△1=T1−Tc、△2=T2−Tcである。
室外機熱交換器の劣化は日々進行し、また、室外機設置場所の温度条件は日射条件、周囲の室外機の運転状態等により刻々変化するため、優先空調機の設定を一定期間ごとに行うことにより、最新の情報に基づいて優先空調機の選定が可能となり、省エネルギー効果の一層の向上を図ることができる。
さらに、空調ゾーン内の負荷が偏在している場合には、たとえ空調機の顕熱量の総和が空調ゾーン全体の空調負荷に対して充足していても、局所的な高温を抑制できないことが想定され得る。このようなリスクを回避するため、空調ゾーン内の負荷の偏りの有無を圧縮機の稼働率の分散値を算出することにより評価する。例えば、圧縮機稼働率(=(実負荷/定格出力)×100(%))の分散値が2000以上を「負荷偏在状態」と設定したとき、各々の圧縮機の運転状態が、A1:0%、A2:5%、A3:10%、A4:95%、A5:100%である場合には、稼働率の平均値は42%となり、前記負荷率の基準では「高負荷状態」とは判定されないが、分散値は2066となり負荷偏在状態であると判定することができる。
空調負荷過大又は負荷分担偏りの判断は、上述した圧縮機等の稼働率に基づくものに限定されない。例えば、各空調機内部、周囲等の計測温度に基づいて判断することも可能である。
優先空調機のみの運転では負荷を処理できないと判断した場合に、両方の空調機を運転状態とすることにより、高空調負荷への対応を容易とするものである。
これにより、当該優先空調機の運転では対応できないと判断されるときは、優先運転制御を取り止めることができる。
上述のように、優先空調機の選定は、空調機の型式、室外機の劣化度、及び室外機の吸込み温度をパラメータにしたCOP計算値から行っている。一方、室外機の吸込み温度は、日射条件や、室外機設置場所の気流状況により動的に変化(例えば、近傍の室外機が運転を開始したために温度環境が悪化する等)するため、運転開始時には優先空調機となるべき条件を満たしていた空調機が、運転解除時には優先空調機としての条件を満たしていないことがある。本発明は、不適切な優先空調機による優先運転制御の継続を排除するために、空調負荷の緩和を契機として優先空調機を選定し直すものである。
(9)さらに、いずれかの空調機又は当該空調機の所定の構成部の累積運転時間が所定の値を超えたときは、当該優先空調機を優先空調機対象から除外し、新たに優先空調機の設定を行うことができる。
優先空調機として選定可能な空調機が限定されると、本来の優先空調機の利益である省エネルギー性を十分に奏効できなくなるばかりでなく、却ってエネルギー効率を悪化させてしまうことが考えられるため、このような状況下での優先運転制御を行うことを制限するためのものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る空調システム1を示す図である。図2は、優先空調機の選定フローを示す図である。図3は、空調機A1の通常運転制御から優先運転制御への遷移フローを示す図である。図4は、優先空調機A4の優先運転制御からの解除フローを示す図である。図5は、優先空調機選定の概念を示す図である。図10は、制御用コンピュータ3の空調制御部3aの詳細を示すブロック構成図である。
さらに図10を参照して、制御用コンピュータ3の空調制御部3aは図示しないCPU、ROM、RAM等を備え、同図に示す各機能を有する。同図において、A部はデータベースであり、当該データベースを記憶手段として運転効率テーブル21、優先空調機テーブル23、COP特性曲線テーブル25、負荷状態テーブル27、負荷分担状況テーブル29、運転指示回数テーブル31、上限運転時間テーブル33を格納する。なお、ここではデータベースとして例示したが、数値データを体系的に記憶し、読出しが可能であれば足りる。
また、B部は演算処理を行う演算部であり、効率偏差演算手段51、室外機劣化度演算手段53、運転効率演算手段55、負荷率演算手段57、空調負荷分散値演算手段59が設けられている。
さらに、運転指示及び計測データ取得などの他の機能としてC部があり、運転指示手段81、計測温度取得手段83、経過時間計測手段85、累積運転時間取得手段87が設けられている。
次に、図3を参照して、空調機A1を例に、通常運転制御から優先運転制御への遷移フローについて説明する。初期状態で空調機A1は運転停止状態にあり(ステップS201)、かつ、温度センサS1の温度が優先運転制御開始温度TH以上にあるものとする(ステップS202)。次いで、空調機Aが優先空調機であるか否かが判定される(ステップS203)。該当する場合は空調機Aが優先空調機として選定され、空調機Aに運転開始指示が出される(ステップS209)。該当しない場合は、次に同一空調ゾーンに優先空調機が存在するか否かが判定される(ステップS204)。優先空調機が存在する場合には、その空調機が本制御の対象となる。ここでは、空調機A4がこれに該当するものとする(ステップS205)。
次に、図4を参照して、上述の遷移フローに従い優先空調機A4が定格運転を行っている状態からの解除フローについて説明する。定格運転空調機A1は優先空調機A4に運転を譲り、運転待機状態にあるものとする(ステップS301)。初期状態においてj=0とする(ステップS302)。ここに、jは優先空調機の運転のみでは室内温度上昇が続く場合に加算される数字であり、室内設定温度に維持できないリスクや、特定の空調機に優先運転が集中するリスクの回避を図るためのものである(詳細は後述する)。さらに制御インターバルのためのタイマーリセット(τ=0)が行われる(ステップS303)。
また、本実施形態では空調機4台を例に制御する例を示したが、台数はこれに限定されない。
さらに、優先空調機を空調機A4のみとしたが、複数空調機を優先空調機として設定し、これらに優先順位をつけることにより制御する形態とすることもできる。この場合、COP値が一定範囲内にある空調機を同一グループとして扱うこととしてもよい。
図1は、本発明の他の実施形態に係る空調システム20を示す図である。本実施形態が第一の実施形態に係る空調システム1と異なる点は、空調システム1では温度センサS1〜S4がそれぞれの空調機の近傍に配置されているのに対して、空調システム20では各空調機を代表する温度センサS9が室内の冷房負荷(例えば通信機器類)22近傍に配置されていることである。その他の構成については第一の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
2・・・・同一ゾーン(室内)
3・・・・制御用コンピュータ
22・・・・冷房負荷(通信機器)
A1〜A4・・・・空調機
S1〜S9・・・・温度センサ
Claims (6)
- 複数の空調機を有する空調ゾーンにおける空調システム運転制御方法であって、
各空調機の運転効率を比較して、優先的に運転すべき優先空調機を予め設定するステップと、
優先空調機以外の一の空調機が運転開始温度条件に至ったときに、当該一の空調機に対して運転開始指示せずに、非稼動の優先空調機に対して運転開始を指示、又は、稼動中の優先空調機に対して出力を上げて運転することを指示、するステップと(以下、優先運転制御という)、
その後、当該一の空調機が運転停止温度条件に至ったときは優先運転制御を解除するステップと、を含み、
前記運転効率が、各空調機について室外機熱交換性能劣化度(1−R)を考慮したCOP特性曲線と、室外機設置場所の温度条件と、に基づいて求めた当該空調機の運転効率である、
ことを特徴とする空調システムの運転制御方法。
但し、R(熱交換能力係数)は次式で示される。
R=KA(t)/KA(0)・・・・・(1)
ここに、KA(0):新品時のKA値、KA(t):新品時から時間t経過後のKA値。 - 前記優先空調機の設定を、所定の時間ごと、又は前記優先空調機以外の空調機が運転開始温度条件に至ったときごと、に更新することを特徴とする請求項1に記載の空調システムの運転制御方法。
- 各空調機の負荷率平均値が予め定めた上限値を超えておらず、かつ、各空調機の圧縮機稼働率の分散値で評価される負荷分担に偏りがないときに限り、前記優先運転制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の空調システムの運転制御方法。
- 優先運転制御開始から所定の時間経過後も、前記一の空調機の運転開始温度条件が継続しているときは、前記一の空調機に対しても運転開始又は運転継続指示するするステップを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空調システムの運転制御方法。
- 請求項4において、前記一の空調機に対する運転開始又は運転継続指示が連続して所定の回数以上発生又は所定の時間以上継続したときは、当該空調機を優先空調機から除外し、又は前記一の空調機を優先運転制御対象から除外するとともに、優先運転制御を解除するするステップを含むことを特徴とする空調システムの運転制御方法。
- 請求項4において、さらに、前記一の空調機が運転解除条件になったときは、再度優先空調機の選定を行い、優先順位の低い空調機に対し停止指示を行うステップを含むことを特徴とする空調システムの運転制御方法。
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