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JP4928862B2 - 欠陥検査方法及びその装置 - Google Patents
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JP4928862B2 - 欠陥検査方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は,光もしくはレーザもしくは電子線などを用いて得られた対象物の画像と,参照画像を比較して,その比較結果に基づいて微細パターン欠陥や異物等を検出する検査に係り,特に半導体ウェハ,TFT,ホトマスクなどの外観検査を行うのに好適な欠陥検査方法及びその装置に関する。
検査対象画像と参照画像とを比較して欠陥検出を行う従来の技術としては,特開平05−264467号公報(特許文献1)に記載の方法が知られている。
これは,繰り返しパターンが規則的に並んでいる検査対象試料をラインセンサで順次撮像し,繰り返しパターンピッチ分の時間遅れをおいた画像と比較し,その不一致部を欠陥として検出するものである。このような従来の検査方法を半導体ウェハの欠陥検査を例に説明する。検査対象となる半導体ウェハには図2(a)に示すように同一パターンのチップが多数,規則的に並んでいる。DRAM等のメモリ素子では,各チップは図2(b)に示すようにメモリマット部20−1と周辺回路部20−2に大別することができる。メモリマット部20−1は小さな繰り返しパターン(セル)の集合であり,周辺回路部20−2は基本的にランダムパターンの集合である。一般的にはメモリマット部20−1はパターン密度が高く,得られる画像は暗くなる。これに対し,周辺回路部20−2はパターン密度が低く,得られる画像は明るくなる。
従来のパターン検査では,周辺回路部20−2は隣接するチップの同じ位置,例えば図2の領域22と領域23等での画像を比較し,その輝度差がしきい値よりも大きい部分を欠陥として検出する。以下,このような検査をチップ比較と記載する。メモリマット部20−1はメモリマット部内の隣接するセルの画像を比較し,同様にその輝度差がしきい値よりも大きい部分を欠陥として検出する。以下,このような検査をセル比較と記載する。これらの比較検査は高速に行われる必要がある。
一方、特開2001−5961号公報(特許文献2)には、イメージセンサから並行入力される多チャンネルの画像信号と遅延回路部から得られる多チャンネルの参照画像との位置ずれ検出および位置ずれ補正、比較画像処理を並列に処理する欠陥検査装置が記載されている。
また、特開2004-271470号公報(特許文献3)には、イメージセンサで撮像して取り込んだ画像を並列処理により位置ずれの補正と明るさの補正と欠陥の検出を行うことにより、イメージセンサの画像取込み速度とほぼ同等の処理速度で画像を処理するパターン検査装置が記載されている。
さらに、特開2005−158780号公報(特許文献4)には、複数のイメージセンサを用いて試料上の複数の検査エリアについて画像取得処理を並列に行い、取得した画像を処理して欠陥を検出し、分類することを画像取得とは非同期で行うパターン欠陥検査装置が記載されている。
さらに、特開2005−321237号公報(特許文献5)には、複数の検出光学系を有し、この複数の検出光学系に対応した複数の画像比較処理手段、並びに分類処理手段を備えることにより、多様な欠陥を高感度に検出するパターン検査装置が記載されている。
特開平05−264467号公報 特開2001−5961号公報 特開2004-271470号公報 特開2005−158780号公報 特開2005−321237号公報
検査対象となる半導体ウェハでは隣接チップといえどもパターンに膜厚の微妙な違いが生じ,チップ間の画像には局所的に明るさの違いがある。特許文献1に記載されている従来方式のように,輝度差が特定のしきい値TH以上となる部分を欠陥とするならば,このような膜厚の違いにより明るさが異なる領域も欠陥として検出されることになる。これは本来,欠陥として検出されるべきものではない。つまり虚報であるが,従来は虚報発生を避けるための1つの方法として,欠陥検出のためのしきい値を大きくしていた。しかし,これは感度を下げることになり,同程度以下の差分値の欠陥は検出できない。また,膜厚の違いによる明るさの違いは,図2に示した配列チップのうち,ウェハ内の特定チップ間でのみ生じる場合や,チップ内の特定のパターンでのみ生じる場合があるが,これらのローカルなエリアにしきい値を合わせてしまうと全体の検査感度を著しく低下させることになる。
また,感度を阻害する要因として,パターンの太さのばらつきを起因とするチップ間の明るさの違いがある。従来の明るさによる比較検査では,このような明るさばらつきがある場合,検査時のノイズとなる。
一方,欠陥の種類は多様であり,検出する必要のない欠陥(ノイズと見なしてよいもの)と検出すべき欠陥に大別できる。外観検査には,膨大な数の欠陥の中からユーザが所望する欠陥のみを抽出することが求められているが,上記輝度差としきい値との比較では,これを実現することは難しい。これに対し,材質,表面粗さ,サイズ,深さなど検査対象に依存したファクタと,照明条件など検出系に依存したファクタとの組合せにより,欠陥の種類により見え方が変わることが多い。
特許文献2乃至4には、イメージセンサで取得した画像を並列に処理する技術が開示されているが、欠陥の種類により見え方が変わった場合でも処理速度と検出感度とを低下させることなくフレキシブルに対応できるような構成については配慮れていない。
さらに、特許文献5には複数の検出光学系を備えて多様な欠陥を高感度に検出することが開示されているが、欠陥の種類により見え方が変わった場合でも処理速度と検出感度とを低下させることなくフレキシブルに対応できるような構成については配慮れていない。
本発明の目的は,このような従来検査技術の問題を解決して,同一パターンとなるように形成されたパターンの対応する領域の画像を比較して画像の不一致部を欠陥と判定するパターン検査装置において,膜厚の違いやパターンの太さの違いなどから生じる比較画像間の明るさむらを低減し,ノイズや検出する必要のない欠陥に埋没したユーザが所望する欠陥を、欠陥の種類により見え方が変わった場合でもフレキシブルに対応して高感度,かつ高感度を維持して検出できる欠陥検査を実現することにある。
上記目的を達成するために,本発明では,同一パターンとなるように形成されたパターンの対応する領域の画像を比較して画像の不一致部を欠陥と判定するパターン検査装置において,膜厚の違いやパターンの太さの違いなどから生じる比較画像間の明るさむらの影響を低減し,高感度な欠陥検査を単純なパラメータ設定のみで行えるようにした。
また,本発明では,欠陥検査装置において,比較画像間で各画素の特徴量を算出し,特徴空間において,そのはずれ値となるものを欠陥候補とすることにより,多様な欠陥種に対応できる高感度な欠陥検査が行えるようにした。
また,本発明では,複数の検出系から出力される情報を各段階で統合することにより,検出する欠陥種を拡大でき,各種の欠陥を高感度に検出できるようにした。
以上の発明により,検査対象が半導体ウェハで,ウェハ内の膜厚の違いに起因して画像間の同一パターンで明るさの違いが生じている場合であっても,致命的な欠陥を高感度に検出できるようにした。
また,欠陥検出処理部のシステム構成を,親CPUと複数の子CPUからなり,互いに逆向きのデータ転送バスをもつ構成とすることにより,高速,かつ各処理のCPUへの割り当てが自由な高感度な欠陥検査を行えるようにした。
本発明によれば,ノイズに埋没した欠陥を検出するのに最適な特徴量を複数の特徴量からインタラクティブ,かつ統計的に自動選択することにより,ノイズの中から欠陥を高感度に検出することが可能となる。
また,検査対象画像を特徴量に応じて領域分解し,分解した領域毎に感度の自動設定を行うことにより,簡単なパラメータ設定のみで高感度な検査を行うことが可能となる。
更に,複数光学系から得られる情報を各処理段階で統合することにより,多様な欠陥種を高感度に検出することが可能となる。
また,これらの高感度検査を高速に行うことが可能となる。
以下,本発明の実施例を図1から図19を用いて説明する。
第1の実施例として,半導体ウェハを対象とした暗視野照明による欠陥検査装置における欠陥検査方法を例にとって説明する。図1は暗視野照明による欠陥検査装置の構成の一例を示したものである。11は試料(半導体ウェハなどの被検査物),12は試料11を搭載してXY平面内の移動及び回転とZ方向(高さ方向)への移動が可能なステージ,13はステージ12を駆動するメカニカルコントローラである。14はレーザを発射する光源,15は照明光学系である。光源14から出射したレーザは照明光学系15で試料11に照射され,試料11からの散乱光は上方検出系16で結像され,結像された光学像はイメージセンサ17で受光されて,画像信号に変換される。このとき,試料11をX-Y-Z-θステージ12に搭載し,該X-Y-Z-θステージ12を水平方向に移動させながら異物散乱光を検出することで,検出結果を二次元画像として得ることができる。
上方検出系16は、試料11からの散乱光を集光する対物レンズ161、試料11に形成された微細なピッチの繰り返しパターンにより対物レンズ161の瞳位置又はそれと等価な位置に形成される回折光パターンを遮光する空間フィルタ162、空間フィルタ162を透過した試料11からの散乱光による光学像を結像させる結像レンズ163、および偏向フィルタやNDフィルタなどの光学フィルタ164を備えている。
ここで,光源14として,図1に示した例では,レーザを用いた場合を示しているが,検出する画像の分解能を上げる(微細な欠陥を検出する)ために,紫外領域の波長の光(Ultra Violet Light:UV光)を用いることもできる。レーザを光源として用いる場合,それが単波長のレーザである場合には,図示していない可干渉性を低減する手段(短波長のレーザにより像検出面に発生するスペックルノイズを時間的又は空間的に平均化するための手段であって、例えば特開2000−193443号公報に開示されているような光路長の異なる光ファイバを用いたもの)を照明光学系15の内部又は光源14と照明光学系15との間に備えることにより、検出する画像のノイズを低減して検出感度を上げることも可能である。
また,イメージセンサ17として、CCDなどの1次元センサを用いる。また、CCDの代わりに複数の1次元イメージセンサを2次元に配列して構成した時間遅延積分型のイメージセンサ(Time Delay Integration Image Sensor:TDIイメージセンサ)を採用することもできる。この場合,ステージ12の移動と同期して各1次元イメージセンサが検出した信号を次段の1次元イメージセンサに転送して加算することにより,比較的高速で高感度に2次元画像を得ることが可能になる。このTDIイメージセンサとして複数の出力タップを備えた並列出力タイプのセンサを用いることにより,センサからの出力を並列に処理することができ,より高速な検出が可能になる。また,イメージセンサ17に,裏面照射型のセンサを用いると表面照射型のセンサを用いた場合と比べて検出効率を高くすることができる。
18は試料であるウェハ内の欠陥候補を抽出する画像比較処理部であって,検出された画像信号に対してシェーディング補正,暗レベル補正等の画像補正を行う前処理部18−1,補正された画像のデジタル信号を格納しておく画像メモリ18−2,画像メモリ18−2に記憶された対応する領域の画像を比較し,欠陥候補を抽出する欠陥検出部18−3,検出された欠陥を複数の欠陥種に分類する分類部18−4,画像処理のパラメータをセットするパラメータ設定部18−5からなる。
このような構成において、まず,前処理部18−1で補正され,画像メモリ18−2に記憶された被検査領域の画像(以下,検出画像と記載)と対応する領域の画像(以下,参照画像と記載)のデジタル信号を欠陥検出部18−3において読み出し,欠陥検出部18−3で位置を合わせるための補正量を算出する。次に,算出された位置の補正量を用いて,検出画像と参照画像の位置合せを行い,対応する画素の特徴量を用いて特徴空間上ではずれ値となる画素を欠陥候補として出力する。パラメータ設定部18−5は,外部から入力される,欠陥候補を抽出する際の特徴量の種類やしきい値などの画像処理パラメータを設定し,欠陥検出部18−3に与える。そして欠陥分類部18−4にて,各欠陥候補の特徴量から真の欠陥を抽出し,分類を行う。
19は全体制御部で,各種制御を行うCPU(全体制御部19に内蔵)を備え,ユーザからの検査パラメータ(はずれ値抽出に用いられる特徴量の種類,しきい値など)の変更を受け付けたり,検出された欠陥情報を表示したりする表示手段と入力手段を持つユーザインターフェース部19−1,検出された欠陥候補の特徴量や画像などを記憶する記憶装置19−2と接続されている。メカニカルコントローラ13は,全体制御部19からの制御指令に基づいてステージ12を駆動する。尚,画像比較処理部18,光学系等も全体制御部19からの指令により駆動される。
検査対象となる半導体ウェハ11は,図2に示すように,メモリマット部20−1と周辺回路部20−2からなる同一パターンのチップ20が多数,規則的に並んでいる。全体制御部19では試料である半導体ウェハ11をステージ12により連続的に移動させ,これに同期して,順次,チップの像をイメージセンサ17より取り込み,検出画像に対し,規則的に配列されたチップの同じ位置,例えば図2の検出画像の領域23に対し,領域21,22,24,25のデジタル画像信号を参照画像として上記手順で比較し,統計的にはずれ値となる画素を欠陥候補として検出する。
図3は,図2に示した検査対象となるチップの画像23について,欠陥検出部18−3の処理フローの例を示したものである。まず検査対象となるチップの像(検出画像31)と対応する参照画像32(ここでは,隣接するチップの像,図2の22とする)を画像メモリ18−2から読み出し,位置のずれを検出し,位置合せを行う(303)。
次に位置合せを行った検出画像31の各画素に対して,参照画像32の対応する画素との間で複数の特徴量を演算する(304)。特徴量は,その画素の特徴を表すものであればよい。その一例としては,(1)明るさ,(2)コントラスト,(3)濃淡差,(4)近傍画素の明るさ分散値,(5)相関係数,(6)近傍画素との明るさの増減,(7)2次微分値などがある。これらの特徴量の一例は,検出画像の各点の明るさをf(x,y),対応する参照画像の明るさをg(x,y)とすると以下の式で表される。
(数1)
明るさ; f(x,y),もしくは {f(x,y)+g(x,y)}/2
(数2)
コントラスト;max{f(x,y),f(x+1,y),f(x,y+1),f(x+1,y+1)}−
− min{f(x,y),f(x+1,y),f(x,y+1),f(x+1,y+1)}
(数3)
濃淡差; f(x,y)−g(x,y)
Figure 0004928862
そして,これらの特徴量のうちのいくつか,あるは全ての特徴量を軸とする空間に各画素をプロットすることにより特徴空間を形成する(305)。そして,この特徴空間におけるデータの分布の外側にプロットされる画素,すなわち特徴的はずれ値となる画素を検出し(306)、欠陥候補を抽出する(307)。
図4(a)の40は,検出画像31と参照画像32の対応する位置の画素から特徴量を演算し,そのうちの特徴量A,特徴量Bを軸とする2次元の空間に各点をプロットして形成した特徴空間である。特徴空間40において,破線で囲んだ点は,密集したデータ分布の外側にあり,はずれ値となった画素を示している。図4(a)の41は,検出画像31と参照画像32の対応する位置の画素から特徴量を演算し,そのうちのN個の特徴量を軸とするN次元の空間に各点をプロットして形成したN次元特徴空間のイメージ図である。N次元特徴空間41において,はずれ値を検出することにより,より特徴的に多様なノイズの中から欠陥を検出することが可能となる。
図4(b)は,検出画像31と参照画像32の各画素の明るさの差を0〜255の値で示した差画像である。差が大きい画素ほど明るく表示している。図4(b)においては,白丸で囲んだ欠陥以外に,2枚の画像間で明るさが異なる正常パターンの部分で差が大きくなっている(明るさむらと図示)。従来のように画像間の明るさの差がしきい値より大きい部分を欠陥として検出する方式では,これらの明るさむらも欠陥とともに検出されることになる。図4(c)は,特徴空間41において,密集したデータ分布の中心からの距離を0〜255の値で示した距離画像の例である。特徴空間において,図4(c)で白丸で囲んだ部分のようにはずれ値となる欠陥のみが明るくなっており,明るさむらは抑制され,欠陥のみが検出されることを示している。このように複数の特徴量からなる空間において,特徴的なずれ値を検出することにより,多様な正常パターンのノイズを抑制し,欠陥のみが検出可能となることを示している。
以上に説明した例では,参照画像は隣接するチップの像(図2の22)としたが,複数のチップの対応する位置の像(図2の21,22,24,25)から算出する合成画像(平均値や,中央値など)であってもよい。
図5(a)は,上記画像比較処理部18における欠陥検出部18−3のシステム構成を示す図である。まず,欠陥検出を行う画像処理システムは図5(a)に示すように、50,51,52,53,54の複数の演算CPUをもつ。このうちの1つの演算CPU50は,それ以外の複数個の演算CPU51〜54と同等以上の演算を行うとともに,他の演算CPUへの画像データ転送,演算実行の命令,外部とのデータ受渡しなどをおこなうCPUである。この演算CPU50を以下,親CPU50と記載する。また,それ以外の複数個の演算CPU51〜54(以下,子CPU51〜54と記載)は,親CPU50からの命令を受け,演算の実行や他の子CPUとのデータの送受信などを行う。また,親CPU50から子CPU51〜54へのデータ通信バスは,反時計回り(子CPU51→52→・・・→53→54)のバス501とその逆方向(子CPU54→53→・・・→52→51)のバス502の2方向を各々2つ以上持っており,子CPU51〜54はどちら周りのバスからでもデータの送受信が可能である。
この利点を従来法と比べて示す。図5(b)は従来システム構成の代表的な一例である。子CPU間はデータ通信バス510で1方向にしかデータが流れていかないため,子CPU3の結果を子CPU1へフィードバックすることができない。また,親CPUから子CPU3へデータを渡すには,子CPU1,2を介す必要があり,子CPUの数が多くなると,親CPUから離れた子CPUとのデータ送受信に時間を要する。図5(c)は代表的な従来法の別の一例である。子CPUは各々直接,親CPUとのデータ送受信が可能である。ただし,子CPU間のデータ送受信は,一旦,親CPUを介してから行うため,時間を要する。これに対して,図5(a)に示したような本発明による構成をとることにより,親CPUと子CPU間,子CPU同士のデータ送受信を高速に行うことができる。
次に図3に示した画像比較処理を例にとり,上記システム構成による処理の流れを示す。図6(a)は検査対象となる半導体ウェハ11内のチップ23を検査対象とし,センサで画像を入力している例である。検査対象となるチップ23の入力画像は,61〜66の6つ(6画像)である。
図6(b)は検査対象となる画像61〜64,及び対応する参照画像が撮像され,画像メモリ18−2に入力された後の一般的な並列処理の流れである。横軸tは時間である。60-1〜60−4は,欠陥検出部18−3の子CPU1〜4でそれぞれ画像単位で実行される処理時間である。このように,通常の並列処理では,画像が入力されると同時に,親CPUから各子CPU1〜4に画像が振り分けられ,子CPU1〜4は同一の処理を並列に行う。子CPU1〜4には一連の処理が終わると次の画像が入力される。
図6(c)は並列処理の別の例である。欠陥検出処理の前半(図3を例にとると303の位置ずれ検出など)は2画像に1回行えばよい場合,図6(c)に示すように網掛けの部分の処理を子CPU1,3で行い,算出された値(図3では位置ずれ量)を子CPU2,4に適用することになる。これにより処理の高速化を可能にする(画像63の処理が画像62と同じタイミングで終了する)。しかし、この処理を図5(c)に示したような従来法のシステム構成で処理する場合には,子CPU1から2へのデータの転送は,親CPUを一旦介して行うことになり,通信のための待ち時間などが発生し,処理速度が制限されてしまう。これに対し,図5(a)に示したような本システム構成で処理する場合には,データの送受信を子CPU間で距離の近い方向のデータ転送バスを使うことにより待ち時間の発生を防止できて高速に処理することが可能となる。
図6(d)は並列処理の別の例である。子CPU2で実行する画像62の欠陥検出処理の前半(子CPU1および3の欠陥検出処理を表す領域でハッチングで表示した部分に相当)は,子CPU1で画像61から算出した値や子CPU3で画像63から算出した値の補間値や平均値などを適用することを示している。この場合も図5(a)に示したような本発明によるシステム構成をとることにより,子CPU1から2へと,子CPU3から2への転送は,逆向きのデータ転送バスを使い,タイミング制御などを必要とせずに待ち時間の発生を防止でき、高速に処理することが可能となる。
図7は並列処理の別の例である。欠陥検出処理の前半(斜線で網掛けした部分)の位置ずれ検出で算出される位置ずれ量を複数の画像間で集計し,信頼度の高い位置ずれ量を算出し,画像61〜64で同一の値で位置合せを行う処理の例を示している。このような処理を図5(c)に示した従来法2のシステム構成で処理する場合には、子CPU1〜4から算出される位置ずれ量を親CPUと1対1で通信して送信する。そして,親CPUで集計して算出された位置ずれ量を各子CPUと1対1で通信しながら送信する。この間,それ以外の子CPUは通信待ちをしていなければならず,待ち時間の分だけ処理速度が低下してしまう。一方,図5(a)に示した本発明によるシステム構成を用いて処理する場合には,親CPUが集計して算出した位置ずれ量を両方向のデータ転送バス501又は502へ送信し,子CPUは親CPUと近い方のデータ転送バス又は空いているほうのデータ転送バスから転送されてくる位置ずれ量の情報を受信する。これにより,通信待ち時間がほとんど発生せずに,全ての子CPUと一斉にデータ送受信が可能となる。
次にパイプライン処理の場合を例にとり,本システム構成の利点を説明する。図8(a)は図5(b)に示した従来法1のシステム構成を用いて順次画像メモリ18−2に入力された画像(ここでは61〜64)を親CPUが順次読み出し,子CPU1に送信し,パイプライン処理を行う例を示している。図8(a)においては、図3の欠陥検出処理フローに示した,位置ずれ検出・位置合せ処理303を811a〜813aに示すように斜めの網掛けで,特徴量演算304〜特徴空間形成305までを821a〜823aに示すように黒で,欠陥候補抽出処理306を831a〜833aに示すように白で処理時間に対応させて示したものである。それぞれの処理には専用の子CPU1〜3が割り当てられ,それぞれの子CPU1〜3は割り当てられた処理を繰返し行う。ここで,従来の方式では,データは順次,上段の子CPUの処理を経て送信されるため,上段の処理が終わらないとデータが転送されてこない。このため,図8(a)に示すように位置合せ処理811a〜813a(子CPU1の行う斜めの網掛け)が極端に長い場合,後の処理821a〜823aおよび831a〜833a(子CPU2,3の処理)はデータ受信待ちの時間が多くなり,全体として処理速度の低下となる。
これに対し,図5(a)に示した本発明によるシステム構成を用いて処理する場合、図8(b)に示すように、各処理の演算時間に応じて位置ずれ検出・位置合せ処理303を811b、812b、821bおよび822bで、特徴量演算304・特徴空間形成305〜欠陥候補抽出処理306までを831b〜834bで分けて処理することができ、それぞれの子CPU1〜3の演算負担が均等になるように,担当する子CPUの数を自由に変えることが可能である。 これによると,811b、812b、821bおよび822bの斜めの網掛けで示す位置合せ処理の演算負荷が他の処理の約2倍あることから,位置合せ処理を2つの子CPU1,2で行うようにする。このとき,演算待ちの時間が発生しないように,連続して入力される画像61〜64の処理を子CPU1と2で交互に行うようにする。また演算負荷の小さい特徴量演算処理から欠陥候補抽出処理までを831b〜834bのように1つの子CPU3で行うようにする。これにより,図8(a)と同じCPU数で図8(a)の場合よりも高速な処理を実現することが可能となる。
図8(c)は処理の別の例である。欠陥候補を抽出した後,欠陥候補の周辺の部分画像,および対応する参照画像の部分画像を切出す処理(横線の網掛け)がある。ここで,部分画像は原画像から切出すと仮定すると,図5(b)又は(c)に示した従来のシステム構成では,子CPU1〜子CPU3において,欠陥候補を抽出し,欠陥の位置が特定できると,子CPU4では欠陥の位置座標を受信し,親CPUに入力され保持されている原画像を読み込み,欠陥座標の周辺の画像を切出すことになる。これに対し,図5(a)に示した本発明によるシステム構成では,子CPU1〜3の処理を反時計回りのデータ通信バス501を介して行い,これと平行して,原画像は時計周りのデータ通信バス502を用いてCPU4へ送信しておく。子CPU4では受信した原画像をメモリに保持しておき,欠陥座標を受信すると同時に部分画像を切出し,順次,時計周りのデータ通信バス502を介して親CPUへ切出した部分画像を送信する。これにより,通信タイミングの制御による待ち時間を排した高速なデータの送受信が可能となる。ここで,各CPUは専用のメモリをそれぞれ持っているので,上記に述べた子CPU4のようにあらかじめ原画像を保持することが可能となる。
以上に説明したように,親CPUと複数の子CPUとの間で1組以上の互いに逆方向のデータ通信バスをもち,各CPU間は互いにデータの送受信が自由にできる構成で欠陥検出処理を実行させることにより,処理の配置,データの流れをフレキシブルに変更でき,かつCPU間の通信制御などを必要としない高速な欠陥検査を実現することが可能となる。
なお,これらのシステムを実現するCPUは何であっても構わない。また,これらの構成をとるシステム(基板)を複数個持つことにより,並列性を強化した更なる高速検査処理が実現可能となる。図19はその一例である。図19(a)は,図6(a)で示した検査対象チップ23の入力画像61について,ステージ進行方向に対して平行に画像61−1〜61−8に8等分割することを示している。これらの分割画像を図19(b)に示す専用のメモリ18−2−1〜18−2−8にそれぞれ入力する。そして,図5に示した構成の複数枚(ここでは画像分割数と同じ8枚18−3−1〜18−3−8)のシステム(基板)で並列に欠陥検出処理を行う。順次入力される画像62,63,・・,66に対しても同様に行う。
次に,第2の実施例として、第1の実施例で説明したシステム構成の画像処理系をもつ欠陥検査方式の別の例を,画像を検出する検出光学系が複数ある場合で説明する。図9に示した検査装置の構成は、図1に示した暗視野照明による欠陥検査装置に斜方検出光学系90を追加した2系統の検出光学系を備えた例である。図9の90は斜方検出系であり,上方検出系16と同様に対物レンズ901、空間フィルタ902、結像レンズ903および光学フィルタ904を備え,試料11からの散乱光を対物レンズ901、空間フィルタ902、結像レンズ903および光学フィルタ904を介して結像させ,光学像をイメージセンサ91で受光して,画像信号に変換する。得られた画像信号は,上方検出系16と同じ画像比較処理部18’に入力され,処理される。ここで,2つの異なる検出系で撮像される画像は当然のことながら画質が異なり,検出される欠陥種も一部で異なる。このため,各検出系の情報を統合して欠陥の検出を行うことにより,より多様な欠陥種の検出が可能となる。
図10(a)に、複数検出系で得られた情報を統合して処理する一例を示す。この例においては、前処理部18’−1で補正され,画像メモリ18’−2に入力される検出系毎の画像信号それぞれについて,画像処理部100の欠陥検出18'−3から欠陥分類18'−4までの処理を順次に行い,各々の検出系から抽出される欠陥について,欠陥情報統合処理部101において半導体ウェハ内での座標から照合し,論理積(異なる検出系で共通に抽出されたもの)や論理和(異なる検出系の共通,もしくはいずれかで抽出されたもの)をとることにより,結果を統合してユーザインターフェース部19'−1に表示する。この場合、画像処理部100での処理結果を欠陥情報統合処理部101において統合せずに、検出系毎に個別にユーザインターフェース部19'−1に表示することも可能である。
一方,図10(b)には、画像処理部100’を第1画像処理部100−1と第2画像処理部100−2で構成し、検出系毎の画像信号それぞれについて欠陥検出18''−3から欠陥分類18''−4までを第1画像処理部100−1と第2画像処理部100−2とで並列に処理し,最終結果を欠陥情報統合処理部101’にて統合してユーザインターフェース部19'−1に表示する構成を示している。
また,複数の検出光学系(図9の構成では、上方検出系16と斜方検出系90の2系統)で抽出した結果を単に統合,表示するのではなく,それぞれの検出系による欠陥候補の特徴量を統合して,欠陥を検出,表示することも可能である。
その例を図11に示す。まず,イメージセンサ17および91で検出され前処理部18’−1で補正されてメモリ18’−2に記憶された画像信号を画像処理部100aで順次呼び出して、検出光学系ごとに時系列的に、または検出光学系単位で並列に処理して欠陥候補を抽出する(18'''−3)。このとき,欠陥画像切出し部18'''−3aにて、図8(c)で説明したように、欠陥候補を含む局所領域の画像(以下,欠陥画像と記載)と対応する参照画像を部分画像として切出し,全検出系による欠陥画像がそろった時点で,欠陥分類部18''−4aにて座標が一致する各検出系の欠陥画像各々から,もしくは各検出系の欠陥画像の対応する画素間で分類のための特徴量を抽出し,虚報と欠陥の分類,及び欠陥種による分類を行い,結果を表示する(110:図9の19'−1に相当)。このように欠陥部の特徴量を複数の検出光学系で取得した画像から算出し,統合して分類することで,より高精度な欠陥検出,分類が実現可能となる。なお,これらの情報統合は,検出された欠陥のウェハ上での座標情報に基づき行うため,ウェハの同一領域に対し,各検出光学系の撮像タイミングや撮像倍率が異なっていても実現可能である。
情報統合による検査の別の形態として,各検出光学系の撮像倍率が同じ場合について説明する。図12(a)は2つの検出光学系の画像を同時に,同倍率で取得する例を示したものである。2つのイメージセンサ17,91より同じタイミングで取得される各々の画像を,前処理部18''−1で図1に示した実施例の場合と同様な補正処理を行い,画像メモリ18''−2へ入力する。そして画像処理部100bで画像メモリ18''−2に記憶された画像信号を呼び出して,2つの異なる検出系でそれぞれ撮像された検査対象画像と参照画像のセットを用いて18−3bにて欠陥候補を抽出し,18−4bで分類し、その結果を表示する(110b:図9の19'−1に相当)。
図12(b)は18−3bにおける欠陥候補を抽出する処理フローの一例である。まず一方の検出系(ここでは上方検出系16)から得られた検出画像31−1と対応する参照画像32−1を画像メモリ18''−2から読み出し,位置のずれを検出して位置合せを行う(303−1)。次に位置合せを行った検出画像31−1の各画素に対して,参照画像32−1の対応する画素との間で特徴量を演算する(304−1)。同様に別の検出系(ここでは斜方検出系90)から得られた検出画像31−2と参照画像32−2も画像メモリ18'−2から読み出し,位置合せ(303−2),特徴量演算(304−2)までを行う。そして,特徴量演算(304−1および304−2)で求めた特徴量全て,あるいは,いくつかを選択し,特徴空間を形成する(305’)。これにより,異なる検出系の画像の情報を統合する。そして,形成した特徴空間からはずれ画素を検出する(306’)ことにより,欠陥候補を抽出する(307’)。
特徴量は前述の(1)明るさ,(2)コントラスト,(3)濃淡差,(4)近傍画素の明るさ分散値,(5)相関係数,(6)近傍画素との明るさの増減,(7)2次微分値,などをそれぞれの画像のセットから算出する。加えて,各画像の明るさそのもの(31−1,32−1,31−2,32−2)も特徴量とする。また,各検出系の画像を統合して,例えば,31−1と31−2,3−12と32−2の平均値から(1)〜(7)の特徴量を求めるなどでも構わない。
ここで,特徴空間上で情報を統合するためには,異なる検出系の画像間でパターンの位置の対応が取れている必要がある。位置の対応は,あらかじめキャリブレーションしておくか,得られた画像から算出してもよい。また,図12(b)のフローにて,各画像のセットに対して,それぞれに位置ずれ検出,位置合せ303−1および303−2を行う例を示したが,2つの検出系で画像取得のタイミングが同じであれば,どちらかのセットで位置ずれ検出を行い,算出された位置ずれ量を共通に用いてもう一方のセットの位置合せを行うことも可能である。これにより,システム規模の縮小化や高速化が実現できる。
図13は2つの検出光学系の画像を同時に,同倍率で取得する別の例を示したものである。画像を合成してから欠陥検出処理を行う例であるが,前処理部18'−1でそれぞれのイメージセンサから入力された画像を補正し,画像メモリ18−2cへ書き込むと同時に,補正後の二つの画像(ここでは,上方検出系16の画像と斜方検出系90の画像)を画像合成部130にて合成し,画像メモリ18−2cへ入力する。合成は,平均値,最大値,最小値など各種の計算ができる。画像処理部100cでは,検出系各々の画像に加え,画像合成部130にて合成した合成画像も用いて18−3cで欠陥候補を抽出し、18−4cで欠陥分類を行う。ここで、18−3cの欠陥候補抽出処理は、検出画像31−1と31−2に加えて合成画像についても位置ずれ・位置合せ処理と特徴量演算の処理を行い、特徴量空間にプロットする。この合成画像と各検出画像との位置ずれ・位置合せ処理から特徴空間へのプロットまでの処理は、図12(b)と同様の処理手順で行う。また,合成画像のみで欠陥候補抽出〜分類処理を行うこともできる。
以上に述べたように,本発明では,複数の検出光学系から得られた情報に対し,
(1)欠陥検出結果を統合
(2)欠陥候補の特徴量(欠陥情報)を統合
(3)画像の特徴量を統合
(4)画像を統合
など各段階での統合が可能である。また,2つ以上の複数の検出系に対して可能である。これにより,多種の欠陥検出を高感度に実現できる。
次に複数の検出系から得られる情報を統合するシステムの実現形態の一例として、図9に示した検査システムを用い図5の構成を適用した場合を図14に示す。ここでは,検出系は2つであり,センサ17と91から画像メモリに2セットの画像が入力される。これに対し,図14(a)では,親CPU50'が2セットの画像を読み込み,センサ17から取得した検出画像31'−1と参照画像32'−1は反時計周りのデータ通信バス501'で送信する。そして子CPU51'で位置合せ,子CPU52'で欠陥抽出を行い,結果を時計回りのデータ通信バス502'で親CPU50'へ戻す。一方,センサ91から取得した検出画像31'−2,参照画像32'−2は時計周りのデータ通信バス502'で送信し,子CPU55'で位置合せ,子CPU54'で欠陥抽出を行う。そして,結果を反時計回りのデータ通信バス501'で親CPU50'へ戻す。親CPU50'50では,両者から戻った情報を統合し,その結果に基づき18'−4にて欠陥分類を行う。このように,1つの画像処理システムにて,画像転送の通信時間待ちがほとんどない並列比較処理が高速に実現できる。図14(b)は画像の特徴量を統合する処理の一例である。図14(a)同様に,互いに逆向きのデータ通信バス501'' と502''とにそれぞれの画像セットを送信し,位置合せ,特徴量演算を行う。そして子CPU53''に対して,両側からそれぞれのデータを送信して特徴空間を形成し,欠陥候補を抽出する。結果は親CPUに近い方のバス経由で送信する。図14(a)(b)の例で示したもの以外にも処理の流れ,データ通信方向,各演算の担当CPUの割り当てなどの組合せは可変である。
以上に示したように,複数の演算CPUとそれを束ねる親CPUから成り,各CPUは互いに逆向きのデータ通信バスを2セット以上もつシステム構成とした欠陥検出処理は,並列処理,パイプライン処理など,いずれの処理も高速に実行可能であり,また,処理の負荷に応じて構成もフレキシブルに変更できる。親CPU1個に対し,子CPUの代表的な数は8個であり,扱う画像の規模,演算負荷に応じて,この構成の演算システムを複数並列動作させることも可能である。
次に,図3に示した特徴空間上のはずれ値検出による欠陥候補抽出の詳細処理の一例を図15により説明する。検査対象となる半導体ウェハは多層膜から成り,薄膜干渉やパターンエッジラフネスなどを起因とする検出画像と参照画像の間の明るさ変動,すなわちノイズの強度は各層により異なる。このため,検査対象領域全面にわたり同一感度で欠陥検出を行うとノイズの大きいエリアに合せて低い感度で検査することになり,見逃しが発生する。このため,本発明では,画像を各画素の特徴量に応じて数個のカテゴリに分解し,分解したカテゴリ毎に,処理を施し,欠陥を検出する。カテゴリ毎に行う処理の一例としては,そのカテゴリに含まれる画素の明るさのばらつき(分散値など)を算出し,これをノイズのレベルとして,ばらつき(分散値など)に応じた感度設定を自動で行う。これは,画像をノイズの大きいエリア(層)とノイズの小さいエリア(層)に分割し,ノイズの大きいエリアでは低感度で,ノイズの小さいエリアでは高感度で欠陥を検出するのと同等の効果をもつ。いわゆる統計学の層別という概念である。まず,検出画像と参照画像の対応する各画素について,特徴量を演算する(151)。特徴量は上述の通り各種ある。この中から画像をパターンやノイズのレベルで分けるのに最適な特徴量から複数個を選択する(152)。選択は,ユーザが経験的に選択してもいいし,分離したいエリアやパターンの代表値を見ながらマニュアルで選択してもいいし,狭領域にて試験的に特徴量を選びながら分離度を見て選択してもよい。また,ユーザが分けたいエリアやパターンを教示し,その他のエリアとの分離度が最も高くなるように自動で選択してもよい。
分離度評価の一例としては,分離したい各エリア内の分散が小さく,エリア間の分散が大きくなるような特徴量を選択する方法や,判別分析に基づく方法などがある。分離度を計測する際にはより分離度が高くなるように特徴軸の変換や,特徴軸のスケール変換を行う。そして選択された1つ以上の特徴量を軸とする特徴空間に各画素をプロットすることにより,特徴空間を形成する(153)。この特徴空間上で,各特徴量に対して,ヒストグラムを算出する(154)。そしてヒストグラムベースでエリア分割のためのしきい値を算出する(155)。ヒストグラムベースのエリア分割方法を図16に示す。図16(a)は選択された2つの特徴量A,Bによる特徴空間に画像の各画素をプロットした例である。まず選択された特徴量A,Bによるヒストグラムを作成する。そして,特徴量毎のヒストグラムについて,最もヒストグラムの山と谷が明確にでている特徴量のヒストグラムを選択し,その中で最も谷らしい部分を最初のしきい値とする。山らしさ,谷らしさはヒストグラムを微分することにより算出する。
図16では,特徴量Bによるヒストグラム1601が選択され,しきい値1602が設定される。次に設定されたしきい値1602で特徴空間を分割する。そして,分割された部分特徴空間毎に,更に特徴量毎のヒストグラムを作成し,最も山と谷が明確にでている特徴量のヒストグラムを選択し,その中で最も谷らしい部分を次のしきい値とする。図16ではヒストグラム1603からしきい値1604が設定される。この動作をヒストグラムの谷がなくなるまで繰り返す。谷の有無は微分値に判定しきい値を設定することにより決定する。図16ではヒストグラム1605からしきい値1606を設定して終了となる。このようにして,しきい値を算出しながら特徴空間を分割し,分割した部分特徴空間毎に,そこに含まれる画素を用いて,欠陥を検出する。ここでは,散布図に基づいて欠陥を検出する例を述べる。まず,分割した部分特徴空間毎に,その範囲に含まれる画素で,散布図を形成する(図15の156)。散布図は,検査対象画像の明るさを横軸に,参照画像の対応する画素の明るさを縦軸にとった2次元空間に,各画素をプロットしたものである。図16(b)は対象画像全体から形成した散布図である。(c)は,特徴空間(a)において最初に設定したしきい値1602で分割した後の上半分のエリアに含まれる画素から形成した散布図,(d)は下半分のエリアに含まれる画素から形成した散布図である。(e)は(c)のエリアを更にしきい値1604,1606により分割したあとのエリアに含まれる画素毎にデータを楕円で囲ったものである。このようにして,分割した部分特徴空間毎に散布図を形成することにより,散布図(b)を分解する。これは,対象画像を特徴量に応じて分割することになり,ノイズの強さを反映する特徴量が選ばれた場合,ノイズの大きい領域と小さい領域が分離可能となる。これにより,ノイズの小さい領域では,ノイズの大きな領域の影響を排除することができる。次に分解した散布図毎にデータの直線近似を行い,直線の傾き(gain)とY切片(offset)を算出する(157)。そして,gainとoffsetを使って,そのエリアに含まれる画素の階調変換を以下の式で行う(158)。
f'(x,y)=gain・f(x,y)+offset
ただし,f(x,y)は階調変換前の検出画像の明るさ,f'(x,y)は階調変換後の明るさ
階調変換は,検出画像の各画素の明るさを参照画像の明るさに合わせこむことに他ならない。そして階調変換後の検出画像と参照画像の差と,ユーザが設定するしきい値とを比較し,欠陥候補を抽出する。
本方式の例では,図17(a)に示すように,特徴空間をヒストグラムベースで分解し(ここではエリアA〜D),各エリアにおいて,直線のあてはめを行って階調変換係数gainとoffsetを出力値として与える。また,各領域に属するデータ群のばらつき、分散値なども特徴として出力する。これは分解が上手く行われているかの評価値となる。ヒストグラムが分割できない場合や、ばらつきが予め定めたしきい値より小さくなったときに、分解を終了する。ばらつきの評価は、散布図における分散値でもよいし、データを適当に2点サンプリングしてその傾きの大小で判断してもよい。分割後の各領域内のデータ数(頻度)の大小も利用し得る。
図17(b)は,エリア毎に求めた階調変換係数で各画素の明るさの合わせ込みを行った後の,対象画像全体の散布図である。データの分布がスリムになり,しきい値を低く設定することが可能となることを示している。このようにエリア毎に階調変換を行うことにより,装置のユーザからみれば,複雑な感度設定が不要で,唯一の感度パラメータにより,分解した各領域内のはずれ値を欠陥として検出することが容易に行える。当然のことながら,階調変換を行うのではなく,分解したエリア毎に感度設定を行うことも可能である。この場合,ユーザがエリア個々にマニュアルで感度を調整してもいいし,図17(a)に示したエリア毎の評価値である分散値に応じて感度を算出してもいい。その一例として,分散値σが大きければ明るさがあばれている,すなわち,ノイズの大きな領域と判断し,しきい値THを大きく,分散値σが小さければノイズの小さいな領域と判断し,しきい値THを小さく設定する。しきい値THは,分散値σに応じて以下の通りに算出すればよい。
TH=Kσ(Kはユーザが設定するパラメータ)
なお,画像の分割には特徴量のヒストグラムをベースとする以外に線形回帰木や決定木など分解後のばらつきを考慮しつつ,しきい値を決定する手法の適用も可能である。すなわち,分散がある値以下になるように,ヒストグラムを分割することも可能である。また,特徴空間を分解するのではなく,画像自体の空間的情報から直接セグメンテーション(領域分割)を行い,セグメント毎に欠陥を検出することも可能である。
以上のように,本発明の各実施例で説明した検査装置によれば,画像処理部のシステム構成を,親CPUと複数の子CPUからなり,互いに逆向きのデータ転送バスをもつ構成とすることにより,高速,かつ各処理のCPUへの割り当てが自由な欠陥検出方法及びその装置を提供することが可能となる。また,特徴空間におけるはずれ値を検出することにより,簡単なパラメータ設定のみでノイズに埋没した欠陥を高感度に検出することが可能となる。また,複数の検出光学系で検出される画像に対して,情報を統合して,欠陥検出処理を行うことにより,多様な欠陥を高感度に検出することができる。
本例では,参照画像は隣接するチップの画像(図2の22)として,比較検査を行う例を示したが,参照画像は,複数のチップ(図2の21,22,24,25)の平均値などから1つ生成するのもかまわないし,23と21,23と22,・・・,23と25といったように1対1の比較を複数領域で行い,全ての比較結果を統計的に処理し,欠陥を検出することも本方式の発明の範囲である。
これまでチップの比較処理を例にとって説明したが,図2(b)に示すような被検査対象チップに周辺回路部とメモリマット部が混在している場合にメモリマット部で行われるセル比較も本発明の適用範囲になる。
また,CMPなど平坦化プロセス後のパターンの膜厚の微妙な違いや,照明光の短波長化により比較するチップ間に大きな明るさの違いがあっても,本発明により,20nm〜90nm欠陥の検出が可能となる。
さらに,SiO2をはじめ,SiOF,BSG,SiOB,多孔質シリア膜,などの無機絶縁膜や,メチル基含有SiO2,MSQ,ポリイミド系膜,パレリン系膜,テフロン(登録商標)系膜,アモルファスカーボン膜などの有機絶縁膜といったlow k膜の検査において,屈折率分布の膜内ばらつきによる局所的な明るさの違いがあっても,本発明により,20nm〜90nm欠陥の検出が可能となる。
以上,本発明の一実施例を半導体ウェハを対象とした暗視野検査装置における比較検査画像を例にとって説明したが,電子線式パターン検査における比較画像にも適用可能である。また,明視野照明のパターン検査装置にも適用可能である。図18は,明視野照明による欠陥検査装置の構成の一例を示す。180は検出部である。この検出部180は,試料11を照射する光源1801,光源1801から出射した光を集光するレンズ系1802と光路を変換するビームスプリッタ1803とを備える照明光学系1810,照明光学系1810で集光された照明光で試料11を照明するとともに試料11で反射して得られる光学像を結像させる対物レンズ1811,結像された光学像を受光し,明るさに応じた画像信号に変換するイメージセンサ1820,イメージセンサ1820からの入力信号をデジタル信号に変換するAD変換部1821で構成される。
検査対象は半導体ウェハに限られるわけではなく,画像の比較により欠陥検出が行われているものであれば,例えばTFT基板,ホトマスク,プリント板などでも適用可能である。
第一の実施例における検査装置の概略構成を示す正面図である。 (a)半導体ウェハの平面図およびチップ列の拡大図、(b)チップの拡大図である。 欠陥候補抽出処理手順を示すフロー図である。 (a)特徴空間におけるはずれ画素を検出する手順を示す図、(b)欠陥と明るさむらとが存在する画像、(c)欠陥を抽出した画像である。 (a)第一の実施例における欠陥検出処理のCPU構成を示すブロック図、(b)従来の欠陥検出処理のCPU構成を示すブロック図、(c)の従来の欠陥検出処理の他のCPU構成を示すブロック図である。 (a)半導体ウェハの平面図およびチップの拡大図、(b)一般的な並列処理によりチップの検査を行った場合の各CPUの処理のタイミングを示す図、(c)並列処理によりチップの検査を行った場合の各CPUの処理のタイミングを示す図、 (d) 並列処理によりチップの検査を行った場合の各CPUの処理の別のタイミングを示す図である。 並列処理によりチップの検査を行った場合の各CPUの処理の別のタイミングを示す図である。 (a)図5(b)に示した従来技術のCPU構成により各CPUで処理するタイミングを示す図、(b)図5(a)に示した第1の実施例におけるCPU構成により各CPUで処理するタイミングを示す図、(c)複数のCPUを用いて並列処理するタイミングの他の例を示す図である。 第2の実施例における複数の検出光学系を備えた検査装置の構成を示す図である。 (a)第2の実施例における欠陥検出系の構成を示すブロック図、(b)第2の実施例における欠陥検出系の他の構成を示すブロック図である。 第2の実施例における欠陥検出系の他の構成を示すブロック図である。 (a)第2の実施例における欠陥検出系の構成を示すブロック図、(b)第2の実施例における欠陥検出処理の流れを説明するフローズである。 第2の実施例における欠陥検出系の他の構成を示すブロック図である。 (a)第2の実施例における欠陥検出処理のCPU構成を示すブロック図、(b)第2の実施例における欠陥検出処理において画像特徴量を統合する場合のCPU構成を示すブロック図である。 特徴量によるはずれ値検出処理の手順を示すフロー図である。 (a)2次元特徴量空間に画像の各画素をプロットした状態を示す図、(b)対象全体から作成した散布図、(c)特徴空間(a)をしきい値1602で分割したときの上半分のエリアに含まれる画素から作成した散布図、(d)特徴空間(a)をしきい値1602で分割したときの下半分のエリアに含まれる画素から作成した散布図、(e)特徴空間(a)をしきい値1602で分割したときの上半分のエリアに含まれる画素を更に細分割したエリアごとの塊りにまとめた状態を示す散布図である。 (a)特徴空間をヒストグラムベースで分解した状態を示す階層図、(b)エリアごとに求めた階調変換係数で各画素の明るさの合わせ込みを行った後の対象画像全体の散布図である。 第一の実施例の応用例を示す明視野検査装置の正面図。 (a)半導体ウェハ内のチップの拡大平面図、(b)並列化を更に強化した状態の欠陥検出処理のCPU構成を示すブロック図である。
符号の説明
11…試料,12…ステージ,13…メカニカルコントローラ,14…光源,15…照明光学系,16…上方検出系,17…イメージセンサ,18…画像比較処理部,18−1…前処理部,18−2…画像メモリ,18−3…欠陥検出部,18−4…欠陥分類部,18−5…パラメータ設定部,19…全体制御部,19−1…ユーザインターフェース部,19−2…記憶装置,20…チップ,20−1…メモリマット部,20−2…周辺回路部,90…斜方検出系

Claims (8)

  1. 表面にパターンが形成された試料上の検査領域を順次撮像して該試料の画像を取得し検
    査画像と参照画像とを作成する画像取得手段と、
    該検査画像と該参照画像とを用いて該試料上の欠陥候補を抽出する欠陥候補抽出手段と
    を備え、
    前記欠陥候補抽出手段は、複数の演算処理ユニットと、前記複数の演算処理ユニットの
    間でデータを一方向に順次流すことのできる第一のデータ通信バスと、前記第一のデータ
    通信バスにより流れるデータの向きと逆向きに前記複数の演算処理ユニットの間でデータ
    を順次流すことのできる第二のデータ通信バスと、を有し、
    前記複数の演算処理ユニットの各々は前記第一のデータ通信バスと前記第二のデータ通
    信バスとを用いてデータの送受信が可能であり、
    前記複数の演算処理ユニットのうちの一の演算処理ユニットである親演算処理ユニット
    は、前記親演算処理ユニット以外の演算処理ユニットである複数の子演算処理ユニットの
    各々に対して、前記第一のデータ通信バスまたは前記第二のデータ通信バスを介して異なる種類の演算を行うよう命令し、前記複数の子演算処理ユニットのうちの一部の子演算処理ユニットに対してのみ位置ずれ量検出を命令することを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 請求項1記載の欠陥検査装置であって、
    位置ずれ量検出命令を受けた前記一部の子演算処理ユニット以外の子演算処理ユニットは、位置ずれ量検出命令を受けた前記一部の子演算処理ユニットで演算された位置ずれ量のデータを、前記一部の子演算処理ユニットから受信することを特徴とする欠陥検査装置
  3. 請求項1記載の欠陥検査装置であって、
    前記親演算処理ユニットは、前記複数の子演算処理ユニットに対して位置ずれ量検出を命令し、前記複数の子演算処理ユニットで演算された位置ずれ量のデータを受信し、受信した位置ずれ量データを集計して信頼度の高い位置ずれ量を算出して前記複数の子演算処理ユニットに送信し、
    前記複数の子演算処理ユニットは受信した信頼度の高い位置ずれ量を用いて位置合わせを行うことを特徴とする欠陥検査装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の欠陥検査装置であって、
    前記欠陥候補抽出手段で求める対応する画素の特徴量は、明るさ、コントラスト、濃淡差、近傍画素の明るさ分散値、相関係数、近傍画素との明るさの増減、又は2次微分値の内の複数の特徴量の組み合わせであることを特徴とする欠陥検査装置。
  5. 表面にパターンが形成された試料上の検査領域を順次撮像して前記試料の画像を取得し検査画像と参照画像とを作成する画像取得工程と、
    該検査画像と該参照画像とを用いて該試料上の欠陥候補を抽出する欠陥候補抽工程とを備え、
    前記欠陥候補抽出工程では、複数の演算処理ユニットの各々が、前記複数の演算処理ユニットの間でデータを一方向に順次流すことのできる第一のデータ通信バスと前記第一のデータ通信バスにより流れるデータの向きと逆向きに前記複数の演算処理ユニットの間でデータを順次流すことのできる第二のデータ通信バスとを用いてデータの送受信を行い、前記複数の演算処理ユニットのうちの一の演算処理ユニットである親演算処理ユニットが、前記親演算処理ユニット以外の演算処理ユニットである複数の子演算処理ユニットの各々に対して、前記第一のデータ通信バスまたは前記第二のデータ通信バスを介して異なる種類の演算を行うよう命令し、前記複数の子演算処理ユニットのうちの一部の子演算処理ユニットに対してのみ位置ずれ量検出を命令することを特徴とする欠陥検査方法。
  6. 請求項5記載の欠陥検査方法であって、
    前記欠陥候補抽出工程では、位置ずれ量検出命令を受けた前記一部の子演算処理ユニット以外の子演算処理ユニットは、位置ずれ量検出命令を受けた前記一部の子演算処理ユニットで演算された位置ずれ量のデータを、前記一部の子演算処理ユニットから受信することを特徴とする欠陥検査方法。
  7. 請求項5記載の欠陥検査方法であって、
    前記欠陥候補抽出工程では、前記親演算処理ユニットは、前記複数の子演算処理ユニットに対して位置ずれ量検出を命令し、前記複数の子演算処理ユニットで演算された位置ずれ量のデータを受信し、受信した位置ずれ量データを集計して信頼度の高い位置ずれ量を算出して前記複数の子演算処理ユニットに送信し、前記複数の子演算処理ユニットは受信した信頼度の高い位置ずれ量を用いて位置合わせを行うことを特徴とする欠陥検査方法。
  8. 請求項5乃至7のいずれかに記載の欠陥検査方法であって、
    前記欠陥候補抽出工程で求める対応する画素の特徴量は、明るさ、コントラスト、濃淡差、近傍画素の明るさ分散値、相関係数、近傍画素との明るさの増減、又は2次微分値の内の複数の特徴量の組み合わせであることを特徴とする欠陥検査方法。
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