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JP4952327B2 - 電子写真用現像ローラの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、複写機、プリンタ或いはファクシミリの受信装置などの電子写真方式を採用した画像形成装置に組み込まれる現像ローラに関し、特に非磁性1成分現像方式を採用した現像装置に用いられる現像ローラに関するものである。
即ち、本発明は、電子写真用現像ローラの製造方法に関するものである。
電子写真用現像ローラは、円筒状若しくは円柱状の基体の外周面上に、電荷付与性、トナー搬送性付与のために、少なくとも一層の樹脂層を形成して、作製されている。
電子写真用現像ローラには、前記樹脂層中に金属や金属酸化物、或いは炭素、セラミック等の無機粒子、合成樹脂等の有機粒子などのいわゆる粗さ付与粒子が添加され、その主な機能も例えば電荷付与性など目的用途に応じ、単独で或いは複数混合された状態で用いられる。何れにしろ代表的な方法としては、被覆層形成のための樹脂と該樹脂を溶解又は分散させるための溶剤を混合して塗布液を作製し、該塗布液中に上記粒子も分散させて塗布し、被覆層を形成している。
特に、電子写真用現像ローラにおいては、被覆層の特性は、同一ローラ中での位置による偏差及び製造ロット間の偏差を極力小さくする必要があり、その為には塗布液中の粗さ付与粒子の分散を出来るだけ均一にする必要がある。
現在カラープリンタは装置の小型、軽量、低コストのものが要求されている。そのため、現像プロセスとして非磁性1成分現像剤を用いる現像方式を採用する画像形成装置が主流となってきている。特に、この現像方式は、潜像を現像するため現像領域まで非磁性1成分現像剤を搬送する必要があり、該現像剤を搬送するために現像ローラの表面に適当な粗さを付けることが必須である。
現像ローラの表面粗さが小さい場合は、非磁性1成分現像剤の搬送が十分に行われず、現像に寄与するトナー量が少なくトナー画像濃度が不足となる。また、現像ローラの表面粗さが大きすぎる場合は、非磁性1成分現像剤が現像ローラ上に固定化されやすくなり、現像ローラ表面に非磁性1成分現像剤として用いるトナーが固着するフィルミングが発生し、プリント画像にかぶりやトナー飛散が発生する。
このため、現像ローラの表面に適正な粗さを付与する為に、粒径0.3〜30μmの樹脂粒子を添加した現像ローラが検討がされている(例えば、特許文献1参照)。
また、現像ローラの表面に粗さを付与する為に、無機微粒子で処理された粒径0.3〜30μmの樹脂粒子を添加した現像ローラが検討がされている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−185246号公報 特開平9−190071号公報
前記した如く、表面粗さを小さくすると、トナーの搬送量が少なくなり画像濃度が低下し、表面粗さを大きくすると、トナーの搬送量が多くなり現像ローラ表面にフィルミングが発生しやすく、トナーこぼれを発生させやすい。しかし、実用面からは、非磁性1成分現像剤を用いた現像方式の画像形成装置で多数枚(例えば、連続5000枚)プリントを行っても、何ら問題が発生しない現像ローラの開発が求められている。
上記問題を解決するため、本発明者等は、現像ローラの表面の粗さそのものだけではなく、表面粗さRaとその偏差が重要で有ると考え検討を行った。
現像ローラの表面の粗さRaとその偏差を好ましい範囲にするためには、被覆層を形成する塗布液中に粗さ付与粒子を均一に、且つ安定に分散させることが重要であり、表面の粗さとその偏差を適正化する検討を行った。
即ち、塗布液中の粗さ付与粒子の分散を出来るだけ均一にするためには、塗布液を滞留させず塗布液を常に供給しながら塗布する方式が好ましいが、この場合、送液に用いるポンプのシェアストレスにより塗布液中に含有されている粗さ付与粒子の変形や破損がおこり、結果的に目的とする表面粗さが得られないという問題が発生することが多い。
もし、上記の粗さ付与粒子の変形や破損が起こると、出来上がった現像ローラは、トナー搬送量の低下、画像濃度低下等性能上の問題が発生し、又、塗布液中に含まれる変形や破損された粗さ付与粒子は、ポンプ性能を低下させ、ポンプの詰まりや破損により、安定した送液が出来なくなってくる。
即ち、本発明の目的は、粗さ付与粒子を含有する塗布液を送液しても、粗さ付与粒子が変形や破損されることがなく、同一現像ローラ中では画像形成領域の全てにおいて表面粗さが一定である被覆層が形成でき、製造される現像ローラは、製造開始から終了時まで全現像ローラの表面粗さが一定となる現像ローラの製造方法を提供することである。
又、この様な方法で製造された現像ローラは、各現像ローラ間の偏差も、同一現像ローラの位置による偏差も少ない。それ故、全ての現像ローラが形成画像の最高画像濃度が高く、画像ムラがなく、多数枚プリント後も濃度低下がなく、しかも長期使用後もトナーフイルミングやトナーこぼれがない現像ローラである。
本発明の発明者が鋭意検討した結果、本発明の目的は下記構成の何れかを採ることにより、達成できることがわかった。
(1)
基体上に被覆層塗布液を塗布する電子写真用現像ローラの製造方法において、
前記被覆層塗布液は、シランカップリング剤で表面処理されている粗さ付与粒子を含有し、前記粗さ付与粒子の比重をA、粗さ付与粒子を除いた被覆層塗布液の比重をBとするとき、AとBの比重比(A/B)が下記式で表され、
等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いて送液する塗布装置で塗布することを特徴とする電子写真用現像ローラの製造方法
0.5<A/B<3.2
(2)
前記粗さ付与粒子が有機化合物により形成されていることを特徴とする(1)記載の電子写真用現像ローラの製造方法
本発明により、粗さ付与粒子を含有する塗布液を送液しても、粗さ付与粒子が破損されることがなく、同一現像ローラ中では画像形成領域の全てにおいて表面粗さが一定である被覆層が形成でき、製造される現像ローラは、製造開始から終了時まで全現像ローラの表面粗さが一定となる現像ローラの製造方法を提供することが出来る。又、製造された現像ローラで形成された画像濃度は、最高画像濃度が高く、多数枚プリント後も濃度低下がなく、しかも長期使用後もトナーフイルミングやトナーこぼれのない現像ローラを提供することが出来る。
以下本発明を詳細に説明する。
〈現像ローラの構成〉
本発明の現像ローラは、基体である導電性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を設けたものである。被覆層の層構成は特に限定されず単層構成でも、下層と上層の2層構成でもよい。また、基体との接着性を良好にするために必要であればさらに接着層を有するものでもよい。
上記2層構成のものは、例えば樹脂溶液中に粗さ付与粒子を分散して得られた塗布液を導電性シャフト上に塗布して下層を作製し、この下層の上に樹脂溶液を塗布して薄い上層を形成して得ることができる。
下記にその例を図を用いて説明する。
図1は、本発明の現像ローラの一例を示す断面模式図である。
図1において、25は現像ローラ、10は導電性シャフト(基体)、20は被覆層、22は上層、21は下層、23は粗さ付与粒子を示す。
図1の(a)は現像ローラの模式図を示す。(b)は導電性シャフト10の外周に被覆層20が形成された現像ローラ25を示す。(c)は導電性シャフト10の外周に下層21と上層22からなる被覆層20が設けられ、下層に粗さ付与粒子23が存在している現像ローラを示す。
《被覆層の厚さ》
現像ローラの被覆層の厚さは、5〜30μmが好ましく、2層構成の場合には下層の膜厚5〜20μm、上層の膜厚2〜10μmが好ましい。
《表面粗さ》
現像ローラの表面粗さRaは、0.5〜4.0μmが好ましく、1.0〜3.0μmがより好ましい。
現像ローラの表面粗さRaとその偏差を上記範囲とすることによりトナーの搬送性不良、及びフィルミングの発生を防止できる。
(表面粗さRaの測定)
図2は、Raの測定場所を示す模式図である。
現像ローラの軸方向の中心位置(図2のC)と中心位置から両端に向かって50mm、100mm離れた位置の計5箇所の位置における現像ローラ軸中心から90°ずつずらして現像ローラ表面へ引いた垂線と表面との各交点、4点を測定する。
現像ローラの表面粗さRaの偏差、特に現像ローラの位置による偏差を小さくすることによりトナーの搬送性不良、及びフィルミングの発生等の位置による変動を防止できる。
表面粗さ(算術平均粗さ)Raとは、粗さ曲線からその平均値の方向に基準長さLだけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表した時、次の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 0004952327
図3は、表面粗さRaを測定した粗さ曲線の一例を示す。
表面粗さRaは、表面粗さ計「サーフコム1400D」(東京精密社製)で測定する。
測定条件
下記表1の如くである。
Figure 0004952327
測定は下記の手順にておこなう。
1.円筒状の基体を軸線方向に測定するために、V台セット(東京精密E−WJ−S02A)と調整台(東京精密E−AT−S04A)をサーフコム1400にセットする。
2.V台に塗膜の無い基体をのせ、平行出しと傾斜調整を行う。平行出しは調整台のトラバースつまみを回し、レベルメータが最も上にくるところ、すなわち触針が円弧の最も高い点にセットする。傾斜調整は触針が測定終了点にくるようにピックアップを動かし、レベルメータ範囲内に収まるようにレベリングつまみを回す。基体の軸線上の測定範囲全域をレベルメータ範囲内で動かす事が出来れば、測定準備完了である。
3.V台に測定サンプルを置き、表1の測定条件設定にて測定を開始する。
4.測定終了後、算術平均粗さRaが出力される。
〈被覆層の塗布〉
次に、現像ローラを構成する被覆層とその塗布について説明する。
前記した通り本発明の現像ローラは、導電性シャフト(基体)の外周に少なくとも粗さ付与粒子を含有する被覆層を有する。
従来、現像ローラに限らず、この様なシャフトに被覆層を塗布することはよく行われていた。その場合は、塗布槽の中にシャフトを浸漬し引き上げる塗布方式が最も代表的な方法である。このための塗布液を送液し塗布するための構成図が図4である(構成についての詳しい説明は後述する)。
これまで送液のため用いられるポンプとしては、回転型ポンプに属する複数のかみ合ったギヤを回転させるギヤポンプ、或いは往復型ポンプ(往復運動で液体に圧力を与える)に属するピストンポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ等が用いられてきた。
しかしながら、本発明の如くかなり粘度が高く、その液中に大きな粒子が分散された塗布液を送液する場合、ギヤポンプを用いると噛み合いながら回転するギヤにより、粗さ付与のために添加されている前記大きな粒子がツブされてしまったり、その一部がギヤの歯先などに付着しギヤの回転を阻害し、送液量を変えてしまったり、甚だしい場合はポンプの停止にいたる問題が発生した。
又、ピストンポンプ、プランジャーポンプを用いた場合、この方式は基本的には注射器と同じ原理であり、筒(シリンダ)の中を棒が往復する構造である。筒と棒の間には当然隙間があり、この隙間を塞ぐシールが棒の側に付いているかシリンダ側に付いているかでピストンポンプ、プランジャーポンプに分かれる。何れにしろ、棒の往復動による脈動が基本的に防止ししきれない上に、実際に本発明の態様に使用してみると、筒(シリンダ)と棒(ピストン)の往復運動時に、粗さ付与粒子(大きな粒子)が摩擦され、その粒子の変形や破壊、それに基づく筒や棒への付着等を生じ、製造された現像ローラの性能の偏差の大きさと共に、製造装置の耐久性にも問題を生じた。
次に、ダイヤフラムポンプであるが、これはポンプ室の一部を弾性のあるゴム等の隔膜により形成し、モーター、電磁石、空気圧、油圧によりポンプ室を膨らませたり、へこませたして、これと連動する送液弁、給液弁を開閉し(へこました時には、送液弁を開き給液弁を閉じる、膨らませた時はその逆となる)、塗布液を一定量送液することができる。しかも、この時、摺動や摩擦する部材と塗布液は直接に接することがなく、従って、実際に塗布製造装置に組み込んでみると、粗さ付与粒子(大きな粒子)の変形や破壊は少ないという利点を有していた。しかしながら、脈動はやはりあり、塗布時に塗布槽中の塗布液の揺れのためか現像ローラ表面に膜厚のムラを生じ、特に問題なのは、粗さ付与粒子の液中での分布ムラが生じるためか、仕上がった現像ローラの被覆層中にも粗さ付与粒子の分布むらを生じていることが判明した。
結局、これまでは、本発明の如く現像ローラ表面に凹凸を付けるために、大きな粒径を有する「粗さ付与粒子」(詳しくは後述するが径5〜30μm)を、均一に分散した液を塗布するといったことは余り行われていなかった。
本発明においては、大粒径でしかも極力摩耗・粉砕を起こさないよう強度や硬度の高い、従って密度が高く必然的に比重のある程度大きな粒子を、均一に分散させて塗布する必要がある。
本発明の目的を達成するためには、現在用いられている技術を転用するだけでは達成することは出来ず、しかも、未だ検討されたこともなく、その問題点の把握さえ成されてはいなかった。発明者らの検討により、上記した種々の問題点と、それを解決するにはダイヤフラムポンプの一種である等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いることにより、これら問題点が解決出来ることがわかった。
ここで、ダイヤフラムポンプとは、ダイヤフラムと呼ばれる液体収納部分と機械部分とを分離する仕切板を動かして、容積を変化させて液体を輸送する往復作動方式のポンプのことである。そして、等速度カム方式ダイヤフラムポンプとは、一定速度で回転するカムにより、ダイヤフラムを往復作動させる方式のものである。
ダイヤフラムポンプは、その構造により液体を撹拌させずに送液が行えるので、粗さ付与粒子を含有した塗布液を輸送する際に、粗さ付与粒子にストレスをかけずに送液が行える。従って、送液時に粗さ付与粒子へのストレス付与が回避される分、送液時に粗さ付与粒子が変形や破損したりすることがない。
又、一定速度で回転するカムにより、ダイヤフラムを駆動させているので、ダイヤフラムの往復運動が、常に一定状態で行われ、送液量のばらつきを抑制することができる。
本発明の等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いて送液する塗布装置の概略構成図の一例を示すと図4の如きである。等速度カム方式ダイヤフラムポンプ5を用いて送液することの外は、従来用いてきたものと同様な構成を有している。
樹脂を溶解した溶液に、粗さ付与粒子を分散して塗布液を調製し、この塗布液を等速度カム方式ダイヤフラムポンプ5を用いて送液された塗布液により導電性シャフト(図示していない)の外周に塗布し、乾燥して被覆層を形成する。
即ち、図4において、塗布槽1には塗布液2が満たされ、循環タンク3から等速カム方式ダイヤフラムポンプ5により一定量の塗布液が、絶えず塗布槽底部に供給され、塗布槽からオーバーフローした塗布液は、循環タンクに戻されるという循環系を形成している。なお、6は送液パイプ、4は循環タンク内の塗布液を撹拌する塗布液撹拌モーターである。図示していないが塗布液には導電性シャフトが浸漬され、次に引き上げられて導電性シャフトの外周には被覆層の塗布が成される。
等速カム方式ダイヤフラムポンプ5とは、図5に示す如き内部構造を有している。
高精度等速度カム11の回転により保護ダイヤフラム12及びダイヤフラム13が、図の右方向に押されると、ダイヤフラム13とポンプヘッド14との間に存在していた塗布液2は、押されて図上方の送液パイプへ送られる(この時、上部にある送液弁は開かれ、下部にある給液弁は閉められている)。次に、高精度等速度カム11が回転してダイヤフラム13を左方向に動かし元の位置に戻す様に作動している時には、ダイヤフラムとポンプヘッド14の間が拡張して、この時は上部にある送液弁が閉じ、下部にある給液弁が開き塗布液が給液される。
実際には図5のポンプヘッド14の右側にあるダイヤフラムにも、高精度等速度カムの動きが全く同様に伝えられている。それにより、ポンプヘッドの右側では上記したのと全く反対の動作がなされるが、これにより同一の送液パイプに塗布液が送られるから、送液は常に限りなく一定に成されることになる。
実際には同一の原理により、ダイヤフラムは2個でなく3個用いて、120°ずつづらして動かすことにより送液することも出来る。この様に、等速度カムを用いて複数のダイヤフラムを連動させて動かし、一定で脈動のない送液を可能にしたポンプを等速度カム方式ダイヤフラムポンプと呼ぶが、本発明の目的はこの方式のポンプを用いることによってのみ達成される。
尚、粗さ付与粒子を分散した塗布液ではない場合でも、塗布液を等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いて送液する塗布装置により塗布することが好ましいが、必ずしも必要ではなく、通常のスプレー塗布法等により塗布し、乾燥して上層を形成してもよい。
各塗布液には、更に必要に応じ電子導電剤、イオン導電剤、非導電性充填剤等を添加することができる。
《粗さ付与粒子》
粗さ付与粒子は、現像ローラ表面の表面粗さと表面粗さの平均間隔を好ましい範囲にコントロールするために添加される。
粗さ付与粒子の粒径は、体積基準における平均メディアン径(D50)5〜30μmのものが好ましく、7〜20μmのものがより好ましい。また、粗さ付与粒子の形状は球形状のものが好ましい。
粗さ付与粒子は、被覆層を形成する塗布溶液に溶解しないもので、具体的には架橋アクリル系樹脂粒子、ナイロン6等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子等の有機化合物により形成されたものが挙げられる。これらの中では架橋アクリル系樹脂粒子が好ましく用いられる。
又、無機金属粒子、酸化金属粒子、各種セラミック粒子等を用いることも出来る。しかし、これらの有機化合物で形成されたもの以外の粒子では、被覆層塗布液に比べて、比重が大きなものがあり、余り比重の大きな材料を粗さ付与粒子として用いると、粗さ付与粒子以外の被覆層塗布液との比重差が大きくなり、沈降により塗布液の均一分散性が損なわれる可能性がある。同様な理由で被覆層塗布液よりあまり比重の小さな付与粒子を用いるのも好ましくない。
その意味では、上述した様な有機化合物で形成されたものを粗さ付与粒子として用いることが好ましい。
本発明では、前記粗さ付与粒子の比重をA、前記粗さ付与粒子を含まない被覆層塗布液の比重をBとするとき、AとBの比重比(A/B)が下記式で表される程度に納めるのが望ましい。
0.5<A/B<3.2
A/Bが0.5より大きい方が、被覆層塗布液中の上部に粗さ付与粒子が集まる傾向を抑えることが出来、又、A/Bが3.2より小さい方が、被覆層塗布液中の下部に粗さ付与粒子が沈降する傾向を抑えることが出来るからである。
尚、本発明で用いる粗さ付与粒子は、シランカップリング剤で表面処理されているものが好ましい。
シランカップリング剤で処理した粗さ付与粒子は、粗さ付与粒子を塗布溶液中に均一に且つ安定に分散でき、この分散液を塗布して被覆層を形成すると現像ローラ表面の表面粗さと表面粗さの平均間隔を好ましい範囲にすることができる。
シランカップリング剤による粗さ付与粒子の表面処理は、粗さ付与粒子の分散液に、シランカップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間分散物を放置することにより加工できるる。表面処理反応を促進するため、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸(例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸)、またはこれらの塩(例えば、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
シランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個の硅素原子に結合した水酸基を有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
尚、本発明において粗さ付与粒子表面がシランカップリング剤により処理されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認することが出来る。
《導電性シャフト(基体)》
本発明に用いられる導電性シャフトは、現像ローラ表面に蓄積される電荷をリークさせる部材も兼ねるため、導電性の金属で構成されることが好ましい。代表的なものとして、直径1〜30mmのステンレス鋼(例えばSUS303)、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の導電性金属があり、また導電性樹脂で構成されるものでもよい。
〈被覆層の樹脂成分〉
被覆層の樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、具体的には、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等の変性アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。この内、自己膜補強性、トナー帯電性等の観点から、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等が好ましく用いられる。中でも、良好な耐磨耗性や弾性が得られる点から、ウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。
ウレタン樹脂としては、例えばポリヒドロキシ化合物とイソシアネート化合物を含むウレタン原料を反応させて得たもの、例えば、プレポリマーを架橋反応させる方法で得たものや、ポリオールをワン・ショット法にてポリイソシアネー卜と反応させる方法で得たものなどが挙げられる。
この場合、ウレタン樹脂を得る際に用いられるポリヒドロキシル化合物としては、一般の軟質ポリウレタンフォームやウレタンエラストマーの製造に用いられるポリオール、例えば、末端にポリヒドロキシル基を有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオールが挙げられるほか、ポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール、ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させて得られるいわゆるポリマーポリオール等の一般的なポリオールを使用することができる。また、イソシアネート化合物としては、同様に一般的な軟質ポリウレタンフォームやウレタンエラストマーの製造に使用されるポリイソシアネート、即ち、トリレンジイソシアネート(TDIと表すことがある)、粗製TDI、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDIと表すことがある)、粗製MDI、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの混合物や変性物、例えば部分的にポリオール類と反応させて得られるプレポリマー等を用いることができる。特に被覆層をユニバーサル硬さを低くする目的でポリイソシアネートの混合比率を低くしてもよい。
また、ウレタン樹脂は、ポリヒドロキシル化合物及びポリイソシアネートを含む、1液型や2液型のウレタン原料を用いて調製してもよいし、必要に応じてエポキシ樹脂やメラミン樹脂を架橋剤として用いても良い。
本発明で用いられる樹脂としては、シリコーン共重合ポリウレタン樹脂も好ましい。シリコーン共重合ポリウレタン樹脂は、2官能以上の多価イソシアネート及び2官能以上の水酸基をもつシリコーン骨格を分子中に有する化合物から合成することができる。
このシリコーン共重合ポリウレタン樹脂は特に限定されるものではないが、特公平7−33427号等に開示されるものを使用することができる。
ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、6・6、6・10、6・12、11、12、12・12及びそれらのポリアミドの異種モノマー間の重縮合から得られるポリアミドなどであり、作業性の面からアルコール可溶性のものが好んで用いられている。例えばポリアミドの3元共重合体や4元共重合体の分子量を調整したもの、またはポリアミド6やポリアミド12をメトキシメチル化し、アルコールや水に可溶性としたものが挙げられる。
また、アクリル樹脂としては、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルエタクリレート、これらの側鎖末端をヒドロキシアルキル基等で置換したもの、及び、これらの共重合体等が用いられる。
〈その他の添加剤(電子導電剤・イオン導電剤)等〉
《電子導電剤》
電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫一酸化アンチモン固溶体、酸化錫一酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物、これらの導電性材料で被膜された絶縁性物質などの微粉末を用いることができる。この内、カーボンブラックが、比較的容易に入手でき良好な帯電性が得られるので好ましく用いられる。
カーボンブラックは、その種類には、特に制限はなく、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の従来公知の種々のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの配合量は、使用するカーボンブラックの種類によって異なるために特に限定されないが、通常、樹脂成分100質量部に対して5〜50質量部とするのが好ましく、より好ましくは10〜40質量部の範囲において、被覆層に要求される導電性及びユニバーサル硬さに応じて適宜設定される。
カーボンブラックの配合量を50質量部以下とすると、現像ローラの導電性及びユニバーサル硬さが適切なものとなり、更に、樹脂層内での分布の均一性が上がるため、導電性の均一性も向上する。一方、カーボンブラックの配合量を5質量部以上とすると、好ましいレベルの導電性を確保することができる。更に、添加したカーボンブラックを十分パーコレートすることが可能となり、導電性を安定させることができる。
《イオン導電剤》
イオン導電剤としては、従来から無機イオン塩や有機イオン塩として公知のものが、何れも適宜に選択使用できる。具体的には、LiCl、NaI、NaBr、KI等のアルカリ金属ハライド、LiClO4、KClO4、CuC12Mg(ClO42等の過塩素酸塩、LiSCN、NaSCN、CsSCN等のチオシアン酸塩等のごとき無機イオン塩や、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加リン酸エステル塩、4級アンモニウム塩、ベタイン等の有機イオン塩を挙げることができる。これらの中で特に好ましいものとして、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を挙げることができる。このイオン導電剤は、1種類で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン導電剤の配合量は、特に制限はなく各種状況に応じて適宜選定されるが、被覆層を形成する樹脂成分100質量部に対し0.001〜5質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましい。
これにより、1×104〜1×1010Ω・cmの抵抗領域で、電気抵抗の位置偏差が少なく、且つ電気抵抗の電圧依存性が少ない上、温湿度の環境変化に対する電気抵抗の変動が少ない導電性を有する被覆層が得られる。
尚、上記の添加剤が添加される場合には、例え、粒子状であるものを添加するとしても本発明における粗さ付与粒子より、少なくとも2オーダー、通常3オーダー程度は粒径が小さなものを用いるのが好ましい。
《現像ローラの特性》
現像ローラは、導電性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を設けたものである。被覆層の体積抵抗は1×104〜1×1010Ω・cmのものが好ましい。
この範囲とすることで、画像欠陥の無いトナー画像を得ることができる。
本発明において、被覆層の体積抵抗は、図6示す測定装置を用いて測定したときの値である。
図6は、体積抵抗測定装置の概略図である。
図において、8は対極電極(金属ドラム)、25は現像ローラ、3は直流電源、4は電流計を示す。
被覆層の体積抵抗は、対極電極2と測定する現像ローラ25を矢印の方向に回転させながら、直流電源3から100Vを印加し、その時に流れる電流を電流計4で測定し、計算で算出する。
測定器 :図6の測定機
測定条件:対極電極と現像ローラの線速度を1〜5cm/secと等速で回転させる
印加電圧:100V
測定環境:20℃、50RH%
〈本発明に用いられる現像剤(現像用トナー)〉
本発明に係る現像剤は通常は非磁性1成分現像剤であり、特に熱定着可能で非磁性1成分現像手段に用いることができるトナーであれば特に限定されるものではない。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)径は、高品質のトナー画像を得るという観点から3〜9μmのものが好ましい。
トナーを構成する樹脂は特に限定されずトナー用として公知の樹脂を用いることが出来る。具体的には、ポリエステル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂等を挙げることができるが、無論これらの共重合体樹脂でもよい。特に望ましくはアクリル酸エステル系樹脂またはその共重合体樹脂が好ましい。
トナーの製造方法も特に限定されず、公知の重合法や粉砕法により作製することができる。しかし、本発明に適した小粒径で粒径の揃ったトナーを造るためには、重合法により作製するのがより好ましい。
体積基準におけるメディアン径(D50)は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター製)に、データ処理用のコンピュータシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
体積基準におけるメディアン径(D50)の測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを30000個に設定して測定する。尚、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
〈本発明に用いられる現像装置〉
次に、本発明に係る現像装置例について説明する。
本発明の現像ローラは、その表面に非磁性1成分現像剤を保持して搬送し、該現像剤を潜像担持体表面の潜像に付着させる現像装置を用い、潜像を可視化する画像形成方法に用いられる。
図7は、本発明に係る現像装置の一例を示す断面概略図である。
図7に示す現像装置20は、現像ローラ25に隣接してバッファ室26を、バッファ室26に隣接してホッパ27等を有する。
バッファ室26にはトナー規制部材であるブレード28が現像ローラ25に圧接させた状態で配置されている。ブレード28は、現像ローラ25上のトナーの帯電量及び付着量を規制するものである。また、現像ローラ25の回転方向に対してブレード28の下流側に、現像ローラ25上のトナー帯電量・付着量の規制を補助するための補助ブレード29を更に設けることも可能である。
現像ローラ25には供給ローラ30が押圧されている。供給ローラ30は、図示しないモータにより現像ローラ25と同一方向(図中反時計回り方向)に回転駆動する。供給ローラ30は、導電性の円柱基体と基体の外周にウレタンフォームなどで形成された発泡層を有する。
ホッパ27には非磁性1成分現像剤であるトナーTが収容されている。また、ホッパ27にはトナーTを撹拌する回転体31が設けられている。回転体31には、フィルム状の搬送羽根が取付けられており、回転体31の矢印方向への回転によりトナーTを搬送する。搬送羽根により搬送されたトナーTは、ホッパ27とバッファ室26を隔てる隔壁に設けられた通路32を介してバッファ室26に供給される。尚、搬送羽根の形状は、回転体31の回転に伴い羽根の回転方向前方でトナーTを搬送しながら撓むとともに、通路32の左側端部に到達すると真っ直ぐの状態に戻るようになっている。このように羽根はその形状を湾曲状態を経て真っ直ぐに戻るようにすることでトナーTを通路32に供給している。
また、通路32には通路32を閉鎖する弁321が設けられている。この弁はフィルム状の部材で、一端が隔壁の通路32右側面上側に固定され、トナーTがホッパ27から通路32に供給されると、トナーTからの押圧力により右側に押されて通路32を開けるようになっている。その結果、バッファ室26内にトナーTが供給される。
また、弁321の他端には規制部材322が取付けられている。規制部材322と供給ローラ30は、弁321が通路32を閉鎖した状態でも僅かな隙間を形成する様に配置される。規制部材322は、バッファ室26の底部に溜まるトナー量が過度にならないように調整するもので、現像ローラ25から供給ローラ30に回収されたトナーTがバッファ室26の底部に多量に落下しないように調整される。
現像装置20では、画像形成時に現像ローラ25が矢印方向に回転駆動するとともに供給ローラ30の回転によりバッファ室26のトナーが現像ローラ25上に供給される。現像ローラ25上に供給されたトナーTは、ブレード28、補助ブレード29により帯電、薄層化された後、像担持体との対向領域に搬送され、像担持体上の静電潜像の現像に供される。現像に使用されなかったトナーは、現像ローラ25の回転に伴って除電ブレード24により除電され、現像ローラとトナーの静電的な付着力を低減させた後、供給ローラ30により現像ローラ25から掻き取られ回収される。
〈本発明に用いられる画像形成装置〉
次に、本発明に用いられる画像形成装置の一例として、フルカラー画像形成装置について説明する。
図8は、フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
図8に示すフルカラー画像形成装置においては、回転駆動される感光体ドラム10の周囲に、この感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電ブラシ111や、この感光体ドラム10上に残留したトナーを掻き落すクリーナ112が設けられている。
また、帯電ブラシ111によって帯電された感光体ドラム10をレーザビームによって走査露光するレーザ走査光学系20が設けられており、このレーザ走査光学系20はレーザダイオード,ポリゴンミラー,fθ光学素子を内蔵した周知のものであり、その制御部にはイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送されるようになっている。そして、このレーザ走査光学系20は、上記の各色毎の印字データに基づいて、順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光し、これにより感光体ドラム10上に各色毎の静電潜像を順次形成するようになっている。
また、このように静電潜像が形成された感光体ドラム10に各色のトナーを供給してフルカラーの現像を行うフルカラー現像装置30は、支軸33の周囲にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各非磁性1成分トナーを収容させた4つの色別の現像器31Y、31M、31C、31Bkが設けられており、支軸33を中心として回転し、各現像器31Y、31M、31C、31Bkが感光体ドラム10と対向する位置に導かれるようになっている。
また、このフルカラー現像装置30における各現像器31Y、31M、31C、31Bkにおいては、上記7に示すように、回転してトナーを搬送する現像剤担持体(現像ローラ)25の外周面にトナー規制部材が圧接されており、このトナー規制部材により、現像ローラ25によって搬送されるトナーの量を規制すると共に、搬送されるトナーを帯電させるようになっている。尚、このフルカラー現像装置30においては、現像ローラ25によって搬送されるトナーの規制と帯電とを適切に行うために、トナー規制部材を2つ設けるようにしてもよい。
そして、上記のようにレーザ走査光学系20によって感光体ドラム10上に各色の静電潜像が形成される毎に、上記のように支軸33を中心にして、このフルカラー現像装置30を回転させ、対応する色彩のトナーが収容された現像器31Y、31M、31C、31Bkを感光体ドラム10と対向する位置に順々に導き、各現像器31Y、31M、31C、31Bkにおける現像ローラ25を感光体ドラム10に接触させて、上記のように各色の静電潜像が順々に形成された感光体ドラム10上に、帯電された各色のトナーを順々に供給して現像を行うようになっている。
また、このフルカラー現像装置30より感光体ドラム10の回転方向下流側の位置には、中間転写体40として、回転駆動される無端状の中間転写ベルト40が設けられており、この中間転写ベルト40は感光体ドラム10と同期して回転駆動されるようになっている。そして、この中間転写ベルト40は回転可能な1次転写ローラ41により押圧されて感光体ドラム10に接触するようになっており、またこの中間転写ベルト40を支持する支持ローラ42の部分には、2次転写ローラ43が回転可能に設けられ、この2次転写ローラ43によって記録紙等の記録材Sが中間転写ベルト40に押圧されるようになっている。
更に、前記のフルカラー現像装置30とこの中間転写ベルト40との間のスペースには、中間転写ベルト40上に残留したトナーを掻き取るクリーナ50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
また、普通紙等の記録材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、記録材Sを収容させる給紙トレイ61と、この給紙トレイ61に収容された記録材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラ62と、上記の中間転写ベルト40上に形成された画像と同期して給紙された記録材Sを中間転写ベルト40と上記の2次転写ローラ43との間に送るタイミングローラ63とで構成されており、このようにして中間転写ベルト40と2次転写ローラ43との間に送られた記録材Sを2次転写ローラ43によって中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40からトナー像を記録材Sへ押圧転写させるようになっている。
一方、上記のようにトナー像が押圧転写された記録材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着装置70に導かれるようになっており、この定着装置70において転写されたトナー像が記録材S上に定着され、その後、この記録材Sが垂直搬送路80を通して装置本体100の上面に排出されるようになっている。
次に、このフルカラー画像形成装置を用いてフルカラーの画像形成を行う動作について具体的に説明する。
まず、感光体ドラム10と中間転写ベルト40とを同じ周速度でそれぞれの方向に回転駆動させ、感光体ドラム10を帯電ブラシ11によって所定の電位に帯電させる。
そして、このように帯電された感光体ドラム10に対して、上記のレーザ走査光学系20によりイエロー画像の露光を行い、感光体ドラム10上にイエロー画像の静電潜像を形成した後、この感光体ドラム10にイエロートナーを収容させた現像器31Yから前記のようにトナー規制部材によって荷電されたイエロートナーを供給してイエロー画像を現像し、このようにイエローのトナー像が形成された感光体ドラム10に対して中間転写ベルト40を1次転写ローラ41によって押圧させ、感光体ドラム10に形成されたイエローのトナー像を中間転写ベルト40に1次転写させる。
このようにしてイエローのトナー像を中間転写ベルト40に転写させた後は、前記のようにフルカラー現像装置30を支軸33を中心にして回転させ、マゼンタトナーが収容された現像器31Mを感光体ドラム10と対向する位置に導き、上記のイエロー画像の場合と同様に、レーザ走査光学系20により帯電された感光体ドラム10に対してマゼンタ画像を露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をマゼンタトナーが収容された現像器31Mによって現像し、現像されたマゼンタのトナー像を感光体ドラム10から中間転写ベルト40に1次転写させ、更に同様にして、シアン画像及びブラック画像の露光,現像及び1次転写を順々に行って、中間転写ベルト40上にイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー画像を順々に重ねてフルカラーのトナー像を形成する。
そして、中間転写ベルト40上に最終のブラックのトナー像が1次転写されると、記録材Sをタイミングローラ63により2次転写ローラ43と中間転写ベルト40との間に送り、2次転写ローラ43により記録材Sを中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラーのトナー像を記録材S上に2次転写させる。
そして、このようにフルカラーのトナー像が記録材S上に2次転写されると、この記録材Sを上記の搬送手段66により定着装置70に導き、この定着装置70によって転写されたフルカラーのトナー像を記録材S上に定着させ、その後、この記録材Sを垂直搬送路80を通して装置本体1の上面に排出させるようになっている。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
〈現像ローラの作製〉
《導電性シャフトの準備》
現像ローラの軸体として、SUS303の中空筒状の導電性シャフトを準備した。これを「シャフト1」とする。
《粗さ付与粒子の作製》
(粗さ付与粒子1の作製)
体積基準におけるメディアン径(D50)が25μm(比重1.10)の球状「ポリスチレン樹脂粒子1」10質量部、シランカップリング剤「ヘキサメチルジシラザン」30質量部、メタノール100質量部を撹拌分散して分散液を作製し、この分散液を50℃の温度で、1日間放置した後、固液分離、乾燥して架橋アクリル樹脂粒子の表面をヘキサメチルジシラザンで処理した「粗さ付与粒子1」を作製した。
(粗さ付与粒子2の作製)
粗さ付与粒子1の作製で用いた「ポリスチレン樹脂粒子1」を、体積基準におけるメディアン径(D50)が5.0μm(比重1.02)の球状「ナイロン樹脂粒子2」に変更した以外は同様にして「粗さ付与粒子2」を作製した。
(粗さ付与粒子3の作製)
粗さ付与粒子1の作製で用いた「ポリスチレン樹脂粒子1」を、体積基準におけるメディアン径(D50)が20μm(比重1.20)の球状「架橋アクリル樹脂粒子3」に変更した以外は同様にして「粗さ付与粒子3」を作製した。
(粗さ付与粒子4の作製)
粗さ付与粒子1の作製で用いた「ポリスチレン樹脂粒子1」を、体積基準におけるメディアン径(D50)が5.0μm(比重0.78)の中空型球状「架橋アクリル樹脂粒子4」に変更した以外は同様にして「粗さ付与粒子4」を作製した。
(粗さ付与粒子5の作製)
粗さ付与粒子1の作製で用いた「ポリスチレン樹脂粒子1」を、体積基準におけるメディアン径(D50)が10μm(比重0.80)の中空型球状「架橋アクリル樹脂粒子5」に変更した以外は同様にして「粗さ付与粒子5」を作製した。
(粗さ付与粒子6の作製)
「架橋アクリル樹脂粒子3」を、体積基準におけるメディアン径(D50)が20μm(比重4.60)の球状「酸化チタン粒子」10質量部、シランカップリング剤「ジメチルジメトキシシラン」30質量部、メタノール100質量部を撹拌分散して分散液を作製し、この分散液を50℃の温度で、1日間放置した後、固液分離、乾燥して粗さ付与粒子の表面をシランカップリング剤で処理した「粗さ付与粒子6」を作製した。
(粗さ付与粒子7の作製)
「架橋アクリル樹脂粒子3」を、体積基準におけるメディアン径(D50)が20μm(比重4.10)の球状「酸化チタン粒子」10質量部、シランカップリング剤「ジメチルジエトキシシラン」30質量部、メタノール100質量部を撹拌分散して分散液を作製し、この分散液を50℃の温度で、1日間放置した後、固液分離、乾燥して粗さ付与粒子の表面をシランカップリング剤で処理した「粗さ付与粒子7」を作製した。
《現像ローラ1の作製》
(下層形成)
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」(ライオン社製)20質量部、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート0.001質量部と、「粗さ付与粒子1」20質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、下層形成用塗布液を調製した。これを「下層形成用塗布液1」とする。
尚、「粗さ付与粒子1」を除いた上記下層形成用塗布液の比重を測定したところ、1.30であった。
「下層層形成用塗布液1」を「シャフト1」の外周面に図4に示す等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いて送液する塗布装置を用いて塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が10μmの「下層1」を形成した。
(上層の形成)
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」(ライオン社製)20質量部、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート0.001質量部をサンドミルを用いて2時間分散させ、上層形成用塗布液を調製した。これを「上層形成用塗布液1」とする。
「上層層形成用塗布液1」を「下層1」の外周面に上記の下層同様に塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が5μmの「上層1」を形成し、「現像ローラ1」を作製した。
《現像ローラ2》
現像ローラ1の作製において、「粗さ付与粒子1」を「粗さ付与粒子2」に変更した以外は同様にして「現像ローラ2」を作製した。
《現像ローラ3》
現像ローラ1の作製において、「粗さ付与粒子1」を「粗さ付与粒子3」に変更した以外は同様にして「現像ローラ3」を作製した。
《現像ローラ4》
現像ローラ1の作製において、「粗さ付与粒子1」を「粗さ付与粒子4」に変更した以外は同様にして「現像ローラ4」を作製した。
《現像ローラ5》
現像ローラ1の作製において、「粗さ付与粒子1」を「粗さ付与粒子5」に変更した以外は同様にして「現像ローラ5」を作製した。
《現像ローラ6》
現像ローラ1の作製において、「粗さ付与粒子1」を「粗さ付与粒子6」に変更した以外は同様にして「現像ローラ6」を作製した。
《現像ローラ7》
現像ローラ1の作製において、「粗さ付与粒子1」を「粗さ付与粒子7」に変更した以外は同様にして「現像ローラ7」を作製した。
《現像ローラ8》
現像ローラ1の作製において、「粗さ付与粒子1」を「粗さ付与粒子3」に変更し、その表面処理は行わなかった以外は同様にして「現像ローラ8」を作製した。
《現像ローラ9》
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」(ライオン社製)20質量部、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート0.001質量部と、「粗さ付与粒子1」20質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被覆層用塗布液を調製した。これを「被覆層用塗布液」とする。
上記「被覆層用塗布液」を「シャフト1」の外周面に等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いて送液する塗布装置を用いて塗布し、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が18μmの「単層被覆層」を形成し、「現像ローラ9」を作製した。
《現像ローラ10》
現像ローラ3と同様に作製したが、樹脂層のみの上層の塗布は通常のロータリーポンプを用いたスプレードライ方式の塗布装置を用いて作製し、「現像ローラ10」とした。
《現像ローラ11》比較
現像ローラ1の作製において、塗布装置を等速度カム方式ダイヤフラムポンプに換えてギヤポンプを用いて送液する塗布装置を用いた以外は、現像ローラ1と同様にして作製し、「現像ローラ11」とした。
《現像ローラ12》比較
現像ローラ3の作製において、塗布装置を等速度カム方式ダイヤフラムポンプに換えてギヤポンプを用いて送液する塗布装置を用いた以外は、現像ローラ3と同様にして作製し、「現像ローラ12」とした。
《現像ローラ13》比較
現像ローラ1の作製において、塗布装置を等速度カム方式ダイヤフラムポンプに換えてロータリーポンプを用いて送液する塗布装置を用いた以外は、現像ローラ1と同様にして作製し、「現像ローラ13」とした。
《現像ローラ14》比較
現像ローラ3の作製において、塗布装置を等速度カム方式ダイヤフラムポンプに換えてロータリーポンプを用いて送液する塗布装置を用いた以外は、現像ローラ3と同様にして作製し、「現像ローラ14」とした。
表2に、現像ローラの作製条件、用いた粗さ付与粒子を示す。
Figure 0004952327
尚、粗さ付与粒子の粒径D50はトナーの項で記したと同様な方法で測定して得られた値である。
〈評価〉
図4に示す塗布装置において、等速カム方式ダイヤフラムポンプ等の循環ポンプを稼働させて、塗布液を循環し、1時間ポンプ循環後、72時間ポンプ循環後、480時間ポンプ循環後に作製した現像ローラを用いて以下の評価を行った。
現像ローラの評価は、カラーレーザプリンタ「Magicolor2300DL」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に上記で作製した現像ローラを順次装着し、高温高湿(30℃、80%RH)環境と低温低湿(10℃、20%RH)環境で、各25000枚、合計5000枚プリントして行った。
現像ローラ初期の性能評価は、画素率20%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色5%のフルカラーモード)でA4サイズの原稿を10枚プリントし、そのトナー画像品質(画像濃度)で評価した。
その後、画像率2%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色5%のフルカラーモード)の原稿を用いて5000枚プリントを行った。
5000枚プリント後の性能評価は、初期性能評価と同じ画素率20%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色5%のフルカラーモード)でA4サイズの原稿を10枚プリントし、そのトナー画像品質(画像濃度)と、トナーこぼれで評価した。
《画像濃度》
画像濃度は、初期と5000枚プリント後のべた黒画像部の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて12点測定し、その各々の画像濃度を評価した。
◎:画像濃度が、1.40以上で良好
○:画像濃度が、1.2以上で実用上問題ないレベル
×:画像濃度が、1.20未満で実用上問題となるレベル
《トナーこぼれ(零れ)》
5000枚プリント修了後、現像装置周辺を目視観察し、現像装置周辺のトナーこぼれ状態を目視で観察し評価した。
◎:トナーこぼれが、観察されず良好
○:トナーこぼれが、若干観察されるが実用上問題ないレベル
×:トナーこぼれが、明らかに観察され、機内汚れとなり実用上問題となるレベル。
表2に、評価結果を示す。
表面粗さは、前記した方法により測定した。
Figure 0004952327
表3の評価結果から、実施例1〜5、実施例7、実施例9、実施例10の「現像ローラ1〜5現像ローラ7、現像ローラ9及び現像ローラ10」は全てで良好な結果が得られ、本発明の効果を発現することが確認された。一方、比較例1〜4の「現像ローラ11〜14」は、満足な結果が得られず、本発明の効果を発現しないことが確認された。
本発明の現像ローラの一例を示す断面模式図。 現像ローラのRaの測定場所を説明する模式図。 表面の粗さRaを測定した粗さ曲線の一例の図。 等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いて送液する塗布装置。 等速度カム方式ダイヤフラムポンプの構造を説明する図。 体積抵抗測定装置の概略図。 本発明に係る現像装置の一例を示す断面概略図。 フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図。
符号の説明
1 塗布槽
2 塗布液
3 循環タンク
4 塗布液撹拌モーター
5 等速カム方式ダイヤフラムポンプ
6 送液パイプ
10 導電性シャフト(基体)
11 高精度等速度カム
12 保護ダイヤフラム
13 ダイヤフラム
14 ポンプヘッド
20 被覆層
21 下層
22 上層
23 粗さ付与粒子
25 現像ローラ

Claims (2)

  1. 基体上に被覆層塗布液を塗布する電子写真用現像ローラの製造方法において、
    前記被覆層塗布液は、シランカップリング剤で表面処理されている粗さ付与粒子を含有し、前記粗さ付与粒子の比重をA、粗さ付与粒子を除いた被覆層塗布液の比重をBとするとき、AとBの比重比(A/B)が下記式で表され、
    等速度カム方式ダイヤフラムポンプを用いて送液する塗布装置で塗布することを特徴とする電子写真用現像ローラの製造方法
    0.5<A/B<3.2
  2. 前記粗さ付与粒子が有機化合物により形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子写真用現像ローラの製造方法
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