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JP4954549B2 - 半導体発光素子およびその製法 - Google Patents
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JP4954549B2 - 半導体発光素子およびその製法 - Google Patents

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Description

本発明は基板上に、窒化物半導体が積層される青色系(紫外線から黄色)の光を発生する半導体発光素子およびその製法に関する。さらに詳しくは、発光層形成部で発光した光を効率よく外部に取りだし、外部量子効率を向上させることができる構造の半導体発光素子およびその製法に関する。
従来、青色系の光を発光する半導体発光素子は、たとえば図7に示されるように、サファイア基板31上に、GaNなどからなる低温バッファ層32、GaNなどからなるn形層33と、バンドギャップエネルギーがn形層33のそれよりも小さく発光波長を定める材料、たとえばInGaN系(InとGaの比率が種々変り得ることを意味する、以下同じ)化合物半導体からなる活性層(発光層)34と、GaNなどからなるp形層35とが積層されて半導体積層部36が形成され、その表面に透光性導電層37を介して、p側(上部)電極38が設けられ、積層された半導体積層部36の一部がエッチングされて露出したn形層33の表面にn側電極39が設けられることにより形成されている。なお、n形層33およびp形層35はキャリアの閉じ込め効果を向上させるため、活性層側にAlGaN系(AlとGaの比率が種々変り得ることを意味する、以下同じ)化合物などのさらにバンドギャップエネルギーの大きい半導体層が用いられることがある。
一方、窒化物半導体も他の化合物半導体などと同様に、屈折率は2.5程度と空気の屈折率1よりはるかに大きい。そのため、窒化物半導体層の発光層で発光した光が、半導体積層部から空気中に出射する際に全反射を起こしやすく、半導体積層部から外に出ないで、半導体積層部内で全反射を繰り返して減衰する光が多く、光の取出し効率が10%のオーダとなり著しく低い。そのため、たとえばp形層の最表面を断面形状が半円状のかまぼこ形状にドライエッチングして凹凸を形成することにより、光を取りだしやすくする方法が講じられている(たとえば特許文献1参照)。
特開2000−196152号公報
前述のように、窒化物半導体発光素子においても、他の化合物半導体発光素子と同様に光の取出し効率を向上させるため、表面側に凹凸を設ける工夫はなされている。しかしながら、窒化物半導体は化学的に安定で、ウェットエッチングで窒化物半導体層の表面を凸凹にすることはできない。そのため、前述のように、RIEなどのドライエッチングする方法が試みられている。
しかしながら、窒化物半導体のp形層はとくに結晶性が悪く、その表面をドライエッチングなどによりエッチングすると、その界面のみならず、p形層内部までドライエッチングによる衝撃で結晶性がより一層悪化して、直列抵抗が大きくなったり、界面に光を吸収する準位を有する欠陥を与えたりして、発光特性を低下させたり、寿命を短くしたりするという問題がある。
本発明はこのような問題を生じさせることなく、窒化物半導体からなる発光素子の表面に設けられる透光性導電層に凹凸を形成することにより、発光層で発光した光が半導体積層部と基板内で全反射を繰り返すことにより減衰するのを防止して、光を有効に取りだし、外部量子効率を向上させることができる構造の窒化物半導体発光素子およびその製法を提供することを目的とする。
本発明による半導体発光素子は、基板と、窒化物半導体からなりn形層およびp形層が発光層を形成するように前記基板の一面上に設けられる半導体積層部と、該半導体積層部の表面側に設けられる透光性導電層と、該透光性導電層上に前記半導体積層部の表面側導電形層に電気的に接続して設けられる第1電極と、前記半導体積層部の下層側導電形層に電気的に接続して設けられる第2電極とを具備する半導体発光素子であって、前記透光性導電層の表面に該透光性導電層の一部が残存するように凹部が複数個形成されることにより、前記透光性導電層の表面に凹凸のパターンが形成され、さらに前記凹凸のパターンの凸部上に、前記透光性導電層の屈折率より小さい屈折率を有する絶縁層が凸部のパターンに合せて設けられることにより、前記凹凸のパターンの段差が大きくされ、前記凹凸のパターンが設けられた表面側にパシベーション膜が設けられ、該パシベーション膜の膜厚が1μm以下で、かつ、前記凹部が埋もれてしまわないように形成されている。
さらに具体的には、前記透光性導電層に凹部が形成され、該透光性導電層の凹部直下には透光性導電層が残存し、かつ、前記凹部が形成されない透光性導電層の部分と共に全体が繋がっているように前記凹部が複数個形成されることにより、前記透光性導電層の表面に凹凸のパターンが形成されている。
ここに窒化物半導体とは、III族元素のGaとV族元素のNとの化合物またはIII族元素のGaの一部または全部がAl、Inなどの他のIII族元素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部がP、Asなどの他のV族元素と置換した化合物(窒化物)からなる半導体をいう。さらに、透光性とは、発光波長の光を80%以上透過させるものを意味する。
前記凹部の下に残存する透光性導電層の厚さが0.05μm以上で、かつ、該凹部の深さが〜10μmとなるように、前記透光性導電層および凹部が形成されていることが好ましい。
記透光性導電層の屈折率より小さい屈折率を有する絶縁層が凸部のパターンに合せて設けられることにより、前記凹凸のパターンの段差が大きくなるので、光の取出し効率上好ましい。
記パシベーション膜の膜厚が1μm以下に形成されることにより、パシベーション膜により素子が保護されながら、凹凸がパシベーション膜により平坦化されることなくそのまま残り、光の取出し効率を高く維持することができる。より正確に言うと、パシベーション膜の膜厚は、凹部上のパシベーション膜の表面に開口部(凹部)が残存する厚さであることが好ましい。凹部がなくなると、光の取出し効率が落ちるからである。すなわち、凹部の幅(円形の場合直径)をwとすると、膜厚をw/2以下とすることにより、凹部の中が完全にパシベーション膜で埋まらないでパシベーション膜の表面に凹部が残存する。
前記凹凸のパターンの表面上のほぼ全面に絶縁膜を介してAgまたはAlからなる金属膜が設けられ、前記基板側が光り取り出し面になるようにマウントされる構造にしても、光の取出し効率が向上する。
本発明による半導体発光素子の製法は、(a)基板上にn形層とp形層を含み発光層を形成するように半導体積層部を成長し、(b)前記半導体積層部表面に透光性導電層を形成し、(c)該透光性導電層上に該透光性導電層の屈折率より小さい屈折率を有する絶縁膜をSOG法により形成し、(d)該絶縁膜表面にレジスト膜を形成して凹凸部形成用のパターンを形成し、(e)該レジスト膜をマスクとして前記絶縁膜をパターニングし、(f)該絶縁膜をマスクとして前記透光性導電層をエッチングすることにより、該透光性導電層に凹凸パターンを形成し、(g)前記凹凸のパターンが設けられた表面側に、パシベーション膜を膜厚が1μm以下の厚さで、かつ、前記凹凸部の凹部が埋もれてしまわないように形成することを特徴とする。
本発明の半導体発光素子によれば、窒化物半導体積層部の表面に設けられる透光性導電層に凹凸パターンが形成されている。透光性導電層としては、たとえば窒化物半導体層に屈折率が比較的近いZnOやITOなどが用いられ、ウェットエッチングによってもエッチングすることができるし、ドライエッチングによりエッチングする場合でも化学的にエッチングをすることができると共に、透光性導電層が残存するようにエッチングをするため、窒化物半導体層を直接ドライエッチングするように衝撃を与えることなくエッチングすることができる。そのため、非常に簡単に表面に凹凸を形成することができ、半導体積層部で発光する光または半導体積層部内で反射してきた光が、窒化物半導体と屈折率の近い透光性導電層に入り、その凹凸部で入射角が変り外に出やすくなる。その結果、光の取出し効率が向上し、外部量子効率が大幅に向上する。
また、透光性導電層の凸部上に絶縁膜が設けられることにより、ZnOやITOなどは、スパッタリングや真空蒸着などにより形成しなければならないため、成膜に時間がかかり、厚い膜を形成するにはコストアップになるが、絶縁膜であれば、スピンコートなどにより簡単に形成することができるため、短時間で膜厚を厚くすることができ、背の高い凹凸を形成しやすい。しかも、透光性導電層の屈折率より小さい屈折率を有する材料による絶縁膜が設けられることにより、たとえ透光性導電層から絶縁膜に行く際に、屈折率が小さくなることに伴って全反射を起こしやすくなっても、反射光は凸部の側壁に向かうため、その入射角が変って外に出やすくなる。一方、絶縁膜に入った光は、その絶縁膜と外部との屈折率差が小さくなるため、より外部に出やすくなる。その結果、より一層外部量子効率を向上させることができる。
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体発光素子およびその製法について説明をする。図1に、本発明による半導体発光素子の一実施形態の断面および斜視の説明図が示されるように、たとえばサファイアからなる基板1の一面上に、n形層3およびp形層5を含む窒化物半導体層が発光層を形成するように積層されることにより半導体積層部6が形成され、その半導体積層部6の表面側に透光性導電層7が設けられている。この透光性導電層6上に半導体積層部6の表面側導電形層、すなわち図1に示される例ではp形層5に電気的に接続して第1電極、すなわち図1に示される例ではp側電極8が設けられ、半導体積層部6の下層側導電形層、すなわち図1に示される例では半導体積層部6の一部をエッチングして露出するn形層3に電気的に接続して第2電極、すなわちn側電極9とが設けられている。本発明では、この透光性導電層7の表面に凹凸のパターン(図1に示される例では凹部7a)が形成されていることに特徴がある。
図1に示される例では、透光性導電層7としてGaをドーピングしたZnO層が1〜5μm程度設けられている。このZnOからなる透光性導電層7は、たとえばGaをドーピングしたZnOをターゲットとしてスパッタリングまたはパルスレーザデポジション(PLD)などの方法により、形成することができるし、MBE法などの真空蒸着法によっても形成することができる。この透光性導電層7は、透光性電極とも呼ばれるもので、p形層のキャリア濃度を余り上げることができないため、発光層で発光した光を透過させながら電流をチップの全体に拡げやすくするために設けられており、たとえば比抵抗が5×10-4Ω・cm程度になるように形成されている。この透光性導電層7は、また、p形層5とのオーミックコンタクトが得られるような材料により形成される。この透光性導電層7に凹凸部を形成するには、表面にレジスト膜や絶縁膜などのマスクを形成して、ウェットエッチングで行う場合には、たとえば塩酸やリン酸などのエッチング液を用いて行い、ドライエッチングで行う場合には、たとえば塩素系ガスの雰囲気下で行うことにより、マスクの開口部の形状に合せてエッチングすることができる。
凹凸部は、その形状が円形であるとか、四角であるなどには限定されず、また、凸部の形成でも凹部の形成でも構わない。しかし、平面形状で円形または矩形状の凹部の方が、透光性導電層7の厚い層が連続して半導体積層部6の表面に形成され、電流をチップ全体に拡散させやすいため好ましい。透光性導電層7は、前述のように、窒化物半導体層とのオーミックコンタクトをとると共に、電流をチップの全体に広げる電極としての機能を有しているため、これらの機能を考慮して、さらに成膜時間を余り要することによるコストアップを招かないように考慮して凹部7aの形成が行われる。
具体的には、たとえば平面形状が円形で、凹部7aの径dが1〜10μm程度、好ましくは3〜7μm程度の凹部7aが形成される。凹部7aの間隔sは、余り大きいと凹部7aが少なくなり光の取出し効果が薄れ、余り小さいと電流の拡散が不充分になりやすいから、同様に1〜10μm、好ましくは3〜7μm程度に形成される。凹部7aの深さは、余り深いと透光性導電層7を厚くする必要があり、その成膜時間およびエッチング時間が長くなってコストアップとなり、浅すぎると光の取出し効果が薄れるので、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは1〜4μmに形成される。凹部7aが形成された部分の透光性導電層7の残部の厚さtは、余り薄いと高抵抗になって電流の拡散を充分に奏することができず、凹部7aの下での発光が弱くなり、厚くしすぎると凹部7aの深さとも関連して成膜時間が長くかかるため、0.05μm以上、好ましくは0.05〜0.5μm程度は残るように形成されることが好ましい。すなわち、透光性導電層7は、少なくとも0.05μm以上の厚さで、p形層5の表面の全体に連続して繋がっていることが望ましい。なお、たとえばp側電極8の下側などでは、発光してもp側電極で光を取りだすことができないため、むしろ発光させない方が好ましく、このような発光させたくないとき、または発光させる必要のないときには、透光性導電層7を残存させないで、p形層5が露出するようにエッチングする構造にすることもできる。この凹部7aを逆に凸部とすることもできる。この凹部7aや凸部の径や深さを変えたときの輝度の変化を測定した結果については後述する。
たとえば、透光性導電層7に半導体積層部6(p形層5)が露出するように凹部を形成して、その表面にp側電極8を透光性導電層7および凹部により露出したp形層5を覆うように形成することにより、p形層5が露出した部分では、p側電極8とp形層5とのオーミックコンタクトが得られず、電流が流れにくいため殆ど発光せず、p側電極8で遮断される部分での無駄な発光を抑制することができる。このように、表面全体に透光性導電層7が繋がるように残存させて凹部を形成したり、全ての凹部に透光性導電層が残存しないように凹部を形成したり、一部の凹部には透光性導電層7が残存しないようにして他の凹部には透光性導電層7が残存するように凹部を形成することができる。
半導体積層部6は、たとえばつぎのような構造に形成される。たとえばGaNからなる低温バッファ層2が0.005〜0.1μm程度、SiをドープしたGaNまたはAlGaN系化合物からなるn形層3が1〜10μm程度、たとえば1〜3nmのIn0.13Ga0.87Nからなるウェル層と10〜20nmのGaNからなるバリア層とが3〜8ペア積層される多重量子井戸 (MQW)構造の活性層4が0.05〜0.3μm程度、p形のGaNまたはAlGaN系化合物半導体からなるp形層5が0.2〜1μm程度、それぞれ順次積層されることにより構成されている。
なお、図1に示される例では、n形層3およびp形層5は、それぞれ1層で構成する例で示されているが、たとえばn形層3およびp形層5の活性層側にAlGaN系化合物からなるキャリアを閉じ込めやすい障壁層(バンドギャップエネルギーの大きい層)と、活性層4と反対側にキャリア濃度を上げやすいGaNコンタクト層との複層にすることもでき、さらに低温バッファ層上にアンドープまたはn形などの高温バッファ層や、各層間の歪みを緩和する超格子層などの他の層を介在させることができる。またこれらを他の窒化物半導体層で形成することもできる。さらに、この例では、n形層3とp形層5とで活性層4が挟持されたダブルヘテロ接合構造であるが、n形層とp形層とが直接接合するpn接合構造のものでもよい。また、活性層4も、前述のMQW構造に限らず、単一量子井戸構造(SQW)またはバルク構造にすることもできる。
そして、積層された半導体積層部6の一部がエッチングにより除去されて露出するn形層3上に、オーミックコンタクト用のn側電極9が、0.01μm程度の厚さのTi膜と0.25μm程度の厚さのAl膜とを積層した後600℃程度でシンターすることにより合金層として形成され、透光性導電層7の上の一部に、0.1μm程度厚のTi膜と0.3μm程度厚のAu膜との積層構造によりp側電極8が形成されている。そして、p側電極8およびn側電極9の表面を除いて、全面に図示しないSiN、SiO2などのパシベーション膜を設けられている。このパシベーション膜は、余り厚くなると凹部が埋まって光の取出し効率が低下するため、凹部内に凹部が残存するような厚さ、すなわち凹部の幅(円形の凹部の場合は直径)をwとすると、膜厚をw/2以下とすることが好ましい。具体的には1μm以下が好ましい。
図1に示される例では、透光性導電層7を直接レジストマスクなどでエッチングすることにより凹凸部を形成する例であったが、前述のように、凹凸部は高い方が光の取出し効率が優れている一方で、透光性導電層7は、前述のように、スパッタリングや真空蒸着などにより形成されるため、厚く形成するには時間がかかる。さらに、ZnO層などに直接レジスト膜を形成してエッチングをすると、レジスト膜の下側にエッチングが入り込むアンダーエッチングが起こりやすく、正確なパターンでのエッチングを行いにくい。さらに、ZnOの屈折率は2.2程度で、GaNの屈折率2.5程度と比較的近く、半導体積層部6からの光は凸部7aに入りやすいものの、凸部から外側に出るには、空気の屈折率1との差が大きく、全反射を起こしやすい。そのため、この凹部7aが形成されてその周囲に残存する凸部の上に、透光性導電層7の屈折率と空気の屈折率との中間の屈折率を有する層が設けられる方が、より一層光を外に取りだしやすい。このような観点から、凹部7aの周囲(凸部)の上側に、たとえばSiO2(屈折率1.4程度)などの絶縁膜10が設けられた例が図2に、図1(a)と同様の断面説明図で示されている。
図2において、図1と異なるのは、凹部7aの周囲(凸部)上に、たとえばSiO2またはSi34(屈折率1.9程度)などのような透光性導電層7よりも屈折率の小さい材料からなる膜が設けられているもので、その他の構造は、図1に示される構造と同じである。すなわち、ZnOからなる透光性導電層7上に直接レジスト膜をつけてエッチングすると、前述のように、アンダーエッチングされやすいことに鑑み、透光性導電層7の表面にSiO2などからなる絶縁膜10をSOG法(絶縁粉末を溶媒に溶解して回転させながら表面に塗布し、その後加熱して溶媒を飛ばす方法)により形成し、その絶縁膜10上にレジスト膜を設けてまず絶縁膜10をパターニングし、さらにそのパターニングされた絶縁膜10をマスクとして透光性導電層7をエッチングし、その絶縁膜10をそのまま残したものである。
この図2に示される半導体発光素子の製法を、図3の工程説明図を参照しながら説明する。まず図3(a)に示されるように窒化物半導体層2〜5を積層する。たとえば有機金属化学気相成長法(MOCVD法)により、キャリアガスのH2と共にトリメチリガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)などの反応ガスおよびn形にする場合のドーパントガスとしてのSiH4、p形にする場合のドーパントガスとしてのシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはジメチル亜鉛(DMZn)などの必要なガスを供給して順次成長する。
すなわち、まず、たとえばサファイアからなる基板1上に、400〜600℃程度の低温で、GaN層からなる低温バッファ層2を0.005〜0.1μm程度成膜した後、温度を600〜1200℃程度の高温に上げて、n形GaNからなるn形層(障壁層)3を1〜10μm程度成膜する。つぎに、成長温度を400〜600℃の低温に下げて、たとえば1〜3nmのIn0.13Ga0.87Nからなるウェル層と10〜20nmのGaNからなるバリア層とが3〜8ペア積層される多重量子井戸 (MQW)構造の活性層4を0.05〜0.3μm程度成膜する。ついで、成長装置内の温度を950〜1100℃程度に上げ、GaNからなるp形層5を0.2〜1μm程度それぞれ積層する。
その後、表面にSiNなどの保護膜を設けてp形ドーパントの活性化のため、400〜800℃程度で10〜60分程度のアニールを行い、図3(b)に示されるように、スパッタリング法などによりZnO膜を表面に成膜して透光性導電層7を0.1〜10μm程度の厚さに形成する。さらにその表面に、たとえばSOG法により絶縁膜10を0.1〜10μm程度の厚さに形成する。そして、図3(d)に示されるように、その表面にレジスト膜を形成して凹凸のパターンに合せてホトリソグラフィ技術によりパターニングすることによりマスク15を形成する。そして、図3(e)に示されるように、たとえばRIE法などのドライエッチングにより、マスク15から露出する絶縁膜10をエッチングした後に、マスク15を除去する。引き続き、図3(f)に示されるように、絶縁膜10をマスクとして、その絶縁膜10から露出する透光性導電層7を、塩素系ガスを用いたICPエッチングにより0.05μm程度以上の厚さが残るようにエッチングする。
その後、図3(g)に示されるように、全面にホトレジスト膜16を設けて、ホトリソグラフィ工程によりパターニングをして半導体積層部6および透光性導電層7のエッチングする部分(チップ周囲およびn側電極形成部分)を露出させ、図3(h)に示されるように、たとえば塩素ガスと四塩化珪素ガスを導入してRFパワーを印加することによりエッチングする。その結果、マスクに覆われないで露出しているチップ周囲およびn側電極9の形成場所の半導体積層部6がエッチングされ、n形層3が露出する。その後、レジスト膜16を除去する。
その後、図3(i)に示されるように、再度全面にレジスト膜17を設け、p側電極の形成場所を開口する。そして、露出部分の絶縁膜10をエッチング除去して透光性導電層7を露出させ、そのままリフトオフ法により、Ti膜を0.1μm厚、Au膜を0.3μm厚それぞれ成膜してp側電極8を形成する。さらに、前述のエッチングにより露出したn形層3の表面に、同様にリフトオフ法により、0.01μm厚のTi膜と0.25μm厚のAl膜を形成し、600℃程度の熱処理をすることによりシンターして合金化し、n側電極9を形成する。そしてチップ化することにより、図2に示される構造のLEDチップが形成される。
図2に示される構造で、凹部7aの大きさ(径)を変えて直上輝度の変化を測定した結果が図4に示されている。すなわち図4において、凹部なし(従来の構造)がA、凹部7aの直径dが2μmで、凹部7aの間隔sが2μmの場合をB、凹部7aの直径dが5μmで、凹部7aの間隔sが2μmの場合をC、凹部7aの直径dが10μmで、凹部7aの間隔sが4μmの場合をDでそれぞれ示されている。なお、いずれの場合も、ZnO膜7の厚さは0.75μm、ZnO膜7のエッチング深さが0.7μm、絶縁膜10の厚さは0.18μmであった。図4から、直径が5μmの場合が最も輝度が大きく、10μm程度と大きくなるとむしろ輝度が低下することが分る。すなわち、パターンの大きさとしては、3〜10μm程度が好ましいことが分る。また、間隔sは1μm程度にしても、凸部であるため、絶縁膜10で埋もれることもなく、2μmの場合と同程度の輝度が得られ、1〜10μm程度、好ましくは3〜7μm程度にすることができる。一方、従来の凸凹の形成されていない場合Aと比べると、いずれの大きさでも、輝度の向上が図られていることが分る。なお、この表面全体にSiN膜からなるパシベーション膜が設けられた場合の輝度も調べたが、パシベーション膜による輝度の変化は測定誤差程度で殆ど変化はなかった。ただし、凹部が2μm程度と低い場合で、径dも1μm程度と小さく、パシベーション膜で埋まってしまった場合には、輝度の向上は殆ど見られなかった。
さらに、凸凹の深さによる輝度の変化を同様にシミュレーションした結果が図5(c)に示されている。この例では、図5(a)に示されるように、透光性導電層7に設ける凹部7aの直径を10μm程度とし、間隔sを4μm程度で形成したもので、さらに、図5(b)に1個の凹部7aの拡大断面説明図が示されるように、表面にパシベーション膜11が設けられた状態でのデータである。また、このときのZnO膜7の厚さは2.2μmで一定として凹部7aの深さのみを変えた。図5(c)から明らかなように、凹部7aの深さを深くするほど輝度が向上することが分る。
以上のように、本発明によれば、窒化物半導体層ではなく、その上に設けられる透光性導電層7の表面に凸部または凹部が形成されることにより凹凸部が形成されているため、非常に簡単なエッチングにより表面に凸凹を形成することができると共に、硬い窒化物半導体をドライエッチングしなくてもよいため、p形層などの窒化物半導体層へのダメージを与えることがない。そのため、製造工程が非常に簡単であるのみならず、半導体層のダメージがないため、非常に輝度が向上する。
また、前述のように、凹凸部の深さは深いほど輝度の向上が図られるが、透光性導電層7は、前述のように、スパッタリングや真空蒸着法により形成されるため、厚い膜を形成するには、時間がかかり、コストアップになりやすい。しかし、図2に示されるように、透光性導電層7上にSiO2などからなる絶縁膜10を形成して、透光性導電層のパターニングのマスクとすることにより、このような絶縁膜はSOG法により形成することもできるため、また、CVD法によって形成しても簡単に形成することができ、非常に簡単に厚い膜を形成することができる。しかも、SiO2は、その屈折率が1.4〜1.5程度とZnOの屈折率2.2程度と比べて相当小さいため、より一層この凸部から外部への光の放射を行いやすくなるため好ましい。このように、透光性導電層7上にその透光性導電層7よりも屈折率の小さい層が設けられることにより、さらには透光性導電層7のマスクとなり得る材料により形成されることにより、凸部の高さが高くなり、屈折率との関係でより一層光をとりだしやすいと共に、透光性導電層7とマスクとの密着性がよく、透光性導電層7のパターニングを所望のパターンに形成しやすくなる。
図6は、本発明の他の実施形態を説明する同様の断面説明図である。すなわち、前述の凹凸部の形成は、光の取出し面に形成されることが好ましいのであるが、半導体積層部の上面側をマウント側として、基板側を光の取出し面とするフリップチップの場合でも、透光性導電層7に凹凸部が形成されていることにより、輝度が向上することを見出した。すなわち、図6において、透光性導電層7に凸部7aが形成され、その凸部7a上に絶縁膜10が設けられ、その表面がパシベーション膜11により被覆されているところまでは、前述の例と同じであるが、この実施形態では、この凹凸部が形成された面を光の取出し面としないで、その表面の殆ど全面にたとえばAgまたはAlからなる金属膜12がp側電極8と接続されるように設けられていることに特徴がある。このように金属膜12で覆われていても、凸部7aが設けられていることにより、一旦光は凸部7aから外に出やすく、半導体積層部内での反射を繰り返す光路とは異なるため、金属膜12で反射して再度半導体積層部6内に戻っても外部に出やすくなるためと考えられる。もちろん、サファイアからなる基板の裏面に凹凸部が形成されればなお一層光の取出し効率が向上する。図6において、前述の例と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
さらに、前述の各例では、基板として絶縁性基板であるサファイア基板の例であったため、n側電極9を形成するのに、半導体積層部6の一部をエッチングしてn形層3を露出させたが、基板がSiCのような半導体基板の場合でも、同様に半導体積層部6の表面に設けられる透光性導電層7の表面に凹凸部が形成されることにより、同様に光の取出し効率を向上させることができる。なお、半導体積層部6などの構造は前述の各例と同じでその説明を省略する。
本発明による半導体発光素子の一実施形態の断面と斜視の説明図である。 本発明による半導体発光素子の他の実施形態を示す断面説明図である。 図2の半導体発光素子の製造工程を示す図である。 図2の構造で、凸部の大きさを変えたときの輝度の変化をシミュレーションした結果の図である。 透光性導電層に凹部を形成した例で、その凹部の深さに対する輝度の変化をシミュレーションした結果の図である。 図1に示される構造で、基板側を光取出し面とした例の断面説明図である。 従来の窒化物半導体を用いたLEDの斜視説明図である。
符号の説明
1 基板
3 n形層
4 活性層
5 p形層
6 半導体積層部
7 透光性導電層
7a 凹部
8 p側電極
9 n側電極
10 凹部パターニング用絶縁膜

Claims (4)

  1. 基板と、窒化物半導体からなりn形層およびp形層が発光層を形成するように前記基板の一面上に設けられる半導体積層部と、該半導体積層部の表面側に設けられる透光性導電層と、該透光性導電層上に前記半導体積層部の表面側導電形層に電気的に接続して設けられる第1電極と、前記半導体積層部の下層側導電形層に電気的に接続して設けられる第2電極とを具備する半導体発光素子であって、前記透光性導電層の表面に該透光性導電層の一部が残存するように凹部が複数個形成されることにより、前記透光性導電層の表面に凹凸のパターンが形成され、さらに前記凹凸のパターンの凸部上に、前記透光性導電層の屈折率より小さい屈折率を有する絶縁層が凸部のパターンに合せて設けられることにより、前記凹凸のパターンの段差が大きくされ、前記凹凸のパターンが設けられた表面側にパシベーション膜が設けられ、該パシベーション膜の膜厚が1μm以下で、かつ、前記凹部が埋もれてしまわないように形成されてなる半導体発光素子。
  2. 前記凹部の下に残存する透光性導電層の厚さが0.05μm以上で、かつ、該凹部の深さが1〜10μmとなるように、前記透光性導電層および凹部が形成されてなる請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記凹凸のパターンの表面上のほぼ全面に絶縁膜を介してAgまたはAlからなる金属膜が設けられ、前記基板側が光取出し面になるようにマウントされる請求項1または2記載の半導体発光素子。
  4. (a)基板上にn形層とp形層を含み発光層を形成するように半導体積層部を成長し、(b)前記半導体積層部表面に透光性導電層を形成し、
    (c)該透光性導電層上に該透光性導電層の屈折率より小さい屈折率を有する絶縁膜をSOG法により形成し、
    (d)該絶縁膜表面にレジスト膜を形成して凹凸部形成用のパターンを形成し、
    (e)該レジスト膜をマスクとして前記絶縁膜をパターニングし、
    (f)該絶縁膜をマスクとして前記透光性導電層をエッチングすることにより、該透光性導電層に凹凸パターンを形成し、
    (g)前記凹凸のパターンが設けられた表面側に、パシベーション膜を膜厚が1μm以下の厚さで、かつ、前記凹凸部の凹部が埋もれてしまわないように形成する
    ことを特徴とする半導体発光素子の製法。
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