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JP4915293B2 - 細胞電気生理センサ用デバイスおよびそれを用いた細胞電気生理センサ - Google Patents
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Description

本発明は細胞電気生理センサ用デバイスおよびそれを用いた細胞電気生理センサに関する。
電気生理学におけるパッチクランプ法は、細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
細胞電気生理センサは、このパッチクランプ法を応用したものであり、例えば化学物質によって細胞が発する反応を検出する薬品スクリーニングなどに用いられる。
ここで図15に示すように従来の細胞電気生理センサ用デバイスは、基材1である樹脂基板と、この基材1の孔にはめ込まれた細胞保持チップ2とを備え、この細胞保持チップ2は導通孔3を有している。そしてこの導通孔3が非常に微細な場合は、細胞保持チップ2として珪素を用い、ドライエッチング加工することによって、高精度に形成することができる。
またこの細胞保持チップ2と基材1とは接着剤4で接着されている。ここで細胞保持チップ2は非常に微小なため、その側面に接着剤4を塗布することは難しく、基材1の孔にはめ込んだ後、外部から接着剤4を塗布していた。
そして従来の細胞電気生理センサは、上記細胞電気生理センサ用デバイスと、細胞保持チップ2の上下に配置された電解槽5A、5Bと、これらの電解槽5A、5Bに注入した細胞外液・内液などの電解液の電位をそれぞれ測定する電極6A、6Bとを備えている。
そしてこの細胞電気生理センサは、導通孔3の開口部に細胞7を捕捉し、電解槽5A、5B間の電位差を計測することによって、細胞7が活動する際の細胞7の内外における電位変化、あるいは細胞7の活動によって発生する物理化学的変化を測定することができる。
なお、上記細胞電気生理センサと類似する例を開示するものとして下記の特許文献が挙げられる。
特開2007−010430号公報
従来の細胞電気生理センサ用デバイスでは、細胞電気生理センサの測定精度が低いという課題があった。
その理由は、細胞保持チップ2と基材1との気密性が低かったからである。
すなわち、従来は、基材1と細胞保持チップ2とを接着剤4で接合しているため、接着強度が低かった。また細胞保持チップ2は微小なため、側面に接着剤4を均一に塗布するのは非常に困難であった。したがって、細胞保持チップ2側面と基材1と間には隙間が生じやすく、電解槽5A、5B間に電気的パスが形成されてしまい、結果として測定精度が低下するのであった。
そこで本発明は、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、基材がガラスからなり、細胞保持チップの側面には、酸化珪素または窒化珪素の少なくともいずれか一方からなる親水膜が形成されているとともに、基材は親水膜に溶着されているものとした。
これにより本発明は、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
その理由は、細胞保持チップの側面と基材との気密性が高まるからである。
すなわち本発明は、基材がガラスで、細胞保持チップの側面が親水性のため、基材を加熱すると、溶融した基材のガラス成分が、細胞保持チップ側面のほぼ全周になじんでいく。そしてその後、基材のガラス成分が細胞保持チップ側面の親水膜に溶着するものである。
したがって、細胞保持チップの側面と基材との間の隙間を低減し、気密性が高まり、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができるのである。
(実施の形態1)
図1の断面図に示すように本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサ用デバイスは、樹脂基板8と、この樹脂基板8の孔に挿入されている基材9と、この基材9の上下面を繋ぐ貫通孔10にはめ込まれた細胞保持チップ11とを備えている。なお、本実施の形態で用いた基材9は、細胞保持チップ11の側面外周を覆う管形状をしている。
そして本実施の形態の細胞保持チップ11は、薄板12と、この薄板12の上面側に形成された枠体13とを有し、薄板12にはその上下面を繋ぐ導通孔14が形成されている。本実施の形態では、薄板12の厚みは1〜5μmであり、導通孔14の直径は1〜5μmとした。この大きさは、直径10〜20μmの細胞15をトラップするのに適している。また枠体13の水平方向における厚みは150μmであり、基材9は内径が0.75mm、外径が1.5mm、厚みが0.375mmとした。
また細胞保持チップ11、すなわち本実施の形態における薄板12と枠体13とは珪素で形成され、基材9はガラスで形成されている。細胞保持チップ11を珪素としたことにより、μmオーダーの導通孔14をドライエッチング技術によって高精度に形成できる。
さらに細胞保持チップ11の側面、すなわち枠体13および薄板12の側面には、この側面のほぼ一体を覆うように二酸化珪素からなる親水膜16が形成され、この親水膜16のほぼ全体に基材9のガラス成分が溶着している。
なお、親水膜16は二酸化珪素以外にも、その他の酸化珪素や窒化珪素、あるいは酸化珪素と窒化珪素との混合物等、親水性で珪素表面の反応により生成できる物質が好ましい。特に二酸化珪素等は溶融したガラスと共有結合できるため、接合がより強固となる。
また親水膜16はできるだけ均一に形成することにより、細胞保持チップ11を安定して基材9と接合することができる。
また本実施の形態では、図1に示すように、上記の細胞電気生理センサ用デバイスを細胞電気生理センサに用いている。
すなわちこの細胞電気生理センサは、細胞電気生理センサ用デバイスと、細胞保持チップ11の上方および下方に設けられた電解槽17A、17Bと、これらの電解槽17A、17Bにおける電位をそれぞれ測定する電極18A、18Bとを備えている。そして下方の電解槽17Bにはこの電解槽17Bを封止するようにシール材19を取り付け、電解槽17B内の液体を吸引する圧力伝達チューブ20を設置した。
次に本実施の形態における細胞電気生理センサを用いて細胞の電気生理活動を測定する方法について述べる。
まず図1に示す上方の電解槽17A内に細胞外液、下方の電解槽17B内に細胞内液を気泡が入らないよう充填し、細胞外液、細胞内液にそれぞれ電極18A、18Bを接触させる。
ここで細胞外液とはたとえば哺乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液であり、細胞内液10とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液である。
この状態において電極の間で100kΩ〜10MΩ程度の導通抵抗値を測定することができる。これは細胞外液あるいは細胞内液が導通孔14に浸透し2つの電極が細胞外液と細胞内液とを介して導通するからである。
次に上方の電解槽17Aの上側から細胞15を投入し、圧力伝達チューブ19により減圧を行うと、細胞15は導通孔14に引き付けられ、導通孔14を塞ぎ、上下の電解槽間17A、17Bの電気抵抗が十分に高い1GΩ以上の状態となる。この状態において細胞15の電気生理活動によって細胞内外の電位が変化した場合には、わずかな電位差あるいは電流であっても測定が可能となる。ここでこの測定時においては、電解槽17A、17B間において、細胞15を介さない電気的パスを極力減らすことが、測定精度の向上に寄与する。
以下に本実施の形態の細胞電気生理センサ用デバイスの製造方法を説明する。
はじめに、第一の工程では、図2に示すような珪素からなる基板21を準備し、基板21の表面に第一のエッチングレジスト膜22を所定のパターンで形成する。基板21は通常Si基板と呼ばれ一般的に入手可能である。
次に、第二の工程では、図3に示すように第一のエッチングレジスト膜22の開口部からエッチングを促進するガス(以下促進ガスという)と抑制するガス(以下抑制ガスという)を交互に導入して基板21に導通孔14を形成する。このときのエッチング方法としてはICPプラズマを用いたドライエッチング方法とし、促進ガスには例えばSF6、CF4を用い、抑制ガスには例えばC48、CHF3を用いることが好ましい。これにより、促進するガス導入時には珪素からなる基板21をエッチングし、抑制ガスの導入時にはエッチングした内壁に保護膜を形成することから、これらのエッチングガスの組み合わせを最適化することによって、エッチングは第一のエッチングレジスト膜22の開口部直下でのみ進行し、導通孔14をほぼ垂直な形状にエッチング加工することができる。
その後、第三の工程として、図4に示すように第一のエッチングレジスト膜22を除去する。
次に、第四の工程として、図5に示すように基板21の表面(導通孔14を形成した面と反対側の面)に第二のエッチングレジスト膜23を所定のパターンで形成する。
その後、第五の工程として、図6に示すように第二のエッチングレジスト膜23の開口部からエッチングを促進するガス(促進ガス)と抑制するガス(抑制ガス)とを交互に導入して基板21をエッチングすると、薄板12と枠体13とからなる細胞保持チップ11を形成することができる。このときのエッチング方法は前述の導通孔14を形成する方法と同様である。
次に第六の工程として、CVDまたは熱酸化または蒸着などの方法によって細胞保持チップ11の側面に二酸化珪素からなる親水膜(図1に示す16)を形成させる。
その後、細胞保持チップ11を図1に示す基材9であるガラス管の貫通孔10内へ挿入し、円筒形の基材9の外周面をガスバーナーなどの炎で加熱し、それにより基材9のガラス成分を溶融させ、この基材9の貫通孔10内周面側の親水膜16と細胞保持チップ11の外周面とを直接接合させる。ここでガスバーナーを使用するのは、局部的に基材9と細胞保持チップ11とを高温にでき融着させることができるためである。なおこの時の加熱温度は200℃〜1500℃程度が好ましい。また本実施の形態では、高温条件下で加熱時間を十分にとったため、細胞保持チップ11側面の親水膜16と基材9とを共有結合させることができる。このように、親水膜16の少なくとも一部を基材9と共有結合させることによって、細胞保持チップ11と基材9との接着強度をさらに上げることができる。
そして最後に、本実施の形態では、図1に示す基材9の側面下端部に接着剤を塗布し、この基材9を樹脂基板8の孔に挿入することによって細胞電気生理センサ用デバイスを形成している。
本実施の形態における効果を以下に説明する。
本実施の形態の細胞電気生理センサ用デバイスは、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
その理由は、細胞保持チップ11の側面と基材9との気密性が高まるからである。
すなわち本実施の形態では、基材9としてガラスを用い、また細胞保持チップ11の側面に二酸化珪素からなる親水膜16を形成している。ここで基材9を加熱すると、溶融した基材9のガラス成分が、細胞保持チップ11側面に溶着するが、ガラスは親水性のため、上記のように親水膜16を形成しておくことによって、ガラス成分が細胞保持チップ11の側面でよくなじむ。そして細胞保持チップ11の側面全周になじんだガラス成分が細胞保持チップ11の側面に熱溶着することによって強固に直接接合させている。
したがって、細胞保持チップ11の側面と基材9との間の隙間を低減でき、気密性が高まり、漏れ電流を抑制することができるため、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
なお、基材9としては、ガラス板などを用いてもよいが、ガラス管を用いた方がリペア性に優れる。またガラスは珪素と比較して安価なため、基材9のサイズを大きくすることができ、チップのみを樹脂基板8にはめ込むよりも作業性が向上する。
また本実施の形態では、二酸化珪素からなる親水膜16は電気的絶縁性を示すため、細胞保持チップ11側面と基材9との界面において、電気的パスが形成されるのを抑制することができ、測定精度の向上にさらに寄与する。なお、親水膜16の厚みは、チップ側面の表面積に比例するが、本実施の形態の場合、0.1μm以上とすることにより、電気的絶縁性を向上させることができた。また親水膜16の材料としては、窒化珪素等も電気的絶縁性を示すが、二酸化珪素の方が、比誘電率が小さいため、より絶縁性が高く、測定精度を向上させることができる。
また細胞保持チップ11は平板状でもよいが、本実施の形態のように薄板12と枠体13とで形成すると、薄板12が薄い場合、すなわち導通孔14を短くする場合においても、枠体13が存在することにより基材9との接合面積を増やすことができ、細胞保持チップ11と基材9との接着強度を上げることができる。なお、導通孔14の深さは被検体となる細胞15の大きさ、性質によって調整する必要がある。
また本実施の形態では、基材9を樹脂基板8に挿入したため、複数の細胞保持チップ11を一つの樹脂基板8上に実装することができ、大量の薬品スクリーニング等に適している。
なお、本実施の形態では、細胞保持チップ11としてSi基板(珪素)を用いたが、図7に示すように、珪素の間にエッチングストップ層24を設けた基板を用いてもよく、たとえばエッチングストップ層24として珪素よりエッチングレートの遅い二酸化珪素を用いたSOI基板が挙げられる。このエッチングストップ層24を、薄板12表面であって枠体13との接合面側、すなわち薄板12と枠体13との界面に配置することによって、薄板12の厚みおよび導通孔14の深さを容易に所望のサイズに加工することができる。
ここで、上記のようにエッチングストップ層24として二酸化珪素を用いる場合、二酸化珪素のプラズマエッチング工程では、エッチングを促進するガスとして例えばCF4、Arなどを用いることが好ましい。これにより二酸化珪素を優先的にエッチングすることができ、珪素の不要なエッチングを抑えることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態と実施の形態1との違いは、図8に示すように、薄板12の外径が、枠体13の外径よりも小さくなるように形成されている点である。これは、ドライエッチング工程において、薄板12を形成する際と枠体13を形成する際のエッチングレジスト膜の大きさ、配置を調整することで形成できる。そして本実施の形態では、枠体13の側面に親水膜16を形成している。
また、実施の形態1と同様に、本実施の形態における薄板12の厚みは1μm〜5μm程度であり、枠体13の厚み(150μm程度)と比較して非常に薄いものである。
本実施の形態では、薄板12が枠体13より内側に位置するため、薄板12が基材9から受ける応力を低減することができ、薄板12が破損するのを抑制することができる。このような構造は、導通孔14を短くする必要がある場合、薄板12の厚みも薄くなり、機械的強度が弱くなることから、有効である。
また本実施の形態のように、線膨張係数の異なる基材9と細胞保持チップ11とを熱溶着させている場合、成形後の熱収縮によって応力が掛かりやすいことから、薄板12を枠体13より内側に配置することは特に有効である。
また本実施の形態では、薄板12を枠体13より内側に形成したため、薄板12の側面外周には隙間が形成されている。本実施の形態では、この隙間をガラス溜め部25として用い、このガラス溜め部25に溶融したガラス成分26を溜めることができる。
これにより本実施の形態では、ガラス成分が薄板12表面に回り込み、凹凸ができるのを抑制することができる。
また本実施の形態では、ガラス溜め部25にまで付着したガラス成分26がストッパーの役割を果たし、細胞保持チップ11を保持することができるため、熱溶着工程中や成形後においても、細胞保持チップ11が基材9からずり落ちるのを防ぐことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態と実施の形態1との違いは、図9に示すように、親水膜16を、導通孔14の上側の開口部から薄板12の細胞保持面(上面)を介し細胞保持チップ11の側面までと、細胞保持チップ11の側面とを一体の親水膜16で被覆している。
これにより本実施の形態では、前述の実施の形態1と同様に基材9と細胞保持チップ11との気密性が向上するともに、薄板12上面における親水性が向上するため、細胞15と導通孔14開口部との密着性が向上し、また導通孔14近傍において気泡の発生を抑制することができ、測定精度を向上させることができる。
また本実施の形態では、親水膜16として二酸化珪素を用いたため、親水膜16は電気的絶縁性を有している。したがって、電気的リークパスにおける容量発生を、この絶縁性の親水膜16で抑制し、電流波形にのる容量成分を抑制することができる。そしてその結果、細胞15が反応した際に流れる微小な電流変化を高精度に検出することができる。
すなわち、図10に示すように、本実施の形態の細胞電気生理センサを等価回路で表すと、細胞保持チップ11は半導体の珪素からなり、細胞保持チップ11の上方および下方には電解層17A、17Bが配置されていることから、細胞外液および細胞内液と細胞保持チップ11との界面では容量成分、細胞保持チップ11の内部では抵抗成分が発生し、導通孔14開口部に被検体細胞が密着していると、その界面では抵抗成分が発生している。ここで例えば細胞外液と細胞保持チップ11との界面における容量成分が大きいと、二つの電極間に矩形電圧を印加した際の電流応答は、容量成分が大きくのった歪んだ波形となり、観察したい細胞を介した電位変化がわかりにくい状態となる。すなわち、細胞15の物理化学的反応によるわずかな電位変化は、前述の容量成分に埋もれてしまうと、高精度に測定できなくなるのである。
これに対して本実施の形態では、細胞保持チップ11の上面から側面にかけて形成した親水膜16が絶縁性のため、細胞外液と細胞保持チップ11との界面における容量成分を減少させることができる。さらに、一方の容量成分を低減することによって、それぞれの電解槽17A、17Bに配置された電極18A、18B間の合成容量値を低減することができる。そしてその結果、細胞電気生理センサにおける浮遊容量の発生を抑制し、細胞の反応による電位変化のみを検出することができるため、高精度な測定が可能となる。
なお、絶縁性の親水膜16を絶縁膜として機能させる場合、膜厚は細胞保持チップ11の表面積に比例して厚くすることが望ましく、例えば直径が700μmの時0.1μm以上の厚さとすることが望ましい。これにより浮遊容量値を100pF以下に抑制することができ、高精度な測定を行うことができる。
また、図11に示すように、薄板12の下面側に絶縁性の親水膜16を形成することによっても気泡の発生を抑制するとともに、浮遊容量の発生を低減することができるが、図9に示す本実施の形態のように、薄板12の上面側に親水膜16を形成する方が、薄板12上面から導通孔14内を通って電解槽へと繋がる電気的パスにおいての浮遊容量を有効に低減することができる。
さらに本実施の形態では、薄板12の細胞保持面と反対側の面には絶縁性の親水膜16を形成していないが、細胞保持面(上面)およびその対面(下面)の両面に形成してもよい。また導通孔14内部に形成してもよい。例えば図12に示すように、細胞保持チップ11の表面全体に絶縁性の親水膜16を形成してもよい。これにより気泡の発生および浮遊容量の発生を効果的に抑制することができる。また、例えば薄板12の上面または下面いずれか一方の絶縁性親水膜16に傷などが入り珪素面が露出した場合であっても、もう一方の面で容量成分を低減することができる。
さらに本実施の形態では、薄板12と枠体13との側面をほぼ面一としたが、図13のように薄板12の外径を枠体13の外径よりも小さくしてもよい。これにより薄板12の破損を抑制することができる。なお、薄板12表面にも親水膜16を形成した場合は、薄板12表面にもガラス成分が回り込みやすくなるが、図13のように薄板12を枠体13より内側に配置することでガラス溜め部25が形成されるため、薄板12表面へのガラス成分の回り込みを抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、薄板12の上面に枠体13を配置したが、薄板12のみでもよく、また図14に示すように、薄板12の下面に枠体13を配置してもよい。また上記実施の形態では導通孔14は直線形であるが、導通孔14のアスペクト比を小さくしたい場合は、薄板12の表面に凹部を形成したのち、この凹部の最深部から孔を形成してもよい。この場合は、特に凹部を半球形状とすることによって、細胞を捕捉しやすくなる。
本発明の細胞電気生理センサは、細胞電気生理測定を高精度に行うことにおいて有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサ用デバイスの製造工程を示す断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図 本発明の実施の形態1における別の例の細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態2における細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態3における細胞電気生理センサの断面図 本発明の実施の形態3における細胞電気生理センサの等価回路を示す断面図 本発明の実施の形態3における別の例の細胞電気生理センサの断面図 同断面図 同断面図 本発明の一実施の形態における細胞電気生理センサの断面図 従来の細胞電気生理センサの断面図
符号の説明
8 樹脂基板
9 基材
10 貫通孔
11 細胞保持チップ
12 薄板
13 枠体
14 導通孔
15 細胞
16 親水膜
17A、17B 電解槽
18A、18B 電極
19 シール材
20 圧力伝達チューブ
21 基板
22 第一のエッチングレジスト膜
23 第二のエッチングレジスト膜
24 エッチングストップ層
25 ガラス溜め部
26 ガラス成分

Claims (9)

  1. 導通孔を有する細胞保持チップと、
    この細胞保持チップの側面を覆う基材とを備え、
    前記細胞保持チップの主成分は珪素である細胞電気生理センサ用デバイスにおいて、
    前記基材はガラスで形成され、
    前記細胞保持チップの表面全体には、酸化珪素または窒化珪素の少なくともいずれか一方からなる親水膜が形成されているとともに、
    前記基材と前記細胞保持チップの側面とは前記親水膜を介して溶着されている細胞電気生理センサ用デバイス。
  2. 前記親水膜の少なくとも一部は前記基材と共有結合されている請求項1に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  3. 前記親水膜は、電気的絶縁性を有し、
    前記細胞保持チップの細胞保持面側であって、前記導通孔の開口部から前記細胞保持チップの側面までにも形成されている請求項1または2に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  4. 前記細胞保持チップは、
    前記導通孔を有する薄板と、
    この薄板の上面または下面側に形成された枠体とを有する請求項1から3のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  5. 前記薄板の外径は、
    前記枠体の外径よりも小さい請求項4に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  6. 前記薄板の側面外周には、
    ガラス溜め部が形成されている請求項5に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  7. 前記基材は筒形であって、
    この基材は、基板に設けられた孔に挿入されている請求項1から6のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  8. 細胞保持チップは、
    前記薄板と枠体との間に、エッチングストップ層を有する請求項4から7のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
  9. 請求項1から8のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイスと、
    この細胞電気生理センサ用デバイスの前記細胞保持チップの上方および下方に設けられた電解槽と、これらの電解槽における電位を測定する電極とを備えた細胞電気生理センサ。
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