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JP4952984B2 - ウレタン系床材 - Google Patents
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JP4952984B2 - ウレタン系床材 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオールとして多分岐ポリエーテルポリオールを用いたウレタン組成物からなるウレタン系床材に関する。
土木建築分野の塗り床材用途において、ウレタン系硬質床材は、伸び性、冬場の硬化性に優れ、一般に使用されるエポキシ系材料の脆さ、アミンの有害性等の欠点がない床材として注目されている。
そこで、従来より、ビスフェノール型エポキシ樹脂に高級脂肪酸を反応させた構造のポリオールと、ひまし油脂肪酸との混合物をポリオールとして用い、かつ、ジフェニルメタジイソシアネート(MDIと略記する。)とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIと略記する。)とを所定割合で配合した配合物をポリイソシアネートとして用いた組成物が、ウレタン特有の柔軟性を持ち、かつ硬質で耐久性の高いウレタン系床材となることが知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、前記ウレタン系床材は、耐久性、靭性の点で優れているものの、駐車場や倉庫等で強く要求される耐摩耗性においては、まだ市場を満足させるレベルに至るものではなかった。耐摩耗性が低いと、車両の走行等により塗膜表面が摩滅し、床の改修期間が短くなる、という欠点がある。
特開2001−187863号公報
本発明の課題は、柔軟かつ硬質な塗膜に加え、耐摩耗性に優れたウレタン系床材を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオールとして特定の多分岐ポリエーテルポリオールを用いたウレタン組成物を床材として用いると、硬化時の架橋密度が高くなって硬度が高くなると同時に、多官能性のため凝集エネルギーが高くなり、耐摩耗性の優れた塗膜を得ることができることを見いだすに及んで、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオールであって、前記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)が、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン及び3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンからなる群より選ばれる1種以上であり、前記1官能性エポキシ化合物(a2)が、プロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、又は1−ヘキセンオキサイドであり、その分子構造中に1級水酸基(H1)と2級水酸基(H2)とを有しており、かつ、1,000〜2,500の数平均分子量(Mn)及び200〜300mg・KOH/gの水酸基価を有する多分岐ポリエーテルポリオールを主成分とするポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含有するウレタン組成物からなるウレタン系床材を提供するものである。また本発明は、基材層と第一被覆層(下層)と第二被覆層(上層)の少なくとも3層から構成される床構造体であって、前記第二被覆層(上層)が請求項1〜5のいずれかのウレタン系床材からなることを特徴とする床構造体を提供するものである。

本発明のウレタン系床材は、柔軟、硬質でかつ耐摩耗性に優れる。
以下本発明をさらに好ましい例を用いて詳細に説明する。
本発明に使用するポリオール(A)の主成分として用いられる多分岐ポリエーテルポリオールは、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られるものである。
かかる多分岐ポリエーテルポリオールは、官能基が分子表面上に配向し、球状に近い構造をとるようになるため、分子間の凝集エネルギーが高くなるものと推定している。
また、多分岐ポリエーテルポリオールの「多分岐」とは、分岐した先で更に分岐する分子構造を意味するものである。
ここで、本発明に使用するヒドロキシアルキルオキセタン(a1)としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有するものが例として挙げられる。
Figure 0004952984

ここで、一般式(1)中、Rは、メチレン基、エチレン基、若しくはプロピレン基であり、一方、Rは、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシアルキル基、又は炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基を表す。また、炭素原子数1〜8のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられ、炭素原子数1〜5のアルコキシアルキル基の例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基が挙げられる。また、炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、及びヒドロキシプロピル基が挙げられる。
かかる一般式(1)で表されるヒドロキシアルキルオキセタン(a1)の中でも、慣性半径がより小さくなって従って粘度の低減に効果的であり、また、硬化物の硬度も高くなる点から、Rがメチレン基であり、かつ、Rが炭素原子数1〜7のアルキル基である化合物が好ましく、とりわけ3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、及び3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンが好ましい。
次に、上記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と開環重合反応させる1官能性エポキシ化合物(a2)としては、例えば、オレフィンエポキサイド、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
ここで、使用しうるオレフィンエポキサイドは、具体例として、プロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、1−ヘキセンオキサイド、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシドデカン、シクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、シクロドデセンオキシド、スチレンオキシド、及び、フッ素原子数1〜18のフロロアルキルエポキシド等が挙げられる。
グリシジルエーテル化合物は、具体例として、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、i−プロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、i−ブチルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル−グリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、アリールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−メチルフェニルグリシジルエーテル、4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、4−メトキシフェニルグリシジルエーテル、及び、1〜18のフッ素原子数を有するフロロアルキルグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルエステル化合物は、具体例として、グリシジルアセテート、グリシジルプロピオネート、グリシジルブチレート、グリシジルメタクリレート、及びグリシジルベンゾエート等が挙げられる。
これらの中でも特に、高い塗膜硬度が得られ、かつ分子量が小さくなる点からオレフィンエポキサイドが好ましく、とりわけプロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、又は1−ヘキセンオキサイドが好ましい。
ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とを原料成分として開環重合反応させる方法としては、例えば次の方法が挙げられる。
すなわち、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とを、モル基準で、(ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)/1官能性エポキシ化合物(a2)=1/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/3となる割合で混合し、これらをパーオキサイドフリーの有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−i−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、t−アミノメチルエーテル、又はジオキソランで、原料成分/有機溶剤の質量比が1/1〜1/5、好ましくは1/1.5〜1/2.5となる割合で溶解する。
次いで得られた溶液を−10℃〜−15℃まで撹拌しながら冷却し、次いで、重合開始剤を単独で、或いは溶液状態で、0.1〜1時間、好ましくは0.3〜0.5時間かけて滴下する。ここで、重合開始剤は、原料モノマーの全質量に対して0.01〜1質量%、好ましくは0.75〜0.3質量%なる割合で使用できる。また、重合開始剤を溶液状態で使用する場合、当該溶液中の重合開始剤の濃度は、1〜90質量%、特に25〜50質量%であることが好ましい。ついで、この重合溶液を25℃になるまで撹拌し、次いで、リフラックスする温度まで加熱し、0.5〜3時間かけて原料成分を全て反応するまで反応を行う。原料モノマーの転化率は、GC、NMR、又はIRスペクトルによって確認することによって制御することができる。
重合後、得られた前記多分岐ポリエーテルポリオールは、前記重合開始剤と当量の水酸化アルカリ水溶液による撹拌し、又は、前記重合開始剤と当量のナトリウムアルコキシッドやカリウムアルコキシドの添加によって中和する。中和した後、濾過し、溶媒で目的物を抽出した後、減圧下に溶媒を留去することにより、目的とする多分岐ポリエーテルポリオールを得ることができる。
上記の方法で得られる多分岐ポリエーテルポリオールは、その分子構造中に1級水酸基(H1)と2級水酸基(H2)とを有しており、かつ、前記多分岐ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が1,000〜2,500、水酸基価が200〜300mg・KOH/gであることを特徴としている。これらを満足すると、流動性が良く、作業性が良好な組成物となり、高硬度かつ耐摩耗性の高い硬化物が得られる。数平均分子量(Mn)及び水酸基価は上記値範囲内であれば好ましく使用できるが、効果を最大限得るには、数平均分子量1,000〜2,000、水酸基価220〜280であるのが更に好ましい。
更に、本発明の多分岐ポリエーテルポリオールは、分子構造中に1級水酸基(H1)のみならず、2級水酸基(H2)をも有している。可使時間と硬化物硬度とのバランスの点から、1分子中の前記2級水酸基(H2)の数が全水酸基数に対して、30〜60%、さらに好ましくは35〜55%となる割合であることが好ましい。本発明のポリオールの全水酸基数は、好ましくは4以上、さらに好ましくは4〜20である。
なお、多分岐ポリエーテルポリオール中の全水酸基数に対する2級水酸基(H2)数の割合は、多分岐ポリエーテルポリオールをトリフロロ酢酸エステル化した後に、19F−NMRで測定することによって特定することができる。
本発明のウレタン系床材に用いられるウレタン組成物は、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)との二成分系硬化性組成物である。また当該ポリオール(A)中に、前記多分岐ポリエーテルポリオールを用いることを特徴としている。
本発明では、ポリオール(A)の構成成分として、さらに水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルを含むことが、2液混合状態での混合物の疎水性を高め、硬化時の発泡を抑制できる点から好ましい。
かかる水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルの例としては、例えばステアリン酸、リノール酸等の高級脂肪酸とグリコール及びグリセリンなどの多価アルコールとを水酸基が残存するように反応させた水酸基含有のエステル化合物、リシノール酸などの水酸基含有高級脂肪酸とモノアルコール、グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどとを反応させたエステル化合物などが挙げられ、その他にひまし油等の水酸基含有天然油脂が挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
また、椰子油、大豆油などの水酸基を実効量含有しない天然油脂であっても、これらを多価アルコールとエステル交換反応させて水酸基を導入することにより、水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルとして使用することができる。
更に、上記した水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルのうち、アルキル鎖に二重結合を含むものについては、これを更に疎水性を高めるべく、ジシクロペンタジエンで変性したものも、好ましく用いることができる。
これら水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルの例のなかでも、特に塗膜強度を向上させるためには、水酸基価100〜300mg・KOH/gが好ましく、塗膜の疎水性を向上させるためには、アルキル鎖部分の炭素原子数が10〜25であることが好ましい。
ポリオール(A)中において、多分岐ポリエーテルポリオールと水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルとの使用割合は、必要に応じて選択できるが、後者に対する前者の質量比(前者/後者)が3/7〜7/3であることが、発泡抑制の効果の点から好ましい。また、高硬度化の点から、前者と後者とを混合した際の平均官能基数は、4以上であることが好ましい。上限は必要に応じて選択することができる。
前記ポリオール(A)としては、前記多分岐ポリエーテルポリオール以外のポリオールを使用することもできる。かかるポリオールとしては、公知慣用のエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、トリメチロールプロパン等の単鎖ポリオール類、これら単鎖ポリオール類とアルキレンオキサイド類(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等)を重合させたポリアルキレンエーテルポリオール類あるいはフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、ヘット酸、コハク酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸と前述の単鎖グリコール類とのエステル化反応によって得られるポリエステルポリオール類、ポリオール類にイプシロンカプロラクトンを付加重合させたポリオールやポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。上記化合物は単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いても良い。
次に、本発明に使用するウレタン組成物におけるポリイソシアネート(B)について説明する。
ポリイソシアネート(B)としては、公知の脂肪族ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネートを挙げることができる。これらを1種類あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、脂肪族ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する。)などのアルキレンジイソシアネート、脂環式炭化水素構造含有ジイソシアネート、ビューレット変性HDI及びイソシアヌレート変性HDIなどのジイソシアネートの3量体、並びにHDIとトリメチロールプロパンとの付加反応化合物などが挙げられる。
次に、芳香族ポリイソシアネートの例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略称する。)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、「ポリメリックMDI」と略記する。)、トリレンジイソシアネート(以下、「TDI」と略記する。)、キシリレンジイソシアネート(以下、「XDI」と略記する。)、あるいは、ウレチジオン変性TDIなどのジイソシアネートの2量体などが挙げられる。これらは必要に応じて1種類であるいは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも特に硬化物の硬度が高くできる点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、とりわけポリメリックMDIが硬度の向上効果が顕著である点から特に好ましい。ここで挙げた、ポリメリックMDIは、アニリンとホルマリンとの重縮合によって得られる高分子量体をイソシアネート化したものであって、MDI及びそれ以上の核体数(環数)を有するもの(例えばミリオネートMR−200(日本ポリウレタン(株)製)など)との混合物として用いられる。
通常、核体数が増加するに従い、硬化物の硬度は高まるものの増粘しやすくなる。その一方で、核体数が低下するに従い、ポリオール(A)との相溶性が良好で、かつ粘度は低くなるものの、結晶化しやすくなって低温での安定性に劣る。そこで、本発明ではポリメリックMDIに占める前記MDIの割合、即ち、2官能性成分の割合を50〜80質量%とするのが好ましく、55〜75質量%となる割合に調節することが、前記これらの性能バランスの点から特に好ましい。とりわけこの物性バランスに優れ、かつ被膜面の色斑防止といった、所謂、仕上がり性が良好となる点から、60〜70質量%であることが最も好ましい。
なお、ポリイソシアネート(B)として、単独で使用され得るMDI、或いは、ポリメリックMDIにおける核体数の調整の為に使用され得るMDIは、(i)2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「2,2’−MDI」と略記する。)、(ii)2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「2,4’−MDI」と略記する。)及び(iii)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「4,4’−MDI」と略記する。)から構成される。これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いても良い。ここで、MDI中の(i)2,2’−MDIと(ii)2,4’−MDIの合計質量((i)+(ii))が少なくなると、低温でポリイソシアネート(B)が結晶化しやすく、逆に、前記合計質量((i)+(ii))が多くなると、硬化物の硬度が向上し難くなる傾向にある。従って、これら(i)〜(iii)の質量比は、((i)+(ii)):(iii)=5:95〜40:60、とりわけ((i)+(ii)):(iii)=10:90〜30:70の範囲であることが、ポリイソシアネート(B)の低温安定性、及び硬化物硬度の点から好ましい。
また、本発明ではポリイソシアネート(B)として、脂環式炭化水素構造含有ジイソシアネートを単独で、あるいはこれとこれ以外のイソシアネートを組み合わせて用いた場合、得られた硬化皮膜は硬質でありながら、適度な柔軟性を発現し、ひび割れに対する十分な追従性を発現する。また、芳香族ポリイソシアネートを用いた場合に生じやすい紫外線劣化による黄変を低減させることができ、意匠性に優れた被覆面を形成することができる。
かかる、脂環式炭化水素構造含有ジイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジメタノナフタレンジイソシアネート、及び、これらとポリオールとを反応させて得られるポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも特に、硬化皮膜の硬度と柔軟性とのバランスが顕著に良好となる点から、ノルボルネンジイソシアネート、及びジメタノナフタレンジイソシアネートが好ましい。これらを単独で使用しても2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
ここで使用し得るポリオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、トリメチロールプロパン等のアルキレンジオール、或いは、これらのアルキレンジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを重合させたポリアルキレンエーテルポリオールが挙げられる。また、前記アルキレンジオールに、フタル酸、マレイン酸、アジピン酸、ヘット酸、コハク酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸とのエステル化反応によって得られるポリエステルポリオール類、前記アルキレンジオールにイプシロンカプロラクトンを共重合させたポリオール等が挙げられる。
本発明のウレタン系床材は、前記した脂環式炭化水素構造含有ジイソシアネートを用いることにより特定の効果を奏するものである。たとえば、硬化皮膜の硬度がショアーD75以上と硬質であり、かつ伸度が60%以上と高伸度となる被膜を得ることも可能であり、また下地基材のひび割れに十分に追従し、信頼性の高い被覆性能を得ることができる。また、高い耐候性を有し、優れた黄変防止性を有しているため、意匠性を長期保持することの出来る床面を提供することが出来る。
また、ポリイソシアネート(B)として、前記脂環式炭化水素構造含有ジイソシアネートを用いる場合、ポリオールとして前記した水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルを使用することにより、硬度を保持しながら柔軟性をより高めることができる。
本発明のウレタン系床材に用いられるウレタン組成物は、前記ポリオール(A)及び前記ポリイソシアネート(B)に加え、活性アルミナ粉末(C)を加えることで、高温多湿下における表面性を向上させることが出来る。
かかる活性アルミナ粉末(C)は、Alで表され、α、β、γ、δ、κ、θ、χ、η、ρなど多くの結晶系が知られているが、特に常温で水、ガスの吸着能が高い、ρ、χ、γ、ηのアルミナが好ましく、特にρアルミナが好ましい。ρアルミナを主成分とするものは一般に水硬性アルミナと称されており、最も好ましい。しかしながら、水吸着能が高い反面、貯蔵中における吸湿により吸着能が低減するため、従来技術の項でも述べたように、ポリエーテルなどの吸湿性の高い樹脂骨格を主成分とするとポリオールを使用すると平滑な塗膜が得られない傾向にある。
活性アルミナ粉末(C)は、平均粒径が150μm以下、さらに50μm以下のものが好ましい。この範囲で使用することにより、ポリオール(A)との混練により得られるコンパウンドにおいて、貯蔵中に沈降の問題を生じる可能性が少ない。
活性アルミナ粉末(C)の含有量は、本床材に対し、5〜30重量%が好ましく、特に10〜25重量%が好ましい。5〜30重量%の範囲で使用すれば、良好な塗布作業性が確保され、硬化物性を損なうことなく均一な塗膜が得られ、更に塗膜の発泡抑制に効果がある。
本発明に用いられるウレタン組成物は、前記ポリオール(A)、前記イソシアネート(B)、及び活性アルミナ粉末(C)に、更に充填材、及び必要に応じてその他各種の添加剤を加えることにより、調整することが出来る。
なお本発明のウレタン系床材は、特に問題の無い限り、様々な塗布方法や用途に使用できる。例えば塗布方法の例としては、刷毛塗りやローラー塗り、スプレー塗布などが挙げられるが、もちろんレーキ塗布その他の方法であっても良い。また、使用用途の例としては、床材以外に防水材、舗装材、コーティングなどが挙げられる。
ここで充填材の例としては、炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、クレー、シリカ、タルクなどが挙げられる。
また、他の添加剤の例としては、合成ゼオライト、シリカゲル、珪藻土、消石灰、生石灰、水酸化マグネシウム、無水石膏、塩化カルシウム、合成ハイドロタルサイト、活性炭、活性白土の如き吸湿剤、アゾ系、銅フタロシアニン系、弁柄、黄鉛、酸化チタン、亜鉛華またはカーボンブラックの如き有機ないしは無機系の着色顔料、および、鉛丹、鉛白、塩基性クロム酸塩、塩基性硫酸鉛、ジンククロメート、亜鉛末またはMIOの如き防錆顔料、さらには、チキソ付与剤、レベリング剤、吸湿剤、シランあるいはチタネート系カップリング剤などの各種助剤が挙げられる。
さらに必要に応じ、ジブチルチンジラウレートまたはジブチルチンジアセテートの如き有機金属化合物や各種アミン類などの硬化触媒を始め、ジオクチルフタレート、アスファルト、またはタールの如き可塑剤や、重油または芳香族炭化水素の如き石油系希釈剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。
上記の充填材、添加物等は必要に応じて単独あるいは組み合わせて好ましく使用され得る。これらの充填材、添加剤等は、主にポリオール(A)に、常法によりあらかじめ練り合わせて使用することができる。
本発明のウレタン系床材は、コンクリート、モルタルなどの建築、土木等に一般的に用いられているもの、または金属、木材等の基材の上に塗布するものである。
基材としては、合成高分子系の敷物、例えばPVC製のタイル、シートまたはゴム製のタイル、シート或いはこれらに類似するタイル、シート状のものが接着剤で基材に貼られているものも使用することができる。
本発明のウレタン系床材は、基材にプライマーを塗布したのち、塗布することができる。また基材、塗布現場の状況に応じて、基材にプライマーを塗布し、その上に本発明のウレタン系床材とは別の床材(第一の床材:下層)を塗布したのち、本発明のウレタン系床材(第二の床材:上層)を塗布し、多層の塗膜構造を有するものとすることもでき、この場合上層のウレタン系床材の特性を活かしながら下層の床材の特性を活かすこともできるので、好ましい。
プライマーとしては、主にエポキシ系、ウレタン系、重合性不飽和系のプライマーが挙げられる。具体的な市販品としては、エポキシ系はケミクリートプライマー(ABC商会(株)製)、ウレタン系はプライアデックT−150−35(大日本インキ化学工業(株)製)、重合性不飽和系はディオバーNS−19(大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられるが、これら以外のものを用いてもなんら支障はない。
かかるウレタン系床材以外の床材としては、エポキシ系床材、硬質ウレタン系床材、軟質ウレタン系床材、重合性不飽和床材などが挙げられる。
前記エポキシ系床材は、その基材に対する接着性が高いことから、コンクリート等の基材が湿潤している際、本発明のウレタン系床材の下層として塗布すると、その効果を如何なく発揮することができるので、好ましい。
かかるエポキシ系床材は、分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物に、硬化触媒であるアミド結合を有し、エポキシ基と反応し得る活性水素を有するポリアミドアミン系化合物を添加することにより得ることができる。かかるエポキシ系床材の市販品としては、ケミクリートE(汎用エポキシ樹脂:ABC商会製)が挙げられる。
ここでいうエポキシ基を有する化合物として特に代表的なものを例示すれば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレンジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、前記ポリアミドアミン系化合物として代表的なものを例示すれば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどが挙げられる。
前記硬質ウレタン系床材は、柔軟性と硬度を併せもっていることから、耐荷重性、耐衝撃性が求められる工場や倉庫などの現場において、本発明のウレタン系床材の下層として塗布すると、その効果を如何なく発揮することができるので、好ましい。
かかる硬質ウレタン系床材は、ポリイソシアネート(e1)、ビスフェノール変性活性水素化合物(e2)、天然油もしくはその誘導体(e3)、活性アルミナ粉末(e4)を必須成分とするものであることが好ましい。
かかるポリイソシアネート(e1)は、前記ポリイソシアネート(B)に挙げられた脂肪族及び芳香族ポリイソシアネートを用いることができる。
前記ビスフェノール変性活性水素化合物(e2)とは、ビスフェノール系化合物とアルキレンオキサイドとの反応物や、ビスフェノール系エポキシ化合物と高級脂肪酸との反応で得られるものをいう。
ここでいうビスフェノール系化合物とアルキレンオキサイドとの反応物は、両者の開環重合により得ることができる。ビスフェノール系化合物としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどが挙げられ、それらを単独で用いても、二種以上併用しても良い。一方、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられ、それらを単独で用いても、二種以上併用しても良い。
ビスフェノール系化合物に対するアルキレンオキサイドの付加モル数は、ビスフェノール系化合物のフェノール性水酸基に1モル以上付加していることが望ましく、好ましくは2〜10モルである。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールFなどの各種ビスフェノール類の化合物に、エピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物等が挙げられ、それらを単独で用いても、二種以上併用してもよい。
一方、かかるビスフェノール型エポキシ樹脂に反応せしめるべき高級脂肪酸としては、エチレン性不飽和結合を有する炭素数10〜25の高級脂肪酸が好適であり、その具体例としては、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などを含むひまし油脂肪酸、大豆油脂肪酸等が挙げられる。これらのうち、リシノール酸等の水酸基を有する高級脂肪酸である、ひまし油脂肪酸が特に好ましい。
前記高級脂肪酸の炭素数が10〜25であれば、ポリオールの疎水性が損なわれることなく、塗膜表面の発泡改善に対する効果が低減せず、かつポリオールの粘度の上昇を防止することができ、作業性に優れる。
高級脂肪酸が、エチレン性不飽和結合を有すれば、ポリオールの粘度が低減されて、被覆剤としても使用しやすくなる点で好ましい。本発明の効果を損なわない範囲において、エチレン性不飽和結合を有する高級脂肪酸に、ラウリン酸、パルミチン酸、デカン酸等のやし油脂肪酸のような飽和高級脂肪酸を併用することができる。
また本反応では、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基と高級脂肪酸のカルボン酸基との反応比率は、1/1〜1/0.7の範囲が好ましく、さらに好ましくは1/0.95〜1/0.9の範囲である。本反応の終点は反応混合物の酸価が、0.5(KOHmg/g)以下となったところが好ましい。
前記天然油もしくはその誘導体(e3)とは、ひまし油、大豆油、やし油等の天然油およびそれらの誘導体を指称し、水酸基を有するものであり、なかでも、二級水酸基を有するひまし油およびその誘導体が好ましい。
ここでいう天然油の誘導体としては、例えば、天然油と多価アルコール(グリセロール等)とのエステル交換反応物、天然油の重合体、天然油のジシクロペンタジエン付加物などが挙げられる。好ましくはひまし油の誘導体であり、例えば、ひまし油と多価アルコールとのエステル交換反応物、ひまし油の重合体、ひまし油のジシクロペンタジエン付加物などが挙げられる。
前記活性アルミナ粉末(e4)は、前記活性アルミナ粉末(C)にて挙げられたものを使用することができる。
前記軟質ウレタン系床材は、柔軟性や防水性能が高いことから、クラック追従性や防水効果を必要とする用途において、本発明のウレタン系床材の下層として塗布すると、その効果を如何なく発揮することができるので、好ましい。
かかる軟質ウレタン系床材は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(f1)と活性水素を有する化合物(f2)とを必須成分とする。
かかるウレタンプレポリマー(f1)は、分子内に1級または2級の水酸基を2個以上有するポリオールと有機ポリイソシアネートとの反応により得られる末端にイソシアネート基を2個以上有するものである。前記ポリオールの水酸基(OH)と有機ポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)との反応割合は、当量比でNCO/OHが、好ましくは1.6以上であり、特に好ましくは1.8〜4.0である。
残存NCOの量は、1〜15重量%であることが好ましい。またウレタンプレ
ポリマーの有する末端イソシアネート基数は、1分子中に2〜3個有するのが好
ましい。
前記ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1.4ブタンジオール、トリ
メチロールプロパン等の単鎖ポリオール、これら単鎖ポリオールとアルキレンオ
キサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド、スチレンオキサイド等)を単独または併用で重合させたポリアルキレンエ
ーテルポリオールあるいは二塩基酸と単鎖グリコールのエステル化反応によって
得られるポリエステルポリオール、天然油及びその誘導体、ポリブタジエンポリ
オール、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹脂の単体または混合物のポリ
オールが挙げられる。これらのうち、ポリエーテルポリオールが好ましく、特に
ポリエーテルジオール及び/又はポリエーテルトリオールが好ましい。その他、
ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等のウレタン用ポリオ
ールも使用できる。またこのポリオールの分子量は、数平均分子量で500〜1
6,000であることが好ましい。
前記有機ポリイソシアネートとしては、前記ポリイソシアネート(B)に挙げられた脂肪族及び芳香族ポリイソシアネートを用いることができる。
上記活性水素を有する化合物(f2)としては、ポリオール、ポリアミン等が挙げられる。
かかるポリオールとしては、前記のウレタンプレポリマーに用いられるポリオールを用いることができる。またポリアミンとしては、例えば3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン(以下MBOCAという)、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン、オルソクロロアニリンとホルムアルデヒドとの縮合物等の公知慣用の芳香族ポリアミンが用いられる。これらの単独または2種以上の混合物を用いることができる。
かかる軟質ウレタン系床材は、前記ウレタンプレポリマー(f1)、活性水素を有する化合物(f2)、更に充填材、及び必要に応じてその他各種の添加剤を加えることができる。
なお、これらに用いられる充填材等は、前記に挙げられたものを任意に使用できる。
前記重合性不飽和床材は、硬質ウレタン系床材、エポキシ系床材に比べ硬化速度が速いことから、短工期を求められる現場において、本発明のウレタン系床材の下層として塗布すると、その効果を如何なく発揮することができるので、好ましい。
かかる重合性不飽和床材は、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂等の重合性樹脂、α,β−不飽和カルボン酸又は飽和カルボン酸と多価アルコール類との縮合反応で得られる不飽和ポリエステル樹脂、及びラジカル重合性不飽和基含有単量体を必須成分として重合して得られる樹脂であり、一例としてディオバーHTP−563(重合性樹脂:大日本インキ化学工業(株))や、ポリライトFR−200(不飽和ポリエステル樹脂:大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
ここでいうα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、あるいはこれらのジメチルエステル類などが挙げられる。また、飽和カルボン酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。これらのカルボン酸はそれぞれ単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
一方、前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール類、トリメチロールプロパンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。これらのアルコールはそれぞれ単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
重合性樹脂としては、エポキシ樹脂またはウレタン樹脂またはポリエステル樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸との反応によって製造されるものが最も代表的なものであり、その他には、例えば末端カルボキシポリブタジエンとグリシジルメタクリレートとの反応によって製造されるポリブタジエンタイプビニルエステル樹脂などを含むものであり、耐食性、および機械的強度に優れるものである。かかる重合性樹脂は、通常後述する液状の重合性単量体との溶液である。その混合割合は、好ましくは重合性樹脂:重合性単量体=40〜80重量%:60〜20重量%である。
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステルと後述する液状の重合性単量体との溶液である。その混合割合は、好ましくは不飽和ポリエステル:重合性単量体=40〜80重量%:60〜20重量%である。
重合性樹脂や不飽和ポリエステル樹脂に含有される重合性単量体は、常温で液状の重合性二重結合を有する単量体である。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等、(メタ)アクリル酸エステル類の中から選ばれた1種以上の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。さらに、他の重合性単量体、例えば、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸アミド、炭素数1〜4のアルキル基を有するマレイン酸エステルおよびフマール酸エステル等も挙げられる。これらの重合性単量体のうち、スチレンが好ましい。
また、前記重合性単量体に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレンジ(メタ)アクリレートなどの多官能重合性単量体を併用することもできる。
本発明のウレタン系床材を基材に塗工する方法としては、必要に応じて種々の方法を用いることができる。その一例としては、ポリオール(A)、ポリイソシアネート(B)、及び必要に応じて充填材やその他の添加剤を所定の混合比で混合(常温)し、可使時間内に基材に塗布して硬化させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、各床材の粘度に対応して、コテ、ハケ、ローラー、レーキ、スプレーなどで塗布することが出来る。また、塗布後約6〜24時間程度で硬化する。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また本文中「部」とあるのは、質量部を示すものである。
なお、参考例1〜2中の多分岐ポリエーテルポリオール中の全水酸基数に対する2級水酸基(H2)の割合は、多分岐ポリエーテルポリオールをトリフロロ酢酸エステル化した後に、19F−NMRによって測定した。
合成例1
<多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)の合成>
リフラックスコンデンサー、マグネット式攪拌棒、温度計を具備した2リットル三口フラスコ中で、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン 348g(3モル)と、プロピレンオキサイド 348g(6モル)とを、乾燥かつ過酸化物フリーの1リットルのジエチルエーテルに溶解し、次いで、このフラスコを−14℃のアイスバスで冷却した。
次いで、HPF 5.5gの60質量%水溶液を10分間滴下した。反応混合物は僅かに白濁した。次いで、室温で一晩反応させ、翌朝、透明な反応混合物を3時間還流した。次いで、前記開始剤は、NaOMe9gの30質量%メタノール溶液を加えて失活させた。濾過した後、減圧下でバス温度75℃でジエチルエーテルを除去した。ジエチルエーテルを完全に除去した後、多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)667gを得た。収率89%であった。
この多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)は、Mn=1,440、Mw=3,350、OHV=265mg・KOH/gであり、プロトンNMRから、モル基準で3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン:プロピレンオキサイド=1:1.9であることが判明した。また、全水酸基数に対する2級水酸基(H2)数の割合は、39.0%であった。
合成例2
<多分岐ポリエーテルポリオール(a−2)の合成>
リフラックスコンデンサー、マグネット式攪拌棒、温度計を具備した500mlの三口フラスコ中で、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン 69.6g(0.6モル)と、プロピレンオキサイド 104.4g(1.8モル)とを、乾燥かつ過酸化物フリーの250mlのジエチルエーテルに溶解し、次いで、このフラスコを−10℃のアイスバスで冷却した。
次いで、HPF 1.46gの60質量%水溶液を10分間滴下した。反応混合物は僅かに白濁した。次いで、室温で一晩反応させ、翌朝、透明な反応混合物を4時間還流した。その後、樹脂溶液からジエチルエーテル300mlを留去し、生成物をKOH2.8gと水400mlからなる水溶液で洗浄した。
単離した有機層は、次いで、非イオン水400mlで2回洗浄し、再度、ジエチルエーテルを除去し、低粘性の透明多分岐ポリエーテルポリオール163.2gを得た。収率94%であった。
この多分岐ポリエーテルポリオールは、Mn=1,750、Mw=3,630、OHV=188mg・KOH/gであり、プロトンNMRから、モル基準で3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン:プロピレンオキサイド=1:2.9であることが判明した。また、全水酸基数に対する2級水酸基(H2)数の割合は、46.3%であった。
参考例1
<ポリオール(A−1)の調製>
前記合成例1で得られた多分岐ポリエーテルポリオール(a−1)491部と水酸基当量350のひまし油509部を混合し、平均水酸基当量が265のポリオール(A−1)を得た。
参考例2
<ポリオール(A−2)の調製>
前記合成例2で得られた多分岐ポリエーテルポリオール(a−2)642部と水酸基当量350のひまし油358部を混合し、平均水酸基当量が315のポリオール(A−2)を得た。
参考例3
<ポリオール(A−3)の調製>
エポキシ当量が188なるビスフェノールA型エポキシ樹脂の40重量部と、ひまし油脂肪酸の60重量部とを、トリフェニルフォスフィンの0.2重量部の存在下に、窒素バブリングしながら110℃で15時間反応させて得られる酸価0.1、水酸基当量265、分子量936のエポキシエステルの340重量部と、水酸基当量350のひまし油の660重量部を混合して、平均水酸基当量316のポリオール(A−3)を得た。なお前記エポキシエステルは本発明の多分岐ポリエーテルポリオールとは異なる。
参考例4
<ポリイソシアネート(B)の調製>
MDIが40質量%、ポリメリックMDIが60質量%、MDI中の4,4’−MDIが97質量%、2,4’−MDIが3質量%である市販のクルードMDI(ミリオネートMR−200:日本ポリウレタン工業(株)製)100重量部、
4,4’−MDIが50質量%、2,4’−MDIが50質量%であるMDI(ルプラネートMI:BASF INOACポリウレタン(株)製)を26重量部、及び、4,4’−MDI(ミリオネートMT:日本ポリウレタン工業(株)製)を24重量部加え、ポリイソシアネート(B)を得た。
参考例5
<ウレタンプレポリマー(B−1)の調製>
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに樹脂設計値のイソシアネート基/水酸基(NCO基/OH基)が2.0になるようにコスモネートT−80(2,4トリレンジイソシアネート/2,6トリレンジイソシアネート=80/20TDI:三井武田ケミカル(株)製)149部、エクセノール2020(ポリプロピレングリコール:旭硝子ポリウレタン(株)製)597部、エクセノール3030(ポリプロピレングリコール:旭硝子ポリウレタン(株)製)254部を加え、80℃で2時間、100℃で3時間反応させ、遊離NCO%:3.63のウレタンプレポリマー(B−1)を得た。
参考例6
<活性水素化合物(A−4)の調製>
パンデックスM−3202(MBOCA溶液:大日本インキ化学工業(株)製)128部、ジオクチルフタレート(大八化学(株)製)168部、NS−200(炭酸カルシウム:日東粉化(株)製)674部、トナー30部の合計1000部をプラネタリーミキサーに仕込み、−600mmHg以下で減圧脱法しながら攪拌混合し、活性水素化合物(A−4)を得た。
(試験方法)
<耐摩耗性試験>
30cm×30cmのスレート板に、プライアデックT−150−35(ウレタンプライマー:大日本インキ化学工業(株)製)、1層又は2層床材を指定重量塗布し、硬化後に10cm×10cmの大きさに切断した。その試験体について、JISK7204(摩耗輪CS−17、荷重1kg、1000サイクル後の減量を測定)に則り、耐摩耗性の評価を実施した。
<据え切り性試験>
30cm×30cmのコンクリート舗道板に、プライアデックT−150−35、1層又は2層床材を塗布し、室温にて2週間養生した。その後、据え切り試験機NKA−187(ニッケン株式会社製)にて設置圧40kg/cmの条件で、据えきり試験を実施し、上層と下層の間で剥離等の異常が生じるまでの据えきり回数を測定した。据えきり回数300回でも剥離等の異常が生じない場合は異常なしとした。
実施例1
30cm×30cmのスレート板とコンクリート舗道板に対し、プライアデックT−150−35(大日本インキ化学工業(株)製)を150g/m塗布した。下層床材として、参考例3にて調製したポリオール(A−3)500部、酸化アルミナ粉末(BK−112:住化アルケム(株)製)250部、炭酸カルシウム(NN500:日東粉化(株)製)210部、顔料25部をプラネタリーミキサーを用い真空脱泡しながら均一混合したコンパウンドと、参考例5で得られたポリイソシアネート(B)とをイソシアネート当量と水酸基当量の比率1.15となる割合にて撹拌混合し、1.5kg/m塗布した。その後、上層床材として、参考例1にて調製したポリオール(A−1)500部、酸化アルミナ(BK−112:住化アルケム(株)製)250部、炭酸カルシウム(NN500:日東粉化(株)製)210部、顔料25部をプラネタリーミキサーを用い真空脱泡しながら均一混合したコンパウンドと、コスモネートNBDI(三井化学ポリウレタン(株)製)とをイソシアネート当量と水酸基当量の比率1.15となる割合にて撹拌混合し、1.0kg/m塗布し、上記の各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
実施例2
下層床材において、ケミクリートE(エポキシ系床材:エービーシー商会(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。
実施例3
下層床材として、ウレタンプレポリマー(B−1)と活性水素化合物(A−4)とをイソシアネート当量と水酸基当量の比率1.05となる割合にて撹拌混合し、2.0kg/m塗布した以外、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
実施例4
下層床材として、ディオバーHTP−563(重合性不飽和樹脂系床材:大日本インキ化学工業(株)製)を用いた以外、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
実施例5
下層床材を塗布しないこと以外、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
比較例1
上層床材において、参考例2のポリオール(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
比較例2
上層床材において、下層床材と同様の床材を用いた以外は、実施例1と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
比較例3
上層床材において、ケミクリートEを用いた以外は、実施例2と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
比較例4
上層床材において、ディックトップ500(アクリルウレタン系塗料:大日本インキ化学工業(株)製)を0.2kg/m塗布した以外は、実施例3と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
比較例5
上層床材において、ディオバーHTP−550(重合性不飽和樹脂系床材:大日本インキ化学工業(株)製)を0.3kg/m塗布した以外、実施例4と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
比較例6
下層床材を塗布しないこと以外、比較例1と同様にして各種性能試験を行った。結果を第1表に示す。
Figure 0004952984
第1表に示す通り、本発明の多分岐ポリエーテルポリオールを含有したウレタン系樹脂組成物からなるウレタン系床材は、高い耐摩耗性を保持していることが分かる。また様々な樹脂系を下層とした場合においても良好な据え切り性を有していることから、駐車場や倉庫等の施工現場において、下地の状態や施工期間に適したウレタン系床材を提供することが出来る。


Claims (6)

  1. ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオールであって、前記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)が、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン又は3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンであり、前記1官能性エポキシ化合物(a2)が、プロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、又は1−ヘキセンオキサイドであり、その分子構造中に1級水酸基(H1)と2級水酸基(H2)とを有しており、かつ、1,000〜2,500の数平均分子量(Mn)及び200〜300mg・KOH/gの水酸基価を有する多分岐ポリエーテルポリオールを主成分とするポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含有するウレタン組成物からなるウレタン系床材。
  2. 前記多分岐ポリエーテルポリオールが、前記1官能性エポキシ化合物(a2)に対しヒドロキシアルキルオキセタン(a1)[(a1)/(a2)]を1/1〜1/3のモル比で反応させて得られるものであり、1官能性エポキシ化合物(a2)が、オレフィンエポキサイドであり、かつその分子構造中に2級水酸基(H2)数が、全水酸基数に対して30〜60%である請求項1記載のウレタン系床材。
  3. 前記ポリイソシアネート(B)が、脂環式炭化水素構造含有ジイソシアネートである請求項1又は2記載のウレタン系床材。
  4. 前記ポリオール(A)が、水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルを含み、水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステルに対する多分岐ポリエーテルポリオール(多分岐ポリエーテルポリオール/水酸基含有高級脂肪酸アルキルエステル)が重量比で3/7〜7/3であり、かつこのポリオール(A)の全水酸基数が4以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のウレタン系床材。
  5. 前記ウレタン組成物が、活性アルミナ粉末(C)を5〜30重量%含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン系床材。
  6. 基材層と第一被覆層(下層)と第二被覆層(上層)の少なくとも3層から構成される床構造体であって、前記第二被覆層(上層)が請求項1〜5のいずれかのウレタン系床材からなることを特徴とする床構造体。
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