実施の形態1.
始めに、図1を用いて、本実施の形態に係る反射板が適用される表示装置について説明する。図1は、表示装置に用いられるTFTアレイ基板の構成を示す正面図である。本実施の形態に係る表示装置は、半透過型液晶表示装置を例として説明するが、あくまでも例示的なものであり、反射型液晶表示装置等を用いることも可能である。この液晶表示装置の全体構成については、以下に述べる第1〜第10の実施形態で共通である。
本発明に係る液晶表示装置は、絶縁性を有する基板1を備えている。基板1は、例えば、TFTアレイ基板等のアレイ基板である。基板1には、表示領域41と表示領域41を囲むように設けられた額縁領域42とが設けられている。この表示領域41には、複数のゲート配線(走査信号線)43と複数のソース配線(表示信号線)44とが形成されている。複数のゲート配線43は平行に設けられている。同様に、複数のソース配線44は平行に設けられている。ゲート配線43とソース配線44とは、互いに交差するように形成されている。ゲート配線43とソース配線44とは直交している。隣接するゲート配線43とソース配線44とで囲まれた領域が画素47となる。従って、基板1では、画素47がマトリクス状に配列される。
更に、基板1の額縁領域42には、走査信号駆動回路45と表示信号駆動回路46とが設けられている。ゲート配線43は、表示領域41から額縁領域42まで延設されている。そして、ゲート配線43は、基板1の端部で、走査信号駆動回路45に接続される。ソース配線44も同様に、表示領域41から額縁領域42まで延設されている。そして、ソース配線44は、基板1の端部で、表示信号駆動回路46と接続される。走査信号駆動回路45の近傍には、外部配線48が接続されている。また、表示信号駆動回路46の近傍には、外部配線49が接続されている。外部配線48、49は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)等の配線基板である。
外部配線48、49を介して走査信号駆動回路45、及び表示信号駆動回路46に外部からの各種信号が供給される。走査信号駆動回路45は外部からの制御信号に基づいて、ゲート信号(走査信号)をゲート配線43に供給する。このゲート信号によって、ゲート配線43が順次選択されていく。表示信号駆動回路46は外部からの制御信号や、表示データに基づいて表示信号(ソース信号)をソース配線44に供給する。これにより、表示データに応じた表示電圧を各画素47に供給することができる。なお、走査信号駆動回路45と表示信号駆動回路46は、基板1上に配置される構成に限られるものではない。例えば、TCP(Tape Carrier Package)により駆動回路を接続してもよい。
画素47内には、少なくとも1つのTFT50が形成されている。TFT50はソース配線44とゲート配線43の交差点近傍に配置される。例えば、このTFT50が画素電極に表示電圧を供給する。即ち、ゲート配線43からのゲート信号によって、スイッチング素子であるTFT50がオンする。これにより、ソース配線44から、TFT50のドレイン電極に接続された画素電極に表示電圧が印加される。そして、画素電極と対向電極との間に、表示電圧に応じた電界が生じるなお、基板1の表面には、配向膜(図示せず)が形成されている。
更に、基板1には、対向基板が対向して配置されている。対向基板は、例えば、カラーフィルタ基板であり、視認側に配置される。対向基板には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス(BM)、対向電極、及び配向膜等が形成されている。なお、対向電極は、基板1側に配置される場合もある。そして、基板1と対向基板との間に液晶層が狭持される。即ち、基板1と対向基板との間には液晶が導入されている。更に、基板1と対向基板との外側の面には、偏光板、及び位相差板等が設けられる。また、液晶表示パネルの反視認側には、バックライトユニット等が配設される。
画素電極と対向電極との間の電界によって、液晶が駆動される。即ち、基板間の液晶の配向方向が変化する。これにより、液晶層を通過する光の偏光状態が変化する。即ち、偏光板を通過して直線偏光となった光は液晶層によって、偏光状態が変化する。具体的には、透過領域では、TFTアレイ基板側に設けられた偏光板によって、バックライトユニットからの光が直線偏光になる。そして、この直線偏光がTFTアレイ基板側の位相差板、液晶層、及び対向基板側の位相差板を通過することによって、偏光状態が変化する。一方、反射領域では、液晶表示パネルの視認側から入射した外光が、対向基板側の偏光板によって直線偏光になる。そして、この光が、対向基板側の位相差板、及び液晶層を往復することによって、偏光状態が変化する。
そして、偏光状態によって、対向基板側の偏光板を通過する光量が変化する。即ち、バックライトユニットから液晶表示パネルを透過する透過光、及び液晶表示パネルで反射される反射光のうち、視認側の偏光板を通過する光の光量が変化する。液晶の配向方向は、印加される表示電圧によって変化する。従って、表示電圧を制御することによって、視認側の偏光板を通過する光量を変化させることができる。即ち、画素ごとに表示電圧を変えることによって、所望の画像を表示することができる。
次に、TFTアレイ基板の画素構成について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。図2は、本実施の形態1に係るTFTアレイ基板61の平面図である。図3は、図2のIII−III断面図である。図2は、TFTアレイ基板61上の画素47の1つを示す平面図である。TFTアレイ基板61上には、このような画素47がマトリクス状に複数配置されている。なお、図2及び図3では、画素47の構成とともに、ゲート端子部及びソース端子部の構成も記載している。
図2及び図3において、基板1上に、ゲート電極2、ゲート配線43、ゲート端子4、及び補助容量電極5が形成されている。基板1は、ガラスやプラスチック等の透明絶縁性基板である。ゲート配線43は表示領域41においてゲート電極2とつながっている。また、ゲート配線43は額縁領域42においてゲート端子4とつながっており、ゲート端子4から映像のゲート信号(走査信号)が入力される。隣接するゲート配線43の間に補助容量電極5が形成されている。補助容量電極5は、安定した表示を可能とするためのキャパシタを構成する電極であり、各画素47に接続されるTFT50がオフになった後もTFT50からの駆動電圧を保持する。
ゲート電極2、ゲート配線43、ゲート端子4、および補助容量電極5は、電気的比抵抗が低く、耐食性に優れた、後述するゲート端子パッドとのコンタクト特性が良好な金属膜や合金膜によって形成される。ここでは、例えば、膜厚200nmのクロム(Cr)膜によって形成されている。
これらゲート電極2、ゲート配線43、ゲート端子4、および補助容量電極5を覆うようにゲート絶縁膜6が設けられている。ゲート絶縁膜6は、例えば膜厚400nmの窒化シリコン(SiN)である。ゲート絶縁膜6を介してゲート電極2の対面には、半導体膜7が設けられている。半導体膜7は、例えば膜厚150nmのアモルファスシリコン(a−Si)により形成されている。
半導体膜7の上には、ソース電極10、ドレイン電極11、ソース配線44、及びソース端子13が形成されている。ソース電極10とドレイン電極11とは、半導体膜7上において離間して設けられ、互いに対向するように配置されている。ソース電極10と半導体膜7との間、ドレイン電極11と半導体膜7との間には、オーミック低抵抗膜8が形成されている。オーミック低抵抗膜8は、ソース電極10と半導体膜7とが重複する領域に設けられている。同様に、ドレイン電極11と半導体膜7とが重複する領域に、オーミック低抵抗膜8が設けられる。オーミック低抵抗膜8は不純物が多く導入されているので、半導体膜7とオーミックコンタクトする。半導体膜7のうち、ソース電極10またはドレイン電極11に覆われていない領域が、TFT50のチャネル部9となる。
ソース電極10は、表示領域41においてソース配線44とつながっている。また、ソース配線44は額縁領域42においてソース端子13とつながっており、ソース端子13から映像のソース信号(映像信号)が入力される。ソース電極10、ドレイン電極11、ソース配線44、及びソース端子13は、電気的比抵抗が低く、オーミック低抵抗膜8との界面コンタクト特性が良好な金属膜や合金膜によって形成される。さらに、後述する透過画素電極に用いられる透明導電膜とのコンタクト特性が良好である金属膜や合金膜によって形成されることが好ましい。
なお、ソース配線44とゲート配線43の交差部では、これらの間に積層パターン87が形成されている。積層パターン87は、半導体膜7と同層のパターン71と、オーミック低抵抗膜8と同層のパターン81とが積層されている。積層パターン87の形状は、ソース配線44がゲート配線43と重複する領域よりも大きくなるように形成される。そして、ソース配線44とゲート配線43の交差部が、積層パターン87からはみ出ないように配設されている。これにより、ゲート配線43の段差によりソース配線44が段切れして断線するのを防止できる。
これらソース電極10、ドレイン電極11、ソース配線44、及びソース端子13を覆うように層間絶縁膜14が設けられている。ドレイン電極11上には、層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホール15が設けられている。また、ゲート端子4上には、ゲート絶縁膜6及び層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホール16が開口されている。ソース端子13上には、層間絶縁膜14が除去されたコンタクトホール17が形成されている。層間絶縁膜14は、例えば膜厚300nmの窒化シリコン(SiN)膜により形成されている。
層間絶縁膜14の上には、ドレイン電極11と接続する画素電極が設けられる。本実施の形態にかかる液晶表示装置は半透過型であり、画素電極部は透過部及び反射部から構成される。本実施の形態では、コンタクトホール15を介してドレイン電極11と接続する透過画素電極21が、透過部と反射部の両方に設けられている。透過画素電極21は、例えば、IZO膜などの透明導電膜によって、100nmの厚さに形成されている。
このとき、画素電極部の反射部には、透過画素電極21と層間絶縁膜14との間に反射板311が挟持されている。本実施の形態の反射板311は、反射画素パターン19aの上に反射画素電極20が直接形成された積層構造を有している。反射画素パターン19aは、反射画素電極20を形成するための下地層となるパターンであり、有機樹脂膜によって形成されている。ここでは、例えば、ノボラック系、アクリル系などの有機樹脂膜によって、膜厚1.5μm程度の反射画素パターン19aが設けられている。一方、反射画素電極20は、光を反射する反射膜であり、O原子を含むAl合金膜によって形成されている。ここでは、例えば、Al−1mol%Si−1mol%Cu−4mol%O膜、すなわちAlを主成分としてSi元素を1mol%(1at%)、Cu元素を1mol%(1at%)、O元素を4mol%(4at%)含むAl合金膜によって、膜厚300nmの反射画素電極20が形成されている。
上記のような構成を有する反射板311の形状について、図4を参照しながら説明する。図4(a)は、反射板311の表面形状を示した光学顕微鏡写真である。図4(b)は反射板311の表面形状を示したSEM写真、図4(c)は図4(b)の領域IVCを拡大したSEM写真である。また、図4(d)は反射板311の断面形状を示したSEM写真、図4(e)は図4(d)の領域IVEを拡大したSEM写真である。
図4(a)〜図4(c)に示すように、反射板311の表面形状は、凸凹になっている。すなわち、反射画素パターン19a上に積層された反射画素電極20の表面には、凹凸パターンが形成される。凹凸パターンは、図4(a)〜図4(c)に示すように、ランダムな迷路状に配置されている。この凹凸パターンは、図4(d)に示すようにピッチが3μmと非常に微細である。このため、正反射成分の原因となる反射板311の平坦部の面積を低減することができる。従って、この反射板311が適用された表示装置では、ペーパーホワイト特性が向上する。また、この凹凸パターンの高さは、図4(e)に示すように0.3μmと非常に低い。
ここで、従来の反射板は、凹凸パターンのピッチを10μm程度にするのが限度であったため、充分な散乱反射特性を得るには凹凸パターンの高さを1μm程度とする必要があった。そのため、凹凸パターンは液晶配向に影響を及ぼし、反射部の液晶配向に乱れを生じさせることがある。本実施の形態では、上述のように、凹凸パターンを約3μmの狭ピッチにすることができるため、高さを約0.3μm以下としても充分な散乱反射特性を得られる。従って、従来よりも凹凸パターンの高さを低くできるので、反射部の凹凸パターンによる液晶配向の乱れを抑制できる。すなわち、散乱反射特性を向上させることができ、明るくコントラスト比の高い表示特性を得ることができる。
なお、額縁領域42では、透過画素電極21と同じ透明導電膜によって、ゲート端子パッド22及びソース端子パッド23が形成されている。ゲート端子パッド22は、コンタクトホール16を介してゲート端子4と接続するように設けられている。ソース端子パッド23は、コンタクトホール17を介してソース端子13と接続するように配設される。
次に、本実施の形態におけるTFTアレイ基板61の製造方法について、図5〜図7に基づいて詳細に説明をする。図5〜図7は、実施の形態1に係るTFTアレイ基板61の製造工程を示した断面図である。
まず初めに、ガラスなどの透明絶縁性基板からなる基板1を、洗浄液または純水を用いて洗浄する。洗浄後、基板1上に第1のメタル膜を成膜する。第1のメタル膜には、電気的比抵抗が低く、耐食性に優れ、ゲート端子パッド22に用いる透明導電膜とのコンタクト特性が良好な金属膜や合金膜を用いることが好ましい。ここでは、公知のArガスを用いたスパッタリング法により、膜厚約200nmのクロム(Cr)膜を基板1全面に成膜する。次に、第1回目のフォトリソグラフィープロセスを行い、第1のメタル膜の上にレジストパターンを形成する。そして、エッチングを行い、第1のメタル膜をパターニングする。例えば、公知の硝酸セリウムアンモニウム及び過塩素酸からなる薬液を用いて、Cr膜のウェットエッチングを行う。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図5(a)に示すように、ゲート電極2、ゲート配線43、ゲート端子4、及び補助容量電極5が形成される。
次に、ゲート絶縁膜6、半導体膜7、及びオーミック低抵抗膜8を成膜する。具体的には、ゲート絶縁膜6を、ゲート電極2、ゲート配線43、ゲート端子4、及び補助容量電極5を覆うように形成する。そして、ゲート絶縁膜6の上に、半導体膜7とオーミック低抵抗膜8とを順次積層する。例えば、化学的気相成膜(CVD)法を用いて、約300℃の基板加熱条件下により、ゲート絶縁膜6、半導体膜7、及びオーミック低抵抗膜8をこの順に成膜する。例えば、ゲート絶縁膜6として、厚さ約400nmの窒化シリコン(SiN)膜を基板1全面に成膜する。そして、半導体膜7として、厚さ約150nmのアモルファスシリコン(a−Si)膜を基板1全面に成膜する。さらに、オーミック低抵抗膜8として、リン(P)等の不純物を添加したn型のアモルファスシリコン(n+a−Si)膜を、約50nmの厚さで基板1全面に成膜する。
その後、2回目のフォトリソグラフィープロセスを行い、オーミック低抵抗膜8の上にレジストパターンを形成する。そして、エッチングにより、オーミック低抵抗膜8及び半導体膜7をパターニングする。例えば、公知のフッ素系ガスを用いてドライエッチングを行う。レジストパターンを除去すると、図5(b)に示すように、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極2の対面に半導体膜7及びオーミック低抵抗膜8が形成される。また、ゲート配線43のうち、ソース配線44との交差部となる領域上に、半導体膜71及びオーミック低抵抗膜81の積層パターン87が形成される。
次に、半導体膜7、オーミック低抵抗膜8、及び積層パターン87を覆うように、第2のメタル膜を成膜する。第2のメタル膜には、電気的比抵抗が低く、オーミック低抵抗膜8との界面コンタクト特性が良好な金属膜や合金膜を用いることが好ましい。また、第2のメタル膜は、透過画素電極21やソース端子パッド23に用いる透明導電膜とのコンタクト特性が良好な材料であることが好ましい。ここでは、Arガスを用いたスパッタリング法により、膜厚約200nmのクロム(Cr)膜を基板1全面に成膜する。
第2のメタル膜成膜後、第3回目のフォトリソグラフィープロセスを行い、レジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、第2のメタル膜をパターニングする。例えば、公知の硝酸セリウムアンモニウム及び過塩素酸からなる薬液を用いて、Cr膜のウェットエッチングを行う。これにより、ソース電極10、ドレイン電極11、ソース配線44、及びソース端子13が形成される。
続いて、ソース電極10又はドレイン電極11に覆われず表面に露出したオーミック低抵抗膜8をエッチングにより除去する。例えば、フッ素系ガスを含む公知のドライエッチング法などを用いて、ソース電極10とドレイン電極11の間の半導体膜7を露出させる。その後レジストパターンを除去すると、図5(c)に示すように、チャネル部9が形成される。このとき、ゲート配線43とソース配線44の交差部では、ソース配線44に覆われずに露出した部分のオーミック低抵抗膜81が同時に除去される。なお、露出したオーミック低抵抗膜8を除去した後に、続けて、その表面に水素(H2)ガス、窒素(N2)ガス、酸素(O2)ガス、又はこれらを組み合わせた混合ガスを用いてプラズマ処理を行ってもよい。これにより、TFT特性、特にオフ特性を改善することができる。
次に、これらの上に層間絶縁膜14を成膜する。例えば、CVD法を用いて、約300℃の基板加熱条件下により、窒化シリコン膜を基板1全面に300nmの厚さで成膜する。続いて、第4回目のフォトリソグラフィープロセスを行い、層間絶縁膜14上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜14及びゲート絶縁膜6をエッチングする。例えば、公知のフッ素系ガスを用いたドライエッチング法を用いる。その後レジストパターンを除去すると、図6(d)に示すように、ドレイン電極11に到達するコンタクトホール15、ゲート端子4に到達するコンタクトホール16、ソース端子13に到達するコンタクトホール17が同時に形成される。
その後、反射板311を形成する。具体的には、層間絶縁膜14の上に、反射画素パターン19aとなる有機樹脂膜を塗布する。ここでは、スピンコート法を用いて、感光性を有するノボラック系の有機樹脂膜を約1.5μmの膜厚で塗布する。有機樹脂膜は、ノボラック系に限らず、アクリル系などでもよい。有機樹脂膜を塗布した後、露光、現像を行う(第5回目のフォトリソグラフィープロセス)。これにより、有機樹脂膜がパターニングされ、図6(e)のように反射画素パターン19aが形成される。
反射画素パターン19a形成後、反射画素電極20となる反射膜を成膜する。本実施の形態では、AlまたはAl合金ターゲットを用いて、アルゴン(Ar)ガスに酸素(O2)ガスを添加した混合ガスによるスパッタリングを行い、酸素(O)原子を含むAl合金膜を成膜する。例えば、DCマグネトロンスパッタリング法等により、膜厚約300nmの反射膜を基板1全面に成膜する。ターゲットとして、例えばSiとCuをそれぞれ1mol%(1at%)組成比で添加したAl合金を用いる。また、公知のArガスに分圧比で3%のO2ガスを加えたAr+3%O2混合ガスを用いて、圧力0.6Pa、DCパワー密度6.5W/cm2の条件下でスパッタリングする。これにより、例えばSiを1mol%(1at%)、Cuを1mol%(1at%)、Oを4mol%(4at%)含むAl合金が基板1全面に成膜される。なお、スパッタリング条件及びAl合金膜組成は、上記の値に限定されるものではなく、使用するスパッタリング装置によって適宜決定される。
このとき、反射画素パターン19aの上に成膜されたO原子を含むAl合金膜は、その表面形状が凸凹になる。すなわち、O原子が添加されたAl合金膜の表面には、図4に示したような凹凸パターンが反射画素パターン19a上の領域のみに形成されている。
そして、第6回目のフォトリソグラフィープロセスを行い、O原子を含むAl合金膜の上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、O原子を含むAl合金膜をパターニングする。例えば、公知の燐酸、硝酸、及び酢酸を含む薬液を用いて、ウェットエッチングを行う。その後、レジストパターンを除去すると、図7(f)に示すように、微細な凹凸パターンを有する反射画素電極20が形成される。これにより、反射画素パターン19a上に、凹凸パターンを有する反射画素電極20が積層された反射板311が形成される。この反射板311の表面には、図4のようにピッチ約3μm、高さ約0.3μmの微細な凹凸パターンが、ランダムな迷路状に形成されている。なお、この反射板311の波長550nmにおける光反射率は、ガラス基板上に形成した(平坦な下地の上に形成された)条件下において、約90%の値を示す。
次に、反射板311を覆うように、透過画素電極21となる透明導電膜を基板1全面に成膜する。ここでは、公知のArガスを用いたスパッタリング法により、透明導電膜として酸化インジウム(In2O3)及び酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO膜を100nmの厚さで成膜する。そして、第7回目のフォトリソグラフィープロセスにより、透明導電膜上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、透明導電膜のパターニングを行う。例えば、公知のシュウ酸を含む溶液を用いて、透明導電膜をウェットエッチングする。これにより、図7(g)に示すように、コンタクトホール15を介してドレイン電極11と接続する透過画素電極21が、反射部及び透過部に形成される。また、同時に、コンタクトホール16を介してゲート端子4に接続するゲート端子パッド22と、コンタクトホール17を介してソース端子13に接続するソース端子パッド23とが形成される。以上の工程を経て、本実施の形態のTFTアレイ基板61が完成する。
なお、この後、完成したTFTアレイ基板61に熱処理を施してもよい。熱処理を加えることで、TFTアレイ基板61全体に蓄積された静電荷や応力等が、除去あるいは緩和される。これにより、TFTアレイ基板61に形成されたメタル膜の電気的比抵抗を低減することができるため、TFT特性が向上して安定する。このとき、反射画素パターン19aを構成する有機樹脂膜の耐熱温度を超えないように熱処理を行うことが好ましい。例えば、TFTアレイ基板61を約250℃の大気中で30分間保持して熱処理を行う。
このように、本実施の形態では、有機系樹脂を主成分とする下地層である反射画素パターン19aの上に、O原子を含むAl合金膜からなる反射画素電極20を直接積層させて、反射板311を形成する。これにより、反射板311の反射画素電極20表面に、凹凸パターンを約3μmの狭ピッチで形成することができる。すなわち、従来の反射板より格段に微細な凹凸パターンを有する反射板311を形成することができ、正反射成分の原因となる平坦部の面積を低減できる。従って、ペーパーホワイト特性を向上することができる。また、反射板311の凹凸パターンの高さを従来の反射板より小さくすることができるので、明るくコントラスト比の高い表示特性が得られる。
さらに、本実施の形態では、反射板311の凹凸パターンは、反射画素電極20の成膜工程において同時に形成されるため、従来のように、凹凸パターン自体を形成するためのフォトリソグラフィープロセスを別途行う必要がない。すなわち、有機樹脂膜に凹凸パターンを形成する工程を省略できる。よって、製造工程を少なくすることができ、生産性を向上できる。従って、優れたペーパーホワイト特性を有する反射板を簡便なプロセスで得ることができる。
なお、上記の例では、反射画素パターン19aと反射画素電極20とを、2回のフォトリソグラフィープロセスを用いて別々に形成したが、1回のフォトリソグラフィープロセスで形成することも可能である。この場合、反射画素パターン19aとなる有機樹脂膜を塗布後、反射画素電極20となるO原子を含むAl合金膜を続けて成膜する。そして、フォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、有機樹脂膜及びO原子を含むAl合金膜をパターニングする。これにより、1回のフォトリソグラフィープロセスによって、反射画素パターン19aと反射画素電極20とを同時に形成することができる。すなわち、6回のフォトリソグラフィープロセスでTFTアレイ基板61を製造できる。従って、さらに製造工程を減らすことができる。
また、反射画素電極20としてO原子を4mol%含むAl合金膜を形成する場合について説明したが、これに限られるものではない。Al合金膜に添加するO原子組成比を調整することによって、反射画素電極20に形成される凹凸パターンのピッチや高さを制御することが可能である。例えば、Al合金膜に添加するO原子の量を増加させると、反射画素電極20に形成される凹凸パターンの高さを大きくすることができる。なお、Al合金膜に添加されるO原子組成比や凹凸パターンの形状は、使用するスパッタリング装置の構成や成膜チャンバー容積等によって異なる。そのため、使用する装置に応じてスパッタリング条件を適宜調整し、また、要求される表示特性(明るさ、コントラスト比、散乱反射特性など)により最適化を図ることが好ましい。
さらに、O原子を含むAl合金をスパッタリングで成膜する際、ターゲットとして、SiとCuをそれぞれ1mol%添加したAl合金を用いたが、この組成に限定されるものではない。例えば、純Alメタルをターゲットとして用いてもよい。ただし、Si、Cu、又はこれら両方の原子の添加により、成膜されるO原子を含むAl膜の結晶粒成長を抑制することができる。これにより、O原子を含むAl膜は、微細で緻密な多結晶構造となり、光反射率が高くなる。従って、明るい表示特性を得ることができる。
なお、O原子を含むAl合金膜の成膜前に、少なくともO原子を含むガスを用いたプラズマ処理や、O原子を含む雰囲気中におけるUV(紫外線)照射処理を追加して行ってもよい。これにより、O原子を含むAl合金膜を成膜する際に、有機樹脂膜の表面が分解してO原子が放出されるので、凹凸パターンの形成を促進させる効果が得られる。
実施の形態2.
次に、図8を用いて、本実施の形態2に係る反射板312について説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態1と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図8は、本実施の形態2に係る反射板312が用いられたTFTアレイ基板62の断面構造を示す図である。
図8において、図3と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。本実施の形態では、TFTアレイ基板62の反射部に反射板312が形成されている。反射板312は、実施の形態1の反射板311と同様、透過画素電極21と層間絶縁膜14との間に配設されている。本実施の形態の反射板312は、実施の形態1の反射板311の上に、高反射画素電極24がさらに形成された構成を有している。すなわち、反射板312は、反射画素パターン19aの上に直接形成された反射画素電極20上に、高反射画素電極24が形成されている。反射板312は、反射画素パターン19a、反射画素電極20、及び高反射画素電極24が順次積層された積層構造を有する。
反射画素パターン19aは、実施の形態1と同様、反射画素電極20を形成するための下地層となるパターンであり、有機樹脂膜によって形成されている。反射画素電極20は、実施の形態1と同様にO原子を含むAl合金膜であり、その表面に微細な凹凸パターンが形成されている。一方、高反射画素電極24は、反射画素電極20とは別の、高い反射率を有する反射膜(高反射膜)により形成されている。高反射画素電極24の表面は、反射画素電極20の凹凸パターンに追従するような形で凸凹形状となる。そのため、本実施の形態では、反射画素電極20の散乱特性が維持され、実施の形態1と同様な光の散乱特性を示す。従って、本実施の形態の反射板312は、反射特性を向上できる。
このような構成の反射板312は、反射画素電極20の反射率が低い場合に好適である。ここで、Al合金膜の反射率のO原子組成比依存性について、図9を参照しながら説明する。図9は、Al合金膜の反射率とO原子組成比との関係を示したグラフである。図9では、ガラス基板などの平坦な下地の上に反射画素パターン19aと反射画素電極20を積層形成したときの、波長550nmにおける反射率を示している。すなわち、図9のグラフには、実施の形態1にかかる反射板311の反射率と反射画素電極20に添加するO原子組成比との関係が示されている。なお、ここでは反射画素電極20として、Al−1mol%Si−1mol%Cu−O膜が用いられている。
図9に示すように、O原子組成比の増大にともなって、Al−1mol%Si−1mol%Cu−O膜の反射率が低下することがわかる。例えば、10mol%以上のO原子を添加すると、反射率は80%を下回るようになる。反射画素電極20の反射率が低下すると、これを反射膜として用いた反射板311は反射特性が低下する。従って、この反射板311を用いた表示装置では、反射表示が暗くなり、表示特性が低下してしまう。
例えば、10mol%のO原子が添加されたAl−1mol%Si−1mol%Cu−O膜によって、約80%の反射率を有する反射画素電極20が形成されている。そして、本実施の形態では、その上に、O原子を含まないAl−1mol%Si−1mol%Cu膜によって、約91.5%の反射率を有する高反射画素電極24が積層されている。このように、本実施の形態の反射板312は、反射板311の上に、反射率の高い反射膜からなる高反射画素電極24をさらに形成した積層構造であるため、反射特性を向上することができる。
このような構成のTFTアレイ基板62は、反射板の製造工程が実施の形態1と異なっている。より詳細には、反射板の製造工程のうち、反射画素電極の形成工程が異なっているのみで、それ以外の工程については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
反射画素パターン19aの有機樹脂膜の上に、まず、反射画素電極20となる反射膜を成膜する。AlまたはAl合金ターゲットを用いて、ArガスにO2ガスを添加した混合ガスによるスパッタリングを行い、反射画素電極20としてO原子を含むAl合金膜を成膜する。例えば、公知のArガスに分圧比で7.5%のO2ガスを加えたAr+7.5%O2混合ガスを用いて、圧力0.6Pa、DCパワー密度6.5W/cm2の条件下でスパッタリングし、膜厚150nmのAl−1mol%Si−1mol%Cu−10mol%O膜を形成する。
その後、ガスをArガスのみに切り替えて、続けてスパッタリングを行い、高反射画素電極24としてO原子を含まないAl合金膜を成膜する。例えば、膜厚150nmのAl−1mol%Si−1mol%Cu膜を形成する。このとき、O原子を含まないAl合金膜の表面は、O原子を含むAl合金膜の凹凸パターンに追従して、図4に示した凹凸パターンと同様の凹凸形状になる。
次に、フォトリソグラフィープロセスによってレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、O原子を含まないAl合金膜とO原子を含むAl合金膜とを一括でパターニングする。例えば、公知の燐酸、硝酸、及び酢酸を含む薬液を用いて、ウェットエッチングを行う。そして、レジストパターンを除去して、反射画素電極20及び高反射画素電極24を同時に形成する。
なお、上記の例では、高反射画素電極24として、O原子を含まないAl合金膜を形成する場合について説明をしたが、これに限られるものではない。例えば、反射画素電極20よりO原子の濃度が低いAl合金を高反射画素電極24として形成してもよい。すなわち、高反射画素電極に形成するAl合金のO原子組成比を反射画素電極20より少なくする。これにより、Al合金膜の反射率を向上できるので、反射画素電極20より反射率の高い高反射画素電極24を形成できる。また、高反射画素電極24として、例えば、高い反射率を有する金属として公知である、Ag膜またはAg合金膜を形成することも可能である。これにより、Al合金膜を用いた場合よりも、反射板312の光反射率を向上できる。
以上のように、本実施の形態は、有機樹脂膜からなる反射画素パターン19aの上に、O原子を含むAl合金膜からなる反射画素電極20を直接積層させている。そして、この上に、高い反射率を有する高反射画素電極24をさらに形成して、反射板312を形成する。これにより、反射板312の反射率を向上することができる。また、実施の形態1と同様、微細な凹凸パターンを有する反射板312が形成でき、ペーパーホワイト特性を向上できる。さらに、反射画素電極20及び高反射画素電極24のパターニングは、同じフォトリソグラフィープロセスによって行うことができる。従って、優れたペーパーホワイト特性を有する反射板を簡便なプロセスで得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3に係る反射板313について、図10を用いて説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態1、2と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態1、2と同様であるため説明を省略する。図10は、本実施の形態3に係る反射板313が用いられたTFTアレイ基板63の断面構造を示す図である。
図10において、図3及び図8と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。本実施の形態では、TFTアレイ基板63の反射部に反射板313が形成されている。反射板313は、反射板311、312と同様、透過画素電極21と層間絶縁膜14との間に配設されている。本実施の形態の反射板313は、下地層である反射画素パターン19aの上に、反射膜である反射画素電極20aが直接積層された構成を有している。反射画素電極20aは、実施の形態1と同様O原子を含むAl合金膜によって形成されるが、本実施の形態では、O原子が所定の濃度分布でAl合金膜に含まれている点に特徴がある。
具体的には、Al合金膜中に含まれるO原子濃度が、反射画素パターン19aとの界面近傍で高く、この界面から離れるに従って低くなるような分布になっている。すなわち、反射画素電極20aの膜厚方向にO原子濃度が傾斜している。このとき、反射画素電極20aの反射画素パターン19aとの界面と反対側の面では、O原子濃度がゼロとなるような濃度分布であることが好ましい。Al合金膜中に含まれるO原子濃度をこのような濃度傾斜型とすることで、微細な凹凸パターンを有し、かつ、反射率の高い反射画素電極20aを形成できる。
このような構成のTFTアレイ基板63は、反射板の製造工程が実施の形態1、2と異なっている。より具体的には、反射板の製造工程のうち、反射画素電極の形成工程が異なっているのみで、それ以外の工程については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
反射画素パターン19aの有機樹脂膜の上に、反射画素電極20aとなる反射膜を成膜する。実施の形態1では、ArガスにO2ガスを添加した混合ガスによるスパッタリングを行ったが、本実施の形態では、スパッタリングの時間経過とともに添加するO2ガスを徐々に減らしたガスを用いてスパッタリングする。例えば、成膜初期にAr+7.5%O2混合ガスで開始し、徐々にそのO2ガス添加量を減らしていき、最終的に添加するO2ガスがゼロになるようにして、連続的にスパッタリングする。その後、実施の形態1と同様、フォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、反射画素電極20aを形成する。このように形成された反射画素電極20aの表面は、図4に示した凹凸パターンと同様の凹凸形状になる。
以上のように、本実施の形態では、O2ガス添加量を任意に変化させることにより、様々なO濃度変調膜を1回のスパッタリングで形成することができる。これにより、凹凸パターンの形状や反射率を任意に細かく制御することが可能となり、反射板313の反射率を向上できる。また、優れたペーパーホワイト特性を有する反射板を簡便なプロセスで得ることができる。
実施の形態4.
本実施の形態4に係る反射板314について、図11を用いて説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態2と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態2と同様であるため説明を省略する。図11は、本実施の形態4に係る反射板314が用いられたTFTアレイ基板64の断面構造を示す図である。
図11において、図8と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。実施の形態2では、高反射画素電極24は反射画素電極20の上に形成されたが、本実施の形態では、図11に示すように透過画素電極21の上に形成される。すなわち、本実施の形態の反射板314は、反射画素パターン19a、反射画素電極20、透過画素電極21、及び高反射画素電極24が順次積層された積層構造となっている。
このような構成のTFTアレイ基板64は、実施の形態1のTFTアレイ基板61を完成させた後に、透過画素電極21上に高反射画素電極24を形成する工程を追加すればよい。
以上のように、本実施の形態では、反射率の高い高反射画素電極24を透過画素電極21の上に設けている。これにより、反射板314の反射光が透過画素電極21に吸収されることなく、反射板314の反射率をさらに向上できる。従って、反射板314を用いた表示装置では、さらに明るい反射特性を得ることができる。また、実施の形態1と同様、微細な凹凸パターンを有する反射板312が形成でき、ペーパーホワイト特性を向上できる。
実施の形態5.
本実施の形態5に係る反射板315について、図12及び図13を用いて説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態1〜4と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態1〜4と同様であるため説明を省略する。実施の形態1〜4では、反射板の表面に形成される微細凹凸パターンの配置は、ランダムな迷路状であったため、反射光は全方位に散乱されるような等方性散乱特性を有している。本実施の形態では、ある任意の方向に反射光を集中させるような異方性散乱特性を持たせることのできる反射板について説明する。図12は、本実施の形態5に係る反射板315が用いられたTFTアレイ基板65の平面図である。図13は、図12のXIII−XIII断面図である。
図12及び図13において、図2及び図3と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。本実施の形態では、TFTアレイ基板65の反射部に反射板315が形成されている。反射板315は、実施の形態1の反射板311と同様、透過画素電極21と層間絶縁膜14との間に配設されている。本実施の形態の反射板315は、反射画素パターン19bの上に、反射画素電極20が直接形成された積層構造を有する。
反射画素パターン19bは、反射画素電極20を形成するための下地層となるパターンであり、有機樹脂膜によって形成されている。本実施の形態では、反射画素パターン19bの表面には、任意の方向に配列された凹凸パターン25が形成されている。凹凸パターン25として、例えば、図13の断面図に示すように溝状の窪みが形成されている。ここでは、約3μm幅のV字状の溝が形成されている。この溝状の窪みは、例えば図12に示すように、反射画素パターン19bの対角線方向に延在するように、一定の間隔で複数形成されている。従って、溝形状の凹凸パターン25が格子状に配列されている。
反射画素電極20は、実施の形態1と同様、O原子を含むAl合金膜からなる反射膜であり、その表面に微細な凹凸パターンがランダムな迷路状に形成されている。同時に、反射画素電極20の表面には、反射画素パターン19bの凹凸パターン25に追従した形で、凹凸形状が任意の方向に配列する。これにより、反射板315の反射光を任意の方向に集中させることができる。従って、反射板315の散乱特性に異方性を持たせたることができる。例えば、凹凸パターン25として図13に示すような格子状の溝を、図12のようにゲート配線43及びソース配線44に対して傾斜した角度で形成した場合、表示装置の対角四方向に反射光が優先的に集中するような異方性散乱特性を得られる。
このような構成のTFTアレイ基板65は、反射板の製造工程が実施の形態1と異なっている。より詳細には、反射板の製造工程のうち、反射画素パターンの形成工程が異なっているのみで、それ以外の工程については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
実施の形態1の反射画素パターン19aを図6(e)のように形成した後、さらにフォトリソグラフィープロセスを行い、反射画素パターン19aの上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして反射画素パターン19aをエッチングして、凹凸パターン25の凹部となる反射画素パターン19aを除去する。その後、レジストパターンを除去すると、凹凸パターン25を有する反射画素パターン19bが形成される。
以上のように、本実施の形態では、任意の方向に配列された凹凸パターン25を有する反射画素パターン19bを形成する。そして、この反射画素パターン19bの上に、O原子を含むAl合金膜からなる反射画素電極20を直接積層させる。これにより、反射特性に異方性を有する反射板315を形成することができる。
なお、上記の例では、反射画素パターン19bに形成する凹凸パターン25が溝状のとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、円形、楕円形、あるいは矩形等の凹状パターンを任意の方向に複数配置するようにしてもよい。また、凹状パターンだけでなく、凸状パターンを任意の方向に複数配置してもよい。凹凸パターン25の形状や配置は、要求される反射特性等に応じて任意に決定することが可能である。さらに、上記では、本実施の形態を実施の形態1と組み合わせた場合について例示的に説明したが、実施の形態2〜4と組み合わせて用いることができる。
実施の形態6.
本実施の形態6に係る反射板316について、図2及び図14を用いて説明する。本実施の形態では、反射板の構成及び画素電極部の反射部の構成が実施の形態1と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図14は、本実施の形態6に係る反射板316が用いられたTFTアレイ基板66の断面構造を示す図であり、図2のXIV−XIV断面図である。
図14において、図3と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。図14に示すように、TFTアレイ基板66の反射部に、半導体膜7と同じ層によって反射画素パターン19cが形成されている。反射画素パターン19cは、半導体膜7と同じ層のSiを主成分とする膜によって形成されている。この反射画素パターン19c上には、層間絶縁膜14が除去された反射画素開口部18が設けられている。反射画素開口部18は、反射画素パターン19cの内側に位置するように配設される。本実施の形態では、反射画素開口部18内において、反射画素パターン19c上に直接積層されるように、反射画素電極20が形成されている。そして、反射画素電極20を覆うように、ドレイン電極11に接続する透過画素電極21が、透過部及び反射部に形成されている。
すなわち、本実施の形態の反射板316は、反射画素パターン19cの上に反射画素電極20が直接形成された積層構造を有し、ゲート絶縁膜6と透過画素電極21との間に形成されている。このような構成を有する反射板316の表面形状は、実施の形態1と同様、凹凸になる。すなわち、反射画素パターン19c上に積層された反射画素電極20の表面には、凹凸パターンが形成されている。凹凸パターンは、実施の形態1と同じ様に、ランダムな迷路状に配置されている。ここでは、例えば、膜厚300nmのAl−1mol%Si−1mol%Cu−4mol%O膜によって形成された反射画素電極20の表面には、ピッチ約3μm、高さ約0.15μmの凹凸パターンが形成されている。
凹凸パターンのピッチが3μmと非常に微細であるため、実施の形態1の反射板311と同様、正反射成分の原因となる反射板316の平坦部の面積を低減することができる。従って、この反射板316が適用された表示装置では、ペーパーホワイト特性が向上する。また、上述のように、凹凸パターンを約3μmの狭ピッチにすることができるため、高さを約0.15μm以下としても充分な散乱反射特性を得られる。従って、従来よりも凹凸パターンの高さを低くできるので、反射部の凹凸パターンによる液晶配向の乱れを抑制できる。すなわち、散乱反射特性を向上させることができ、明るくコントラスト比の高い表示特性を得ることができる。
次に、本実施の形態におけるTFTアレイ基板66の製造方法について、図15及び図16に基づいて詳細に説明をする。図15および図16は、実施の形態6に係るTFTアレイ基板66の製造工程を示した断面図である。本実施の形態では、反射板及び画素電極部の形成方法が実施の形態1と異なっていて、それ以外は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
初めに、実施の形態1と同様、1回目のフォトリソグラフィープロセスによって、ゲート電極2、ゲート配線43、ゲート端子4、及び補助容量電極5を基板1上に形成し、図15(a)の構成とする。これらを覆うように、ゲート絶縁膜6、半導体膜7、及びオーミック低抵抗膜8を成膜する。本実施の形態では、半導体膜7として、例えばアモルファスシリコン(a−Si)膜を膜厚約300nmで基板1全面に成膜する。そして、2回目のフォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、オーミック低抵抗膜8及び半導体膜7をパターニングする。このとき、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極2の対面となる領域に、オーミック低抵抗膜8及び半導体膜7のパターンを残存させる。またこのとき、ゲート配線43のうち、ソース配線44との交差部となる領域に、オーミック低抵抗膜81及び半導体膜71のパターンを残存させる。さらにこのとき、本実施の形態では、図15(b)に示すように、画素電極部の反射部となる領域にも、オーミック低抵抗膜82及び半導体膜72のパターンを残存させておく。
次に、これらを覆う第2のメタル膜を、実施の形態1と同様に成膜する。そして、第3回目のフォトリソグラフィープロセス、エッチングの工程を経て、ソース電極10、ドレイン電極11、ソース配線44、及びソース端子13を形成する。続いて、実施の形態1と同様に、オーミック低抵抗膜8をエッチングにより除去する。このとき、ソース電極10とドレイン電極11の間のオーミック低抵抗膜8を除去し、半導体膜7を露出させてチャネル部9を形成する。さらにこのとき、本実施の形態では、画素電極部の反射部に残存するオーミック低抵抗膜82を除去し、半導体膜72を露出させて反射画素パターン19cを形成する。これにより、図15(c)の構成となる。
なお、実施の形態1と同様、露出したオーミック低抵抗膜8を除去した後に、続けて、その表面に水素(H2)ガス、窒素(N2)ガス、酸素(O2)ガス、又はこれらを組み合わせた混合ガスを用いてプラズマ処理を行ってもよい。これにより、TFT特性、特にオフ特性を改善することができる。また、これにより、本実施の形態では、反射画素電極20に形成される凹凸パターンの形状を安定して形成できるようになる。そのため、これらのプラズマ処理を行うことが好ましい。
その後、実施の形態1と同様、これらの上に層間絶縁膜14を形成する。そして、フォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、ドレイン電極11に到達するコンタクトホール15、ゲート端子4に到達するコンタクトホール16、ソース端子13に到達するコンタクトホール17を形成する。本実施の形態では、このとき同時に、層間絶縁膜14に反射画素開口部18を形成し、図16(d)のように反射画素パターン19cを露出させる。
次に、この層間絶縁膜14の上に、実施の形態1と同様、反射画素電極20となる反射膜を成膜する。そして、実施の形態1と同様に、フォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、反射画素電極20を形成する。なお、本実施の形態では、反射画素パターン19cを半導体膜7と同じ層によって形成しているため、実施の形態1のように反射画素パターン19aのためのフォトリソグラフィープロセスを別途行う必要がない。従って、反射画素電極20形成のための、このフォトリソグラフィープロセスが第5回目のフォトリソグラフィープロセスとなる。これにより、図16(e)に示すように、反射画素パターン19c上に、凹凸パターンを有する反射画素電極20が積層された反射板316が形成される。この反射板316の表面には、ピッチ約3μm、高さ約0.15μmの微細な凹凸パターンが、ランダムな迷路状に形成されている。
このように、反射画素パターン19cの上に、反射画素電極20としてO原子を含むAl合金膜を成膜した場合、反射画素電極20の表面に凹凸パターンが形成される。すなわち、Siを主成分とする下地層の上に、O原子を含むAl合金膜を直接成膜することによって、その表面に凹凸パターンが形成される。元来、Al膜やAl合金膜は、Siを主成分とする下地層の上に直接形成した場合、この下地層との界面で相互拡散反応を起こし易い性質を持っていることが知られている。しかしながら、通常は、このような相互拡散反応が生じても微細な凹凸パターンが形成されることはない。本実施の形態では、Al膜又はAl合金膜にO原子を添加することで、微細な凹凸パターンが形成される。すなわち、下地層との界面における相互拡散反応において、O原子が添加されることにより、凹凸パターンを形成させるメカニズムがもたらされたものと考える。
最後に、実施の形態1と同様に、透過画素電極21となる透明導電膜を基板1全面に成膜する。そして、実施の形態1と同様に、フォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、透過画素電極21、ゲート端子パッド22、及びソース端子パッド23を形成する。なお、ここでのフォトリソグラフィープロセスが第6回目のフォトリソグラフィープロセスとなる。以上の工程を経て、図16(f)に示すように、本実施の形態のTFTアレイ基板66が完成する。なお、この後、完成したTFTアレイ基板66に熱処理を施してもよい。これにより、TFTアレイ基板61に形成されたメタル膜の電気的比抵抗を低減することができるため、TFT特性が向上して安定する。このとき、本実施の形態では、約200〜300℃の温度で熱処理を行うことが好ましい。例えば、TFTアレイ基板66を約300℃の大気中で30分間保持して熱処理を行う。
なお、上記の製造方法では、図15(c)に示したように、反射画素パターン19cとなる半導体膜72の上のオーミック低抵抗膜82を除去したが、除去しなくてもよい。これにより、半導体膜72上にオーミック低抵抗膜82が積層された積層構造の反射画素パターン19cが形成される。この場合、図16(e)において、反射画素電極20は反射画素パターン19cを構成するオーミック低抵抗膜82の上に直接形成されることになるが、半導体膜72の上に直接形成する場合と同様、その表面に凹凸パターンが形成される。すなわち、Siを主成分とする下地層の上にOを含むAl膜からなる反射画素電極20を形成することで、凹凸パターンを有する反射画素電極20を形成できる。
このように、本実施の形態では、Siを主成分とする下地層である反射画素パターン19cの上に、O原子を含むAl合金膜からなる反射画素電極20を直接積層させて、反射板316を形成する。これにより、反射板316の反射画素電極20表面に、凹凸パターンを約3μmの狭ピッチで形成することができる。すなわち、従来の反射板より格段に微細な凹凸パターンを有する反射板316を形成することができ、正反射成分の原因となる平坦部の面積を低減できる。従って、ペーパーホワイト特性を向上することができる。また、反射板316の凹凸パターンの高さを従来の反射板より小さくすることができるので、明るくコントラスト比の高い表示特性が得られる。
また、反射板316の凹凸パターンは、実施の形態1と同様、反射画素電極20の成膜工程において同時に形成されるため、従来のように凹凸パターン自体を形成するためのフォトリソグラフィープロセスを別途行う必要がない。さらに、本実施の形態では、反射画素電極20の下地層となる反射画素パターン19cを、TFT50を構成する半導体膜7の形成工程において同時に形成している。すなわち、有機樹脂膜に凹凸パターンを形成する工程を省略できるうえに、さらに有機樹脂膜自体を形成する工程も省略できる。よって、製造工程を少なくすることができ、生産性を向上できる。従って、優れたペーパーホワイト特性を有する反射板を簡便なプロセスで得ることができる。
なお、本実施の形態では実施の形態1と同様、Al合金膜に添加するO原子組成比を調整することによって、反射画素電極20に形成される凹凸パターンのピッチや高さを制御することが可能である。また、本実施の形態では、反射画素パターン19cの膜厚を変化させることによって、反射画素電極20に形成される凹凸パターンの高さを制御することができる。なお、Al合金膜に添加されるO原子組成比や凹凸パターンの形状は、使用するスパッタリング装置の構成や成膜チャンバー容積等によって異なる。従って、要求される表示特性(明るさ、コントラスト比、散乱反射特性など)に応じて、これら各条件を適宜調整して、最適化を図ることが好ましい。
また、実施の形態1と同様、O原子を含むAl合金をスパッタリングで成膜する際、ターゲットとして、SiとCuをそれぞれ1mol%添加したAl合金を用いたが、この組成に限定されるものではない。例えば、純Alメタルをターゲットとして用いてもよい。ただし、Si、Cu、又はこれら両方の原子の添加により、反射画素電極20として成膜されるO原子を含むAl膜の結晶粒成長を抑制することができる。これにより、O原子を含むAl膜は、微細で緻密な多結晶構造となり、光反射率が高くなる。従って、明るい表示特性を得ることができる。ただし、本実施の形態では、Al膜にNi原子を添加すると、Siを主成分とする下地層との界面における相互拡散反応が抑制されてしまい、O原子を含むAl膜に明確な形状の凹凸パターンを形成することが困難になる。従って、少なくともSiを主成分とする下地膜との界面近傍では、不可避的に含まれる場合を除き、Ni原子をAl膜に極力含ませないようにすることが好ましい。
実施の形態7.
次に、図17を用いて、本実施の形態7に係る反射板317について説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態6と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態6と同様であるため説明を省略する。図17は、本実施の形態7に係る反射板317が用いられたTFTアレイ基板67の断面構造を示す図である。本実施の形態では、実施の形態6と実施の形態2を組み合わせた反射板について説明する。
図17において、図14と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。本実施の形態では、TFTアレイ基板67の反射部に反射板317が形成されている。反射板317は、実施の形態6の反射板316と同様、透過画素電極21とゲート絶縁膜6との間に配設されている。本実施の形態の反射板317は、実施の形態6の反射板316の上に、さらに高反射画素電極24が形成された構成を有している。すなわち、反射板317は、反射画素パターン19cの上に直接形成された反射画素電極20上に、高反射画素電極24がさらに形成されている。反射板317は、反射画素パターン19c、反射画素電極20、及び高反射画素電極24が順次積層された積層構造を有する。
反射画素パターン19cは、実施の形態6と同様、反射画素電極20を形成するための下地層となるパターンであり、Siを主成分とする膜によって形成されている。反射画素電極20は、実施の形態6と同様にO原子を含むAl合金膜であり、その表面に微細な凹凸パターンが形成されている。一方、高反射画素電極24は、図8に示した実施の形態2と同様、反射画素電極20とは別の、高い反射率を有する反射膜により形成されている。高反射画素電極24の表面は、反射画素電極20の凹凸パターンに追従するような形で凸凹形状となる。そのため、本実施の形態では、反射画素電極20の散乱特性が維持され、実施の形態6と同様な光の散乱特性を示す。従って、本実施の形態の反射板317は、反射特性を向上できる。このような構成の反射板317は、実施の形態2において説明したように、反射画素電極20の反射率が低い場合に好適である。
このような構成のTFTアレイ基板67は、反射板の製造工程が実施の形態6と異なっている。より詳細には、反射板の製造工程のうち、反射画素電極の形成工程が実施の形態6と異なっているのみで、それ以外の工程については実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
図16(d)のようにコンタクトホール15、16、17及び反射画素開口部18を有する層間絶縁膜14を形成した後、本実施の形態では、実施の形態2と同様に、反射画素電極20となる反射膜と高反射画素電極24となる反射膜を続けて成膜する。そして、フォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、これらの反射膜を一括パターニングする。これにより、反射画素パターン19cの上に、反射画素電極20と高反射画素電極24とが積層された反射板317が形成される。
以上のように、本実施の形態は、Siを主成分とする反射画素パターン19aの上に、O原子を含むAl合金膜からなる反射画素電極20を直接積層させている。そして、この上に、高い反射率を有する高反射画素電極24をさらに形成して、反射板317を形成する。これにより、反射板317の反射率を向上することができる。また、実施の形態6と同様、微細な凹凸パターンを有する反射板317が形成でき、ペーパーホワイト特性を向上できる。さらに、反射画素電極20及び高反射画素電極24のパターニングは、同じフォトリソグラフィープロセスによって行うことができる。従って、優れたペーパーホワイト特性を有する反射板を簡便なプロセスで得ることができる。
実施の形態8.
本実施の形態8に係る反射板318について、図18を用いて説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態6、7と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態6、7と同様であるため説明を省略する。図18は、本実施の形態8に係る反射板318が用いられたTFTアレイ基板68の断面構造を示す図である。本実施の形態では、実施の形態6と実施の形態3を組み合わせた反射板について説明する。
図18において、図14及び図17と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。本実施の形態では、TFTアレイ基板68の反射部に反射板318が形成されている。反射板318は、反射板316、317と同様、透過画素電極21とゲート絶縁膜6との間に配設されている。本実施の形態の反射板318は、下地層である反射画素パターン19cの上に、反射膜である反射画素電極20aが直接積層された構成を有している。反射画素電極20aは、実施の形態6と同じ様にO原子を含むAl合金膜によって形成されるが、本実施の形態では、実施の形態3と同様、O原子が所定の濃度分布でAl合金膜に含まれている点に特徴がある。
具体的には、Al合金膜中に含まれるO原子濃度が、反射画素パターン19cとの界面近傍で高く、この界面から離れるに従って低くなるような分布になっている。すなわち、反射画素電極20aの膜厚方向にO原子濃度が傾斜している。このとき、反射画素電極20aの反射画素パターン19cとの界面と反対側の面では、O原子濃度がゼロとなるような濃度分布であることが好ましい。Al合金膜中に含まれるO原子濃度をこのような濃度傾斜型とすることで、微細な凹凸パターンを有し、かつ、反射率の高い反射画素電極20aを形成できる。
このような構成のTFTアレイ基板68は、反射板の製造工程が実施の形態6、7と異なっている。より具体的には、反射板の製造工程のうち、反射画素電極の形成工程が異なっているのみで、それ以外の工程については実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
図16(d)のようにコンタクトホール15、16、17及び反射画素開口部18を有する層間絶縁膜14を形成した後、本実施の形態では、実施の形態3と同様に、反射画素電極20aとなる反射膜を成膜する。このとき、実施の形態3と同様、スパッタリングの時間経過とともに添加するO2ガスを徐々に減らしたガスを用いてスパッタリングする。そして、フォトリソグラフィープロセス、エッチング、レジスト除去の工程を経て、反射画素電極20aを形成する。このように形成された反射画素電極20aの表面は、図4に示した凹凸パターンと同様の凹凸形状になる。
以上のように、本実施の形態では、O2ガス添加量を任意に変化させることにより、様々なO濃度変調膜を1回のスパッタリングで形成することができる。これにより、凹凸パターンの形状や反射率を任意に細かく制御することが可能となり、反射板318の反射率を向上できる。また、優れたペーパーホワイト特性を有する反射板を簡便なプロセスで得ることができる。
実施の形態9.
本実施の形態9に係る反射板319について、図19を用いて説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態7と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態7と同様であるため説明を省略する。図19は、本実施の形態9に係る反射板319が用いられたTFTアレイ基板69の断面構造を示す図である。本実施の形態では、実施の形態6と実施の形態4を組み合わせた反射板について説明する。
図19において、図17と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。実施の形態7では、高反射画素電極24は反射画素電極20の上に形成されたが、本実施の形態では、実施の形態4と同様、透過画素電極21の上に形成される。すなわち、本実施の形態の反射板319は、図19に示すように反射画素パターン19c、反射画素電極20、透過画素電極21、及び高反射画素電極24が順次積層された積層構造となっている。
このような構成のTFTアレイ基板69は、実施の形態6のTFTアレイ基板66を完成させた後に、実施の形態4と同様、透過画素電極21上に高反射画素電極24を形成する工程を追加すればよい。
以上のように、本実施の形態では、反射率の高い高反射画素電極24を透過画素電極21の上に設けている。これにより、反射板319の反射光が透過画素電極21に吸収されることなく、反射板319の反射率をさらに向上できる。従って、反射板319を用いた表示装置では、さらに明るい反射特性を得ることができる。また、実施の形態6と同様、微細な凹凸パターンを有する反射板319が形成でき、ペーパーホワイト特性を向上できる。
実施の形態10.
本実施の形態10に係る反射板310について、図12及び図20を用いて説明する。本実施の形態では、反射板の構成が実施の形態6〜9と異なっていて、それ以外の構成については実施の形態6〜9と同様であるため説明を省略する。実施の形態6〜9では、反射板の表面に形成される微細凹凸パターンの配置は、ランダムな迷路状であったため、反射光は全方位に散乱されるような等方性散乱特性を有している。本実施の形態では、実施の形態5と同様、ある任意の方向に反射光を集中させるような異方性散乱特性を持たせることのできる反射板について説明する。すなわち、本実施の形態では、実施の形態6と実施の形態5を組み合わせた反射板について説明する。図20は、本実施の形態10に係る反射板310が用いられたTFTアレイ基板70の断面構造を示す図であり、図12のXX−XX断面図である。
図20において、図2及び図14と同じ構成部分については同一の符号を付し、差異について説明する。本実施の形態では、TFTアレイ基板70の反射部に反射板310が形成されている。反射板310は、実施の形態6の反射板316と同様、透過画素電極21とゲート絶縁膜6との間に配設されている。本実施の形態の反射板310は、反射画素パターン19dの上に、反射画素電極20が直接形成された積層構造を有する。
反射画素パターン19dは、反射画素電極20を形成するための下地層となるパターンであり、半導体膜7と同じ層のSiを主成分とする膜によって形成されている。本実施の形態では、反射画素パターン19dの表面に、実施の形態5と同様、任意の方向に配列された凹凸パターン25が形成されている。ここでは、例えば図20のようなV字状の断面形状を有する溝が、図12に示すようにゲート配線43及びソース配線44に対して傾斜角を有する格子状に形成されている。
反射画素電極20は、実施の形態6と同様、O原子を含むAl合金膜からなる反射膜であり、その表面に微細な凹凸パターンがランダムな迷路状に形成されている。同時に、反射画素電極20の表面には、実施の形態5と同様、反射画素パターン19dの凹凸パターン25に追従した形で、凹凸形状が任意の方向に配列する。これにより、反射板310の反射光を任意の方向に集中させることができる。従って、実施の形態5と同様、反射板310の散乱特性に異方性を持たせたることができる。
このような構成のTFTアレイ基板70は、反射板の製造工程が実施の形態6と異なっている。より詳細には、反射板の製造工程のうち、反射画素パターンの形成工程が異なっているのみで、それ以外の工程については実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
実施の形態6の反射画素パターン19cを図15(c)のように形成した後、実施の形態5と同様さらにフォトリソグラフィープロセスを行い、反射画素パターン19cの上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして反射画素パターン19cをエッチングして、凹凸パターン25の凹部となる反射画素パターン19cを除去する。その後、レジストパターンを除去すると、実施の形態5と同様に、凹凸パターン25を有する反射画素パターン19dが形成される。
以上のように、本実施の形態では、任意の方向に配列された凹凸パターン25を有する反射画素パターン19dを形成する。そして、この反射画素パターン19dの上に、O原子を含むAl合金膜からなる反射画素電極20を直接積層させる。これにより、反射特性に異方性を有する反射板310を形成することができる。
以上、実施の形態1〜10では、反射画素電極20、20aとなる反射膜を成膜する際、ArガスにO2ガスを加えた混合ガスを用いてスパッタリングしたが、これに限定されるものではない。例えば、クリプトン(Kr)ガスにO2ガスを加えた混合ガスを用いてもよい。
また、本発明にかかる反射板を部分反射型である半透過型液晶表示装置に適用する例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。表示画素が全て反射光による、全反射型の表示装置であってもよい。さらに、本発明にかかる反射板は、表示装置に限らず、光を散乱反射させる反射板を有する他のデバイスにおいても好適に適用することができる。なお、実施の形態1〜10は、適宜組み合わせて用いることが可能である。
以上の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以上の実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、以上の実施の形態の各要素を、本発明の範囲において、容易に変更、追加、変換することが可能である。