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JP4925466B2 - カーボンブラシ、カーボンブラシの製造方法および電動モータ - Google Patents
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カーボンブラシ、カーボンブラシの製造方法および電動モータ Download PDF

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Description

本発明は、電動モータのアーマチュアに巻装されたコイルに給電するためのカーボンブラシカーボンブラシの製造方法および電動モータの技術分野に属するものである。
一般に、電動モータのなかには、永久磁石が配されたヨークに、コイルが巻装されたアーマチュアのアーマチュア軸を回転自在に軸承するとともに、前記アーマチュア軸に、アーマチュアに巻装されるコイルが電気的に接続するコンミテータを設け、前記コンミテータに、外部電源が接続されたブラシを摺接させることでコイルへの給電をし、コイルを励磁せしめ、これによって、アーマチュアを回転させるようにしたものがある。このようなものにおいて、前記ブラシをカーボン製(黒鉛質ブラシ)としたものがあり、この場合では、ブラシがコンミテータに対して摺動したとき、コンミテータとの摺接面(摺動面)に電気的摩耗と機械的摩耗、さらには、整流性の悪化による火花放電を発生して耐久性を低減させるという問題があり、このため、摩耗や整流性の悪化を抑制することが課題となっている。
ところで、黒鉛質ブラシは、コンミテータとの摺接部周辺の空気やブラシに内在する気孔中の空気等により摺接面にカーボン被膜が形成され、該カーボン被膜が摩耗や整流性の悪化を抑制する一因子となるが、前記カーボン被膜の形成状態は、ブラシとコンミテータとの摺接部における使用環境、即ち、温度や湿度等の影響を強く受けることが知られおり、摺接部における雰囲気温度が高温となったような場合では、適度なカーボン被膜の形成が損なわれてしまい、ブラシとコンミテータとの摺接状態が悪化し、火花の発生が増加して耐久性が劣るという問題が生じる。
そこで、カーボン被膜の形成状態を、使用環境に合わせて制御できるように構成することが、電動モータの整流性能、耐久性を向上させることになると考えられ、その一方法として、天然系黒鉛を原材料とし、バインダー、添加剤、銅を加え、プレス成形、焼結加工することによりブラシを形成し、該形成されたブラシの内部に形成される気孔に、水の沸点よりも高い沸点を有する液体を含浸したブラシが提唱されている。そして、このように構成することにより、高温(摺接部温度が100度以上)の環境下において、気孔に含浸された液体によりカーボン被膜の形成がなされ、これによって、前記高温度域におけるブラシやコンミテータの摩耗が低減され、耐久性の向上が図れるようにしている。
特開2004−173486
しかるに、前記従来のものでは、ブラシは、天然系黒鉛を用いてプレス成形、焼結加工してブラシを形成した後、水の沸点よりも高い沸点を有する液体を含浸させる構成としている。このため、工程数が増えて煩雑になるという問題があるばかりでなく、含浸加工が難しく、生産性が劣るためコストアップを招来するという問題がある。
一方、近年、車両に搭載される電動モータのように、複数の電動モータを用いてアクチュエータを構成することがあり、この場合に、電動モータをコンパクト化するとともに高電圧化することが要求される。このように、コンパクト化、および、高電圧化したものでは、コンパクト化されたブラシとコンミテータとの摺動面に高電圧が作用するため整流性が悪化し、火花の発生が増加してブラシやコンミテータの摩耗が一層顕著になることが想定され、これに対応するには、カーボン被膜の形成状態を制御するだけでは充分でなく、これらに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、カーボンブラシであって、結晶子の形状が鱗状または鱗片状であり、平均粒径が20〜200μmの天然系黒鉛に、結晶子の形状がフレーク状であり、平均粒径が10〜100μmの人造系黒鉛を混合した原材料を含むものであって、前記人造系黒鉛は、少なくとも20〜80重量パーセント混合されている、カーボンブラシである。
請求項2の発明は、前記人造系黒鉛は、50重量パーセント混合されている、請求項1に記載のカーボンブラシである。
請求項3の発明は、電動モータの回転子に巻装されるコイルに給電するカーボンブラシの製造方法であって、結晶子の形状が鱗状または鱗片状であり、平均粒径が20〜200μmの天然系黒鉛に、結晶子の形状がフレーク状であり、平均粒径が10〜100μmの人造系黒鉛を混合して、前記人造系黒鉛が少なくとも20〜80重量パーセント混合されるステップと、該混合した黒鉛をプレス成形するステップと、該成形した黒鉛を焼結加工してカーボンブラシを形成するステップとを含むカーボンブラシの製造方法である。
請求項4の発明は、電動モータであって、回転子と、該回転子に巻装されたコイルと、該コイルに給電するカーボンブラシとを含む電動モータにおいて、前記ブラシは、結晶子の形状が鱗状または鱗片状であり、平均粒径が20〜200μmの天然系黒鉛に、結晶子の形状がフレーク状であり、平均粒径が10〜100μmの人造系黒鉛を混合した原材料を用いて形成され、前記人造系黒鉛は、少なくとも20〜80重量パーセント混合されている、電動モータである。
請求項1乃至3の発明とすることにより、高電圧対応型の電動モータに採用した場合であっても、整流状態を広い範囲の温度条件下で良好にすることができる。
請求項4の発明とすることにより、原材料として天然系黒鉛に人造系黒鉛を混合したものを用意し、通常のブラシの成形工程で形成することにより、整流状態のよいブラシを提供することができる。
電動モータの一部断面側面図である。 図2(A)、(B)はそれぞれ天然系ブラシの温度変化に対するブラシとコンミテータの摩耗速度の変化を示すグラフ図、人造系ブラシの温度変化に対するブラシとコンミテータの摩耗速度の変化を示すグラフ図である。 図3(A)、(B)はそれぞれ混合ブラシの配合比に基づくブラシの摩耗速度の変化を温度変化に対して測定したグラフ図、混合ブラシの配合比に基づくコンミテータの摩耗速度の変化を温度変化に対して測定したグラフ図である。 混合ブラシの形成手順を説明するフローチャート図である。
符号の説明
1 電動モータ
4 コンミテータ
7 ブラシホルダステー
B ブラシ
NB 天然系ブラシ
AB 人造系ブラシ
B1 混合ブラシ
つぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図面において、1は、高電圧対応型に構成されたファンモータとして機能する電動モータ(回転電機)であって、該電動モータ1のモータ軸(アーマチュア軸)1aは、一端が有底筒状のヨーク2の底部2aに軸受2bを介して軸承され、ヨーク底部2aから外方に突出する突出先端部に負荷が設けられるように構成されている。そして、モータ軸1aの他端は、ヨーク2の開口端を覆蓋するエンドブラケット3に軸受け3aを介して軸承されている。前記モータ軸1aは、エンドブラケット3側に位置してコンミテータ4が一体的に外嵌され、該コンミテータ4よりヨーク底部2a側部位に複数枚の鉄心5が外嵌されており、これら鉄心5の外周に複数のコイル5aが巻装されている。前記コンミテータ4は、樹脂材からなる筒状の嵌合部4aの外周面に、周回り方向複数の導電性の整流子片4bが一体的に設けられており、これら整流子片4bの一端側には、外径側に折り返し折曲されたライザ片4cがそれぞれ形成され、これらライザ片4cに、所定のコイル5aをそれぞれ電気的に接続することにより回転子(アーマチュア)6が形成されている。因みに、このものでは、アーマチュア6を構成する鉄心5を、軸方向両端部位のものは大径のリング状体として、モータ軸1a外周にスペースを形成し、ここに、コンミテータ4の嵌合部4aの一端を配設することにより、軸長方向のコンパクト化が図られている。
7はブラシホルダステーであって、該ブラシホルダステー7は、外周部7aが、モータ軸1aの他端を軸承するエンドブラケット3とヨーク2開口端とのあいだに挟持状に支持されている。前記ブラシホルダステー7の一端側面には、周回り方向にブラシホルダ7bが形成されており、これらブラシホルダ7bに、本発明が実施されたブラシBがそれぞれ径方向に摺動自在に内装されている。さらに、各ブラシホルダ7bには、ブラシBを内径方向(モータ軸1aの軸芯方向)に向けて押圧するための弾機8がそれぞれ配設されており、これによって、各ブラシBは先端面がコンミテータ4の整流子片4bに押圧状に摺接するように設定されている。そして、ブラシBから引き出される図示しないピグテールを介してブラシBに外部電源を供給することにより、コンミテータ4を介してコイル5aへの通電がなされ、該通電に基づいてコイル5aが励磁されることに基づいて、ヨーク2の内周面に固着された永久磁石2cにより形成される磁界に対してアーマチュア6が回転するように設定されている。
そして、前記電動モータ1には、後述するように、天然系黒鉛と人造系黒鉛とを混合した原材料を用いて形成した混合ブラシBが用いられており、これによって、電動モータ1が駆動する過程で、混合ブラシBとコンミテータ4(整流子片4b)との摺動部における雰囲気温度が常温雰囲気下、高温雰囲気下のいずれにおいても摩耗速度を抑制して、安定した整流状態となるようにし、これによって、耐久性の向上が図れるようにしている。
さて、ブラシのなかには、原材料を天然系黒鉛とする天然系ブラシNBと、原材料を人造系黒鉛とする人造系ブラシABとの両者が汎用されている。本発明者等は、天然系黒鉛と人造系黒鉛の特性として結晶子の形状や大きさ、電気的抵抗に着目し、各黒鉛により形成されたブラシNB、ABを、前述した高電圧対応型の電動モータ1にそれぞれ組み込んだ場合の整流状態を考察した。
天然系、人造系ブラシNB、ABを、前記電動モータ1にそれぞれ組み込み、整流状態を確認するべく、天然系ブラシNBとコンミータ4との摺接部と、人造系ブラシABとコンミテータ4との摺接部とにおいて、ブラシNB、AB、コンミテータ4のそれぞれの摩耗速度(μm/h)を測定した。尚、摩耗速度は、常温雰囲気(摺接部における雰囲気温度が20℃前後)と高温雰囲気(摺接部における雰囲気温度が80℃前後)との各条件下において電動モータ1を駆動させることに基づいて測定し、それぞれの温度条件下における摩耗速度を測定した。その結果を図2(A)、(B)のグラフ図にそれぞれ示す。
これによると、天然系ブラシNBを用いた場合では、常温雰囲気下ではブラシNB、コンミテータ4ともに摩耗があり、高温雰囲気下になるとコンミテータ4の摩耗速度が増加することが確認された。一方、人造系ブラシABを用いた場合では、常温雰囲気下では、ブラシAB、コンミテータ4ともに摩耗があるが、特にブラシABの摩耗が著しく速くなっており、高温雰囲気下になるとブラシABの摩耗速度が低減することが確認された。
これは、天然ブラシNBについて考察すると、常温雰囲気下では、摺動面にカーボン被膜が形成されにくいが、結晶子の形状が鱗状または鱗片状をしていることから滑り性がよく、このことにより、コンミテータ4の摩耗速度を抑制することができると考えられる。しかしながら、天然系ブラシNBは比抵抗が小さいことから整流性が悪化し、ブラシNBの摩耗を促進していると考えられる。これに対し、高温雰囲気下では、天然系黒鉛の結晶子が大きいことから、カーボン被膜が不足し、コンミテータ4の摩耗が促進されると考えられる。
一方、人造系ブラシABについて考察すると、人造系黒鉛は結晶子が小さく、このため、常温雰囲気下において、天然系ブラシNBよりもカーボン被膜が一層形成されにくくなっており、このため、ブラシABの摩耗を促進していると考えられる。これに対し、高温雰囲気下では、カーボン被膜が形成されやすくなり、ブラシAB、コンミテータ4ともに摩耗速度を抑制した状態にできると考えられる。
一方、カーボン被膜の形成は、カーボンの微細な単結晶の表面にある水蒸気等の吸着膜が臨界温度に達したときに、コンミテータに形成される(付着する)と考えられている。そのため、結晶子が大きい天然黒鉛は、結晶子の比表面積が小さいため、高温雰囲気下ではカーボン被膜が形成されにくい。それに対し、人造系黒鉛は結晶子が小さく、結晶子の比表面積が大きくなり、カーボン被膜の形成がされやすいと考察される。
この考察と、前記観測結果に基づく考察とにより、本発明者等は、天然系黒鉛と人造系黒鉛との両者を混合した混合ブラシBとすることにより、整流状態が悪化することが想定される高電圧対応型の電動モータのブラシとしても整流状態のよい優れたブラシを形成することができると判断した。
そして、これらの混合割合を種々変化させた四種類の混合ブラシB1、B2、B3、B4を用意し、これら混合ブラシB1、B2、B3、B4をそれぞれ高電圧対応型である前記電動モータ1に組み込み、各混合ブラシB1、B2、B3、B4とコンミータ4との摺接部において、混合ブラシB1、B2、B3、B4、および、コンミテータ4における摩耗速度をそれぞれ測定した。
尚、摩耗速度は、常温雰囲気(摺接部における雰囲気温度が20℃前後)と高温雰囲気(摺接部における雰囲気温度が80℃前後)との各条件下において電動モータ1を駆動させることに基づいて測定し、その結果を図3(A)、(B)のグラフ図にそれぞれ示す。
ここで、前記グラフ図において、横軸に天然系黒鉛に対する人造系黒鉛の配合比(重量パーセント、wt%)を示しており、混合ブラシB1は天然系黒鉛を75重量パーセントと人造系黒鉛を25重量パーセントとを混合して形成したものであり、混合ブラシB2は天然系黒鉛を60重量パーセントと人造系黒鉛を40重量パーセントとを混合して形成したものであり、混合ブラシB3は天然系黒鉛を50重量パーセントと人造系黒鉛を50重量パーセントとを混合して形成したものであり、混合ブラシB4は天然系黒鉛を25重量パーセントと人造系黒鉛を75重量パーセントとを混合して形成したものである。
尚、前記グラフ図において、人造黒鉛配合比0重量パーセントのブラシは天然系ブラシNBであり、人造黒鉛配合比100重量パーセントのブラシは人造系ブラシABであり、これらのブラシNB、ABについて、前記同様の測定値がそれぞれ示されている。
前記図3(A)のグラフ図から、ブラシの摩耗状態は、天然系黒鉛と人造系黒鉛とを混合した混合ブラシB1、B2、B3、B4とすることにより、常温雰囲気下、高温雰囲気下の両者において摩耗速度が抑制されることが確認された。特に、天然系黒鉛に対する人造系黒鉛の配合比を50重量パーセントとしたブラシB3の抑制率が一番優れていると判断された。
一方、図3(B)のグラフ図から、コンミテータ4の摩耗状態は、天然系黒鉛と人造系黒鉛とを混合したブラシB1、B2、B3、B4を用いることにより、常温雰囲気下、高温雰囲気下の両者において摩耗速度が抑制されることが確認されたが、コンミテータ4の摩耗は、特に高温雰囲気下における抑制率の低下が顕著であることが観測された。
これらの観測結果から、常温雰囲気下では、天然系黒鉛の持つ滑り性のよさが出現するとともに、混合ブラシB1、B2、B3、B4の比抵抗が天然系ブラシNBの比抵抗よりも上昇することにより、混合ブラシB1、B2、B3、B4、の摩耗を抑制できるものと考察される。
これに対し、高温雰囲気下では、人造系黒鉛の結晶子が小さいことから、高温になってカーボン被膜ができやすくなり、混合ブラシB1、B2、B3、B4、さらには、コンミテータ4の摩耗を抑制できると考察される。これらのことから、天然系黒鉛に人造系黒鉛を混合した混合ブラシB1、B2、B3、B4、つまり、天然系黒鉛に対し、人造系黒鉛を20〜80重量パーセントを混合したものを原材料としたブラシB1、B2、B3、B4、特に好ましくは、50重量パーセントを混合したた混合ブラシB3を用いることで、高電圧対応型の電動モータ1において、常温雰囲気から高温雰囲気に至る広い温度範囲で混合ブラシB1、B2、B3、B4及びコンミテータ4の摩耗速度が抑制された、整流状態のよい電動モータ1とすることができると考えられ、これによって、耐久性の向上が図れるものと判断する。
次に、天然系黒鉛と、人造系黒鉛との混合物を原材料とした混合ブラシの形成手順について、図4のフローチャート図に基づいて説明する。
混合ブラシの原料として、結晶子の形状が鱗状または鱗片状であり、平均粒径が20〜200マイクロメータ(μm)、好ましくは100μmの天然系黒鉛、および、結晶子の形状がフレーク状であり、平均粒径が10〜100μm、好ましくは50μmの人造系黒鉛を、適宜割合、本実施の形態では50重量パーセントづつを混合し、ここに、天然系黒鉛と人造系黒鉛との総重量に対し、10〜50重量パーセント、好ましくは30重量パーセントのバインダー(フェノール樹脂またはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)を加え、このものを、20〜80度、好ましくは50度の温度条件下で1時間混練する。
つぎに、前記混練したものを乾燥、粉砕し、粒度選別することにより、粒径が10〜400μm、好ましくは200μmの黒鉛粒子とし、ここに、皮膜調整用として添加剤を加える。ここで、添加剤は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の化合物からなり、平均粒径2〜50μm、好ましくは、約10μmとし、前記粒度選別された黒鉛の総重量に対し、0.1〜5重量パーセント、好ましくは2重量パーセントを加える。さらに、ブラシの抵抗を調整するため、平均粒径が10〜50μm、好ましくは30μmの電解銅粉を加えるが、電解銅粉は、前記粒度選別された黒鉛の総重量に対し、1〜50重量パーセントを加え、これら黒鉛粒子、添加剤、電解銅粉とをよく混合する。
そして、前記混合したものを、所定の成形用型枠に移し、1平方ミリメートルあたり100〜300ニュートン、好ましくは200ニュートン(N/mm)の成形圧力を作用してプレス成形し、該プレス成形したものを、200〜800度、好ましくは500度の温度条件下で、2時間焼成することにより焼結体が得られ、該焼結体を適宜形状に加工することにより、混合ブラシ(B3)が形成されるように構成されている。
このように、混合ブラシの形成手順は、原材料として天然系黒鉛と人造系黒鉛とを混合すること以外は、全て汎用の黒鉛ブラシを形成する手順に基づいてなされるものであり、これによって、特別な工程を加えることなく、高電圧対応型の電動モータに用いても広い温度範囲において整流状態をよい状態に維持できる混合ブラシを形成することが可能となっている。
叙述の如く構成された本形態において、電動モータ1の回転子6のコイル5aには、外部電源がブラシBからコンミテータ4を介して供給されるが、この場合に、コンミテータに摺接するブラシBとしては、天然系黒鉛と人造系黒鉛とが混合された黒鉛を原材料とする混合ブラシBが設けられている。このため、常温雰囲気、高温雰囲気の両条件下において、ブラシBあるいはコンミテータ4の摩耗速度を低減することができ、高電圧対応型の電動モータ1に採用しても整流状態をよいものにできて、耐久性の向上を図ることができる。
そのうえ、このものでは、混合ブラシBを形成する場合に、原材料として天然系黒鉛に人造系黒鉛を混合するだけで、従来通りの汎用の形成手順に基づいて混合ブラシBを形成することができ、何ら面倒な工程を必要とすることがなく、コストアップを回避した状態で、高電圧対応型の電動モータ1にも対応できるブラシB提供することができる。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、混合ブラシを、汎用の電動モータに適用した場合であっても、常温雰囲気から高温雰囲気にわたる広い温度範囲において、整流状態を良好にすることが可能である。
本発明は、電動モータのアーマチュアに巻装されたコイルに給電するための電動モータのカーボンブラシおよびカーボンブラシの製造方法に有用であって、天然系黒鉛に人造系黒鉛を混合した原材料を用いたカーボンブラシは、通常のブラシの成形工程で形成することができ、さらに、天然系黒鉛のみで形成されたカーボンブラシでは磨耗や整流性の悪化が顕著となる高電圧対応型の電動モータに採用した場合であっても、広い範囲の温度条件下で磨耗が抑制され整流状態を良好にすることができるため、耐久性の向上を図ることができる。

Claims (4)

  1. カーボンブラシであって、
    結晶子の形状が鱗状または鱗片状であり、平均粒径が20〜200μmの天然系黒鉛に、結晶子の形状がフレーク状であり、平均粒径が10〜100μmの人造系黒鉛を混合した原材料を含むものであって、前記人造系黒鉛は、少なくとも20〜80重量パーセント混合されている、カーボンブラシ。
  2. 前記人造系黒鉛は、50重量パーセント混合されている、請求項1に記載のカーボンブラシ。
  3. 電動モータの回転子に巻装されるコイルに給電するカーボンブラシの製造方法であって、
    結晶子の形状が鱗状または鱗片状であり、平均粒径が20〜200μmの天然系黒鉛に、結晶子の形状がフレーク状であり、平均粒径が10〜100μmの人造系黒鉛を混合して、前記人造系黒鉛が少なくとも20〜80重量パーセント混合されるステップと、
    該混合した黒鉛をプレス成形するステップと、
    該成形した黒鉛を焼結加工してカーボンブラシを形成するステップとを含むカーボンブラシの製造方法。
  4. 電動モータであって、
    回転子と、
    該回転子に巻装されたコイルと、
    該コイルに給電するカーボンブラシとを含む電動モータにおいて、前記ブラシは、結晶子の形状が鱗状または鱗片状であり、平均粒径が20〜200μmの天然系黒鉛に、結晶子の形状がフレーク状であり、平均粒径が10〜100μmの人造系黒鉛を混合した原材料を用いて形成され、前記人造系黒鉛は、少なくとも20〜80重量パーセント混合されている、電動モータ。
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