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JP4918464B2 - 衝撃エネルギー吸収体 - Google Patents
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Description

本発明は、例えば自動車の衝突の際に、衝撃荷重を変形により吸収する衝撃エネルギー吸収体に関するものである。
近年、車体の安全性の向上と、軽衝突時の車体の損傷を解消することで修理費用の低減を図るため、クラッシュボックスといわれる衝撃吸収部材をフラントサイドメンバの先端に装着することが行われるようになった。
クラッシュボックスは、軸方向へ負荷される衝撃荷重によって軸方向に座屈する筒状部材が一般的であるが、より大きなエネルギーを吸収するために、特許文献1〜特許文献3に示す技術が開示されている。
特許文献1では、略多角形からなる閉断面を有する鋼製の中空箱で衝撃荷重が軸方向に負荷されると軸方向に繰り返し座屈することにより蛇腹状に変形して圧壊時の平均荷重が高い衝突エネルギーを吸収する部材が開示されている。
特許文献2には、発泡金属、特に発泡アルミニウムを充填物として、その周囲を車輌に取り付けるためのアルミニウム板成形部品として構成されるハウジングで覆われたエネルギー吸収素子が開示されている。
特許文献3には、フロントバンパの車輌幅方向に延在するリインフォースメント(外枠体)内の中空部に中空金属球を充填体として適用し、リインフォースメントと充填体の圧縮変形によって衝撃荷重を吸収する技術が開示されている。
特開2007−17003号公報 特開平11−59298号公報 特開2004−142607号公報
従来のクラッシュボックスの荷重−ストローク曲線は、図7のNo.A曲線に示すものが典型例である。衝撃荷重が加わるとストロークに対して比較的プラトーな荷重が発生する領域と、右肩上がりに荷重が増加する領域からなっている。衝撃エネルギーは、車体に損傷を与えない荷重以下のプラトー領域で吸収されなければならなく、プラトー領域のストロークが大きい必要がある。しかしながら、前記特許文献に記載のクラッシュボックスには、ストロークが十分でないという課題があった。
本発明は、プラトー領域のストロークが大きく衝撃吸収エネルギーに優れた衝撃エネルギー吸収体を提供することを目的とする。
発明者等は、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、プラトー領域の拡大ができないのは圧縮、軸方向に金属が密に詰まるためであることを知見し、更に、圧縮にしたがって径方向に広がることで課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
これらの知見に基づき本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。
第一の発明は、隣接する中空金属球が接着または接合した複数の中空金属球の集合体からなり、前記中空金属球の集合体の少なくとも側面が、複数のスリット部または孔部を有する金属薄板で覆われていることを特徴とするプラトー領域のストローク特性に優れた衝撃エネルギー吸収体である。
第二の発明は、隣接する中空金属球が接着または接合した複数の中空金属球の集合体からなり、前記中空金属球の集合体の少なくとも側面が、複数の薄肉部を有する金属薄板で覆われていることを特徴とするプラトー領域のストローク特性に優れた衝撃エネルギー吸収体である。
本発明によれば、圧縮ストロークが大きく、エネルギー吸収量の大きな衝撃エネルギー吸収体を得ることができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。
使用した中空金属球は、衝撃エネルギー吸収体に必要とされる荷重で決まるため、特に限定されるものではないが、低コスト、高強度を備えた、鉄、もしくは、鉄ベースの合金がより好適であり、寸法は、直径1〜10mm、肉厚0.05〜0.2mmがより好適である。
中空金属球同士の接着または接合は、樹脂接着剤、低融点接着剤、固相拡散接合による手法がより好適であるが、これらに限定されるものではない。樹脂接着剤とは、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂に代表されるもので、中空金属球の表面に塗布・成型後、100℃前後の温度で硬化するのが一般的である。
低融点接着剤とは、ハンダ合金に代表される低融点合金を表面に粉末、または、膜状態で形成し、300℃程度に昇温して、中空金属球同士を接着する。固相拡散接合は中空金属球同士を1000℃程度の高温で接合するものである。
図1に示すように外筒缶無しで使用する場合は、外筒缶が有る場合よりもプラトー部のストロークを伸ばすことができるが、耐荷重は低下する。衝撃吸収エネルギーをさらに増加するためには、本発明の外筒缶を使用するとより好適であり、その詳細を以下に説明する。
樹脂、紙、布を外筒缶として使用することができる。衝撃荷重による圧縮中に径方向に広がるように、圧縮途中で破れる強度の、樹脂、紙、布が好適である。また、樹脂の場合は径方向に伸びるコ゛ムなどの弾性体を使うことも好適である。
次に、図2に示すようにスリット付き金属薄板を外筒缶として使用することができる。金属薄板材料としては、特に限定するものではないが、経済性の点からは汎用的な厚さ0.2〜0.3mm程度の缶用鋼板が好適である。
スリットの入れ方は、円周方向に3〜10箇所程度に軸方向を長手方向として、かつ、全長に対するスリット長さの比が、0.4以上となるように、長手方向に2本以上に分割することがより好適である。
このとき、分割したスリット同士は直線上に並んでもよく、千鳥配置とすることもできる。全長に対するスリット長さの比が0.25に満たないと径方向への広がり効果が損なわれるためである。それぞれのスリットパターン例を側面展開図で図4、5に示す。図4が直線配置、図5は千鳥配置の例である。
図6、図7にスリットの効果を示す。供試材は図6に示すように、No.Aは図2で外筒缶にスリットが無い場合で比較例である。No.Bは3段スリットを千鳥に配列した場合で、No.Cは同じく3段スリット付きであるが押圧方向を10度オフセットした例である。
プラトー部のストロークはNo.Aが20mmであるのに対して、No.Bは92mm、No.Cは100mmとスリットを付与することにより、大幅に改善されている。
図8は、圧縮試験体No.B、No.Cの圧縮前後の状況を示した写真である。圧縮軸方向に綺麗に圧縮されていることがわかる。
次に、スリットに替えて一部分が薄くなった薄板を外筒缶として使う場合について述べる。これは、上記したスリット付き薄板のスリット部分が薄肉となったものである。薄肉部分の位置は前記スリットと同じ位置が好適である。薄肉部分の厚さは母体の1/2以下とすることが好適である。これは、1/2を超えると径方向に広がる効果が小さくなるためである。
以下に、中空金属球の具体的な製造方法を鉄の場合を例にして示すが、これに限定されるものではない。
平均粒径5mmの発泡スチロール球の表面に、水に約30質量%の酸化鉄と数質量%程度のPVA(ポリビニルアルコール)から成るスラリーをスプレーで噴霧して、200μm厚さの皮膜を付けた。得られた皮膜付発泡スチロールを大気中1000〜1100℃焼結後、水素ガス中1000〜1300℃で焼結することで中空鉄球が得られる。
平均粒子径0.7μmの酸化鉄(Fe):30質量%、CuO:0.5質量%、PVA:2質量%を加えたスラリーを作製し、乾燥空気と共にスプレーで直径5mmの発泡スチロール表面に塗布した。引き続き、1000℃大気中焼結、1100℃水素中還元焼結して直径約3mmの中空鉄球を作製した。試験結果を表1にまとめた。
中空鉄球を質量比10%のエポキシ樹脂とともに、表1に示した外筒缶に充填後、100℃、1時間熱硬化して衝撃エネルギー吸収缶を作製した。スリット部や薄肉部の数は、円周方向に8箇所とした。外筒缶無しの場合は、0.2mm厚の缶(加工無し)に充填・熱硬化後、缶を剥ぎ取ることで作製した。缶の外形は直径90mm、長さ150mmである。得られた衝撃エネルギー吸収缶を、20mm/minのスピードで圧縮試験をし、ストローク−荷重曲線を得た。エネルギー吸収量は、最大荷重100kN以下の荷重での吸収量と定義した。
中空金属球のみの例を示した図である。 側面をスリット付き金属薄板で覆った例を示す図である。 側面を金属薄板で覆った例を示す図である。 ストレート配置のスリットパターンを説明する図である。 千鳥配置のスリットパターンを説明する図である。 スリットの効果を説明する図である。 ストローク、荷重線図を説明する図である。 試験前後の供試体の状況を説明する図である。

Claims (2)

  1. 隣接する中空金属球が接着または接合した複数の中空金属球の集合体からなり、前記中空金属球の集合体の少なくとも側面が、複数のスリット部または孔部を有する金属薄板で覆われていることを特徴とするプラトー領域のストローク特性に優れた衝撃エネルギー吸収体。
  2. 隣接する中空金属球が接着または接合した複数の中空金属球の集合体からなり、前記中空金属球の集合体の少なくとも側面が、複数の薄肉部を有する金属薄板で覆われていることを特徴とするプラトー領域のストローク特性に優れた衝撃エネルギー吸収体。
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