この発明は、部品供給通路から送出されてきた部品を保持して目的箇所へ移行させる部品移行装置に関している。
部品供給通路から送出されてきたプロジェクションナット等の部品を保持部材の所定位置に保持し、その後、目的箇所へ移行することが知られている。
特公平8−617 特許第2509103号公報
上述の先行技術においては、部品供給通路から送出されてきた最先の部品とそのつぎに位置している後続の部品との位置関係をどのように設定するかについては、何も配慮がなされていない。したがって、保持部材に保持されている最先の部品に対して、後続の部品が異常な状態、例えば、重なった状態で干渉したりすることがある。このような状態のままで保持部材が目的箇所に向かって移行すると、保持部材に保持されている部品が脱落したり、位置ずれを起こしたりして、部品が正常に目的箇所へ移行されないという問題が発生する。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、部品供給通路から送出された最先の部品と後続の部品との位置関係を正常に設定して、円滑で正確な部品移行が行える部品移行装置の提供を目的とする。
問題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、部品供給通路から送出された部品を保持して目的箇所へ移行する移行ヘッド部材が設けられ、この移行ヘッド部材に部品を保持する保持凹部が形成され、この保持凹部に前記部品供給通路に連通した連通開放部と部品の位置決めを行う基準面が形成され、この基準面は少なくとも部品の進入移動を停止するストッパ面と保持凹部の底面に形成した位置決め面によって構成され、供給の対象とされる部品は、前記底面に密着するとともに前記ストッパ面に突き当たる平たい基部を有し、この基部が前記部品供給通路から前記移行ヘッド部材の保持凹部に導入される板金製部品であり、前記ストッパ面に向かって移動しつつある最先の部品に対して加速力を付与するとともに、最先の部品と後続の部品との間に間隔を形成する加速手段が設けられ、前記基準面によって最先の部品が位置決めされた状態において、この最先の部品の後端部と後続の部品の前端部とが前記移行ヘッド部材の端面から離れた位置で衝合するように、部品の長さ寸法に対する保持凹部の長さ寸法が設定され、前記衝合の箇所は前記 移行ヘッド部材の端面と前記部品供給通路の端部との間に存在していることを特徴とする部品移行装置である。
発明の効果
前記部品供給通路から出てきた最先の部品が、前記移行ヘッド部材の所定位置に向かって移動しつつあるときに部品移動が加速されるので、最先の部品と後続の部品との間に間隔が形成される。したがって、最先の部品は後続の部品から何等影響を受けることなく、前記基準面に受け止められて移行ヘッド部材の所定位置に停止する。つまり、最先の部品が移行ヘッド部材の所定位置に到達するときには、後続の部品が最先の部品に一切干渉しないので、最先の部品は正確な移動挙動を行って、所定位置に停止するのである。
例えば、最先の部品に後続の部品が重なることがある。このような重なりが部品供給通路において発生すると、最先の部品が移行ヘッド部材へ移動できなくなる。また、このような重なりが移行ヘッド部材において発生すると、最先の部品が移行ヘッド部材において正しい姿勢で保持されなくなる。上述のように、最先の部品と後続の部品との間に間隔が形成されることによって、このような問題が解消される。
前記移行ヘッド部材に部品を保持する保持凹部が形成され、この保持凹部に部品供給通路に連通した連通開放部と前記基準面が形成され、この基準面は少なくとも部品の進入移動を停止するストッパ面と保持凹部の底面に形成した位置決め面によって構成されている。
前記部品供給通路からの最先の部品は、連通開放部を通過して保持凹部内に入り、そこでストッパ面と位置決め面によって所定位置に停止する。したがって、最先の部品は、部品供給通路から所定の停止箇所まで円滑に移動することができる。また、最先の部品は保持凹部内に保持されているので、移行ヘッド部材が目的箇所へ移行するときに、部品が保持凹部から脱落したり位置ずれを起こしたりすることがない。
請求項2記載の発明は、前記加速手段の加速力は、移行ヘッド部材に取付けた磁石の吸引力である請求項1記載の部品移行装置である。
前記加速力が磁石によって確保されているので、常に一定の吸引力と吸引方向の加速力がえられて、最先の部品と後続の部品との間に確実に前記間隔が形成される。また、最先の部品が保持凹部内に停止したときに、部品が磁石で吸引されているので、部品に何等かの外力が作用しても、容易に部品位置が狂ったりしない。
請求項3記載の発明は、前記加速手段の加速力は、部品に吹き付けられる圧縮空気の噴射力である請求項1記載の部品移行装置である。
部品の形状や凹凸状態に応じて空気噴射の方向を選定することにより、確実に部品移動に対して加速力を追加することができ、最先の部品と後続の部品との間に確実に前記間隔が形成される。さらに、空気噴射であるから、部品の形状や質量に応じて最適の噴射力を部品に付与することができる。
前記部品は、平たい基部を有しこの基部が部品供給通路から移行ヘッド部材の保持凹部に導入される板金製部品である。
平たい基部を有する板金製部品であると、最先の部品の基部と後続の部品の基部が前述のように、重なり現象を起こしやすいのであるが、最先の部品の基部と後続の部品の基部との間に、前記間隔が形成される。したがって、このような形状の板金製部品であっても、支障なく目的箇所への移行が可能となる。
移行ヘッド部材に形成された保持凹部の所定位置に最先の部品が保持された状態において、この最先の部品の後端部と後続の部品の前端部とが移行ヘッド部材の端面から離れた位置で衝合するように、部品の長さ寸法に対する保持凹部の長さ寸法が設定されている。
部品の長さ寸法に対する保持凹部の長さ寸法を設定することにより、保持凹部に保持された最先の部品が、移行ヘッド部材の端面から離れた位置で、後続の部品と衝合する。したがって、移行ヘッド部材が移行動作をするときには、最先の部品は、後続の部品にひっかかったりすることなく確実に移行し、円滑で信頼性の高い部品移行が実現する。
移行ヘッド部材が目的箇所へ移行しているときに、後続の部品を部品供給通路の所定位置に停止させる規制部材が、移行ヘッド部材に取付けられている。
前記規制部材によって後続の部品が部品供給通路の所定位置に停止しているので、移行ヘッド部材の動作中に後続の部品が障害物になったりすることがない。また、移行ヘッド部材が元の位置に復帰したときには、直ちに後続の部品が最先の部品の状態で前記保持凹部へ移動することができ、連続的な円滑な動作がえられる。
つぎに、本発明の部品移行装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1〜図7は、実施例1を示す。
最初に、本実施例における部品について説明する。
図11は、部品の斜視図である。部品の形状は、平板状のもの、平板に屈曲部が形成されたもの、平板にパイプ材が溶接されたもの、湾曲した板材にボルトが溶接されたもの等、いろいろなものがある。この実施例では、平板に屈曲部が形成されたタイプのものである。
部品は、鋼板をプレス成型した板金製部品であり、符号1で示されている。この部品1は、平板状の細長い形状をした基部2と、それから直角に屈曲して起立している起立片3と、起立片3の先端部を直角に屈曲したフランジ部4から構成されている。以下、板金製部品を単に部品と記載することもある。
つぎに、部品供給通路は、通路構成部材を傾斜させて部品を滑降させるもの、通路構成部材に送出振動を付与して部品移送を行うもの等、種々なものが採用できる。ここでは、後者のものである。
つぎに、部品供給通路を形成する直進フィーダについて説明する。
直進フィーダ全体は、符号5で示されており、基本構造は一般的に採用されているものである。長尺なガイドレール6がほぼ水平方向に配置され、その下側に支持部材7が取付けられている。静止部材10に支柱11を介して基部材12が固定されている。前記支持部材7と基部材11との間に板ばね8,9が斜め方向に配置されている。そして、板ばね8,9は前後に配置されている。このような板ばね8,9によって、ガイドレール6が弾性的に支持されている。基部材12上に電磁振動ユニット13が固定され、これによってガイドレール6に対して、上下方向と移送方向が合成された振動が付与される。このような振動によって、ガイドレール6に沿って部品1が図1の右方に移送されるようになっている。
部品1は、パーツフィーダ15で所定の姿勢に整えられ、通路部材16を経てガイドレール6に送り込まれる。
前記ガイドレール6の断面形状は、部品1の形状に適合させて設定されている。図2は、ガイドレール6と後述の移行ヘッド部材を示す平面図であり、その(3)−(3)断面が図3に示されている。
断面L型のレール基材17の水平部18が前記支持部材7に固定され、起立部19に対向させて長尺な起立対向片20が固定されている。水平部18に固定された起立状態の支持片21に支持棒22が固定され、その先端部に前記起立対向片20が固定されている。このようにして得られた起立部19と起立対向片20との間に、起立片3が通過する空隙23が形成されている。
また、水平部18にはディスタンスピース24を介して長尺な水平対向片25が固定されている。このようにして得られた水平部18と水平対向片25との間に、基部2が通過する空隙26が形成されている。なお、以上に述べた各部の固定は、ボルト付けや溶接によって行われている。
つぎに、移行ヘッド部材について説明する。
ガイドレール6から送出されてきた部品1を受け止めて、目的箇所へ移行させるために、移行ヘッド部材28が設けられている。この移行ヘッド部材28は、細長いブロック材を加工して作られている。そして、前記ブロック材は非磁性材料であるステンレス鋼製とされている。図2の(4)−(4)断面が図4に示され、図2の(5)−(5)断面が図5に示されている。
移行ヘッド部材28に、部品1を受け入れて保持する保持凹部29が形成されている。このように凹形状とすることにより、内壁30,31,32を有する包囲部材33が形成されている。包囲部材33のガイドレール6側に、部品供給通路であるガイドレール6に連通する連通開放部34が形成されている。移行ヘッド部材28は、ガイドレール6から送出されてきた部品を円滑に受け入れるように、ガイドレール6に接近させてある。そして、移行ヘッド部材28の長手方向とガイドレール6の送出方向とが同方向とされている。
保持凹部29には、移行ヘッド部材28の所定位置に部品1を停止させる基準面が形成されている。この基準面は、部品1の進入移動を停止するストッパ面と、保持凹部の底面に形成した位置決め面によって構成されている。前記ストッパ面は、保持凹部29の最も奥に位置している前述の内壁30によって構成されており、以下、ストッパ面の符号も30と記載している。また、前記位置決め面は保持凹部29の平坦な底面であり、符号35が付されている。
このようにして、部品1は、平板状の基部2が位置決め面35に密着し、基部2の先端部がストッパ面30に突き当たっていることにより、移行ヘッド部材28に対する相対位置が設定される。なお、図2における部品1の上下方向の位置を正確に設定する場合には、内壁31,32と基部2との間隙を詰めておくとよい。部品1に前述の起立片3が形成されているので、保持凹部29において部品1が倒れるのを防止する必要がある。そのために、移行ヘッド部材28の横側面に平板状の支持板36が起立した状態で固定されている。
移行ヘッド部材28を目的箇所へ移行させるために、進退駆動手段38が設けられている。この進退駆動手段38としては、進退出力をする電動モータや、ラックピニオン機構や、エアシリンダなど色々なものが採用できる。ここでは、エアシリンダを例示している。
このエアシリンダにも符号38が付されている。エアシリンダ38は静止部材10に起立した状態で固定され、そのピストンロッド39はほぼ鉛直方向に進退するようになっている。このピストンロッド39が移行ヘッド部材28の下面に結合されている。
移行ヘッド部材28に保持された部品1の移行先、すなわち目的箇所としては、相手方部品の取り付け孔や、電気抵抗溶接機の電極など種々な移行先がある。ここでの目的箇所は、ロボット装置に対するチャック位置である。図1の2点鎖線図示や図6に示すように、エアシリンダ38によって所定位置に上昇した箇所がチャック位置である。ロボット装置40は通常の形式のものであり、例えば、6軸タイプのものである。その先端部にチャック機構41が設けられ、これによって部品1をチャックし、次の箇所へ向かうロボット動作がなされる。
つぎに、加速手段について説明する。
ガイドレール6から、部品1間に隙間がなく連続的に連なって送出されてくるときには、鉄くずのような不純物の介在などによって最先の部品1が保持凹部29でひっかかるようなことが発生したりする。このような現象が発生すると、後続の部品1が最先の部品1を後押しするような現象が発生する。すると、図7(C)に示すように、最先の部品1の後端部分が後続の部品1の前端部分に重なって、最先の部品1が保持凹部29内の所定位置に停止しないこととなる。
このような好ましくない現象を回避するために、移行ヘッド部材28すなわち保持凹部29の所定位置に向かって移動しつつある最先の部品1に対して加速力を付与するとともに、最先の部品1と後続の部品1との間に間隔L1を形成する加速手段が設けられている。加速手段は、最先の部品1が保持凹部29の内面に擦れたり、何等かの不純物が介入したりして滑動が悪化するのを防止するために採用されている。したがって、最先の部品1に永久磁石や電磁石で吸引力を付与したり、空気吸引力を最先の部品1に作用させたり、あるいは最先の部品1に空気を噴射したりする方法などが採用できる。
この実施例では、永久磁石を採用している。永久磁石43は、図2や図7に示すように、移行ヘッド部材28の幅方向の中央部でしかもストッパ面30の近傍に埋設されている。
したがって、図7(A)に示すように、保持凹部29に入ってきた最先の部品1は、ストッパ面30に向かって移動しつつあるときに永久磁石43により保持凹部29の長手方向に吸引される。そのため、最先の部品1の移動速度が加速され、上述の滑動の悪化が回避される。そして、最先の部品1の基部2は、位置決め面35に密着した状態になっている。その結果、後続の部品1との間に間隔L1が形成される。このように最先の部品1と後続の部品1とが離隔した状態になるので、最先の部品1と後続の部品1とが重なるようなことが回避できて、最先の部品1が保持凹部29の所定位置に停止する。
最先の部品1がストッパ面30に当たって、保持凹部29の所定位置に停止した状態では、最先の部品1の後端に後続の部品1の前端が衝合している。この衝合部は、符号44で示されている。つまり、図7(C)に示したような重なりが発生しないので、衝合部44で正しく突き合わされているのである。したがって、移行ヘッド部材28が上昇するときには、最先の部品1は後続の部品1から滑らかに離れることとなる。
前記衝合部44は、移行ヘッド部材28の端面45から離れた位置に存在するようにしてある。そのために、部品1の長さ寸法が保持凹部29の長さ寸法よりも長く設定されている。衝合部44が端面45から離隔している距離が、図7(B)において符号L2で示されている。また、この衝合部44は、前記端面45とガイドレール6の端部との間に存在している。こうすることにより、移行ヘッド部材28が上昇するときに、最先の部品1は後続の部品1やガイドレール6に干渉することなく移行することができ、良好な動作がえられる。
図7(D)は、電磁石42を採用した場合の断面図である。励磁コイル46から突き出た電磁鉄心47が、前述の永久磁石43と同じ位置に取り付けてある。最先の部品1に対する加速付与動作は、永久磁石43の場合と同じである。なお、移行ヘッド部材28は非磁性材料であるステンレス鋼で作られているので、永久磁石43や電磁石42の吸引力がより強く最先の部品1に作用する。
移行ヘッド部材28が上昇したときに、後続の部品1がガイドレール6から突き出ないようにして、次の部品導入動作が円滑になされるようになっている。すなわち、移行ヘッド部材28の後部に下方に延びる規制部材48が取り付けてある。この規制部材48は細長い板材で構成され、前記端面45と滑らかに連なっている。
移行ヘッド部材28が上昇すると、規制部材48に後続の部品1の前端が接触して、それ以上突きでないようになっている。したがって、移行ヘッド部材28が下降して元位置に復帰したときには、部品1が直ちに連通開放部34から保持凹部29内に進入し、次の動作が適正に継続される。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
前記部品供給通路すなわちガイドレール6から出てきた最先の部品1が、移行ヘッド部材28の所定位置に向かって移動しつつあるときに部品移動が加速されるので、最先の部品1と後続の部品1との間に間隔L1が形成される。したがって、最先の部品1は後続の部品1から何等影響を受けることなく、前記基準面に受け止められて移行ヘッド部材28の所定位置に停止する。つまり、最先の部品1が移行ヘッド部材28の所定位置に到達するときには、後続の部品1が最先の部品1に一切干渉しないので、最先の部品1は正確な移動挙動を行って、所定位置に停止するのである。
例えば、最先の部品1に後続の部品2が重なることがある。このような重なりがガイドレール6において発生すると、最先の部品1が移行ヘッド部材28へ移動できなくなる。また、このような重なりが移行ヘッド部材28の保持凹部29において発生すると、最先の部品1が移行ヘッド部材28において正しい姿勢で保持されなくなる。上述のように、最先の部品1と後続の部品1との間に間隔L1が形成されることによって、このような問題が解消される。
前記移行ヘッド部材28に部品1を保持する保持凹部29が形成され、この保持凹部29にガイドレール6に連通した連通開放部34と前記基準面が形成され、この基準面は少なくとも部品1の進入移動を停止するストッパ面30と保持凹部29の底面に形成した位置決め面35によって構成されている。
前記ガイドレール6からの最先の部品1は、連通開放部34を通過して保持凹部29内に入り、そこでストッパ面30と位置決め面35によって所定位置に停止する。したがって、最先の部品1は、部品供給通路から所定の停止箇所まで円滑に移動することができる。また、最先の部品1は保持凹部29内に保持されているので、移行ヘッド部材28が目的箇所へ移行するときに、部品1が保持凹部29から脱落したり位置ずれを起こしたりすることがない。
前記加速手段の加速力は、移行ヘッド部材28に取付けた永久磁石43または電磁石42の吸引力である。
前記加速力が永久磁石43や電磁石42などの磁石によって確保されているので、常に一定の吸引力と吸引方向の加速力がえられて、最先の部品1と後続の部品1との間に確実に前記間隔L1が形成される。また、最先の部品1が保持凹部29内に停止したときに、部品1が磁石43,42で吸引されているので、部品1に何等かの外力が作用しても、容易に部品位置が狂ったりしない。
前記部品は、平たい基部2を有しこの基部2がガイドレール6から移行ヘッド部材28の保持凹部29に導入される板金製部品1である。
平たい基部2を有する板金製部品1であると、最先の部品1の基部2と後続の部品1の基部2が前述のように、重なり現象を起こしやすいのであるが、最先の部品1の基部2と後続の部品1の基部2との間に、前記間隔L1が形成される。したがって、このような形状の板金製部品1であっても、支障なく目的箇所への移行が可能となる。
移行ヘッド部材28に形成された保持凹部29の所定位置に最先の部品1が保持された状態において、この最先の部品1の後端部と後続の部品1の前端部とが、移行ヘッド部材28の端面45から離れた位置に存在させた衝合部44で衝合するように、部品1の長さ寸法に対する保持凹部29の長さ寸法が設定されている。
部品1の長さ寸法に対する保持凹部29の長さ寸法を設定することにより、保持凹部29に保持された最先の部品1が、移行ヘッド部材28の端面45から離れた位置に存在させた衝合部44で、後続の部品1と衝合する。したがって、移行ヘッド部材28がエアシリンダ38によって移行動作をするときには、最先の部品1は、後続の部品1にひっかかったりすることなく確実に移行し、円滑で信頼性の高い部品移行が実現する。
移行ヘッド部材28が目的箇所へ移行しているときに、後続の部品1をガイドレール6の所定位置に停止させる規制部材48が、移行ヘッド部材28に取付けられている。
前記規制部材48によって後続の部品1がガイドレール6の所定位置に停止しているので、エアシリンダ38による移行ヘッド部材28の移行動作中に、後続の部品1が障害物になったりすることがない。つまり、後続の部品1は、わずかにガイドレール6から突出するが、その前端部は規制部材48の表面に突き当たってそれ以上突出することがない。また、移行ヘッド部材28が元の位置に復帰したときには、直ちに後続の部品1が最先の部品1の状態で前記保持凹部29へ移動することができ、連続的な円滑な動作がえられる。
図8は、実施例2を示す。
この実施例2は、加速手段を永久磁石43や電磁石42から、空気噴射に換えたものである、
空気噴射ノズル50が、ガイドレール6の端部近傍の上側に配置されている。この空気噴射ノズル50の固定構造は図示されていないが、前記レール基材17の起立部19(図3参照)にブラケットを結合し、このブラケットで空気噴射ノズル50を固定することができる。また、空気噴射ノズル50の向きは、そこからの空気噴流が部品1の起立片3や基部2の表面に吹き付けられるように設定されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
部品1の形状や凹凸状態に応じて空気噴射の方向を選定することにより、確実に部品移動に対して加速力を追加することができ、最先の部品1と後続の部品1との間に確実に前記間隔L1が形成される。さらに、空気噴射であるから、部品1の形状や質量に応じて最適の噴射力を部品1に付与することができる。それ以外の作用効果は、先の実施例と同じである。
なお、上記のような空気噴射と実施例1における磁石を併用して、一層強力に部品を加速することができる。このような併用は、部品の質量が大きかったり、部品形状が特殊であったりする場合に適している。
図9は、実施例3を示す。
この実施例3は、移行ヘッド部材28が水平方向に移行されるものである。
図9は、装置全体を簡略的に示す平面図である。静止部材10に支持台51が取付けられ、その上にエアシリンダ38が固定され、そのピストンロッド39は水平方向に進退するようになっている。ピストンロッド39の先端は移行ヘッド部材28の横側面に結合されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
移行ヘッド部材28に保持された部品1は、水平方向に移行されて目的箇所に到達する。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
図10は、実施例4を示す。
この実施例4は、直進フィーダ5によって部品供給通路を構成するのではなく、ガイドレール6を傾斜させて配置し、部品1はこの傾斜によってガイドレール6を滑降するようにしたものである。ガイドレール6の左右の支柱52,53の長さを変えてガイドレール6の傾斜角度が設定されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
ガイドレール6を滑降してきた部品1は、移行ヘッド部材28に移載されて目的箇所へ移行される。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
上述のように、本発明によれば、部品供給通路から送出された最先の部品と後続の部品との位置関係を正常に設定して、円滑で正確な部品移行が行える部品移行装置であるから、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
装置全体を示す側面図である。
ガイドレールと移行ヘッド部材を示す平面図である。
図2の(3)−(3)断面図である。
図2の(4)−(4)断面図である。
図2の(5)−(5)断面図である。
移行ヘッド部材が上昇した状態を示す側面図である。
部品が保持凹部に進入する過渡状態を示す縦断側面図である。
空気噴射ノズルを採用した場合の平面図と側面図である。
移行ヘッド部材を水平方向に進退させる場合の平面図である。
ガイドレールを傾斜させた場合の側面図である。
部品の斜視図である。
符号の説明
1 板金製部品
2 基部
3 起立片
4 フランジ部
5 直進フィーダ
6 ガイドレール
28 移行ヘッド部材
29 保持凹部
30 ストッパ面
34 連通開放部
35 位置決め面
38 エアシリンダ
L1 間隔
42 電磁石
43 永久磁石
44 衝合部
45 端面
48 規制部材
L2 離隔距離
50 空気噴射ノズル