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JP4948024B2 - トナーシール材 - Google Patents
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本発明はトナーシール材に関するものであって、特に複写機、ファクシミリ、事務機器用のプリンターなどにおいて使用される、電子写真方式により画像を現出する装置において、トナーの漏出を防止するトナーシール材に関するものである。
電子写真方式による現像装置は、図1に示すようにケーシング1内にトナーを収容し、そのケーシング1の開口部にトナー供給ローラー2を回転自在に軸支したものであって、トナー供給ローラー2の表面にトナーを付着させ、そのトナーを露光した感光体4に供給し、当該感光体から記録用紙などにトナーを転写し、それを熱と圧力によって用紙表面に定着させることが行われている。
そして前記ケーシング1がトナー供給ローラー2の両端を受ける軸受部には、トナーシール材3が設けられ、ケーシング1内のトナーが軸受部から側方に漏出するのを防止するようになっている。
而して前記トナーシール材3としては、トナー供給ローラー2の軸受も兼ねるので、そ回転の抵抗となることがないように摩擦抵抗の小さいものが好ましく、少なくともトナー供給ローラー2に接触する面はポリテトラフロロエチレン繊維よりなるものが多く使用されている。
例えば実開平2−140553号公報には、プラスチックの発泡体の表面にポリテトラフロロエチレン繊維層を張り合わせたものが示されている。そしてかかるトナーシール材3においては、ポリテトラフロロエチレン繊維としては、通常エマルジョン紡糸法で作られたものが使用され、綿状の繊維を開繊してニードルパンチ又は水流交絡法により繊維を絡めて繊維層を形成している。
その他羊毛フェルトの表面にポリテトラフロロエチレン繊維の不織布を重ねて、ニードルパンチ又は水流交絡法により交絡したものや、ポリテトラフロロエチレン繊維のベルベットなどのパイル織物と発泡体とを貼り合わせたものも使用されている。
しかしながらポリテトラフロロエチレン繊維は摩擦係数が小さい。特に前述のようにエマルジョン紡糸法によるポリテトラフロロエチレン繊維は、繊維の形状が滑らかであるために滑りやすくて絡みにくく、ニードルパンチ法や水流交絡法によって繊維を絡ませることが困難である。
そのためポリテトラフロロエチレン繊維を材料として不織布を形成しても、他の繊維と絡んでいないフリーな繊維が多く、トナーシール材を打ち抜いたときにその打ち抜き断面に毛羽が生じ、その毛羽が抜けてトナーに混入することもあり、その抜けた毛羽がトナーと共に感光体4に付着して画像不良の原因となっていた。
またポリテトラフロロエチレン繊維層と発泡体とを直接接着したものでは、トナーシール材を図1に示すようにトナー供給ローラー2に沿って彎曲させたとき、彎曲の内側と外側とで曲率半径が異るため、内側の繊維層に皺が生じやすく、その皺の隙間からトナーが漏出する原因となっていた。
実開平2−140553号公報
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、表面にポリテトラフロロエチレン繊維よりなる表面層を有し、且つそのポリテトラフロロエチレン繊維の毛羽の発生を防止すると共に、彎曲により表面層に皺が生じることのない、トナーシール剤を提供することを目的とするものである。
而して本願第一の発明は、柔軟なプラスチック発泡体よりなる下層の片面上に薄い織布又は不織布よりなる中間層を設け、当該中間層上にスプリット延伸してなるポリテトラフロロエチレン繊維の不織布よりなる目付が250g/m2以下の表面層を形成すると共に、前記中間層と表面層の繊維が交絡せしめられていることを特徴とするものである。
本発明においては、この表面層を構成するポリテトラフロロエチレン繊維は、その平均繊維径が15μ以下であることが好ましい。
また本発明においては、前記中間層が、平均繊維径が10μ以下の分割繊維よりなる不織布であることが好ましく、またその不織布の目付が300g/m2以下であることが好ましい。
また本願第二の発明は、柔軟なプラスチック発泡体よりなる下層の片面上に、平均繊維径が10μ以下の分割繊維よりなる不織布の中間層を設け、当該中間層上にポリテトラフロロエチレン繊維の不織布よりなる表面層を形成すると共に、前記中間層と表面層とが繊維が交絡せしめられていることを特徴とするものである。
本発明においては、前記中間層を構成する不織布の目付が、300g/m2以下であることが好ましい。またこの中間層の不織布を構成する繊維の平均繊維径が、10μ以下であることが好ましい。
また前記表面層の不織布を構成するポリテトラフロロエチレン繊維が、スプリット延伸法により製造されたものであることが好ましく、その平均繊維径が15μ以下であり、前記表面層の目付が250g/m2以下であることが好ましい。
さらにこれらの第一及び第二の発明においては、前記表面層と中間層とが水流交絡法により交絡せしめられていることが好ましい。
本発明によれば、トナーシール材の表面にポリテトラフロロエチレン繊維よりなる表面層を有しているので、感光体4との摩擦抵抗が小さく、感光体4の回転トルクを軽減することができる。
また第一の発明においては、表面層のポリテトラフロロエチレン繊維がスプリット延伸してなるものであるので、従来のエマルジョン紡糸法によるポリテトラフロロエチレン繊維に比べて、繊維に枝別れが多く中間層の繊維と交絡しやすく、毛羽の発生や脱落を防止することができる。
また第二の発明においては、中間層を構成する繊維が、平均繊維径が10μ以下の分割繊維であるので、極めて細く且つ柔軟であって、水流交絡法によって摩擦係数の小さいポリテトラフロロエチレン繊維とも絡みやすく、ポリテトラフロロエチレン繊維の毛羽の発生や脱落を防止することができる。
また中間層に平均繊維径が10μ以下の分割繊維を使用し、かつ表面層にスプリット延伸してなるポリテトラフロロエチレン繊維を使用することにより、第一及び第二の発明の相乗効果によって、ポリテトラフロロエチレン繊維がより交絡しやすくなり、毛羽の発生や脱落をより防止することができる。
なおこの明細書において分割繊維とは、カードなどで紡出した後、ニードルパンチ、水流交絡、熱処理などにより、繊維が太さ方向に分割され、紡出した太さより細くなる繊維を言う。
また本発明によれば、表面層と発泡体との間に中間層を設けているので、トナーシール材3を彎曲させたときに表面層にかかる力が中間層によって吸収され、表面層に皺が発生するのを防止することができる。
図2は本発明のトナーシール材3を示すものであって、5はポリウレタンなどの柔軟なプラスチックの発泡体よりなる下層であり、その表面に薄い不織布よりなる中間層6が設けられており、さらにその中間層上にポリテトラフロロエチレン繊維の不織布よりなる表面層7が形成されている。
下層5を構成するプラスチックの弾性体は、トナー供給ローラー2の軸受部に沿って彎曲させたときに、皺が生じることがない程度の柔軟性が必要であり、またケーシング1とトナー供給ローラー2との間のクッションとして、トナー供給ローラー2を支持し得る程度の弾性を有するものであることが必要である。
そしてその下層5は、それ自体がトナーの漏出を遮断すると共に、その弾性により表面層7を感光体4の表面に押圧する作用を有するので、ポリウレタンなどの独立気泡を有する発泡体を使用するのが好ましい。
中間層6はナイロン繊維又はポリエステル繊維などの汎用繊維の織布又は不織布が使用される。この中間層6を不織布で構成する場合には、表面層7よりも密度が小さいことが好ましく、目付が300g/m2以下とするのが適当である。目付が300g/m2を越えると、水流交絡法により表面層7と交絡させる際に中間層6を水流が貫通せず、適切に交絡しなくなる。
また中間層6を織布で構成する場合には、綿番手30番より細い糸をインチ間に60本以上打ち込んだ緻密な組織とするのが好ましい。
また第二の発明においては、この中間層6の不織布を構成する繊維は、平均繊維径が10μ以下の極細繊維であり、その繊維は分割繊維である。すなわち個々の繊維が腰のない極細繊維であるので、摩擦係数の小さいポリテトラフロロエチレン繊維とよく絡み、表面層7の毛羽の発生や脱落を防止するのである。
また中間層6を構成する繊維が分割繊維の極細繊維であり、且つ中間層6を表面層7よりも低密度とすることにより、中間層6が変形しやすく、表面層7に皺が生じようとするのを中間層6が吸収し、トナーシール材3の彎曲によりその表面に皺が生じるのを防止することができる。
また表面層7は、ポリテトラフロロエチレン繊維の不織布よりなっている。ポリテトラフロロエチレン繊維は摩擦係数が小さいので、感光体4との摩擦抵抗が小さく、感光体4を駆動する回転トルクが小さくて済む。
また第一の発明においては、このポリテトラフロロエチレン繊維として、スプリット延伸してなるものが使用される。スプリット延伸は、樹脂をフィルム状に成型してそれを一方向に強く延伸することにより、分子を一方向に配向させる処理である。そしてスプリット延伸後開繊することによって、フィルムは幅方向の強度が大幅に低下して、網の目状に裂け目が生じ、多数の枝別れを有する繊維状を呈するのである。
かかるスプリット延伸により製造されたポリテトラフロロエチレン繊維は、通常のエマルジョン紡糸法で作られたものに比べて、枝別れが多く物理的に絡みやすい。そのため摩擦係数の小さいポリテトラフロロエチレンであっても、ニードルパンチや水流交絡法により繊維を容易に交絡させることができる。
表面層7の目付は、50〜250g/m2とするのが適当である。50g/m2以下ではトナーのシール性が十分ではなく、また250g/m2を超えると、小さい曲率半径で皺を生じることなく彎曲させることが困難となり、また高価なポリテトラフロロエチレン繊維を多量に使用するためコストアップにもなる。
またこの表面層7の不織布を構成する繊維は、平均繊維径が15μ以下であることが好ましい。すなわち、表面層7の不織布を構成するポリテトラフロロエチレン繊維が、中間層6の繊維と同じ又はそれよりも細いと、交絡時に表面層7と中間層6の繊維同士が十分に交絡しないので、表面層7の不織布は、前記中間層6よりやゝ太い繊維をやゝ低密度に使用するのが好ましいのである。
中間層6と表面層7とを交絡させる方法は、ニードルパンチ又は水流交絡法を使用することができるが、ニードルパンチ法はニードルによる細孔が大きくなり、その細孔を通じてトナーが漏れやすいので、水流交絡法により交絡させることが好ましい。また比較的密度の低い表面層7から密度の高い中間層6に向かって水流交絡を行うのが、交絡効果が出やすく好ましい。
表面層7のポリテトラフロロエチレン繊維がスプリット延伸により製造されたものとすることにより、繊維に枝別れが多くあり、水流交絡法で交絡しやすい。また中間層6の繊維を分割繊維の極細繊維とすることにより、表面層7の繊維と絡みやすくなる。
[実施例1]
表面層7として、平均繊維径が12μで目付70g/m2の、スプリット延伸法により製造されたポリテトラフロロエチレン繊維のウェブ(密度0.15g/cc)を使用し、中間層6として、ポリエステル紡績糸の30番単糸を経糸及び緯糸としてインチ間に60本織り込んだ織布を使用し、この中間層6と表面層7とを水流交絡法で一体化した。
また下層5として、独立気泡のポリウレタンフォームを使用し、当該下層5の表面に前記中間層6と表面層7とを一体化したものを接着し、厚さ2.8mmのトナーシール材3を得た。
[実施例2]
表面層7として、平均繊維径が12μで目付70g/m2の、スプリット延伸法により製造されたポリテトラフロロエチレン繊維のウェブ(密度0.15g/cc)を使用し、中間層6として、平均繊維径が10μで目付が100g/m2、密度0.17g/ccの分割ポリエステル繊維の不織布を使用し、この中間層6と表面層7とを水流交絡法で一体化した。
また下層5として、独立気泡のポリウレタンフォームを使用し、当該下層5の表面に前記中間層6と表面層7とを一体化したものを接着し、厚さ2.8mmのトナーシール材3を得た。
[比較例1]
平均繊維径が20μで目付300g/m2の、エマルジョン紡糸法により製造されたポリテトラフロロエチレン繊維のウェブと、目付400g/m2の羊毛のフェルトとを、ニードルパンチにより複合し、厚さ2.8mmのトナーシール材3を得た。
[比較例2]
平均繊維径が20μで目付300g/m2の、エマルジョン紡糸法により製造されたポリテトラフロロエチレン繊維のウェブを、ニードルパンチにより交絡させた不織布と、独立気泡のポリウレタンフォームとを、両面粘着テープで接着して、厚さ2.8mmのトナーシール材3を得た。
[特性]
以上の実施例及び各比較例について、平均細孔径、打ち抜き加工断面の毛羽数及び、トナー進行度を計測した。各特性の測定方法は以下の通りである。
平均細孔径:Perm Porometer(Porous Materials Inc.)を使用して計測した。
断面の毛羽:4.2mm、長さ35mmの試料を打ち抜いてその断面を拡大鏡で観察し、その断面から2mm以上突出する毛羽の数をカウントした。
トナーの進行度:市販のレーザービームプリンタ(プリント速度:約30枚/分)にトナーシール材を装着し、1万枚プリントした後トナーシール材を取り外し、トナーシール材の全幅のうちトナーで汚染された幅を%で表した。
[試験結果]
試験の結果を表1に示す。
Figure 0004948024
表1からも理解できるように、本発明によれば平均細孔径が小さく、また打ち抜き断面の毛羽の数も少なく、繊維が緻密に交絡している。そのため比較例に比べてトナーの進行度が低く、長期間に亙って性能を維持することが判る。
トナーシール材の使用状態を示す斜視図 本発明のトナーシール材の斜視図
符号の説明
3 トナーシール材
5 下層
6 中間層
7 表面層

Claims (9)

  1. 柔軟なプラスチック発泡体よりなる下層(5)の片面上に薄い織布又は不織布よりなる中間層(6)を設け、当該中間層(6)上にスプリット延伸してなるポリテトラフロロエチレン繊維の不織布よりなる目付が250g/m 2 以下の表面層(7)を形成すると共に、前記中間層(6)と表面層(7)の繊維が交絡せしめられていることを特徴とする、トナーシール材
  2. 前記表面層(7)を構成するポリテトラフロロエチレン繊維の平均繊維径が15μ以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトナーシール材
  3. 前記中間層(6)が平均繊維径が10μ以下の分割繊維よりなる不織布であり、その不織布の目付が300g/m2以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトナーシール材
  4. 柔軟なプラスチック発泡体よりなる下層(5)の片面上に、平均繊維径が10μ以下の分割繊維よりなる不織布の中間層(6)を設け、当該中間層(6)上にポリテトラフロロエチレン繊維の不織布よりなる表面層(7)を形成すると共に、前記中間層(6)と表面層(7)とが繊維が交絡せしめられていることを特徴とする、トナーシール材
  5. 前記中間層(6)を構成する不織布の目付が、300g/m2以下であることを特徴とする、請求項4に記載のトナーシール材
  6. 前記中間層(6)の不織布を構成する繊維の平均繊維径が、10μ以下であることを特徴とする、請求項4又は5に記載のトナーシール材
  7. 前記表面層(7)の不織布を構成するポリテトラフロロエチレン繊維が、スプリット延伸法により製造されたものであることを特徴とする、請求項4、5又は6に記載のトナーシール材
  8. 前記ポリテトラフロロエチレン繊維の平均繊維径が15μ以下であり、前記表面層(7)の目付が250g/m2以下であることを特徴とする、請求項7に記載のトナーシール材
  9. 前記表面層(7)と中間層(6)とが水流交絡法により交絡せしめられていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載のトナーシール材
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