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JP4952935B2 - 排ガス処理方法及び排ガス処理装置 - Google Patents
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Description

本発明は、石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置によって燃焼させる際に、この燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去するのに用いられる排ガス処理方法及び排ガス処理装置に関するものである。
上記した化石燃料の燃焼装置、例えば、石炭焚きボイラから排出される石炭の燃焼排ガスには、石炭に起因する微量の水銀が含まれている。この水銀は、難溶性の金属水銀Hgと、水溶性の2価水銀Hg2+(HgCl)と、燃焼灰に付着した粒子状水銀Hgとの三つの形態に分かれて排ガス中に存在する。
この水銀を排ガスから除去する排ガス処理装置としては、例えば、石炭焚きボイラから煙突に至るまでの煙道に、脱硝部、脱塵部及び脱硫部を順次配置して成るものがある。
排ガス中に含まれる水銀のうちの粒子状水銀Hgは、その大半がこの排ガス処理装置の電気集じん器やバグフィルタなどの脱塵部で除去され、2価水銀Hg2+は、湿式の脱硫部で高効率に除去されるが、排ガス中に含まれる金属水銀Hgは、脱塵部や脱硫部でほとんど除去されずに大部分が大気に放出されているのが現状である。
大気中に放出された金属水銀Hgは、環境中でより有害な有機水銀(メチル水銀)に変換されるので、この有機水銀が魚貝類などの食用生物に蓄積されて、これが食物連鎖を経て人体内へ入り込むことが懸念されている。
この現状を踏まえて、米国環境保護局では、石炭焚き火力発電所からの水銀排出量を規制することを決定していて、水銀排出量を2010年までに現行の30%削減し、さらに、2018年までに現行の70%削減することを義務付けており、これと同様に、カナダでも石炭焚き火力発電所からの水銀排出量の規制を決定している。
排ガス中に含まれる金属水銀Hgは、水銀と同じく石炭に含まれる塩素に起因する塩化水素(HCl)によって、反応式(1)に示すように、脱硝触媒や石炭灰や未燃焼分炭素の表面上で酸化される。
Hg+2HCl+1/2O → HgCl+HO 反応式(1)
但し、2価水銀Hg2+はHgClである。
脱硝触媒上での水銀酸化効率は、塩化水素の濃度が高い程高くなる。つまり、塩化水素の濃度が高い程2価水銀Hg2+(HgCl)の生成割合が増加することとなり、その結果、脱塵部や脱硫部で捕集される水銀の割合も増加する。
2価水銀Hg2+(HgCl)は、金属水銀Hgに比べて吸着性が強いことから、脱塵部において灰の表面に吸着して粒子状水銀Hgとして捕集される。この際、脱塵部で捕集される水銀の割合は、灰中の未燃分炭素の量に依存するので、未燃分炭素が少ない場合は、脱塵部において灰により捕集される割合は少なくなる。
このように、脱塵部において粒子状水銀Hgとして捕集される割合がそれほど高くなければ、脱硝触媒上で酸化された金属水銀Hg及び2価水銀Hg2+(HgCl)のうちの相当量は、脱塵部を通過して脱硫部の排水中に捕集されることとなる。
ここで、脱塵部で捕集された灰は、セメントやコンクリート材料として有効に利用されるが、水銀を従来よりも多く含むため、水銀溶出等の対策に一層の配慮が必要である。
一方、脱硫部に到達した水銀は、脱硫部の排水中における汚泥の一部として捕集され、産業廃棄物として管理された状態で処理し得ることとなる。
したがって、脱硝触媒上で酸化された水銀は、脱塵部で捕集するよりも脱硫部で捕集した方がより望ましいと考えられる。
従来において、燃焼装置から排出される排ガス中の水銀を除去する技術として、煤塵を除去する電気集じん器やバグフィルタなどの脱塵部の上流に、活性炭などの水銀吸着剤を吹き込み、この吸着剤表面に水銀を吸着させて除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この吸着剤を用いた除去技術では、吸着剤を常時吹き込む必要があるため、ランニングコストが高くつくうえ、排ガス中の塩化水素濃度などのガス性状により効率が変化するといった欠点がある。
この排ガス中の塩化水素の濃度に関して言えば、元来、石炭中に含まれる塩素の量が、数ppmから数100ppmと少ないのに加えて、石炭の種類によって含有量に大きなバラツキがあり、これを燃焼排ガス中の塩化水素の濃度に換算すると、1ppm未満から数10ppmとなってしまい、このように排ガス中の塩化水素の濃度が低い場合には、排ガスの性状にもよるが、脱硝触媒や未燃分炭素上での水銀酸化効率が低下し、これに伴って脱塵部及び脱硫部での水銀捕集効率も低下する。
これに対応するべく、石炭焚きボイラから煙突に至るまでの煙道中にハロゲンを含む物質を注入する方法(例えば、特許文献2参照)や、塩素化合物を石炭とともに燃焼装置に供給して燃焼させた後、電気集じん器などの脱塵部の前で排ガス温度を150℃以下に冷却して、脱塵部において水銀の除去を行う方法(例えば、特許文献3参照)が提案されており、このように、塩素化合物を添加して排ガス中の塩化水素の濃度を高めるようにすれば、金属水銀Hgの2価水銀Hg2+(HgCl)への変換を促進し得ることとなる。
ここで、分子状の塩素(Cl)は、塩化水素(HCl)と比べて金属水銀Hgの酸化活性が高いことが知られており(例えば、非特許文献1参照)、反応式(2)に示すように、この分子状の塩素によっても、金属水銀Hgの2価水銀Hg2+(HgCl)への変換を行い得る。
Hg+Cl→ HgCl 反応式(2)
米国特許第6521021号 特開平10-230137号公報 特開2000-325747号公報 Study of Mercury Speciation from Simulated Coal Gasification Dennis Y.Lu, David L.Granatstein, and Donald J.Rose CANMET Energy Technology Center,Natural Resources Canada,Building #1, 1Haanel Drive, Ottawa, ON K1A 1M1 Canada, and Electricity and Industrial Combustion Branch, Environment Canada, 351 St. Joseph Boulevard, 10th Floor, Gatineau, Quebec, QC K1A 0H3 Canada Ind. Eng. Chem. Res. 2004, 43, 5400-5404
ところが、上記した水銀除去方法において、煙道中にハロゲンを含む物質を注入する特許文献2に記載の方法では、塩素化合物を想定した場合、CaClやNaClやNHClなどの化合物が例示され、これらの化合物は、加熱により塩化水素に分解されて金属水銀Hgを酸化することができるが、塩化水素を直接煙道に注入する場合を除いて、ハロゲン化合物を注入した場合には、十分な温度で加熱し、且つ、分解を進行させるべく十分な滞留時間を取る必要がある。
一方、脱塵部において水銀の除去を行う特許文献3に記載の方法では、水銀の一部しか除去することができないという問題がある。
加えて、いずれの方法の場合も、脱硝触媒において、その表面の活性金属(V)にアンモニア(NH)が優先的に吸着してしまい、この脱硝触媒上における金属水銀Hgの2価水銀Hg2+(HgCl)への変換反応が妨げられることがわかっており、脱硝触媒の脱硝性能を維持しつつ、金属水銀Hgの変換効率の向上を図るためには、排ガス中の塩化水素の濃度を高くしなければならない。
この際、排ガス中の塩化水素の濃度を高くすると、煙道や熱交換器の腐食を招くという問題が生じ、過剰な量の塩化水素が湿式の脱硫部の吸収液に溶け込むと、脱硫性能が低下するという問題が発生する。
また、分子状の塩素(Cl)によっても、金属水銀Hgを酸化させることができるものの、排ガス中に存在する塩素のほぼ全量が塩化水素として存在していて、分子状の塩素は排ガス中に殆ど存在しない。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたもので、化石燃料、例えば、石炭をボイラなどの燃焼装置によって燃焼させる際に、燃焼装置から排出される排ガスの性状にかかわりなく、水銀を高効率且つ低コストで除去することが可能な排ガス処理方法及び排ガス処理装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に係る発明は、石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理方法であって、前記化石燃料を前記燃焼装置に供給して燃焼させ、前記燃焼装置からの煙道に配置した塩化水素転化触媒で前記燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる塩化水素の一部を塩素に転換して流し、前記煙道における塩化水素転化触媒の下流に配置した脱硝触媒での前記排ガス中に含まれる金属水銀の酸化反応を促進させる構成としたことを特徴としており、この排ガス処理方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の請求項2に係る排ガス処理方法において、前記燃焼装置又は前記煙道における塩化水素転化触媒の上流側に塩化水素を供給し、この塩化水素の一部を前記塩化水素転化触媒で塩素に転換して下流側に流す構成としている。
本発明の請求項3に係る発明は、石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理方法であって、前記化石燃料を前記燃焼装置に供給して燃焼させ、前記燃焼装置からの煙道近傍に配置した塩化水素転化触媒に塩化水素を添加して、この塩化水素の一部を塩素に転換した後、この塩素を前記煙道に配置した脱硝触媒の上流側に供給して該脱硝触媒での前記排ガス中に含まれる金属水銀の酸化反応を促進させる構成としている。
一方、本発明の請求項4に係る発明は、石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理装置であって、前記燃焼装置からの煙道に位置して前記燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる金属水銀を酸化する脱硝触媒と、前記煙道における脱硝触媒の上流側に位置して前記排ガス中に含まれる塩化水素の一部を塩素に転換して下流側に流す塩化水素転化触媒を備えている構成としたことを特徴としており、この排ガス処理装置の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の請求項5に係る排ガス処理装置において、前記燃焼装置又は前記煙道における塩化水素転化触媒の上流側に塩化水素を供給する塩化水素供給部を具備している構成としている。
本発明の請求項6に係る発明は、石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理装置であって、前記燃焼装置からの煙道に位置して前記燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる金属水銀を酸化する脱硝触媒と、前記燃焼装置からの煙道近傍に配置した塩化水素転化触媒と、この塩化水素転化触媒に塩化水素を供給する塩化水素供給部を備え、前記塩化水素転化触媒を、前記塩化水素供給部から供給される塩化水素の一部を塩素に転換して前記煙道における脱硝触媒の上流側に供給するものとした構成としている。
本発明の排ガス処理方法及び排ガス処理装置において、塩化水素転化触媒上では、反応式(3)に示すようにして、塩化水素(HCl)からより活性の高い塩素(Cl)への転換がなされるようになっている。
HCl+1/4O→ 1/2HO+1/2Cl 反応式(3)
上記塩化水素転化触媒としては、例えば、塩化鉄(FeCl)や塩化銅(CuCl)を使用したり、これらを酸化アルミ(Al)や酸化チタン(TiO)や酸化ケイ素(SiO)などの担体に担持させて成るものを使用したりすることができる。
ここで、石炭などの化石燃料、例えば、石炭には、塩素を多く含むものと、ほとんど含まないものがある。
本発明の請求項1に係る排ガス処理方法及び請求項4に係る排ガス処理装置は、塩素を多く含む石炭を燃焼させる場合に用いるのに適しており、この排ガス処理方法及び排ガス処理装置では、塩素を多く含む石炭の燃焼に伴って多量に発生する塩化水素の一部を塩化水素転化触媒で塩素に転換して流せば、排ガス中の塩素濃度が高くなって、この塩化水素転化触媒の下流側に位置する脱硝触媒での金属水銀の酸化反応がアンモニアに阻害されることなく促進され、煙道の下流側に配置される脱塵部や湿式脱硫部において、水銀が効率よく捕捉されることとなる。
一方、本発明の請求項2,3に係る排ガス処理方法及び請求項5,6に係る排ガス処理装置は、塩素をほとんど含まない石炭を燃焼させる場合に用いるのに適しており、この排ガス処理方法及び排ガス処理装置では、石炭の燃焼に伴って発生する塩化水素の量が少ないのを補うべく、燃焼装置又は煙道における塩化水素転化触媒の上流側に塩化水素を供給して、この塩化水素の一部を塩化水素転化触媒で塩素に転換して流せば、上記した請求項1に係る排ガス処理方法及び請求項4に係る排ガス処理装置と同じく、排ガス中の塩素濃度が高くなって、塩化水素転化触媒の下流側に位置する脱硝触媒での金属水銀の酸化反応がアンモニアに阻害されることなく促進されることとなる。
とくに、本発明の請求項3に係る排ガス処理方法及び請求項6に係る排ガス処理装置では、煙道近傍に配置した塩化水素転化触媒にハンドリング容易な塩化水素を直接供給し、その場で腐食性が高くて取り扱いが容易でない塩素に転換して煙道に流すようにしているので、塩化水素転化触媒における塩素への転換が効率よくなされるうえ、作業性が向上することとなる。
なお、煙道の脱硝触媒の下流側に配置される脱塵部において水銀が灰に吸着されるのを抑えるために、特に限定はしないが、脱塵部を150℃以上の比較的高い温度で運用することが望ましい。
本発明の請求項1に係る排ガス処理方法及び請求項4に係る排ガス処理装置では、上記した構成としているので、化石燃料、例えば、石炭をボイラなどの燃焼装置によって燃焼させる際に、燃焼装置から排出される排ガスの性状にかかわりなく、水銀を高効率且つ低コストで除去することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
また、本発明の請求項2に係る排ガス処理方法及び請求項5に係る排ガス処理装置では、上記した構成としたから、化石燃料、例えば、石炭をボイラなどの燃焼装置によって燃焼させる際に、石炭が塩素をほとんど含まない場合であったとしても、排ガスの性状にかかわりなく、水銀を高効率且つ低コストで除去することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
さらに、本発明の請求項3に係る排ガス処理方法及び請求項6に係る排ガス処理装置では、上記した構成としたため、請求項2に係る排ガス処理方法及び請求項5に係る排ガス処理装置と同様の効果が得られるのに加えて、塩化水素転化触媒における塩素への転換効率の向上を実現できると共に、作業性の向上をも実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による排ガス処理装置を示しており、この実施形態では、本発明の排ガス処理方法及び排ガス処理装置を石炭焚きボイラ(燃焼装置)から排出される排ガスの処理に適用した場合であって、且つ、塩素を多く含む石炭を燃焼させる場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、この排ガス処理装置1は、石炭焚きボイラBから煙突2に至るまでの煙道Rに順次配置した塩化水素転化触媒3、脱硝触媒4、エアヒータ5、脱塵部6、熱交換器7、脱硫部8及び熱交換器9を備えており、煙道Rにおける脱硝触媒4の上流側には、図示はしないが排ガスに含まれるNOを還元して窒素と水に変換するべく、アンモニアを添加するようにしている。
上記塩化水素転化触媒3は、石炭焚きボイラBから排出される排ガス中に含まれる塩化水素の一部を塩素に転換して下流側に流すものとなっており、一方、この塩化水素転化触媒3の下流側に位置する脱硝触媒4は、NOを還元して窒素と水に変換すると共に、排ガス中に含まれる金属水銀を酸化するものとなっている。
つまり、塩素を多く含む石炭の燃焼に伴って多量に発生する塩化水素の一部を塩化水素転化触媒3で塩素に転換して下流側に流すことで排ガス中の塩素濃度を高め、この塩化水素転化触媒3の下流側に位置する脱硝触媒4での金属水銀Hgの酸化反応をアンモニアに阻害されることなく促進させるようにしている。
この際、脱硝触媒4において金属水銀Hgと塩素Clとが酸化反応して生成された水溶性の2価水銀Hg2+(HgCl)が、脱塵部6で灰に吸着されるのを抑えるために、エアヒータ5を加減して脱塵部6を150℃以上の温度で運用するようにしている。
そして、湿式の脱硫部8において、脱塵部6を通過した2価水銀Hg2+(HgCl)を液相吸収し、汚泥中に取り込んで捕集するようにしている。
この排ガス処理装置1では、塩素を多く含む石炭を石炭焚きボイラBに供給して燃焼を開始させる。そして、石炭焚きボイラBから排出される排ガスの処理を行う場合には、まず、煙道Rにおける塩化水素転化触媒3において、石炭焚きボイラBから排出される排ガス中に含まれる塩化水素の一部が塩素に転換されて下流側に流れ、これにより、塩化水素転化触媒3の下流側では排ガス中の塩素濃度が高まることとなる。
このとき、脱硝触媒4の上流側にはアンモニアが添加されて、排ガスに含まれるNOが還元されて窒素と水に変換される。
この脱硝触媒4では、塩素濃度が高い雰囲気中において、排ガス中に含まれる水銀のうちの金属水銀Hgが塩素Clと酸化反応して水溶性の2価水銀Hg2+(HgCl)に変換されて下流側に流れる。
この際、脱硝触媒4の下流側に位置する脱塵部6は、エアヒータ5の加減により150℃以上の温度で運用されているので、2価水銀Hg2+(HgCl)が脱塵部6の灰に吸着されるのが回避される。
そして、湿式脱硫部8では、上記脱塵部6を通過した2価水銀Hg2+(HgCl)を液相で吸収して汚泥中に取り込んで捕集し、この後、水銀を含んだ汚泥を回収処理するようにしている。
上記したように、この実施形態の排ガス処理方法及び排ガス処理装置1では、塩素を多く含む石炭を石炭焚きボイラBによって燃焼させる際に、水銀の除去に吸着剤を用いていないので、その分だけランニングコスト少なく抑え得ることとなり、加えて、脱硝触媒4での金属水銀Hgの酸化反応をアンモニアに阻害されることなく促進させ得るので、煙道Rの下流側に配置した脱塵部6や湿式脱硫部8において、排ガスの性状にかかわりなく、水銀を高効率且つ低コストで除去し得ることとなる。
図2は、本発明の他の実施形態による排ガス処理装置を示しており、この実施形態の排ガス処理装置1が先の排ガス処理装置1と異なるところは、煙道Rにおける塩化水素転化触媒3の上流側に塩化水素を供給する塩化水素供給部10を具備している点にあり、他の構成は先の排ガス処理装置1と同じである。
この実施形態の排ガス処理装置1は、塩素をほとんど含まない石炭を燃焼させる場合に用いるのに適したもので、この排ガス処理装置1では、石炭の燃焼に伴って発生する塩化水素の量が少ないのを補うべく、煙道Rにおける塩化水素転化触媒3の上流側に塩化水素供給部10から塩化水素を供給して、この塩化水素の一部を塩化水素転化触媒3で塩素に転換して流せば、排ガス中の塩素濃度が高くなって、塩化水素転化触媒3の下流側に位置する脱硝触媒4での金属水銀Hgの酸化反応がアンモニアに阻害されることなく促進されることとなる。
したがって、この実施形態の排ガス処理装置1にあっても、煙道Rの下流側に配置した脱塵部6や湿式脱硫部8において、排ガスの性状にかかわりなく、水銀を高効率且つ低コストで除去し得ることとなる。
なお、塩化水素供給部10からの塩化水素の供給は、石炭焚きボイラBに対して直接行うようにしてもよい。
図3は、本発明のさらに他の実施形態による排ガス処理装置を示しており、この実施形態の排ガス処理装置1が先の排ガス処理装置1と異なるところは、塩化水素転化触媒3及びこの塩化水素転化触媒3に塩化水素を供給する塩化水素供給部10を煙道Rの近傍に配置し、塩化水素転化触媒3において、塩化水素供給部10から供給される塩化水素の一部を塩素に転換して煙道Rにおける脱硝触媒4の上流側に供給するようにした点にあり、他の構成は先の排ガス処理装置1と同じである。
この実施形態の排ガス処理装置1も、塩素をほとんど含まない石炭を燃焼させる場合に用いるのに適したもので、この排ガス処理装置1では、石炭の燃焼に伴って発生する塩化水素の量が少ないのを補うべく、煙道Rの近傍における塩化水素転化触媒3に塩化水素供給部10から塩化水素を供給し、この塩化水素の一部を塩化水素転化触媒3で塩素に転換して煙道Rにおける脱硝触媒4の上流側に流せば、排ガス中の塩素濃度が高くなって、脱硝触媒4での金属水銀Hgの酸化反応がアンモニアに阻害されることなく促進されることとなる。
したがって、この実施形態の排ガス処理装置1にあっても、煙道Rの下流側に配置した脱塵部6や湿式脱硫部8において、排ガスの性状にかかわりなく、水銀を高効率且つ低コストで除去し得ることとなる。
また、この実施形態の排ガス処理装置1では、煙道Rの近傍に配置した塩化水素転化触媒3にハンドリング容易な塩化水素を直接供給し、その場で腐食性が高くて取り扱いが容易でない塩素に転換して煙道Rに流すようにしているので、塩化水素転化触媒3における塩素への転換が効率よくなされるうえ、作業性が向上することとなる。
本発明の一実施形態による排ガス処理装置を示す概略構成説明図である。 本発明の他の実施形態による排ガス処理装置を示す概略構成説明図である。 本発明のさらに他の実施形態による排ガス処理装置を示す概略構成説明図である。
符号の説明
1 排ガス処理装置
3 塩化水素転化触媒
4 脱硝触媒
10 塩化水素供給部
B 石炭焚きボイラ(燃焼装置)
R 煙道

Claims (6)

  1. 石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理方法であって、
    前記化石燃料を前記燃焼装置に供給して燃焼させ、
    前記燃焼装置からの煙道に配置した塩化水素転化触媒で前記燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる塩化水素の一部を塩素に転換して流し、
    前記煙道における塩化水素転化触媒の下流に配置した脱硝触媒での前記排ガス中に含まれる金属水銀の酸化反応を促進させる
    ことを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 前記燃焼装置又は前記煙道における塩化水素転化触媒の上流側に塩化水素を供給し、この塩化水素の一部を前記塩化水素転化触媒で塩素に転換して下流側に流す請求項1に記載の排ガス処理方法。
  3. 石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理方法であって、
    前記化石燃料を前記燃焼装置に供給して燃焼させ、
    前記燃焼装置からの煙道近傍に配置した塩化水素転化触媒に塩化水素を添加して、この塩化水素の一部を塩素に転換した後、
    この塩素を前記煙道に配置した脱硝触媒の上流側に供給して該脱硝触媒での前記排ガス中に含まれる金属水銀の酸化反応を促進させる
    ことを特徴とする排ガス処理方法。
  4. 石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理装置であって、
    前記燃焼装置からの煙道に位置して前記燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる金属水銀を酸化する脱硝触媒と、
    前記煙道における脱硝触媒の上流側に位置して前記排ガス中に含まれる塩化水素の一部を塩素に転換して下流側に流す塩化水素転化触媒を備えている
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  5. 前記燃焼装置又は前記煙道における塩化水素転化触媒の上流側に塩化水素を供給する塩化水素供給部を具備している請求項4に記載の排ガス処理装置。
  6. 石炭などの化石燃料をボイラなどの燃焼装置で燃焼させる際に当該燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を除去する排ガス処理装置であって、
    前記燃焼装置からの煙道に位置して前記燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる金属水銀を酸化する脱硝触媒と、
    前記燃焼装置からの煙道近傍に配置した塩化水素転化触媒と、
    この塩化水素転化触媒に塩化水素を供給する塩化水素供給部を備え、
    前記塩化水素転化触媒を、前記塩化水素供給部から供給される塩化水素の一部を塩素に転換して前記煙道における脱硝触媒の上流側に供給するものとした
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
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