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JP4955764B2 - 酵母発現系における組み換え外来タンパク質の分泌効率を増強するための方法 - Google Patents
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JP4955764B2 - 酵母発現系における組み換え外来タンパク質の分泌効率を増強するための方法 - Google Patents

酵母発現系における組み換え外来タンパク質の分泌効率を増強するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、酵母発現系における組み換え外来タンパク質の分泌効率を改善するための方法に関する。
微生物を使用する外来タンパク質の大量産生は、タンパク質製薬産業における最も重要な技術領域である。所望される産物を回収および生成するためには、組み換え外来タンパク質を細胞内で発現させてもよく、または細胞外に分泌させてもよい。タンパク質の細胞内発現時に、タンパク質の過剰発現は、多くの場合、非活性および水不溶性形態のタンパク質の細胞内蓄積を頻繁にもたらし得、そして固体の微生物を破砕するための煩雑なプロセスおよび所望されるタンパク質を細胞に存在する多様な種類の宿主タンパク質から分離するための複雑かつ困難な精製プロセスのような産生性を低下させる要因である多様な欠点を生じ得る。これに対して、所望されるタンパク質の細胞外分泌は、前者のようなタンパク質の細胞内発現に関連する困難および問題を回避するための容易な方法を提供し得る。さらに、細胞外タンパク質分泌は、転写プロセス後のタンパク質の正確なフォールディングおよび修飾の後にしか首尾よく達成することができないため、細胞外分泌を介するタンパク質産生は、正確な三次構造を有する活性形態の可溶性タンパク質を得ることが可能な便益性を提供する。従って、タンパク質の細胞外分泌は、タンパク質の産生収量ならびにタンパク質の品質管理において、組み換え外来タンパク質の細胞内蓄積系より優れていると言うことができる。
しかし、多くの場合、強力なプロモーターを使用する組み換えタンパク質発現における細胞外タンパク質分泌系は、細胞内蓄積系と比較して、有意に低いレベルの発現および分泌を頻繁に蒙る。細胞外分泌のそのような欠点および問題を克服するために、タンパク質の細胞外分泌収量を増強するための多数の研究が行われている。ほとんどの研究は、タンパク質の効率的な分泌のためのシグナル配列の直接的最適化、または新規かつ強力な分泌シグナル配列を見出すことに焦点を当てている(非特許文献1;および非特許文献2)。
別のアプローチとして、分子生物学的技術(非特許文献3;非特許文献4;および非特許文献5)を使用して、組み換え外来タンパク質の過剰発現時の初期の律速段階に対応するタンパク質フォールディングを容易にすることによって、ならびにタンパク質のフォールディングおよび水可溶化を支援するシャペロンの過剰発現の導入を介して、タンパク質の細胞外分泌前に生じ得る不溶性沈殿を防止することによって、所望されるタンパク質の分泌効率を増強するための多くの研究が行われている。
酵母における外来組み換えタンパク質の発現を誘導するために従来使用されているガラクトースプロモーターは、誘導因子としてガラクトースを利用する強力な誘導性プロモーターである。タンパク質発現の強力な誘導は、外来タンパク質の細胞内蓄積または発現レベルを増大するのに有利であり得るが、これは、所望されるタンパク質を細胞外で分泌させることを所望する場合、分泌の初期の段階の細胞における不溶性沈殿の発生による分泌効率の減少または細胞機能不全をもたらし得る。そのような事象はまた、大腸菌(E.coli)発現系および酵母発現系のような組み換え発現系においても時折観察される。そのような難点を克服するために、インキュベーション温度を低下させるための多様な試みが行われている(非特許文献6;および非特許文献7)。
しかし、インキュベーション温度を低下させるそのような方法は、長期のインキュベーション期間による組み換え外来タンパク質の産生コストの増加に関連する欠点を蒙る。従って、インキュベーション温度の低下を伴わずに、ガラクトース誘導性プロモーターの活性の調節を介して組み換え外来タンパク質の分泌効率を増強することが可能な方法の開発が、当該技術分野において緊急に必要とされている。
この目的のために、ガラクトース誘導性プロモーターの活性が、宿主におけるガラクトースの利用可能性を制御することによって調節され得るという考えに基づいて、本発明の発明者らは、ガラクトースの吸収に関与するガラクトースパーミアーゼ遺伝子を欠く変異株を使用することによってか、またはカタボライト抑制を仲介するガラクトースとグルコースとの所定の比率の同時供給を伴う流加培養を介して、形質転換酵母株を培養することによって、組み換え外来タンパク質の分泌効率を改善することが可能であることを確認した。本発明は、これらの所見に基づいて完成されている。
Nucleic Acids Res Suppl.,2003(3):261-2 Biochem Cell Biol.1993,71:401-5 Robinson and Wittrup,Biotech.Prog.,11:171,1995 Robinson et al.,Biotechnology,12:381-384,1994 Wulfing and Plukthun,Mol.Microbiol.12(5):685-692,1995 Baneyx F.,Curr.Opin.Biotechnol.,10:411-421,1999 George Georgiou and Pascal, Curr. Opin. Biotechnol., 7:190-197,1996
従って、本発明は、上記の課題を鑑みて達成されたものであり、そして本発明の目的は、酵母宿主株の遺伝子改変または培養条件の改変によって、酵母発現系における組み換え外来タンパク質の細胞外分泌効率を改善するための方法を提供する。
本発明の態様に従って、上記および他の目的は、(a)酵母宿主を、ガラクトース誘導性プロモーター、分泌シグナル配列および外来タンパク質をコードする遺伝子を含んでなる組み換え外来遺伝子構築物で形質転換して、形質転換酵母株を構築する工程;ならびに(b)形質転換酵母株を、ガラクトース誘導性プロモーターの活性が制御される条件下で培養する工程を含んでなる、外来タンパク質の分泌効率を改善するための方法の供給によって達成することができる。
本発明に従う外来タンパク質の分泌効率を改善するための方法は、細胞においてガラクトース誘導性プロモーターの誘導因子として機能するガラクトースのレベルの適度な制御を介して、従来のガラクトース誘導性プロモーターに基づく酵母発現系により蒙る組み換え外来タンパク質の過剰発現誘導性の不溶性沈殿を低減することによって、組み換え外来タンパク質の分泌効率の改善を達成することができる。従って、本発明の方法は、酵母発現系における組み換え外来タンパク質の産生性を改善し、そして産生コストを下げるのに有効である。
本発明の上記および他の目的、特徴ならびに他の利点は、添付の図面とあわせて、以下に記載の詳細な説明からより明確に理解されよう。図面について:
図1は、培養培地中のガラクトースが酵母細胞膜を通過し、そして外来タンパク質発現を誘導するプロモーターに作用するプロセス、および細胞においてグルコースによるカタボライト抑制が生じるプロセスを例示する略式図である。 図2は、本発明において使用される組み換えLK8タンパク質発現ベクターMδLK8の切断地図である。 図3は、それぞれがGal2遺伝子を例外として同じ遺伝的背景を有する2つの酵母宿主を、唯一の炭素源としてガラクトースの供給を伴って培養した場合のガラクトース消費率を経時的に比較したグラフである。 図4は、形質転換酵母株Aの外来遺伝子の発現時における細胞内の全外来タンパク質のウエスタンブロット分析の結果を、発現誘導期間と共に示す写真である。 図5は、形質転換酵母株Aにおける細胞内の水溶性外来タンパク質のウエスタンブロット分析の結果を示す写真である。 図6は、形質転換酵母株Bの外来遺伝子の発現時における細胞内の全外来タンパク質のウエスタンブロット分析の結果を、発現誘導期間と共に示す写真である。認められ得るように、外来タンパク質の細胞内不溶性蓄積は、宿主としてGAL2遺伝子を有する酵母株Aを使用するタンパク質発現と比較して、時間と共に相対的に減少する。 図7は、形質転換酵母株AおよびBの流加培養による外来遺伝子の発現時において培養培地に分泌される組み換え外来タンパク質の量を、発現誘導期間に対して比較したグラフである。ならびに 図8は、酵母における外来タンパク質の発現時に、ガラクトース誘導性のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ遺伝子(PDI1)の同時発現を可能にするように適応された発現ベクターpMPDI1の切断地図である。
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明に従う外来タンパク質の分泌効率を改善するための方法は、(a)酵母宿主を、ガラクトース誘導性プロモーター、分泌シグナル配列および外来タンパク質をコードする遺伝子を含んでなる組み換え外来遺伝子構築物で形質転換して、形質転換酵母株を構築する工程;ならびに(b)形質転換酵母株を、ガラクトース誘導性プロモーターの活性が制御される条件下で培養する工程を含んでなる。
ここでは、工程(a)は、酵母宿主を、組み換え外来遺伝子発現構築物で形質転換するために行われる。形質転換方法に特に制限はない。好ましくは、形質転換は、組み換え外来遺伝子構築物の酵母宿主の染色体への挿入(もしくは複数の挿入)か、または遺伝子構築物が環状ベクターの形態で存在することができるような遺伝子構築物の酵母宿主の細胞質への挿入によって、行われる。遺伝子構築物の染色体への組み入れは、酵母を使用する形質転換において「組込み」と呼ばれるが、環状ベクターの形態の遺伝子構築物の酵母細胞質への組み入れは、エピソーム発現方法を指し、ここで、外来遺伝子は、エピソームの形態で導入されて、酵母系に適用可能であるベクター(またはプラスミド)への外来遺伝子発現構築物の挿入後に、外来タンパク質を発現および分泌する。エピソームは、細胞質に存在する環状DNAであり、そして宿主細胞の染色体とは独立して、遺伝子機能を実施することが可能である。
本発明において使用することができるガラクトース誘導性プロモーターの例には、誘導因子としてガラクトースを使用することによって、プロモーターが酵母系において機能的に作動可能である限り、特に限定されない任意の種類のプロモーターが含まれ得る。好ましくは、配列番号1に記載のS.セレビシエ(S.cerevisiae)のGAL1プロモーター、配列番号2に記載のS.セレビシエ(S.cerevisiae)のGAL10プロモーター、配列番号3に記載のS.セレビシエ(S.cerevisiae)のGAL7プロモーター、またはそれらの組み合わせもしくは融合を使用してもよい。GAL1がより好適である。
分泌シグナル配列は、酵母系において分泌シグナルとして使用されるか、または当該技術分野において従来から公知である任意の配列であってもよい。例えば、シグナル配列は、配列番号4に記載のMATαシグナル、配列番号5に記載のS.セレビシエ(S.cerevisiae)のK1キラートキシンシグナル(Brown,J.L. et al.,The K1 killer toxin: molecular and genetic applications to secretion and cell surface assembly. In:Johnston,J.R.Molecular Genetics of Yeast-a practical approach. The practical approach series,1994,p.217-265;およびTokunaga,M. et al., Biochem.Res.Commun.,144:613-619,1987)、配列番号6に記載のS.セレビシエ(S.cerevisiae)のインベルターゼシグナル(Japanese Unexamined Patent Publication No.1985-041488)、配列番号7に記載のクリュイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)のキラートキシンシグナル(Sugisaki,Y. et al.,Eur.J.Biochem., 141:241-245,1984)、配列番号8に記載のピキア・アカシアエ(Pichia acaciae)のキラートキシンシグナル(US Patent No.6,1,07,057)、ハンセニアスポラ・ウバラム(Hanseniaspora uvarum)のキラートキシンシグナル(Radler,F. et al.,Arch.Microbiol.,154(2):175-178,1990;およびSchmitt,M.J. et al.,J.Virol.,68(3):1765-1772,1994)、ピキア(Pichia)(ハンセヌラル(Hansenular))アノマラ(anomala)のキラートキシンシグナル、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択してもよい。
さらに、タンパク質またはペプチドの分泌効率を増強するために、分泌シグナル配列は、プロペプチド配列、なおさらに、(キラー発現1のための)KEX1またはKEX2(US Patent No.4,929,553)のようなシグナルペプチダーゼの認識部位をさらに含んでもよい。シグナルペプチダーゼの認識部位の例として、Pro−Met−Tyrを挙げることができる。
同時に、遺伝子操作技術および培養技術のような多様な方法を使用して、ガラクトース誘導性プロモーターの活性が制御される条件を確立してもよい。ガラクトース誘導性プロモーターの活性を制御することが可能である限り、所望される培養条件の確立のためのそのような技術に特に制限はない。好ましくは、培養培地から形質転換酵母株へのガラクトースの輸送率を低減することによって、ガラクトース誘導性プロモーターの活性を制御してもよい。
これに関して、ガラクトースの細胞への送達を低減することが可能である限り、ガラクトースの細胞内輸送率を低減するために、遺伝子操作に基づく株改変技術および培養技術を含むあらゆる方法を使用してもよい。例えば、標的として形質転換酵母のガラクトースパーミアーゼ遺伝子を非機能的にするために、多様な遺伝子操作技術を使用してもよい。好ましくは、ガラクトースパーミアーゼ遺伝子を欠損させるか、またはそれを部分的に破壊して、それによって非機能的にすることによって、ガラクトースの輸送率を低減することが好適である。
方法が、ガラクトースパーミアーゼの機能を(部分的もしくは完全に)無効にすることを意図する限り、遺伝子の欠損導入または破壊のための方法に特に制限はない。例えば、遺伝子の欠損(欠失)または部分的(もしくは完全な)破壊は、当該技術分野において従来から公知である多様な遺伝子操作技術を使用して行ってもよい。
さらに、本発明において使用することができるガラクトースパーミアーゼ欠損株は、特に制限されない。例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)BJ3501(ATCC208280)が、典型的に公知である。
好ましくは、工程(b)におけるガラクトース誘導性プロモーター活性のモジュレーションのための条件は、細胞の培養中における培養ブロスへの所定の比率のガラクトースおよびグルコースの同時供給である。バッチ培養、連続培養、流加培養などを含む培養方法に特に制限はない。流加培養が好適である。
さらに、グルコースカタボライト抑制がガラクトースの細胞内輸送の阻害を生じる一方、ガラクトースによる誘導が阻害されない限り、ガラクトースおよびグルコースの比率に特に制限はない。好ましくは、ガラクトースおよびグルコースの比率は、4:1〜1:1の範囲にある。
ガラクトース誘導性プロモーター、分泌シグナル配列および外来タンパク質をコードする遺伝子を含んでなる組み換え外来遺伝子構築物による酵母宿主の形質転換による形質転換酵母株の構築において、酵母宿主は、好ましくは、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下で発現されるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子を含有する組み換え外来遺伝子構築物で形質転換される。
好ましくは、外来タンパク質の分泌効率を改善するための方法は、工程(a)と(b)との間に、工程(a)の形質転換酵母株を、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下で発現されるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子を含有する組み換え外来遺伝子構築物でさらに形質転換する工程(a−1)をさらに含んでなる。
上記のさらなる工程(a−1)は、細胞内において産生されるタンパク質の細胞外分泌に対して優れた効果を及ぼすタンパク質ジスルフィドイソメラーゼをコードする遺伝子による酵母株の再形質転換を指す。
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子による酵母株の形質転換は、ガラクトース誘導性プロモーター、分泌シグナル配列および外来タンパク質をコードする遺伝子を含んでなる組み換え外来遺伝子構築物による酵母宿主の形質転換を介して、形質転換酵母を構築する工程(a)の前のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子による酵母株の先の形質転換によってか、またはそうでなければ工程(a)後のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子による形質転換酵母株のさらなる形質転換工程(a−1)によって、行うことができる。
本発明において使用することができるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子は、それらがジスルフィド異性化を実施することができる限り、所定の種由来の特定の配列に特に限定されない。好ましくは、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ遺伝子は、配列番号9に記載のS.セレビシエ(S.cerevisiae)のPDI1(Tachikawa,H. et al.,J.Biochem.,110(2):306-313,1991)、配列番号10に記載のタガヤサンミナシ(Conus textile)のPDI(US Patent Application No.US2004/0203132A1)、配列番号11に記載のC.エレガンス(C.elegans)のPDI(Page,A.P., DNA Cell Biol., 16(11): 1335-1343,1997)、配列番号12に記載のヒト膵臓PDI遺伝子(Desilva,M.G. et al., DNA Cell Biol.,15(1):9-16,1997)、配列番号13に記載の麹菌(Aspergillus oryzae)のPDI(WO95/00636)、配列番号14に記載のカンジダボイジニ(Candida boidinii)のPDI(US Patent No.5,965,426)、配列番号15に記載のフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)のPDI(US Patent No.5,700,659)およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼをコードする遺伝子構築物は、特定のベクターまたはそれらの均等物に特に限定されない。図8に示される切断地図を有するpMPDIが好適である。
酵母発現系において、強力な発現強度を有するガラクトース誘導性プロモーターが広範に使用されている。ガラクトース誘導性プロモーターは、誘導因子としてのガラクトースの細胞内での存在下で活性化され、次いで、上記のガラクトース誘導性プロモーターの制御下にある遺伝子の大量発現をもたらす。そのような誘導性のため、ガラクトース誘導性プロモーターは、酵母における外来組み換えタンパク質の発現において有用な手段として用いられる。
しかし、先に考察したように、本発明者らは、外来タンパク質の不溶性沈殿が、外来タンパク質の分泌が生じる前の発現の初期段階で細胞において生じることを観察した(図4を参照のこと)。
本発明者らは、上記の課題を解決し、外来タンパク質の細胞外分泌を改善するための多様な広範ならびに集約的研究および実験を行った。この目的のために、細胞における過剰なガラクトースによるガラクトース誘導性プロモーターの過剰活性化が、外来タンパク質の分泌前の外来タンパク質の細胞内不溶性沈殿を主に担うという事実に基づいて、本発明者らは、組み換え外来タンパク質の分泌効率が、ガラクトース誘導性プロモーターの発現誘導因子として使用されるガラクトースの細胞内流入を制御することによって改善されるかどうかを確認するために研究した。
まず、ガラクトースの細胞内取り込み経路の分析時に、ガラクトースの細胞内輸送が多様な経路を介して生じ得る。ガラクトース輸送の主な経路は、ガラクトースオペロンの構成分として、ガラクトースの存在下で発現され、そしてガラクトースに最も高い親和性を示すガラクトースパーミアーゼ(Gal2)である。
しかし、宿主細胞がガラクトースパーミアーゼ(Gal2)活性を欠損する場合であっても、ガラクトース輸送は完全には遮断されない。その代わり、そのようなGal2欠損宿主細胞は、さらなる方法によって、例えば、HXT1、HXT9、HXT11、およびHXT14(Wieczorke R. et al.,FEBS.Lett.464(3): 123-128,1999)のような細胞膜上に存在する多様な種類のヘキソーストランスポーターを介して、ガラクトースの細胞内輸送を達成することができるが、但し、他のヘキソーストランスポーターは、ガラクトースに相対的に低い親和性を有する。そのため、GALプロモーターの作動に必要な少なくとも最小量のガラクトースを、細胞に輸送することができる(図1を参照のこと)。図1は、培養培地中のガラクトースが酵母細胞膜を通過し、次いで、外来タンパク質発現を誘導するプロモーターに作用するプロセス、および細胞においてグルコースがカタボライト抑制を生じるプロセスを例示する概念図である。
図1に示されるこのスキームに基づいて、本発明者らは、Gal2、ガラクトースの主要なトランスポーターをコードする遺伝子(Gal2)を欠損する酵母宿主を使用することによって、ガラクトースの細胞内輸送を最小限にすることが可能であり得ることを考慮した。この目的のために、まず、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下で外来遺伝子を発現する組み換え外来遺伝子構築物は、宿主としてGal2遺伝子の欠損を伴うサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)BJ3501(ATCC208280)(以後、「酵母宿主B」と称する)に導入され、それによって、形質転換酵母(以後、「形質転換酵母株B」と称する)が構築されるが、そのようにして形質転換された酵母株を、ガラクトース含有培地において培養した。その後、形質転換酵母株Bにおける組み換え外来タンパク質の分泌効率を、宿主としてGal2遺伝子の欠損を伴わない正常な酵母株(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)2805、以後、「酵母宿主A」と称する)の形質転換によって得られた別の形質転換酵母株(以後、「形質転換酵母株A」と称する)における分泌効率と比較した。
図3に示されるように、それぞれがGal2遺伝子を例外として同じ遺伝的背景を有する酵母宿主AおよびBを、唯一の炭素源としてガラクトースを含有する培地において培養し、そして培養培地における経時的なガラクトースの濃度を決定し、そして2つのグループ間で比較した場合、ガラクトースの細胞への流入率が、Gal2遺伝子の存在/非存在に依存して有意に変動することが確認された。
さらに加えて、外来タンパク質に対する抗体を使用するウエスタンブロット分析を介して、Gal2遺伝子の非作動により細胞へのガラクトースの低い流入率を有する酵母宿主Bを、外来タンパク質の発現のための宿主として用いた場合(図6を参照のこと)、酵母宿主Aを、外来タンパク質の発現のための宿主として用いた場合(図4および5を参照のこと)と比較して、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下で外来タンパク質の過剰発現を生じる外来タンパク質の細胞内不溶性沈殿が相対的に減少したことが確認された。さらにまた、外来タンパク質の細胞外分泌および分泌効率が増加する培養培地に分泌される外来タンパク質のHPLC分析を介して、本発明の究極的目的がまた、実際の培養条件下における外来タンパク質の不溶性沈殿の減少と共同して達成されたことが確認された(図7を参照のこと)。本発明の一実施形態では、ガラクトースの細胞内流入を低減するために、ガラクトースパーミアーゼ遺伝子の欠失を伴う酵母株を使用したが、ガラクトースパーミアーゼ遺伝子の機能を抑制するアンチセンス、siRNA、抗体、アンタゴニストなどを、同じ目的のために使用してもよい。
ガラクトースの細胞内での利用可能性の適切な調節のために、本発明者らは、あるストラテジーを適応し、ここで、カタボライト抑制(グルコースが細胞の培養培地環境において優勢な炭素源である場合にグルコース利用を選好する所定の糖代謝遺伝子の発現の抑制)を引き起こすグルコースおよびガラクトース誘導性プロモーターの誘導因子としての役割を果たすガラクトースを、外来タンパク質の過剰発現が、培養培地に含まれるグルコースの割合に依存して、カタボライト抑制により適切に調節されるように、2つの糖の同時消費を誘導するために流加培養培地に「同時供給」した。
図1は、細胞中のガラクトース誘導性プロモーターの誘導および抑制に対するガラクトースおよびグルコースの2つの逆の作用を例示する略式図である(K.-D.Entian and H.-J. Schuller,Glucose Repression in Yeast.In:Yeast Sugar Metabolism,F.K.Zimmermann,K.-D.Entian.,eds.pp.409-434.Technomic Publishing AG,Bassel,Switzerland,1997)。
これに関して、グルコースによるガラクトース誘導性プロモーターの完全な抑制を、培養培地において0.1g/L未満のグルコース濃度を維持するために適応されるグルコース制限流加培養を介して混合炭素源を供給することによって、防止した。
本発明者らは、上記の方法を、混合炭素源供給ストラテジーと命名した。本発明では、多様な比率のグルコース/ガラクトースを含有する流加培養培地において細胞を培養し、そして外来タンパク質の分泌を、各場合について人為的に制御した。さらに、異なる比率のグルコース/ガラクトースにおいて分泌される外来タンパク質の量を比較し、それによって、異なるガラクトース輸送能を有する酵母宿主株における外来タンパク質の分泌に必要な至適グルコース/ガラクトース比率を確認した(以下の表1および2を参照のこと)。
本発明によって設計される混合炭素源供給方法が酵母宿主AおよびBに適用される場合、細胞あたりの外来タンパク質の産生収量および誘導因子あたりの外来タンパク質の産生収量は、唯一の炭素源としてガラクトースを使用する従来の発現誘導方法と比較して、それぞれ、105%(表1)および85%(表2)だけ増加した。さらに、上記の形質転換酵母株AおよびBを、混合炭素源供給方法の適用によって、それぞれ、流加培養した場合、異なる至適グルコース/ガラクトース濃度が存在することが示された。
ガラクトースの相対的に高い細胞内流入および消費率を有する形質転換酵母株Aは、外来タンパク質の至適分泌のために、約1:1のグルコース/ガラクトース比率の混合炭素源を示したが、ガラクトースパーミアーゼの非作動により減少したガラクトース輸送能を有する形質転換酵母株Bは、約2:3の至適比率の混合炭素源(グルコース/ガラクトース)を示し、従って、形質転換酵母株Aと比較して、培地中に相対的に高い割合のガラクトースを必要とした(表1および2を参照のこと)。これらの結果は、ガラクトース誘導性プロモーターを使用する外来タンパク質発現系における外来タンパク質の発現に対するガラクトース輸送能および混合炭素源の効果が、本発明の目的に良好に一致することを間接的に実証する。
一方、本発明者らは、タンパク質分泌効率が、ガラクトース誘導性プロモーターの制御下で発現される外来遺伝子構築物との共同で、タンパク質フォールディングの支援として公知であるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼをコードする遺伝子(PDI1)による宿主細胞の形質転換によって改善されるかどうかを確認するために研究した。
まず、配列番号9に記載のS.セレビシエ(S.cerevisiae)のタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ遺伝子(PDI1)を含有する発現ベクターpMPDI1を構築し、そして外来遺伝子構築物と共同で得られる発現ベクターを、それぞれ、酵母宿主株AおよびBに形質転換した。次いで、形質転換酵母株を、ガラクトース含有培地で培養し、そしてタンパク質分泌効率を決定した(表3を参照のこと)。結果として、外来遺伝子構築物およびpMPDI1ベクターによる酵母宿主Aの形質転換は、対照群(PDI1遺伝子が組み入れられていない酵母宿主A)と比べて、タンパク質分泌効率において30%の増加を示したが、酵母宿主Bを使用する形質転換は、対照群と比べて、タンパク質分泌効率において72%の増加を示したことが認められ得る。
上記において詳細に検討したように、本発明に従う外来タンパク質の分泌効率を改善する方法は、細胞においてガラクトース誘導性プロモーターの誘導因子として機能するガラクトースのレベルの適度な制御を介して、従来のガラクトース誘導性プロモーターに基づく酵母発現系において遭遇する外来タンパク質の過剰発現誘導性の不溶性沈殿を低減することによって、組み換え外来タンパク質の分泌効率の改善を可能にする。従って、本発明の方法は、酵母発現系における組み換え外来タンパク質の産生性を改善し、そして産生コストを下げるために有用に用いることができる。
これより、以下の実施例を参考に、本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を例示するためのみに提供され、本発明の範囲および趣旨を制限するものと解釈すべきではない。
実施例1:酵母宿主AおよびBの間の細胞内ガラクトース輸送能の比較
酵母宿主A(S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805、遺伝子型:MATα pep4::HIS3 prb1−Δ1.6R his3−Δ200 ura3−52 GAL2 can1、Sohn,J.H.et al.Proc.Biochem., 30:653-660,1995;およびKim,T.H. et al.Biotechnol.Lett.24:279-286,2002)および酵母宿主B(S.セレビシエ(S.cerevisiae)BJ3501、遺伝子型:MATα pep4::HIS3 prb1−Δ1.6R his3−Δ200 ura3−52 gal2 can1、ATCC208280、米国)を、YPD寒天プレート上に画線し、そして30℃で約18時間、インキュベーターに配置し、そしてコロニーを単離した。酵母株AおよびBの各コロニーを、個別のYPG[酵母抽出物1%(w/v)、ペプトン2%(w/v)、およびガラクトース2%(w/v)]液体培地に播種し、そしてインキュベーターにおいて、30℃で約80時間、振盪培養した。ガラクトース消費を経時的に決定するために、培地中の残留ガラクトース濃度は、3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)アッセイを介する還元糖の定量化(Mohun,A.F. and Cook,I.J.,J. Clin. Pathol.,15:169-180,1962、図3を参照のこと)によって決定した。
図3は、それぞれがGal2遺伝子の欠損を例外として同じ遺伝的背景を有する2つの酵母宿主を、唯一の炭素源としてガラクトースの供給を伴って培養した場合のガラクトース消費率を経時的に比較したグラフである。図3において認められ得るように、Gal2遺伝子欠損酵母宿主Bは、Gal2遺伝子が正常に機能する酵母宿主Aと比較して、単位時間あたりのガラクトースの消費率の減少を示したことが確認された。
実施例2:酵母宿主AおよびBを使用する外来タンパク質を分泌する酵母形質転換体の構築
2−1.酵母宿主Aを使用する外来タンパク質を分泌する酵母形質転換体S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805/MδLK8の構築
本発明者らにより、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)において組み換えLK8を産生させるために使用した発現ベクターpMBRI−LK8(Korean Patent Publication Laid-open No.2004-0069840)を使用して、α−因子分泌シグナルおよびLK8 cDNAの同時単離を行った。この出願は、本明細書においてその全体が参考として援用される。pMBRI−LK8ベクターを、EcoRIで7時間、処置し、そしてPCR Purification Kit (Qiagen、米国)を使用して、洗浄した。次いで、ベクターを、BamHIで7時間、処置し、そしてDNAを、ゲル電気泳動によって単離した。ゲル抽出キット(Qiagen、米国)を使用して、配列番号4のα−因子分泌シグナルおよび配列番号16のLK8 cDNA配列を有するDNAフラグメントを得た。そのようにして得られたDNAフラグメントを、p426GAL1(ATCC87833、米国)ベクターのGAL1プロモーターとCYC1ターミネーターとの間に挿入して、それによって、酵母において組み換えLK8を産生させるために使用することができる発現ベクターpMCLK8(6.9kb)を構築した。得られるベクターpMCLK8は、GAL1プロモーターを含有し、それ故、ガラクトースによるタンパク質発現の誘導を可能にする。酵母の形質転換後、選択マーカーとしてURA3マーカーを使用する選択培地において、形質転換体を選択した。以後、α−因子分泌シグナル配列およびLK8 cDNAからなる発現カセットを酵母の染色体に挿入するために、所望される遺伝子を、δ配列、酵母染色体に局在する転移因子の1つに挿入することができることを確実にするように、以下のように、δ配列および挿入されたベクターの選択のためのネオマイシン耐性遺伝子(neo)を含有するpδneoベクター(Lee,F.W. and Da Silva,N.A.,Appl.Microbiol.Biotechnol.,48:339,1997)に、発現カセットを挿入した。
まず、GAL1プロモーターおよびCYC1ターミネーターの両方の末端をそれぞれ切断する制限酵素SacIおよびKpnIを使用して、pMCLK8ベクターからLK8発現カセットを分離した。ここでは、LK8発現カセットおよびpδneoベクターの両方の配列が、SalI制限部位を含有し、そしてpδneoベクター上に存在するSalI制限部位は、ベクターの酵母染色体への組み入れに本質的に必要であるため、DNAブランティングキット(Takara、日本)を用いて、LK8発現カセット上に存在するSalI制限部位を取り出した。一方、pδneoベクターはKpnI制限部位を含有しないため、上記のDNAブランティングキットを使用して、pδneoベクターのXbaI制限部位および分離されたLK8発現カセットのKpnI制限部位の両方を平滑末端に変換した。次いで、そのようにして得られたLK8発現カセットおよびpδneoベクターを、リガーゼで連結して、組み換えベクターを構築し、MδLK8組み換え発現ベクターと表した(図2)。図2は、本発明において使用した組み換えLK8タンパク質発現ベクターMδLK8の切断地図である。
その後、Alkali Cation Yeast Transformation Kit(Q−BIOgene、加国)を使用して、上記の組み換えMδLK8発現ベクターで、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)2805(Sohn,J.H. et al.Proc.Biochem., 30:653-660,1995;およびKim,T.H. et al.,Biotechnol.Lett.,24:279-286,2002)を形質転換した。MδLK8組み換え発現ベクターで形質転換した酵母株を、抗生物質G418硫酸塩を含有するYPDプレート[2%(w/v)ペプトン、1%(w/v)酵母抽出物、2%(w/v)グルコースおよび2%(w/v)寒天]を使用して、選択した。G418硫酸塩の濃度を、それぞれ5g/L、10g/Lおよび15g/Lに調整し、それによって、最も高い抗生物質耐性酵母株を選択し、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)2805/MδLK8と表した。以後、この酵母株を、簡潔および簡便のために「形質転換酵母A」と称する。
2−2:酵母宿主Bを使用する外来タンパク質を分泌する酵母形質転換体S.セレビシエ(S.cerevisiae)BJ3501/MδLK8の構築
実施例2−1と同じ様式に従って、GAL2遺伝子の欠損を例外として、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)2805と同じ遺伝子型を有するサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)BJ3501(ATCC208280、米国)を、実施例2−1において構築した組み換え発現ベクターMδLK8で形質転換した。次いで、コロニースクリーニングを行って、最も高い分泌効率を有するコロニーを選択し、最終的に、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)BJ3501/MδLK8#36と表し、そして受託番号KCTC10582BP(2004年1月13日に寄託した)でKorean Collection for Type Cultures(KCTC)、Korea Research Institute of Bioscience and Biotechnology(KRIBB,Daejon、韓国)に寄託した。以後、この形質転換体株を、簡潔および簡便のために「形質転換酵母B」と称する。
実施例3:炭素源としてガラクトースを使用する流加培養における形質転換酵母株AおよびBの間の外来タンパク質分泌能の比較
実施例2において構築した酵母形質転換体AおよびBを、ガラクトースを使用して、流加培養した場合、以下の分析を実施して、外来タンパク質の分泌効率を比較した。まず、マスターシードとしての形質転換酵母株を、2%(w/v)グルコースを補充したYPD[酵母抽出物1%(w/v)、およびペプトン2%(w/v)]培地において、1〜3vvmの通気および200〜1000rpmで、24時間、所望される細胞塊および活性(20倍希釈、OD600=0.8〜1.2)が入手され得るように、シード培養した。YPD培地においてシード培養を行った後、シード培養溶液を、出発培地に播種した。まず、バッチ培養段階は、細胞増殖期間、および外来タンパク質LK8の発現誘導因子として使用されるガラクトースへの適応期間である。この目的のために、細胞を、ガラクトース適応期間に付与し、その一方で、1%(v/v)を超えるシード培養溶液を播種し、炭素源としてグルコースおよびガラクトースを供給することによる細胞の増殖を可能にした。ここでは、出発培地は、2%(w/v)グルコース、3%(w/v)ガラクトース、4%(w/v)酵母抽出物、0.5%(w/v)カザミノ酸、0.5g/Lのウラシルおよび0.5g/Lのヒスチジンからなった。
バッチ培養段階における出発培地に供給される炭素源の枯渇時に、細胞の呼吸作用(酸素消費)が低下し、これは、発酵槽上に提供される溶存酸素プローブによって、溶存酸素レベルの急速な増加から確認することができる。この時点から、DOスタット供給ストラテジーを使用して、唯一の炭素源としてガラクトースを含有する培地の添加を伴う流加培養を行った。流加培養(fed-batch culture)を行って、さらに、細胞濃度を増加し、そしてさらに、外来タンパク質の発現誘導期間を連続的に維持し、それによって、外来タンパク質の産生性を改善した。
具体的には、50%(w/v)ガラクトース、30g/Lの酵母抽出物、20g/Lのペプトン、1g/Lのウラシルおよび2g/Lのヒスチジンを含む流加培地(fed-batch medium)を使用した(流加培地I)。外来タンパク質LK8の高レベルの分泌を誘導するために、1mL/時〜30mL/時の速度でガラクトースを供給することによって、培養培地中の残留ガラクトースの量を、5%(w/v)未満に維持した。培養培地中のガラクトースの残留濃度を決定し、そしてそのようにして得られた値に基づいて適切な量のガラクトースを添加して、それによって、残留ガラクトースのレベルを適切な値に維持することによって、ガラクトース供給を行った。ガラクトースの添加速度を制御することによって、発酵期間を通して、発酵槽中の残留ガラクトースの濃度を5%(w/v)未満に維持しながら、LK8の発現および分泌を継続的に増大することができた。
流加培養方法を、同じ培養条件下で実施例2において構築した形質転換酵母株AおよびBに適用し、そして酵母のガラクトース輸送能に関する外来タンパク質の発現および分泌プロファイルを、2つの酵母グループの間で比較した。まず、酵母細胞に蓄積された外来タンパク質の分布プロファイルを比較するために、抗LK8抗体を使用するウエスタンブロット分析を、インキュベーション期間の所定の時点でブロス酵母グループから回収した培養サンプルに対して行った。この目的のために、インキュベーション期間中に定期的に回収したそれぞれの形質転換酵母株を、等量に調整し、等容積のサンプル緩衝液中で煮沸し、そしてSDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動して、細胞内タンパク質を展開した。このようにして展開されたタンパク質を、ニトロセルロース膜に移した。ブロッティングのために、ニトロセルロース膜を、0.1%(v/v)Tween20(登録商標)および5%(w/v)スキムミルクを含有するPBS緩衝溶液を補充した溶液に置き、室温で2時間、穏やかに撹拌した。その後、ウサギ抗LK8 Abを同じ溶液に添加し、次いで、室温で1時間、穏やかに撹拌し、そして0.1%(v/v)Tween20(登録商標)を含有するPBS緩衝液で5回繰り返し洗浄した。次に、抗ウサギIgG−HRP(抗−ウサギIgG−西洋ワサビペルオキシダーゼ、Sigma、米国)を、0.1%(v/v)Tween20(登録商標)および5%(w/v)スキムミルクを含有するPBS緩衝溶液を補充した溶液に添加し、そしてそのようにして処置したニトロセルロース膜を、溶液に浸責し、これに抗ウサギIgG−HRPを添加し、そして室温で1時間、穏やかに撹拌した。次いで、膜を、0.1%(v/v)Tween20(登録商標)を含有するPBS緩衝溶液で5回繰り返し洗浄した。膜を取り出し、そして検出溶液の添加を伴い、化学発光検出キット(SuperSignalTM West Pico kit,Pierce、米国)において発酵反応を経験するように誘導し、そして感光性フィルム上に固定した。フィルム上の陰影を調べた(図4、5および6を参照のこと)。図4は、形質転換酵母株Aにおける外来遺伝子の発現時における細胞内の全外来タンパク質のウエスタンブロット分析の結果を、発現誘導期間と共に示す写真であり;図5は、形質転換酵母株Aにおける細胞内水溶性外来タンパク質のウエスタンブロット分析の結果を示す写真であり;そして図6は、形質転換酵母株Bにおける外来遺伝子の発現時における全細胞内外来タンパク質のウエスタンブロット分析の結果を、発現誘導期間と共に示す写真である。
図4に示されるように、GAL2遺伝子の正常な作動により、ガラクトース輸送能が正常である場合、外来遺伝子の発現を誘導する流加培養の継続は、外来タンパク質のより高い細胞内蓄積をもたらすことが認められ得る。しかし、図5に示されるように、細胞中の水溶性タンパク質に対してのみウエスタンブロット分析を実施した場合、外来タンパク質は、時間の経過に関連して、可溶性タンパク質の形態ではなく、主に、不溶性タンパク質の形態であったことが認められ得る。一方、図6に示されるように、Gal2遺伝子の欠損による減少したガラクトース輸送能を有する形質転換酵母株Bは、発現期間中に外来タンパク質の細胞内蓄積の減少を示したことが認められ得る。
図6の結果が、GAL2遺伝子の欠損を伴う形質転換酵母株Bにおける外来タンパク質の分泌効率の改善によるか、またはそうでなければ、タンパク質発現レベルの全体的な減少によるかを確認するために、実施例2において構築した形質転換酵母株AおよびBを、同じ培養条件下で流加培養し、そして細胞培養を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析に供して、分泌された外来タンパク質を定量した。まず、細胞培養物を遠心分離し、そして得られる上清を、0.2□フィルターを介してろ過した。次いで、100□のろ過されたサンプルを、HPLCにおいて、214nmでの吸光度(OD)の決定に供した。展開溶媒、例えば、1%(w/v)トリフルオロ酢酸(TCA)を含有するアセトニトリルおよび移動相として1%(w/v)TCAを含有する水を使用し、逆相分離カラム(VydacTMc18カラム、Grace Vydac、米国)によって、外来タンパク質LK8を分離した。ここでは、移動相は、25%(v/v)から40(v/v)までの勾配のアセトニトリルを含有し、それによって、疎水相互作用を利用して、単一のピークを有する純粋な外来タンパク質を分離することが可能である。さらに、標準として、高純度の外来タンパク質をビシンコニン酸(BCA)アッセイによって決定した後、HPLCにおける面積の積分および外来タンパク質の濃度の検量線を得ることができた。このようにして得られた検量線を使用して、細胞を含まない培養上清を、HPLC分析に供し、それによって、積分面積を算出し、そして得られた値を、標準サンプル(LK8)を使用して、検量線に当てはめ、それによって、培養上清中の外来タンパク質を定量した(図7)。
図7は、形質転換酵母株AおよびBの流加培養による外来遺伝子の発現時における発現誘導期間中の培養培地に分泌される組み換え外来タンパク質の量を比較したグラフである。このグラフでは、黒丸(−●−)は、形質転換酵母株A(S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805/MδLK8)における組み換え外来タンパク質の細胞外分泌を表すが、白四角(−□−)は、形質転換酵母株B(S.セレビシエ(S.cerevisiae)BJ3501/MδLK8)における組み換え外来タンパク質の細胞外分泌を表す。図7に示されるように、ガラクトース輸送の減少を伴う形質転換酵母株Bは、正常なガラクトース輸送機能を有する形質転換酵母株Aと比較して、タンパク質の細胞外分泌において2倍を超える増加を示したことが認められ得る。
実施例4:形質転換酵母株Aにおけるガラクトース誘導性プロモーターの活性の抑制に対する混合炭素源供給の効果および外来タンパク質の分泌収量の比較
−70℃で貯蔵下の実施例2−1の形質転換酵母株Aを、5〜10%(v/v)の濃度で10mLのYPD培地上に播種し、そして振盪インキュベーター中、30℃および180rpmで24時間、シード培養した(第1のシード培養段階)。次いで、培養細胞を、200mLのYPD培地において継代し、そして同じ培養条件下で24時間、シード培養した(第2のシード培養段階)。4%(w/v)酵母抽出物、3%(w/v)カザミノ酸、0.05%(w/v)ヒスチジン、0.05%(w/v)ウラシル、2%(w/v)グルコースおよび3%(w/v)ガラクトースからなる培養培地において、培養条件をそれぞれ30℃、600rpm、pH5.0に調整しながら、バッチ培養を行った。バッチ培養の制御は、溶存酸素の量に依存して、撹拌速度を変動することによって行った。バッチ培養の後期の段階では、細胞の活発な呼吸のため、溶存酸素が減少する。溶存酸素の減少を防止するために、空気の供給および撹拌速度を制御して、バッチ培養が完了するまで、溶存酸素が最大溶存酸素の40%を超えるように保った。その後、3%(w/v)酵母抽出物(Difco、米国)、2%(w/v)ペプトン(Difco、米国)、0.2%(w/v)ヒスチジン(Sigma、米国)、および0.1%(w/v)ウラシル(Sigma、米国)からなる培養培地において、流加培養を行った。対照群として、ガラクトースの濃度を50%(w/v)に調整した。1:4の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う実験群では、グルコースおよびガラクトースを、それぞれ10%(w/v)グルコースおよび40%(w/v)ガラクトースの濃度で添加した。1:1の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う実験群では、グルコースおよびガラクトースを、それぞれ25%(w/v)グルコースおよび25%(w/v)ガラクトースの濃度で添加した。4:1の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う実験群では、グルコースおよびガラクトースを、それぞれ40%(w/v)グルコースおよび10%(w/v)ガラクトースの濃度で添加した。
液体培地の供給速度を制御して、溶存酸素が最大溶存酸素の20〜80%レベルで維持され、培地において残存する全還元糖(ガラクトース+グルコース)の濃度が0.5〜5%(w/v)のレベルで維持され、そしてグルコース濃度が0.1g/L未満で維持されることを確実にすることによって、流加培養を行った。バッチ培養および流加培養中、サンプルを定期的に回収し、そして600nmにおけるODの決定、炭素源の決定および分泌された外来タンパク質(LK8)の定量化を行った(表1)。
炭素源の決定は、培地中のグルコースおよびガラクトースの残留量を測定することによって、行った。まず、以下のように、グルコースアッセイキット(Glucose−E Kit、カタログ番号BC103−E,Young−Dong Pharm.、韓国)を使用する酵素方法によって、グルコース濃度の決定を行った。回収したサンプルを12,000rpmで遠心分離し、そして生じる上清を採取した。酵素方法を使用する上記のアッセイキットに含有される100mLの希釈された粉体のPGO酵素(ペルオキシダーゼ100U+グルコースオキシダーゼ500U)および100mLの緩衝液を混合して、発色試薬を調製した。20□のグルコース標準サンプルを、3mLの発色試薬に添加した。上記と同じ方法に従って、20□のアッセイサンプルもまた、発色試薬に添加した。得られた混合物を、37℃で5分間、反応させ、そして各サンプルの吸光度(OD)を、505nmの波長において決定した。グルコース標準サンプルおよびアッセイサンプルの吸光度値を所定の式に適用し、そして培地中の残留グルコースの量を算出した。培地中の全炭素源を、全還元均等物を測定するDNS(3,5−ジニトロサリチル酸)アッセイによって決定した。グルコースおよびガラクトースは両方とも還元糖であり、そしてDNS発色試薬の同じ均等物に対して同じ応答性を示す。100□のアッセイサンプルを1mLのDNS試薬に添加し、これに対し、全300mLの試薬に基づいて、2M水酸化ナトリウム、0.25gの3,5−ジニトロサリチル酸、および75gの酒石酸ナトリウムカリウムを添加した。これに続いて、混合物を約5分間、煮沸し、そして550nmにおける吸光度を測定して、培地に残存する全炭素源を決定した。培養培地に分泌される外来タンパク質の量を、実施例3と同じ様式でHPLC分析によって決定した。
Figure 0004955764
炭素源としてガラクトースのみを伴う、およびバッチ培養を完了した後に多様な比率のガラクトースおよびグルコースを伴う流加培養を行った場合、それぞれ、細胞増殖、炭素源の消費、および外来タンパク質の分泌を比較した。
表1に示されるように、唯一の炭素源としてガラクトースのみを使用する流加培養は、約100mg/Lまでの濃度で外来タンパク質(LK8)の細胞外分泌を示し、そして他の実験群と比較して、最も高い細胞増殖(OD600=120)を示した。
1:4の比率のグルコースおよびガラクトースで細胞を流加培養した場合、外来タンパク質の分泌は、114mg/Lまでのレベルを示し、そして添加した発現誘導因子(ガラクトース)あたりの外来タンパク質の分泌は、40%まで増加した。添加されたグルコースは、24時間以内に完全に消費されたが、その期間中にバッチ培養が行われ、そして流加培養中に添加されたグルコースもまた迅速に消費されて、0.1g/L未満の残留濃度を保った。
1:1の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う流加培養時において、LK8の分泌は、他の実験群と比較して、約150mg/Lまでの最も高い値を示した。さらに、対照群と比較して、細胞外分泌が50%まで増加し、そして細胞あたりの産生収量(Yp/x:mg/L/OD600)および誘導因子あたりの産生収量(Yp/i、mg/g)が、それぞれ、104%および114%まで増加したことが確認され、それによって、外来タンパク質の分泌効率の増加が確認された。
4:1の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う流加培養時において、高い割合のグルコースにより、外来タンパク質の発現および分泌が阻害され、それ故、約44mg/Lのただ1つの最大分泌が示された。
実施例5:形質転換酵母株Bにおけるガラクトース誘導性プロモーターの活性の抑制に対する混合炭素源供給の効果および外来タンパク質の分泌収量の比較
実施例2−2において構築した形質転換酵母株Bを株として使用したことを除いて、実施例4と同じ様式で、それぞれ、炭素源としてガラクトースのみを伴って、および多様な比率のガラクトースおよびグルコースを伴って酵母株Bの流加培養を行った場合の細胞増殖、炭素源の消費および外来タンパク質の分泌を比較した(表2を参照のこと)。
Figure 0004955764
表2に示されるように、唯一の炭素源としてガラクトースのみを使用する流加培養は、約250mg/Lの濃度で外来タンパク質(LK8)の細胞外分泌を示した。
1:4の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う流加培養を行った場合、外来タンパク質の分泌は、300mg/L以下のレベルを示した。さらに、グルコースは、24時間以内に完全に消費され、この期間中にバッチ培養が行われ、そして流加培養中に添加されたグルコースもまた、迅速に消費された。
2:3の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う流加培養時において、LK8の最大分泌が160時間の時点で出現し、そして細胞増殖を反映する吸光度は、OD600=47であった。糖の蓄積と関連して、グルコースおよびガラクトースの両方とも炭素源として利用されたこともまた確認された。外来タンパク質の最大分泌量は約350mg/Lであり、それ故、他の実験群と比較して、最大分泌量に到達するまでの時間が最も短いことが示された。さらに、対照群と比較して、外来タンパク質の分泌が40%増加し、そして細胞あたりの産生収量(Yp/x:mg/L/OD600)および誘導因子あたりの産生収量(Yp/i、mg/g)が、それぞれ、293%および85%まで増加したことが確認され、それによって、外来タンパク質の分泌効率の顕著な増加が確認された。
1:1の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う流加培養時は、他の実験群と比較して、細胞増殖が最も活性であった。さらに、LK8の分泌量は、約350mg/Lまで有意に高い値を示した。しかし、類似の最大分泌量を示す2:3の比率のグルコースおよびガラクトースを使用する実験と比較するとき、1:1のグルコースおよびガラクトース比率を使用する実験は、350mg/Lの分泌量に到達するまで約380時間かかったが、これは、外来タンパク質の同じ最大分泌レベルに到達するのに約2.5倍長いインキュベーション期間が必要であることを示す。
3:2の比率のグルコースおよびガラクトースを伴う流加培養時は、細胞増殖が比較的高く、そして糖消費もまた活性であった。しかし、高い割合のグルコースにより、外来タンパク質の発現および分泌が阻害され、それ故、約140mg/Lのただ1つの最大分泌が示された。
実施例6:酵母株AおよびBにおけるPDI1遺伝子の過剰発現を介する外来タンパク質の分泌効率の改善
6−1.PDI1同時発現株の構築
6−1−1.PDI1発現ベクターの構築
タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)がガラクトース誘導によって発現され得ることを確実にするために、以下の方法に従って、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼをコードするPDI1遺伝子を、GAL10プロモーターを含有する発現ベクターに挿入した:まず、2μ酵母複製開始点を取り出すために、pESC−URA(Stratagene、米国)を、MunIおよびSnaBIで切断し、そしてDNAポリメラーゼ(Klenowフラグメント、New England Biolabs、米国)で処置し、それによって、得られる5.9kbの平滑末端化DNAフラグメントを再連結して、最適化されたベクターpMK71を得た。得られるベクターpMK71、テンプレートしてのS.セレビシエ(S.cerevisiae)2805由来の染色体、および2つのプライマーPDI1F:5’−ATAAGAATGCGGCCGCCATACATCTATCCCGTTATGAAG−3’(配列番号17)およびPDI1R:5’−GGACTAGTTTACAATTCATCGTGAATGGCATC−3’(配列番号18)を使用して、PCRを行い、NotI/SpeI制限切断部位を有するPDI1遺伝子を含有し、配列番号9に記載の1.7kbのDNAフラグメントを得た。次いで、線状化したpMK71および1.7kbのDNAフラグメントを、それぞれ、NotIおよびSpeIで切断し、そして切断した産物を相互に連結して、PDI1遺伝子発現ベクターを構築し、pMPDI1と表した(図8)。図8は、酵母における外来タンパク質の発現時に、ガラクトースによるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI1)の同時発現を可能にするように適応されたpMPDI1発現ベクターの切断地図である。
6−1−2.PDI1?同時発現LK8産生株の構築
形質転換酵母株AおよびBを、実施例6−1−1において構築したベクターpMPDI1でそれぞれ形質転換した。Alkali Cation Yeast Transformation Kit(Q−BIO gene、加国)を使用して、製造者の指示に従って、形質転換を行った。そのようにして得られた酵母株を、それぞれ、S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805/MδLK8/PDIおよびS.セレビシエ(S.cerevisiae)BJ3501/MδLK8/PDIと表した。
6−2.外来タンパク質の分泌に対するPDI1の同時発現効果ならびに酵母株AおよびBの間の比較
外来タンパク質の分泌に対するPDI1遺伝子の同時発現効果を比較するために、形質転換酵母株AおよびB、ならびにpMPDI1形質転換酵母株AおよびB(S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805/MδLK8/PDIおよびS.セレビシエ(S.cerevisiae)BJ3501/MδLK8/PDI)を、−70℃の貯蔵下で採取し、次いで、実施例3と同じ様式で流加培養して、外来タンパク質の発現および分泌を誘導した(表3を参照のこと)。
Figure 0004955764
表3において認められ得るように、S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805/MδLK8は、100mg/LのLK8分泌を示したが、S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805/MδLK8/PDI1は、130mg/LのLK8分泌を示し、それ故、S.セレビシエ(S.cerevisiae)2805/MδLK8/PDI1において、外来タンパク質のより多い分泌が達成されたことが示された。
さらに、別の酵母株S.セレビシエ(S.cerevisiae)BJ3501/MδLK8は、250mg/LのLK8分泌を示したが、S.セレビシエ(S.cerevisiae)BJ3501/MδLK8/PDI1は、430mg/LのLK8分泌を示し、それ故、外来タンパク質の分泌は、PDI1の同時発現を伴う酵母株においてより多かったことがさらに示された。即ち、2つの異なる株において、PDI1の同時発現を伴う酵母株は、PDI1の同時発現を伴わない酵母株より多い分泌量のLK8を示した。
例示を目的として、本発明の好適な実施形態について開示してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲において開示した本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、さまざまな変更、付加および置換が可能であることを理解するであろう。
配列表は、電子形態で添付されている。
Figure 0004955764

Claims (7)

  1. 外来タンパク質の分泌効率を改善するための方法であって、以下の工程:
    (a)酵母宿主を、ガラクトース誘導性プロモーター、分泌シグナル配列および外来タンパク質をコードする遺伝子を含んでなる組み換え外来遺伝子構築物で形質転換して、形質転換酵母株を構築すること;ならびに
    (b)前記形質転換酵母株を、前記ガラクトース誘導性プロモーターの活性が、ガラクトースの培養培地から前記形質転換酵母株への輸送率を低減することによって、制御される条件下で培養すること、ここで、前記培養は流加培養によって行われ、ガラクトースおよびグルコースが4:1〜1:1の比率で培養時に前記培養培地に同時供給される
    を含んでなる、方法。
  2. 前記工程(a)の形質転換が、前記酵母宿主の染色体への前記組み換え外来遺伝子構築物の挿入によってか、または前記酵母宿主の細胞質への前記組み換え外来遺伝子構築物の環状ベクターの形態での挿入によって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガラクトース誘導性プロモーターが、配列番号1に記載のGAL1プロモーター、配列番号2に記載のGAL10プロモーター、または配列番号3に記載のGAL7プロモーターである、請求項1に記載の方法
  4. ガラクトースの培地から前記形質転換酵母株への前記輸送率の低減が、形質転換酵母のガラクトースパーミアーゼ遺伝子を欠損させるか、またはそれを部分的に破壊して、それによって非機能的にすることによって達成される、請求項に記載の方法
  5. 前記酵母宿主が、前記ガラクトース誘導性プロモーターの制御下で発現されるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子を含んでなる組み換え外来遺伝子構築物で形質転換される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記工程(a)と(b)との間に、前記工程(a)の前記形質転換酵母株を、前記ガラクトース誘導性プロモーターの制御下で発現されるタンパク質ジスルフィドイソメラーゼコード遺伝子を含んでなる組み換え外来遺伝子構築物でさらに形質転換する工程(a−1)をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記タンパク質ジスルフィドイソメラーゼをコードする遺伝子を含有する前記構築物が、下記:
    Figure 0004955764
    に示される切断地図を有するpMPDIである、請求項またはに記載の方法。
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