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JP4953075B2 - ヒートシンク - Google Patents
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Description

本発明は、ヒートシンクに関し、特に電子素子の除熱を行うに適したヒートシンクに関する。本発明は、熱サイフォン部と水冷ジャケット部とを並設するヒートシンクに関し、特に熱サイフォン部と水冷ジャケット部とを有する水冷タンデム型ヒートシンクに関する。
コンピュータなどの電子装置に内蔵されている各種の電子素子は、不可避的な内部抵抗を有している。電子素子に通電して動作させることにより電子素子が発熱し、その結果、電子素子の温度がある程度以上に上昇すると、電子素子の動作が不安定になり、ついには電子素子の動作不良を起こしてしまう。そのため、電子素子を冷却するために種々の装置が開発されており、電子素子にフィン型のヒートシンクを直接取り付けて放熱面積を増大させる装置や、そのヒートシンクにファンを取り付けて強制空冷する装置などが開発されている。
電子素子(高速CPU、パワートランジスタ、サイリスタ等)の最近の除熱方法は、フィンとファンとによる空気の強制対流伝熱、あるいはヒートシンクのコンパクト性が要求されている場合には、ヒートパイプを取付けたフィンとファンによる空気の強制対流伝熱が一般的である。また、電子素子の熱負荷の上昇に伴って空気流速を増すために、大型のファンが使用されるようになってきており、これに伴ってファンの騒音問題も生じてきている。これらの対策として、空気ではなく水を用いて水の単相強制対流伝熱を利用する電子素子の除熱方法も一部で取られている。
さらに、単に空気による除熱だけでは不十分な高熱負荷の電子素子の除熱方法として、ベーパーチャンバーと呼ばれる特殊なヒートパイプ(平板型ヒートパイプ)を用いる方法が開発されている。この電子素子の除熱方法では、ベーパーチャンバーによって伝熱面積を拡大させてから大きな伝熱面積を持つフィンに熱を伝え、最終的にはファンによる空気の強制対流伝熱により電子素子の除熱を行う方法である。今後さらに電子素子の発熱密度が高くなることが予想されており、高熱負荷の電子素子の除熱方法の開発が緊急の課題となっている。
上述の応用例として、下記特許文献1に示されている平板型ヒートパイプが知られている。
特開2003−214779号公報
上述した特許文献1に示されている平板型ヒートパイプは、中空平板状のコンテナ内に、毛細管力を発生させるとともに、その毛細管圧力によって作動流体(水、アルコール等)を流通させる通路を構成するウイック(多孔質体)を配置している。この平板型ヒートパイプでは、二種類のウイックが用いられており、入熱部側には実効毛細管半径の小さいウイックが配置され、放熱部側には作動流体の流通する通路の断面積が大きくかつ実効毛細管半径の大きいウイックが配置されている。これら各ウイックの流路は互いに連通されている。
この特許文献1に示されている平板型ヒートパイプにおいては、作動流体の循環と均等化のため、その内部にウイックを使用しているので、そのウイックが作動流体の流動抵抗となるため、伝熱限界が低い欠点がある。
ウイックを持たず重力を利用する熱輸送素子として、円管状の密閉二相熱サイフォンが知られている。この密閉二相熱サイフォンは、下部に形成された蒸発部、上部に形成された凝縮部、中間部に形成された断熱部の3つの部位から構成されている。実際に高熱負荷の電子素子(パワートランジスタ等)の除熱に使用されており、そこでは蒸発部に伝熱ブロックを介してその素子が取り付けられ、凝縮部の外周には空冷の場合はフィンが、水冷の場合は水冷ジャケットが取り付けられている。この円管状密閉二相熱サイフォンでは、下部で電子素子などのヒートソースから熱を受け、上部で空気あるいは冷却水に熱を放出している。
上述の円管状密閉二相熱サイフォンでは、蒸発部の外壁から熱を受け取り、凝縮部の外壁から空気や水へ排熱し、結果として蒸発部から凝縮部へ熱を輸送している。熱サイフォンの内部では、蒸発部で受け取った熱で内部の作動流体(水、アルコール、フロン等)が沸騰、蒸発する。熱サイフォンの内部で発生した蒸気が上部に移動し、排熱により膜状または適状に凝縮し、凝縮した作動流体(液)は、熱サイフォンの内部壁面を伝わって重力で蒸発部に戻ることにより、連続的な熱輸送を行っている。
上述の従来の円管状密閉二相熱サイフォンでは、下部の蒸発部と上部の凝縮部との間に断熱部を設け、受熱部と放熱部が離れて設置されているため、管内は常に飽和状態になっており、蒸発部での伝熱は常に飽和沸騰となっている。
現在の空冷による電子素子の除熱技術では、近い将来の高熱負荷電子素子の除熱を行う場合、ヒートシンクが非常に大きくなり、コンパクトな設計が不可能になったり、流量の大きなファンを使用することからの騒音問題が予見されている。その解決方法の1つとして、伝熱的にも環境的にも最良の熱媒体である水を利用し、加えて高い熱伝達性能が得られる沸騰伝熱を活用することが考えられる。しかし、水の沸騰を直接電子素子の除熱に使用する場合、多くの電子素子の耐熱性から大気圧よりかなり低い負圧にする必要があり、シールの問題から、製造コストが大幅に上昇することが予想される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、熱伝達性能が優れた冷却媒体である作動流体(水)を有効に機能させるヒートシンクを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、冷却媒体である作動流体の潜熱を有効に活用したヒートシンクを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、冷却媒体である作動流体のサブクール沸騰による熱伝達を有効に利用しうるヒートシンクを提供することにある。
本発明では、上記目的を達成するために、負圧を容易に実現できる密閉二相熱サイフォンの仕組みを活用するとともに、加えてその熱サイフォンを伝熱面積の拡大(熱流束の減少)に活用する。
本発明では、作動流体を封入した密閉二相熱サイフォン部と、冷却水を通過させる水冷ジャケット部とをシリーズに対向、近接させ、熱サイフォン部の外表面に取り付けられた電子素子で発生した熱を熱サイフォン部を介して伝達するとともに熱流束を減少させ、最終的に水冷ジャケット部の冷却水に熱を移送することにある。
本発明のヒートシンクによれば、電子素子(ヒートソース)表面で高熱流束を輸送できる。例えば、本発明のヒートシンクによれば、密閉熱サイフォンを活用し、70℃以下の温度条件の下での作動流体の沸騰熱伝達を電子素子(ヒートソース)の除熱に適用できる。
本発明のヒートシンクによれば、ヒートシンクの水冷ジャケット部を電子素子(ヒートソース)に対向、近接させたため、熱サイフォン内での沸騰がサブクール沸騰となることから、これまでの一般の熱サイフォンに比べ蒸発部でさらに高い熱伝達性能が得られ、高い熱輸送性能を有するヒートシンクが得られる。
本発明のヒートシンクによれば、ヒートシンクの熱サイフォン部の上部に蒸気空間部を持ち、ここまで水冷ジャケットが取付けてあるため、上記の蒸発部に近接した水冷ジャケット部で凝縮しきれなかった蒸気は、膜状凝縮または滴状凝縮され、その潜熱をヒートシンクの水冷ジャケット部に輸送することができる。
本発明のヒートシンクによれば、上記の水冷ジャケットの冷却により、熱負荷の上昇に伴う熱サイフォン部の内圧の増加を小さく保つことができる。
本発明のヒートシンクの一実施例である水冷タンデム型ヒートシンクを図面に基づいて、以下説明する。
図1は、本発明のヒートシンクの一実施例である水冷タンデム型ヒートシンクの斜視図、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100は、密閉気液二相(サブクール沸騰、凝縮)となる平板型熱サイフォン部1と水の単相(液単相)冷却となる水冷ジャケット部2とをシリーズに組み合わせたタンデム構造を形成する。熱サイフォン部1は扁平矩形状で、その外表面の一部に電子素子(ヒートソース)3を取り付けており、この熱サイフォン部1の片側全面には扁平矩形状の水冷ジャケット部2が取り付けられている。また熱サイフォン部1の内部には、作動流体である純水Fを収納している。
水冷タンデム型ヒートシンク100は、同じ縦断面積を有する扁平矩形状の密閉構造の熱サイフォン部1と扁平矩形状の水冷ジャケット部2とで一体的に構成されている。熱サイフォン部1と水冷ジャケット部2とを形成する単一の箱容器4は、高い熱伝導性と高い抗腐食性を有する銅材料で製作されている。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100は、平板型対向冷却式である熱サイフォン部1に水冷ジャケット部2を対向近接して設けている。この水冷ジャケット部2の下部には、冷却水5の入口を形成する冷却水入口部6が、水冷ジャケット部2の上部には、冷却水5の出口を形成する冷却水出口部7が設けられている。冷却水5は、冷却水入口部6から導入され、水冷ジャケット部2の内部を通過し、冷却水出口部7から排出される。
図2に示すように、本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100の熱サイフォン部1と水冷ジャケット部2は、箱型容器4の一部を形成する高い熱伝導性と高い抗腐食性を有する共通区画壁8を介して区分されて形成されている。箱型容器4の熱サイフォン部1側には高い熱伝導性と高い抗腐食性を有する銅材料で製作された熱サイフォンカバー9を取り付け、熱サイフォン部1を密閉構造としている。箱型容器4の水冷ジャケット部2側には水冷ジャケットカバー10が設けられている。この水冷ジャケットカバー10には、冷却水入口部6と冷却水出口部7とが一体的に設けられている。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100は、熱サイフォン部1の外側表面の下方にほぼ四角形状の電子素子(ヒートソース)3を突出して取り付けており、その表面のその他の部分は空気と直接接触している。ヒートソースからの熱は熱サイフォンカバー9を通って熱サイフォン部1に伝達され、封入されている作動流体である純粋Fを沸騰させる。沸騰により生じた蒸気は共通区画壁8の熱サイフォン部側壁面で凝縮され、凝縮に必要な熱は水冷ジャケット部2内を流れる冷却水5に移送され、ヒートシンク外に運ばれる。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、熱サイフォン部1の内容積の大きさは、例えば40cmであり、その内部には半分の容積に相当する20cmの純水Fが作動流体として封入されている。この封入された純水Fは、真空ポンプにより空気(酸素と窒素等)を抜いたいわゆる純水F(構造式:HO)である。この水冷タンデム型ヒートシンク100では、電子素子(ヒートソース)3の大きさは、例えば9cm(縦3cm、横3cm)であり、この電子素子(ヒートソース)3の一面に熱伝導性グリースを塗り、熱サイフォン部1の下方部の外表面に押し付けて取り付けられている。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、電子素子(ヒートソース)3の温度は、例えば70℃まで上昇する。一方、水冷ジャケット部2では、冷却水入口部6から温度50℃の冷却水5が導入され、電子素子(ヒートソース)3からの熱を受け取って、冷却水出口部7から温度55℃の水となって導出、移送される。このように、この水冷タンデム型ヒートシンク100では、電子素子(ヒートソース)3と冷却水5との温度差は約20℃程度になる。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、熱サイフォン部1の内部で作動流体である純水Fの気泡が発生する。熱サイフォン部1の内部を水冷ジャケット部2の冷却水5によって近傍で冷却することによりサブクール沸騰となり、凝縮により純水Fの気泡が小さくなるか、場合によっては気泡がなくなる。そのため、水冷タンデム型ヒートシンク100の伝熱性能が向上する。また、熱サイフォン部1の上部に蒸気空間部が形成され、蒸発部で凝縮しきれなかった蒸気は、膜状あるいは滴状で凝縮される。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、熱サイフォン部1の水冷ジャケット部2が取り付けられている水冷部側片面の伝熱面積は、電子素子(ヒートソース)3の伝熱面積の数倍(〜8倍)の大きな伝熱面積を有する。このように、熱サイフォン部1では、熱サイフォン部1の水冷ジャケット部側の共通区画壁8の側壁面の伝熱面積を大きくして、水冷ジャケット部2の冷却水5の単相強制冷却に熱を受け渡す。
このように、本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、熱サイフォン部1を利用することにより、熱サイフォン部1が密閉構造であるので、熱サイフォン部1の内部の圧力を大気圧以下に容易に下げることができる。従って、電子素子(ヒートソース)3を除熱しつつ、電子素子(ヒートソース)3を電子素子(ヒートソース)3の耐熱温度以下で動作することができる。
このように、本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、熱サイフォン部1の伝熱面積が電子素子(ヒートソース)3の伝熱面積より大幅に拡大されているので、水冷ジャケット部2では、熱サイフォン部1の熱流束が小さくなり、冷却水5の単相(液単相)強制冷却での熱輸送が可能となる。
このように、本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、電子素子(ヒートソース)3の温度を70℃程度の低い温度に保つことができるので、電子素子3の動作が安定し、電子素子3は動作不良を起こすことはない。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、熱サイフォン部1の内部に収納する冷却媒体である作動流体Fとして、純水Fを採用しているが、ヒートソースからの熱量によっては、アルコール、フロン等を採用してもよい。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、水冷ジャケット部2の冷却水入口部6が水冷ジャケット部2の下部に、冷却水出口部7が水冷ジャケット部2の上部に設けられているが、これに限定されなく、例えば、冷却水入口部6と冷却水出口部7とを水冷ジャケット部2の水平方向の左右に配置してもよい。
本発明の一実施例である水冷タンデム型ヒートシンク100では、熱サイフォン部1及び水冷ジャケット部を構成する箱型容器4を銅材料で製作しているが、この材料に限定されないのは勿論である。
本発明のヒートシンクの一実施例である水冷タンデム型ヒートシンクの斜視図。 図1のII−II線に沿った断面図。
符号の説明
1 熱サイフォン部
2 水冷ジャケット部
3 電子素子(ヒートソース)
4 箱型容器
5 冷却水
6 冷却水入口部
7 冷却水出口部
8 共通区画壁
9 熱サイフォンカバー
10 水冷ジャケットカバー
F 水(作動流体)

Claims (3)

  1. 沸騰熱伝達を行う作動流体封入された蒸発部、及び該蒸発部の上部に設けられた、前記作動流体から与えられる蒸気を凝縮させるための蒸気空間部を備えた熱サイフォン部と、冷却水を通過させる水冷ジャケット部とを並設した水冷タンデム型ヒートシンクであって、前記熱サイフォン部の下方外側表面に設けられる電子素子と、前記熱サイフォン部と、前記水冷ジャケット部とをシリーズに対向配置させ、前記電子素子で発生した熱を前記熱サイフォン部にサブクール沸騰による熱伝達で移送し、前記熱サイフォン部に移送された熱を、前記熱サイフォン部の前記蒸発部と前記蒸気空間部のそれぞれから、前記水冷ジャケット部の冷却水に移送することを特徴する水冷タンデム型ヒートシンク。
  2. 請求項1記載のヒートシンクにおいて、前記熱サイフォン部の内部では前記サブクール沸騰と凝縮の気液二相の状態を形成し、前記水冷ジャケット部では水の液単相の冷却状態を形成することを特徴とする水冷タンデム型ヒートシンク。
  3. 請求項1記載のヒートシンクにおいて、前記熱サイフォン部と前記水冷ジャケット部と単一の容器にて構成し、前記容器の内部に設けた共通区画壁を介して前記熱サイフォン部に移送された熱を前記水冷ジャケット部の冷却水に移送させることを特徴とする水冷タンデム型ヒートシンク。
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