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JP4956941B2 - 半導体レーザモジュール及びこれを用いた光走査装置 - Google Patents
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半導体レーザモジュール及びこれを用いた光走査装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体レーザ光源から発したレーザ光を光ファイバにカップリングする半導体レーザモジュール及び半導体レーザモジュールを用いた光走査装置に関するものである。
半導体レーザから発したレーザ光を効率良くシングルモード光ファイバにカップリングし、それを維持した半導体レーザモジュールは、これまで光通信の分野を中心に広く用いられている。
一般に、シングルモード光ファイバのコア径は、半導体レーザの発振波長が短くなるに従い小さくなり、可視光半導体レーザを使用した場合、そのサイズは数ミクロンになる。このため、可視光の半導体レーザモジュールにおいては、光ファイバ入射ビームと光ファイバとの位置合わせ精度、及びモジュール組立て後の環境安定性が、光通信用モジュールのそれよりも一段と厳しくなる。
上記のように厳しい位置合わせ精度が要求されるモジュールの組立てにおいて、半田、接着剤、融着、溶接などの手段を用いて光ファイバ部の固定を行っており、これらの固定手段により光ファイバ部の気密封止も兼ねさせる構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、半導体レーザモジュールの光ファイバ入射端面は数ミクロンサイズに絞り込まれたレーザ光が常に照射された状態になるため、光のエネルギー密度が非常に高く、レーザ光の光ピンセット効果(Ashkin et al.:Observation of a single-beam gradient force optical trap for dielectric particles. Opt. Lett. 11、P288-P290、 1986)により、レーザ光の集光点である光ファイバのコア部に塵埃が集積し、光ファイバへのカップリング効率を低下させる問題があった。この問題は、波長450[nm]以下の短波長レーザを用いた場合には、紫外域に近いため光ピンセット効果に加え、集積した塵埃とレーザ光の光化学反応が起きやすく、光ファイバの汚染はより深刻なものとなる。
汚染物質の1つとして、特許文献1には、製造工程の雰囲気中から混入する炭化水素がレーザ光により重合或いは分解されたもの、また、空気中を浮遊しているシロキサンがレーザ光により光化学反応し、SiOxのかたちで堆積、付着することが開示されている。このため、汚染される可能性のある部材の定期交換を提案している。
また、半導体レーザモジュールのパッケージが、フラックスフリー半田もしくはSi系有機物を含まない接着剤、若しくは融着若しくは溶接により気密封止することでモジュール内への汚染物質侵入を防御し、光ファイバ入射端面の汚染を抑制する方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−54852号公報
特開2004−253783号公報
しかしながら、従来例として挙げた文献2においては次の問題が生じる。
文献2の半導体レーザモジュールにおいては、モジュール組立てにおける光ファイバ部の固定及び気密封止工程の際に、半田、接着剤、融着、溶接を用いることとしている。しかし、半田、融着、溶接はいずれも被接合部材の温度変化が不可避であり、封止の際に被接合部材の伸長・収縮等に伴う位置ずれが発生し易く、多用すると所望の光結合効率が得られなくなる恐れがある。
一方、接着剤を用いた場合であっても、接着剤の重合に伴う硬化収縮伸長により組立て時の位置ずれが発生しやすく、また、硬化後に接着剤内部に蓄積した残留応力の開放により経時的な位置ずれが発生しやすくなるという同様の問題を有している。これらの位置ずれは、特に可視光半導体レーザモジュールの場合は、光通信用モジュールと比べて一段と高精度固定が要求されるため、光ファイバ出射光強度低下の大きな原因となりうる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、半導体レーザから発した光を、レンズ系を介して光ファイバに入射する光ファイバ結合光学系において、半導体レーザモジュール組立て時にモジュールを構成する部材の変形を防止して光ファイバの位置ずれを抑制し、また、光ファイバ結合光学系を汚染することなく光ファイバ部を気密封止固定する手段を提供し、安定した光結合効率つまり安定した光ファイバ出射光強度を得ることが可能な半導体レーザモジュールを実現することを目的とする。
また、前記半導体レーザモジュールを搭載した光走査装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の半導体レーザモジュール構造及び前記半導体レーザモジュールを搭載した光記録装置の構成を主要な特徴とする。
半導体レーザと、光ファイバと、前記半導体レーザから発したレーザ光を前記光ファイバに結合させる機能を有するレンズ系と、前記半導体レーザ、前記光ファイバ、前記レンズ系の保持機能を有する複数の保持具とから構成される半導体レーザモジュールにおいて、
前記複数の保持具は、前記半導体レーザ及び前記レンズ系の保持機能を有するレーザ保持具、前記光ファイバの保持機能を有するフェルール、該フェルールの保持機能を有するスリーブを構成材料の一部に含み、前記レーザ保持具には前記スリーブが全周でない溶接により接合され、リング部材が前記レーザ保持具に取り付けられて、前記リング部材と前記レーザ保持具の接触面を気密封止し、前記スリーブと前記リング部材の間に可撓性部材を貼付けて気密封止したことを特徴とする。
また、前記可撓性部材はシーリングテープであることを特徴とする。
また、前記シーリングテープは、PET(polyethylene terephthalate)製フィルム及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする。
また、前記シーリングテープは、PET製フィルム、アルミニウム製フィルム、及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする。
また、前記スリーブは、前記スリーブに気密封止された前記レーザ光の波長に対して透過率を有するガラス部材を具備したことを特徴とする。
また、前記可撓性部材はシーリングテープであることを特徴とする。
また、前記シーリングテープは、PET(polyethylene terephthalate)製フィルム及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする。
また、前記シーリングテープは、PET製フィルム、アルミニウム製フィルム、及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする。
また、前記半導体レーザの発振波長は、450[nm]以下であることを特徴とする。
さらに、光走査装置には、上記構造を有する半導体レーザモジュールを用いる。
本発明は、半導体レーザから発したレーザ光を、レンズ系を介して光ファイバに入射する光ファイバ結合光学系を内蔵する半導体レーザモジュールにおいて、半導体レーザモジュール組立て時にモジュールを構成する部材の変形を防止して光ファイバの位置ずれを抑制し、光ファイバ結合光学系を汚染することなく光ファイバ部を気密封止固定することで、安定した光結合効率、つまり安定した光ファイバ出射光強度を得ることが可能である。
また、前記半導体レーザモジュールを搭載した光走査装置の高信頼性化を実現できる。
半導体レーザから発したレーザ光を、レンズ系を介して光ファイバに入射する光ファイバ結合光学系を内蔵する半導体レーザモジュールにおいて、半導体レーザモジュール組立て時及び組立て後に、光ファイバ結合光学系を汚染することなく光ファイバと光ファイバ入射ビームとの位置合わせ状態の高精度保持を実現させるという目的、また、前記半導体レーザモジュールを搭載した光記録装置の高信頼性化を実現させるという目的を半導体レーザモジュールの構成を大幅に変更すること無く簡易な方法で実現した。
図1に本発明の第1の実施例として、半導体レーザモジュールの断面構造を示す。
光源となる半導体レーザ1は、レーザ光を放出するレーザチップ4、前記レーザ光を受光する非図示の光検出素子がLDキャップ55により気密封止された一体型の構造体である。前記半導体レーザ1はレーザ保持具2にステム部3全周がレーザ溶接により接合されて気密封止される。図中の黒丸部が溶接部である。更に、ステム部3溶接部の外側は、気密封止手段54を付加しても良い。気密封止手段54としては、樹脂のポッティング、或いは気密封止用のシーリングテープの貼付がある。シーリングテープは、PET(polyethylene terephthalate)、或いはPETおよびアルミニウムの複合材からなるフィルムであり、フィルム層の裏面には貼付用の粘着剤が塗布されている。なお、前記ポッティング用の樹脂、PETフィルム、アルミニウムフィルム、粘着剤はいずれもシリコンフリーのものを使用し、これらの部材自身からのシロキサンの発生を無くしている。このように、気密封止手段54を追加することで気密封止はより完全なものにできる。
前記半導体レーザ1は、紫外光に近いレーザ光を放射する発振波長405[nm]の青色半導体レーザが用いられる。
半導体レーザ1の発光部であるレーザチップ4から出射した光5はレーザ保持具2内部に配置されたレンズ系6を介して、フェルール7に保持されたシングルモード光ファイバ8の光入射側端面上に結像され、光ファイバ8の光伝搬領域(以下、コアと呼ぶ)に入射する。この際、光ファイバ照射光9を効率よく光ファイバ8に入射させるためには、結像スポットの大きさと光ファイバ8中のコアの大きさとをできるだけ合致させることが必要になる。そのためには、レンズ系6は半導体レーザ1の発光部4を光ファイバ8のコア径に適した大きさに拡大する必要があり、発光部4とコア径の大きさから決まる所定の倍率を有するレンズ(或いは、レンズ組)が適用される。
一般に半導体レーザ1の発光部4の大きさは通常1ミクロン前後であり、また光ファイバのコア部の大きさも可視光域のシングルモード光ファイバを使用する場合には数ミクロンと非常に小さくなる。このため、光ファイバ結合光学系を組み立てる際には、レーザ出射光を効率良くコア部に入射するために、結像スポットと光ファイバ8のコア部とを高精度調芯装置を用いてサブミクロンオーダーで位置合わせした後、組立てる必要がある。
半導体レーザモジュールの組立てには、フェルール7を保持するスリーブ10を用いる。
まず、光ファイバと光ファイバ照射光9を調芯した後、フェルール7がスリーブ10に接合手段により保持された後、前記スリーブ10がレーザ保持具2に接合手段により保持される。なお、この工程の詳細は後述する。
本発明の半導体レーザモジュールは、図1に示したように、吸着材11を具備しており、この吸着材11はモジュール内部との通気穴12を塞ぐかたちで接着配置されている。さらに、この吸着材11の配置部はレーザ保持具2外周からシーリングテープ13で塞がれている。但し、このシーリングテープ13には流路が形成されており、この流路を通ってわずかに外気が流入できるようになっている。この様な構造にすることによって、モジュール内外に流出入する外気は必ず吸着材11を通ってしか換気しないようにしているので、外部の汚れた空気は常に清浄なものとして半導体レーザモジュール内部に取り込まれることになる。また、半導体レーザモジュール内の空気圧力は常に外気とほぼ同じにすることができるので、圧力差による半導体レーザモジュールの変形を防止でき、また、圧力差により気密の不完全な箇所のがリークするのを防ぐことができる。なお、流路により内外の換気が行われても、前述したように半導体レーザ1はLDキャップ55により、独立して封止されているのでレーザチップ4が影響を受けることは無い。
図2は、図1で示したシーリングテープ13の側面図および裏面からみた平面図を示している。シーリングテープ13は、気密封止手段54と同様に、PET、或いはPETおよびアルミニウムの複合材からなるフィルムであり、フィルム層14の裏面には粘着剤15が塗布されている。前記PET、アルミニウム、粘着層はいずれもシリコンフリーのものが使用される。但し、シーリングテープ13のフィルムの裏面には、流路16および空気流入口17が形成されている。この流路16および空気流入口17は表面のPET或いはPETとアルミニウムの複合フィルムを残し、粘着材部15を剥がすことにより形成させている。
図3は、図1で示した吸着材11の断面構造を示したものである。活性炭を含んだ吸着物質18がサブミクロンの穴径をもつ多孔質のフッ素系シート19で被われている。活性炭は内部構造の設計により、所定の分子量を有する物質に対応した吸着性能を持たせることが可能である。また、例えば、活性炭に後処理工程としてアルカリ処理を行い、酸性物質の吸着性のを向上させることもできる。このため、活性炭の構造、後処理を施すことによって、有機系ガス、無機系ガスのガスを吸着させることができる。また、吸着材内部に吸湿材を混在させることにより除湿もできる。多孔質のフッ素系シート19は、空気は通過させることはできるが、内部の吸着材の成分−−例えば活性炭自身の粉末が飛び散り、光学系を汚染することを防いでいる。
吸着材11底面のシート20は空気を通さない部材であり、シリコンフリーの粘着剤が裏面に設けられているので図1に示したようにレーザ保持具2に形成したザグリ穴の底面に貼り付けることが出来るようになっている。
上記構造により、半導体レーザモジュール外部の湿度が高い時に、湿気が流入、結露し、光ファイバ結合系の光利用効率を低下させることを防止することができる。また、同様に、半導体レーザモジュールの特性に悪影響を及ぼし、炭化水素系ガスや空気中に浮遊するシロキサンを補足、除去できる。
次に、図4を用いて光ファイバ先端部とレーザ保持具との組立方法を詳しく説明する。
フェルール7の先端部21はセラミック系材質が用いられており、中心部に光ファイバが通され、接着されて保持される。フェルール7の側面部22は金属である。
その後、光ファイバ8を保持したフェルール7は、スリーブ10に挿入された状態で光ファイバ8出射口からの光強度が最大となるように、光ファイバ8入射部と光ファイバ入射ビーム9との調芯が行われる。その後、スリーブ10のフェルール挿入口23がレーザ溶接により接合され、続いてスリーブ10の側面部24が同じくレーザ溶接により接合されることによってフェルール7がスリーブ8に保持される。なお、スリーブ10のフェルール挿入口23は、前記レーザ溶接に気密封止を兼ねさせるか、或いは未レーザ溶接箇所に樹脂をポッティングして封止しても良い。
フェルール7が取付けられたスリーブ10は、その後、再調芯され、スリーブ10とレーザ保持具2の接触部がレーザ溶接により接合され、保持される。スリーブ10とレーザ保持具2の溶接箇所25を全周レーザ溶接することによって接触面の隙間の気密封止を兼ねることもできるが、レーザ溶接を多用すると、溶接時の温度変化に伴う被接合部材の伸長・収縮等に伴う位置ずれが発生しやすく、位置合わせ状態の保持とモジュールの気密封止とを同時に満足させることが難しい。また、溶接によらない手段として、スリーブ10とレーザ保持具2の接合面を半田或いは樹脂などでシールする方法もあるが、半田の場合には前記同様温度変化の問題があり、樹脂を用いてシールする場合は、硬化の際に重合反応に伴う樹脂の伸長収縮があり、硬化時に位置ずれが発生し易いという短所がある。また、この段階で生じた位置ずれは、再調芯して位置ずれを補正することはできないという短所がある。しかしながら、この部分を完全に封止しないことには、モジュール外部からの汚染物質の侵入を防止することができない。
そこで、本発明の半導体レーザモジュールは、スリーブ10とレーザ保持具2間を可撓性部材の貼付を用いて気密封止する。
以下、図4を用いて気密封止方法を説明する。
まず、図4に示すように、スリーブ10取付け後のレーザ保持具2の先端部にリング部材26を取付け、レーザ保持具2とリング部材26の接触面を気密封止する。取付け方法は、レーザ溶接或いは樹脂を用いた接着が用いられる。なお、これらの取付け手段は、前述したように被溶接部材の温度変化や硬化の際の樹脂の伸長収縮の問題があるが、リング状部材26はスリーブ10には接触しておらず、独立しているため、リング部材26取付けの際にスリーブ10を加圧して光ファイバ先端を変位させてしまうことはない。
リング部材26取付け後は、図示のようにリング部材26とスリーブ10間を可撓性部材27の貼付を用いて気密封止する。可撓性部材としては、裏面に粘着剤が塗布されたPET製フィルム、或いはPETフィルムおよびアルミニウム製フィルムの複合材からなるフィルムを使用する。可撓性部材の貼付により、リング部材26とスリーブ10間を温度変化、接着剤の重合反応を伴わずに封止できるので、光ファイバ先端の変位を抑制できる。また、可撓性であることにより、外力の緩衝材としても機能するのでスリーブ10を加圧してモジュールを変形させることも防止できる。
なお、可撓性部材27に用いるPETフィルム或いはアルミニウムフィルム、粘着剤はいずれもシリコンフリーのものを使用し、光ファイバ結合光学系を汚染の原因となる部材自身からのシロキサンの発生を無くしている。また、前述のリング部材26とスリーブ10の取り付けに用いる樹脂も同様の理由からシリコンフリーのものを使用すれば良い。
以上、半導体レーザモジュール組立て時にモジュールを構成する部材の変形を防止して光ファイバの位置ずれを抑制し、光ファイバ結合光学系を汚染することなく光ファイバ部を気密封止固定することができる。また、半導体レーザモジュール内部は常に清浄な雰囲気に保たれるので安定した光ファイバ出射光強度を得ることができる。
なお、上記実施例においては吸着材11を介して換気するのは、レンズ系6から光ファイバ8までの空間としたが、半導体レーザ1からレンズ系6までの空間も同様にしても良い。また、上記実施例の光ファイバには、断面内に周期的微細構造を有するフォトニック結晶ファイバを用いても良い。
図5に、本発明の実施例2として、半導体レーザモジュールの断面構造を示す。
光源となる半導体レーザ1は、レーザ光を放出するレーザチップ4、前記レーザ光を受光する非図示の光検出素子がLDキャップ55により気密封止された一体型の構造体である。前記半導体レーザ1はレーザ保持具2にステム部3全周がレーザ溶接により接合されて気密封止される。図中の黒丸部が溶接部である。更に、ステム部3溶接部の外側は、気密封止手段54を付加しても良い。気密封止手段54としては、樹脂のポッティング、或いは気密封止用のシーリングテープの貼付がある。シーリングテープは、PET、或いはPETおよびアルミニウムの複合材からなるフィルムであり、フィルム層の裏面には貼付用の粘着剤が塗布されている。なお、前記ポッティング用の樹脂、PETフィルム、アルミニウムフィルム、粘着剤は、いずれもシリコンフリーのものを使用し、これらの部材自身からのシロキサンの発生を無くしている。このように、気密封止手段54を追加することで気密封止はより完全なものにできる。
前記半導体レーザ1は、紫外光に近いレーザ光を放射する発振波長405[nm]の青色半導体レーザが用いられる。
半導体レーザ1の発光部であるレーザチップ4から出射した光5は、レーザ保持具2内部に配置されたレンズ系6を介して、フェルール7に保持されたシングルモード光ファイバ8の光入射側端面上に結像され、光ファイバ8の光伝搬領域(以下、コアと呼ぶ)に入射する。この際、光ファイバ照射光9を効率よく光ファイバ8に入射させるためには、結像スポットの大きさと光ファイバ8中のコアの大きさとをできるだけ合致させることが必要になる。そのためには、レンズ系6は半導体レーザ1の発光部4を光ファイバ8のコア径に適した大きさに拡大する必要があり、発光部4とコア径の大きさから決まる所定の倍率を有するレンズ(或いは、レンズ組)が適用される。
一般に半導体レーザ1の発光部4の大きさは通常0.5〜2μm程度であり、また光ファイバのコア部の大きさも可視光域のシングルモード光ファイバを使用する場合には4〜5μmと非常に小さくなる。このため、光ファイバ結合光学系を組み立てる際には、レーザ出射光を効率良くコア部に入射するために、結像スポットと光ファイバ8のコア部とを高精度調芯装置を用いてサブミクロンオーダーで位置合わせした後、組立てる必要がある。
半導体レーザモジュールの組立てには、フェルール7を保持するスリーブ10を用いる。
まず、光ファイバと光ファイバ照射光9を調芯した後、フェルール7がスリーブ10に接合手段により保持された後、前記スリーブ10がレーザ保持具2に接合手段により保持される。なお、この工程の詳細は後述する。
本発明の半導体レーザモジュールは、図5に示したように、吸着材11を具備しており、この吸着材11はモジュール内部との通気穴12を塞ぐかたちで接着配置されている。さらに、この吸着材11の配置部はレーザ保持具2外周からシーリングテープ13で塞がれている。但し、このシーリングテープ13には流路が形成されており、この流路を通って僅かに外気が流入可能となっている。この様な構造にすることによって、モジュール内外に流出入する外気は、必ず吸着材11を通ってしか換気しないようにしているので、外部の汚れた空気は常に清浄なものとして半導体レーザモジュール内部に取り込まれることになる。また、半導体レーザモジュール内の空気圧力は常に外気とほぼ同じにすることができるので、圧力差による半導体レーザモジュールの変形を防止でき、また、圧力差により気密の不完全な箇所がリークするのを防ぐことができる。なお、流路により内外の換気が行われても、前述したように半導体レーザ1はLDキャップ55により、独立して封止されているのでレーザチップ4が影響を受けることは無い。
なお、シーリングテープ13および吸着材11の構造については、実施例1の説明と同様(図2及び図3)であるので説明を省略する。
上記構造により、半導体レーザモジュール外部の湿度が高い時に、湿気が流入、結露し、光ファイバ結合系の光利用効率を低下させることを防止可能である。また、同様に、半導体レーザモジュールの特性に悪影響を及ぼす炭化水素系ガスや空気中に浮遊するシロキサンを補足、除去できる。
光ファイバ先端部とレーザ保持具との組立方法を図4を用いて詳しく説明する。
フェルール7の先端部21はセラミック系材質が用いられており、中心部に光ファイバが通され、接着されて保持される。フェルール7の側面部22は金属である。
光ファイバ8を保持したフェルール7は、その後、スリーブ10に挿入された状態で光ファイバ8出射口からの光強度が最大となるように、光ファイバ8入射部と光ファイバ入射ビーム9との調芯が行われる。その後、スリーブ10のフェルール挿入口23がレーザ溶接により接合され、続いてスリーブ10の側面部24が同じくレーザ溶接により接合されることによってフェルール7がスリーブ8に保持される。なお、スリーブ10のフェルール挿入口23は、前記レーザ溶接に気密封止を兼ねさせるか、或いは未レーザ溶接に樹脂をポッティングして封止しても良い。
なお、スリーブ10の光入射側の端面にはガラス板28が具備されている。この様な構造にすることによって、光ファイバ8の光入射端は、スリーブ10のフェルール挿入口23の溶接箇所とガラス板28とによって外部から封じられた、密閉空間に設置することができるため、前記した吸着材11の効果に加えて、二重に光ファイバ8の入射端面の汚染を防止することができる。
フェルール7が取付けられたスリーブ10は、その後、再調芯され、スリーブ10とレーザ保持具2の接触部がレーザ溶接により接合され、保持される。スリーブ10とレーザ保持具2の溶接箇所25を全周レーザ溶接することによって接触面の隙間の気密封止を兼ねるもこともできるが、以下の課題が発生する。
レーザ溶接を多用すると、溶接時の温度変化に伴う被接合部材の伸長・収縮等に伴う位置ずれが発生しやすく、位置合わせ状態の保持とモジュールの気密封止とを同時に満足させることが難しい。また、溶接によらない手段として、スリーブ10とレーザ保持具2の接合面を半田或いは樹脂などでシールする方法もあるが、半田の場合には前記同様温度変化の問題があり、樹脂を用いてシールする場合は、硬化の際に重合反応に伴う樹脂の伸長伸縮があり、硬化時に位置ずれが発生し易いという短所がある。また、この段階で生じた位置ずれは、再調芯して位置ずれを補正することはできないという短所がある。しかしながら、この部分を完全に封止しないことにはモジュール外部からの汚染物質の侵入を防止することができない。
そこで、本発明の半導体レーザモジュールは、スリーブ10とレーザ保持具2間を可撓性部材の貼付を用いて気密封止する。
以下、図6を用いて気密封止方法を説明する。
まず、図6に示すようにスリーブ10取付け後のレーザ保持具2の先端部にリング部材26を取付け、レーザ保持具2とリング部材26の接触面を気密封止する。取付け方法は、レーザ溶接、或いは樹脂を用いた接着が用いられる。なお、これらの取付け手段は、前述したように、被溶接部材の温度変化や硬化の際の樹脂の伸長収縮の問題があるが、リング状部材26はスリーブ10には接触しておらず、独立しているため、リング部材26取付けの際にスリーブ10を加圧して光ファイバ先端を変位させてしまうことはない。
リング部材26取付け後は、図示のようにリング部材26とスリーブ10間を可撓性部材27の貼付を用いて気密封止する。可撓性部材としては、裏面に粘着剤が塗布されたPET製フィルム、或いはPETフィルムおよびアルミニウム製フィルムの複合材からなるフィルムを使用する。可撓性部材の貼付により、リング部材26とスリーブ10間を温度変化、接着剤の重合反応を伴わずに封止できるので、光ファイバ先端の変位を抑制できる。また、可撓性であることにより、外力の緩衝材としても機能するのでスリーブ10を加圧してモジュールを変形させることも防止できる。
なお、可撓性部材27に用いるPETフィルム或いはアルミニウムフィルム、粘着剤はいずれもシリコンフリーのものを使用し、光ファイバ結合光学系を汚染の原因となる部材自身からのシロキサンの発生を無くしている。また、前述のリング部材26とスリーブ10の取り付けに用いる樹脂も同様の理由からシリコンフリーのものを使用すれば良い。
以上、図2、図3、図5、図6を用いて説明した半導体レーザモジュール構成により、半導体レーザモジュール組立て時にモジュールを構成する部材の変形を防止して光ファイバの位置ずれを抑制し、光ファイバ結合光学系を汚染することなく光ファイバ部を気密封止固定することができる。また、半導体レーザモジュール内部は常に清浄な雰囲気に保たれるので安定した光ファイバ出射光強度を得ることができる。
なお、上記実施例においては吸着材11を介して換気するのは、レンズ系6から光ファイバ8までの空間としたが、半導体レーザ1からレンズ系6までの空間も同様にしても良い。また、上記実施例の光ファイバには、断面内に周期的微細構造を有するフォトニック結晶ファイバを用いても良い。
次に、実施例1、実施例2で詳述した半導体レーザモジュールを搭載した光記録装置について説明する。
図7は、本発明の半導体レーザモジュールを搭載した光記録装置の光学系全体図である。
本光学系では、先述した半導体レーザモジュールを複数個使用し、各半導体レーザモジュール29〜33の光ファイバ出射端は互いに近接させ一列に配置した光ファイバアレイ部34を形成している。この光ファイバアレイ部34から出射する光を複数ビーム発生光源として用いる。個々の半導体レーザモジュール29〜33に組み込まれた半導体レーザは、コントローラ60からの画像データ信号35に従って、レーザドライバ36〜40を駆動させることで、光ファイバアレイ部34の先端からはそれぞれ独立に変調された個々のビーム41を出射する(図7では、便宜上5本ビームとしている)。
光ファイバアレイ部34から出射した光は、ビームを整形するためのレンズ42〜45を透過後、光偏向素子の回転多面鏡46、走査光学素子の走査レンズ47により、感光ドラム48上にスポット列として結像され、個々に変調されたスポットが走査することにより感光ドラム48上に光記録が行われる。
以上のように、前述の半導体レーザモジュールを上記光学系に搭載することにより、高画質・高信頼性の光記録装置を実現可能である。また、上記実施例における光ファイバは、断面内に周期的微細構造を有するフォトニック結晶ファイバを用いても良い。
なお、短波長以外の半導体レーザモジュールにも本発明を適用し、光ファイバ出射光強度の安定化、高信頼性化を実現可能である。
半導体レーザモジュールの断面構造を示した説明図である。(実施例1) シーリングテープの構造を示した説明図である。(実施例1及び実施例2) 吸着材の断面構造を示した説明図である。(実施例1及び実施例2) 光ファイバ接合部の詳細説明図である。(実施例1) 半導体レーザモジュールの断面構造を示した説明図である。(実施例2) 光ファイバ接合部の詳細説明図である。(実施例2) 半導体レーザモジュールを搭載した光記録装置光学系の概略図である。(実施例3)
符号の説明
1は半導体レーザ、2はレーザ保持具、3はステム部、4はレーザチップ、5はレーザ発光部から出射した光、6はレンズ系、7はフェルール、8はシングルモード光ファイバ、9は光ファイバ照射光、10はスリーブ、11は吸着材、12は通気穴、13はシーリングテープ、14はフィルム層、15は粘着剤、16は流路、17は空気流入口、18は吸着物質、19はフッ素系シート、20はシート、21はフェルール先端部、22はフェルール外周部、23はフェルール挿入口溶接部、24はフェルール側面貫通溶接部、25はスリーブ底面溶接部、26はリング部材、27はシールテープ、28はガラス板、29,30,31,32,33は半導体レーザモジュール、34は光ファイバアレイ、35は画像データ信号、36,37,38,39,40はレーザドライバ、41は光ファイバアレイ出射ビーム、42,43,44,45はレンズ、46は回転多面鏡、47は走査レンズ、48は感光ドラム、49,50,51,52,53は結像スポット、54はシーリングテープ、55はLDキャップ、60はコントローラである。

Claims (8)

  1. 半導体レーザと、光ファイバと、前記半導体レーザから発したレーザ光を前記光ファイバに結合させる機能を有するレンズ系と、前記半導体レーザ、前記光ファイバ、前記レンズ系の保持機能を有する複数の保持具とから構成される半導体レーザモジュールにおいて、
    前記複数の保持具は、前記半導体レーザ及び前記レンズ系の保持機能を有するレーザ保持具、前記光ファイバの保持機能を有するフェルール、該フェルールの保持機能を有するスリーブを構成材料の一部に含み、
    前記レーザ保持具には前記スリーブが全周溶接でない溶接により接合され、
    リング部材が前記レーザ保持具に取り付けられて、前記リング部材と前記レーザ保持具の接触面を気密封止し、
    前記スリーブと前記リング部材の間に可撓性部材を貼付けて気密封止したことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  2. 前記可撓性部材は、PET(polyethylene terephthalate)製フィルム及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザモジュール。
  3. 前記可撓性部材は、PET製フィルム、アルミニウム製フィルム、及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザモジュール。
  4. 前記スリーブは、前記スリーブに気密封止された前記レーザ光の波長に対して透過率を有するガラス部材を具備したことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザモジュール。
  5. 前記可撓性部材は、PET(polyethylene terephthalate)製フィルム及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする請求項4記載の半導体レーザモジュール。
  6. 前記可撓性部材は、PET製フィルム、アルミニウム製フィルム、及びシリコンフリーの粘着層からなる複合材のテープであることを特徴とする請求項5記載の半導体レーザモジュール。
  7. 前記半導体レーザの発振波長は、450[nm]以下であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  8. 少なくとも2本以上の光ファイバの出射端を配列させた光ファイバアレイ部を光源とし、前記光源から出射されたビームを偏向走査するための光偏向素子、前記偏向走査された前記ビームを被走査面上に走査結像させる走査光学素子から構成される光走査装置において、前記光ファイバの入射端の構成は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の半導体レーザモジュールであることを特徴とする光走査装置。
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