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JP4940792B2 - 騒音制御装置および騒音制御方法 - Google Patents
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JP4940792B2 - 騒音制御装置および騒音制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、騒音制御装置および騒音制御方法に関する。
一般に、例えば車室内等において車両の走行に伴い発生する騒音を計測し、その騒音を打ち消すような音波を発生して騒音を低減する騒音制御装置や騒音制御方法が提案されている。例えば、車両の車体の振動を検出するための振動検出手段を複数設け、検出した車体の振動に基づいて車両に設置したスピーカーや加振器等のアクチュエータを作動させ、車室内の騒音を低減する騒音制御装置が提案されている。
このような騒音制御装置では、振動検出手段に故障が生じると、効果的な騒音制御を実施することが難しくなる。このため、騒音の低減効果を計測する効果確認用のマイクロフォンを騒音制御を行う場所に設置し、振動検出手段の故障が発生して騒音の低減効果が十分でなくなった場合に、騒音制御の制御内容を変更して効果的な騒音制御を行う騒音制御装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平8-292771号公報
このような騒音制御装置では、アクチュエータに故障が生じた場合、騒音を低減するための適切な波動を発生することができなくなり、騒音制御を効果的に行うことが難しくなってしまうばかりか、故障の状況によってはアクチュエータから不適切な波動が発生されてしまい、騒音が増えてしまう可能性がある。しかしながら、アクチュエータの故障を検出する手段を備えていないため、アクチュエータが故障した場合に騒音制御を停止する等の対応を行うことが難しい、と言う問題があった。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の車体に配置され、該車体の振動を検出する複数のセンサと、前記車体に、制御部によって制御された波動を加える波動印加部と、前記制御部が前記波動印加部に、前記波動印加部と前記車両の車室内の所定の空間との間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以下になるように、前記所定の空間毎に設定される所定の周波数の信号を出力した際の、前記センサの出力信号によって前記波動印加部の故障を検出する波動印加部故障検出部と、前記複数のセンサの各出力信号に基づき前記所定の空間で聞こえる車室内騒音の推定値を算出する騒音推定部を有し、前記制御部は、前記波動印加部故障検出部により前記波動印加部の故障が検出されない場合に、前記騒音推定部が算出した前記車室内騒音の推定値に基づいて前記波動印加部に前記波動を出力して前記車室内騒音を低減させる騒音制御を行うことを特徴としている。
本発明によれば、アクチュエータの故障が検出された場合は騒音制御効果が得られないものとして、アクチュエータの故障が検出されない場合にのみ騒音制御を行う騒音制御装置および騒音制御方法を提供する。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
車外から侵入する車室内騒音の原因は、代表的なものとして、エンジンの振動に起因するエンジン騒音、走行時に路面の凹凸の影響がタイヤから進入することに起因する騒音(以下、ロードノイズと呼ぶ)、走行時に空気の気流によって発生する風切音などがある。
本実施形態では、主にロードノイズの低減を扱う。
図1に路面の凹凸の影響による車体の振動およびロードノイズの主な伝播経路を示す。
タイヤ200から車体に進入したロードノイズの主成分となる振動は、まず車軸120およびサスペンション130の取り付け部(図示省略)からメンバ140と呼ばれる剛性の高い梁状の部材に進入する。その後、メンバ140によって囲まれたフロアパネル110と呼ばれる比較的剛性の低い板状の部材に振動が伝播し、このフロアパネル110が振動する。さらに、フロアパネル110の振動により車室内の空気振動が引き起こされ、車室内に共振現象を起こすために、車室内の所定空間100(以下、制御空間100と呼ぶ)においてロードノイズが聞こえる。フロアパネル110の他にルーフパネルや窓ガラス(いずれも図示省略)が振動することによっても騒音が発生するが、主にサスペンション130の取り付け部から進入するロードノイズの大部分は、フロアパネル110の振動に起因することがわかっている。このため、フロアパネル110の振動に起因するロードノイズを打ち消すように騒音制御を行えば、ロードノイズを低減することができる。
本発明では、フロアパネル110にセンサ(後述)を配置して、そのセンサの出力信号を元に車室内騒音の推定を行い、コントローラにより制御指令値を生成し、この制御指令値に基づいてフロアパネル110に設けたアクチュエータ(波動印加部)により発生した制御音を車室内に入力するという手法をとる。
ここで、本発明ではセンサとしてマイクロフォンを使用せず、加速度センサ10の信号から制御空間100の騒音を推定するという方法を用いている。フロアパネル110に設置した加速度センサ10を用いるため、制御対象としてフロアパネル110に起因するロードノイズを扱う。ここで、加速度センサ10の設置場所としてフロアパネル110を選択したのは、車室内騒音との間のコヒーレンス(定義は後述)が高いからである。
なお、フロアパネル110を発生源とする騒音が制御対象としてすべて含まれるため、エンジン騒音の一部や車体底部を流れる空気が発生する風切音についても同様に扱うことができる。
また、本発明の効果の範囲はフロアパネル110の振動による騒音低減の範疇にはとどまらず、例えばダッシュパネルやフロントグラス、さらにルーフパネル(いずれも図示省略)といった同じメカニズムで発生する車室内の騒音発生源に対しても、本発明を当該部位に対して用いるようにすれば、同様の効果を得ることが可能である。
本実施形態による騒音制御装置の略図を図2に示す。
本実施形態による騒音制御装置は、フロアパネル110の振動を測定するセンサである加速度センサ10(10a、10b、10c、10d)と、フロアパネル110に振動を与える波動印加部であるアクチュエータ20(20a、20b)と、加速度センサ10で得られた信号に基づいて車室内騒音を低減する制御指令値を算出し、アクチュエータ20の制御を行う制御装置本体30から成る。
ここで、本実施形態におけるアクチュエータ20は、いわゆるピエゾアクチュエータ(Piezo-electric actuator)であるものとする。
制御装置本体30の入力信号は加速度センサ10の出力であり、出力信号はアクチュエータ20への制御指令値である。
制御装置本体30は、信号増幅用の増幅部31(31a〜31f)と、車室内騒音を低減する制御指令値を算出して出力する制御指令値算出部32とを備える。
増幅部31は、加速度センサ10がいわゆる電荷チャージタイプである場合には、電荷と電圧との間の変換の機能も担う。
図3に制御指令値算出部32内部の構造を示すブロック図を示す。
制御指令値算出部32は、A/D変換部33(33a〜33f)と、波動印加部故障検出部である駆動部故障検出部34と、加算部36とフィルタ50と伝達関数60とを備える騒音推定部35と、算出部38とD/A変換部39とテスト信号発生部40とを備える制御部37とで構成される。
A/D変換部33(33a〜33f)は、加速度センサ10が検出し増幅部31(31a〜31d)で増幅された加速度信号α、α、α、αと、制御部37が出力した制御指令値u、uをディジタル信号に変換する。
D/A変換部39は、算出部38が算出した制御指令値およびテスト信号発生部40が発生したテスト信号をアナログ信号に変換する。
制御指令値算出部32では、加速度センサ10が出力する加速度信号と、アクチュエータ20への入力信号(制御指令値)とを用いて、制御空間100における騒音を低減するように制御指令値を算出する。
アクチュエータ20は、制御空間100での騒音を低減するために十分な数が車体のフロアパネル110の適切な位置に貼り付けられている。
加速度センサ10の数は一般に振動源の数より多いことが必要とされる。具体的な加速度センサ10の数および設置位置は、各加速度センサ10と制御空間100における騒音の音圧との間のコヒーレンシーCxy(ω)
Figure 0004940792
が十分高くなるように(例えば0.9以上)決定される。本実施形態では、加速度センサ10は、加速度センサ10a(図3ではセンサ1と記載)、加速度センサ10b(図3ではセンサ2と記載)、加速度センサ10c(図3ではセンサ3と記載)、加速度センサ10d(図3ではセンサ4と記載)の4個とし、アクチュエータ20は、アクチュエータ20a(図3ではACTR1と記載)、アクチュエータ20b(図3ではACTR2と記載)の2個とした。
ここで、Pxy(ω)は加速度と音圧との間のクロスパワースペクトラム、Pxx(ω)とPyy(ω)はそれぞれ加速度と音圧のオートパワースペクトラムを表している。また、PHはPのエルミート転置行列を表す。
騒音推定部35では、加速度信号α〜αと、1ステップ前の処理サイクルにおける制御指令値u、uを用いて、制御空間100における騒音の推定値SPL_estを算出する。
制御部37の算出部38では、騒音の推定値SPL_estを用いて、制御空間100での騒音を低減するようにアクチュエータ20への制御指令値u、uを算出する。
本実施形態では、この制御指令値算出部32をいわゆるCPU上に実装する。
制御装置本体30における処理のフローチャートを図4に示す。
ステップS101では、A/D変換部33によりA/D変換された加速度信号α〜αが駆動部故障検出部34を通して騒音推定部35に入力される。この後に、フローはステップS102へ移行する。
ステップS102では、A/D変換部33によりA/D変換された1ステップ前の制御指令値u、uが騒音推定部35に入力される。この後に、フローはステップS103へ移行する。
ステップS103では、騒音推定部35により騒音推定処理を実行し、S101およびS102で得た信号から制御空間100での騒音の推定値SPL_estを算出する。この後に、フローはステップS104へ移行する。
ステップS104では、S103で算出された騒音の推定値SPL_estを用いて、算出部38により制御空間100での騒音を低減する制御指令値u、uを算出する。この後に、フローはステップS105へ移行する。
ステップS105では、S104で得た制御指令値u、uをD/A変換部39に出力し、アクチュエータ20への出力信号が出力される。
図3の算出部38は、いかなるフィードバック制御を用いて設計してもよいが、例えばH∞制御として設計する場合は以下の手順に従えばよい。
システムのモデルは、アクチュエータ20の入力電圧から騒音までの伝達関数Gp(s)とする。ここで、sはラプラス変換の変数である。
この伝達関数Gp(s)に対して、文献「D. McFarlane and K. Glover. “A Loop Shaping Design Procedure Using H∞ Synthesis”、 IEEE Transactions on Automatic Control. vol.37、 no.6、 June 1992、 pp.759-769」に記載の設計手法を用いることで、騒音を低減する制御部を設計することができる。
この手法では、評価式
Figure 0004940792
を満足するようなコントローラC(s)を設計する。ここで、Gs(s)は重み関数W1(s)とW2(s)により重み付けされた伝達関数
Figure 0004940792
によって求められる。最終的に(数式2)の評価式を満足するコントローラC(s)を用いて、コントローラC(s)は
Figure 0004940792
として算出される。
また、定数εはコントローラの安定余裕を決定するパラメータであり、通常0.2〜0.3が推奨される。CPUに実装する場合には、例えばコントローラC(s)に双一次変換を施すことでC(s)を離散化し、IIRフィルタとして実装すればよい。
騒音推定部35に入力されたディジタル信号としての加速度信号α、α、α、αは、それぞれフィルタ50の50a、50b、50c、50dに入力される。また、制御指令値u、uは、それぞれ伝達関数60の60a、60bに入力される。
ここで、フィルタ50a〜50dは車外から制御空間100に侵入する騒音をある信号の和として表現するために加速度信号α〜αを整形するブロックである。このフィルタ50は、処理後の信号の和が車外から侵入する騒音の推定値になるように設計されている。
また、伝達関数60aと60bは、それぞれアクチュエータ20aと20bへの入力電圧から制御空間100での音圧までの伝達関数を示す。伝達関数60aと60bはそれぞれアクチュエータ20にホワイトノイズもしくはインパルス信号を入力し、そのとき得られた制御空間100での音圧信号と入力信号を用いてシステム同定を行うことにより得ることができる。その方法は、例えば、制御系設計ツールMATLABのツールボックスである「Structural Dynamical Toolbox」や、文献「足立、「制御のためのシステム同定」、東京電機大学出版局、1996」に記載の部分空間同定法を用いればよい。
アクチュエータ20a、20bの入力電圧に、それぞれ伝達関数60a、60bを乗算し、それらを足し合わせることにより、アクチュエータ20が発生した振動(音)が制御空間100に作る騒音の推定値が算出される。
フィルタ50で整形された各加速度信号α〜αと伝達関数60により演算が行われた制御指令値u、uを加算部36にて加算する。この処理により、車外から侵入する振動とアクチュエータ20が生成する振動とが作る制御空間100での騒音の推定値SPL_estが算出される。
図5に騒音推定部35で行う処理のフローチャートを示す。
ステップS201では、加速度センサ10a〜10dの加速度信号α〜αがA/D変換部33a〜33dでA/D変換され、騒音推定部35に入力される。この後に、フローはステップS202へ移行する。
ステップS202では、1ステップ前の制御指令値u、uがA/D変換部33e、33fでA/D変換され、騒音推定部35に入力される。この後に、フローはステップS203へ移行する。
ステップS203では、S201で入力された加速度信号αに予め記憶しておいたフィルタ50であるW1が乗算される。同様に、加速度信号αにフィルタ50であるW2が、加速度信号αにフィルタ50であるW3が、加速度信号αにフィルタ50であるW4が乗算される。この後に、フローはステップS204へ移行する。
ステップS204では、S202で入力された制御指令値uに、予め記憶しておいたアクチュエータ20aへの入力電圧から制御空間100での音圧までの伝達関数を示すフィルタ60aであるGp1が乗算される。同様に、制御指令値uに、アクチュエータ20bへの入力電圧から制御空間100での音圧までの伝達関数を示すフィルタ60bであるGp2が乗算される。
ここで、フィルタ60aとフィルタ60bは、アクチュエータ20の入力電圧から騒音までの伝達関数を離散時間システムとして同定した上で、逆Z変換をすることでIIRフィルタとして予め設定しておく。この後に、フローはステップS205へ移行する。
ステップS205では、S203とS204で得た信号全てが加算部36で加算され、得られた信号を騒音の推定値SPL_estとして出力する。
次に、フィルタ50の決定方法について述べる。
図6は車体への入力振動(振動源)と加速度、車室内騒音との関係を示している。車体への入力振動fは、伝達関数H(s)を通して加速度センサ10a、10b、10c、10dに伝わる。一方で、入力振動fは車室内の空気を伝播して制御空間100での騒音となる。このときの空気伝播の伝達関数をR(s)とおく。また、加速度センサ10a、10b、10c、10dで検出される加速度をそれぞれα、α、α、αとおく。さらに、制御空間100で測定されるロードノイズをSPLとおく。このとき、入力振動fのラプラス変換をfL(s)、信号SPLのラプラス変換をSPLL(s)、加速度信号α1、α2、α3、α4のラプラス変換をそれぞれαL1(s)、αL2(s)、αL3(s)、αL4(s)とおくと、各信号間の関係は以下の式で表される。
Figure 0004940792
ここで、Hは各要素が伝達関数である4行1列の行列である。この関係式を用いて、加速度センサ10の加速度信号から騒音の推定値SPL_estを推定するためには、(数式7)を逆にfについて解き、(数式6)に代入すればよい。したがって、
Figure 0004940792
で表される。ここで、H+は伝達関数行列H(s)の逆行列を表す。ここで、Hは正方行列ではなく、長方行列であるので、逆行列を計算することはできない。そこで、擬似逆行列
Figure 0004940792
を用いて演算を行う。ただし、mHをHの行の数、nHをHの列の数としたときに、
Figure 0004940792
であることが、H+を計算できるための必要条件である。
RH+は1行4列行列であるので、その要素を、
Figure 0004940792
とおくと、(数式8)は
Figure 0004940792
と変形することができる。ここで現れるW1、W2、W3、W4を図3に記載のフィルタ50a、50b、50c、50dとして設定する。したがって、加速度信号α〜αに対するフィルタ50(W)は
Figure 0004940792
の列ベクトルにより決定される。
図7に上記処理のフローチャートを示す。
ステップS301では、伝達関数Rと伝達関数Hが算出される。これらはあらかじめ算出しデータとして記憶しておいても良い。この後に、フローはステップS302へ移行する。
ステップS302では、伝達関数Hに基づいて、関数H+=(HT・H)-1・HTが算出される。この後に、フローはステップS303へ移行する。
ステップS303では、フィルタ50がW=RH+として算出される。
以上の方法で得られたフィルタ50の周波数応答例を図8に示す。図8の8A〜8Dのグラフはそれぞれ加速度センサ10a〜10dについてのグラフ示している。図中の点線は各加速度センサ10の加速度信号から制御空間100での騒音までの伝達関数を示し、実線はその伝達関数に(数式13)で計算されたフィルタ50を乗算した関数の特性を示している。ここで、ある周波数帯域で点線と実線が近い特性の時は、その加速度センサ10が検出したその周波数帯域の加速度信号に対しフィルタ50が大きな重み付けを行ったことを表している。例えば図8のグラフ8A〜8Dにおいて300Hz付近に注目すると、グラフ8Cでは実線と点線が近い値を示し、他のグラフ8A、8B、8Dでは実線と点線が離れている。この場合、300Hz付近では加速度センサ10cの加速度信号に大きな重みが付けられ、他の加速度センサ10の加速度信号には小さな重みが付けられていることを示している。
図9に、騒音の実測値と、上記のフィルタ50を用いて算出された騒音の推定値SPL_estを示す。点線が騒音の実測値で、実線が騒音推定部35で算出された騒音の推定値SPL_estを示す。図9より、本実施形態を用いることにより、騒音の推定値SPL_estが精度良く算出されていることがわかる。このように、本実施形態では、車室内の騒音を精度高く推定し、車室内騒音を効果的に低減することができる。
以上に示した処理によって、車室内における騒音を精度高く推定し、車室内の騒音を低減する騒音制御を効果的に行うことができる。しかしながら、アクチュエータ20が故障した場合には、車室内の騒音を低減するための適切な波動を発生することができなくなり、騒音制御を効果的に行うことが難しくなってしまうばかりか、故障の状態によってはアクチュエータ20から不適切な波動が発生されてしまい、騒音が増えてしまう可能性がある。
本実施形態は、アクチュエータの故障が検出された場合は騒音制御効果が得られないものとして、アクチュエータの故障が検出されない場合にのみ騒音制御を行うものである。
本実施形態における騒音推定部35の構造を前述した図3に示す。
本実施形態では、車両が停止している際に、テスト信号発生部40がアクチュエータ20にテスト信号を出力する。その際に加速度センサ10で検出した加速度信号に基づいて、アクチュエータ20の故障を判定し、アクチュエータ20の故障が検出されない場合にのみ、騒音制御を行う。なお、テスト信号発生中は、騒音制御は行われない。
以下、アクチュエータ20の故障の判定処理を、図10のフローチャートと図11の伝達関数の説明図を用いて説明する。
ステップS401では、故障判定を行うアクチュエータ20のアクチュエータi(i=1、2)に対し、テスト信号Siの周波数fiが設定される。ここで、アクチュエータ20a、20bをアクチュエータ1、2とする。この後に、フローはステップS402へ移行する。
ステップS402では、テスト信号発生部40が周波数fiのテスト信号Siをアクチュエータiに出力し、アクチュエータiが振幅Viの振動を行う。すなわち、i=1の場合は、テスト信号発生部40が周波数f1のテスト信号S1をアクチュエータ1に出力し、アクチュエータ1は振動V1の振動を行う。i=2の場合は、テスト信号発生部40が周波数f2のテスト信号S2をアクチュエータ2に出力し、アクチュエータ2は振動V2の振動を行う。この後に、フローはステップS403へ移行する。
ステップS403では、加速度センサjの検出信号が、アクチュエータiの振幅Viにアクチュエータiと加速度センサjとの間の伝達関数GAi,jを乗算した値と等しいか否かが判定される。この条件が成立する場合は、フローはステップS404へ移行する。一方、条件が成立しない場合は、フローはステップS406へ移行する。
ステップS404では、すべての加速度センサjについて、ステップS403の判定が行われたか否かが判定される。すべての加速度センサjについて、ステップS403の判定が行われた場合は、フローはステップS405へ移行する。一方、すべての加速度センサjについて、ステップS403の判定が行われていない場合は、フローはステップS403へ戻り、次の加速度センサjについてS403の判定が行われる。
ステップS405では、アクチュエータiがテスト信号Siに応じた振幅Viの振動を行っていることになり、アクチュエータiは正常であると判定される。この後に、フローはステップS408へ移行する。
ステップS406では、アクチュエータiがテスト信号Siに応じた振幅Viの振動を行っていないことになり、アクチュエータiは故障であると判定される。この後に、フローはステップS407へ移行する。
ステップS407では、アクチュエータiの故障が検出されたため、騒音制御は実施されず、停止とする。この後に、フローはステップS410へ移行する。
ステップS408では、すべてのアクチュエータiについて、ステップS403、S404による故障判定が行われたか否かが判定される。すべてのアクチュエータiについて、故障判定が行われた場合は、フローはステップS409へ移行する。一方、すべてのアクチュエータiについて、故障判定が行われていない場合は、フローはステップS401へ戻り、残りのアクチュエータiの故障判定が継続される。
ステップS409では、アクチュエータiの故障が検出されなかったため、前述した騒音制御を実施する。この後に、フローはステップS410へ移行する。
ステップS410で、処理が終了する。
ここで、テスト信号発生部40で発生したテスト信号Sをアクチュエータiに出力すると、アクチュエータiが振動して車室内に騒音が発生する。このため、テスト信号の周波数fは、乗員の可聴周波数帯域においてできるだけ騒音が小さくなる周波数を選ぶものとする。具体的には、図12に示すように、アクチュエータiと制御空間kとの間の伝達関数GSi,k のゲインが最小となる周波数fを、テスト信号Sの周波数fとする。図12においては、伝達関数GSi,k のゲインが所定値GS0以下となる周波数fを、テスト信号Sの周波数fとする。この条件を数式で表すと、
Figure 0004940792
となる。
なお、fmin、fmaxはそれぞれテスト信号の周波数の下限、上限を表す。
制御空間100が複数ある場合、アクチュエータiと制御空間kとの間の伝達関数GSi,kは、制御空間毎に異なるため、ある制御空間100においてテスト信号Siによる騒音が最小となっても、他の制御空間100ではテスト信号Siによる騒音が最小となるとは限らない。したがって、すべての制御空間100においてテスト信号Siによる騒音ができるだけ小さくなるように、テスト信号Siの周波数fiを設定するのが本実施例である。
具体的には、各アクチュエータiの各テスト信号Si毎に、各制御空間kにおけるテスト信号Siによる騒音ができるだけ小さくなる周波数fiを複数選択しておき、複数の制御空間100におけるテスト信号Siの共通の周波数fiを選択する。例えば、制御空間100が2箇所(制御空間1、2とする)、アクチュエータ20が1個(アクチュエータ1)あるものとする。この場合、図13に示すように、制御空間1におけるテスト信号S1の周波数の候補をf1、f2とし、制御空間2におけるテスト信号S2の周波数の候補をf3、f4とする。このうち、f1とf3が等しければ、この周波数をテスト信号S1とS2の周波数として設定する。
なお、周波数fiの候補を、周波数帯域として選択しておくことで、共通の周波数fiの設定が容易になる。
この条件を数式で表すと、
k個の制御空間100において、周波数fのテスト信号による騒音SPLk(f)ができるだけ小さくなるには、
Figure 0004940792
が最小となれば良い。
ここで、|Vi(f) |2を定数(例えば=1)と考えれば、
Figure 0004940792
すなわち、
Figure 0004940792
となる。
本実施例では、前述した実施形態に対し、テスト信号Siの選択基準が異なるもので、構成や処理フローは同一である。このため、テスト信号Siの選択についてのみ説明を行う。
前述した実施形態では、テスト信号Siは乗員の可聴周波数帯域においてできるだけ騒音が小さくなる周波数を選択したが、本実施例では、乗員の可聴周波数帯域においてできるだけ騒音が小さくなる周波数で、かつ加速度センサ10が検出する加速度信号ができるだけ大きくなる周波数を、テスト信号Siの周波数fiとして選択するものである。
図14に、乗員の可聴周波数帯域における、アクチュエータiと制御空間kとの間の伝達関数GSi,kゲイン特性と、アクチュエータiと加速度センサjとの間の伝達関数GAi,jゲイン特性を示す。図14上図において、テスト信号Sの周波数fは、アクチュエータiと制御空間kとの間の伝達関数GSi,k のゲインが所定値GS1以下となる周波数f、fが候補となる。ここで、図14下図において、アクチュエータiと加速度センサjとの間の伝達関数GAi,j のゲインが所定値GA1以下となる周波数fは、加速度センサ10が検出する加速度信号の値が小さく対象外となり、テスト信号Sの周波数fはfが選択される。
図14の条件を数式で表すと、
Figure 0004940792
ここで、αi,j(f)は、加速度センサjが検出したアクチュエータiの加速度信号を表す。
複数の制御空間において、乗員の可聴周波数帯域においてできるだけ騒音が小さくなる条件は、
Figure 0004940792
ができるだけ小さい値となればよい。
一方、加速度センサ10が検出する加速度信号ができるだけ大きくなる条件は、
Figure 0004940792
となる。ここで、αε(f)は、GAi,j(f)= GAi,opt(f)のときのαi,j(f)である。また、GAi,opt(f)は、伝達関数GAi,j のゲインが所定値以上となる周波数におけるGAi,jを表す。
この式は、例えば対数を用いて下記のように変形することで、より特徴がわかりやすく表現される。
Figure 0004940792
アクチュエータ20が複数ある場合は、各アクチュエータ20の故障判定を行う必要がある。このときの処理フローを図15に示す。
ステップS501では、アクチュエータ20のうち、故障判定を行うアクチュエータiがi=1として選択される。この後に、フローはステップS502へ移行する。
ステップS502では、アクチュエータiのテスト信号Siの周波数fiが設定される。周波数fiは、乗員の可聴周波数帯域においてできるだけ騒音が小さくなる周波数で、かつ加速度センサ10が検出する加速度信号ができるだけ大きくなる周波数が選択される。この後に、フローはステップS503へ移行する。
ステップS503では、アクチュエータiの故障判定が行われる。故障判定の方法は、前述した実施形態と同等である。この後に、フローはステップS504へ移行する。
ステップS504では、全てのアクチュエータiの故障判定が行われたか否かが判定される。全てのアクチュエータiの故障判定が行われた場合は、フローはステップS506へ移行し、処理が終了する。一方、全てのアクチュエータiの故障判定が行われていない場合は、フローはステップS505へ移行する。
ステップS505では、i=i+1として、次に故障判定を行うアクチュエータiが選択される。この後に、フローはステップS502へ移行し、アクチュエータiの故障判定が継続される。
本実施例では、複数の加速度センサ10が検出するテスト信号Siができるだけ大きくなる一つの周波数fiを選択して故障判定を行う。
テスト信号Siの周波数fiとして、複数の加速度センサ10の各加速度センサjが検出する加速度信号ができるだけ大きくなるような周波数fiを一つ選ぶには、各アクチュエータiと各加速度センサjとの間の伝達関数GAi,jの交点における周波数を求めればよい。
図16に、加速度センサ10が2個(加速度センサ1、2とする)、アクチュエータ2
0が1個の場合の、テスト信号S1の周波数f1の設定例を示す。図16中、粗い点線で示した曲線が加速度センサ1とアクチュエータ1との間の伝達関数GA1,1ゲイン特性を示し、細かい点線で示した曲線が加速度センサ2とアクチュエータ1との間の伝達関数GA1,2ゲイン特性を示している。加速度センサ1および加速度センサ2双方が検出するテスト信号S1ができるだけ大きくなる周波数は、この2つの曲線の交点における周波数foptとなる。
本実施例の処理フローを図17に示す。
ステップS601では、アクチュエータ20のうち、故障判定を行うアクチュエータiがi=1として選択される。この後に、フローはステップS602へ移行する。
ステップS602では、アクチュエータiと複数の加速度センサjとの間のそれぞれの伝達関数GAi,jゲイン特性の交点を算出する。
ステップS603では、ステップS602で算出した交点における周波数を、アクチュエータiのテスト信号Siの周波数fiとして設定する。この周波数fiが、複数の加速度センサiが検出する加速度信号ができるだけ大きくなる周波数となる。この後に、フローはステップS604へ移行する。
ステップS604では、アクチュエータiの故障判定が行われる。故障判定の方法は、前述した実施形態と同等である。この後に、フローはステップS605へ移行する。
ステップS605では、全てのアクチュエータiの故障判定が行われたか否かが判定される。全てのアクチュエータiの故障判定が行われた場合は、フローはステップS607へ移行し、処理が終了する。一方、全てのアクチュエータiの故障判定が行わていない場合は、フローはステップS606へ移行する。
ステップS606では、i=i+1として、次に故障判定を行うアクチュエータiが選択される。この後に、フローはステップS602へ移行し、アクチュエータiの故障判定が継続される。
なお、設定された周波数fiが、乗員の可聴周波数帯域においてできるだけ騒音が小さくなる周波数帯域に含まれていれば、周波数fiは、複数の加速度センサ10が検出するテスト信号Siができるだけ大きくなるとともに、乗員の可聴周波数帯域においてできるだけ騒音が小さくなる周波数となる。
以上説明した本発明の実施の形態の騒音制御装置によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
請求項1の発明は、車両の車体に配置され、該車体の振動を検出する複数のセンサと、
前記車体に、制御部によって制御された波動を加える波動印加部と、前記制御部が前記波動印加部に、前記波動印加部と前記車両の車室内の所定の空間との間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以下になるように、前記所定の空間毎に設定される所定の周波数の信号を出力した際の、前記センサの出力信号によって前記波動印加部の故障を検出する波動印加部故障検出部および、前記複数のセンサの各出力信号に基づき前記車両の車室内の所定の空間で聞こえる車室内騒音の推定値を算出する騒音推定部とを有し、前記制御部は、前記波動印加部故障検出部により前記波動印加部の故障が検出されない場合に、前記騒音推定部が算出した前記車室内騒音の推定値に基づいて前記波動印加部に前記波動を出力して前記車室内騒音を低減させる騒音制御を行うことを特徴としている。
この装置によれば、アクチュエータの故障が検出された場合は騒音制御効果が得られないものとして、アクチュエータの故障が検出されない場合にのみ騒音制御を行い、騒音制
御を効果的に行うことができるとともに、波動印加部の故障検出を行う際に所定の空間に発生する騒音をできるだけ小さくすることが可能であり、波動印加部の故障検出の際に騒音により乗員の快適性を大きく損なうことがない
また、請求項の発明は、請求項1に記載の騒音制御装置において、前記信号の所定の周波数は、前記波動印加部と複数の前記所定の空間との間の前記波動の複数の伝達関数のゲインが、複数の前記所定の空間で、ともに所定値以下になるように、一の周波数が設定されることを特徴としている。
この装置によれば、波動印加部の故障検出を行う際に複数の所定の空間に発生する騒音をできるだけ小さくすることが可能であり、波動印加部の故障検出の際に騒音により乗員の快適性を大きく損なうことがない。
また、請求項の発明は、請求項1または2に記載の騒音制御装置において、前記信号の所定の周波数は、前記波動印加部と前記センサとの間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以上となるように前記センサ毎に設定され、前記波動印加部故障検出部は前記センサ毎に設定された前記周波数を順次切り替えて前記波動印加部の故障を検出することを特徴としている。
この装置によれば、波動印加部の故障検出を行う際にセンサで検出する信号ができるだけ大きくなるようにすることが可能であり、波動印加部の故障検出を確実に行うことができる。
また、請求項の発明は、請求項1または2に記載の騒音制御装置において、前記信号の所定の周波数は、前記波動印加部と複数の前記センサとの間の前記波動の複数の伝達関数のゲインの交点における周波数として、一の周波数が設定されることを特徴としている。
この装置によれば、波動印加部の故障検出を行う際にセンサで検出する信号ができるだけ大きくなるようにすることが可能であり、波動印加部の故障検出を確実に行うことができる。また、複数のセンサで検出する信号ができるだけ大きくなるような信号の周波数を一つ設定するため、波動印加部の故障検出を効率良く行うことができる。
また、請求項の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の騒音制御装置において、前記波動印加部故障検出部による前記波動印加部の故障の検出は、前記車両停止中に行われることを特徴としている。
この装置によれば、車両停止中に波動印加部の故障検出を行うため、ロードノイズの影響を受けることなく、波動印加部の故障検出を確実に行うことができる。
さらに、請求項の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の騒音制御装置におい
て、前記波動は、前記車体に印加する車体振動または前記車体の前記車室内に生成する音
であることを特徴としている。
この装置によれば、車体に振動または音を印加することで、簡単に車室内騒音を低減することができる。
また、以上説明した本発明の実施の形態の騒音制御方法によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
請求項の発明は、車両の車体の振動を複数の検出箇所において検出するステップと、
前記振動に基づき前記車両の車室内の所定の空間で聴こえる車室内騒音の推定値を算出す
るステップと、前記車体に設置された波動印加箇所により前記車体に制御された波動を加
えるステップと、前記波動印加箇所に、前記波動印加箇所と前記所定の空間との間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以下になるように、前記所定の空間毎に設定される所定の周波数の信号を出力した際に、前記検出箇所が検出する前記振動によって前記波動印加箇所の故障を検出するステップと、前記波動印加箇所の故障が検出されない場合に、前記車室内騒音の推定値に基づいて前記波動印加箇所に前記波動を印加し前記車室内騒音を低減させる騒音制御を行うステップとを備えることを特徴としている。
この方法によれば、波動印加箇所の故障が検出された場合は騒音制御効果が得られないものとして、波動印加箇所の故障が検出されない場合にのみ騒音制御を行い、騒音制御を
効果的に行うことができるとともに、波動印加箇所の故障検出を行う際に所定の空間に発生する騒音をできるだけ小さくすることが可能であり、波動印加箇所の故障検出の際に騒音により乗員の快適性を大きく損なうことがない
また、請求項の発明は、請求項に記載の騒音制御方法において、前記信号の所定の周波数は、前記波動印加箇所と複数の前記所定の空間との間の前記波動の複数の伝達関数のゲインが、複数の前記所定の空間で、ともに所定値以下になるように、一の周波数が設定されることを特徴としている。
この方法によれば、波動印加箇所の故障検出を行う際に複数の所定の空間に発生する騒音をできるだけ小さくすることが可能であり、波動印加箇所の故障検出の際に騒音により乗員の快適性を大きく損なうことがない。
また、請求項の発明は、請求項7または8に記載の騒音制御方法において、前記信号の所定の周波数は、前記波動印加箇所と前記検出箇所との間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以上となるように前記検出箇所毎に設定され、前記検出箇所毎に設定された前記周波数を順次切り替えて前記波動印加箇所の故障を検出することを特徴としている。
この方法によれば、波動印加箇所の故障検出を行う際に検出箇所で検出する振動ができるだけ大きくなるようにすることが可能であり、波動印加箇所の故障検出を確実に行うことができる。
また、請求項10の発明は、請求項7または8に記載の騒音制御方法において、前記信号の所定の周波数は、前記波動印加箇所と複数の前記検出箇所との間の前記波動の複数の伝達関数のゲインの交点における周波数として、一の周波数が設定されることを特徴としている。
この方法によれば、波動印加箇所の故障検出を行う際に検出箇所で検出する振動ができるだけ大きくなるようにすることが可能であり、波動印加箇所の故障検出を確実に行うことができる。また、複数の検出箇所で検出する振動ができるだけ大きくなるような信号の周波数を一つ設定するため、波動印加箇所の故障検出を効率良く行うことができる。
また、請求項11の発明は、請求項10のいずれか1項に記載の騒音制御方法において、前記波動印加箇所の故障の検出は、前記車両停止中に行われることを特徴としている。
この方法によれば、車両停止中に波動印加箇所の故障検出を行うため、ロードノイズの影響を受けることなく、波動印加箇所の故障検出を確実に行うことができる。
また、請求項12の発明は、請求項11のいずれか1項に記載の騒音制御方法において、前記波動は、前記車体に印加する車体振動または前記車体の前記車室内に生成する音であることを特徴としている。
この方法によれば、車体に振動または音を印加することで、簡単に車室内騒音を低減することができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、実施例は本発明の例示にしか過ぎず、本発明は実施例の構成にのみ限定されるものではない。したがって本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれることはもちろんである。
例えば、加速度センサ10の数は4個に限定されるものではなく、必要な数を設定することができる。
また、ピエゾアクチュエータ20の数は2個に限定されるものではなく、加速度センサ10の数より少ない任意の数を設定することができる。
また、算出部38が行うフィードバック制御はH∞制御に限定されるものではなく、いかなるフィードバック制御を用いても良い。
また、以上の説明ではロードノイズ低減の場合への適用例を述べたが、本発明は他の騒音に対しても適用可能である。例えばエンジン騒音に対して用いる場合には、加速度センサ10をフロアパネルおよびダッシュパネル(図示省略)に設置することで、エンジン騒音の騒音制御を行うことができる。また、風切り音に対して用いる場合には、加速度センサ10をフロントピラー(図示省略)とルーフ(図示省略)に設置することで、風切り音の騒音制御を行うことができる。
路面の凹凸の影響による車体の振動およびロードノイズの主な伝播経路を示す図である。 本実施形態による騒音制御装置の略図である。 制御指令値算出部の内部の構造を示すブロック図である。 制御装置本体における騒音制御のフローチャートである。 騒音推定部における処理のフローチャートである。 車体への振動源信号と加速度、車室内騒音との関係を示す図である。 フィルタの算出処理のフローチャートである。 本実施形態によるフィルタの周波数応答例を示す図である。 騒音の実測値と推定値との比較図である。 アクチュエータの故障判定処理のフローチャートである。 伝達関数の説明図である。 アクチュエータと制御空間との間の伝達関数の周波数特性図である。 アクチュエータと制御空間との間の伝達関数の他の周波数特性図である。 アクチュエータと制御空間との間の伝達関数およびアクチュエータと加速度センサとの間の伝達関数の周波数特性図である。 実施例2における処理のフローチャートである。 実施例3におけるテスト信号の周波数の設定方法の説明図である。 実施例3における処理のフローチャートである。
符号の説明
10、10a〜10d 加速度センサ(センサ)
20、20a、20b アクチュエータ(波動印加部)
30 制御装置本体
31、31a〜31f 増幅部
32 制御指令値算出部
33、33a〜33f A/D変換部
34 駆動部故障検出部(波動印加部故障検出部)
35 騒音推定部
36 加算部
37 制御部
38 算出部
39 D/A変換部
40 テスト信号発生部
50、50a〜50d フィルタ
60 60a、60b 伝達関数
100 制御空間(所定の空間)
110 フロアパネル
120 車軸
130 サスペンション
140 メンバ
200 タイヤ

Claims (12)

  1. 車両の車体に配置され、該車体の振動を検出する複数のセンサと、
    前記車体に、制御部によって制御された波動を加える波動印加部と、
    前記制御部が前記波動印加部に、前記波動印加部と前記車両の車室内の所定の空間との間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以下になるように、前記所定の空間毎に設定される所定の周波数の信号を出力した際の、前記センサの出力信号によって前記波動印加部の故障を検出する波動印加部故障検出部と、
    前記複数のセンサの各出力信号に基づき前記所定の空間で聞こえる車室内騒音の推定値を算出する騒音推定部と、
    を有し、前記制御部は、前記波動印加部故障検出部により前記波動印加部の故障が検出されない場合に、前記騒音推定部が算出した前記車室内騒音の推定値に基づいて前記波動印加部に前記波動を出力して前記車室内騒音を低減させる騒音制御を行うことを特徴とする騒音制御装置。
  2. 前記信号の所定の周波数は、前記波動印加部と複数の前記所定の空間との間の前記波動の複数の伝達関数のゲインが、複数の前記所定の空間で、ともに所定値以下になるように、一の周波数が設定されることを特徴とする請求項1に記載の騒音制御装置。
  3. 前記信号の所定の周波数は、前記波動印加部と前記センサとの間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以上となるように前記センサ毎に設定され、前記波動印加部故障検出部は前記センサ毎に設定された前記周波数を順次切り替えて前記波動印加部の故障を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の騒音制御装置。
  4. 前記信号の所定の周波数は、前記波動印加部と複数の前記センサとの間の前記波動の複数の伝達関数のゲインの交点における周波数として、一の周波数が設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の騒音制御装置。
  5. 前記波動印加部故障検出部による前記波動印加部の故障の検出は、前記車両停止中に行われることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の騒音制御装置。
  6. 前記波動は、前記車体に印加する車体振動または前記車体の前記車室内に生成する音であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の騒音制御装置。
  7. 車両の車体の振動を複数の検出箇所において検出するステップと、
    前記振動に基づき前記車両の車室内の所定の空間で聴こえる車室内騒音の推定値を算出するステップと、
    前記車体に設置された波動印加箇所により前記車体に制御された波動を加えるステップと、
    前記波動印加箇所に、前記波動印加箇所と前記所定の空間との間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以下になるように、前記所定の空間毎に設定される所定の周波数の信号を出力した際に、前記検出箇所が検出する前記振動によって前記波動印加箇所の故障を検出するステップと、
    前記波動印加箇所の故障が検出されない場合に、前記車室内騒音の推定値に基づいて前記波動印加箇所に前記波動を印加し前記車室内騒音を低減させる騒音制御を行うステップとを備えることを特徴とする騒音制御方法。
  8. 前記信号の所定の周波数は、前記波動印加箇所と複数の前記所定の空間との間の前記波動の複数の伝達関数のゲインが、複数の前記所定の空間で、ともに所定値以下になるように、一の周波数が設定されることを特徴とする請求項に記載の騒音制御方法。
  9. 前記信号の所定の周波数は、前記波動印加箇所と前記検出箇所との間の前記波動の伝達関数のゲインが所定値以上となるように前記検出箇所毎に設定され、前記検出箇所毎に設定された前記周波数を順次切り替えて前記波動印加箇所の故障を検出することを特徴とする請求項7または8に記載の騒音制御方法。
  10. 前記信号の所定の周波数は、前記波動印加箇所と複数の前記検出箇所との間の前記波動の複数の伝達関数のゲインの交点における周波数として、一の周波数が設定されることを特徴とする請求項7または8に記載の騒音制御方法。
  11. 前記波動印加箇所の故障の検出は、前記車両停止中に行われることを特徴とする請求項
    10のいずれか1項に記載の騒音制御方法。
  12. 前記波動は、前記車体に印加する車体振動または前記車体の前記車室内に生成する音で
    あることを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載の騒音制御方法。
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