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JP4942882B2 - 印刷胴のコーティング方法およびコーティング装置 - Google Patents
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JP4942882B2 - 印刷胴のコーティング方法およびコーティング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷胴を液体の層でコーティングする方法、特にフレキソ印刷用スリーブを赤外線感受性層でコーティングする方法に関する。本発明はまた、この方法を実施する装置およびこの方法により作製されるフレキソ印刷用スリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
紙、段ボール、フィルム、箔および積層板など種々の支持体への凸版印刷および活版印刷に用いられるフレキソ印刷版は良く知られている。フレキソ印刷版は、支持材とカバーシートまたは多層カバー要素との間に介在させた、一般に、エラストマー系バインダと単量体および光重合開始剤とを主成分とする光重合可能層を含む、光重合可能な要素から作製することができる。フォトマスクを通して画像位置を化学線で露光すると、光重合可能層の露光面は不溶化する。好適な溶剤により処理を施すと光重合可能層の非露光面が取り除かれ、フレキソ印刷に使用することができる印刷レリーフが残る。このような材料については米国特許第4,323,637号、同第4,427,759号および同第4,894,315号に記載されている。
【0003】
デジタル方式およびそれに関連したフォトマスクを必要としない記録用材料が開発されており、それらについてはWO94/03838、WO94/03839、WO96/16356および欧州特許第0767407号に記載がある。このような記録用材料は、先述したような従来の光重合可能層に加えて、一体化フォトマスクを形成可能な層を含んでいる。この追加層は赤外線に対して感受性でかつ化学線に対して不透明な、いわゆる赤外線感受性層である。この赤外線感受性層がデジタル方式でイメージングされ、それによって赤外線感受性材料が画像位置で気化するかまたは重ね合わされたフィルム上に転写される。引き続き、形成された一体化フォトマスクを通して光重合可能要素を全面的に露光し、非重合面および赤外線感受性層の残留面を洗い落とし、さらにその要素を乾燥させるとフレキソ印刷版が得られる。
【0004】
これらのデジタル方式は、シート状または円筒状のフレキソ印刷版の作製に使用される。円筒状フレキソ印刷版の場合、光重合可能層は円筒形のキャリヤ、いわゆるスリーブ表面にある。スリーブは、印字ドラムへの取り付けまたは取りはずしを容易かつ繰り返し行うことが可能である。このようなスリーブについては、欧州特許第0696247号に記載されている。容易に取り付けおよび取りはずし可能な印刷版の印刷生産量に関連した利点に加えて、円筒状印刷版には特別の用途がありまたその使用には利点がある。連続印刷版は、壁紙、装飾用紙および贈答品用包装紙などにおける連続模様のフレキソ印刷に適用される。また、このような円筒状印刷版は、レーザー露光用としてドラムに取って代わり得るまたはドラムに取り付けることが可能なレーザー露光器具に取り付けるのに好適である。
【0005】
デジタル式レーザーイメージングの場合、円筒状印刷要素は、イメージングプロセスに使用されるレーザー光線に感受性の薄層でコーティングしなければならない。現在、エラストマー系の軟質フレキソ印刷胴またはスリーブのコーティングは、二通りの方法、すなわち(a)リングコーティングと(b)スプレーコーティングによって行われている。
【0006】
リングコーティングは、印刷胴またはスリーブに触れるコーティング法であり、そのため通常硬質の固体グラビア印刷胴にのみ適用される。過去に、軟質のエラストマー系フレキソ印刷スリーブへのコーティングを試してみたが、軟質でべとついたエラストマー系フレキソ印刷スリーブの表面を損傷し引掻ききずをつけることが多かった。問題は、スリーブの光重合可能層がUV露光および加工前にコーティングされるため、コーティング時には硬化されておらず軟質のままであって、機械的損傷を非常に受けやすいという点にある。さらに、印刷胴が垂直に立っているためにコーティング時に流体がスリーブの先端まで流れ落ち、胴の最上部が最下部に対して塗膜重量が少ない状態で、塗膜が最上部から最下部まで不均一であることも判明した。このことは、特に乾燥が緩慢な塗料液の場合にやっかいな問題である。リングコーティングのその他の不利な点としては、先端(スリーブのコーティング開始点および終了点)において塗膜が清浄でないこと、(塗料容器に残存する塗料液のせいで)歩留まりが低いこと、およびコーティング後の清浄にかなりの努力を要することが挙げられる。
【0007】
したがって、軟質面に対してはスプレーコーティングのようなコーティング技術が好ましい。しかし、薄層のスプレー塗膜を達成することは難しく、円筒状スリーブをレーザーイメージングプロセスが要求する均一な塗膜で被覆するためには、特別なスプレーノズルが必要となる。均一な被覆が要求されるため、スプレー法を数回パス適用し、ピンホールの無い塗膜を得る必要がある。特にスリーブ径が小さい場合、スプレーコーンはスリーブの形状よりかなり大きくなり、これがもとで著しいスプレー過剰およびスプレー液の損失を生じることになる。先端(スリーブのコーティング開始点および終了点)では、テープで被覆しないかぎり、清浄でない過剰なスプレー塗装が観察される。また、コーティングに引火性溶剤を使用する場合には、スプレー液滴の引火性についても考慮しなければならない。これはときとして重大な安全上の問題となることがあり、器具には一定の保護が必要となる。
【0008】
印刷胴の表面に触れるもう1つのコーティング技術として、ローラーコーティングがある。塗料液はコーティングロールによってコーティング対象である表面に輸送され、それによってコーティングロールはこの表面に密着するかまたは表面に押しつけられる。特別なローラーコーティング法については、米国特許第5,279,861号に記載がある。この方法は、塗料液に浸漬された回転するコーティングロールが回転する印刷胴と接触し、その接触状態を保ちながら塗料液を印刷胴の表面にコーティングするような仕方で、印刷胴の一端から他端まで移動するようなローラーコーティングを含んでいる。
【0009】
しかしこの方法は、硬質でかつ固体のグラビア印刷胴にしか適用することができない。フレキソ印刷胴の場合、そのべとついた軟質の光重合可能面を、なんらかの引掻ききずを負わせることなしにまたはなんらかの表面欠陥なしにはコーティングし得ないため、この方法でコーティングすることはできない。ここでの表面欠陥は後に印刷画像の欠陥として現われ、印刷胴を使用不能とする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の1つの目的は、コーティング対象である印刷胴表面を損傷することなく均一な塗膜を可能とするコーティング方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、印刷胴を液体層でコーティングするコーティング方法であって、(a)コーティングロール表面に液体の流体境膜を形成する、(b)流体境膜が印刷胴の外表面に接触し、かつ印刷胴の外表面とコーティングロール表面との間に塗膜の隙間が形成されるように、コーティングロール表面を印刷胴の外表面から所定の距離に位置決めする、(c)印刷胴が液体層でコーティングされるような仕方で、印刷胴に対してコーティングロールの回転と移動を同時に行う、さらに(d)液体層を乾燥してコーティングされた印刷胴を形成する工程を含む方法により達成される。
【0012】
別の実施形態において、本発明は上記方法を実施する装置を提供する。
【0013】
さらに別の実施形態において、本発明は上記方法により作製されるフレキソ印刷スリーブを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、べとついているがために非常に感受性に富んだ表面を有する印刷胴用の、コーティング方法を提供する。印刷胴は、円筒形をした光重合可能な印刷要素である。上記コーティング方法は、スリーブによって支持された軟質でエラストマー系の円筒形光重合可能な印刷要素に対して用いることが好ましい。このような要素は、印刷スリーブと呼ばれている。上記方法は特にフレキソ印刷スリーブに対して用いられる。軟質でエラストマー系の円筒形光重合可能層を含む印刷要素の場合、その光重合可能層とは、円筒形支持体上のシートであってもよいし、または円筒形支持体上の円筒形に成形された連続層であってもよい。
【0015】
本発明の方法の主たる利点はノンインパクト方式であることであり、フレキソ印刷胴やフレキソ印刷スリーブの軟質でべとついた光重合可能面のような感受性面を、引掻ききずを負わせることなくまたは表面欠陥を生じることなくコーティングできる。印刷画像にいかなる欠陥も生じない。したがって、本発明のノンインパクトコーティング方法は、高品質印刷に対し優れた印刷胴およびスリーブを提供することになる。本発明の方法のさらなる利点は、印刷胴の全長にわたってコ−ティング層が非常に均一であることである。特に赤外線感受性フォトマスク層の場合、紫外線および赤外線に対し、印刷胴の全長にわたって非常に均一な光学濃度を達成することができる。
【0016】
総体的方法
本発明の方法は、液体すなわち塗料液の流体境膜を印刷胴の外表面に輸送する回転コーティングロールを用いる。印刷胴は、その前後方向の両端において、好ましくはチャックによって適切な位置に支持されるが、印刷胴の回転を支持するのに好適な手段であればいかなる手段によっても支持され得る。コーティングロールは、回転させたときにその表面に塗料液の流体境膜が形成されるのに必要な程度まで、塗料液を収容している容器内に浸漬される。コーティングロール表面は、流体境膜が印刷胴の外表面に接触しかつ印刷胴の外表面とコーティングロール表面との間に塗膜の隙間が形成されるように、印刷胴の外表面から所定の距離に位置決めされる。回転している印刷胴の表面は流体境膜と接触するが、コーティングロールとは接触しない。流体境膜は、印刷胴の表面に接触し同表面上に拡がる。印刷胴の回転と、コーティングロールの回転および移動とを同時に行うことによって、印刷胴の表面に塗料液の薄層がコーティングされる。コーティングロールの軸線は、印刷胴の軸線と直角に交わることが好ましい。
【0017】
流体境膜の厚さ分の間隙は、印刷胴の表面とコーティングロールの外表面との間で調整する。両表面が互いに触れ合うことはない。両表面の間隙には塗料液を充填する。コーティングロールと印刷胴とが直接接触すると、胴の感受性光重合可能層の表面が破壊されることになろう。この破壊は、光重合可能層の表面を塗料液で湿らせるのに必要にして十分な間隙を調整することによって回避することができる。したがって、この間隙によって、印刷胴は引掻ききずまたは機械的損傷を受けずに済むことになる。塗膜間隙の幅は約30〜800μm、好ましくは約40〜160μmである。特に50〜100μm幅の塗膜間隙が好適である。この塗膜間隙では、塗料液の流体境膜は2つの部分に割れる。塗料液の一方の部分は印刷胴表面に拡がり、そこに付着する。他の部分はコーティングロール表面に残る。コーティングロールの幅を変化させることによって、流体境膜を計ることが可能である。
【0018】
塗膜の均一性および厚さは、印刷胴の回転、コーティングロールの回転、およびコーティングロールと塗料液用容器を支持するコーティングテーブルの線速度によって制御できる。ロールの回転が速ければ速いほど、湿潤な塗膜の重量が大きくなる。本方法では、コーティング開始および終了のために単にコーティングロールを上下動するだけで、胴のコーティング開始および終了時において非常に清浄な先端をコーティングすることになる。
【0019】
塗料液は、全被覆面積をオーバーラップしながらかつ急速にレベリングしながら塗布することが好ましい。レベリングおよび乾燥が済むと、印刷胴表面には均一な層が得られる。特に塗料液をらせん状に塗布することによって、印刷胴表面には均一でかつオーバーラップした塗膜が得られる。コーティングパスは1回だけでよく、これによって全コーティングプロセスは非常に迅速かつ便利なものとなる。印刷胴の長さに沿って塗膜重量の変化は観察されない、すなわちリングコーティングの問題点であるムラのある塗膜は回避される。コーティング痕跡はレベリングされ、乾燥される。乾燥の間に印刷胴が回転するので、リングコーティングの場合のような非回転式印刷胴に比べ、塗料ははるかに速く乾燥する。乾燥は、温度18〜24℃、相対湿度20〜80%の周囲条件(室内気候条件)下で最も都合よく行われる。乾燥をより速く行うには、相対湿度30〜60%であることが好ましい。また、乾燥時間を高速度化するために熱風を適用することもでき、例えば24〜40℃の空気温度を利用することもできる。熱風が利用できず乾燥を周囲条件下で行う場合には、空気を動かしたりもしくは循環させることもでき、または印刷胴をコーティングプロセス時よりも高速で回転させることもできる。コーティングまたは乾燥サイクル時にコーティング層が塵埃により汚染されるのを避けるために、空気はフィルターに通したほうがよい。乾燥が済むと、印刷胴表面に非常に均一な薄い塗膜が得られる。
【0020】
同様にして、第2回パスで下塗り層に上塗りをすることによって多重層を適用することができる。必要ならば、コーティングおよび乾燥サイクルを繰り返すことによって異なる塗料溶液をコーティングすることもできる。塗膜重量の違いは、コーティングロールの回転を相応に変えることによって調整できる。多重の塗膜は、デジタルイメージング可能な赤外線感受性層の下面または上面に追加の機能層を組み入れる必要がある場合に有益であり、そのような機能層の例としては、磨耗改良および汚染低下ならびに/またはレーザー感受性の向上およびレーザーイメージングの高速化のためにデジタルイメージング可能な赤外線感受性層の下面に組み込んだリリース層などが挙げられる。これらの特質はユーザーの利便および高品質のフレキソ印刷版にとって重要である。
【0021】
コーティングロール
本発明のコーティングロールは、例えば特定のプラスチック、金属およびセラミック材料などの硬質な非弾性材料で作製することが好ましい。さらに、コーティングロール材料は、アルコール、エステル、ケトン、芳香族および脂肪族炭化水素などの塗料液に使用する有機溶剤に対して不溶性かつ耐性でなければならない。スポンジ様材料および発泡材料は、有機溶剤の浸透を非常に受けやすくまたそれによって膨潤しやすいため適さない。膨潤の結果、これらロール材料の幾何学的形状、特に直径が変化することになる。間隙が溶剤の吸収しだいで変化することになるため、これらロール材料は本発明の精密なコーティングプロセスに使用に適さないことになる。このような材料で作製されたコーティングロールは、ロール形状の変化および変形のせいでころがらなくなる。
【0022】
典型的な例では、本発明のコーティングプロセスに好適なコーティングロール材料は、ASTM D 2240に準じて測定したショアD硬さが少なくとも60であり、好ましくは少なくとも70である。ステンレス鋼のような金属、ならびにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリアクリレートおよびポリメタクリル酸エステルのような熱可塑性かつ熱硬化性の非エラストマー系ポリマーが好ましい。典型的な例では、Nylon(登録商標)のようなポリアミドおよびポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルが使用される。コーティングロールの表面は平滑であることも可能であるし、またはスクリーンもしくは線パターンを担持することも可能である。また、グラビア印刷の技術分野で知られているようなグラビアパターンを備えたコーティングロールも使用することができる。印刷胴に輸送される流体境膜は、このようなパターン化した表面を用いて計ることができる。典型的な例では、コーティングロールのロール径は60〜200mmであり、好ましくは90〜150mmである。特に直径100〜120mmのコーティングロールが使用される。典型的な例では、コーティングロールのロール幅は5〜50mmであり、好ましくは10〜40mmである。特に幅20〜30mmのコーティングロールが使用される。
【0023】
印刷胴
一般に、あらゆる種類の印刷胴を本発明の方法でコーティングし得る。好ましくは、金属性印刷胴またはシームレス光重合可能印刷層で被覆されたプラスチック製印刷胴が使用される。特に、シームレスエラストマー系フレキソ印刷胴およびスリーブを使用することができる。スリーブは、通常プラスチック材料で作製される中空シリンダーである。これらのスリーブは、好ましくは加圧空気によって拡張可能であることによって、容易にかつ繰り返して印刷ドラムへ取り付け、取り外すことができる。非弾性の透明または非透明ベーススリーブは、印刷品質を高めるための追加層を担持することができる。本発明の趣旨から逸脱することなく使用し得る典型的なスリーブは、欧州特許第0696号に開示されている。シームレス印刷胴およびシームレス印刷スリーブは、通常、平坦な光重合可能な印刷板を印刷ドラムまたはスリーブに巻きつけ、その両端を接合してシームレスの連続要素を形成することによって作製される。このような方法はDE2844426に開示されている。
【0024】
このようなフレキソ印刷胴の光重合可能層は、知られている光重合可能材料から形成される。最新の光重合可能材料であればいずれも使用することができる。それら光重合可能材料は通常、少なくとも1つのエラストマー系バインダと、少なくとも1つの光重合可能なエチレン不飽和単量体と、少なくとも1つの光重合開始剤または光重合開始剤系を含む。
【0025】
エラストマー系バインダの例としては、アルカジエン/アクリロニトリルコポリマー、エチレン/プロピレン/アルカジエンコポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸((メタ)アクリレート)コポリマー、およびスチレン、ブタジエンまたはイソプレンの熱可塑性エラストマー系ブロックコポリマーなどのポリアルカジエン類が挙げられる。スチレン、ブタジエンまたはイソプレンの線状および放射状熱可塑性エラストマー系ブロックコポリマーが好ましい。バインダの量は、光重合可能材料の総重量に対して65重量%が好ましい。
【0026】
有用な単量体は、例えば一価または多価アルコールのアクリレートおよびメタクリレート、(メタ)アクリルアミド、ならびにビニルエーテルおよびビニルエステルなどの一般的な共重合可能エチレン不飽和有機化合物であって、特に、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリト−ルなどのアクリレートおよび/あるいはメタクリレートならびにそれら化合物の混合物である。単量体の量は、光重合可能材料の総重量に対して少なくとも5重量%が好ましい。
【0027】
好ましい光重合開始剤は、例えばベンゾイン誘導体、ベンジルアセタール、ジアリールホスフィンオキシドなどの単一の光重合開始剤または光重合開始剤の系、ならびにそれらのトリフェニルホスフィン、第三級アミンなどとの混合物である。光重合開始剤の量は通常、光重合可能材料の総重量に対して0.001〜10重量%である。
【0028】
光重合可能組成物は、先に記述の主たる成分に加えて例えばUV吸収剤、熱安定剤、可塑剤および充填剤を含んでいてもよい。
【0029】
米国特許第4,323,637号、同第4,427,759号および同第4,894,315号に記載の光重合可能材料は特に好ましい。
【0030】
光重合可能材料の上に追加層があってもよい。特に、欧州特許第0654150号に記載されているようなバリヤー層が使われる。このようなバリヤー層には、化学線に対して不感受性の層と、それ自体感光性の層とが含まれる。第一の種類のバリヤー層の例としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレンとビニルアセテートとのコポリマーなどの従来リリース層として使用されている材料の層が挙げられる。ポリアミドは特に好ましい。第二の種類のバリヤー層の例としては、好ましくはエラストマー系バインダを含み単量体および光重合開始剤も含む感光性層、または光重合可能層と接触すると感光性となるような層であって、エラストマー系バインダおよび随意で充填剤またはその他添加剤を含むが単量体は含まないような層が挙げられる。好適な層は、米国特許第4,427,759号および同第4,464,675号に記載の、多層カバー要素のエラストマー系層として開示されている層である。
【0031】
光重合可能層の上に保護カバーシートがあってもよく、赤外線感受性材料の塗料を塗布する前に取り除いてもよい。光重合可能層上に赤外線感受性材料をコーティングした後、印刷胴は最外層、すなわち赤外線感受性層を保護するために除去可能なカバーシートを含んでいてもよい。
【0032】
塗料液
例えば保護材料、赤外線感受性材料、紫外線露光により硬化可能な材料などのあらゆる塗料材料が、塗料液として本発明の方法において使用可能である。赤外線感受性材料、特に赤外線による融蝕可能な材料を、本発明の方法によって印刷胴またはスリーブに適用できることが好ましい。このような材料から得られる層はレーザーによるイメージングが可能であり、フォトマスクを印刷胴と一体化できる。
【0033】
好ましい赤外線感受性材料は、現像液に可溶または分散可能であって、紫外線または可視光線に対し不透明、すなわちその光学濃度が少なくとも約2.5であり、さらに赤外線でイメージング可能である。これらの材料は、例えばシアニン色素、メロシアニン色素などの多置換フタロシアニン化合物、例えばカーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、二酸化クロムなどの無機顔料などの、750から20000nmの間の波長で高い赤外線吸収を伴う化合物、または例えばアルミニウム、銅などの金属を含む。赤外線吸収性化合物の量は通常、材料総重量に対して0.1〜50重量%である。化学線に対して光学濃度が少なくとも約2.5であることを達成するために、赤外線感受性材料は、例えば染料、または例えばヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、オキサラナライドなどの有機紫外線吸収剤、または顔料、特に前述したカーボンブラック、グラファイト、二酸化クロム、酸化亜鉛などの無機顔料など、化学線の透過を妨げる化合物を含有する。この化合物の量は通常、材料総重量に対して1〜70重量%である。赤外線感受性材料は、例えばニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルブチレート、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、アクリレ−トおよびメタクリレートおよびスチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリアミド、ポリビニルアルコール、スチレンとブタジエンまたはイソプレンの線状および放射状ブロックコポリマーのような熱可塑性のエラストマー系ポリマー、環状ゴムなどの高分子バインダを随意含有する。例えば可塑剤、均展剤、脱泡剤、粘度上昇剤、基材湿潤剤、粘着防止剤、顔料分散剤、スリップ剤などのその他の助剤も含有可能である。これらの化合物は従来の溶剤に溶かしてもよい。典型的な例では、水、アルコール、エステル、ケトン、炭化水素またはそれらの混合物のなどの溶剤が使用される。好適な赤外線感受性材料は、WO94/03838およびWO94/03839に開示されている材料である。
【0034】
赤外線感受性材料は通常、印刷胴またはスリーブの光重合可能層表面に本発明の方法でコーティングされる。前述のように、赤外線感受性材料をエラストマー系の層上にまたはリリース層上にコーティングすることも可能である。本発明の方法によって、非常に均一にかつ表面の引掻ききずまたはその他の損傷を生じることなく、赤外線感受性材料をべとついた光重合可能表面にコーティングすることができる。光学濃度(OD)=2.50〜5.00の範囲のバラツキは、印刷胴の開始点から終了点までで+/−5%より良好である。このことは、清浄なレーザー融蝕に必要とされる、ひいては高品質フレキソ印刷に必要とされる相応の高度の均一性を有する状態で、典型的な乾燥塗膜重量が5〜50mg/dm範囲であること、好ましくは20〜40mg/dm範囲であることに一致する。
【0035】
本発明の方法および装置の詳細な説明
本発明の装置のコーティングヘッドは、前記コーティングロールと塗料液用容器とから成り、両者ともコーティングテーブル上に取り付けられている。コーティングテーブルは、モータで駆動される制御装置によって左右横方向、印刷胴の水平軸に平行に移動可能である。同テーブルはまたモータによって上下動も可能であり、その結果、コーティングロールが印刷胴表面に対して上下方向に移動可能になっている。コーティングロールの下方部は容器内に充填した塗料液に浸かっている。
【0036】
全コーティングプロセスは、測定サイクル、位置決めサイクル、コーティングサイクルおよび乾燥サイクルから構成される。測定サイクルの間、ソフトウェアプログラムが、2つの高精度光ファイバセンサを介して胴表面とコーティングロール表面の相対的位置を決定し、さらに印刷胴のコーティング開始点を決定する。次いでソフトウェアは、モータを制御してコーティングヘッドをコーティング開始位置に移動し、コーティング開始位置の左または右に移動しさらに上方に移動して、コーティングサイクルの間にコーティングロール表面と印刷胴の外表面の間で30〜800μmの所定の間隙が維持されるようにする。塗料は、印刷胴とコーティングロールの同時回転およびコーティングヘッドの水平運動によって塗布される。それぞれのスピードは事前調整され、コーティングサイクルの間、高精度で維持される。コーティングの結果として、印刷胴は事実上オーバーラップしたらせん状にコーティングされる。コーティングが終了すると、コーティングヘッドは下方に移動し、随意で印刷胴の回転を速めて乾燥が続く。コーティング済みの層は、印刷胴の回転運動と、印刷胴の軸線に沿った同軸線に平行なコーティングヘッド(コーティングロール)の直線運動とが組み合わさった結果、らせんにコーティングされている。基本的に、塗膜らせんは、幅が広がりすぎる状態(被覆面積100%未満)か、コーティング痕跡がぴったり並んだ状態(被覆面積100%)か、または幅が狭すぎる状態(隣接するコーティング跡がオーバーラップする)になり得る。コーティングヘッドのスピードが速く、しかも/または印刷胴の回転が遅いかもしくはコーティングヘッドの所定の直線運動スピードに対して遅すぎる場合、塗膜らせんは幅が広がりすぎて未被覆の領域が残る。らせんは、コーティング跡が未被覆の領域を残さないような仕方でコーティングされなければならない。コーティング跡のオーバーラップが20〜80%、好ましくは30〜50%であると、レベリングが速くなりかつ塗膜の均一性が向上するが、オーバーラップが多すぎると印刷胴に多くの塗料溶液が塗布されることになり塗膜重量が増すことが観察された。各コーティング跡の幅は塗膜間隙およびコーティングロールの回転によって決まる。間隙が小さくなりかつコーティングロールの回転が速くなればなるほど、コーティング跡の幅が広くなる。したがって、4つの設定すべてが、特定の塗料溶液についての均一性と塗膜重量に影響することになる。
【0037】
コーティング開始点から終了点までの高いコーティング精度およびスリーブからスリーブへの高い再現性は、印刷胴の寸法、印刷胴の直径、印刷胴の位置およびコーティングロールの位置などを高精度で測定する光ファイバセンサというセンサ位置決めシステムの使用が可能となったことにより、新規のコーティング技術によって達成することができる。これらのデータを用いて、機械のソフトウェアは各コーティングパラメータ、印刷胴の回転およびコーティングテーブルのスピードを、塗膜重量が一定となるように調整する。ローラ位置に対する正確な間隙制御が、確実に繰り返し可能な仕方でなされる。ソフトウェアの制御による間隙の調整に加えて、機械的に間隙を調整するのがコーティングヘッドの役割である。この機構は、ソフトウェアの間隙設定に訂正が必要な場合に、間隙較正、間隙再調整用に使用される。これにより、新たな間隙設定または間隙設定の変更が便利かつ容易になる。一回だけのコーティングプロセスまたは特別なコーティング調整に対して間隙距離の変更が必要な場合には、新たなソフトウェアプログラムは必要としない。機械的調整は、コーティングロールと印刷胴表面間の変更を所望の塗膜均一性を達成するのに十分な5μmより高い精度で変更可能な、マイクロメータによって実施される。位置は、3桁の読み出しによって表示され、モニタ可能である。直径および長さの異なる多種の印刷胴を本発明のコーティング装置と共に使用することができる。
【0038】
産業上の有用性
本発明の方法によってコーティングされた印刷胴は、そのままさらなる処理を受けられるようになっている。光重合可能な印刷胴またはスリーブが赤外線感受性層でコ−ティングされている場合、そのような処理は通常以下の工程を含む。すなわち、赤外線感受性層の画像位置の露光、イメージング済み赤外線感受性層を通した光重合可能層全面の化学線露光、好適な洗い流し溶剤を用いた現像、乾燥、および後処理の各工程である。先ず、赤外線感受性層を、例えば750から880nm間の、好ましくは780から850nmの赤外線を放射するダイオードレーザーまたは1060nmの赤外線を放射するYAGレーザーなどの、赤外線レーザーを用いて露光する。レーザー露光前に、随意、剥ぎ取り可能なカバーシートを取り除いてもよい。この場合、レーザーによって赤外線感受性層は気化する。カバーシートが光重合可能印刷胴上に残っている場合、レーザー露光は赤外線感受性層を同層上にあるカバーシートに移し、カバーシートが取り除かれしだい赤外線感受性層が剥ぎ取られる。光重合可能印刷胴を全面的に、キセノンランプ、カーボンアークランプ、水銀ランプ、UV線を放射する燐を備えた蛍光放電灯などの従来の放射源を用いて露光する。バインダ系によっては、非重合領域を、水、水溶液もしくは半水溶液、または例えば脂肪族または芳香族炭化水素、テルペン、トルエン、ハロゲン化炭化水素などの好適な有機現像剤溶剤、または前記溶剤の混合物を用いて洗い流すことができる。界面活性剤またはアルコールなどの添加剤を使用することも可能である。この工程では、光重合可能印刷胴の非光重合領域、赤外線感受性層の残留面、および随意設けることのできるバリヤー層が取り除かれる。乾燥終了後、得られたフレキソ印刷胴は、後露光および/または化学的もしくは物理的処理を順番を問わず施すことができ、べとつきの無い印刷表面を作製する。これら処理工程については、WO94/038383またはWO94/03839に十分記載されている。本発明の方法によって作製された連続印刷版は、壁紙、装飾用紙および贈答品用包装紙などにおける連続模様のフレキソ印刷に適用される。
【0039】
実施例
以下に記述の実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明を制限するものではない。ポリマーの平均分子量は、重量平均(Mw)で示す。
【0040】
実施例1
赤外線感受性材料の塗料溶液を下記の方法で調整した。軟化点約140℃かつ平均分子量Mw20,000の溶剤可溶性の熱可塑性ポリアミド樹脂を、ハイシヤー溶解機を用いて溶剤混合液に溶解した。溶解機のディスクは先端速度16m/秒で回転した。このポリマー樹脂溶液にカーボンブラック顔料を添加し、分散させた。濃度は、総固体重量で36%に調整した。このポリマー/顔料分散液を、媒体ミル内で、ミルベースのスループット90kg/時、4回パスで練った。練り終了後に、顔料濃度を溶解機を用いてハイシヤーで希釈した。希釈の間に、コーティング添加剤を下記の順序、すなわち脱泡剤、支持体湿潤剤、粘度上昇剤の順序で添加した。濃度は総固体重量で4.8%に調整した。
【0041】
この塗料溶液をコーティング機の容器に充填し、コーティングロールの下部約40%までが塗料液中に浸かるようにした。コーティング機は下記のコーティング条件、すなわち印刷胴回転数30rpm、コーティングヘッド線速度17.5cm/分、コーティングロール回転数21.5rpmに設定した。印刷胴は、光重合可能材Cyrel(登録商標)HORB(E.I du Pont de Nemours & Company,Wilmington,DE)のシームレス薄層で被覆して使用した。
【0042】
固体Nylon(登録商標)製、直径110mm、幅28mm、真円精度約0.01mm、表面粗さRz=1.6/1のコーティングロールAを使用した。塗料はコーティングロールが印刷胴の表面に触れないような方法で塗布し(ノンインパクトコーティング方式)、べとついたHORB表面とNylon(登録商標)コーティングロールとの間の間隙は60μmに調整した。塗膜は、26℃、相対湿度29%の加熱空気で乾燥した。40分後に塗膜は耐摩擦性となった。塗膜欠陥が全く無い、非常に均一で光沢に富む黒色層が得られた。得られた層を透明テープで剥ぎ取り、その光学濃度(OD)分布を、伝動濃度計を用いて印刷胴の軸線に平行なコーティング方向について測定した。また、HORB光重合可能層からフォトマスク層を引き上げ剥ぎ取って、乾燥塗膜重量を測定した。
【0043】
コーティングロールAを用いて塗料溶液をコーティングし、間隙を60μmに調整した場合の結果
OD分布に沿った塗膜重量測定値 28mg/dm
OD分布に沿った平均OD測定値 3.12
最小/最大OD 3.05/3.29
最大−最小OD差 0.24
塗膜のレベリング 完全なレベリング
塗膜のらせん構造 無し
光重合可能層表面の機械的引掻ききず 無し
【0044】
形成した赤外線感受性層は、優れた塗膜品質とOD均一性を示した。この赤外線感受性層に、1064nmのNd:YAGレーザーを用いてレーザーイメージングを行なった。処理後には、高品質フレキソ印刷用印刷胴が得られた。
【0045】
比較例1
第2の実験では、実施例1の塗料溶液を実施例1と同様のコーティングおよび乾燥条件で使用した。印刷胴は同じ形状であり、実施例1に記述の方法と同様の方法で調製し、光重合可能材Cyrel(登録商標)HORBで被覆した。柔軟性の発泡ポリウレタン製、直径110mm、幅28mmのコーティングロールBを使用した。このコーティングロールを、ロールが未露光のべとついた光重合可能面に押し付けられるような仕方で調整した。柔軟性ロールは変形し、この変形を約1mmの変位に調整した(インパクトコーティング方式)。
【0046】
コーティングロールBを用いて塗料溶液をコーティングし、変位が1mmである場合の結果
OD分布に沿った塗膜重量測定値 31mg/dm
OD分布に沿った平均OD測定値 3.28
最小/最大OD 2.64/3.69
最大−最小OD差 1.05
塗膜のレベリング レベリング不足
塗膜のらせん構造 有り
光重合可能層表面の機械的引掻ききず 有り
【0047】
赤外線感受性層は、コーティングの形跡であるらせん塗膜構造を示しており、光沢に富むコーティング跡と光沢の無いコーティング跡とが交互に現われていた。レベリングは不十分であった。層のOD測定値には、最高3.69、最低2.64とかなりの差が見られた。不適格な大きな光学濃度差(Δ=1.05)が測定された。未露光のべとついた光重合可能面上のコーティングロールによる機械的引掻ききずのせいで、印刷胴は使用することができなかった。

Claims (3)

  1. 印刷胴を液体層でコーティングする方法であって、
    (a)ショアD硬度が少なくとも60であるコーティングロールの表面に液体の流体境膜を形成する工程、
    (b)流体境膜が印刷胴の外表面に接触し、かつ印刷胴の外表面とコーティングロールの表面との間に塗膜間隙が形成されるように、コーティングロールの表面を印刷胴の外表面から所定の距離に位置決めする工程、
    (c)印刷胴とコーティングロールとの間の塗膜間隙を調整することにより、コーティングロール上の流体境膜が2つの部分に分割されて、印刷胴が液体層でコーティングされるような仕方で、印刷胴に対してコーティングロールの回転と移動を同時に行う工程、および
    (d)液体層を乾燥してコーティングされた印刷胴を形成する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. コーティングロールが、ポリアミドおよびポリエステルからなる群から選択された材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 液体の流体境膜がコーティングロールの表面上に形成され、コーティングロールの表面が印刷胴の外表面から所定の距離に位置決めされて該流体境膜が該外表面と接触し、かつ、該印刷胴の外表面と該コーティングロールの表面との間に塗膜間隙が形成されてなる、印刷胴を液体層でコーティングする装置であって、
    (A)印刷胴を支持し回転させる手段と、
    (B)印刷胴から所定の距離にあり、ショアD硬度が少なくとも60であるコーティングロールを支持し、回転させ、さらに駆動する手段と、
    (C)印刷胴とコーティングロールとの間に塗膜間隙が保持されるように、印刷胴とコーティングロール間の所定の距離を制御する手段と、さらに
    (D)液体を提供する容器と、
    を含むことを特徴とする装置。
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