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JP4931382B2 - 放電衝撃破壊装置 - Google Patents
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JP4931382B2 - 放電衝撃破壊装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放電により発生する衝撃力で爆発性物質を爆発させて、例えばコンクリートなどの構造物を破壊し得る放電衝撃破壊装置に関するものである。
最近、コンクリートなどの構造物を安全に破壊する装置として、ダイナマイトの替わりに、取り扱いが安全である放電カートリッジを用いたものが提案されている。
なお、この放電カートリッジは、例えば筒状容器内に、一対の電極間に接続された金属細線を配置するとともに水、油などの力伝達物質を充填しておき、電源装置から金属細線に、所定の電気エネルギーを一気に供給して金属細線を溶融気化させ、その溶融気化時の体積膨張に起因して発生する衝撃力(以下、放電衝撃力ともいう)を、力伝達物質を介して周囲に伝えることにより、構造物を破壊するものである。
そして、構造物を部分的に破壊する場合、その破壊部分に穴を形成するとともにこの穴内に放電カートリッジを挿入しておき、金属細線に電気エネルギーを供給して破壊が行われている(特許文献1参照)。
ところで、放電カートリッジを挿入するための穴を形成することができない場合には、筒状容器の末端部分に、構造物に直接衝突させて破壊するための砲弾のような破壊用部材(例えば、楔)を挿入しておき、そしてこの末端部分に隣接して配置された放電衝撃力の発生部分にすなわち金属細線に電気エネルギーを供給し、その溶融気化により発生する放電衝撃力により破壊用部材を筒状容器から発射させて、部分的に破壊が行われていた(特許文献2参照)。
特開平10−331447号公報参照 特開平11−76854号公報参照
上記従来の放電カートリッジの構成によると、砲弾形状の破壊用部材を発射させる関係上、筒状容器がどうしても長くなるため、例えば破壊部分が狭隘な場所に位置している場合には、放電カートリッジ自体の設置が困難となり、また現地で、筒状体内に破壊用部材を装填する作業を行う必要があり、面倒な準備作業を必要としていた。
そこで、本発明は、放電衝撃力を用いて構造物を破壊する際に、面倒な準備作業を必要としないとともに、狭隘な場所であっても、容易に破壊作業を行い得る放電衝撃破壊装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る放電衝撃破壊装置は、底壁部を有するとともに内側に空間室が形成された箱状体と、この箱状体に係止部材により係止されて当該箱状体の上方開口部を閉鎖し得る蓋体と、上記箱状体の空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填される爆発性物質とから構成するとともに、
上記蓋体の内側表面に、空間室内に入り込むとともに当該空間室の内周面に沿う外周面を有する板状突出部を形成し、
且つ上記係止部材については、空間室内に充填された爆発性物質の爆発反応率が80〜90%の範囲内となる爆発力で破断するとともに、上記箱状体および蓋体については、空間室に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせるようにしたものである。
また、本発明の請求項2に係る放電衝撃破壊装置は、請求項1に記載の破壊装置における箱状体および蓋体を導電性材料で構成するとともに、蓋体の板状突出部表面および箱状体の空間室側底面に、金属細線との接触を防止する絶縁材を配置したものである。
また、本発明の請求項3に係る放電衝撃破壊装置は、所定高さの枠状側壁体と、この枠状側壁体に係止部材を介して係止されて両側の開口部を閉鎖し得る一対の蓋体と、上記枠状側壁体の内側に形成される空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填された爆発性物質とから構成するとともに、
上記蓋体の内側表面に、空間室内に入り込むとともに当該空間室の内周面に沿う外周面を有する板状突出部を形成し、
且つ上記係止部材については、空間室内に充填された爆発性物質の爆発反応率が80〜90%の範囲内となる爆発力で破断するとともに、上記箱状体および各蓋体については、空間室内に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせるようにしたものである。
また、本発明の請求項4に係る放電衝撃破壊装置は、請求項3に記載の破壊装置における各蓋体を導電性材料で構成するとともに、各蓋体の板状突出部表面に、金属細線との接触を防止する絶縁材を配置したものである。
また、請求項5に係る放電衝撃破壊装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の破壊装置において、爆発性物質としてニトロメタンを用いたものである。
また、請求項6に係る放電衝撃破壊装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の破壊装置における係止部材を、ボルトまたは溶接部とするものである。
上記請求項1または請求項3に記載の構成によると、係止部材を介して蓋体が取り付けられた箱状体または枠状側壁体の空間室内に、金属細線を配置しおよびニトロメタンなどの爆発性物質を充填するとともに、金属細線の溶融気化により発生する放電衝撃力で爆発性物質を爆発させて蓋体を飛ばす(放出する)ようにしたので、従来のように、筒状容器に砲弾形状の破壊用部材を装填したものと異なり、装置自体を短く、すなわち薄くすることができ、したがって放電カートリッジを挿入するための穴を形成する必要がなく、また穴を形成することができないような狭隘な場所においても、隙間に挿入して電気エネルギーを供給するだけで、部分的に且つ容易に破壊を行うことができる。
また、蓋体の内側表面には、空間室内に入り込む板状突出部が形成されているため、爆発性物質の爆発力により、係止部材が少し伸びて蓋体が僅かに飛び出すが、このとき、板状突出部の少なくとも先端面側については、まだ空間室内に残った状態であり、しかも板状突出部の外周面と箱状体の側壁部との隙間は僅かであるため、空間室内の爆発性物質が殆ど外側に噴出する(漏れる)ことなく爆発反応が持続して行われ、したがって爆発力が増大することになる。すなわち、爆発力の威力が増して、より大きい爆発力が蓋体に作用する。言い換えれば、蓋体の運動エネルギーが増大して、破壊力が大きくなる。当然に、爆発性物質の反応効率が向上するため、経済的となる。
また、金属細線が箱状体または蓋体に接触するのを防止する絶縁材を具備したので、起爆時に、金属細線が、箱状体または蓋体に接触して電気的ショートが発生し、このショートにより電源装置側で損傷が発生するのを防止し得る。
さらに、蓋体を箱状体または枠状側壁体に係止する係止部材としてボルトを用いるとともにその断面積を調節することにより、爆発反応時間を調節して爆発力を制御することができ、またボルト毎の断面積を適宜変更することにより、蓋体の飛び出す方向についても制御することができる。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る放電衝撃破壊装置を図面に基づき説明する。
まず、放電衝撃破壊装置を、図1〜図3に基づき説明する。
図1および図2に示すように、この放電衝撃破壊装置1は、平面視が矩形状、例えば正方形にされた底壁部11aおよびその周囲に立設された側壁部11bから成るとともに中央に平面視が円形(例えば、正方形などの矩形状であってもよい)の空間室11cが形成された薄い弁当箱のような形状をした金属製(導電性材料の一例)の箱状体11と、この箱状体11の上方の円形開口部(上方開口部)11dを閉鎖し得る金属製(導電性材料の一例)の蓋体12と、上記箱状体11の空間室11c内に配置されるとともに一対の装置側電気配線13の各一端側に両端部が接続された金属細線14と、上記蓋体12の内側表面(蓋体を取り付けた際の空間室側表面であり、また後述する円形の板状突出部の表面である)および箱状体11の底壁部11aの内側表面(空間室側表面である)に配置されて金属細線14との接触(電気的ショート)を防止するためのシート状絶縁材(例えば、プラスチック製シート、プラスチック板などが用いられるが、蓋体および箱状体が非導電性材料で構成されている場合には不要となる)15と、同じく空間室11c内に充填された液体のニトロメタン(爆発性物質の一例で、例えばガソリンを用いることもできる)16と、上記箱状体11から引き出された装置側電気配線13の各他端側に接続された電源装置17(図3に示す)とから構成されるとともに、上記箱状体11に蓋体12を係止するための棒状係止部材が、例えばボルト18およびナット19が、所定個数ずつ具備されている。
また、上記金属細線14については、その両端に接続されている装置側電気配線(被覆線が用いられる)13が、固定材(例えば、金属製または合成樹脂製のバンドなどが用いられるが、配線が裸線である場合には、当然に、合成樹脂製のものが用いられるとともに、当該装置側電気配線と箱状体との間で絶縁が行われる)20にて、箱状体11の底壁部11aに固定されている。なお、装置側電気配線13については、箱状体11の側壁部11bに形成された貫通穴11eを挿通して設けられるとともに、当該装置側電気配線13が挿通された後の貫通穴11eには詰め物(例えば、パテ材)が施されて密閉状態が保持される。また、側壁部11bの適所には、空間室11c内にニトロメタン16を充填するための充填口11fが形成されており、充填後には栓21が施されて(例えば、ねじ止めされて)塞がれる。
そして、箱状体11については、弁当箱のように薄くされていると説明したが、具体的に述べると、箱状体11の高さ(H)とその一辺の長さ(L)との比率は1対2以下が好ましい。なお、箱状体11に蓋体12を取り付けた状態での高さ(H′)とその一辺の長さ(L)との比率は、最大でも1対1とされる。
また、上記蓋体12の内側表面には、空間室11c内に所定深さ(厚さでもある)(h)だけ入り込むとともに空間室11cと同形状である円形の板状突出部12aが形成されている。そして、この板状突出部12aの外周面は、空間室11cの内周面に沿うように、すなわちその外周面と空間室11cの内周面(側壁部11bの内周面である)との間に、当該板状突出部12aの空間室11cへの挿入を支障なく行い得るような僅かな隙間が、且つ所定の爆発力(後述する)で蓋体12自身が変形した際に、当該隙間が塞がれるような寸法にされている。勿論、空間室11cの平面視形状が矩形状、例えば正方形である場合には、板状突出部12aについても、その平面視形状が矩形状、例えば正方形にされる。
さらに、上記箱状体11および蓋体12の材質[例えば、鉄鋼(特に鋳鋼)、ステンレス、アルミニウムなどが用いられる]および厚さなどについては、空間室11c内に充填されたニトロメタン16の爆発力で破損しない強度を有するように選択されている。なお、蓋体12の外形は、箱状体11の外形に一致する形状、すなわち正方形にされている。
上記蓋体12を取り付けるためのボルト18については、図1に示すように、空間室11cの周囲に均等に複数本、例えば8本配置されるとともに、充填されたニトロメタン16の量に応じて、すなわち所望の爆発力が出るような強さのものが選択され、所定の爆発反応率が得られるようにされている。この爆発反応率は、爆発性物質のうち、どれだけの割合が爆発するのかを示すもので、この反応率が高ければ、爆発の威力が大きいことを示している。
また、上記ボルト18の強さについては、例えば放電衝撃力だけで起爆できないような、金属細線14から遠く離れた位置のニトロメタン16を、金属細線14付近の起爆したニトロメタン16の爆発力で爆発(伝爆)させるために、爆発反応率が十分に高まるまでの間にボルト18が伸びて蓋体12が少しだけ飛び出しニトロメタン16の収容空間(空間室11cの部分)が増えても、その板状突出部12aが空間室11cから抜け出ない程度に、すなわちニトロメタン16を殆ど外部に漏らさない程度の所定強度(係止能力)を有するようにされている。この所定強度に対応する所定の爆発力について具体的に説明すると、爆発反応率が十分に(例えば、80〜90%程度)高まる準完爆程度の爆発力である。
このように、起爆から蓋体12の飛び出しまで、非常に短時間であるが時間差があり、伝爆自体も短時間で起こることから、ボルト18が破断するまでに、80〜90%程度の爆発反応率が得られれば、全体として100%の爆発反応率に近づくと推定され、したがってボルト18については、伸びなどの変形をしてもよいが、目標の爆発反応率まで係止状態が維持できるような強度を有するようにされている。
なお、ボルト18の強度が小さいと、蓋体12が早く飛び出すことになり、ニトロメタン16の爆発反応量が少なくなって(使用効率が低下して)、非経済的となり、また当然に、全体としての爆発力が小さくなる。
また、上記電源装置17は、図3に示すように、高電圧の直流電源31と、この直流電源31に充電用電気配線32を介して並列に接続されたコンデンサ33と、この充電用電気配線32の途中に設けられて上記コンデンサ33に充電する電気量を制御するための充電制御回路34と、上記コンデンサ33に金属細線14を並列に接続するための接続用電気配線35と、この接続用電気配線35の途中に設けられた放電用スイッチ36とから構成されている。
上記電源装置17において、充電制御回路34により所定の電気量をコンデンサ33に蓄積しておき、放電用スイッチ36をオンにすることにより、一気に所定の電気エネルギー(電気量)を金属細線14に供給して当該金属細線14を瞬時に溶融気化させ、そしてこの瞬時の溶融気化による放電衝撃力が発生して瞬時に伝わり、この放電衝撃力により所定範囲(起爆条件を満たす範囲)のニトロメタン16が起爆し、極めて僅かな時間でもって、金属細線14から外側に向かって残りのニトロメタン16の爆発反応(伝爆)が進行し、最終的には、全てのニトロメタン16が爆発(完爆)して所望の爆発力が得られる。
次に、上記放電衝撃破壊装置により、コンクリート製の構造物を、例えば部分的に破壊する方法について説明する。
まず、放電衝撃破壊装置1そのものに着目して、放電衝撃力の発生メカニズムについて説明する。
放電前においては、図4(a)に示すように、装置側電気配線13に接続された金属細線14を、固定材20を介して箱状体11の底壁部11aに固定しておき、そして蓋体12をボルト18およびナット19を介して箱状体11に係止した後、箱状体11の適所に形成された充填口11fから空間室11c内にニトロメタン16を充填する。勿論、このとき、蓋体12の内側表面および底壁部11aの内側表面には、それぞれシート状絶縁材15が配置されている。
充填後、充填口11fは栓21により塞がれるともに、蓋体12と箱状体11との接触部分には、シール剤(例えば、シリコングリースなどが用いられる)22が配置されて密封状態にされる。なお、ボルト18の装着穴および栓21のねじ部についても、上記と同様のシール剤が充填されている。
この状態で、電源装置17にて所定の電気エネルギーを金属細線14に一気に供給すると、図4(b)に示すように、金属細線14は溶融気化し、そのときの放電衝撃力によりニトロメタン16を起爆させる。ニトロメタン16の起爆時には、金属細線14近傍の部分が爆発し、引き続いて、その周囲の残りの部分については、既に起爆した衝撃力により、蓋体12側に且つ外周方向に爆発反応が連鎖的に生じ、順次、爆発力が大きくなる。この爆発力により、ボルト18は少し伸びて蓋体12が僅かに飛び出すが、このとき、板状突出部12aの少なくとも先端面側については、まだ空間室11c内に残った状態であり、しかも爆発時の蓋体12の僅かの変形により、板状突出部12aの外周面と箱状体11の側壁部11bとの隙間がほぼ塞がり、したがって空間室11c内のニトロメタン16が殆ど外側に噴出することなく(漏れても、僅かな量である)、爆発反応が持続して行われ、爆発力が増大することになる。すなわち、爆発力の威力が増して、より大きい爆発力が蓋体12に作用する。言い換えれば、蓋体12の運動エネルギーが増大して、破壊力が大きくなる。当然に、ニトロメタン16の反応効率が向上するため、経済的となる。勿論、板状突出部12aが設けられている分だけ蓋体12の質量が増えているため、破壊力が増大している。
そして、図4(c)〜(d)に示すように、ニトロメタン16の爆発反応が進み、その爆発力がボルト18の総破断力を超えた場合、すなわち準完爆程度の爆発力を超えた場合に、蓋体12が外側に飛び出す。
ここで、蓋体12に板状突出部12aを設けた場合の効果、すなわち爆発反応率を、図5のグラフに示しておく。図5は、板状突出部12aの空間室11cへの挿入深さ(h)と、ニトロメタンの反応率(爆発反応の割合)および発生エネルギーとの関係を示すグラフであり、ある程度までは、挿入深さに比例して爆発反応率および発生エネルギーが向上する。
次に、破壊作業の具体例について、簡単に説明しておく。
図6は岩盤Gなどを破壊する場合を示している。
図6(a)に示すように、予め、岩盤に裂け目Gsを入れておくか、または自然にできた裂け目Gsに、上述した放電衝撃破壊装置1、すなわち金属細線14が配置されおよびニトロメタン16が充填されて蓋体12が取り付けられた箱状体11を配置した後、電気配線13を介して接続された電源装置17より、電気エネルギーを金属細線14に一気に供給すれば、図6(b)に示すように、その裂け目Gsを破壊して破壊対象の岩盤部分Gpを落下させて破壊することができる。
図7は、鉄筋コンクリート製の構造物の表面部分を破壊する場合を示している。
図7(a)に示すように、放電衝撃破壊装置1を作業用重機のアーム部Raの先端に保持させるとともに、その蓋体12が破壊面Kに対向するように移動させて、金属細線14に電気エネルギーを一気に供給すれば、蓋体12が破壊面Kに向かって飛び出され(放出されて)、その衝突力により、図7(a)および(b)に示すように、破壊面Kを部分的に破壊することができる。
図8は、鉄筋コンクリート製の床、壁などの一部を限定的に破壊する場合を示している。
図8に示すように、鉄筋コンクリート製の床、壁などの壁体部Pを限定的に破壊する場合には、その壁体部Pを覆い得る有底筒状取付体41の内底面に、放電衝撃破壊装置1を取り付けておき、そしてこの筒状取付体41の開口部を、その破壊部分を覆うように押し付けて、金属細線14に電気エネルギーを一気に供給すれば、その部分だけを安全に破壊することができる。また、この筒状取付体41は、破壊物の飛散防止部材(安全部材)としての機能も有している。なお、図6〜図8においては、シート状絶縁材15の図示を省略している。
このように、ボルト18を介して蓋体12が取り付けられた箱状体11の空間室11c内に、金属細線14を配置しおよびニトロメタン16を充填するとともに、金属細線14の溶融気化により発生する放電衝撃力でニトロメタン16を爆発させるようにしたので、従来のように、筒状容器に砲弾形状の破壊用部材を装填したものと異なり、装置自体を短く、すなわち薄くすることができ、したがって放電カートリッジを挿入するための穴を形成したり、また穴を形成することができないような狭隘な場所においても、隙間に挿入して電気エネルギーを供給するだけで、部分的に且つ容易に破壊を行うことができる。
また、金属細線14が箱状体11および蓋体12に接触するのを防止するシート状絶縁材15を具備したので、起爆時に、金属細線14が、箱状体11または蓋体12に接触して電気的ショートが発生することによる電源装置17側での損傷を防止することができる。
さらに、蓋体12を箱状体11に係止するのに、棒状の係止部材であるボルト18を用いたので、当該ボルト18の断面積を調節することで、起爆力すなわち爆発反応時間を調節して、爆発力を制御することができるとともに、各ボルト18毎の断面積を適宜変更することにより、蓋体12の飛び出す方向についても制御することができる。
なお、上記実施の形態においては、蓋体12と箱状体11との間に、シール剤22を配置したが、このシール剤に加えてパッキンを介装することにより、より確実な密封を行うことができる。
また、上記実施の形態においては、蓋体を箱状体に取り付けるのに、ボルトおよびナットを用いたが、図9に示すように、例えばボルト18だけを用いるようにしてもよい。この場合、ボルト18のねじ部は、蓋体12を挿通されて箱状体11の側壁部11bにねじ込まれることになる。
ところで、上記実施の形態においては、蓋体を箱状体に取り付ける係止部材として、棒状のもの、すなわちボルトを用いたが、図10に示すように、溶接Wにて取り付けることもできる。この溶接部Wの強さ(言い換えれば、溶接部の総水平断面積に相当する)については、上述した実施の形態におけるボルトの場合と同様に、放電衝撃力だけで起爆できないような金属細線14から遠く離れた位置のニトロメタン16を、金属細線14付近の起爆したニトロメタン16の爆発力で爆発(伝爆)させるために、爆発反応率が十分に高まるまでニトロメタン16を外部に漏らさない程度の所定強度(係止能力)を有するようにされている。
また、上記実施の形態においては、放電衝撃破壊装置のニトロメタンの収容部(カートリッジ部でもある)を、有底の箱状体と、この箱状体の開口部を塞ぐ蓋体とにより構成したが、例えば中央に空間室が形成された枠状側壁体と、この枠状側壁体の両開口部を塞ぐ一対の蓋体とから構成してもよい。
すなわち、図11に示すように、この放電衝撃破壊装置51は、中央に平面視が円形の空間室52aを有する所定高さの枠状側壁体52と、この枠状側壁体52に複数の棒状係止部材であるボルト53およびナット54を介して係止されて両側の開口部を閉鎖し得る一対の蓋体55と、上記枠状側壁体52の内側に形成される空間室52a内に配置されるとともに電源装置(図示せず)に接続される一対の電気配線56の各一端側に両端部が接続された金属細線57と、上記空間室52a内に充填された爆発性物質であるニトロメタン58とから構成されるとともに、上記枠状側壁体52および各蓋体55については、空間室52a内に充填されたニトロメタン58の爆発力で破損しない強度にされている。この場合も、上述した実施の形態と同様に、枠状側壁体52および各蓋体55については、金属製材料(導電性材料の一例)により構成されるとともに、各蓋体55の内側表面には、空間室52aの内周面に沿う板状突出部55aが突設され、そしてこれら各板状突出部55aの表面にはシート状絶縁材59が配置されている。
なお、この放電衝撃破壊装置51においても、上述した放電衝撃破壊装置1と同様の効果が得られる他に、破壊部分に配置(挿入)した際に、両蓋体55の外方に空間が存在している場合には、両蓋体55の飛び出しにより、両側の破壊を一度に行うことができ、したがって破壊作業効率の向上を図ることができる。
また、図11に示した構成における各蓋体55と枠状側壁体52との係止部材を、ボルトではなく、図12に示すように、図10を用いて説明したものと同様の溶接Wを用いて係止するようにしてもよい。
また、上記実施の形態および図9〜図12にて示した各変形例については、空間室内に1本の金属細線を配置するようにしたが、例えば箱状体11または枠状側壁体52の空間室11c,52a内に、複数本、例えば2本または3本の金属細線14,57をそれぞれ配置するようにしてもよい。
また、上記実施の形態および図9〜図12にて示した各変形例においては、空間室の平面視の形状を円形または正方形などの矩形状でもよいと説明したが、例えば多角形状であってもよく、また蓋体、箱状体および枠状側壁体の外形についても、円形であってもよい。
また、上記実施の形態において、棒状係止部材としてボルトを用いたが、例えばリベットでもよく、また棒材を、蓋体と箱状体とに亘ってまたは一対の蓋体と枠状側壁体とに亘って挿通させるとともに、この挿通された棒材の両端部を固定具により蓋体に固定させるようにしたものでもよい。
さらに、上記実施の形態においては、箱状体、蓋体および枠状側壁体を導電性材料、すなわち金属製として説明したが、場合によっては、セラミックまたは強化プラスチックなどの強化合成樹脂を用いてもよい。
本発明の実施の形態に係る放電衝撃破壊装置の一部切欠正面図である。 同放電衝撃破壊装置の断面図である。 同放電衝撃破壊装置における電源装置の概略構成を示す電気回路図である。 同放電衝撃破壊装置における放電衝撃力による爆発作用を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置の蓋体の作用を説明するための挿入深さとニトロメタンの反応率および発生エネルギーとの関係を示すグラフである。 同放電衝撃破壊装置による破壊作業を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置による破壊作業を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置による破壊作業を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置の変形例を示す断面図である。 同放電衝撃破壊装置の変形例を示す断面図である。 同放電衝撃破壊装置の変形例を示す断面図である。 同放電衝撃破壊装置の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 放電衝撃破壊装置
11 箱状体
11a 底壁部
11b 側壁部
11c 空間室
11d 開口部
12 蓋体
12a 板状突出部
13 装置側電気配線
14 金属細線
15 シート状絶縁材
16 ニトロメタン
17 電源装置
18 ボルト
51 放電衝撃破壊装置
52 枠状側壁体
52a 空間室
53 ボルト
55 蓋体
56 電気配線
57 金属細線
58 ニトロメタン
59 シート状絶縁材

Claims (6)

  1. 底壁部を有するとともに内側に空間室が形成された箱状体と、この箱状体に係止部材により係止されて当該箱状体の上方開口部を閉鎖し得る蓋体と、上記箱状体の空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填される爆発性物質とから構成するとともに、
    上記蓋体の内側表面に、空間室内に入り込むとともに当該空間室の内周面に沿う外周面を有する板状突出部を形成し、
    且つ上記係止部材については、空間室内に充填された爆発性物質の爆発反応率が80〜90%の範囲内となる爆発力で破断するとともに、上記箱状体および蓋体については、空間室に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせるようにしたことを特徴とする放電衝撃破壊装置。
  2. 箱状体および蓋体を導電性材料で構成するとともに、蓋体の板状突出部表面および箱状体の空間室側底面に、金属細線との接触を防止する絶縁材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の放電衝撃破壊装置。
  3. 所定高さの枠状側壁体と、この枠状側壁体に係止部材を介して係止されて両側の開口部を閉鎖し得る一対の蓋体と、上記枠状側壁体の内側に形成される空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填された爆発性物質とから構成するとともに、
    上記蓋体の内側表面に、空間室内に入り込むとともに当該空間室の内周面に沿う外周面を有する板状突出部を形成し、
    且つ上記係止部材については、空間室内に充填された爆発性物質の爆発反応率が80〜90%の範囲内となる爆発力で破断するとともに、上記箱状体および各蓋体については、空間室内に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせるようにしたことを特徴とする放電衝撃破壊装置。
  4. 各蓋体を導電性材料で構成するとともに、各蓋体の板状突出部表面に、金属細線との接触を防止する絶縁材を配置したことを特徴とする請求項3に記載の放電衝撃破壊装置。
  5. 爆発性物質がニトロメタンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放電衝撃破壊装置。
  6. 係止部材が、ボルトまたは溶接部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放電衝撃破壊装置。
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