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JP4917779B2 - 芯金無しシールおよび転がり軸受 - Google Patents
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JP4917779B2 - 芯金無しシールおよび転がり軸受 - Google Patents

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この発明は、芯金無しシールおよび転がり軸受に関し、特に、低温時に使用される芯金無しシールおよび転がり軸受に関する。
回転軸を、ハウジング等の外側部材の内径穴に取り付ける際に、回転軸の外径面と内径穴の内径面との間の流体の漏れを防止するため、シールを設ける場合がある。
図6は、従来におけるフリーな状態の芯金付きシールの一部を示す断面図である。図6において、芯金付きシールの内径側に位置する回転軸(図示せず)の外径面を二点鎖線で示す。なお、この明細書中、フリーな状態とは、回転軸および外側部材に組み込まれていない状態をいう。図6を参照して、芯金付きシール101は、弾性を有する環状部材102と、金属材料で構成される芯金103とを有する。芯金付きシール101は、芯金103を備えることにより、剛性を確保することができ、また、低温時において、芯金付きシール101は大きく熱収縮することはない。
芯金付きシール101の外径寸法Xは、取り付けられる内径穴の内径寸法Cに、締め代2Yが加えられた寸法である。締め代Yを設けることにより、内径穴に取り付けられたときに、芯金付きシール101の外径面104が、適度な圧力で内径穴の内径面にニップして接触することができ、芯金付きシール101と内径穴との間の漏れを防止することができる。また、芯金付きシール101には、内径側に突出したリップ部105が設けられている。リップ部105の内径寸法Zは、回転軸の外径寸法Eよりも小さく構成されている。こうすることにより、回転軸に取り付けた際に、リップ部105が適度な圧力で回転軸の外径面にニップして接触し、芯金付きシール101と回転軸との間の漏れを防止することができる。
次に、上記した芯金付きシール101を、シェル形ころ軸受に組み込んだ場合について説明する。図7は、芯金付きシール101をシェル形ころ軸受111に組み込んだ状態を示す断面図であり、組み込む前のフリーな状態の芯金付きシール101を点線で示す。図7を参照して、シェル形ころ軸受111は、シェル形外輪112と、複数のころ113と、保持器114と、芯金付きシール101とを有する。芯金付きシール101は、外側部材としてのシェル形外輪112と回転軸との間に配置され、取り付けられる。ここで、シェル形外輪112の内径面115と芯金付きシール101の外径面104および回転軸の外径面とリップ部105は適度な圧力でニップしているため、シェル形外輪112と回転軸との間に漏れが生じることはない。
しかし、このような芯金付きシール101は、複数の部材から構成されるため、コストが高くなる。また、芯金付きシール101は剛性を有するため、シェル形ころ軸受に組み込まれた後に、取り外すことが困難である。
このような問題に対し、その構成材料に芯金を有しない芯金無しシールに関する技術が、特開2004−293618号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1によると、芯金無しシールは弾性部材のみから構成されているため、コストが安く、また、組み込んだ後においても、取り外しが容易である。
ここで、芯金を有しない芯金無しシールについて説明する。図8は、芯金無しシールの一部を示す断面図である。図8を参照して、芯金無しシール106は、弾性を有する環状部材107のみから構成されている。芯金無しシール106の寸法については、上記した芯金付きシールと同様であり、外径寸法Xは、内径穴の内径寸法Cに締め代2Yが加えられた寸法であり、リップ部108の内径寸法Zは、回転軸の外径寸法Eよりも小さく構成されている。
特開2004−293618号公報(段落番号0018〜0026、図2)
弾性部材のみから構成される芯金無しシールは、常温時においては、上記した通り、芯金付きシールと同様、外側部材と回転軸との間に配置されたときに、その間の漏れを防止することができる。しかし、低温時においては、芯金無しシール106は、上記した寸法関係を有しないため、その間の漏れを防止することができない。
これを、図9を用いて説明する。図9は、低温時における芯金無しシールをシェル形ころ軸受111に組み込んだ状態を表す断面図の一部である。なお、常温時における芯金無しシール106を点線で示す。図9を参照して、芯金無しシール106は、低温時において、矢印Wで示す方向に収縮するため、その外径寸法はXからX’となり、外側部材であるシェル形外輪112の内径面115の内径寸法Cよりも小さくなる。そうすると、シェル形ころ軸受111に組み込んだ際に、シェル形外輪112の内径面115と芯金無しシール106の外径面109とはニップせず、その間にすき間Vが生じることになる。このようなすき間Vがあると、シェル形外輪112と回転軸との間の漏れを生じさせてしまうことになる。
また、内径側のリップ部108についても、矢印Wで示す方向に収縮するため、リップ部108の内径寸法はZからZ’となり、リップ部108がより内径側に位置することになる。そうすると、ニップ量が大きくなり、回転軸との食いつき量が多くなって、回転時に、回転軸と芯金無しシール106が一緒に回転し、シール性が損なわれてしまうおそれがある。
この発明は、低温時においても、高いシール性を有する芯金無しシールおよび転がり軸受を提供することを目的とする。
この発明に係る芯金無しシールは、回転軸と回転軸の外径面に間隔をあけて対面する内径面を備える外側部材との間に配置され、流体の漏れを防止する芯金無しシールである。ここで、芯金無しシールの外径は、熱収縮量を加味した締め代を有する。
このように構成することにより、間隔のあいた回転軸と外側部材との間に配置された芯金無しシールが、低温時において熱収縮し、外径が小さくなっても、芯金無しシールの外径寸法は、外側部材の内径面の内径寸法よりも大きいため、芯金無しシールの外径面と外側部材の内径面との間にすき間が生じることはない。したがって、低温時においても、芯金無しシールの外径面と外側部材の内径面とが適度な圧力でニップすることができ、高いシール性を有する。
好ましくは、熱収縮量を加味した締め代の径方向の寸法をAとし、常温におけるフリーな状態での芯金無しシールの外径寸法をBとすると、0.005B≦A≦0.030Bの関係が成り立つ。Aを0.005B以上とすれば、低温時の熱収縮量を考慮した最低限の締め代の寸法を確保することができる。また、Aを0.030B以下とすると、必要以上に締め代の寸法を大きくとることがなくなるため、外側部材への組み込みが容易となる。
より好ましくは、外側部材の内径寸法をCとすると、0.950B≦C≦0.985Bの関係が成り立つ。こうすることにより、熱収縮をほとんど考慮する必要のない外側部材との寸法関係において、最適な寸法をとることができる。
さらに好ましくは、常温におけるフリーな状態での芯金無しシールの内径寸法をDとし、回転軸の外径寸法をEとすると、E<D<E+2Aの関係が成り立つ。こうすることにより、常温時において、組み込まれた際に、リップ部の内径寸法を回転軸の外径寸法よりも小さくすることができる。また、低温時においても、芯金無しシールの回転軸への食いつきを抑えることができる。
この発明の他の局面においては、転がり軸受は、上記したいずれかの芯金無しシールを有する。こうすることにより、低温時においても、高いシール性を有する転がり軸受を提供することができる。
この発明によれば、低温時において、芯金無しシールが熱収縮し、外径が小さくなっても、芯金無しシールの外径寸法は、外側部材の内径面の内径寸法よりも大きいため、芯金無しシールの外径面と外側部材の内径面との間にすき間が生じることはない。
その結果、低温時においても、芯金無しシールの外径面と外側部材の内径面とが適度な圧力でニップすることができ、高いシール性を有する。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は、この発明の一実施形態に係る芯金無しシール11の、常温におけるフリーな状態を示す断面図である。図2を参照して、芯金無しシール11は、弾性を有する環状部材12のみから構成されている。芯金無しシール11の外径寸法Bは、外側部材の内径寸法Cに、熱収縮量を加味した締め代2Aが加えられた寸法である。また、内径側に突出したリップ部14が位置する芯金無しシール11の内径寸法Dは、回転軸の外径寸法Eよりもやや大きく構成されている。
ここで、上記した寸法関係においては、0.005B≦A≦0.030Bとすることが好ましい。Aが0.005B以上であると、低温時における最低限の締め代を確保することができる。また、Aが0.030B以下であると、必要以上に締め代の寸法を大きくとることがなくなるため、外側部材への組み込みが容易となる。また、0.950B≦C≦0.985Bとしてもよい。こうすることにより、熱収縮をほとんど考慮する必要のない外側部材の内径寸法Cとの関係において、外径寸法Bを規定することができる。さらに、E<D<E+2Aとしてもよい。DがEより大きいと、低温時における熱収縮を考慮して、組み込む際の回転軸との食いつき量を適当にすることができる。また、DがE+2Aよりも小さいと、リップ部が組み込み時に回転軸と食いつくことができる。
次に、上記した芯金無しシール11を、間隔のあいた回転軸と外側部材との間に配置した状態について説明する。図1は、外側部材としてシェル形ころ軸受のシェル形外輪を用いた場合の、シェル形ころ軸受の一部を示す断面図である。なお、図1中、低温時におけるフリーな状態の芯金無しシール11の外形を点線で、常温におけるフリー状態の芯金無しシール11の外形を一点鎖線で示す。図1を参照して、シェル形ころ軸受21は、その内径側に位置する回転軸(図示せず)を支持する。シェル形ころ軸受21は、その内径面25に軌道面を有するシェル形外輪22と、複数のころ23と、複数のころ23を保持する保持器24と、芯金無しシール11とを有する。シェル形外輪22は、その縁曲げ部が径方向内側に向かって延びている鍔部26を有する。シェル形ころ軸受21の構成部材である芯金無しシール11は、回転軸とシェル形外輪22との間に配置され、組み込まれる。芯金無しシール11の軸方向における位置は、保持器24と、鍔部26との間である。
まず、常温時における組み込み状態について説明する。芯金無しシール11の外径寸法Bは、シェル形外輪22の内径面25の内径寸法Cに、締め代2Aが加えられた寸法である。したがって、外径側においては、シェル形外輪22の内径面25と、芯金無しシール11の外径面13は、適度な圧力でニップすることができる。また、内径側においては、フリーな状態で、リップ部14の内径寸法Dは、回転軸の外径寸法Eよりも大きく構成されている。しかし、シェル形外輪22と回転軸の間に組み込まれたときに、芯金無しシール11は収縮する。したがって、回転軸とシェル形外輪22の間に組み込まれたときの内径寸法は、回転軸の外径寸法Eよりも小さくなるため、リップ部14において、適度な圧力で回転軸とニップすることができる。
次に、低温時における組み込み状態について説明する。外径側においては、環状部材12は、図1中の矢印Wの方向に収縮するため、芯金無しシール11の外径寸法はBからB’まで小さくなる。しかし、外径寸法Bには、予め熱収縮量を加味した締め代Aが設けられているため、収縮後においても、芯金無しシール11は、その外径寸法B’において締め代A’を有する。したがって、低温時においても、シェル形外輪22の内径面25と芯金無しシール11の外径面13との間にすき間を生じさせることなく、適度な圧力でニップすることができる。また、内径側においては、リップ部14の内径寸法もDからD’まで小さくなる。しかし、回転軸の外径寸法Eよりも若干小さいだけであり、回転軸への食いつき量を多くすることなく、回転軸の外径面27と適度な圧力でニップすることができる。
以上より、低温時においても、芯金無しシールは、外径面および内径面に適度な圧力でニップすることができ、回転軸とシェル形ころ軸受との間の高いシール性を有する。
このようなシェル形ころ軸受に組み込まれる芯金無しシールに関しては、シェル形外輪の一方の鍔部側に組み込まれてもよいし、両方の鍔部側に組み込まれてもよい。図3は、一方の鍔部側に芯金無しシールを組み込んだ場合のシェル形ころ軸受の断面図である。図3を参照して、シェル形ころ軸受31は、シェル形外輪32の一方の鍔部33側に芯金無しシール34を組み込んでいる。こうすることにより、一方の鍔部33側の漏れを防止することができる。また、図4は、両方の鍔部側に芯金無しシールを組み込んだ場合のシェル形ころ軸受の断面図である。図4を参照して、シェル形ころ軸受36は、シェル形外輪37の両方の鍔部38a、38b側に芯金無しシール39a、39bを組み込んでいる。こうすることにより、両方の鍔部38a、38b側の漏れを防止することができる。
なお、上記の実施の形態においては、外側部材としてシェル形ころ軸受のシェル形外輪を用い、芯金無しシールをシェル形ころ軸受の構成部材の一つとしたが、これに限らず、外側部材として他の部材を用い、ころ軸受の構成部材の一つとしなくてもよい。
図5は、芯金無しシールを外側部材であるハウジングと回転軸との間に配置した状態を表す断面図である。図5を参照して、ハウジング41に設けられた内径穴42と回転軸(図示せず)との間には、玉軸受43が配置され、その内径側にある回転軸を支持する。玉軸受43は、転動体である玉47と、内輪48と、外輪46とを有する。外輪46の外径面51と、内径穴42の内径面49とが当接しており、内輪48の内径面52が回転軸の外径面とが当接している。また、内径穴42の開口端側には、外部からの異物等の混入を防止するために、玉軸受43の軸方向外側に、キャップ部45が設けられている。
ここで、芯金無しシール44を、回転軸とハウジング41との間に配置する。軸方向の位置については、玉軸受43とキャップ部45の間とする。ここで、低温時においても、芯金無しシール44は、熱収縮量を加味した締め代を有しているため、内径穴42の内径面49と芯金無しシール44の外径面50とが、適度な圧力でニップすることができる。また、回転軸の外径面と芯金無しシール44のリップ部についても、回転軸に食いつくことはない。こうすることにより、間隔のあいた回転軸とハウジングとの間の漏れを防止することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係る芯金無しシールおよび転がり軸受は、低温時においても高いシール性を有するため、低温環境下で使用される芯金無しシールおよび転がり軸受に有効に利用される。
この発明の一実施形態に係る芯金無しシールをシェル形ころ軸受に組み込んだ場合の断面図である。 常温時におけるフリーな状態での、この発明の一実施形態に係る芯金無しシールの一部を示す断面図である。 一方の鍔部側に芯金無しシールを組み込んだシェル形ころ軸受の断面図である。 両方の鍔部側に芯金無しシールを組み込んだシェル形ころ軸受の断面図である。 玉軸受の外側に芯金無しシールを配置した場合の断面図である。 従来における芯金付きシールの一部を示す断面図である。 従来における芯金付きシールをシェル形ころ軸受に組み込んだ状態を示す断面図である。 従来における芯金無しシールの一部を示す断面図である。 従来における低温時での芯金無しシールをシェル形ころ軸受に組み込んだ状態を示す断面図である。
符号の説明
11,34,39a,39b,44 芯金無しシール、12 環状部材、13,27,50,51 外径面、14 リップ部、21,31,36 シェル形ころ軸受、22,32,37 シェル形外輪、23 ころ、24 保持器、25,49,52 内径面、26,33,38a,38b 鍔部、41 ハウジング、42 内径穴、43 玉軸受、45 キャップ部、46 外輪、47 玉、48 内輪。

Claims (5)

  1. 回転軸と前記回転軸の外径面に間隔をあけて対面する内径面を備え、その縁曲げ部が径方向内側に向かって延びている鍔部を有する外側部材との間において前記外側部材の内径側に組み込まれるようにして配置され、流体の漏れを防止する芯金無しシールであって、
    前記芯金無しシールの外径および内径は、径方向の全体の寸法として、熱収縮量を加味した締め代を有する、芯金無しシール。
  2. 前記熱収縮量を加味した締め代の径方向の寸法をAとし、常温におけるフリーな状態での前記芯金無しシールの外径寸法をBとすると、
    0.005B≦A≦0.030Bの関係が成り立つ、請求項1に記載の芯金無しシール。
  3. 前記外側部材の内径寸法をCとすると、
    0.950B≦C≦0.985Bの関係が成り立つ、請求項1または2に記載の芯金無しシール。
  4. 常温におけるフリーな状態での前記芯金無しシールの内径寸法をDとし、前記回転軸の外径寸法をEとすると、
    E<D<E+2Aの関係が成り立つ、請求項1〜3のいずれかに記載の芯金無しシール。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の芯金無しシールを有する、転がり軸受。
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