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JP4953666B2 - 磁気センサ装置および識別装置 - Google Patents
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本発明は、コアに対してコイルが巻回されたバルク型の磁気センサ素子を備えた磁気センサ装置、およびこの磁気センサ装置を用いた識別装置に関するものである。
コアにコイルが巻回されたバルク型の磁気センサ装置は、磁気量(透磁率)に比例したアナログ信号を出力することができるため、紙幣などの識別装置において、紙幣に磁気インクにより印刷されたパターンを検出し、紙幣の真贋や種類を識別するのに用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このような磁気センサ装置において、磁気センサ素子のコイルから出力されるセンサ信号は、図7に示すような交流信号であるため、紙幣などに印刷されたパターンの検出を行うには、まず、かかる交流信号に対して全波整流回路で整流を行った後、平滑して直流信号に変換する検波方式が多用されている。
特開2004−318541号公報
しかしながら、検波方式では信号処理速度が遅いため、複数の磁気センサ素子を用いて多チャンネル化した際に、各磁気センサ素子から出力されたセンサ信号を時系列的に処理するのが困難である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、検波方式と比較して処理速度の向上を図ることができる磁気センサ装置、および識別装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、コアにコイルが巻回された複数の磁気センサ素子と、該複数の磁気センサ素子から出力されたセンサ信号を処理する信号処理回路とを有する磁気センサ装置において、前記信号処理回路は、前記センサ信号のピーク値をキャパシタで保持して出力するピークホールド回路と、前記複数の磁気センサ素子から前記ピークホールド回路への前記センサ信号の出力を切替指令信号に基づいて時系列的に切り替えるスイッチ回路とを備えているとともに、前記ピークホールド回路に対しては、前記切替指令信号に同期するディスチャージ指令信号により前記キャパシタに放電を行わせて前記ピーク値をリセットする放電回路を備えていることを特徴とする。
本発明では、センサ信号のピークホールド値を用いるため、信号処理速度の向上を図ることができる。また、信号処理速度が高いので、複数の磁気センサ素子を用いた場合に、複数の磁気センサ素子のセンサ信号を共通の信号処理回路で時系列的に処理することが容易であり、信号処理回路の構成を簡素化できる。
本発明において、前記磁気センサ素子は、前記コイルとして用いた第1のコイルと第2のコイルの差動を前記センサ信号として出力する差動型磁気センサ素子であることが好ましい。このように構成すると、温度などの環境変化の影響を受けないため、高い精度での検出を行うことができる。この場合において、前記第1のコイルは、励磁コイルであり、
前記第2のコイルは、差動検出用のコイルであり、前記信号処理回路は、前記切替指令信号に基づいて前記複数の磁気センサ素子への励磁を時系列的に切り替える第2のスイッチ回路を備えている構成を採用できる。
本発明に係る磁気センサ装置を用いた識別装置では、前記複数の磁気センサ素子は、媒体の表面に印刷された磁性材料の印刷パターンに対応する前記センサ信号を出力し、前記ピークホールド回路からの出力信号に基づいて前記媒体の真偽および種類のうちの少なくとも一方を識別する。
本発明では、センサ信号のピークホールド値を用いるため、信号処理速度の向上を図ることができる。また、信号処理速度が高いので、複数の磁気センサ素子を用いた場合に、複数の磁気センサ素子のセンサ信号を共通の信号処理回路で時系列的に処理することが容易であり、信号処理回路の構成を簡素化できる。
図面を参照して、本発明を適用した磁気センサ装置を用いた紙葉類識別装置を説明する。
(全体構成)
図1(a)、(b)は、本発明を適用した紙葉類識別装置(磁気センサ装置)の要部構成を示す構成図、およびこの紙葉類識別装置に使用される自励式の磁気センサ素子の説明図である。
図1(a)において、紙葉類識別装置1は、紙幣や小切手などの紙葉2の紙面に形成されているパターンを検出して、その真贋や種類を識別するための磁気センサ装置である。すなわち、紙葉2には、磁気インクなどの磁性材料により印刷パターン21が形成されており、この印刷パターン21を検出することにより、紙葉2の真贋や種類を識別する。
紙葉類識別装置1は、紙葉2を搬送路3に沿って搬送する搬送機構(図示せず)と、搬送路3の途中位置に配置された磁気センサ素子100と、この磁気センサ素子100に交流の励磁電流を供給する励磁回路(図1(a)には図示せず)と、磁気センサ素子100からの出力を処理する信号処理回路(図1(a)には図示せず)などを備えている。
また、本形態の紙葉類識別装置1では、搬送路3の幅方向(紙葉2の搬送方向に交差する方向)に向かって複数の磁気センサ素子100が所定の間隙を空けて配置された多チャンネル型であり、磁気センサ素子100は、搬送される紙葉2のうち、その上方位置を通る部位のパターンを時系列に検出する。なお、紙葉2の搬送方向は矢印Wで示してある。
磁気センサ素子100は、図1(b)に示すように、自励式であり、溝部16が開口するセンサ面110を備えたコア体11と、溝部16内に配置されたパターン検出用の励磁コイル12とを備えている。より具体的に説明すると、コア体11は、水平部111と、その中央、一方の端部、および他方の端部から搬送路およびその反対側に向けて延びた計6枚の垂直板部112、113、114、115、116、117とを備えており、垂直板部112、113、114の上端面によってセンサ面110が構成されている。このため、コア体11には、垂直板部112、113の間、および垂直板部112、114の間に、センサ面110で開口する溝部16が形成され、この溝部16内には、垂直板部112を巻回するように、巻線ボビン(図示せず)に巻回されたボイスコイルからなるパターン検出用の励磁コイル12(第1のコイル)が配置されている。
また、コア体11には、垂直板部115、116の間、および垂直板部115、117の間にも、センサ面110とは反対側で開口する溝部17が形成され、この溝部17内には垂直板部115を巻回するように、巻線ボビン(図示せず)に巻回されたボイスコイルからなる差動検出用のコイル15(第2のコイル)が配置されている。なお、溝部16、17には、励磁コイル12および差動検出用のコイル15が装着された後、樹脂が充填されることがある。
ここで、磁気センサ素子100は、差動型であるため、パターン検出用の励磁コイル12と差動検出用のコイル15とは直列に接続され、その両端に励磁電流に供給される。そして、パターン検出用の励磁コイル12と差動検出用のコイル15との接続点からセンサ信号が出力される。
このようなセンサ信号では、紙葉2において印刷パターン21が形成されている領域が磁気センサ素子100の下方を通過する期間、印刷パターン21によって透磁率が上昇するため、出力が高まる一方、印刷パターン21が形成されている領域が通過した後は、出力が低下する。なお、図1(a)に示すように、紙葉2に対してアルミニウムなどのホログラムパターンが形成されている場合、ホログラムパターンが形成されている領域が磁気センサ素子100の下方を通過する期間では、ホログラムパターンに渦電流が発生するため、出力がさらに低下する。従って、後述する信号処理回路において、各磁気センサ素子100から出力されるセンサ信号を直流信号に変換し、かつ、この直流信号により得られた信号パターンを照合すれば、紙葉2の真贋や種類を識別することができる。
(信号処理回路の構成)
図2(a)、(b)は、本形態の紙葉類識別装置1に用いた信号処理回路の要部の構成図、およびこの信号処理回路の各段階での信号波形を示す説明図である。図3および図4は、本形態の紙葉類識別装置1に用いた駆動回路全体の構成図、および信号処理回路の回路図である。図5は、本発明に係る紙葉類識別装置に用いた信号処理回路で用いられる信号の波形図である。なお、図4には、図3に示す増幅回路の図示を省略してある。
本形態では、差動型の磁気センサ素子100を用いて信号検出を行うにあたって、紙葉類識別装置1は、図2(a)に示すように、各磁気センサ素子100のパターン検出用の励磁コイル12および差動検出用のコイル15に励磁電流を供給するための発振子41および励磁回路40と、複数の磁気センサ素子100に対して共通の信号処理回路5とを有している。
本形態において、信号処理回路5は、図2(a)、(b)に示すように、磁気センサ素子100から出力されるセンサ信号のピーク値を検出して出力するピークホールド回路51を備えている。
また、本形態の紙葉類識別装置1は、磁気センサ素子100が複数、形成された多チャンネル型であるため、図3に示すように、紙葉類識別装置1では、クロック信号発生回路50から出力されるクロック信号に基づいて、各々が磁気センサ素子100を備えたチャンネルch1〜ch16の切替を行うロジック回路54が用いられ、このロジック回路54は、切替指令信号により第1のアナログスイッチ回路(第2のスイッチ回路)56を制御し、励磁回路40から各チャンネルch1〜ch16に対応する磁気センサ素子100への励磁を制御する。また、ロジック回路54は、切替指令信号により第2のアナログスイッチ回路57を制御し、各チャンネルch1〜ch16に対応する磁気センサ素子100から信号処理回路5への信号出力を制御する。従って、各チャンネルch1〜ch16に対応する磁気センサ素子100は、ロジック回路54による制御の下、励磁回路40から順次、時系列的に励磁され、かつ、信号処理回路5にセンサ信号を出力する。また、ロジック回路54は、信号処理回路5に信号入力するチャンネルch1〜ch16が切り換わる度にディスチャージ指令信号により信号処理回路5をリセットする。このように、信号処理回路5は、複数の磁気センサ素子100から出力されるセンサ信号を時系列的に処理するためのアナログスイッチ回路56、57を備えており、ロジック回路54は、磁気センサ素子100からピークホールド回路51へのセンサ信号の出力を切り替える切替指令手段として機能している。
このような信号処理回路5は、より具体的には、磁気センサ素子100からの差動出力を増幅する増幅回路58と、この増幅回路58で増幅された出力信号のピーク値を検出して出力するピークホールド回路51と、オフセット補正指令信号およびゲイン補正指令信号に基づいてピークホールド回路51からの出力に対してオフセット調整およびゲイン調整を行う調整回路59とを有しており、調整回路59を経て出力されるピークホールド回路51から出力されるアナログ出力は、所定のデジタル信号化処理が施されて、パターン照合に用いられる。
これらの回路のうち、ピークホールド回路51は、図4に示すように、ダイオードD1、D2、D6、キャパシタC1およびオペアンプX2などにより構成され、切替指令信号によって選択されたチャンネルの磁気センサ素子100から出力されたセンサ信号のピーク値をキャパシタC1で保持する。また、ピークホールド回路51に対しては、放電回路510が形成されており、放電回路510は、切替指令信号に同期するディスチャージ指令信号によりトランジスタQ2がオンオフすることにより、キャパシタC1に放電を行わせ、その前に選択されていたチャンネルのピーク値をリセットする。
このように構成した信号処理回路5においては、図5に示す波形S0のディスチャージ指令信号が放電回路510に出力された後、ピークホールド回路51に対しては、図5に波形S1で示すセンサ信号が出力される。その際、ピークホールド回路51で保持されるピーク値は、波形S2で示すように変化し、アナログ信号として出力される。このように、センサ信号は、振幅が増大した後、減衰していくが、本形態では、ピークホールド回路51で保持されたピーク値がアナログ信号として出力される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の紙葉類識別装置1では、信号処理回路5が、磁気センサ素子100から出力されるセンサ信号のピーク値を検出して出力するピークホールド回路51を備えているため、検波方式と比較して信号処理速度の向上を図ることができる。
また、本形態の紙葉類識別装置1では信号処理速度の向上を図ることができるので、紙葉2の搬送速度、すなわち、紙葉2に対する識別処理速度を向上することができる。また、本形態の紙葉類識別装置1では信号処理速度が高いので、複数の磁気センサ素子100の出力を共通の信号処理回路5で時系列的に処理でき、信号処理回路5の構成を簡素化できる。
[その他の実施の形態]
上記形態では、紙葉類識別装置1に本発明を適用した例であったが、磁気センサ素子100と媒体とのギャップ特性を利用して、磁性材料の位置を検出する位置センサなどとして用いた場合に本発明を適用してもよい。
また、上記形態では、自励式の磁気センサ素子100を用いた場合を例に説明したが、他励式の磁気センサ素子100を用いた場合に本発明を適用してもよい。
さらに、上記形態では、差動型の磁気センサ素子100を用いた場合を例に説明したが、1本のコイルがコアに巻回された磁気センサ素子を用いた場合に本発明を適用してもよい。この場合の磁気センサ素子としては、図6(a)に示すように、水平板部111から1枚の垂直板部112が延びたT字型のコア体11において、垂直板部112にコイル12が巻回されたもの、あるいは図6(b)に示すように、水平板部111から3枚の垂直板部112、113、114が一方側に延びたE字型のコア体11において、中央の垂直板部112のコイル12が巻回されたものを用いることができるなど、磁気センサ素子100については各種タイプのものを用いることができる。
(a)、(b)は、本発明を適用した紙葉類識別装置の要部構成を示す構成図、およびこの紙葉類識別装置に使用される自励式の磁気センサ素子の説明図である。 (a)、(b)は、本発明に係る紙葉類識別装置に用いた信号処理回路の要部の構成図、およびこの信号処理回路の各段階での信号波形を示す説明図である。 本発明に係る紙葉類識別装置に用いた駆動回路全体の構成図である。 本発明に係る紙葉類識別装置に用いた信号処理回路の回路図である。 本発明に係る紙葉類識別装置に用いた信号処理回路で用いられる信号の波形図である。 本発明に係る紙葉類識別装置で使用可能な別の磁気センサ素子の説明図である。 従来の信号処理方法の説明図である。
符号の説明
1 紙葉類識別装置
2 紙葉
5 信号処理回路
11 コア体
12 パターン検出用の励磁コイル
15 差動検出用のコイル
51 ピークホールド回路
100 磁気センサ素子

Claims (4)

  1. コアにコイルが巻回された複数の磁気センサ素子と、該複数の磁気センサ素子から出力されたセンサ信号を処理する信号処理回路とを有する磁気センサ装置において、
    前記信号処理回路は、前記センサ信号のピーク値をキャパシタで保持して出力するピークホールド回路と、前記複数の磁気センサ素子から前記ピークホールド回路への前記センサ信号の出力を切替指令信号に基づいて時系列的に切り替えるスイッチ回路とを備えているとともに、前記ピークホールド回路に対しては、前記切替指令信号に同期するディスチャージ指令信号により前記キャパシタに放電を行わせて前記ピーク値をリセットする放電回路を備えていることを特徴とする磁気センサ装置。
  2. 請求項1において、前記磁気センサ素子は、前記コイルとして用いた第1のコイルと第2のコイルの差動を前記センサ信号として出力する差動型磁気センサ素子であることを特徴とする磁気センサ装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1のコイルは、励磁コイルであり、
    前記第2のコイルは、差動検出用のコイルであり、
    前記信号処理回路は、前記切替指令信号に基づいて前記複数の磁気センサ素子への励磁を時系列的に切り替える第2のスイッチ回路を備えていることを特徴とする磁気センサ装置。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれかの項に規定する磁気センサ装置を用いた識別装置において、
    前記複数の磁気センサ素子は、媒体の表面に印刷された磁性材料の印刷パターンに対応する前記センサ信号を出力し、
    前記ピークホールド回路からの出力信号に基づいて前記媒体の真偽および種類のうちの少なくとも一方を識別することを特徴とする識別装置。
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