図1および図2は、本発明を採用した宅配ボックスと、郵便ポストを併設して成る物品収受装置を表側(図1)、および居住者側(図2)からそれぞれ示している。
図1、図2に示した物品収受装置は、3つのスチール製などのボックス(筐体)100と、その間に配置された制御タワー500aから構成されている。図示した物品収受装置の表側(図1)は、オートロックにより画成されたマンションのような集合住宅(以下、同等の住宅を「マンション」の用語により言及する)の居住者空間の外側(以下、公共側、などとも記す)に向けて配置され、図2に示した物品収受装置の裏側は、居住者空間の内側(以下、プライベート側、などとも記す)に向けて配置される。
図1において、右側および中央のボックス100、100の構造はほぼ同様であり、上部および下部に配置されたサイズの異なる2種類の容量の物品収容ボックス111、111…と、その間に2列に配置された郵便受211、211…を有する。
右側および中央のボックス100、100の間には、制御タワー500aが配置される。本実施例の制御タワー500aは、(公共側から)物品収容ボックス111や郵便受211の開錠その他の制御に用いられるICセンサ401、LEDやLCDなどを用いて構成した郵便物着荷表示402、宅配物着荷表示403を有する。制御タワー500aは、単数ではなくより多数のボックスを配置する場合には適宜、ボックスの間に配置してもよい。
図1の左側のボックス100は、2種類の容量の4つの物品収容ボックス111、111…と、制御部500から構成されている。制御部500は、制御タワー500aよりも、もっと本格的な制御、たとえば物品の収容操作などを行なうための制御コンソールを有している。この制御コンソールは、ガイダンス表示や操作キーを表示する表示部およびタッチパネル501、物品収容ボックス111や郵便受211の開錠その他の制御に用いられるICカードリーダ502、宅配業者などに対してレシートなどを発行するためのプリンタ(あるいは印字機)503を有している。
物品収容ボックス111は、上記の制御コンソールの操作に応じて電気錠301を介して施錠、開錠される表側扉をそれぞれ有する。本実施例の郵便受211は、2つの投函口(後述:2111、2112)と、非常時に公共側から表側扉をロックしている電気錠301を(たとえば純機械的な動作により)開錠するためなどに用いられる非常用キー303を有する。
図2は、図1の物品収受装置のプライベート側の配置を示している。制御タワー500aの構成は、ICセンサ401、郵便物着荷表示402、宅配物着荷表示403などを有する表側と同様の構成である。制御部500にも図1に示したものと同等の制御コンソールが設けられるが、ここではその詳細な図示は省略してある(あるいは制御タワー500aのユーザーインターフェースのみで充分な制御を行なえる場合は、裏(プライベート側)の制御コンソールは省略してもよい)。
郵便受211、211…は、プライベート側の制御部500の制御コンソールの操作、または、制御タワー500aの操作によって電気錠301を介して開錠される扉1117、および2117をそれぞれ有する。図2の左側の郵便受211を有する2つのボックスの下部には、各ボックスに共通の郵便物着荷表示404、404を設けてある。この郵便物着荷表示404、404は、たとえば各ボックスのどれかの郵便受211に郵便物が届いていることを示すためなどに用いられる。あるいは郵便物着荷表示404、404とともに、各ボックスの物品収容ボックス111のどれかに物品が収容されているか否かを表示する表示手段を設けてもよい。
これら、ボックス100の下部の表示手段は、郵便物や物品の有無だけではなく、たとえば解錠操作が行なわれた場合に、特定の表示態様の表示を行なって、その解錠操作により解錠された郵便受211や物品収容ボックス111が含まれるボックスを明示するために用いることもできる。
図1および図2に明らかなように、2種類の大きさの異なる物品収容ボックス111は、郵便受211の大きさを単位とする大きさになっている。たとえば、図1上部の物品収容ボックス111は、郵便受211を左右に2つ配置するのと同じ大きさであり、下部の物品収容ボックス111は上下2列に左右2つの郵便受211を配置するのと同じ大きさを占める。物品収容ボックス111および郵便受211は後述するようなユニット構造であり、たとえばボックス100、100…の所定位置に適宜棚板のような支持部材(詳細は不図示)を渡して画成した配置スペースにそれぞれ組み付けられる。
図3は制御部500の回路構成を示すものであるが、図3の回路を説明する前に、ユニット構造化され、その配置位置や数を種々にカスタマイズ可能な郵便受211(および物品収容ボックス111:物品収容ボックス111の構造も郵便受211と同等である)の構成につき説明する。
図4〜図8に郵便受211の構造、および郵便受211の組み付け構造を示す。物品収容ボックス111の構造は、公共側に投函口(2111、2112)が無いだけで、その構造は郵便受211とほぼ同様である。以下では、図4〜図8に示すような構造を有する郵便受211ないし物品収容ボックス111を総称するときは「収受ユニット」の名称を用いる。
図4(a)、(b)は郵便受211の内部構造を示している。図4(a)は郵便受211の断面を、図4(b)は郵便受211の公共側の正面をそれぞれ示している。郵便受211はスチールなどの材質の箱型の筐体を1ユニットとして構成される。このユニット構造の大きさは、図1および図2に示した1つの郵便受211の大きさを決定する。
郵便受211の公共側の扉(図4(a)右側:電気錠301でほとんどの場合施錠状態とされるが、ネジ止めなどにより固定されたパネルであってもよい)には、大小2つの投函口2112、および2111、および上述の非常用キー303が配置される。大きい投函口2112には、雨や塵埃などを避けるためのフラップ(扉)2112aが揺動自在に設けられる。投函口2111の側方には、LCDパネルなどにより表示内容を変更可能とした部屋番号表示2112が設けられる。部屋番号表示2112の点灯回路は内部に設けた基板2114または2115と不図示のワイヤハーネスを介して接続される。
郵便受211の内部は上下の投函口2111、2112から投函された郵便物(あるいは他の印刷物)を仕分けるための仕切板2226が配置される。内部に投函された郵便物の有無を検出するために、郵便受211の隔室の上部(あるいはさらに下部にも:図4(b))郵便物センサ6221が配置される。郵便物センサ6221はたとえば反射式光センサやCCDカメラなどから構成される。
郵便受211のプライベート側(図4(a)左側)には扉2117が開閉可能にヒンジ(詳細不図示)などを介して支持される。公共側の扉、およびプライベート側の扉2117は、それぞれ電気錠3011、3012により施錠/開錠される。
電気錠3011、3012、郵便物センサ6221、部屋番号表示2112は、内部の側壁などに沿って配置される基板2114、2115(ここでは2枚構成であるが1枚の基板に基板2114、2115の回路が塔載されていてもよい)の制御回路と接続される。
物品収容ボックス111の構造は、たとえば公共側の扉に投函口2111、2112、あるいはさらに非常用キー303が設けられない点以外はほぼ上記と同様である。
収受ユニット(郵便受211ないし物品収容ボックス111)の基板2114ないし2115には、図8に示すように後述する制御部500を構成する制御回路と接続するワイヤハーネスを装着するためのコネクタ2119が設けられる。
なお、この種のワイヤハーネスは、筐体であるボックス(100、100…)の収受ユニット(郵便受211ないし物品収容ボックス111)の周囲の空間に収容されるもので、たとえば後述する制御部500を構成する制御回路とのネットワーク関係はいわゆるスター型であるものとする。この場合には、ワイヤハーネス中の特定の信号線は、特定の位置(後述の管理テーブル6014で管理されるユニット番号に該当)にある収受ユニットと接続されることになり、制御回路はその信号線(の番号など)を識別することにより、その信号線に電気的に接続された収受ユニットを特定することができる。なお、バス構成のネットワークにより収受ユニット(郵便受211ないし物品収容ボックス111)と後述する制御部500を構成する制御回路を接続する構成も考えられるが、その場合には制御回路は当然ながら特定のプロトコルなどを用いて収受ユニット(の基板)と通信することにより収受ユニット(たとえばそのユニット番号)を特定できるものとする。
さらに基板2114ないし2115には、ジャンパブロック2120が設けられる。ジャンパブロック2120は、ショートピンの装着位置により、当該の収受ユニット(郵便受あるいは物品収容ボックス)の識別情報を設定するために用いられる。
このジャンパブロック2120により表現され当該の基板に付与される識別情報には、少なくとも当該の収受ユニットが郵便受211ないし物品収容ボックス111のいずれであるかを示す情報、また、当該の収受ユニットが郵便受211である場合は郵便物の受取人に該当する居室の部屋番号の情報が含まれるものとする。郵便受211のジャンパブロック2120に部屋番号を設定した場合には、後述の制御回路の制御を待たなくても、基板2114ないし2115に電源が供給された時点で、ジャンパブロック2120に設定された部屋番号を部屋番号表示2112として表示することができる。なお、上記の識別情報のうち、当該収受ユニットが郵便受211ないし物品収容ボックス111のいずれであるかの情報は、たとえばコネクタ2119の電極2119aの1つ(あるいはいくつか)を接地しておく(あるいは電源電圧にプルアップしておく)、あるいは、電極2119aの1つ(あるいはいくつか)を除去して電気的にオープンの状態にしておく、などの手段によっても表現することができる。
図5(a)、(b)、図6および図7は、上述の構造を有する収受ユニット、すなわち、郵便受211、物品収容ボックス111のボックス100への組み付け状態、および配置変更の様子を示したものである。
図5(a)、(b)は、図1の右(図2の左)および中央に示したボックス100と同じ構成で、収受ユニット、すなわち、郵便受211、物品収容ボックス111をボックス100へ組み付けた状態を示している。
図5(a)は、上部の4つの郵便受211の扉2117をそれぞれ開いた状態でボックス100をプライベート側から示している。扉2117の内部には、電気錠3012および基板2115、仕切板2226の位置が示されている。物品収容ボックス111は上部に郵便受211の2つ分のサイズのものが1つ、下部に郵便受211の4つ分のサイズのものが1つ配置されている。
このように、ユニット構造化された物品収容ボックス111、および郵便受211は、所定の単位サイズ(本実施例の場合、郵便受211のサイズ)に基づきその形状およびサイズが決定されており、これら物品収容ボックス111、および郵便受211として用いられる収受ユニットは相互に容易に交換することができ、また、既に組み付けられたいくつかの収受ユニットを取り外してそこに異なるサイズの収受ユニットを装着することも容易に行なえる。
収受ユニット、すなわち郵便受211、物品収容ボックス111は、上述のようなサイズ構成のユニットとして構成されているから、たとえばボックス100の所定位置に適宜棚板のような支持部材(詳細は不図示)を渡して画成した配置スペースにそれぞれ組み付け、固定する(その手法はネジ止めや、爪などを用いた嵌合構造など、任意である)ことができ、設置されるマンションの居室構成などに応じてボックス100の構成を決め、また郵便受211、物品収容ボックス111の数や配置を決定する設計および組立作業は容易であり、また、設置されるマンションごとに異なる部品を用いることなく実施することができ、また、マンション竣工後に郵便受211や物品収容ボックス111の数や配置を変更することも容易である。
たとえば、図6(a)(上部の2つの郵便受211、211の扉2117のみが開いているだけで図5(a)と各収受ユニットの配置は同じである配置)のような配置から、上から2段目の2つの郵便受211、211を除去し、かわりにその部分を図6(b)に示すように物品収容ボックス111に変更することもできる。この場合、郵便受211、211の構成となっている収受ユニットを取り外し、かわりに郵便受2112倍のサイズで構成された物品収容ボックス111を組み付けるだけで良い。
図6(b)では、取り外した郵便受211、211のかわりに取り付けた物品収容ボックス111のプライベート側の扉1117は開いた状態であり、物品収容ボックス111内部の物品センサ6121(郵便物センサ6221と同様、内部の宅配物などを検出するための反射式光センサやCCDカメラなどから構成される)の設置位置、上述の郵便受211と同様に構成された電気錠3012や基板1115(郵便受211の基板2115に対応)の位置が示されている。なお、電気錠301(3011、3012)には、扉の開閉状態を検出するセンサなどが含まれており、後述の制御回路はこのセンサを介して扉の開閉状態を検出することができる。
図7(a)、図7(b)は、図6に示した配置変更の様子をより詳細に示している。図7(a)は、2つの郵便受211、211の公共側(図7(a)の上部)、およびプライベート側(図7(a)の下部)を示しており、これらの郵便受211、211には、その中央部の隔壁211aにそれぞれ沿う位置に基板2114、2114が配置される。基板2115、2115および電気錠3012、3012の配置位置も図7(a)の下部に示したように同様にその中央部の隔壁211aにそれぞれ沿う位置である。
なお、2つの郵便受211、211はそれぞれ別体のユニット構造ではなく、2つで一体のユニット構造であってもよい。
また、図7(b)は、2つの郵便受211、211のかわりに装着される収受ユニットとして物品収容ボックス111をプライベート側の扉1117を開いた状態(図7(b)の上部)、および閉じた状態(図7(b)の下部)で示しており、こちらの収受ユニットは1つぶんの物品収容ボックスであるから、基板1115と電気錠3012はそれぞれ1つ設けられるだけである(公共側に配置される基板1114、電気錠3011は郵便受211の基板2114、電気錠3011と同等の配置であるものとする)。
ここで図3に戻り、制御部500を構成する制御回路の構成につき説明する。図3においては、以上で説明した各構成部材については同一の参照符号を用いており、各部材の機能については以下では必要な場合を除き、重ねて説明しない。
制御部500を構成する制御回路600は、主制御部601、物品収容ボックス610および郵便受620、の基板と通信するための入出力回路602、603、表示部およびタッチパネル501、ICカードリーダ502、プリンタ503から構成される。
主制御部601は、CPU6011、ROM6012、RAM6013、および表示部およびタッチパネル501、ICカードリーダ502、プリンタ503、さらにマンションのオートロックシステム、各居室のインターフォン、あるいは管理センターなどとネットワークを介して通信するための外部制御部630と接続するための入出力回路6015から構成される。
図3では、物品収容ボックス610、および郵便受620を便宜上、別の参照符号で示してあるが、上述のように電気的/論理的には同等の構成であり、電気錠611(301)、621(301)、物品ないし郵便物のセンサ612(上述のセンサ6121)、622(上述のセンサ6221)を有する。また、ID613、623として示したものは、図8に示したような構成(たとえばジャンパブロック2120やコネクタ2119のピン配置/接続など)で実現される識別情報である。
主制御部601のCPU6011は、ROM6012に格納された制御プログラム(後述)に従って、各部の施錠/開錠などを含む装置全体の動作を制御する。
上述のように、物品収容ボックス610および郵便受620、は収受ユニットとして構成され、図4〜図7に示したように組立てを容易に行なえ、設計変更や、設置後の配置換えを自由に行なうことができる。
本実施例では、制御回路600もこのような機械的な部分の配置換えに対応できるような構成を含む。
すなわち、主制御部601は、RAM6013の所定領域に配置される管理テーブル6014を有している。管理テーブル6014の記憶内容は、電源遮断時(不意の停電時なども含む)にも消去されてしまわないよう、たとえばバックアップ電源により保持する。あるいは電源遮断時にも記憶内容が保持される不図示の不揮発ROMやHDDなどを用いて管理テーブル6014の記憶領域を構成してもよい。
この管理テーブル6014は、収受ユニット(物品収容ボックスまたは郵便受)のユニット番号6014aごとに、少なくとも、そのユニットが郵便受または物品収容ボックスのいずれであるかの情報記録するための識別領域6014b、そして、そのユニットが郵便受である場合に該郵便受が対応づけられる宛先の居室の番号を登録するための識別領域6014cを有するものとする。
このような管理テーブル6014を用いることにより、物品収受装置の収受ユニット(物品収容ボックスまたは郵便受)の数や配置に関する構成を動的に変更することが容易となる。
なお、各収受ユニットに設けたセンサ612(上述のセンサ6121)、622(上述のセンサ6221)によって検出した郵便物や宅配物の着荷状態を示す情報も管理テーブル6014に併せて記録するようにしてもよい。
次に図9〜図12を参照して、上記のように構成された物品収受装置の収受ユニット(物品収容ボックスまたは郵便受)の物品(宅配物または郵便物)の収受、および宛先人(居住者)の受取操作、およびその際の制御について説明する。図示の手順のうち、制御回路600の主制御部601が実行する手順はCPU6011の制御プログラムとして、たとえばROM6012に格納しておく。
以下に示す制御例では、制御回路600は、宛先の居住者のID情報の提示操作を含む受取操作に基づき、特定の物品収容ボックス111または前記郵便受211の電気錠を開錠するに際して、該物品収容ボックス111または郵便受211とは異なる他の物品収容ボックスまたは郵便受に対する受取操作が開始されていた場合に該物品収容ボックス111または郵便受211に対する受取操作を禁止し、他の物品収容ボックスまたは郵便受に対する受取操作が終了してから該物品収容ボックス111または郵便受211に対する受取操作を許容する。
図9は、本実施例の物品収受装置に対する宅配物または郵便物(ないしチラシや新聞などの印刷物)の受け入れ(収受)に関して、主に配達人の操作手順を示している。図9のステップS10、S11は、配達人が宅配物または郵便物のいずれを配達するかをフローチャート的な記述で示したもので、宅配物の配達の場合にはステップS12〜S16の操作が、郵便物(ないしチラシや新聞などの印刷物)の配達の場合にはステップS17またはS18の操作が行なわれる。
宅配物の配達の場合にはステップS12において、配達人に表示部およびタッチパネル501で所定の操作(たとえば初期メニューから「宅配ボックスへ宅配物を収容(配達)」する、といった操作)を行なわせ、ステップS13で現在、収受に用いられていない物品収容ボックス111を表示部およびタッチパネル501で表示させる。
続いてステップS14、S15で、配達人は表示部およびタッチパネル501で宅配物を収容する物品収容ボックス111を選択し、そのボックスを開錠する操作を行ない、そのボックスに配達物を収容する。ステップS16は配達人が選択したボックスに宅配物を収容した後、その公共側の扉を示す操作をフローチャート的な記述で示したものである。
一方、郵便物ないしチラシや新聞などの印刷物にはステップS17または、ステップS8の操作が行なわれる。ここで配達人は郵便物の配達の場合には、ステップS17で投函口2111に私信などの郵便物を投函し、それ以外のチラシや新聞などの印刷物の場合は投函口2112の投函を行なう。ただし、上述の構造から明らかなように、投函口2111、2112の区別は厳密なものではないため、どちらの投函口に投函しても宛先は同じである。より確実にこのような配達人の郵便物またはチラシや新聞などの印刷物の振り分けを励行してもらうためには、「郵便物はこちらへ」、「それ以外はこちらへ」などの表示を投函口2111、2112を付しておいてもよい。
図10は、宛先の居住者が配達された物品(宅配物または郵便物)を受け取る時の操作を示したものである。
図10のステップS20において、居住者は、ICカード(ないし類似のID情報を記録したカード類)を制御コンソールのICカードリーダ502(あるいは類似の読み取り手段)に提示する。これにより、制御回路600はICカードにより認識した当該居住者を宛先とする宅配物または郵便物が到着しているか否かを判定し、その結果に応じて郵便物着荷表示404などを介して着荷表示を行なう。たとえば、当該居住者に対して郵便物が着荷している場合には、当該居住者の郵便受211が含まれるボックス(筐体)100の郵便物着荷表示404を点灯させる(あるいは同時に表示部およびタッチパネル501において着荷表示を行なうこともできる)。
図10のステップS21、S22は、郵便物着荷表示404、あるいは表示部およびタッチパネル501などを介して行なわれる郵便物、ないし宅配物の有無の表示を宛先の居住者が認識する動作をフローチャート的な記述で示したものである。
宅配物の有無は、上述のように表示部およびタッチパネル501や、郵便物着荷表示404と類似の表示手段により行なうか、あるいは、郵便物着荷表示404の表示色や点灯パターンの変更などによって表示することができる。
宛先の居住者が郵便物着荷表示404の表示などにより郵便物着荷を認識した場合はステップS22〜S25の操作が、宅配物着荷を認識した場合はステップS27〜S31の操作が行なわれる。
この操作例では、郵便物の着荷の場合は、ステップS20のID情報提示にしたがって、制御回路600は直ちに居住者の郵便受211をポップアップ開錠(扉2117の電気錠を開き、これにより扉2117をわずかに開いた状態とする)する。居住者は、郵便物着荷を認識した場合はステップS22において、自分の郵便受211のポップアップ開錠を確認し、ステップS23において扉2117を開き、ステップS24で郵便物を取り出し、ステップS25で扉2117を閉じる。
一方、宅配物着荷を認識した場合はステップS27〜S31の操作が行なわれる。この制御例では、再度ICカードなどのID情報を提示(ステップS27)し、表示部およびタッチパネル501の受け取りボタンをタッチ(ステップS28)する操作(あるいはさらに他の暗証情報の手動入力などをこの段階で介在させることもできる)を行なって初めて該当の物品収容ボックス111を開錠するようにしているが、上述の郵便物の場合と同様にステップS27、S28のような操作なしに直ちに該当の物品収容ボックス111をポップアップ開錠してもよい。
居住者は、該当の物品収容ボックス111のポップアップ開錠を確認したら(ステップS29)、扉(1117)を開き(ステップS30)、宅配物を取り出し(ステップS31)、物品収容ボックス111の扉(1117)を閉じる。
図11は、上述の宅配物または郵便物(ないしチラシや新聞などの印刷物)の受け入れ(収受)に関する制御回路600の制御例を示している。図11の制御は、たとえばタイマ割り込みなどによって、定期的に繰り返し実行される。
図11のステップS32a、S33では、宅配物の着荷操作および郵便物の到着を検出する。ステップS32aの宅配物の着荷操作は、図9のステップS12の操作に該当する。この操作が行なわれると、図9のステップS13〜S16にほぼ相当するステップS35〜S42の制御によって、宅配物の着荷制御を行なう。
また、郵便物は特定の操作を介在させずに投函されるので、ステップS33において、各郵便受211…に設けた郵便物センサ622(6221)を常時スキャンし、なんらかの郵便物(あるいは他の印刷物など)が存在するか否かを検出することにより当該の郵便受に郵便物が現時点で存在するか否かを判定する。
まず、郵便受211に郵便物が存在する場合には、ステップS34において該当の郵便受211に郵便物が存在する旨を示す情報をRAM6013の所定領域(あるいは管理テーブル6014に該当の郵便受211の着荷情報を記憶する領域を設ける場合はその領域)に記憶する。
一方、宅配業者の着荷操作(ステップS32)が行なわれた場合は、ステップS35において表示部およびタッチパネル501で宅配業者が預け入れ操作を制御する操作画面を提示し、ステップS36で現在、空きになっている物品収容ボックス111(のユニット/ボックス番号など)を表示する。ステップS37では、宅配業者に使用したい空きボックスを選択する操作を促す表示を行なう。
ステップS38で宅配業者が空きボックスを選択する操作を行なうと、ステップS39で選択されたボックスを開錠する。しかる後に、宅配業者が空きボックスに荷物を収容し(ステップS40)、扉1117を閉じたか(ステップS41:電気錠のセンサなどを用いて検出する)を確認し、ステップS42で選択されたボックスの番号と着荷宛先の居住者の部屋番号(あるいは他の識別情報)を関連づけて記憶する。この着荷宛先の情報は、該当の物品収容ボックス111に関連づけられたRAM6013の所定領域(あるいは管理テーブル6014に該当の物品収容ボックス111の着荷情報を記憶する領域を設ける場合はその領域)に記憶する。
図12は、宛先の居住者が配達された物品(宅配物または郵便物)を受け取る時の、制御回路600の制御例を示している。
図12の制御では、物品(宅配物または郵便物)の受け取り操作が行なわれても、近接した別のボックスを操作(たとえば扉を開いて荷物や郵便物を出し入れ)している別の居住者が居た場合の使い勝手と安全性を考慮して、そのような他の居住者(操作者)が居る場合には直ちに該当する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)を開錠する処理に移行せず、他の居住者(操作者)が居ない場合にのみ該当する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)を開錠する処理に移行する。
このような排他制御を行なうために、図12の制御では、受取中フラグを用いる。この受取中フラグは、RAM6013などの所定領域(あるいはCPU6011のレジスタなど)に配置され、受取中フラグがオンとなっている期間では、新たに受取操作が行なわれても直ちにその受取操作に対応する開錠操作を許容しないように制御を行なう。このような排他制御は、進行中の受取操作に係るもの以外の収受ユニットをロックするもの、と考えてもよいし、また、受取操作が進行中である場合は、並行するあるいは後続する受取操作それ自体を禁止するもの、と考えてもよい。
なお、受取フラグは、全部の収受ユニットの受取操作を許可/禁止するためのものを1つだけ設けるようにしてもよいし、あるいは受取操作が開始された特定の収受ユニットに近接する収受ユニット(たとえば隣接する収受ユニットや、特定の距離範囲内や、特定の個数のユニットだけ離間した範囲内の収受ユニット、あるいは同一のボックス(筐体)100に含まれる収受ユニットなど)の受取操作を禁止するように用いられるものであってもよい。後者の場合は、個々の収受ユニットごとに受取フラグを配置し、特定の収受ユニットに対する受取操作が開始された場合は、近接する収受ユニット(たとえば隣接する収受ユニットや、特定の距離範囲内や、特定の個数のユニットだけ離間した範囲内の収受ユニット、あるいは同一のボックス(筐体)100に含まれる収受ユニットなど)の操作を禁止する。以下の例では、説明を容易にするため、同一のボックス(筐体)100に含まれる収受ユニットの受取操作を禁止する受取中フラグをボックス(筐体)100について1つ設ける例を示す。
図12のステップS43では、物品(宅配物または郵便物)受け取りの最初の操作である、居住者のICカードなどのID情報の提示を待つ(図10のステップS20に対応)。なお、ICカードなどのID情報の提示は、制御タワー500a、表示部およびタッチパネル501のいずれから受け付けてもよい。
ステップS43で、居住者のICカードなどのID情報の提示が行なわれると、ステップS44で、この受取操作に関して参照すべき受取中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここでは、上述のように同一のボックス(筐体)100に含まれる収受ユニットの受取操作を禁止する受取中フラグをボックス(筐体)100について1つ設けられるものとするが、まず、提示された居住者のID情報から着荷中の宅配物ないし郵便物の存在する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)を特定し、その収受ユニットが含まれるボックス100の受取中フラグを求めることによってこの受取操作に関して参照すべき受取中フラグが決定される。なお、近接する収受ユニットの受取操作を禁止するような制御を行なう場合には、着荷中の宅配物ないし郵便物の存在する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)に上記の種々の条件を満たして近接する特定ブロックごとに1つ設けられた受取中フラグ、などが参照される。
ステップS44で受取中フラグがオンの場合には、ステップS45で「他の方が受け取り操作中です、お待ちください」などといった表示を表示部およびタッチパネル501で行ない、ステップS44、S45をループすることにより待機する。
ステップS44で、受取中フラグがオンの状態でなければ(あるいは受取中フラグがオフになると)制御はステップS46に進み、ここで、当該の受取操作が進行中であることを示すために受取中フラグをオンにする。このステップS46によって、受取操作が開始された収受ユニットと同一のボックス100に含まれる別の収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)の受取操作が禁止される。なお、近接する収受ユニットの受取操作を禁止するような制御を行なう場合には、たとえば上記の種々の条件を満たして近接する特定ブロックごとに1つ設けられた受取中フラグをオンに制御する。
ステップS47では、ステップS43でICカードなどのID情報の提示が行なわれた宛先の居住者に対応する部屋番号の郵便受に対して郵便物の着荷があるか否かを判定する。郵便物収受の際に図11の制御を行なっているものとすれば、この判定は、既にステップS34で郵便物収受を行なった郵便受211の部屋番号が記録されており、この情報を参照することにより可能であるが、あるいはこの段階で該当の郵便受211の郵便物センサ622(6221)を用いて郵便物の有無を検出してもよい。
該当の郵便受211に郵便物が存在する場合には、ステップS48で郵便物あり、の表示を行ない(郵便物着荷表示404や表示部およびタッチパネル501を用いる)、ステップS49で該当の郵便受211を開錠(ポップアップ開錠)し、受取操作(図10ではステップS22〜S25に該当)を実行させ、再度その扉(2117)が閉じられる(この操作によりその扉は施錠されるものとする)のを確認する。
ステップS50では、ステップS43でICカードなどのID情報の提示が行なわれた宛先の居住者に対する宅配物の着荷があるか否かを判定する。宅配物収受の際に図11の制御を行なっているものとすれば、この判定は、既にステップS42で宅配物収受を行なった物品収容ボックス111と、宛先の部屋番号の情報が記録されており、この情報を参照することにより可能である。
ID情報を提示した居住者を宛先とする宅配物が存在する場合には、ステップS51で郵便物あり、の表示を行ない(郵便物着荷表示404と類似の表示、あるいは、表示部およびタッチパネル501を用いる)、ステップS52で該当の物品収容ボックス111を開錠(ポップアップ開錠)し、受取操作(図10ではステップS27〜S32に該当)を実行させ、再度その扉(1117)が閉じられる(この操作によりその扉は施錠されるものとする)のを確認する。
そして、ステップS53では、ステップS45でオンとした受取中フラグをオフに戻し、処理を終了する。なおこの受取中フラグをオフに戻す処理は、ステップS49ないしS52の終了後、直ちに行なってもよいが、所定時間、受取操作を行なっていた居住者が立ち去る時間に充分な時間、たとえば数秒〜数10秒程度の時間をリアルタイムクロック(不図示)などで計時してから、行なうようにしてもよい。これにより、もし後続の他の居住者が受取操作を開始した場合でも、今まで受取操作を行なっていた居住者の目前で別の収受ユニットの扉が開いてしまうような事態を防止できる。
以上のようにして、物品(宅配物または郵便物)の受け取り操作が行なわれても、近接した別のボックスを操作(たとえば扉を開いて荷物や郵便物を出し入れ)している別の居住者が居た場合は、直ちに該当する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)を開錠する処理に移行せず、そのような他の居住者(操作者)が居ない場合にのみ該当する収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)を開錠する処理に移行するよう制御を行なうことができる。
このような排他制御は、進行中の受取操作に係るもの以外の収受ユニットをロックするもの、と考えてもよいし、また、受取操作が進行中である場合は、並行するあるいは後続する受取操作それ自体を禁止するもの、と考えることもできる。図12に示したような排他制御を行なうことにより、複数の居住者(操作者)が近接した場所に混み合った状態で、物品(宅配物または郵便物)の受取操作を行なうことが回避され、また、受取操作を行なっている居住者(操作者)の近傍で不意に他の収受ユニット(物品収容ボックス111または郵便受211)の扉が開放されるような事態を回避でき、物品収受装置を安全に運用することができる。
すなわち、本実施例によれば、宅配ボックスや郵便受のような物品収受を行なうユニットを複数含む物品収受装置において、輻輳して受取操作が開始された場合でも、先に開始された受取操作を優先するよう、排他的に受取操作を禁止および許容することができ、使い勝手や安全性に関する問題を生じることがない、という優れた効果がある。