JP4907800B2 - 吸着治具剥がしプライヤー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、眼鏡レンズを研削加工するレンズ研削装置に取り付けられるレンズ取付治具の取付基部を挟持して、その取付基部に一体にされたレンズ保持部を眼鏡レンズから剥がす吸着治具剥がしプライヤーに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、円形で未加工の眼鏡レンズ(生地レンズ)の周縁を眼鏡フレームのレンズ形状(玉型形状)に研削加工するレンズ研削加工装置が知られている。このレンズ研削加工装置では、眼鏡レンズを保持した一対のレンズ回転軸を回転させながら眼鏡レンズを研削砥石で眼鏡フレームの玉型形状に研削加工するようにしている。
【0003】
このレンズ回転軸に眼鏡レンズを保持させるための治具としては、レンズ回転軸に取り付ける軸状の取付基部と、この取付基部に一体に形成されたレンズ保持部とを備えるゴム等の弾性部材で形成されたレンズ吸着治具が知られている。
【0004】
このレンズ吸着治具を用いて眼鏡レンズをレンズ回転軸の間に保持させるには、まず、レンズ保持部の接着面に両面テープを接着する。そして、この両面テープが接着した接着面に眼鏡レンズの屈折面を当接させ、両面テープの接着力により眼鏡レンズとレンズ保持部とを固着させる。次に、このレンズ吸着治具の取付基部を一方のレンズ回転軸の端面に設けた軸取付穴に嵌合する。そして、他方のレンズ回転軸に設けたゴム製のレンズ押さえ部材を眼鏡レンズに押し付けることで、眼鏡レンズを一対のレンズ回転軸間に保持(挟持)させるようにしている。
【0005】
一方、眼鏡レンズを研削加工後、眼鏡レンズを取り出すには、まず、眼鏡レンズに接着したままの状態でレンズ吸着治具を軸取付穴から外し、眼鏡レンズ及びレンズ吸着治具をレンズ回転軸の間から取り出す。そして、第1、第2握り部を相対接近離反させるとそれに連動して相対接近離反する第1、第2挟持部を有するプライヤーにより、レンズ吸着治具の取付基部を挟持して、眼鏡レンズの屈折面から両面テープが接着したレンズ保持部の接着面を剥がしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プライヤーの第1、第2挟持部で取付基部を挟持すると、ゴム等の弾性部材で形成された取付基部が変形し、その変形の際に第1、第2挟持部に取付基部の側面が密着せずに滑ってしまい、第1、第2挟持部の間から取付基部が外れて、確実に挟持することが困難であった。また、この第1、第2挟持部の対向面の全面が取付基部に接触するため、接触面積が広くなって、挟持力が分散し、強い力をかけてもレンズ保持部と眼鏡レンズとを剥離しにくくなっていた。
【0007】
そこで、この発明は、眼鏡レンズに接着したレンズ吸着治具のレンズ保持部を容易に剥がすことができる吸着治具剥がしプライヤーを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、第1、第2握り部の操作によりそれぞれ相対接近離反する第1、第2挟持部が設けられているとともに、この第1、第2挟持部によってレンズ取付治具のレンズ保持部と一体にされた軸状の取付基部を挟持させ、レンズ保持部に吸着又は接着保持された眼鏡レンズからレンズ保持部を剥がすレンズ取付治具剥がしプライヤーにおいて、第1、第2挟持部の対向面の少なくとも一方には、相対接近離反する方向に延びる薄肉の係合凸部が取付基部の挟持用に設けられ、係合凸部は、両端近傍が湾曲状に突出し、中央部分が直線状に突出することを特徴としている。
【0009】
請求項1の発明によれば、吸着治具剥がしプライヤーの、第1、第2挟持部の少なくとも一方に、取付基部の挟持用に設けられた係合凸部が形成されたので、レンズ挟着治具を眼鏡レンズから剥離する際に、変形した取付基部が第1、第2挟持部に密着する。そして、第1、第2挟持部の間から取付基部が外れることなく、確実に挟持して眼鏡レンズからレンズ吸着治具のレンズ保持部を剥がすことができる。また、取付基部に接触する係合凸部が薄肉であるために、取付基部との接触面積が狭くなって、挟持力が分散することが防止され、さらに第1、第2挟持部の間から取付基部が外れるおそれが低減し、眼鏡レンズからレンズ保持部を容易に剥がすことが可能となっている。
【0010】
【実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1に示す吸着治具剥がしプライヤー1は、第1レバー2と、第2レバー3とを備えている。
【0012】
この第1レバー2は、一端に第1挟持部4が形成され、他端に第1握り部5が形成されている。また、第1レバー2の第1挟持部4の近傍には、軸取付穴6が設けられている。そして、第1レバー2は、平面視した場合、この軸取付穴6を中心にほぼS字状に屈曲されている。
【0013】
一方、第2レバー3は、一端に第2挟持部7が形成され、他端に第2握り部8が形成されている。また、第2レバー3の第2挟持部7の近傍には、第1レバー2に設けられた軸取付穴6に回動可能に嵌着された軸部9が一体に設けられている。そして、第2レバー3は、平面視した場合、この軸部9を中心に反転したほぼS字状に屈曲されている。
【0014】
第1レバー2と第2レバー3とは、第1、第2握り部5、8が相対接近離反すると、第1、第2挟持部4、7も連動して相対接近離反させられるようにされている。
【0015】
第1、第2挟持部4、7は、ステンレス等の金属で形成され、それぞれ対向面が湾曲されて、第1、第2湾曲面4a、7aが形成されている。また、図2(a)に示すように、第1湾曲面4aには第1係合凸部10が形成され、第2湾曲面7aには第2係合凸部11が形成されている。また、ここでは、第1、第2湾曲面4a、7aの裏面側の角を切除する傾斜が、第1、第2湾曲面4a、7aと直交する端面に設けられている(図2(b)参照)とともに、第1、第2挟持部4、7の先端同士が互いに近接するように屈曲されている。
【0016】
さらに、図2(b)に示すように、第1湾曲面4aには、第2湾曲面7aと相対接近離反する方向に延びる第1係合凸部10が設けられている。この第1係合凸部10は、第1湾曲面4aと直交する一端面から突出する薄肉の板状を呈している。ここでは、第1係合凸部10は第1挟持部4の先端近傍及び後端近傍が湾曲状に突出し、中心近傍が直線状に突出して第1直線部10aが形成されている。
【0017】
また、第2湾曲面7aには、第1湾曲面4aと相対接近離反する方向に延びる第2係合凸部11が設けられている。この第2係合凸部11は、第2湾曲面4aと直交し、且つ、第1係合凸部10が形成された一端面に対向する端面から突出する薄肉の板状を呈している。そして、ここでは、第2係合凸部11は第2挟持部7の先端近傍及び後端近傍が湾曲状に突出し、中心近傍が直線状に突出して第2直線部11aが形成されている。
【0018】
なお、第1直線部10aと第2直線部11aとの距離tは、最も離れた状態で、後述するレンズ吸着治具20の取付基部22が入り込むことができる距離が必要である。
【0019】
第1、第2握り部5、8は、ここでは、それぞれ差し込みカバーにより被覆されている。
【0020】
以下に、この吸着治具剥がしプライヤー1の使用方法について説明する。
【0021】
この吸着治具剥がしプライヤー(以下、プライヤーという)1は、図3に示すように、第1、第2挟持部4、7により取付基部22を挟持させて、その取付基部22と一体にされたレンズ保持部21に吸着又は接着保持された眼鏡レンズ30からレンズ保持部21を剥がすものである。
【0022】
レンズ吸着治具20及び眼鏡レンズ30は、上述の従来技術において説明したものであり、レンズ吸着治具20及び眼鏡レンズ30についての詳細な説明は省略する。ここでは、レンズ吸着治具20の概要について説明する。
【0023】
レンズ吸着治具20は、硬質のゴム等の弾性部材で形成され、レンズ保持部21と、このレンズ保持部21に一体に形成された取付基部22とを備えている。レンズ保持部21は、両面テープ23が接着されている接着面21aを有し、この両面テープ23を介して接着面21aと、眼鏡レンズ30の屈折面31とが接着されている。また、取付基部22は、レンズ保持部21の中心から軸状に突出して形成されている。ここでは、図示しないレンズ研削加工装置の回転軸に嵌合するため、側面に凹リング溝22aが環状に形成されている。
【0024】
なお、レンズ保持部21の接着面21aを眼鏡レンズ30の屈折面31に吸着させ、その吸着力によりレンズ吸着治具20と眼鏡レンズ30とを固着させてもよい。
【0025】
プライヤー1を使用するには、使用者は、まず、図示しないレンズ研削加工装置の回転軸から、眼鏡レンズ30が接着したままのレンズ吸着治具20を外す。そして、図4に示すように、片手で眼鏡レンズ30をつまみ、他方の手でプライヤー1の第1、第2握り部5、8を相対離反させて、第1、第2挟持部4、7を相対離反させる。この相対離反した第1、第2挟持部4、7との間に、レンズ吸着治具20の取付基部22の側面を挟み込んで挟持する。このとき、第1、第2係合凸部10、11が形成された第1、第2挟持部4、7の一端面を、レンズ保持部21に接触させる。
【0026】
第1、第2握り部5、8を握って、相対接近させるにしたがって、第1、第2挟持部4、7が相対接近し、取付基部22の側面に挟持力がかかる。このとき、取付基部22の側面には、第1係合凸部10の第1直線部10a及び第2係合凸部11の第2直線部11aが接触して、取付基部22の側面を押圧する。
【0027】
側面が押圧された取付基部22は変形するが、レンズ保持部21が第1、第2挟持部4、7の一端面と、眼鏡レンズ30との間で押さえられているためレンズ保持部21は変形しない。よって、取付基部22のみが第1、第2挟持部4、7の間で変形し、第1、第2係合凸部10、11に食い込んで密着する。したがって、第1、第2挟持部4、7が取付基部22の側面から外れることが防止され、確実に挟持することができる。また、第1、第2係合凸部10、11には、第1、第2直線部10a、11aがそれぞれ形成されているので、より取付基部22と密着しやすくなっている。
【0028】
そして、第1、第2挟持部4、7で取付基部22の側面を挟持したまま、プライヤー1を持ち上げ、プライヤー1を屈折面31と平行に回転させて、眼鏡レンズ30の屈折面31からレンズ保持部21の接着面21aを剥がす。そのため、プライヤー1を眼鏡レンズ30の屈折面31と平行に回転させてレンズ吸着治具20を剥がす際に第1、第2係合凸部10、11が役立ち、眼鏡レンズ30の薄肉化によりレンズ吸着治具20の剥がしに伴う眼鏡レンズへの衝撃強度の減少、または眼鏡レンズ30の割れ、眼鏡レンズ30に蒸着されたコーティングへの変形による影響等を軽減することができ、回転による剥がし方のほうがダメージが小さい。
【0029】
このとき、第1、第2挟持部4、7で確実に取付基部22の側面を挟持でき、眼鏡レンズ20の屈折面31からレンズ保持部21の接着面21aを容易に剥がすことが可能となる。
【0030】
また、取付基部22の側面が接触するのは、ほぼ第1、第2係合凸部10、11の先端だけである。第1、第2係合凸部10、11は第1、第2湾曲面4a、7aのそれぞれの厚みと比較して薄肉であるので、第1、第2湾曲面4a、7aの全体が接触する場合と比べ接触面積が狭くなる。よって、取付基部22の側面を容易に変形させて食い込みやすく、挟持力の分散が防止され、さらに容易に眼鏡レンズ30からレンズ保持部を剥がすことができる。
【0031】
さらに、薄肉板状である第1、第2係合凸部10、11の先端を、取付基部22の側面に形成された凹リング溝22a内に嵌め込むことにより、さらに第1、第2挟持部4、7を取付基部22の側面から外れにくくすることもできる。
【0032】
また、第1、第2係合凸部10、11は、ここでは第1、第2挟持部4、7のそれぞれに形成されているが、少なくとも一方に形成されていればよい。さらに、この第1、第2係合凸部10、11に形成された第1、第2直線部10a、11aは、適宜、取付治具22の側面に沿った湾曲面に形成されてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、眼鏡レンズからレンズ保持具を剥がす際に、変形した取付基部が第1、第2挟持部に密着しやすくなり、第1、第2挟持部の間から取付基部が外れることなく、確実に挟持して眼鏡レンズからレンズ吸着治具のレンズ保持部を剥がすことができる。また、薄肉の係合凸部の先端が取付基部に接触して挟持力が分散することが防止され、第1、第2挟持部の間から取付基部が外れるおそれがさらに低減し、容易に眼鏡レンズからレンズ保持部を剥がすことが可能となっている。
【0034】
したがって、眼鏡レンズに接着したレンズ吸着治具を容易に外すことができる吸着治具剥がしプライヤーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる吸着治具剥がしプライヤーの全体斜視図である。
【図2】(a)この発明にかかる吸着治具剥がしプライヤーの第1、第2挟持部側の先端拡大平面図である。
(b)図2(a)におけるA−A断面図である。
【図3】この発明にかかる吸着治具剥がしプライヤーで、眼鏡レンズに接着した吸着治具を挟持している場合の要部断面図である。
【図4】この発明にかかる吸着治具剥がしプライヤーで、眼鏡レンズに接着した吸着治具を剥離する際の説明斜視図である。
【符号の説明】
1 吸着治具剥がしプライヤー
4 第1挟持部
5 第1握り部
7 第2挟持部
8 第2握り部
10 第1係合凸部
11 第2係合凸部
20 レンズ取付治具
21 レンズ保持部
22 取付基部
30 眼鏡レンズ
Claims (1)
- 第1、第2握り部の操作によりそれぞれ相対接近離反する第1、第2挟持部が設けられているとともに、該第1、第2挟持部によってレンズ取付治具のレンズ保持部と一体にされた軸状の取付基部を挟持させ、前記レンズ保持部に吸着又は接着保持された眼鏡レンズから前記レンズ保持部を剥がすレンズ取付治具剥がしプライヤーにおいて、
前記第1、第2挟持部の対向面の少なくとも一方には、相対接近離反する方向に延びる薄肉の係合凸部が前記取付基部の挟持用に設けられ、
前記係合凸部は、両端近傍が湾曲状に突出し、中央部分が直線状に突出することを特徴とするレンズ取付治具剥がしプライヤー。
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