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JP4941733B2 - 電流増幅回路 - Google Patents
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JP4941733B2 - 電流増幅回路 - Google Patents

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Description

本発明は、電流増幅回路に関する。特に、本発明は、増幅率が可変である電流増幅回路に関する。
入力電流を増幅して出力する電流増幅回路が知られている。電流増幅回路は、半導体集積回路中の信号処理回路や演算回路等において用いられる。電流増幅の方式としては、カレントミラー回路を用いる方式(例えば特許文献1参照)や、差動増幅回路と負荷抵抗を用いる方式が知られている。
また、抵抗値が可変である抵抗変化素子の一種として、「磁気抵抗効果素子」が知られている。典型的な磁気抵抗効果素子は、反強磁性体層、磁化固定層(ピン層)、非磁性層、磁化自由層(フリー層)が順番に積層された構造を有している。非磁性層は、磁化固定層と磁化自由層によって挟まれている。磁化固定層及び磁化自由層は、強磁性体層であり、自発磁化を有している。磁化固定層の磁化の向きは、反強磁性体層によって実質的に固定されている。一方、磁化自由層の磁化の向きは、磁化容易軸に沿って反転可能であり、磁化固定層の磁化の向きと平行、あるいは、反平行となり得る。
このような積層構造の積層方向の抵抗値は、磁化固定層と磁化自由層との間の磁化方向の関係に依存する。具体的には、磁化固定層と磁化自由層の磁化の向きが“反平行”である場合の抵抗値(R+ΔR)は、磁気抵抗効果により、“平行”である場合の抵抗値(R)よりも大きくなる。その抵抗変化率(MR比)ΔR/Rは、数10〜数100%になることが知られている。このように、磁気抵抗効果素子は、高抵抗値と低抵抗値の2値を取り得る。その抵抗値は、不揮発的に保持される。
抵抗値は、磁化自由層と磁化固定層との間に定電圧を印加する、あるいは、定電流を流すことにより測定可能である。一方、抵抗値を変化させるには、磁化自由層の磁化の向きを反転させればよい。その磁化方向を反転させるために、典型的には、外部磁場が磁化自由層に印加される。外部磁場は、磁気抵抗効果素子の近傍に設けられた書き換え配線に書き換え電流を流すことにより生成される。磁化自由層に印加される外部磁場の方向は、書き換え電流の方向により制御可能である。その外部磁場の方向を制御することにより、高抵抗値あるいは低抵抗値への書き換えが可能となる。このように、磁気抵抗効果素子の抵抗値は、素子製造後にも電気的に変更可能であり、且つ、不揮発的に保持される。
磁気抵抗効果素子としては、トンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunnel MagnetoResistance)素子や、巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant MagnetoResistance)素子が知られている。TMR素子の場合、磁化自由層と磁化固定層に挟まれる非磁性層は、Al膜等の薄いトンネル絶縁膜である。GMR素子の場合、非磁性層は例えばCu膜である。TMR素子やGMR素子は、例えば、磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルとして用いられる(特許文献2参照)。
特許文献3には、磁気抵抗効果素子に製造ばらつきがあった場合でも、抵抗変化を出力できる回路構成が開示されている。その回路構成によれば、磁気抵抗効果素子の一端が、直流電源の一端に接続される。また、可変抵抗素子の一端も、その直流電源の一端に接続される。磁気抵抗効果素子の他端は、カレントミラー回路の電流入力端に接続され、可変抵抗素子の他端は、カレントミラー回路の電流出力端に接続される。カレントミラー回路の共通端子は、直流電源の他端に接続される。カレントミラー回路は、磁気抵抗効果素子と可変抵抗素子に等しい電流を流す。比較回路は、磁気抵抗効果素子11の他端の電圧と可変抵抗素子の他端の電圧とを比較する。
特開2006−221579号公報 特開2003−85966号公報 特開平10−20007号公報
電流増幅回路として従来のカレントミラー回路が用いられる場合、電流増幅率は、回路レイアウトに依存して固定される。したがって、回路製造後に電流増幅率を変更することはできない。
一方、差動増幅回路と負荷抵抗が用いられる場合、トランジスタのチャネル抵抗を負荷抵抗として用い、ゲート電圧を制御することによって、電流増幅率を可変に設定することができる。但しこの場合、電流増幅率を保持するためには、負荷トランジスタにゲート電圧を常に印加し続ける必要がある。電力供給が切断されると、その電流増幅率の設定は消えてしまう。電流増幅率の設定を記憶しておくように、不揮発性メモリと制御回路を別途設けることも考えられる。しかしながら、不揮発性メモリと制御回路は差動増幅回路に比べてはるかに大きいため、集積回路が全体として大規模且つ複雑になってしまう。
本発明の目的は、電流増幅率が可変であり、且つ、その電流増幅率を不揮発的に保持することができる電流増幅回路を提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の第1の観点において、電流増幅回路は、入力電流(Iin)が入力される入力端子(IN)と、出力電流(Iout)が出力される出力端子(OUT)と、入力端子(IN)に一端が接続された第1抵抗素子(10)と、入力端子(IN)に一端が接続された第2抵抗素子(20)と、第1抵抗素子(10)の他端と出力端子(OUT)との間に介在する第1カレントミラー回路(40)と、第2抵抗素子(20)の他端と出力端子(OUT)との間に介在する第2カレントミラー回路(50)と、を備える。第1カレントミラー回路(40)は、出力端子(OUT)に電流を流し込むように構成され、一方、第2カレントミラー回路(50)は、当該出力端子(OUT)から電流を引き込むように構成される。上記第1抵抗素子(10)と第2抵抗素子(20)の少なくとも1つは、磁気抵抗効果素子である。
例えば、第1抵抗素子(10)と第2抵抗素子(20)の双方が磁気抵抗効果素子である。その場合、入力端子(IN)に入力される入力電流(Iin)は、2つの磁気抵抗効果素子の抵抗値(R1,R2)に応じて分流される。第1カレントミラー回路(40)は、一方の磁気抵抗効果素子(10)を流れる電流に応じた電流を出力端子(OUT)に流し込む。第2カレントミラー回路(50)は、他方の磁気抵抗効果素子(20)を流れる電流に応じた電流を出力端子(OUT)から引き込む。これら2つの電流の差分が、出力電流(Iout)として出力端子(OUT)から出力される。
入力電流(Iin)に対する出力電流(Iout)の増幅率は、2つの磁気抵抗効果素子(10,20)のそれぞれを流れる電流の比率によって決まる。その電流の比率は、2つの磁気抵抗効果素子(10,20)のそれぞれの抵抗値(R1,R2)によって決まる。従って、磁気抵抗効果素子(10,20)の抵抗値(R1,R2)を制御することによって、電流増幅率を可変に設定することが可能となる。また、磁気抵抗効果素子(10,20)は抵抗値(R1,R2)を不揮発的に保持する。従って、本発明に係る電流増幅回路の電流増幅率も不揮発的に保持される。電流増幅率を不揮発的に保持するために、不揮発性メモリや制御回路は不要である。その結果、集積回路の規模の増大が防止される。
更に、磁気抵抗効果素子(10,20)の場合、その抵抗値(R1,R2)を外部磁場の印加により変化させることが可能である。その外部磁場は、入力電流(Iin)とは別の電流経路(13,23)を流れる書き換え電流(IW1,IW2)により生成される。このことは、入力電流(Iin)を入力したまま、磁気抵抗効果素子(10,20)の抵抗値(R1,R2)を変化させることができることを意味する。言い換えれば、電流増幅回路の動作を停止することなく、電流増幅動作と増幅率変更を並行して行うことができる。集積回路に複数の電流増幅回路が搭載される場合、その集積回路を動作させたままで、複数の電流増幅回路のそれぞれの電流増幅率を一括して変更することが可能である。
本発明の第2の観点において、電流増幅回路は、入力電流(Iin1〜Iin3)がそれぞれ入力される複数の電源増幅ユニット(CA1〜CA3)と、それら電源増幅ユニット(CA1〜CA3)に対して共通に設けられた出力端子(OUT)とを備える。複数の電流増幅ユニット(CA1〜CA3)の各々は、入力電流(Iin)が入力される入力端子(INa)と、入力端子(INa)に一端が接続された第1抵抗素子(10)と、入力端子(INa)に一端が接続された第2抵抗素子(20)と、第1抵抗素子(10)の他端と出力端子(OUT)との間に介在する第1カレントミラー回路(40)と、第2抵抗素子(20)の他端と出力端子(OUT)との間に介在する第2カレントミラー回路(50)と、を備える。第1カレントミラー回路(40)は、出力端子(OUT)に電流を流し込むように構成され、一方、第2カレントミラー回路(50)は、当該出力端子(OUT)から電流を引き込むように構成される。上記第1抵抗素子(10)と第2抵抗素子(20)の少なくとも1つは、磁気抵抗効果素子である。
本発明の第3の観点において、電流増幅回路は、入力電流(Iin)が入力される入力端子(IN)と、出力電流(Iout)が出力される出力端子(OUT)と、入力端子(IN)に一端が接続された第1抵抗素子と、入力端子(IN)に一端が接続された第2抵抗素子と、第1抵抗素子の他端と出力端子(OUT)との間に介在する第1カレントミラー回路(40)と、第2抵抗素子の他端と出力端子(OUT)との間に介在する第2カレントミラー回路(50)と、を備える。第1カレントミラー回路(40)は、出力端子(OUT)に電流を流し込むように構成され、一方、第2カレントミラー回路(50)は、当該出力端子(OUT)から電流を引き込むように構成される。上記第1抵抗素子と第2抵抗素子の少なくとも1つは、電気的に抵抗値を変更可能であり且つ不揮発的に抵抗値を保持する可変抵抗素子である。
本発明に係る電流増幅回路によれば、回路製造後であっても、電流増幅率を電気的に変化させることが可能である。また、本発明に係る電流増幅回路は、電源の切断後であっても、電流増幅率を不揮発的に保持することが可能である。電流増幅率を不揮発的に保持するために、不揮発性メモリ等の巨大な回路は不要であり、回路規模の増大が防止される。更に、磁気抵抗効果素子が用いられる場合、電流増幅動作を行いながら、電流増幅率を変更することも可能である。
1.第1の実施の形態
1−1.構成
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る電流増幅回路1の構成を示す回路図である。図1Bは、電流増幅回路1の記号を示している。電流増幅回路1は、入力電流Iinを受け取り、その入力電流Iinを可変の電流増幅率で増幅し、増幅後の電流を出力電流Ioutとして出力する。この電流増幅回路1は、入力電流Iinが入力される入力端子IN、出力電流Ioutが出力される出力端子OUT、第1抵抗素子10、第2抵抗素子20、第1カレントミラー回路40、及び第2カレントミラー回路50を備えている。
本実施の形態において、抵抗素子10、20は、磁気抵抗効果素子である。以下、第1抵抗素子10は第1磁気抵抗効果素子10と参照され、第2抵抗素子20は第2磁気抵抗効果素子20と参照される。
磁気抵抗効果素子としては、TMR素子やGMR素子が用いられる。図2は、磁気抵抗効果素子の特性を示している。縦軸は、磁気抵抗効果素子の抵抗値Rを示し、横軸は、書き換え電流IWを示す。抵抗値Rは、高い値RHと低い値RLの2値を取り得る。その抵抗値Rは、書き換え電流IWにより発生する外部磁場を印加することにより変更可能である。図2に示されるように、書き換え電流IWの方向に応じて、抵抗値Rは、高抵抗値RHまたは低抵抗値RLとなる。書き換え電流IWの供給が停止した後でも、抵抗値Rは不揮発的に保持される。書き換え電流IWは、磁気抵抗効果素子の近傍に設けられる書き換え配線を流れる。その書き換え配線は、磁気抵抗効果素子から電気的に絶縁されている。従って、磁気抵抗効果素子を貫通するように電流を流しながら、抵抗値Rを書き換えることが可能である。
再度図1Aを参照して、第1磁気抵抗効果素子10は、2つの読み出し端子11、12を有している。一方の読み出し端子11は、上記入力端子INに接続されており、他方の読み出し端子12は、第1カレントミラー回路40の入力に接続されている。電流は、2つの読み出し端子11、12の間を、第1磁気抵抗効果素子10を貫通するように流れることができる。それら読み出し端子11、12間の抵抗値は、R1で与えられるとする。また、第1磁気抵抗効果素子10の近傍には、書き換え電流IW1が流れる書き換え配線13が設けられている。書き換え配線13は、第1磁気抵抗効果素子10から電気的に絶縁されている。書き換え配線13の両端は書き換え端子14、15に接続されており、それら書き換え端子14、15を用いることにより書き換え電流IW1を双方向に流すことが可能である。その書き換え電流IW1の方向に応じて、第1磁気抵抗効果素子10の抵抗値R1は、高抵抗値RHあるいは低抵抗値RLに変化する。
同様に、第2磁気抵抗効果素子20は、2つの読み出し端子21、22を有している。一方の読み出し端子21は、上記入力端子INに接続されており、他方の読み出し端子22は、第2カレントミラー回路50の入力に接続されている。電流は、2つの読み出し端子21、22の間を、第2磁気抵抗効果素子20を貫通するように流れることができる。それら読み出し端子21、22間の抵抗値は、R2で与えられるとする。また、第2磁気抵抗効果素子20の近傍には、書き換え電流IW2が流れる書き換え配線23が設けられている。書き換え配線23は、第2磁気抵抗効果素子20から電気的に絶縁されている。書き換え配線23の両端は書き換え端子24、15に接続されており、それら書き換え端子24、15を用いることにより書き換え電流IW2を双方向に流すことが可能である。その書き換え電流IW2の方向に応じて、第2磁気抵抗効果素子20の抵抗値R2は、高抵抗値RHあるいは低抵抗値RLに変化する。
図1Aにおいて、書き換え配線13と23は、共通の書き換え端子15に接続されている。その結果、図1Bに示されるように、電流増幅回路1は“5端子素子”となる。共通の書き換え端子15を用いることにより、端子数が削減される。尚、書き換え配線13、23は、それぞれ異なる書き換え端子に接続されていてもよい。
第1カレントミラー回路40は、第1磁気抵抗効果素子10の読み出し端子12と出力端子OUTとの間に介在している。つまり、第1カレントミラー回路40の入力は第1磁気抵抗効果素子10に接続され、その出力は出力端子OUTに接続されている。この第1カレントミラー回路40は、NMOSトランジスタN1、N2、PMOSトランジスタP1、P2から構成されている。
NMOSトランジスタN1、N2のソース端子は電源VN(グランド電源あるいは負電圧電源)に接続されている。NMOSトランジスタN1のゲート端子及びドレイン端子は、読み出し端子12に共通に接続されている。NMOSトランジスタN2のゲート端子は、NMOSトランジスタN1のゲート端子に接続され、そのドレイン端子はPMOSトランジスタP1のドレイン端子に接続されている。これらNMOSトランジスタN1、N2は、1つのカレントミラー回路を構成している。また、PMOSトランジスタP1、P2のソース端子は電源VP(正電圧電源)に接続されている。PMOSトランジスタP1のゲート端子及びドレイン端子は、NMOSトランジスタN2のドレイン端子に共通に接続されている。PMOSトランジスタP2のゲート端子は、PMOSトランジスタP1のゲート端子に接続され、そのドレイン端子は出力端子OUTに接続されている。これらPMOSトランジスタP1、P2は、他のカレントミラー回路を構成している。
このように、第1カレントミラー回路40は、偶数段(2段)のカレントミラー回路である。言い換えれば、第1カレントミラー回路40は、出力端子OUTに対して電流を流し込む構成を有している。第1カレントミラー回路40は、第1磁気抵抗効果素子10を流れる電流に応じた電流を、出力端子OUTに流し込む。第1カレントミラー回路40の電流増幅率(ミラー比)は、適用回路に合わせて適宜調整される。
第2カレントミラー回路50は、第2磁気抵抗効果素子20の読み出し端子22と出力端子OUTとの間に介在している。つまり、第2カレントミラー回路50の入力は第2磁気抵抗効果素子20に接続され、その出力は出力端子OUTに接続されている。この第2カレントミラー回路50は、NMOSトランジスタN3、N4から構成されている。
NMOSトランジスタN3、N4のソース端子は電源VNに接続されている。NMOSトランジスタN3のゲート端子及びドレイン端子は、読み出し端子22に共通に接続されている。NMOSトランジスタN4のゲート端子は、NMOSトランジスタN3のゲート端子に接続され、そのドレイン端子は出力端子OUTに接続されている。これらNMOSトランジスタN3、N4は、1つのカレントミラー回路を構成している。
このように、第2カレントミラー回路50は、奇数段(1段)のカレントミラー回路である。言い換えれば、第2カレントミラー回路50は、出力端子OUTから電流を引き込む(吸い込む)構成を有している。第2カレントミラー回路50は、第2磁気抵抗効果素子20を流れる電流に応じた電流を、出力端子OUTから引き込む。第2カレントミラー回路50の電流増幅率(ミラー比)は、適用回路に合わせて適宜調整される。
尚、カレントミラー回路40、50を構成するトランジスタは、MOSトランジスタに限られない。例えば、電流精度を向上させるために、バイポーラトランジスタ等の信号増幅機能を持つトランジスタが用いられてもよい。
1−2.動作
まず、電流増幅動作は次の通りである。入力端子INに入力される入力電流Iinは、2つの磁気抵抗効果素子10、20の抵抗値R1,R2に応じて分流される。抵抗値が低い方の磁気抵抗効果素子には、より多くの電流が流れる。抵抗値が同じ場合、2つの磁気抵抗効果素子10、20には同じ大きさの電流が流れる。第1磁気抵抗効果素子10には電流I10が流れ、第2磁気抵抗効果素子20には電流I20が流れるとする。このとき、次の式(1)、(2)が得られる。
式(1):Iin=I10+I20
式(2):R1×I10=R2×I20
第1カレントミラー回路40は、電流I10に応じた電流を出力端子OUTに流し込む。一方、第2カレントミラー回路50は、電流I20に応じた電流を出力端子OUTから吸い込む。例えば、カレントミラー回路40、50の電流増幅率は、同じ値βに設計されているとする。このとき、第1カレントミラー回路40は、出力端子OUTに電流I10×βを流し込む。一方、第2カレントミラー回路50は、出力端子OUTから電流I20×βを吸い込む。これら2つの電流の差分が、出力電流Ioutとして出力端子OUTから出力される。このとき、出力電流Ioutは、次の式(3)で与えられる。また、式(1)〜(3)から、次の式(4)が得られる。
式(3):Iout=β(I10−I20)
式(4):Iout={β(R2−R1)/(R2+R1)}×Iin
電流増幅回路1の電流増幅率は、Iout/Iin=β(R2−R1)/(R2+R1)で与えられる。R1<R2の場合、すなわち、R1=RL、R2=RHの場合、電流増幅率は正になる。R1=R2の場合、電流増幅率はゼロになる。R1>R2の場合、すなわち、R1=RH、R2=RLの場合、電流増幅率は負になる。このように、電流増幅率は、磁気抵抗効果素子10、20の抵抗値R1、R2に応じて、“正”、“ゼロ”、“負”の3状態を取り得る。
磁気抵抗効果素子10、20の抵抗変化率(MR比)αは、(RH−RL)/RLである。このMR比αを用いることにより、次の式(5)が得られる。
式(5):
Iout=0 :R1=R2の場合
Iout=+α/(2+α)・β・Iin :R1=RL、R2=RHの場合
Iout=−α/(2+α)・β・Iin :R1=RH、R2=RLの場合
図3は、電流増幅回路1の入力電流−出力電流特性を示している。横軸は入力電流Iinを示し、縦軸は出力電流Ioutを示している。カレントミラー回路40、50の電流増幅率βは1.0であるとする。図3に示されるように、抵抗値R1とR2が等しい場合、出力電流Ioutは流れない(以下、状態“Z”と参照される)。抵抗値R1とR2が異なる場合、それら抵抗値R1とR2の大小関係により、電流増幅率の正負、すなわち、出力電流Ioutの方向が変わる。R1=RL、R2=RHの場合、電流増幅率は正となる(以下、状態“P”と参照される)。R1=RH、R2=RLの場合、電流増幅率は負となる(以下、状態“N”と参照される)。
尚、図3に示されるように、入力電流Iinが0〜20μAの範囲で、入力電流Iinにほぼ比例した出力電流Ioutが得られている。つまり、入力電流Iinが0〜20μAの範囲で、上記式(4)、(5)で与えられる関係が得られている。しかしながら、入力電流Iinが大きくなりすぎると(〜20μA以上)、入出力特性の線形性が失われる。これは、磁気抵抗効果素子の特性に起因している。
想定される入力電流Iinの範囲で線形性が保たれるように、磁気抵抗効果素子の特性を調整することが必要である。本例では、読み出し端子に流れる電流が10μAの時の低抵抗値RLが約30kΩ、高抵抗値RHが約36kΩとなるように、磁気抵抗効果素子の特性が調整されている。その調整が困難な場合には、入力端子INの前段にカレントミラー回路を設けてもよい。その場合、カレントミラー回路で調整された入力電流Iinが入力端子INに入力される。そのカレントミラー回路の電流増幅率を調整することにより、上述の線形性を保つことが可能となる。
電流増幅回路1の電流増幅率を変更するための動作は次の通りである。電流増幅率を変更するためには、外部磁場を印加することによって、抵抗値R1,R2を所望の値に設定すればよい。そのために、書き換え配線13、23の少なくとも一方に書き換え電流が流される。書き換え電流IW1の方向は、抵抗値R1が所望の値に変わるように設定される。書き換え電流IW2の方向は、抵抗値R2が所望の値に変わるように設定される。書き換え配線13、23は、磁気抵抗効果素子10、20から電気的に絶縁されている。従って、入力電流Iinを供給しながら、書き換え電流IW1、IW2も供給することが可能である。すなわち、電流増幅動作と電流増幅率の変更を同時に行うことができる。
1−3.効果
以上に説明されたように、磁気抵抗効果素子10、20の抵抗値R1、R2を電気的に制御することによって、電流増幅回路1の電流増幅率を可変に設定することが可能となる。また、磁気抵抗効果素子10、20は抵抗値R1、R2を不揮発的に保持する。従って、電流増幅回路1の電流増幅率も不揮発的に保持される。電流増幅率を不揮発的に保持するために、追加的な不揮発性メモリや制御回路は不要である。その結果、集積回路の規模の増大が防止される。
更に、磁気抵抗効果素子10、20が用いられる場合、その抵抗値R1、R2を外部磁場の印加により変化させることが可能である。その外部磁場は、入力電流Iinとは別の電流経路を流れる書き換え電流IW1、IW2により生成される。このことは、入力電流Iinを入力したまま、磁気抵抗効果素子10、20の抵抗値R1、R2を変化させることができることを意味する。言い換えれば、電流増幅回路1の動作を停止することなく、電流増幅動作と増幅率変更を並行して行うことができる。
本発明の活用例として、アナログ演算回路、ニューロチップ、などが挙げられる。集積回路に複数の電流増幅回路1が搭載される場合、その集積回路を動作させたままで、複数の電流増幅回路1のそれぞれの電流増幅率を一括して変更することが可能である。
2.第2の実施の形態
第1の実施の形態では、2つ抵抗素子10、20の両方に磁気抵抗効果素子が用いられた。第2の実施の形態では、一方の抵抗素子が磁気抵抗効果素子であり、他方の抵抗素子が固定抵抗である。図4Aは、第2の実施の形態に係る電流増幅回路1’の構成を示す回路図である。図4Bは、電流増幅回路1’の記号を示している。第1の実施の形態と同じ構成には同じ符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
図4Aで示された電流増幅回路1’において、上述の第2磁気抵抗効果素子20が、固定抵抗30で置換されている。固定抵抗30は、LSIで用いられる通常の抵抗と同様であり、ポリシリコン、拡散層などで形成される。固定抵抗30は、2つの読み出し端子31、32を有している。一方の読み出し端子31は、上記入力端子INに接続されており、他方の読み出し端子32は、第2カレントミラー回路50の入力に接続されている。それら読み出し端子31、32間の抵抗値は、R3で与えられるとする。固定抵抗30の抵抗値R3は固定であり、書き換え配線23や書き換え電流供給端子24は不要である。従って、図4Bに示されるように、電流増幅回路1’は“4端子素子”となる。
既出の式(4)と同様に、本実施の形態における出力電流Ioutは、次の式(6)で与えられる。
式(6):Iout={β(R3−R1)/(R3+R1)}×Iin
磁気抵抗効果素子10の抵抗値R1は、RHあるいはRLとなる。固定抵抗30の抵抗値R3は、例えば、RHとRLの間の値に設定される。R1=RL<R3の場合、電流増幅率は正になる(状態“P”)。一方、R1=RH>R3のとき、電流増幅率は負になる(状態“N”)。電流増幅率がゼロとなることはない。状態“Z”が得られないこと以外、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
3.第3の実施の形態
3−1.構成
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る電流増幅回路の構成を示す回路図である。本実施の形態に係る電流増幅回路は、入力電流Iinが入力される入力端子IN、出力電流Ioutが出力される出力端子OUT、複数の電流増幅ユニットCA1〜CA3、及びカレントミラー回路60を備えている。
電流増幅ユニットCA1〜CA3の各々は、第1の実施の形態で示された電流増幅回路1あるいは第2の実施の形態で示された電流増幅回路1’と同じ構成を有する。例えば、各電流増幅ユニットCAは、第1の実施の形態で示された電流増幅回路1と同じ構成を有する。
図5において、電流増幅ユニットCA1は、入力端子INa、書き換え端子14a、24a、15、及び出力端子OUTを有している。電流増幅ユニットCA2は、入力端子INb、書き換え端子14b、24b、15、及び出力端子OUTを有している。電流増幅ユニットCA3は、入力端子INc、書き換え端子14c、24c、15、及び出力端子OUTを有している。電流増幅ユニットCA1〜CA3の出力端子OUTは共通である。また、電流増幅ユニットCA1〜CA3の書き換え端子15も共通である。一方、電流増幅ユニットCA1〜CA3の入力端子INa、INb、INcはそれぞれ独立である。
入力端子INa、INb、INcのそれぞれには、入力電流Iin1、Iin2、Iin3が入力される。そのために、電源増幅ユニットCA1〜CA3の前段に、カレントミラー回路60が設けられている。つまり、電流増幅ユニットCA1〜CA3と入力端子INとの間に、カレントミラー回路60が設けられている。カレントミラー回路60は、入力端子INから入力電流Iinを受け取り、その入力電流Iinに応じた電流Iin1、Iin2、Iin3を電流増幅ユニットCA1〜CA3のそれぞれに出力する。
より詳細には、カレントミラー回路60は、NMOSトランジスタN11、N12、PMOSトランジスタP10、P11、P12、P13から構成されている。NMOSトランジスタN11とN12は、1つのカレントミラー回路を構成している。そのカレントミラー回路の入力は入力端子INに接続され、その出力はPMOSトランジスタP10〜P13に接続されている。PMOSトランジスタP10とP11は、1つのカレントミラー回路を構成し、電流増幅ユニットCA1に入力電流Iin1を出力する。PMOSトランジスタP10とP12は、1つのカレントミラー回路を構成し、電流増幅ユニットCA2に入力電流Iin2を出力する。PMOSトランジスタP10とP13は、1つのカレントミラー回路を構成し、電流増幅ユニットCA3に入力電流Iin3を出力する。
3−2.動作
入力端子INを通してカレントミラー回路60に入力電流Iinが入力される。カレントミラー回路60は、電流増幅ユニットCA1〜CA3のそれぞれに入力電流Iin1〜Iin3を供給する。電流増幅ユニットCA1〜CA3の各々の動作は、既出の実施の形態と同じである。電流増幅ユニットCA1〜CA3のそれぞれの出力電流の合計が、出力電流Ioutとして出力端子OUTから出力される。
図6は、本実施の形態に係る電流増幅回路の入力電流−出力電流特性を示している。横軸は入力電流Iinを示し、縦軸は出力電流Ioutを示している。回路全体の電流増幅率は、電流増幅ユニットCA1〜CA3の電流増幅率の和となる。電流増幅ユニットCA1〜CA3の各々は、状態“P”、状態“Z”、状態“N”のいずれかとなる。従って、電流増幅ユニットCA1〜CA3の状態の組み合わせに応じて、全体としての電流増幅率は様々に変化する。3つの電流増幅ユニットCA1〜CA3が用いられる場合、電流増幅率の設定数は7である。一般化すると、N個(Nは1以上の整数)の電流増幅ユニットCA1〜CANが用いられる場合、電流増幅率の設定数は2N+1となる。
図5中のカレントミラー回路60において、PMOSトランジスタP11〜P13のサイズや特性は全て同じであるとする。そのとき、入力電流Iin1〜Iin3は同じになる。また、電流増幅ユニットCA1〜CA3の特性も全て同じであるとする。この場合、設定可能な電流増幅率間の幅は、図6で示されたように等しくなる。但し、電流増幅率の設定は、図6に示されたものに限られない。PMOSトランジスタP11〜P13及び電流増幅回路CA1〜CA3のレイアウトや特性を変えることによって、電流増幅率の設定数や幅を調整することができる。
3−3.効果
本実施の形態によれば、既出の実施の形態と同様の効果が得られる。更に、電流増幅率の設定数が増加する。
4.その他の例
既出の実施の形態において、磁気抵抗効果素子以外の抵抗素子を用いることもできる。利用可能な素子は、電気的に抵抗値を変更可能であり、且つ、不揮発的にその抵抗値を保持する可変抵抗素子(抵抗変化素子)である。例えば、抵抗メモリ(ReRAM:Resistive RAM)で利用される抵抗変化素子が用いられる。その抵抗変化素子は、絶縁体または半導体の遷移金属酸化物を挟む金属電極を有する。100ns程度の電圧パルスを印加すると、その抵抗変化素子の抵抗が数桁変化する(抵抗スイッチング効果)。また、固体電解質中での金属イオンの析出・溶解反応を利用したナノブリッジが用いられてもよい。あるいは、相変化メモリ(Phase Change Memory)で利用され、熱によってアモルファス相(高抵抗)と結晶相(低抵抗)を切り替えることができる抵抗変化素子が用いられてもよい。
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る電流増幅回路の構成を示す回路図である。 図1Bは、第1の実施の形態に係る電流増幅回路の記号を示す図である。 図2は、磁気抵抗効果素子の特性を示すグラフである。 図3は、第1の実施の形態に係る電流増幅回路の入力電流−出力電流特性を示すグラフである。 図4Aは、本発明の第2の実施の形態に係る電流増幅回路の構成を示す回路図である。 図4Bは、第2の実施の形態に係る電流増幅回路の記号を示す図である。 図5は、本発明の第3の実施の形態に係る電流増幅回路の構成を示す回路図である。 図6は、第3の実施の形態に係る電流増幅回路の入力電流−出力電流特性を示すグラフである。
符号の説明
1,1’ 電流増幅回路
10 第1磁気抵抗効果素子
11、12 読み出し端子
13 書き換え配線
14、15 書き換え端子
20 第2磁気抵抗効果素子
21、22 読み出し端子
23 書き換え配線
24 書き換え端子
30 固定抵抗
31、32 読み出し端子
40 第1カレントミラー回路
50 第2カレントミラー回路
60 カレントミラー回路
IN 入力端子
OUT 出力端子
Iin 入力電流
Iout 出力電流
IW1 書き換え電流
IW2 書き換え電流
CA 電流増幅ユニット

Claims (8)

  1. 入力電流が入力される入力端子と、
    出力電流が出力される出力端子と、
    外部から書き換え電流が供給される書き換え端子と、
    前記入力端子に一端が接続された第1抵抗素子と、
    前記入力端子に一端が接続された第2抵抗素子と、
    前記第1抵抗素子の他端と前記出力端子との間に介在し、前記出力端子に電流を流し込む第1カレントミラー回路と、
    前記第2抵抗素子の他端と前記出力端子との間に介在し、前記出力端子から電流を引き込む第2カレントミラー回路と
    を備え、
    前記入力端子に入力された前記入力電流は、前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子のそれぞれの抵抗値に応じて、前記第1抵抗素子を流れる第1電流と前記第2抵抗素子を流れる第2電流とに分流され、
    前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子の少なくとも1つが磁気抵抗効果素子であり、
    前記磁気抵抗効果素子の抵抗値は、前記書き換え端子に供給される前記書き換え電流の方向に応じて可変である
    電流増幅回路。
  2. 請求項1に記載の電流増幅回路であって、
    前記第1抵抗素子及び前記第2抵抗素子の両方が磁気抵抗効果素子である
    電流増幅回路。
  3. 請求項1に記載の電流増幅回路であって、
    前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子の一方が磁気抵抗効果素子であり、他方が固定抵抗である
    電流増幅回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電流増幅回路であって、
    更に、前記書き換え電流が流れる書き換え配線を備え、
    前記書き換え配線は前記磁気抵抗効果素子から電気的に絶縁されている
    電流増幅回路。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の電流増幅回路であって、
    前記第1カレントミラー回路は、偶数段のカレントミラー回路であり、
    前記第2カレントミラー回路は、奇数段のカレントミラー回路である
    電流増幅回路。
  6. 入力電流がそれぞれ入力される複数の電流増幅ユニットと、
    前記複数の電流増幅ユニットに対して共通に設けられた出力端子と
    を備え、
    前記複数の電流増幅ユニットの各々は、
    前記入力電流が入力される入力端子と、
    外部から書き換え電流が供給される書き換え端子と、
    前記入力端子に一端が接続された第1抵抗素子と、
    前記入力端子に一端が接続された第2抵抗素子と、
    前記第1抵抗素子の他端と前記出力端子との間に介在し、前記出力端子に電流を流し込む第1カレントミラー回路と、
    前記第2抵抗素子の他端と前記出力端子との間に介在し、前記出力端子から電流を引き込む第2カレントミラー回路と
    を有し、
    前記入力端子に入力された前記入力電流は、前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子のそれぞれの抵抗値に応じて、前記第1抵抗素子を流れる第1電流と前記第2抵抗素子を流れる第2電流とに分流され、
    前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子の少なくとも1つが磁気抵抗効果素子であり、
    前記磁気抵抗効果素子の抵抗値は、前記書き換え端子に供給される前記書き換え電流の方向に応じて可変である
    電流増幅回路。
  7. 請求項に記載の電流増幅回路であって、
    更に、前記複数の電流増幅ユニットの前段に設けられたカレントミラー回路を備え、
    前記カレントミラー回路は、所定の電流を受け取り、前記所定の電流に応じた前記入力電流を前記複数の電流増幅ユニットのそれぞれに出力する
    電流増幅回路。
  8. 入力電流が入力される入力端子と、
    出力電流が出力される出力端子と、
    外部から書き換え電流が供給される書き換え端子と、
    前記入力端子に一端が接続された第1抵抗素子と、
    前記入力端子に一端が接続された第2抵抗素子と、
    前記第1抵抗素子の他端と前記出力端子との間に介在し、前記出力端子に電流を流し込む第1カレントミラー回路と、
    前記第2抵抗素子の他端と前記出力端子との間に介在し、前記出力端子から電流を引き込む第2カレントミラー回路と
    を備え、
    前記入力端子に入力された前記入力電流は、前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子のそれぞれの抵抗値に応じて、前記第1抵抗素子を流れる第1電流と前記第2抵抗素子を流れる第2電流とに分流され、
    前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子の少なくとも1つが、電気的に抵抗値を変更可能であり且つ不揮発的に抵抗値を保持する可変抵抗素子であり、
    前記可変抵抗素子の抵抗値は、前記書き換え端子に供給される前記書き換え電流によって可変である
    電流増幅回路。
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