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JP4935038B2 - 燃料電池システム及び燃料電池システムの起動方法 - Google Patents
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JP4935038B2 - 燃料電池システム及び燃料電池システムの起動方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムの起動方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に燃料電池システムの停止中にアノードからカソードへクロスオーバーして蓄積した水素を、システムの起動時に希釈して排気する燃料電池システム及びその起動方法に関する。
一般に、燃料電池は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、燃料ガスのもつ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であり、その一つとして電解質膜に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池が知られている。
この固体高分子型の燃料電池システムでは、システムを停止させたときに通常アノードに水素が残された状態になっている。このアノードに残された水素はそのまま放置しておくと、アノードからカソードへクロスオーバーしてカソード経路に蓄積する。そして、蓄積した高濃度の水素は、次回の起動時に高濃度のままカソードから排出される場合がある。
このような課題を解決する方法として、従来では停止時に出力電圧が0Vになるまで放電し、残存水素を消費するように構成した燃料電池システムがあり、例えば特開2001−345114号公報(特許文献1)に開示されている。
また、起動時に排気する空気流量を抑制し、排出水素量を低減するように構成した燃料電池システムがあり、例えば特開2004−172027号公報(特許文献2)に開示されている。さらに、この特許文献2に開示された従来例では、コンプレッサの下流から排気経路にバイパスして空気を供給し、この空気によって水素を希釈するようにも構成している。
また、希釈ボックス及び希釈ブロアなどの希釈装置を設けて水素を希釈するように構成した燃料電池システムの従来例としては、例えば特開2004−179102号公報(特許文献3)に開示されている。
特開2001−345114号公報 特開2004−172027号公報 特開2004−179102号公報
上述した特許文献1に開示された従来例では、システムの停止時に出力電圧が0Vになるまで放電して残存水素を消費するので、燃料電池システムが異常停止した場合には機能せず、結局水素が残存してしまい、可燃濃度以上の水素が排気されてしまう問題点があった。
また、特許文献2で開示された従来例では、システムの起動時に排気する空気流量を抑制し、排出水素量を低減させるようにして拡散による効果を狙っているが、排出量は少なくても濃度は可燃濃度以上であることに変わりはなく、好ましくない。さらに、空気流量を抑制して拡散による水素濃度の低減を狙うので、起動にかかる時間が長くなってしまうという問題点がある。
また、特許文献2で開示された従来例では、カソード経路の燃料電池上流から排気経路に空気をバイパスさせて希釈するようにしているので、希釈時にコンプレッサによる音や振動が発生するという問題点もあった。
さらに、特許文献3で開示された従来例では、希釈容積部及び希釈ブロアなどの希釈装置を設けて希釈しているので、希釈のための容積部や希釈用のブロアなどを設置するためのスペースが必要となり、移動媒体など限られたスペースに搭載するにはデメリットが大きかった。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池のカソード上流にシャット弁を備え、前記燃料電池のカソード下流に空気調圧弁を備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで圧送して封入し、カソード経路内にある水素をカソード内の触媒上で燃焼処理することによって希釈する水素希釈処理を実施することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池システムの起動方法は、燃料電池のカソード上流にシャット弁を備え、前記燃料電池のカソード下流に空気調圧弁を備えた燃料電池システムの起動方法であって、前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで圧送して封入し、カソード経路内にある水素をカソード内の触媒上で燃焼処理することによって希釈する水素希釈処理を実施することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、燃料電池の起動時にシャット弁と空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで圧送して封入し、カソード経路内にある水素をカソード内の触媒上で燃焼処理することによって消費し、かつ希釈するので、システム停止後の放置中にアノードからクロスオーバーしてカソードに蓄積した水素が、システムの起動時に高濃度で排出されることを抑制することができる。
以下、本発明に係わる燃料電池システム及び燃料電池システムの起動方法について実施例を説明する。
以下、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。図1は、実施例1に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の燃料電池システム1は、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池(FC)2と、酸化剤ガスである空気を加圧して燃料電池2のカソードに供給するコンプレッサ3と、コンプレッサ3から燃料電池2への空気の供給を遮断するシャット弁4と、燃料電池2のカソード入口における圧力を検出する圧力センサ(圧力検出手段)5と、燃料電池2で発電される電圧を推定する電圧推定部(電圧推定手段)6と、燃料電池2のカソードにおける水素濃度を推定する水素濃度推定部(水素濃度推定手段)7と、燃料電池2における空気の圧力を調整する空気調圧弁8とを備えている。
ここで、上述した燃料電池システム1において、燃料電池2ではアノードに燃料ガスである水素ガスが供給され、カソードに酸化剤ガスである空気が供給されて以下に示す電気化学反応によって発電が行われている。
アノード(燃料極) :H2→2H++2e- (1)
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
また、図1に示した空気系では、コンプレッサ3によって空気が加圧され、燃料電池2のカソードに供給されており、カソードにおける空気の圧力は圧力センサ5によって検出され、この検出値に基づいてコンプレッサ3の回転数及び空気調圧弁8の開口面積を調節することによってカソードにおける空気圧が制御されている。
電圧推定部6は、燃料電池2で発電される電圧を推定しており、燃料電池セル毎に設置してもよいし、燃料電池スタックに設置するようにしてもよい。
水素濃度推定部7は、カソードから排出されるカソードオフガスに基づいて、システム停止中にアノードからカソードへクロスオーバーして蓄積した水素の濃度を推定している。
一方、上述した空気系以外の経路部品については一般的なものでよく、燃料電池2に燃料ガスである水素を供給する水素系では、水素タンクから減圧弁、水素供給弁などを通じて燃料電池2のアノードに水素ガスが供給されている。水素タンクから供給される高圧水素は、減圧弁で機械的に所定の圧力まで減圧され、次に水素供給弁の開度を調節することによって燃料電池2における水素ガスの圧力が所望の圧力になるように制御されている。
次に、本実施例の燃料電池システム1による起動方法を図2のフローチャートと図3のタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、燃料電池システム1が停止している状態において、全てのバルブ類は閉じられた状態になっている。そして、図2に示すように燃料電池システム1を起動させるためにイグニッションをONにすると(S201、図3:T1)、水素濃度推定部7によってカソードの水素濃度A1が推定される(S202)。
そして、推定した水素濃度A1が所定値α1よりも大きいか否かを判定し(S203)、水素濃度A1が所定値α1以下となる場合には、水素を希釈する処理は不要であると判断して通常の発電を開始する(S204)。ここで、所定値α1は水素の可燃濃度の下限値よりも低い方に余裕を持たせた値に設定されている。また、水素濃度によって水素希釈処理が必要であるか否かを判断するのではなく、燃料電池2を前回停止してから今回起動するまでの時間に応じて水素希釈処理が必要であるか否かを判断するようにしてもよい。これによってより簡単な方法で水素希釈処理の有無を判断することができる。
一方、ステップS203において水素濃度A1が所定値α1よりも大きい場合には、水素を希釈する処理が必要であると判断してシャット弁4を開放し(S205、図3:T2)、コンプレッサ3を駆動して空気を燃料電池2のカソードに供給する(S206、図3:T3)。このとき、空気調圧弁8は閉じているため、空気調圧弁8よりも上流側では昇圧されることになる。
次に、圧力センサ5でカソード経路における圧力B1を検出し(S207)、検出した圧力B1が所定値β1よりも大きいか否かを判定する(S208)。
そして、圧力B1が所定値β1よりも大きくなると、シャット弁4を閉じて(S209、図3:T4)空気の供給を停止する(S210)。ここで、所定値β1の設定方法としては、空気調圧弁8とシャット弁4との間のカソード経路の容積と水素濃度推定部7により推定された水素濃度とから水素量を推定し、この水素量を触媒反応によって消費するために必要となる酸素量をカソード経路に封入した場合に生じる圧力を所定値β1として設定する。
こうしてシャット弁4を閉じると、空気調圧弁8とシャット弁4との間のカソード経路には、空気と水素の混合ガスが昇圧された状態で封入されることになる。この状態では、燃料電池2内の触媒上に酸素と水素が拡散によって供給され、触媒反応が起こっている。
この状態において、水素濃度推定部7によってカソード経路の水素濃度C1を推定し(S211)、推定した水素濃度C1が所定値γ1よりも小さくなるか否かを判定する(S212)。ここで、所定値γ1は水素の可燃濃度の下限値よりも十分に低い方に余裕を持たせた値に設定されている。
そして、水素濃度C1が所定値γ1よりも小さくなると、水素を希釈する処理が完了したと判断してシャット弁4を開放し(S213、図3:T5)、空気と水素を供給して(S214、図3:T5)、通常の発電を開始すると(S204、図3:T6)、本実施例の燃料電池システム1による起動処理を終了する。
このように、本実施例の燃料電池システム1では、燃料電池2の起動時にシャット弁4と空気調圧弁8との間に空気を所定圧力になるまで圧送して封入し、カソード経路内にある水素を燃料電池2で消費することによって希釈するようにしたので、システム停止後の放置中にアノードからクロスオーバーしてカソードに蓄積した水素を、燃料電池2のカソード内の触媒上で燃焼処理することができ、システムの起動時にカソードから高濃度水素が排出されることを抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、水素濃度推定部7で推定された水素濃度と封入されるカソード経路の容積とから水素量を推定し、この水素量を触媒反応によって消費するために必要な酸素量をカソード経路に封入した場合に生じる圧力を所定圧力β1として設定したので、システム停止後にアノードからクロスオーバーしてカソードに蓄積した水素を、触媒上で燃焼処理するのに必要な酸素を不足なく供給することができる。
さらに、本実施例の燃料電池システム1では、水素濃度推定部7で推定された水素濃度に基づいて水素希釈処理が完了したか否かを判断するので、必要以上の時間を要することなく、システム起動時にカソードから排出される水素ガスの濃度を低く抑えることができる。
また、本実施例の燃料電池システム1では、水素濃度推定部7で推定された水素濃度に基づいて水素希釈処理を実施するか否かを判断するので、水素の希釈が必要であるか否かを正確に判断することができ、水素の希釈が不要な場合におけるシステムの起動時間を短縮することができる。
さらに、本実施例の燃料電池システム1では、燃料電池2を停止してから起動するまでの時間に応じて水素希釈処理を実施するか否かを判断するので、水素の希釈が必要であるか否かを簡単な方法で判断することができ、水素の希釈が不要な場合におけるシステムの起動時間を短縮することができる。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。図4は、実施例2の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施例の燃料電池システム41は、燃料電池のカソード出口からカソード入口へカソードオフガスを循環させる循環経路42と、循環経路42内にあるガスを循環させる循環ポンプ43とを備えたことが実施例1と異なっており、その他の構成については実施例1と同様なので、詳しい説明は省略する。
本実施例の燃料電池システム41では、燃料電池2の起動時にシャット弁4と空気調圧弁8との間に空気を所定圧力になるまで圧送して封入し、封入されたガスを循環ポンプ43によって循環させて水素希釈処理を実施するようにしている。
次に、本実施例の燃料電池システム41による起動方法を図5のフローチャートと図6のタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、燃料電池システム41が停止している状態において、全てのバルブ類は閉じられた状態になっている。そして、図5に示すように燃料電池システム41を起動させるためにイグニッションをONにすると(S501、図6:T1)、水素濃度推定部7によって水素濃度A2が推定される(S502)。
そして、推定した水素濃度A2が所定値α2よりも大きいか否かを判定し(S503)、水素濃度A2が所定値α2以下となる場合には、水素を希釈する処理は不要であると判断して通常の発電を開始する(S504)。ここで、所定値α2は水素の可燃濃度の下限値よりも低い方に余裕を持たせた値に設定されている。
一方、ステップS503において水素濃度A2が所定値α2よりも大きい場合には、水素を希釈する処理が必要であると判断してシャット弁4を開放し(S505、図6:T2)、コンプレッサ3を駆動して空気を燃料電池2のカソードに供給する(S506、図6:T3)。このとき、空気調圧弁8は閉じているため、空気調圧弁8よりも上流側では昇圧されることになる。さらに、このとき循環ポンプ43の駆動を開始して(S507、図6:T3)、カソード経路や循環経路42内にあるガスを循環させる。
次に、圧力センサ5でカソード経路における圧力B2を検出し(S508)、検出した圧力B2が所定値β2よりも大きいか否かを判定する(S509)。
そして、圧力B2が所定値β2よりも大きくなると、シャット弁4を閉じて(S510、図6:T4)空気の供給を停止する(S511)。ここで、所定値β2の設定方法としては、空気調圧弁8とシャット弁4との間のカソード経路の容積と水素濃度推定部7により推定された水素濃度とから水素量を推定し、この水素量を触媒反応によって消費するために必要となる酸素量をカソード経路や循環経路42に封入した場合に生じる圧力を所定値β2として設定する。
こうしてシャット弁4を閉じると、空気調圧弁8とシャット弁4との間のカソード経路と循環経路42には、空気と水素の混合ガスが昇圧された状態で封入されることになる。この状態では、燃料電池2内の触媒上に酸素と水素が拡散によって供給され、触媒反応が起こっている。さらに、循環ポンプ43によって封入されたガスを循環させるので、水素と酸素の拡散を促進してより早く触媒上で燃焼させることができる。
この状態において、水素濃度推定部7によってカソード経路の水素濃度C2を推定し(S512)、推定した水素濃度C2が所定値γ2よりも小さくなるか否かを判定する(S513)。ここで、所定値γ2は水素の可燃濃度の下限値よりも十分に低い方に余裕を持たせた値に設定されている。
そして、水素濃度C2が所定値γ2よりも小さくなると、水素を希釈する処理が完了したと判断してシャット弁4を開放し(S514、図6:T5)、空気と水素を供給して(S515、図6:T5)通常の発電を開始すると(S504、図6:T6)、本実施例の燃料電池システム41による起動処理を終了する。
このように、本実施例の燃料電池システム41では、燃料電池2のカソード出口からカソード入口へガスを循環させる循環経路42と、循環経路42内にあるガスを循環させる循環ポンプ43とをさらに備え、燃料電池2の起動時にシャット弁4と空気調圧弁8との間に空気を所定圧力になるまで圧送して封入し、封入されたガスを循環ポンプ43によって循環させて水素希釈処理を実施するので、システム停止後の放置中にアノードからクロスオーバーしてカソードに蓄積した水素を、燃料電池のカソード内の触媒上で燃焼処理することができ、システムの起動時にカソードから高濃度水素が排出されることを抑制することができる。さらに、循環経路42で封入されたガスを循環させることにより、水素と酸素の拡散を促進してより早く触媒上で燃焼させることが可能となる。
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。図7は、実施例3の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施例の燃料電池システム71は、循環経路42の循環ポンプ43上流に設けられた第2シャット弁72と、循環ポンプ43と第2シャット弁72との間に外部から空気を吸入する吸入経路73と、吸入経路73に設置された異物フィルタ74と、吸入経路73に設置された第3シャット弁75とを備えたことが実施例2と異なっており、その他の構成については実施例2と同様なので、詳しい説明は省略する。
本実施例の燃料電池システム71では、燃料電池2の起動時にシャット弁4と空気調圧弁8との間に吸入経路73を通じて外部から空気を吸入し、所定圧力になると第3シャット弁75を閉じて封入し、循環ポンプ43によって封入されたガスを循環させて水素希釈処理を実施するようにしている。
次に、本実施例の燃料電池システム71による起動方法を図8のフローチャートと図9のタイミングチャートに基づいて説明する。
まず、燃料電池システム71が停止している状態において、全てのバルブ類は閉じられた状態になっている。そして、図8に示すように燃料電池システム71を起動させるためにイグニッションをONにすると(S801、図9:T1)、水素濃度推定部7によって水素濃度A3が推定される(S802)。
そして、推定した水素濃度A3が所定値α3よりも大きいか否かを判定し(S803)、水素濃度A3が所定値α3以下となる場合には、水素を希釈する処理は不要であると判断して通常の発電を開始する(S804)。ここで、所定値α3は水素の可燃濃度の下限値よりも低い方に余裕を持たせた値に設定されている。
一方、ステップS803において水素濃度A3が所定値α3よりも大きい場合には、水素を希釈する処理が必要であると判断して第3シャット弁75を開放し(S805、図9:T2)、循環ポンプ43を駆動して(S806、図9:T3)、吸入経路73を通じて外部から空気を吸入して燃料電池2のカソードに供給する。このとき、シャット弁4、空気調圧弁8、第2シャット弁72は閉じているため、空気調圧弁8よりも上流側では昇圧されることになる。
次に、圧力センサ5でカソード経路における圧力B3を検出し(S807)、検出した圧力B3が所定値β3よりも大きいか否かを判定する(S808)。
そして、圧力B3が所定値β3よりも大きくなると、第3シャット弁75を閉じて(S809、図9:T4)空気の吸入を停止し、第2シャット弁72を開放する(S810)。ここで、所定値β3の設定方法としては、空気調圧弁8とシャット弁4との間のカソード経路の容積と水素濃度推定部7により推定された水素濃度とから水素量を推定し、この水素量を触媒反応によって消費するために必要となる酸素量をカソード経路や循環経路42に封入した場合に生じる圧力を所定値β3として設定する。
こうして第3シャット弁75を閉じて第2シャット弁72を開放すると、空気調圧弁8とシャット弁4との間のカソード経路と循環経路42には、空気と水素の混合ガスが昇圧された状態で封入されることになる。この状態では、燃料電池2内の触媒上に酸素と水素が拡散によって供給され、触媒反応が起こっている。さらに、循環ポンプ43によって封入されたガスを循環させるので、水素と酸素の拡散を促進してより早く触媒上で燃焼させることができる。
この状態において、水素濃度推定部7によってカソード経路の水素濃度C3を推定し(S811)、推定した水素濃度C3が所定値γ3よりも小さくなるか否かを判定する(S812)。ここで、所定値γ3は水素の可燃濃度の下限値よりも十分に低い方に余裕を持たせた値に設定されている。
そして、水素濃度C3が所定値γ3よりも小さくなると、水素を希釈する処理が完了したと判断してシャット弁4を開放し(S813、図9:T5)、空気と水素を供給して(S814、図9:T5)、通常の発電を開始すると(S804、図6:T6)、本実施例の燃料電池システム71による起動処理を終了する。
このように、本実施例の燃料電池システム71では、循環経路42に外部から空気を吸入する吸入経路73をさらに備え、燃料電池2の起動時にシャット弁4と空気調圧弁8との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで吸入経路73を通じて外部から吸入して封入し、封入されたガスを循環ポンプ43によって循環させて水素希釈処理を実施するので、システム停止後の放置中にアノードからクロスオーバーしてカソードに蓄積した水素を、燃料電池のカソード内の触媒上で燃焼処理することができ、システムの起動時にカソードから高濃度水素が排出されることを抑制することができる。さらに、循環経路42で封入されたガスを循環させることにより、水素と酸素の拡散を促進してより早く触媒上で燃焼させることができる。また、コンプレッサ3を使用しないで空気を吸入するので、コンプレッサ3の駆動に伴う音や振動を防いで、消費電力を低減することができる。
次に、本発明の実施例4を図面に基づいて説明する。図10は、実施例4に係る燃料電池システムの起動方法を示すフローチャートである。尚、本実施例の燃料電池システムの構成は実施例1と同一なので、詳しい説明は省略する。
上述した実施例1では、水素濃度推定部7で推定された水素濃度に基づいて水素希釈処理を実施するか否かを判断していたが、本実施例の燃料電池システムでは電圧推定部6で推定された電圧に基づいて、水素希釈処理を実施するか否かを判断するようにしている。
同様に水素希釈処理が完了したか否かの判断も、実施例1では水素濃度に基づいて判断していたのに対して、本実施例では電圧推定部6で推定された電圧に基づいて判断するようにしている。
次に、本実施例の燃料電池システムによる起動方法を図10のフローチャートに基づいて説明する。図10に示すように、本実施例の燃料電池システムによる起動方法では、ステップS1002において、電圧推定部6によって燃料電池2で発電される電圧Dを推定し、ステップS1003において推定した電圧Dが所定値α4よりも大きいか否かを判定するようにしている。ここで、所定値α4は水素が可燃濃度以上存在している場合に燃料電池2で発電される電圧値に設定されている。
そして、電圧Dが所定値α4以下となる場合には、水素を希釈する処理は不要であると判断して通常の発電を開始し(S1004)、電圧Dが所定値α4よりも大きい場合には、水素を希釈する処理が必要であると判断してシャット弁4を開放して(S1005)、ステップS1005からステップS1010に示す水素希釈処理を実施する。この水素希釈処理は実施例1と同一なので、詳しい説明は省略する。
こうして水素希釈処理が実施され、ステップS1011において電圧推定部6によって燃料電池2で発電される電圧Eを推定し、ステップS1012において推定した電圧が所定値γ4より小さくなったか否かを判定する。ここで、所定値γ4は水素が可燃濃度以上存在している場合に燃料電池2で発電される電圧値に設定されている。
そして、電圧Eが所定値γ4より小さくなると、水素希釈処理が完了したと判断して通常の発電を開始して(S1004)、本実施例の燃料電池システムによる起動処理を終了する。
このように、本実施例の燃料電池システムでは、電圧推定部6で推定された電圧に基づいて水素希釈処理が完了したか否かを判断するので、水素濃度推定部7を使用せずに必要以上の時間を要することなく、システム起動時にカソードから排出される水素濃度を低く抑えることができる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、電圧推定部6で推定された電圧に基づいて水素希釈処理を実施するか否かを判断するので、電圧推定部6の出力に基づいて水素濃度を推定してより簡単な方法で水素希釈処理を実施するか否かを判断することができる。
次に、本発明の実施例5を図面に基づいて説明する。図11は、実施例5に係る燃料電池システムの起動方法を示すフローチャートである。尚、本実施例の燃料電池システムの構成は実施例1と同一なので、詳しい説明は省略する。
上述した実施例1では、水素濃度推定部7で推定された水素濃度に基づいて水素希釈処理を実施するか否かを判断していたが、本実施例の燃料電池システムでは圧力センサ5で検出された圧力に基づいて、水素希釈処理を実施するか否かを判断するようにしている。
同様に水素希釈処理が完了したか否かの判断も、実施例1では水素濃度に基づいて判断していたのに対して、本実施例では圧力センサ5で検出された圧力に基づいて判断するようにしている。
次に、本実施例の燃料電池システムによる起動方法を図11のフローチャートに基づいて説明する。図11に示すように、本実施例の燃料電池システムによる起動方法では、ステップS1102において圧力センサ5によってカソード経路の圧力Fを検出し、ステップS1103において検出した圧力Fが所定値α5よりも大きいか否かを判定するようにしている。ここで、所定値α5は水素が可燃濃度以上存在している場合の圧力に設定されている。
そして、圧力Fが所定値α5以下となる場合には、水素を希釈する処理は不要であると判断して通常の発電を開始し(S1104)、圧力Fが所定値α5よりも大きい場合には、水素を希釈する処理が必要であると判断してシャット弁4を開放して(S1105)、ステップS1105からステップS1110に示す水素希釈処理を実施する。この水素希釈処理は実施例1と同一なので、詳しい説明は省略する。
こうして水素希釈処理が実施され、ステップS1111において圧力センサ5によってカソード経路の圧力Gを検出し、ステップS1112において検出した圧力Gが所定値γ5より小さくなったか否かを判定する。ここで、所定値γ5は水素が可燃濃度以上存在している場合の圧力に設定されている。
そして、圧力Gが所定値γ5より小さくなると、水素希釈処理が完了したと判断して通常の発電を開始して(S1104)、本実施例の燃料電池システムによる起動処理を終了する。
また、上述した実施例4で説明した電圧推定部6で推定した電圧値と本実施例で説明した圧力センサ5で検出した圧力との両方に基づいて、ステップS1103において水素希釈処理を実施するか否かを判断するようにしてもよい。
さらに、ステップS1112における水素希釈処理が完了したか否かの判断も、電圧推定部6で推定された電圧値と圧力センサ5で検出した圧力との両方に基づいて判断するようにしてもよい。
このように、本実施例の燃料電池システムでは、圧力センサ5で検出された圧力に基づいて水素希釈処理が完了したか否かを判断するので、水素濃度推定部7を使用せずに必要以上の時間を要することなく、システム起動時にカソードから排出される水素濃度を低く抑えることができる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、電圧推定部6で推定された電圧と圧力センサ5で検出された圧力とに基づいて水素希釈処理が完了したか否かを判断するので、水素濃度推定部7を使用せずに必要以上の時間を要することなく、より精度よくシステム起動時にカソードから排出される水素濃度を低く抑えることができる。
さらに、本実施例の燃料電池システムでは、圧力センサ5で検出された圧力に基づいて水素希釈処理を実施するか否かを判断するので、圧力センサ5の出力に基づいて水素濃度を推定してより簡単な方法で水素希釈処理を実施するか否かを判断することができる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、電圧推定部6で推定された電圧と圧力センサ5で検出された圧力とに基づいて水素希釈処理を実施するか否かを判断するので、電圧推定部6の出力と圧力センサ5の出力の両方に基づいて水素濃度を推定してより精度よく水素希釈処理を実施するか否かを判断することができる。
以上、本発明の燃料電池システムについて、図示した実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る燃料電池システムによる起動方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る燃料電池システムによる起動方法を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施例2に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2に係る燃料電池システムによる起動方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る燃料電池システムによる起動方法を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施例3に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例3に係る燃料電池システムによる起動方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係る燃料電池システムによる起動方法を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施例4に係る燃料電池システムによる起動方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例5に係る燃料電池システムによる起動方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1、41、71 燃料電池システム
2 燃料電池
3 コンプレッサ
4 シャット弁
5 圧力センサ(圧力検出手段)
6 電圧推定部(電圧推定手段)
7 水素濃度推定部(水素濃度推定手段)
8 空気調圧弁
42 循環経路
43 循環ポンプ
72 第2シャット弁
73 吸入経路
74 異物フィルタ
75 第3シャット弁

Claims (18)

  1. 燃料電池のカソード上流にシャット弁を備え、前記燃料電池のカソード下流に空気調圧弁を備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで圧送して封入し、カソード経路内にある水素をカソード内の触媒上で燃焼処理することによって希釈する水素希釈処理を実施することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池のカソード出口からカソード入口へガスを循環させる循環経路と、前記循環経路内にあるガスを循環させる循環ポンプとをさらに備え、
    前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで圧送して封入し、封入されたガスを前記循環ポンプによって循環させて前記水素希釈処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記循環経路に外部から酸化剤ガスを吸入する吸入経路をさらに備え、
    前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで前記吸入経路を通じて外部から吸入して封入し、封入されたガスを前記循環ポンプによって循環させて前記水素希釈処理を実施することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池のカソードにおける水素濃度を推定する水素濃度推定手段を備え、
    前記水素濃度推定手段によって推定された水素濃度と封入されるカソード経路の容積とから水素量を推定し、この水素量を触媒反応によって消費するために必要な酸素量を前記カソード経路に封入した場合に生じる圧力を、前記所定圧力とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池のカソードにおける水素濃度を推定する水素濃度推定手段を備え、
    前記水素濃度推定手段によって推定された水素濃度に基づいて前記水素希釈処理が完了したか否かを判断することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に封入されたガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、
    前記圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて前記水素希釈処理が完了したか否かを判断することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池のカソードにおける水素濃度を推定する水素濃度推定手段を備え、
    前記水素濃度推定手段によって推定された水素濃度に基づいて、前記水素希釈処理を実施するか否かを判断することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に封入されたガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、
    前記圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて、前記水素希釈処理を実施するか否かを判断することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池を停止してから起動するまでの時間に応じて前記水素希釈処理を実施するか否かを判断することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 燃料電池のカソード上流にシャット弁を備え、前記燃料電池のカソード下流に空気調圧弁を備えた燃料電池システムの起動方法であって、
    前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで圧送して封入し、カソード経路内にある水素をカソード内の触媒上で燃焼処理することによって希釈する水素希釈処理を実施することを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
  11. 前記燃料電池システムは、前記燃料電池のカソード出口からカソード入口へガスを循環させる循環経路と、前記循環経路内にあるガスを循環させる循環ポンプとをさらに備え、
    前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで圧送して封入し、封入されたガスを前記循環ポンプによって循環させて前記水素希釈処理を実施することを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システムの起動方法。
  12. 前記燃料電池システムは前記循環経路に外部から酸化剤ガスを吸入する吸入経路をさらに備え、
    前記燃料電池の起動時には、前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に酸化剤ガスを所定圧力になるまで前記吸入経路を通じて外部から吸入して封入し、封入されたガスを前記循環ポンプによって循環させて前記水素希釈処理を実施することを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システムの起動方法。
  13. 前記燃料電池システムは前記燃料電池のカソードにおける水素濃度を推定する水素濃度推定手段を備え、
    前記水素濃度推定手段によって推定された水素濃度と封入されるカソード経路の容積とから水素量を推定し、この水素量を触媒反応によって消費するために必要な酸素量を前記カソード経路に封入した場合に生じる圧力を、前記所定圧力とすることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の燃料電池システムの起動方法。
  14. 前記燃料電池システムは前記燃料電池のカソードにおける水素濃度を推定する水素濃度推定手段を備え、
    前記水素濃度推定手段によって推定された水素濃度に基づいて前記水素希釈処理が完了したか否かを判断することを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の燃料電池システムの起動方法。
  15. 前記燃料電池システムは前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に封入されたガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、
    前記圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて前記水素希釈処理が完了したか否かを判断することを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の燃料電池システムの起動方法。
  16. 前記燃料電池システムは前記燃料電池のカソードにおける水素濃度を推定する水素濃度推定手段を備え、
    前記水素濃度推定手段によって推定された水素濃度に基づいて、前記水素希釈処理を実施するか否かを判断することを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池システムの起動方法。
  17. 前記燃料電池システムは前記シャット弁と前記空気調圧弁との間に封入されたガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、
    前記圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて、前記水素希釈処理を実施するか否かを判断することを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池システムの起動方法。
  18. 前記燃料電池を停止してから起動するまでの時間に応じて前記水素希釈処理を実施するか否かを判断することを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池システムの起動方法。
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