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JP4966373B2 - ダイヤフラムポンプ - Google Patents
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Description

本発明は、ダイヤフラムポンプに関する。
振動するダイヤフラムによってポンプ作用を得るポンプとして、例えば圧電ポンプがある。圧電ポンプは、平面円形の圧電振動子とハウジングによってポンプ室を形成する。ハウジングには、ダイヤフラムの平面中心に対する偏心対称位置に位置させて、吸入ポートと吐出ポートがそれぞれ開口する吸入側液溜室と吐出側液溜室を設け、この一対の液溜室とポンプ室との間には、吸入側液溜室からポンプ室への流体流を許しその逆方向の流体流を許さない吸入側逆止弁と、ポンプ室から吐出側液溜室への流体流を許しその逆方向の流体流を許さない吐出側逆止弁とを設けている。圧電振動子が振動すると、ポンプ室の容積が大きくなる行程では、流入側逆止弁が開き吐出側逆止弁が閉じて吸入ポート、吸入側液溜室からポンプ室内に流体が流入し、逆にポンプ室の容積が小さくなる行程では、吐出側逆止弁が開き吸入側逆止弁が閉じてポンプ室から吐出側液溜室、吐出ポートに流体が吐出され、ポンプ作用が得られる。
特開2006-253477号公報 特開2003-120548号公報 実公平06-18076号公報
このダイヤフラムポンプでは、圧電振動子(ダイヤフラム)の変位で高吐出量を確保するため、流路抵抗及び圧力損失をできるだけ小さくすることが臨まれている。
本発明は、流路抵抗及び圧力損失をできるだけ小さくするという観点から、従来のダイヤフラムポンプの一対の逆止弁(吸入側逆止弁と吐出側逆止弁)と一対のポート(吸入ポートと吐出ポート)の位置関係を見直した結果、円形のダイヤフラムはその中心部の変位が最大であるのに、従来品では、一対の逆止弁の間隔と一対のポートの間隔が同一であり(一対のポートの延長線上に一対の逆止弁が位置しており)、これが流路抵抗及び圧力損失を高めている原因であるとの結論に達して本発明に至ったものである。
本発明は、平面円形でその中心部の振幅が最も大きくなるように振動するダイヤフラム;このダイヤフラムとハウジングとの間に形成したポンプ室;ハウジングに、ダイヤフラムの平面中心に対する偏心対称位置に設けた吸入側液溜室と吐出側液溜室;この一対の液溜室とポンプ室との間にそれぞれ設けた、吸入側液溜室からポンプ室への流体流を許しその逆方向の流体流を許さない吸入側逆止弁と、ポンプ室から上記吐出側液溜室への流体流を許しその逆方向の流体流を許さない吐出側逆止弁;及び互いに平行をなし、吸入側液溜室と吐出側液溜室にそれぞれ開口する吸入ポートと吐出ポート;を有するダイヤフラムポンプにおいて、吸入ポートの吸入側液溜室への開口端と吐出ポートの吐出側液溜室への開口端の中心間隔を、吸入側逆止弁と吐出側逆止弁の中心間隔より広く設定したことを特徴としている。
吸入ポート、吸入側液溜室、吸入側逆止弁、ポンプ室、吐出側逆止弁、吐出側液溜室及び吐出ポートを通る流路は、吸入ポートと吐出ポートの軸線を含む平面と直交する方向から見たとき、U字状をなすように配置することが好ましい。
吸入側と吐出側の逆止弁はそれぞれ、軸部と傘部を有するアンブレラと、このアンブレラの軸部の回りに形成され傘部によって覆われる流路孔とから構成するのがよい。そして、吸入側と吐出側の一対のアンブレラの軸部は、ダイヤフラムの中心軸線に対して非平行かつ対称で、ダイヤフラムに向かって互いに接近する方向に傾斜していることが望ましい。
本発明は、少なくともダイヤフラムとして圧電振動子を用いた圧電ポンプに適用できる。
本発明のダイヤフラムポンプは、中心部の変位が最大である円形のダイヤフラムに対し、吸入側逆止弁と吐出側逆止弁の間隔を、吸入ポートと吐出ポートの間隔より狭く設定した(一対のポートの間隔を一対の逆止弁の間隔より広く設定した)から、吸入ポート、吸入側液溜室、吸入側逆止弁、ダイヤフラムの変位が最大のポンプ室中央、吐出側逆止弁、吐出側液溜室、吐出ポートの順に、滑らかな流路を形成することができ、流路抵抗及び圧力損失を減らした効率のよいポンプを得ることができる。
本発明を圧電ポンプに適用した一実施形態を示す分解斜視図である。 同カバー及び圧電振動子を除いて描いた平面図である。 同側面図である。 図2のIV-IV線に沿う断面図である。 図4から圧電振動子及び逆止弁ユニットを除いて描いた断面図である。 逆止弁間隔の広狭が流量特性に与える影響を調べたグラフ図である。 逆止弁間隔の広狭が閉鎖圧に与える影響を調べたグラフ図である。
符号の説明
10 圧電振動子
10a シム
10b 圧電体
10c 給電端子
11 ガイドリング
12 Oリング
20 アッパハウジング
30 ロアハウジング
31 円形凹部
32 吸入側液溜室
33 吐出側液溜室
34 吸入ポート
35 吐出ポート
34a 35a 開口端
36 吸入側アンブレラ
37 吐出側アンブレラ
40 駆動基板
50 下蓋
P ポンプ室
図1ないし図5は、本発明を圧電ポンプに適用した実施形態を示している。本圧電ポンプ100は、平面円形の圧電振動子10、アッパハウジング(上蓋)20、ロアハウジング30、駆動基板40及び下蓋50を備えている。ロアハウジング30には、圧電振動子10を受け入れる円形凹部31が形成されている。円形凹部31内に収納される圧電振動子10は、その表裏にガイドリング11とOリング12を当接させた状態で、アッパハウジング20とロアハウジング30の間に挟着され、ポンプ室P(図4)を構成している。
圧電振動子10は、図1、図4に示すように、ポンプ室P側に臨むシム10aと、大気室(アッパハウジング20)側に臨む圧電体10bとを備えたユニモルフタイプである。シム10aは、導電性の金属薄板材料、例えば厚さ50μm程度のステンレス、42アロイ等の薄板からなっている。圧電体10bは、例えば厚さ50〜300μm程度のPZT(Pb(Zr、Ti)O3)等の圧電材料から構成されるもので、その表裏方向に分極処理が施されている。このような圧電振動子は周知である。この圧電体10bの表裏にはそれぞれ電極が形成されており、この表裏電極間に、給電端子10c(図1)及び駆動基板40を介して、交番電界を印加することにより、圧電振動子10は平面円形の中央部分の振幅が最も大きくなるように振動する。
ロアハウジング30には、円形凹部31内に、圧電振動子10(円形凹部31)の平面中心に対する偏心対称位置に位置させて、吸入側液溜室32と吐出側液溜室33が形成されている。また、ロアハウジング30には、この吸入側液溜室32と吐出側液溜室33に連通する吸入ポート34と吐出ポート35が形成されている。吸入ポート34と吐出ポート35は、互いに平行をなしていて、ロアハウジング30の一つの側面から突出している。34aと35aは、吸入ポート34と吐出ポート35の吸入側液溜室32と吐出側液溜室33に対する開口端であり、圧電振動子10(円形凹部31)の中心から離れた側に偏心させて、吸入側液溜室32と吐出側液溜室33に開口している。
この吸入側液溜室32とポンプ室P、吐出側液溜室33とポンプ室Pとの間にはそれぞれ、吸入側アンブレラ(吸入側逆止弁)36と吐出側アンブレラ(吐出側逆止弁)37が設けられている。吸入側アンブレラ36は、吸入側液溜室32からポンプ室Pへの流体流を許してその逆の流体流を許さない吸入側逆止弁であり、吐出側アンブレラ37は、ポンプ室Pから吐出側液溜室33への流体流を許してその逆の流体流を許さない吐出側逆止弁である。吸入側と吐出側のアンブレラ36と37は、平面円形の圧電振動子10の平面中心に関し偏心した対称位置にある。
吸入側と吐出側のアンブレラ36、37は、同一(対称)構造であり、平面円形の傘部36a、37aと、この傘部の中心の軸部36b、37bとを備えている。弁座基板36c、37cには、この軸部36b、37bを受け入れて支持する軸孔36d、37dと、この軸孔36d、37dの周囲に位置する流路孔36e、37eが穿設されており、これらの流路孔36e、37eが傘部36a、37aによって覆われている。
吸入側アンブレラ36(軸部36b)と吐出側アンブレラ37(軸部37b)の軸線は、圧電振動子10の軸線と非平行であり、圧電振動子10に向かって互いに接近する方向に傾斜している(図4)。すなわち、閉弁状態の吸入側、吐出側のアンブレラ36、37の傘部36a、37aは、休止状態の圧電振動子10と非平行である。
この吸入側アンブレラ36(軸部36b)と吐出側アンブレラ37(軸部37b)は、図2に示すように、その中心距離dが、吸入ポート34の開口端34aと吐出ポート35の開口端35aとの中心距離Dより短くなるように設定されている。その結果、吸入ポート34(開口端34a)、吸入側液溜室32、吸入側アンブレラ36、ポンプ室P、吐出側アンブレラ37、吐出側液溜室33及び吐出ポート35(開口端35a)を通る流路は、吸入ポート34と吐出ポート35の軸線を含む平面と直交する方向から見たとき、U字状なしている。吸入ポート34の延長線がぶつかる吸入側液溜室32の壁面、及び吐出ポート35の延長線がぶつかる吐出側液溜室33の壁面はそれぞれ、滑らかなU字状流路を構成するように、略四分の一の円筒面からなっている。
以上の圧電ポンプは、圧電振動子10が正逆に弾性変形(振動)すると、ポンプ室Pの容積が拡大する行程では、吸入側アンブレラ36の傘部36aが弁座基板36cから離れる方向に弾性変形して流路孔36eが開き、吐出側アンブレラ36の傘部36aが弁座基板36cに密着して流路孔36eを閉じるため、吸入ポート34、吸入側液溜室32からポンプ室P内に液体が流入する。一方、ポンプ室Pの容積が縮小する行程では、吐出側アンブレラ36の傘部36aが流路孔36eを開き、吸入側アンブレラ36の傘部36aが流路孔36eを閉じるため、ポンプ室Pから吐出側液溜室33、吐出ポート35に液体が流出する。したがって、圧電振動子10を正逆に連続させて弾性変形させる(振動させる)ことで、ポンプ作用が得られる。
そして、本実施形態の圧電ポンプは、吸入ポート34の開口端34aと吐出ポート35の開口端35aとの中心距離Dが、吸入側アンブレラ36と吐出側アンブレラ37の中心距離dより大きい。このため、中心部の変形量が最も大きい圧電振動子10が振動するに際し、圧電振動子10の周辺から中央へ、中央から周辺へと向かう滑らかな流路が構成される。この作用効果は、上記中心距離Dが中心距離dより小さい場合あるいは等しい場合(従来例)を想定すると理解しやすい。この想定では、滑らかな流体流が得にくく、流路抵抗及び圧力損失が大きい。
また、吸入側、吐出側のアンブレラ36、37の軸線が圧電振動子10に向かって互いに接近する方向に傾斜している点も流路を滑らかにする。さらに、閉弁状態の吸入側、吐出側のアンブレラ36、37の傘部36a、37aは、休止状態の圧電振動子10と非平行であるため、休止状態で傘部36a、37aが圧電振動子10と接触することがなく、長期間運転を休止しても付着現象が生じるおそれがない。
本実施形態による作用効果は、特に圧電振動子10の駆動周波数が高くなったときに顕著に表れる。図6は、シム10の直径を26mm、厚さ0.15mmとして中心距離d=10mm、中心距離D=16mm(D>d)とした本発明実施例における圧電ポンプと、シムの直径を同じく26mm、厚さ0.15mmとして中心距離d及びDを10mm(D=d)とした比較例における圧電ポンプを作成し、負荷10kP、駆動電圧120Vにて圧電体10bの駆動周波数(Hz)に対する単位時間当たりの流量ml/minを測定したものである。この比較実験によれば、D=dでは駆動周波数50〜60Hzの領域を除く全ての周波数領域で流量が増大しているのが分かる。さらに、流量のピークも比較例が189ml/minであるのに対し、実施例においては232ml/minと大幅に増大していることが分かる。
次に図7は、上記実施例と比較例と同じ圧電ポンプを使用して、それぞれの圧電ポンプの駆動周波数に対する閉鎖圧を比較したものである。図7によれば30〜120Hzの全ての駆動周波数において、実施例の閉鎖圧は比較例の閉鎖圧を上回っていることがわかる。
以上の実施形態のユニモルフ型の圧電振動子10は、ポンプ室Pとは反対の面に圧電体102を積層しているが、原理的にはポンプ室P側に圧電体10bを積層してもよい。また、シム10aの両側に圧電体10bを積層するバイモルフ型でも良いし、シム10aのポンプ室Pとは反対側に圧電体10bを複数枚積層するマルチモルフタイプでも良い。しかし、ポンプ室Pとは反対の面に圧電体102を積層すると、圧電体10bに液体が触れるおそれがないため、例えば腐食性液体や水溶液等の液送用に好ましい。また、ポンプ室P側に圧電体10bを積層する場合、保護フィルム等で圧電体10bを覆い、液体と圧電体10bが直接接するのを防止することはできるが、長期間の使用により保護フィルムを液体が透湿する場合があり、この観点からもポンプ室Pと反対側に圧電体10bを積層するのが好ましい。
本発明のダイヤフラムポンプは、少なくとも圧電ポンプに適用することができ、同圧電ポンプは、小型のポンプとして例えばノートPCの水冷システムに用いることができる。

Claims (5)

  1. 平面円形でその中心部の振幅が最も大きくなるように振動するダイヤフラム;
    このダイヤフラムとハウジングとの間に形成したポンプ室;
    上記ハウジングに、上記ダイヤフラムの平面中心に対する偏心対称位置に設けた吸入側液溜室と吐出側液溜室;
    この一対の液溜室とポンプ室との間にそれぞれ設けた、上記吸入側液溜室からポンプ室への流体流を許しその逆方向の流体流を許さない吸入側逆止弁と、ポンプ室から上記吐出側液溜室への流体流を許しその逆方向の流体流を許さない吐出側逆止弁;及び
    互いに平行をなし、上記吸入側液溜室と吐出側液溜室にそれぞれ開口する吸入ポートと吐出ポート;を有するダイヤフラムポンプにおいて、
    上記吸入ポートの吸入側液溜室への開口端と吐出ポートの吐出側液溜室への開口端の中心間隔を、吸入側逆止弁と吐出側逆止弁の中心間隔より広く設定したことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  2. 請求の範囲1記載のダイヤフラムポンプにおいて、上記吸入ポート、吸入側液溜室、吸入側逆止弁、ポンプ室、吐出側逆止弁、吐出側液溜室及び吐出ポートを通る流路は、該吸入ポートと吐出ポートの軸線を含む平面と直交する方向から見たとき、U字状をなしているダイヤフラムポンプ。
  3. 請求の範囲1または2記載のダイヤフラムポンプにおいて、上記吸入側と吐出側の逆止弁はそれぞれ、軸部と傘部を有するアンブレラと、このアンブレラの軸部の回りに形成され傘部によって覆われる流路孔とを備えているダイヤフラムポンプ。
  4. 請求の範囲1ないし3のいずれか1項記載のダイヤフラムポンプにおいて、上記吸入側と吐出側の一対のアンブレラの軸部は、ダイヤフラムの中心軸線に対して非平行で、上記ダイヤフラムに向かって互いに接近する方向に傾斜しているダイヤフラムポンプ。
  5. 請求の範囲1ない4のいずれか1項記載のダイヤフラムポンプにおいて、上記ダイヤフラムは圧電振動子であるダイヤフラムポンプ。
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