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JP4951882B2 - 細孔体の製造方法 - Google Patents
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JP4951882B2 - 細孔体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、細孔体及びその製造方法に関し、詳しくは、水素の吸蔵、放出を行なうのに好適な細孔体及びその製造方法に関する。
水素ガスを貯蔵して使用しようとする場合、水素ガスを圧縮して高圧に若しくは液状にして充填したタンク、または水素を吸蔵する水素吸蔵合金や水素吸着材料が一般に利用されてきた。
しかしながら、タンクでは大きいわりに壁厚が厚く内容積を大きくできないため水素充填量が少なく、液体水素とすると気化ロスがあるほか、液化に多大なエネルギーを要するため総合的なエネルギー効率に劣る。
また、従来より知られている水素吸蔵合金は、各種水素化物(MgH2、NaBH4、NaAlH4など)を形成して多量の水素を貯蔵し得るものであるが、化学吸着であるがゆえに、水素放出時に高エネルギーを付与するための熱交換器や温度制御など他の補器類が必要なため、システムが複雑化し、軽量化、コンパクト化を行なうのは難しい。
水素吸着材料は、物理吸着による水素の貯蔵が可能で、相互作用が弱いゆえに水素の吸蔵、放出に伴なうエネルギー効率が高く、軽量であるものの、コンパクト化には限界がある。
そのため、従来知られている材料では、例えば電気自動車等の車両への搭載などを考慮すると、充分な水素貯蔵密度を確保し得、しかも軽量化、コンパクト化できる技術は確立されるに至っていない。
一方、近年では、水素ガスや天然ガス等のガス成分の貯蔵技術として、カーボンナノチューブの利用が期待されている。
カーボンナノチューブの合成には、例えばアーク放電法やレーザー蒸着法のほか、CVD法、プラズマCVD法等の熱分解法などが知られているが、ガスの貯蔵技術の実用化のためには、チューブ形状や大きさ、配向性、密度(生成間隔)などの制御を生産規模で実現し、所定の形状、配向性、密度(間隔)が得られる技術の確立が不可欠である。
そのため、たとえカーボンナノチューブが個々に高いガス吸蔵能を有していても、複数本単位に結束して充填等し水素貯蔵に供しようとした場合、ガス貯蔵に寄与しない隙間が多く、結果的に高い貯蔵量を確保できない。
上記に鑑みて、細孔直径が3.5〜100Åの多孔質炭素材料の表面に無電解メッキ法を利用して水素吸蔵合金(Pd,Pd−Ag,Pd−Cu)を被覆することにより、軽量で水素吸蔵能に優れた炭素材料を製造する製造方法に関する開示がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−18973号公報
しかし、上記の製造方法では、多孔質炭素材料自体の内部に水素を貯蔵することができないため、デッドスペースとなり、単位体積あたりの水素の貯蔵量としては必ずしも充分でない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、水素の吸蔵及び吸着が可能な細孔構造を有し、水素を多量に貯蔵することができる細孔体の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、ガス貯蔵量を向上させるには、単にカーボン材料(特にカーボンナノチューブ)を制御するだけでは充分でなく、例えばカーボンナノチューブの場合、チューブ間隔が広すぎたり凝集によりバンドル形成して間隔が狭すぎたりせずに所定の間隔を保持することが有効であり、この場合にチューブ間に吸着サイトが得られるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
本発明との関連において、細孔体は、細孔を形成する骨格を水素吸蔵金属材料を用いて形成することによって構成したものであるのが好ましい
発明との関連において、細孔構造を形成する骨格を水素吸蔵金属材料である水素吸蔵合金を用いて形成し、細孔の孔幅分布を1〜3nmとすることが好ましい。孔内に水素を物理吸着させて貯蔵するのみならず、骨格自体で水素を吸蔵(化学吸着)することが可能となるので、単に細孔構造とした構成や従来の水素吸蔵金属材料との比較において、単位体積あたりの水素貯蔵量を飛躍的に向上させることができる。
細孔構造を形成する骨格は、格子状に設けることができる。格子形状は、工程上作製が比較的容易であり、また、格子間の孔の大きさを任意に選択可能であると共に、孔のサイズ分布(孔幅分布)を狭幅に抑えた細孔構造の形成制御が可能である。
孔幅分布が狭幅であると孔の大きさは比較的揃っているため、水素吸蔵能のバラツキが抑えられるので、孔幅分布は小さい方が望ましく、1〜3nmの範囲内が好ましい。なお、細孔の孔幅分布は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて簡易に測定されるものである。
細孔体の骨格を構成する水素吸蔵金属材料である水素吸蔵合金は、高圧下で水素を解離する高圧解離型に構成されるのが好ましい。高圧にしたときに吸蔵されている水素が解離して放出される形態に構成されることで、熱などのエネルギー効率を損なうことなく、必要に応じて簡易に取り出すことができる。
前記目的を達成するために、本発明である細孔体の製造方法は、平均直径が0.5〜3nmであって、比表面積が200〜2500m 2 /gである、チューブ端の少なくとも一方が開放されたカーボンナノチューブをプレス処理し、カーボン骨格を成形する成形工程と、成形されたカーボン骨格を真空下、1000〜1500℃の範囲で熱処理する熱処理工程と、水素吸蔵合金(水素吸蔵金属材料を構成する元素イオンを生成し、生成された元素イオンのサイズ選別を行なって選別された元素イオンを、熱処理された前記カーボン骨格に付与し、前記カーボン骨格の表面に水素吸蔵合金を形成する吸蔵材形成工程と、水素吸蔵合金が形成されたカーボン骨格を酸化除去する除去工程と、で構成されたものである。
発明においては、細孔体の骨格を形成するための仮骨格(カーボン骨格)を、水素吸蔵合金(水素吸蔵金属材料)からなる骨格が所望の形状となるようにカーボン材料を用いて成形し、この仮骨格を基材としてその表面に水素吸蔵合金を形成するようにすることで、熱処理等(酸素による酸化処理を含む。)により仮骨格を容易に除去可能であり、任意に選択できるカーボン骨格により所望構造の骨格が得られると共に、所望の骨格構造が得られることで、水素の吸着サイトを形成できる孔サイズの骨格構造を自由に選択できるので、細孔体中の孔内では水素を物理吸着し、細孔構造を形成する水素吸蔵合金(骨格)では水素を化学吸着することができる。これにより、多くの水素を貯蔵することができる細孔体を作製することができる。
前記カーボン材料としては、平均直径が0.5〜3nmであって、比表面積が200〜2500m2/gである、チューブ端の少なくとも一方(好ましくはチューブ両端)が開放されたカーボンナノチューブを用いる。カーボンナノチューブは、チューブ内部が中空となっておりカーボン材料の中でも比表面積が大きいため、水素吸蔵合金を形成する場合にチューブの外側表面のみならず、チューブ内部にも水素吸蔵金属材料を形成し得るので、骨格部を形成したときの表面積を大きくとることが可能であり、水素の吸蔵量をより高めることができる。
発明における熱処理工程では、9.33×102〜13.33×102Pa(7〜10Torr)の真空下で熱処理するのが有効である。熱処理工程は、吸蔵材形成工程で水素吸蔵金属材料を形成する前処理として行なわれるものであり、前記範囲の真空条件とすることで、不純物を除去することができる。
吸蔵材形成工程では、水素吸蔵金属材料である水素吸蔵合金の形成は、選別された元素イオンを熱処理されたカーボン骨格に20〜100時間付与するようにして行なうのが効果的である。元素イオンの付与を前記範囲内で行なうので、目的とする金属による細孔体を形成するのに有効である。
水素吸蔵金属材料としては、NiとFeとを混合した水素吸蔵合金も好適であり、発明における吸蔵材形成工程は、水素吸蔵金属材料を構成するNi(ニッケル)イオン及びFe(鉄)イオンを生成し、生成されたNiイオン及びFeイオンのサイズ選別を各々行なって選別されたNiイオン及びFeイオンを付与することによって、Ni及びFeで構成された水素吸蔵合金が形成されるように構成されるのが好ましい。
本発明によれば、水素の吸蔵及び吸着が可能な細孔構造を有し、水素を多量に貯蔵することができる細孔体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の細孔体の実施形態について、図1〜図2を参照し、本発明の細孔体の製造方法の実施形態を詳述しつつ詳細に説明する。但し、本発明においてはこれら実施形態に制限されるものではない。
下記の実施形態では、水素吸蔵金属材料としてNiとFeとからなる水素吸蔵合金(Ni−Fe合金)を用い、骨格形成に際して形成するカーボン骨格(仮骨格)を構成するカーボン材料としてカーボンナノチューブを用いた場合を中心に説明する。
図1に示すように、本実施形態の細孔体1は、格子状に成形され、細孔構造を形成する骨格10で構成されており、骨格10はNi−Fe合金(水素吸蔵合金)からなるものである。
骨格10は、断面形状が円あるいは多角形状であって断面長さが数nm〜数十nmである棒状のNi−Fe合金を、数nm(1〜3nm)のすき間a,bをあけて格子状に組んで成形したものである。格子間距離の分布(孔幅分布)については、1〜3nmの範囲内である。
骨格10は、略正方形の格子形状に構成する以外に、任意の孔形状にて構成することが可能であり、例えば、長方形等の他の格子形状、台形、三角形など任意の形状から選択することができる。
骨格10は、水素吸蔵合金であるNi−Fe合金以外に、温度や圧力を利用して水素吸蔵が可能な水素吸蔵金属材料を適宜選択して構成することができる。水素吸蔵金属材料には、水素吸蔵が可能な金属及びその合金が含まれ、例えば、Mg、Co、Cr、Pt、Cu、Ag等の金属、並びにMg−Ni合金、Ti−Cr合金、Ti−Cr−Mn合金、Ti−Cr−Mo合金、Ti−Cr−V合金、La−Ni合金等の合金(水素吸蔵合金)が挙げられる。
中でも、加熱が不要で熱エネルギー効率が高められる点で、高圧に加圧したときに吸蔵された水素が解離して放出される高圧解離型の水素吸蔵金属材料が好ましく、Ni−Fe合金のほか、Ti−Cr−Mn合金、Ti−Cr−V合金が特に好ましい。
本発明において、「高圧」は、10〜50MPaの範囲であり、前記範囲内に加圧したときに解離できる水素吸蔵金属材料を選択するのが好ましい。
次に、細孔体の製造方法について、図2を参照して細孔体1を作製する方法を例に説明する。
−成形工程−
まず、チューブ径(平均直径)2nm、比表面積1600m2/gのチューブ両端が開放されたカーボンナノチューブを、10MPaでプレス処理して、図2−(a)に示すように、格子状のカーボン骨格(仮骨格)5を成形する。
プレス処理は、カーボンナノチューブを予め、例えばエタノールのようなアルコール中に浸漬し、後の吸蔵材形成工程において所望の格子骨格を形成し得るように、格子形状を成形した後、ホットプレス機(スズホ(株)製)により100MPaの加重をかけて行なうことができる。プレス時の加重は、50〜100MPaの範囲内で好適に選択することができる。また、前記以外に静水圧成形法、錠剤成形法などの他の装置を用いて行なってもよい。
カーボンナノチューブのチューブ径(平均直径)は、前記チューブ径以外に、1〜5nmの範囲内で好適に選択することができる。カーボンナノチューブの平均直径は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)により測定されるものである。
カーボンナノチューブの比表面積は、前記比表面積以外に、200〜2500m2/gの範囲内で好適に選択することができる。比表面積は、オートソーブ(ユアサアイオニクス(株)製)を用いて測定することができる。
後述する吸蔵材形成工程において、チューブの外側表面のみならずチューブ内部に均一にNi−Fe合金(水素吸蔵合金)を形成する観点から、カーボン骨格はカーボンナノチューブの内径、チューブ間隔が揃うようにして構成されるのが好ましい。
以下、カーボンナノチューブの作製方法について略説する。
カーボンナノチューブは、例えばアーク放電法や、触媒金属を用いてこれに炭化水素系ガスや水素系ガスを供給等して合成するCVD法、高温・高圧条件下において一酸化炭素の不均化反応(CO+CO→C+CO2)を起こさせて合成するHiPco法など、公知の合成法を利用して生成することができる。基体に触媒金属を担持した触媒担持体を用いて合成したときには触媒担持体を除去した後、触媒担持体を用いずに合成したときにはそのまま、合成されたカーボンナノチューブを使用することができる。以下、触媒担持体を用いてカーボンナノチューブを合成する場合の一例を示す。
真空中、触媒金属であるFeを所望の厚み(例えば2nm)で担持しかつ所定温度以上に加熱された触媒担持体に、原料ガスを供給すること(カーボンナノチューブ生成工程)により生成することができる。
カーボンナノチューブ生成工程では、触媒担持体を真空の室に配置すると共にカーボンナノチューブの生成に適した所定温度に加熱された状態とし、該触媒担持体に原料ガス(炭化水素系ガス、アルコール系ガス、及び水素系ガス等)を供給する。供給にあたり触媒金属の厚みを変えることでチューブ生成間隔を所望範囲に制御することができ、また、触媒金属の大きさ(粒子径)を変える、あるいは生成されたカーボンナノチューブを更に1500〜1850℃の温度領域で加熱することによりチューブ径を制御することができる。また、原料ガスを例えばイオン銃等を用いてイオン化するなど、原料ガスの性状を生成しようとするカーボンナノチューブの層構造や径、長さ等の形状、配向性に合わせて制御することも有用である。
原料ガス供給時の触媒担持体の所定温度としては、400℃以上が好ましい。所定温度が上記範囲であると、生成速度が確保でき、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを安定的に生成することができる。特に好ましくは500℃〜1000℃である。また、真空状態としては、一般に10-3〜10Pa程度が望ましい。
原料ガスには、炭化水素系ガスやアルコール系ガス(CH系ガス)、水素系ガス(H系ガス)が含まれる。具体的には、炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種、あるいは炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種と水素系ガスから選択される少なくとも一種との両方を(場合によりガス化して)用いることができる。前記炭化水素系ガスの炭化水素成分としては、炭素数1〜6の炭化水素(例えばメタン、エタン、アセチレン、ベンゼン等)が好適に挙げられ、前記アルコール系ガスとしては、例えばメタノール、エタノール等が好適に挙げられる。また、前記水素系ガスとしては、例えば水素ガス、アンモニアガス等が好適に挙げられる。CH系あるいはH系の原料が液相もしくは固相状態である場合には、予め気相にして供給することができる。また、CH系ガスとH系ガスとの混合系の場合、その混合比(CH系:H系)は、1:1〜1:20(分圧比あるいは流量比)が好ましい。カーボンナノチューブは、直線状、螺旋状のいずれの形状であってもよい。
触媒担持体は、基体の表面に触媒金属を担持して構成される。触媒金属としては、Fe以外にPd、Co、Ni、W、Mo、Mn又はこれらの合金などが挙げられる。基体としては、KClやNaClなどの水に溶解性の材料、及びAl、Ni、ステンレス、Si、SiC、ゼオライト、活性炭(C)等が挙げられる
また、カーボンナノチューブ生成工程の前工程として、基体洗浄工程や触媒担持工程等を、カーボンナノチューブ生成工程の後工程として、後処理工程等を更に設けることができる。
基体洗浄工程では、使用する基体(基板等)の表面を洗浄する。例えば、基体である基板を真空にした電気炉中で加熱処理することにより洗浄を行なうことができる。また、触媒担持工程では、基体に触媒金属を担持してカーボンナノチューブの生成に用いる触媒担持体を作製する。具体的な方法については特に制限はなく、例えば、所望の基体の上に蒸着などによりFe等の所望の触媒金属を均一に微粒化して担持させることで触媒担持体とすることができる。
また、生成されたカーボンナノチューブを更に1500〜1850℃で加熱することにより、チューブ径を制御して調整する処理を行なうことができる。 また、カーボンナノチューブを空気中で再び500〜600℃程度に加熱(空気酸化処理)したり、あるいは塩酸、王水等を用いた酸処理などを行なうことができ、前者のように再加熱されたときには、チューブ端を開口(キャップオープン)でき、後者の酸処理によっても、チューブ端をカッティングしてキャップオープンする処理やカーボンナノチューブの生成後に触媒金属の除去処理、付着したアモルファスカーボン等の煤を除去する処理、などを行なうことが可能である。
本発明においては、単層および多層のいずれのカーボンナノチューブをも用いることができる。中でも、多層よりなるカーボンナノチューブが好ましい。
本実施形態では、チューブ両端が開放されたカーボンナノチューブを用い、後述の吸蔵材形成工程においてチューブの外側表面のみならずチューブ内部にもNi−Fe合金が形成されるようにしたが、チューブ一端のみが開放されたカーボンナノチューブを用いるようにしてもよい。なお、チューブ端が閉塞されたままのカーボンナノチューブを用いることも可能である。
カーボン骨格中におけるカーボンナノチューブの量としては、0.5〜1.0g/cm3の範囲内であるのが好ましい。
カーボンナノチューブのチューブ径、比表面積、並びにチューブ壁の層構造(好ましくは多層構造であり、より好ましくは2〜10層の多層構造である。)等を選択することによって、孔内に物理吸着される細孔内貯蔵水素量xと水素吸蔵金属材料に化学吸着される吸蔵水素量yとの比率(x:y)をコントロールすることができる。前記比率x:yとしては、好ましくは1:1〜1:4である。
上記では、カーボンナノチューブを中心に説明したが、カーボンナノチューブ以外のカーボン材料、例えばカーボンファイバーやカーボンナノホーン等を用いることもできる。
−熱処理工程−
次に、前記成形工程で成形されたカーボン骨格5を103Paの真空下、1500℃で熱処理する。
本工程は、後述の吸蔵材形成工程に移行する前の前処理として行なわれるものであり、熱処理を施すことで、カーボン骨格に存在する炭素以外の不純物、例えば金属成分(例えばカーボンナノチューブ生成時の触媒金属)や有機成分などを除去する。カーボン骨格が炭素成分100%に近いほど望ましい。
熱処理は、公知の加熱装置を適宜選択して行なうことができる。熱処理後は、大気雰囲気に曝されないように次の吸蔵材形成工程に移行する。
熱処理は、前記真空条件以外に、9.33×102〜13.33×102Pa(7〜10Torr)の範囲内の真空条件下で好適に行なうことができ、好ましくは10〜102Paである。
また、熱処理の温度としては、1000〜1500℃の範囲内で好適に選択することができる。
なお、熱処理は、後述の吸蔵材形成工程で使用可能な装置に組み込まれた熱処理機能を利用して行なうようにすることもできる。
−吸蔵材形成工程−
次に、水素吸蔵合金を構成する元素イオンであるNiイオン及びFeイオンを生成し、生成されたNiイオン及びFeイオンのサイズ選別を各々行なって選別されたNiイオン及びFeイオンを、前記熱処理工程で熱処理された後のカーボン骨格に付与し、図2−(b)に示すように、カーボン骨格5の表面にNi−Fe合金10を形成する。
本工程では、分子吸着法により、カーボン骨格の表面に水素吸蔵合金(ここではNi−Fe合金)を好適に形成することができる。以下、図3に示す蒸着装置を用いて形成する場合を例に説明する。
蒸着装置は、図3に示すように、キセノン(Xe)イオンを放射するイオンスパッタ機構11と、Xeイオンが照射されてクラスターイオン(Niイオン、Feイオン)を生成するためのターゲット(Ni板及びFe板)12と、温度制御用のヘリウムガスセル13と、クラスターイオンを導くための8極イオンガイド14,15と、8極イオンガイド14及び15の間に設けられ、イオンサイズを検出するためのイオン検出器16と、イオン検出器16のイオン流方向下流側であって8極イオンガイド15の上流側に設けられ、イオンサイズを選別するための4重極質量選別器17と、8極イオンガイド15のイオン流れ方向下流側に設けられ、カーボン骨格の表面に蒸着を施すためのチャンバー19が設けられた試料室18とを備えている。
ターゲット12は、Ni板とFe板とを300mmの間隔をあけてそれぞれ1枚並べて構成したものであり、Xeイオンを照射することにより同時にNiイオン、Feイオンを生成することができるようになっている。Xeイオン以外に、Arイオンを照射するようにしてもよい。また、ターゲットには、Ni及びFeの合金を用いてもよい。
なお、Niは、J.Conceicao,R.T.Laaksonenet.al,Physi.Rev.B,51,4668(1995)等において、構成原子数10〜20のクラスターイオンが得られることが記載されている。また、Feについても、構成原子数10〜15程度のクラスターイオンが得られることが確認されている。
蒸着装置を起動し、イオンスパッタ機構11によりXeイオンが放射され、高速のXeイオンがターゲット12に照射されると、クラスターイオンとしてNiイオンとFeイオンとが生成される。生成されたクラスターイオンは、8極イオンガイド14によって、500℃に温度制御されたヘリウムガスセル13内に導かれ、ヘリウムガスセル13内でヘリウムガスと熱交換される。熱平衡に達したクラスターイオンは、まずイオン検出器16でイオンサイズが検出された後、更に下流側に配置された4重極質量選別器17で所定サイズのクラスターイオンが選別される。
選別されたNiイオン及びFeイオンが、試料室18に導入されると、既に熱処理工程で熱処理されて大気雰囲気に曝されない状態でチャンバー19内に配置されたカーボン骨格5に付与され、骨格表面にNi−Fe合金(水素吸蔵合金)10が形成される。このとき、クラスターサイズを所望サイズに制御し、途中で凝集させることなく、細孔構造内に吸着させるようにすることが重要である。前記所望サイズとしては、0.5〜1nmが望ましい。
選別された元素イオンを付与して蒸着する場合、後述の除去工程において、カーボン骨格を除去するために導入される酸素や二酸化炭素等の拡散を良好に行ない得るように、1nm以上のミクロ孔が空いた状態(好ましくは1010〜1013個/cm2)で蒸着を終了するようにするのが有効である。特に、20〜100時間の範囲が好適であり、好ましくは80〜100時間である。
上記では、単一のラインを使ってNiイオン及びFeイオンの両者を試料室18のチャンバー内に導入するようにしたが、生成する各イオン毎に各々別のラインを設けて通過させるようにし、選別されたNiイオンとFeイオンとが試料室18のチャンバー内ではじめて混合され、合金化されるように構成されていてもよい。
また、上記では蒸着によりNi−Fe合金(水素吸蔵合金)を形成するようにしたが、蒸着以外に電気化学法、溶液還元法によって形成することも可能である。
−除去工程−
次に、前記吸蔵材形成工程でNi−Fe合金が形成されたカーボン骨格5を除去する。カーボン骨格5を除去することにより、Ni−Fe合金(水素吸蔵合金)からなる骨格10が形成されると共に、骨格中からカーボン成分が除かれて骨格自体を多孔質化することができ、水素と接触する表面積が拡がり、水素の吸蔵能をより向上させることができる。
除去は、酸素や二酸化炭素など、カーボンを酸素と酸化反応(燃焼反応)を起こさせて炭素を燃焼除去することが可能な方法等により行なうことができる。
以上のようにして、細孔体1中の孔内では水素を物理吸着し、細孔構造を形成するNi−Fe合金(水素吸蔵合金)である骨格10では水素を化学吸着することができる。
本発明の細孔体は、水素を吸蔵、放出する水素貯蔵材料、混合ガスの貯蔵材料などのガス貯蔵用途や、ガスの供給制御が可能な材料、ガス分離器、ニッケル−二次水素電池等の電池の負極材料、ヒートポンプ、コンプレッサーなどの用途に好適である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
−カーボンナノチューブの準備−
まず、カーボンナノチューブ生成用の基体として、厚さ1.0mm、100mm四方のシリコン製基材(Si純度99.999999%)を用意した。このシリコン製基材を電気炉中に入れ、真空度1.0×10-3Paの雰囲気のもと10℃/minで800℃まで昇温し、5時間加熱処理して洗浄した。
続いて、洗浄後のシリコン製基材を蒸着装置に入れ、シリコン基材の一方の表面に厚さ〜1μmのCu膜(高導電性金属膜)を形成した。その後さらに、Cu膜上に厚さ30Åとなるように真空中でFe(触媒金属)を蒸着した。このようにして、Feが担持されたシリコン基板を得た。
続いて、Feが担持されたシリコン基板をそのFe担持面に原料ガスの照射が可能な位置に配置し、真空ポンプを駆動させて真空引きを行なって8×10-5Paの真空状態とした後、加熱器を用いて20℃のシリコン基板を20℃/minで800〜900℃まで加熱し、加熱されたシリコン基板のFe担持面に対して30分間略垂直にエチレン(C24)ガス及び水素ガスを照射した。
以上のようにして、チューブ径(平均直径)2nm、比表面積1600m2/gの10層構造のカーボンナノチューブを得た。その後、シリコン基板を30%塩酸(80℃)に10時間浸漬し、Feを溶解させ、C濃度を高めると共に、カーボンナノチューブの両端を開口するキャップオープンを行なった。
−成形工程−
上記より得たカーボンナノチューブを予め、エタノール中に浸漬し、後の吸蔵材形成工程において所望の格子骨格を形成し得るように、格子形状を成形した後、ホットプレス機(スズホ(株)製)により100MPaの加重をかけてプレス処理して、図2−(a)に示すように、格子状のカーボン骨格(仮骨格)5を成形した。
−熱処理工程−
次に、成形されたカーボン骨格5を103Paの真空下、1500℃で熱処理した。
−吸蔵材形成工程−
次に、ターゲット12として、Ti板とCr板とMn板とを100mmの間隔をあけてそれぞれ1枚並べて構成されたターゲットを用いたこと以外、図3と同様に構成された既述の蒸着装置を用意し、以下のようにしてカーボン骨格5の表面にTi−Cr−Mn合金10を形成した。
蒸着装置を起動すると、イオンスパッタ機構11によりXeイオンが放射され、高速のXeイオンがターゲット12に照射されると、クラスターイオンとしてTiイオンとCrイオンとMnイオンとが生成された。生成されたクラスターイオンは、100℃に温度制御されたヘリウムガスセル13内でヘリウムガスと熱交換され、熱平衡に達した後、イオン検出器16で検出されたイオンサイズに基づいて10〜30分子サイズのクラスターとなるように4重極質量選別器17で選別を行ない、選別されたTiイオン、Crイオン、及びMnイオンを試料室18に導入することによって、チャンバー内に配置されたカーボン骨格5の表面に、図2−(b)に示すように、Ti:Cr:Mn=1.1:1:1であるTi−Cr−Mn合金(解離圧5MPa(室温);水素吸蔵合金)10を形成した。
−除去工程−
次に、Ti−Cr−Mn合金10が形成されたカーボン骨格5を二酸化炭素雰囲気下、400℃、3MPaで10時間加熱処理を行なって除去し、図2−(c)に示すように、細孔内貯蔵水素量x:吸蔵水素量y=2:1である、Ti−Cr−Mn合金からなる細孔体1を作製した。この細孔体を、内容積22.0mlのタンクに充填して水素貯蔵タンクとした。
(比較例1)
実施例1の細孔体と同一重量に相当するTi−Cr−Mn合金のペレットを内容積22.0mlのタンクに充填し、比較の水素貯蔵タンクとした。
(評価)
実施例及び比較例で得られた各水素貯蔵タンクについて、室温(25℃)下で水素を貯蔵させたところ、同一容積のタンクに圧縮充填した場合の水素量Pに対して、実施例の水素貯蔵タンクでは、水素量Pの2.03倍の水素量を貯蔵することができた。これに対し、比較の水素貯蔵タンクでは、水素量Pの1.85倍であった。
上記において、水素吸蔵金属材料として、水素吸蔵合金であるTi−Fe合金、Ti−Cr−Mn合金を形成する例を中心に説明したが、既述の水素吸蔵が可能な金属や他の水素吸蔵合金を用いた場合も同様である、また、カーボン材料についても、上記で用いたカーボンナノチューブ以外のカーボン材料を用いた場合も同様である。
本発明の実施形態に係る細孔体を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る細孔体の製造方法により細孔体を作製するところを示す概略工程図である。 本発明の実施形態に係る細孔体の製造方法で用いた蒸着装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1…細孔体
5…カーボン骨格
10…Ti−Fe合金,Ti−Cr−Mn合金(水素吸蔵合金)

Claims (4)

  1. 平均直径が0.5〜3nmであって、比表面積が200〜2500m2/gである、チューブ端の少なくとも一方が開放されたカーボンナノチューブをプレス処理し、カーボン骨格を成形する成形工程と、
    成形されたカーボン骨格を真空下、1000〜1500℃の範囲で熱処理する熱処理工程と、
    水素吸蔵合金を構成する元素イオンを生成し、生成された元素イオンのサイズ選別を行なって選別された元素イオンを、熱処理された前記カーボン骨格に付与し、前記カーボン骨格の表面に水素吸蔵合金を形成する吸蔵材形成工程と、
    前記水素吸蔵合金が形成された前記カーボン骨格を除去する除去工程と、
    を有する細孔体の製造方法。
  2. 前記熱処理工程は、9.33×102〜13.33×102Paの真空下で熱処理する請求項に記載の細孔体の製造方法。
  3. 前記吸蔵材形成工程は、元素イオンの付与を20〜100時間行なう請求項又は請求項に記載の細孔体の製造方法。
  4. 前記吸蔵材形成工程は、Niイオン及びFeイオンを生成し、生成されたNiイオン及びFeイオンのサイズ選別を各々行なって選別されたNiイオン及びFeイオンを付与し、水素吸蔵合金を形成する請求項〜請求項のいずれか1項に記載の細孔体の製造方法。
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