JP4915074B2 - 高炉への還元材吹込み装置、該装置を用いた高炉操業方法 - Google Patents
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Description
(1)微粉炭を170kg/t以上吹込んでも、その燃焼性を確保してコークスとの置換率を高く保ち、生産量、燃料比を維持することを目的とした高炉操業方法であって、微粉炭吹込み位置の手前より燃料ガスを吹込むことを特徴とする高炉操業方法(特許文献1参照)。
(2)合成樹脂の多量吹き込みを実現することを主目的とした高炉操業方法であって、羽口部の送風支管に設置した補助燃料吹込みノズルから天然ガス等の補助燃料を吹き込むとともに、該補助燃料吹込み位置よりも送風の上流側に設置されたノズルから合成樹脂粒を吹き込むことを特徴とする高炉操業方法(特許文献2参照)。
このランス位置決定方法とは、微粉炭吹込み用ランスを、高炉羽口に連設された熱風吹込み用ブローパイプの壁を貫通して該ランスの先端を該ブローパイプ内へ突入させ、上記ランスから吹込まれた微粉炭を、上記ブローパイプ内を流れる熱風と共に高炉羽口から吹込む方法における微粉炭吹込み用ランス位置決定方法であって、高炉羽口とブローパイプの境界位置から前記ランスの先端までの距離(以下、ランス位置ということがある)L(mm)が、下記(1)式を満足する様に前記ランスの配設位置を定めることを要旨とするものである(特許文献3参照)。
0.22×[PCR]+48.2≦L≦1017.3−1.33×[PCR]−14.7×[VM] ---------(1)
但し、[PCR] :微粉炭吹込み量(kg/銑鉄t)
[VM]:微粉炭中の揮発分含有率(%)
通常、炉壁の温度が上昇すると、炉壁の冷却を強化することになるが、そうなると熱効率が低下する。都市ガス吹き込みは、低還元材比操業を目的に吹き込むものであるが、高炉炉壁温度上昇の問題を解決しないかぎり低還元材比操業を実現することは難しい。
他方、特許文献3においては、炉内最高温度位置についての考察がなされているが、特許文献3においては、微粉炭吹込みのみについての考察に止まり、気体還元材の吹込みについては何ら言及されていない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、気体還元材を羽口から吹き込む場合に、高炉炉壁の温度上昇を抑制できる還元材吹込み装置、及び高炉操業方法を得ることを目的としている。
コークス充填型試験燃焼炉10は、図3に示すように、炉内高さ1000mm、炉内奥行き600mmの矩形の炉であり、炉壁10aに羽口11を一本有している。羽口11には熱風吹き込み用のブローパイプ13が接続され、ブローパイプ13にはブローパイプ内の圧力を測定する入側圧力計15が設けられている。
また、炉の上部にはコークス装入口17と排気口19が設けられ、排気口には排ガスの圧力を測定する出側圧力計21が設けられている。
また、ブローパイプ13には、気体還元材吹込み用ランスと微粉炭吹込み用ランスが設けられている。コークス充填型試験燃焼炉10においては、気体還元材吹込み用ランスと微粉炭吹込み用ランスのそれぞれの設置位置、および羽口11は適宜変更可能になっている。
図4に示されるように、都市ガス吹込みを行なわない場合には、炉内最高温度位置は羽口先端から約500mmの位置であることが分かる。
図4と図5を比較すると、都市ガスを吹込むことによって炉内最高温度位置が炉外側に約100mmシフトしていることが分かる。炉内最高温度位置は都市ガスの吹込み位置によって決定されるので、都市ガス吹込みを行った場合において、炉内最高温度位置を都市ガス吹込みを行わない場合と同様の位置に戻すには、都市ガスの吹込み位置を100mm炉内側に移動させればよいことになる。
しかしながら、羽口先端を越えて都市ガス吹込みランスのみを炉内に延出させると、ランスが直ぐに溶損してしまう。
これを防止するために、発明者は羽口の炉内側への突出長さを長くして、その中にランスを設置すれば、ランスの溶損を防止しつつランス先端を炉内側に移動できるとの知見を得た。
発明者はさらに考察を進め、高炉炉壁温度上昇防止の観点からすれば、炉内最高温度位置を微粉炭のみの吹込みの場合よりもさらに炉内側に移動させることが望ましいことに気づいた。
もっとも、炉内最高温度位置をさらに炉内側に移動させるには都市ガスの吹込み位置を炉内側に移動させる必要があり、その場合には羽口を炉内側にさらに突出させることになる。羽口を炉内側にさらに突出させると、コークスやスラグ等の炉内物の影響によって羽口が損耗することが考えられる。そのため、無作為に羽口を炉内側に突出させることはできない。
1)テスト方法
(1)下記の表1に示す炉内突出長さの違う羽口を表1に示す本数準備し、高炉に設置した。なお、炉内突出長さLとは、図6に示すように、高炉に羽口30を設置した状態において高炉炉内壁面31から羽口炉内側先端30aまでの距離をいう。
2)テスト結果
図8は羽口突出長さLと羽口欠損長さLa、Lbとの関係を示すグラフであり、横軸が炉内突出長さLを、縦軸が羽口先端欠損長さをそれぞれ示している。
図8に示すように、炉内突出長さLを長くした場合、羽口下部欠損長さLbはほとんど変化がないのに対して、羽口上部欠損長さLaは、炉内突出長さLが600mmを超えると急激に増加することがわかった。
羽口先端の欠損は、レースウエイ部のコークスの旋回による磨耗によるものと、炉内の滴下溶銑による溶損によるものの2種類が考えられる。炉内への突出長さLが短いうちは、コークスの旋回による磨耗がほとんどを占めるため、羽口上下部の欠損長さは大きくは変わらない。しかし、突出長さLが600mmを超えると、羽口上部が滴下溶銑の影響を受け、溶損により欠損長さが急激に増加したものと考えられる。
このように考えると、羽口突出長さLが600mmを超えることは羽口の寿命が著しく短くなると同時に、操業中に冷却パイプ33が破損して炉内に水が浸入するトラブルが発生する危険性が高くなることを示している。
したがって、羽口突出長さLは600mm以下にすることが、羽口寿命と冷却パイプ破損による炉内トラブル防止の観点から、好ましいと言える。
(1)本発明に係る還元材吹込み装置は、高炉羽口から少なくとも気体還元材を吹込む還元材吹き込み装置であって、高炉内壁面から炉内側への突出長さが350mm〜600mmに設定された羽口と、該羽口の炉内側先端部近傍に設けられた気体還元材吹き込み口と、を備えたことを特徴とするものである。
なお、高炉羽口の炉内側先端部近傍とは、気体還元材の吹き込み口から吹込まれる気体還元材が羽口又はブローパイプ内で燃焼することによるガスボリューム増大に起因する圧損が生ずることがない位置をいう。
高炉内壁面から炉内側への羽口の突出長さを350mm〜400mmに設定することにより、都市ガス等の気体還元材を羽口から吹込む場合にも炉内最高温度位置が炉壁側にシフトするのを防止して高炉炉壁の温度上昇を抑制できると共に、羽口先端の欠損を可及的に防止できる。
本実施の形態に係る気体還元材吹込み装置は、高炉羽口から微粉炭と気体還元材を吹込む還元材吹き込み装置であって、高炉内壁面2から炉内側への突出長さLが400mmに設定された羽口1を備え、羽口1に接続されたブローパイプ3内に、気体還元材としての都市ガスを吹込む気体還元材吹込み用ランス5と、固体還元材としての微粉炭を吹込む固体還元材吹込み用ランス7とを、両者が交差するように設置したものである。
羽口における高炉内壁面2から炉内側への突出長さLを400mmに設定したのは、通常の羽口における高炉内壁面2から炉内側への突出長さLが約300mmであることから、都市ガス吹込みによる最高温度位置のシフト量である100mmだけ羽口1の炉内側への突出長さを長くして、都市ガス吹込み位置を100mm炉内側に移動できるようにするためである。
また、固体還元材吹込み用ランス7の後端側は、図示しない微粉炭製造装置によって製造される微粉炭を気流搬送する微粉炭気流搬送管に連結されている。
本実施の形態で用いた都市ガスの組成は、メタンガス88.5体積%、エタンガス4.6体積%、プロパンガス5.4体積%、ブタンガス1.5体積%で、カロリーは、11800kcal/kgである。また、微粉炭の銘柄は、Blackwater炭であり、74μmのメッシュ間隔の篩いを通過した微粒子が80%のものを用いた。
そして、本実施の形態においては、高炉内壁面2から炉内側への突出長さLが400mmに設定された羽口1を備え、気体還元材吹込み用ランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aが羽口炉内側先端近傍に配置されているので、気体還元材吹込み用ランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aが通常よりも約100mm炉内側に配置されていることになり、炉内炉内最高温度位置を通常の微粉炭のみの吹込みと同様の位置にすることができる。
また、気体還元材吹込み用ランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aを羽口炉内側先端近傍に配置したので、供給される都市ガスが羽口内やブローパイプ内で燃焼することがなく、羽口内やブローパイプ内で燃焼した場合に発生するガスボリュームの増大に起因する圧損の問題がない。また、都市ガスの燃焼が炉内で行なわれるので、羽口1やブローパイプ3の周囲を冷却している冷却装置に過大な熱負荷をかけることもなく、また、熱ロスも少ない。
また、気体還元材吹込み用ランス5の先端部近傍を屈曲して都市ガス吹き出し位置が羽口中心位置になるようにしたので、都市ガスを炉内に偏りなく吹込むことができ、安定的な操業ができる。安定的な操業をするためには、都市ガス吹込み位置は羽口が円形の場合、羽口の中心軸から半径が羽口口径の6分の1以内とするのが好ましい。
都市ガスの吹込みに偏りがあれば、炉内の還元反応に偏りが生じ、装入物の降下異常等の操業状態の悪化を誘発し、結果として、還元効率が悪化する。
なお、気体還元材吹込み用ランス5内を通過するのは気体であることから、気体還元材吹込み用ランスを屈曲させても管の閉塞や損耗の心配はない。
もっとも、気体還元材吹込み用ランス5から吹込まれる都市ガスがブローパイプ3又は羽口1内で燃焼することによるガスボリューム増大に起因する圧損が生ずることがない位置にする必要があり、その意味では、羽口炉内側先端1aから炉外側に0〜25mmの範囲に配置されることが好ましい。
また、上記の実施の形態においては、固体還元材の例として微粉炭を例に挙げたが、その他に、微粒化した合成樹脂、木材チップなどを用いてもよい。
さらに、上記の実施の形態においては、気体還元材と固体還元材の両方を吹込む例を示したが、気体還元材のみを吹込む場合であっても同様である。
図2に示されるように、炉内最高温度位置は羽口先端から約500mmの位置にあり、図4で示した都市ガスの吹込みを行わなかった場合と同様となった。
このことから、高炉内壁面2から炉内側への突出長さLが400mmに設定された羽口1を用いると共に気体還元材吹込み用ランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aが羽口炉内側先端近傍に配置したことにより、都市ガス吹込みによる炉内最高温度位置のシフトを回避できることが実証された。
Claims (6)
- 高炉羽口から少なくとも気体還元材を吹込む還元材吹き込み装置であって、高炉内壁面から炉内側への突出長さが350mm〜600mmに設定された羽口と、該羽口の炉内側先端部近傍に設けられた気体還元材吹き込み口と、を備えたことを特徴とする高炉への還元材吹込み装置。
- 高炉羽口から少なくとも気体還元材を吹込む還元材吹き込み装置であって、高炉内壁面から炉内側への突出長さが350mm〜400mmに設定された羽口と、該羽口の炉内側先端部近傍に設けられた気体還元材吹き込み口と、を備えたことを特徴とする高炉への還元材吹込み装置。
- 高炉羽口から少なくとも気体還元材を吹込む還元材吹き込み装置であって、高炉内壁面から炉内側への突出長さが350mm〜600mmに設定された羽口と、気体還元材を吹込む気体還元材吹込み用ランスを備え、該気体還元材吹込み用ランスの吹込み口を前記羽口の炉内側端部近傍に配置したことを特徴とする高炉への還元材吹込み装置。
- 高炉羽口から少なくとも気体還元材を吹込む還元材吹き込み装置であって、高炉内壁面から炉内側への突出長さが350mm〜400mmに設定された羽口と、気体還元材を吹込む気体還元材吹込み用ランスを備え、該気体還元材吹込み用ランスの吹込み口を前記羽口の炉内側端部近傍に配置したことを特徴とする高炉への還元材吹込み装置。
- 気体還元材吹き込み用ランスの吹込み口を羽口先端から炉外側に0〜25mmの範囲内に配置したことを特徴とする請求項3または4に記載の高炉への還元材吹込み装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の高炉への還元材吹込み装置を用いて、該高炉への還元材吹込み装置から少なくとも気体還元材を吹込むことを特徴とする高炉操業方法。
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