JP4953782B2 - 回り込みキャンセル装置 - Google Patents
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Description
一般的には、このような回り込み対策として、次のような方法が採用されている。第1の方法は、まず、受信したOFDM信号から、回り込み伝送路の周波数特性を推定する。続いて、推定した回り込み伝送路の周波数特性データをIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)して時間軸のインパルス応答データに変換する。次に、そのインパルス応答データをフィルタ係数として、トランスバーサルフィルタに設定する。そして、回り込み波の複製信号を作成して、受信した信号からその複製信号を減算し、回り込みをキャンセルする手法が公知である。この場合の回り込みキャンセラ装置は、図10に示すように構成され、回り込み波f2をキャンセルする(例えば、特許文献1)。
特許文献3に記載の方法では、フィルタ係数間の差分ベクトルに基づいて線形結合による予測を行う。そして、予測後のフィルタ係数に応じて、図11の振幅dおよび位相Δθの双方が変化する。このため、図11に示すように、回り込み伝送路の変動が、同心円状に回転している場合、予測後のフィルタ係数w(n)が、円の外側に膨らむような方向、すなわち、実際よりも振幅が増える方向に予測される。したがって、実際の伝搬路などにおいて適用した場合には、十分な性能を得ることが困難である。
そこで、簡易な演算処理により追従性を向上することが望まれていた。
図1は本発明の実施の形態1に係る回り込みキャンセラ装置10の構成例を示すブロック図である。ここでは、FIRフィルタのフィルタ係数を所定の更新間隔でフィルタ係数の位相回転量を補償する場合について説明する。所定の更新間隔は、受信信号(例えばSP:ScatteredPilot: スキャッタードパイロット信号など)の複数のシンボル区間としても1シンボル区間としてもよい。
図1において、回り込みキャンセラ装置(以下、キャンセラ装置という)10は、受信アンテナ(受信系統)101、受信変換部102、AGC(Auto Gain Control:自動利得制御部)103、A/D(Analog to Digital)変換部104、減算部105、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタ106および伝送路推定部107を有する。さらに、キャンセラ装置10は、回り込み推定部108、係数更新部109、遅延部110、位相回転部111、D/A(Digital to Analog)変換部112、送信変換部113、PA(Power Amplifier:電力増幅)部114および送信アンテナ115を有する。
受信変換部102は、受信アンテナ101で受信された無線周波数帯の信号(親局波f1および回り込み波f2を含む)を増幅する。そして、受信変換部102は、不要帯域の成分を除去して中間周波数帯にダウンコンバートする。上記増幅方法として、例えば増幅器を用いる。また、上記除去方法として、例えば、帯域フィルタを用いる。
AGC103は、A/D変換部104に対して、量子化雑音およびダイナミックレンジを超過することによる雑音が最も小さくなるようなレベルに制御する。なお、A/D変換部104は、例えば、A/Dコンバータである。
そして、減算部105は、減算した入力信号を、FIRフィルタ(複素FIRフィルタ)106、伝送路推定部107およびD/A変換部112に出力する。
送信変換部113は、D/A変換部112の出力信号を無線周波数帯にアップコンバートしてPA部114に出力する。PA部114は、アップコンバートされた信号を増幅して、送信アンテナ115を通して空中に放射させる。これにより、回り込み波f2が生じて受信アンテナ101に回りこむこととなる。
なお、この推定方法として、FFTによって周波数領域に変換し、伝送路の周波数特性を推定する方法が一般的に用いられている(特許文献2参照)。伝送路推定部107における推定は、所定の更新間隔ごとに行われる。
そして、伝送路推定部107は、回り込み伝送路の特性を回り込み推定部108に出力する。
回り込み推定部108における推定は、所定の更新間隔ごとに行われる。
そして、回り込み推定部108は、推定された回り込み周波数特性をIFFTによって時間領域に変換し、係数更新部109に出力する。
具体的には、図2に示すように、係数更新部109は、係数乗算部1091、加算部1092および遅延部1093を含んで構成されている。
係数乗算部1091は、回り込み推定部108から、更新時(n回目)の回り込み特性ε(n)を入力し、ε(n)に更新係数bを乗算する。そして、加算部1092に出力する。bは、ε(n)を打ち消すような係数であり、0<b≦1を満たす。bは動的に制御することも可能であるが、一般的には固定値を用いる。
そして、位相回転部111は、更新前のフィルタ係数と更新後のフィルタ係数との位相回転量を算出して、位相回転量に基づいて当該フィルタ係数をFIRフィルタ106に設定させる。例えば、位相回転部111は、算出した位相回転量を更新前後の位相回転量と均等(あるいはそれ以外)に設定して、当該フィルタ係数を出力してFIRフィルタ106に設定させる。ここでいう均等は、完全同一の均等値に限らず、略均等の値を含む。
位相回転部111は、更新前後の位相回転量と均等に設定する場合、遅延部110から、更新前の位相回転量を取得する。本実施の形態では、更新前の位相回転量は、例えば、過去M個分とする。
遅延部110は、位相回転部111の出力であるフィルタ係数を蓄積する。遅延部110は、例えばRAM(Random Access Memory)などで構成されている。
ベクトル信号位相回転部1111は、係数更新部119から取得したフィルタ係数c(n)を、平均量算出部1113から取得した位相回転量の平均値分を回転する。これにより、フィルタ係数c(n)が所定量(位相回転量の平均値分)回転する。
そして、ベクトル信号位相回転部1111は、そのフィルタ係数をFIRフィルタ106に出力する。これにより、FIRフィルタ106は、過去の更新回数分の位相回転量を平均化したフィルタ係数を入力して回り込み信号の複製を生成する。
平均量算出部1113は、位相回転量算出部1112において算出された全位相差(例えば、図示しない記憶部に記憶された過去M回分)の平均値を算出する。この算出式の一例を数1に表す。これにより、過去から位相差の増減を考慮して算出することができる。
そうすると、次のn+1回目において、伝送路推定部107が、伝送路の変動がないとみなして伝送路の特性を推定してしまう。その結果、係数更新部109において、n回目のフィルタ係数と同じn+1回目のフィルタ係数を位相回転部111Aに出力する。このため、位相回転部111Aでは、更新前後(n+1回目とn回目)のフィルタ係数の位相差をゼロとしてフィルタ係数を設定することとなる。すると、次の(n+2)回目の伝送路の特性も、伝送路がまた変動したように推定され、位相差Δθ(n+1)を補償するように動作する。すなわち、位相補償値が、Δθ(n−1)、0、Δ(n+1)、0、Δ(n+3)、0、…というかたちで振動してしまう。よって、受信(中継)品質の向上につながらないこともある。なお、伝送路の変動条件としては、Δθ(n−1)≒Δθ(n+1)≒Δ(n+3)を仮定している。
これにより、図3の位相回転部111において位相回転量を平均化する方法は、図4の位相回転部111Aにおいて位相回転量を設定する場合と異なり、位相補償値の振動を緩和することもできる。
次に、位相回転部の他の構成例について図5を参照して説明する。
図5の位相回転部111Bは、図3の位相回転部111に、係数乗算部1114、加算部1115および遅延部1116をさらに含んで構成されている。このように構成することにより、位相回転部111Bは、位相回転誤差を累積してフィルタ係数を算出する。これにより、伝送路の変動に対する追従性をより高精度にすることが可能となる。
係数乗算部1114は、位相回転量算出部1112の出力である位相回転量Δθ(n)に係数αを乗算する。αは、0<α<1を満たす。特に、回り込みのキャンセル動作が可能な伝送路の変動を想定した場合、αは、0<α≦0.5を満たすようにするのが好適である。
ここで、図5の位相回転部111Bは、図6に示す係数更新部109Aと組み合わせてもよい。この組み合わせにより、伝送路の変動に対する追従性の点で親和性が向上し、好適となる。
図6の係数更新部109Aは、図2に示した係数更新部109の遅延部1093を取り除いて構成されている。すなわち、係数更新部109Aは、係数乗算部1091および加算部1092を有する。そして、加算部1092は、係数乗算部1091の出力と、遅延部110から取得された1回前のフィルタ係数とを加算する。その結果、図6の加算部1092の出力値が、図2の加算部1092の出力値と同値となる。その他の位相回転部111Bを含む回り込み装置の構成は、図1および図5の場合と同様である。このように構成することにより、図2の遅延部1093が不要となり、回路規模を小型化することが可能となる。
このため、FIRフィルタ106には、更新前後の位相回転量が均等のフィルタ係数が設定されることとなり、伝送路の変動に対する追従性が向上する。さらに、フィルタ係数の振幅が常に一定に保たれるため、演算処理が簡易になる。よって、キャンセラ装置のハードウェア(回路)規模を小型化できる。
実施の形態2は、フィルタ係数の更新間隔が複数シンボル区間(例えば4シンボル区間)である場合に、フィルタ係数の位相回転量を各シンボル区間(1シンボル区間)ごとに補償するものである。
まず、従来例におけるフィルタ係数の位相回転量を補償する動作タイミングについて説明する(特許文献3参照、実施の形態1も同様)。
図7は、従来例におけるフィルタ係数の位相回転量を補償する動作タイミングを示す図である。
図7の4つのpatternA〜Dは、SP信号の挿入位置を示されている。つまり、4つのpatternA〜Dが、4シンボルごとに繰り返されている。そして、SP信号の取り込み(図7中「取込」)から、位相回転量を演算して(図7中「演算」)フィルタ係数を更新するまで(図7中「更新」)の一連の処理が、4シンボルごとに行われている。
具体的には、patternAとpatternBとの間のGI(ガイドインターバル)が終了するタイミングで、SP信号が取り込まれている(図7中「取込」)。そして、位相回転量の演算が、3シンボル区間(patternB〜D)の間に行われ(図7中「演算」)、その結果、フィルタ係数が、patternDが終了するタイミングで更新される(図7中「更新」)。
図8によると、フィルタ係数の位相回転量は、図7の場合と異なり、4シンボル区間の更新間隔中にも、各シンボル区間(1シンボル区間)ごとに補償されている。この場合、位相回転補償値の大きさは、更新間隔間で求められた位相回転量を(更新間隔シンボル数)で除算した値の倍数とする。
例えば、n回目の更新タイミングにおいて求められたpatternAの位相回転量が、Δθ(n)の場合、次のpatternBのシンボルのフィルタ係数は、{Δθ(n)}/4だけ回転される。そして、次のpatternCのシンボルのフィルタ係数は、{2Δθ(n)}/4回転される。さらに、次のpatternDのシンボルのフィルタ係数は、{3Δθ(n)}/4回転される。このようにして、フィルタ係数の位相回転量が、各シンボル区間(1シンボル区間)ごとに補償される。
図9は、実施の形態2の位相回転部111Dの構成例を示すブロック図である。
図9の位相回転部111Cは、図6の位相回転部111Bに、除算部1117および乗算部1118をさらに含んで構成されている。その他の位相回転部を含むキャンセラ装置の構成は、図1および図6の場合と同様である。
除算部1117は、加算部1115の出力である位相回転量(更新間隔分)から1シンボルあたりの位相回転量を算出する。この算出式は、位相回転量Δθ/Mとなる。なお、Mは、更新間隔中のシンボル数を表す。
このとき、本実施の形態では、更新間隔は4シンボル区間(M=4)であるため、位相回転量係数kは、k=1、2、3、4となる。これにより、乗算部1118の出力は、{Δθ(n)}/4、{2Δθ(n)}/4、{3Δθ(n)}/4、Δθ(n)となる(図8参照)。
この場合、除算部1117は、加算部1115の出力である位相回転量(更新間隔分)から、更新間隔分のサンプルクロック信号数を除算する。そして、乗算部1118は、サンプルクロック信号ごとに、除算部1117の出力である位相回転量に当該サンプルクロック信号数倍を乗算して、ベクトル信号位相回転部1111に出力する。このようにすると、伝送路の変動をより正確に模擬してキャンセル性能が向上するので、好適である。
また、キャンセラ装置は、回路などのハードウェアにより各部の機能を実現してもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などで実現するようにしてもよい。
101 受信アンテナ
102 受信変換部
103 AGC
104 A/D変換部
105 減算部
106 FIRフィルタ
107 伝送路推定部
108 回り込み推定部
109 係数更新部
110 遅延部
111 位相回転部
112 D/A変換部
113 送信変換部
114 PA部
115 送信アンテナ
Claims (5)
- デジタル放送における放送波中継所の送受信アンテナ間での電波の回りこみを除去するための回り込みキャンセル装置であって、
受信系統からの入力信号から、送受信アンテナ間の回り込みをキャンセルするための回り込み信号を減算する減算部と、
減算後の前記入力信号に基づき、設定されたフィルタ係数に応じた前記回り込み信号の複製を生成して前記減算器に出力するフィルタと、
減算後の入力信号に基づいて、回り込み伝送路の特性を推定する伝送路推定部と、
前記回り込み伝送路の特性に基づいて、回り込み特性を推定する回り込み推定部と、
前記回り込み特性に基づいて、前記フィルタ係数を生成して更新する係数更新部と、
更新前の前記フィルタ係数と更新後の前記フィルタ係数との位相回転量を前記フィルタのタップの個々について予測値として算出し、前記位相回転量を前記更新後のフィルタ係数に反映し、前記フィルタに設定する位相回転部と、
を含む回り込みキャンセル装置。 - 前記位相回転部は、所定の更新回数分の位相回転量を平均化して均等にする、請求項1に記載の回り込みキャンセル装置。
- 前記フィルタ係数の更新間隔に複数のシンボルを有する場合、
前記位相回転部は、前記位相回転量を前記シンボルごとに順次算出して、前記更新間隔における前記位相回転量を算出する、
請求項1に記載の回り込みキャンセル装置。 - 前記更新間隔は、OFDM信号のガイドインターバル区間である、請求項3に記載の回り込みキャンセル装置。
- 前記更新間隔は、連続するサンプルクロック信号間である、請求項3に記載の回り込みキャンセル装置。
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