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JP4967366B2 - 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 - Google Patents
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JP4967366B2 - 液滴吐出装置及び液滴吐出方法 - Google Patents

液滴吐出装置及び液滴吐出方法 Download PDF

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Description

本発明は、液滴吐出装置及び液滴吐出方法に係り、特に、インクの吐出を高精度に行うための液滴吐出装置及び液滴吐出方法に関する。
従来、高速印刷を可能とする液滴吐出装置としてのインクジェット記録装置として、複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを有するマルチノズルインクジェット記録装置が提案されている。マルチノズルインクジェット記録装置は、多数のノズルを備えることにより用紙等の記録媒体に高密度に記録する場合においても高速で記録することができる。
ここで、インクジェット記録装置は,大別すると連続方式とオンデマンド方式に分けられる。オンデマンド方式の記録ヘッドモジュールは、ノズルを開口とするインク室中のインクに、圧電素子や発熱素子への駆動電圧の印加により圧力を加えてインク粒子を吐出するノズルを多数配置した液滴吐出ものであり、このタイプの記録ヘッドモジュールに関する技術は既に開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。なお、オンデマンド方式は、連続方式に比べ構造が簡易なため、数百、数千ノズルを高密度に配置することができる。
特開2002−273890号公報 特開2002−120366号公報
ところで、上述したマルチノズルインクジェット記録装置を用いて、インクの浸透率等が異なる記録基板や記録用紙等の種々の記録媒体に印字する場合、単位面積当たりのインク塗布量は、異種の記録媒体はもちろんのこと、同種の記録媒体であっても種類によって最適値があることが知られている。
ここで、インク塗布量が最適値より少ない場合には、べた画像の光学濃度が低下したり、細線がかすれたりするため画質が劣化してしまう。また、逆にインク塗布量(吐出量)が最適値より多い場合には、画像が滲んだり、インクの乾きが遅れたり、記録媒体が用紙であれば用紙の裏側にインクが抜けたりしてしまう。また、最適値より多いということは、必要以上のインクを無駄に使用していることになる。したがって、インク塗布量の最適値は、用紙種類毎にかなり精密に調整しなければならない。
ここで、低速でノズルの少ないインクジェット記録装置であれば、圧電素子の駆動電圧や、微小液滴の個数を調節したりすることにより、インク塗布量を高精度に調整することはできる。しかしながら、高速のマルチノズルインクジェット記録装置では、高精度な微調整を行うための回路構成が取りにくく、また処理速度の点でも処理が間に合わなくなってしまう。
更に、インク塗布量を液滴の個数で調整する場合、液滴径が大きいと、画像のエッジ部においてジッタと呼ばれるぎざぎざ模様が現れ画質を劣化させる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、インクの吐出を高精度に調整でき、かつ画像のエッジ部において生じるジッタを抑えて画質を向上させることができる液滴吐出装置及び液滴吐出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
請求項1に記載された発明は、複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、所定の搬送方向に移動している記録媒体に前記記録ヘッドモジュールからインクを吐出する液滴吐出装置において、前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチ回路と、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成手段と、前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加手段と、前記出力イネーブル信号と、前記ラッチ回路から出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチ回路とを有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、インクの吐出を高精度に行うことができる。これにより、例えば、用紙等の記録媒体の種類に応じて単位面積あたりのインクの塗布量を微妙に設定でき、高精細な画像を記録媒体に形成することができる。また、インクの無駄を無くすことができる。
請求項2に記載された発明は、複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、記録媒体を搬送方向に移動させインクを前記記録ヘッドモジュールから吐出する液滴吐出装置において、前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチ回路と、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生し、かつ複数のグループに分けられたノズルに対し、ある一つのグループのノズルに設定された基準となる周期からのシフト距離に基づいて、他のグループのノズル周期をシフトすることにより発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成手段と、前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加手段と、前記出力イネーブル信号と、前記ラッチ回路から出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチ回路とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、インクの吐出を高精度に行うことができる。これにより、例えば、用紙等の記録媒体の種類に応じて単位面積あたりのインクの塗布量を微妙に設定でき、高精細な画像を記録媒体に形成することができる。また、インクの無駄を無くすことができる。
請求項3に記載された発明は、前記駆動波形印加手段は、所定時間で前記圧電素子を放電させインクを引き込ませる放電波形と、前記所定時間より短い時間で前記圧電素子を充電しインクを吐出させるファイア波形とからなる駆動波形を生成することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、放電波形とファイア波形とからなる駆動波形に基づいて、インクの吐出を高精度に行うことができる。
請求項4に記載された発明は、前記スイッチ回路は、前記スイッチに直列に接続され、前記放電波形の時に放電電流を制限するための電気抵抗と、前記ファイア波形の時に、前記個別電極から接地の方向に接続され、前記電気抵抗の制限を受けることなく電流を流すダイオードとを有することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、電気抵抗により、インクの吐出を調整することができ、またダイオードにより、個別電極が正電位にならないように電流を流すことで、圧電素子の自然放電による電流分を補うことができる。
請求項5に記載された発明は、前記電気抵抗により制限される電流値と、前記放電波形により放電される電流値とが、概略等しいことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、個別電極の電位が、スイッチが閉になった電位付近に維持することができる。
請求項6に記載された発明は、前記出力イネーブル生成手段は、前記複数ノズルを奇数番目ノズル及び偶数番目ノズルの2つのグループに分け、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1及び前記複数のグループに分けられた複数のノズルに対して設定された基準信号からのシフト距離D2で発生する出力イネーブル信号の生成について、(D2/D1)が1/2近傍となる場合と、(D2/D1)又は(1−D2/D1)が0近傍となる場合との2つの場合に対応した前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、インク液滴が球形であれば、記録媒体上で最もムラなく塗布することができる。また、単位面積当たり最小のインク量で白筋等の画質欠陥のない記録画像が得られる。
請求項7に記載された発明は、前記出力イネーブル生成手段は、ノズルピッチをPnとして、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1を2√3×Pnとし、かつ前記シフト距離D2を√3×Pnとするか、又は、前記整数倍の周期D1を2Pn/√3とし、かつ前記シフト距離D2をPn/√3とする前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする。
請求項7記載の発明によれば、インク液滴が球形であれば、記録媒体上で最もムラなく塗布することができる。また、単位面積当たり最小のインク量で白筋等の画質欠陥のない記録画像が得られる。
請求項8に記載された発明は、前記記録ヘッドモジュールは、インクジェット記録ヘッドモジュールであることを特徴とする。
請求項8記載の発明によれば、複数ノズルからインクを噴射させて記録媒体に付着させることができる。これにより、高精細に画像を記録することができる。
請求項9に記載された発明は、複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、所定の搬送方向に移動している記録媒体に前記記録ヘッドモジュールからインクを吐出する液滴吐出方法において、前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチステップと、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成ステップと、前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加ステップと、前記出力イネーブル信号と、前記ラッチステップから出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチステップとを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明によれば、インクの吐出を高精度に行うことができる。これにより、例えば、用紙等の記録媒体の種類に応じて単位面積あたりのインクの塗布量を微妙に設定でき、高精細な画像を記録媒体に形成することができる。また、インクの無駄を無くすことができる。
請求項10に記載された発明は、複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、記録媒体を搬送方向に移動させインクを前記記録ヘッドモジュールから吐出する液滴吐出方法において、前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチステップと、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生し、かつ複数のグループに分けられたノズルに対し、ある一つのグループのノズルに設定された基準となる周期からのシフト距離に基づいて、他のグループのノズル周期をシフトすることにより発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成ステップと、前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加ステップと、前記出力イネーブル信号と、前記ラッチステップから出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチステップとを有することを特徴とする。
請求項10記載の発明によれば、インクの吐出を高精度に行うことができる。これにより、例えば、用紙等の記録媒体の種類に応じて単位面積あたりのインクの塗布量を微妙に設定でき、高精細な画像を記録媒体に形成することができる。また、インクの無駄を無くすことができる。
請求項11に記載された発明は、前記駆動波形印加ステップは、所定時間で前記圧電素子を放電させインクを引き込ませる放電波形と、前記所定時間より短い時間で前記圧電素子を充電しインクを吐出させるファイア波形とからなる駆動波形を生成することを特徴とする。
請求項11記載の発明によれば、放電波形とファイア波形とからなる駆動波形に基づいて、インクの吐出を高精度に行うことができる。
請求項12に記載された発明は、前記スイッチステップは、前記スイッチに直列に接続された電気抵抗により、前記放電波形の時に放電電流を制限し、前記ファイア波形の時に、前記個別電極から接地の方向に接続されたダイオードにより、前記電気抵抗の制限を受けることなく電流を流すことを特徴とする。
請求項12記載の発明によれば、電気抵抗により、インクの吐出を調整することができ、またダイオードにより、個別電極が正電位にならないように電流を流すことで、圧電素子の自然放電による電流分を補うことができる。
請求項13に記載された発明は、前記電気抵抗により制限される電流値と、前記放電波形により放電される電流値とを、概略等しくすることを特徴とする。
請求項13記載の発明によれば、個別電極の電位が、スイッチが閉になった電位付近に維持することができる。
請求項14に記載された発明は、前記出力イネーブル生成ステップは、前記複数ノズルを奇数番目ノズル及び偶数番目ノズルの2つのグループに分け、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1及び前記複数のグループに分けられた複数のノズルに対して設定された基準信号からのシフト距離D2で発生する出力イネーブル信号の生成について、(D2/D1)が1/2近傍となる場合と、(D2/D1)又は(1−D2/D1)が0近傍となる場合との2つの場合に対応した前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする。
請求項14記載の発明によれば、インク液滴が球形であれば、記録媒体上で最もムラなく塗布することができる。また、単位面積当たり最小のインク量で白筋等の画質欠陥のない記録画像が得られる。
請求項15に記載された発明は、前記出力イネーブル生成ステップは、ノズルピッチをPnとして、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1を2√3×Pnとし、かつ前記シフト距離D2を√3×Pnとするか、又は、前記整数倍の周期D1を2Pn/√3とし、かつ前記シフト距離D2をPn/√3とする前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする。
請求項15記載の発明によれば、インク液滴が球形であれば、記録媒体上で最もムラなく塗布することができる。また、単位面積当たり最小のインク量で白筋等の画質欠陥のない記録画像が得られる。
請求項16に記載された発明は、前記放電波形を印加している放電時間内に吐出データ1から0、又は0から1に変化した場合、変化直後の前記ファイア波形印加時に前記圧電素子に印加される駆動電位差は、前記放電時間全体において吐出データが1の時の電位差よりも小さくなり、かつその大きさは前記放電時間内において吐出データが1になっている時間が長いほど大きくなることを特徴とする。
請求項16記載の発明によれば、それらの時間の比にしたがって通常より量の少ないインクを吐出することができる。したがって、データの変わり目を滑らかにし、モアレ等の折り返し雑音を防止することができる。
本発明によれば、インクの吐出を高精度に行うことができる。
以下に、本発明の特徴を有する液滴吐出装置及び液滴吐出方法を好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施例では、液滴吐出装置としての一例としてインクジェット記録装置を用いて説明するが、本発明における液滴吐出装置は、これに限定されるものではない。
図1は、インクジェット記録装置の一構成例を示す図である。図1に示すインクジェット記録装置100は、PC等の制御装置101に接続されており、駆動回路102と、インクジェット記録ヘッドモジュール103と、インクタンク104と、記録媒体搬送装置105とを有するよう構成されている。
インクジェット記録装置100は、基板や用紙等の記録媒体に記録を開始する際、まず制御装置101からの制御信号により記録媒体搬送装置105を起動する。記録媒体搬送装置105は、記録用紙106をインクジェット記録ヘッドモジュール103に対して矢印107の方向(図1において、右から左)に搬送する。ここで、インクジェット記録ヘッドモジュール103の向きは、図1のように紙面縦方向とし、用紙搬送方向107と直交するものとする。
インクジェット記録装置100は、記録媒体搬送装置105を起動すると、例えば記録媒体搬送装置105に取り付けられているエンコーダ等により用紙位置検出信号ENCを生成し、駆動回路102に送信する。駆動回路102は、これを分周してライン毎の同期信号であるラッチイネーブルLEを作り制御装置101に送信する。
制御装置101は、駆動回路102からのラッチイネーブルLEを受信する。更に、制御装置101は、記録媒体搬送装置105に取り付けている光スイッチ等により送信される記録用紙106の先端検出信号“PAPER_TOP”を受信すると記録動作を開始する。
具体的には、制御装置101は、ラッチイネーブルLEに同期したデータクロックCLK及び吐出データDATを発生し、駆動回路102に出力する。ここで、吐出データDATは、ノズル毎のシリアルデータでデータクロックCLKに同期して送信され、「1」が吐出、「0」が非吐出を示す。一般に、吐出データは、記録しようとする画像データをインクジェット記録ヘッドモジュール103の取り付け位置に応じて並び替えを行い出力される。また、駆動回路102は、インクジェット記録ヘッドモジュール103に対して、全ノズル共通の駆動電圧VCOMと、ノズル毎個別の駆動電圧VNOZ1,2,…、を出力する。
インクジェット記録ヘッドモジュール103は、多数のノズル300からなり、上述した駆動電圧VCOM及びVNOZの他にインクタンク104からのインクがパイプ等により導かれている。ノズル300は、後述する仕組みによりインク液滴を記録用紙106に吐出する。これにより、記録用紙106に所望する記録画像が形成される。
ここで、図1の構成において、通常(従来)の駆動回路と本発明の駆動回路との相違点を明確に説明するため、まず、通常の駆動回路の構成とその動作内容について図を用いて説明する。
<通常の駆動回路例>
図2は、駆動回路の一構成例を示す図である。図2に示す駆動回路102は、出力イネーブル生成回路201と、ラッチイネーブル生成回路202と、シフトレジスタ203と、ラッチ204と、論理積回路205と、スイッチパルス206と、スイッチ207と、波形生成手段208と、ダイオード209とを有するよう構成されている。
ラッチイネーブル生成回路202は、予め記録用紙106に所定の画像を記録するための吐出データDATの搬送方向107における解像度を制御装置101から入力しておき、その解像度に基づいてラッチイネーブルLEを生成する条件を設定する。なお、本実施例では、一例として600dpiとする。したがって、ラッチイネーブル生成回路202は、用紙位置検出信号ENCを分周して600dpiのライン毎の同期信号であるラッチイネーブルLEを生成する。本実施例における用紙位置検出信号ENCは、記録用紙106の位置を0.5μm分解能で検出したものである。
また、本実施例では、吐出データDATの搬送方向解像度を600dpi(dot/inch)とする。そのため、ラッチイネーブル生成回路202は、記録用紙106が1/600inch搬送される毎にラッチイネーブルLEを生成する。ここで、用紙位置検出信号ENCは0.5μm分解能であるため、ラッチイネーブル生成回路202は、ラッチイネーブル生成回路202が有するカウンタ等により、信号ENCを83分周又は84分周し、42.5μm毎又は42μm毎のパルスとしてラッチイネーブルLEを生成する。また、ラッチイネーブル生成回路202は、これらを適当に交互に発生し誤差が累積しないように配慮している。
また、ラッチイネーブルLEの距離周期は、吐出データDATの搬送方向解像度が600dpi以外の場合は、各々で設定されるライン間隔となる。記録に一般的な解像度であれば、0.5μm分解能の用紙位置検出信号ENCから、公知の分周方法で累積誤差のないラッチイネーブルLEが生成できる。そのため、上述のように600dpiに限定して説明しても本発明の一般性を損ねることはない。
<ノズル構造>
次に、上述の駆動回路からの信号により動作するノズル300の構造について説明する。なお、ノズル300については、従来と本実施例とは同様の構成である。図3は、本実施例におけるノズル300の構造の一例を示す図である。図3のノズル300は、オリフィス(ノズル孔)301と、加圧室302と、振動板303と、圧電素子304と、信号入力端子305と、圧電素子固定基板306と、リストリクタ307と、共通インク供給路308と、弾性材料309と、リストリクタプレート310と、加圧室プレート311と、オリフィスプレート312と、支持板313とを有するよう構成されている。
ここで、リストリクタ307は、共通インク供給路308と加圧室302とを連結して、加圧室302へのインク流量を制御する。また、弾性材料309は、振動板303と圧電素子304とを連結するもので、例えばシリコーン接着剤等からなる。また、リストリクタプレート310はリストリクタ307を形成し、加圧室プレート311は加圧室302を形成し、オリフィスプレート312はオリフィス301を形成する。更に、支持板313は、振動板303を補強するものである。
また、振動板303、リストリクタプレート310、加圧室プレート311、及び支持板313は、例えばステンレス材等で作製されており、オリフィスプレート312は、例えばニッケル材等で作製されている。また、圧電素子固定基板306は、例えばセラミックス、ポリイミド等の絶縁物で作製されている。
また、図3で示したノズル300において、インクは上から下に向かって共通インク供給路308、リストリクタ307、加圧室302、オリフィス301の順に流れる。圧電素子304は、信号入力端子305に電圧が印加されているときに伸縮し、電圧が印加されなくなれば変形しないように取り付けられている。また、信号入力端子305には、後述するアナログ駆動信号が繋がれており、吐出タイミングにしたがって電圧が印加され、加圧室302内のインク液滴の一部がオリフィス301から吐出される。
また、図1に示したように、インクジェット記録ヘッドモジュール103は、図3に示すノズル300が一列に複数配列されている。本実施例では、そのピッチが100npi(nozzle/inch)であり、実際はそれを6本平行に並べてノズル方向の解像度を600dpiとしているが、本実施例では説明を容易にするため、仮に600npiのヘッド1本のみを用いた例について説明する。また、ノズル数も一例として256個とするが、本発明においてはこれに限定されるものではない。
また、図3において、信号入力端子305(a)は、その片側が全ノズル内部でつながっており、駆動電圧VCOMが印加される。また、信号入力端子305(b)は、各ノズル個別になっており、駆動電圧VNOZ1〜256が印加される。このように、信号入力端子305(a)を共通にすることにより、多数のノズルの駆動を簡易な回路で実現できるという特徴を有する。
ここで、図2に示した駆動回路102は、制御装置101から得られた吐出データDATについて、まずデータクロックCLKに同期して順次シフトレジスタ203に蓄積し、256ノズル分揃ったところで、ラッチイネーブルLEに同期してラッチ204に格納する。一方、ラッチイネーブルLEは、出力イネーブル生成回路201にも導かれる。
図4は、出力イネーブル生成回路の一構成例を示す図である。出力イネーブル生成回路211は、ラッチイネーブルLEと用紙位置検出信号ENCを入力し、出力イネーブルOE1,…,OEnを出力する。また、出力イネーブルOE1,…,OEnは、後述するn個のノズルグループに対する出力許可信号及びそれらノズルに対する駆動電圧波形VNOZの発生トリガ信号である。波形生成手段208は、この信号の立ち上がりを検出して、それに同期して駆動波形を生成する。
なお、本実施例では、図4に示すように説明上、出力イネーブルOEの数を2(n=2)とし、分けられるノズルグループを、奇数番目のノズルグループと偶数番目のノズルグループとする。
また、出力イネーブル生成回路201には、予めラッチイネーブルLEから各出力イネーブルOE1,OE2のそれぞれの立ち上がりまでの距離PH1(μm),PH2(μm)と、各々の時間パルス幅PW(μs)が制御装置101により設定されている。したがって、回路内部は、ラッチイネーブルLEに同期して用紙位置検出信号ENCを計数し、設定された距離PH1及びPH2に達すると出力パルスを立ち上げ、設定された共通の時間PWだけ進むと立ち下げるカウンタ回路となっている。
次に、ラッチ204は、格納された吐出データDATを、出力イネーブルOE1,OE2(本実施例ではn=2)が入力された論理積回路205に出力する。奇数ノズルの吐出データDATには出力イネーブルOE1が、偶数ノズルの吐出データDATには出力イネーブルOE2が繋がれている。また、その結果は、各々のノズルに対応したスイッチ207に出力される。
ここで、各スイッチ207の一方(例えば、図2において上側)は、各ノズル300の信号入力端子305(b)に繋がっており、電位は前記駆動電圧VNOZ1〜VNOZ256となる。また、各スイッチ207の他方(例えば、図2において下側)は、全て接地されている。更に、スイッチ207と並列にダイオード209が設けられている。
したがって、出力イネーブルOE1,OE2が‘1’の時は、スイッチ207が閉じてVNOZ1〜VNOZ256は接地される。また、出力イネーブルOE1,OE2が‘0’になると、スイッチ207は解放されて自由な電位となる。また、上述したように、OE1及びOE2の時間パルス幅PWは予め設定されているが、これは駆動電圧VCOMの波形時間幅分に設定されている。このため、駆動電圧VCOMが出力されている間は、出力イネーブルOE1,OE2が‘1’に保持されるため、完全な駆動電圧VCOMが圧電素子に印加されることになる。
また、ダイオード209は、その後もVNOZ1〜VNOZ256が正電位にならないように電流を流すため、圧電素子の自然放電による電流分を補うことができる。
次に、波形生成手段208について図を用いて説明する。なお、波形生成手段208も従来と本実施例とは同様の構成である。図5は、波形生成手段の一構成例を示す図である。なお、波形生成手段208は、従来と本実施例とは同様の構成である。図5に示す波形生成手段208は、高周波クロック出力部400と、バイナリカウンタ401と、波形メモリ402と、デジタルアナログコンバータ403と、オペアンプ回路404と、増幅器405とを有するよう構成されている。
バイナリカウンタ401は、高周波クロック出力部400からの高周波クロックHR−CLK2を計数し、また出力イネーブルOE1,OE2の立ち上がりでクリアされる。また、バイナリカウンタ401は、そのバイナリ出力を波形メモリ402に出力する。波形メモリ402は、メモリの格納された出力波形データ410を、デジタルアナログコンバータ403に出力する。デジタルアナログコンバータ403は、入力したデータをアナログ信号としてオペアンプ回路404に出力する。オペアンプ回路404及び増幅器405は、信号を増幅し、駆動電圧VCOMを生成する。また、増幅器405は生成した駆動電圧VCOMを各ノズル300の信号入力端子305(a)に印加する。ここで、駆動電圧VCOMの時間幅は、ヘッドやインク等によって異なるが、通常数μsから十数μsに設定される。したがって、出力イネーブルOE1,OE2の時間パルス幅PWも、これに合わせて設定される。
ここで、図6は、通常の駆動回路のタイミングチャートの一例を示す図である。制御装置101から得られる256ノズル分の吐出データDAT及びデータクロックCLKは、m番目(m≧1)のライン同期を示すラッチイネーブルLE(m)と、m+1番目のライン同期を示すラッチイネーブルLE(m+1)との間で送られる。
ここで、高速マルチノズルインクジェット装置の場合は、通常時間的な余裕がないため、ほぼ全時間を使って送られる。本実施例の場合、ラッチイネーブルLEは、600dpi(dot/inch)の周期で発生し、時間にするとほぼ周期50μsである。また、データクロックCLKの周期は、8MHzであるため、256ノズル分のデータDATを転送するのに32μsかかる。
出力イネーブルOE1は、ラッチイネーブルLEが‘1’になるとそれに同期してそこからPH1(本実施例ではPH1=0μm)だけ進むと‘1’になり、駆動信号VCOMの時間幅PW(本実施例ではPW=10μs)だけ保持し、その後‘0’に落ちる。
出力イネーブルOE2は、ラッチイネーブルLEが‘1’になるとそれに同期してそこからPH2(本実施例ではPH2=21μm)だけ進むと‘1’になり駆動信号VCOMの時間幅PWだけ保持し、その後‘0’に落ちる。
波形生成手段208は、出力イネーブルOE1,OE2の立ち上がりに同期して、圧電素子の駆動信号を生成しVCOMとして圧電素子の共通電極に印加する。また、VCOM波形は、図6に示すような逆台形状の波形で、図6におけるVppは30〜40V、波形時間幅は10μsである。
一方、圧電素子の個別電極のうち、奇数ノズルの圧電素子の個別電極に印加されるVNOZ1(なお、VNOZ3,VNOZ5,…も同様に説明できるため、VNOZ1で代表する)は、対応する吐出データDATが‘1’の時は、VNOZ1(on)のように出力イネーブルOE1が‘1’の時にスイッチ207が短絡され0Vに固定される。このため、圧電素子にVCOMが印加され、インクが吐出される。また、対応する吐出データDATが‘0’の時は、VNOZ1(off)のようにスイッチ207が開放されたままであるため、圧電素子にVCOMが印加されずにインクが吐出されない。
また、圧電素子の個別電極のうち、偶数ノズルの圧電素子個別電極に印加されるVNOZ2(なお、VNOZ4,VNOZ6,…も同様に説明できるため、VNOZ2で代表する)は、対応する吐出データDATが‘1’の時は、VNOZ2(on)のように出力イネーブルOE2が‘1’の時にスイッチ207が短絡され0Vに固定される。このため、圧電素子にVCOMが印加されインクが吐出される。また、対応する吐出データDATが‘0’の時は、VNOZ2(off)のようにスイッチ207が開放されたままであるため、圧電素子にVCOMが印加されずにインクが吐出されない。
このように、図6に示す駆動方法は従来の2シフト駆動方法であり、べた画像記録時においては全ノズル同時吐出を避けることができ、また、電気的かつ機械的クロストークを低減する効果がある。
このように、上述した従来の駆動回路は、出力イネーブルOE信号の発生が、ラッチイネーブルLEに同期している。つまり、ラッチイネーブルLEの1クロックに対してOE1,OE2が、距離位相(PH1,PH2)は異なるものの、各々1回ずつ生成される。他の従来例に関しても、距離位相や生成回数こそ異なる場合があるものの、ラッチイネーブルLEに同期して生成される点においては共通している。
また、図7は、用紙上に塗布されたインク液滴の定着の様子の一例を示す図である。なお、図7では、蒸発の少ない(沸点の低い)溶剤又は油性のインクを例にして説明する。また、これらのインクは、ノズル内部で蒸発しないため、ノズル目詰まりに対し高い信頼性を有する。しかしながら、インクは、用紙上でも蒸発しないため、定着はもっぱら用紙内への浸透で達成される。なお、図7(a)〜(c)において、図の左側がインク液滴着弾の瞬間を示し、右側がその直後からインクが記録紙に浸透するまでの状態の図を示している。
図7(a)は、孤立した1点を記録する場合を示している。図7(a)の場合、インクは大きく広がりながら浸透するため、直ぐに全部が浸透し定着される。また、図7(b)は、孤立した1点幅の線を記録する場合を示している。この場合、インクは線の繋がる方向には広がれないため、面積はあまり広がらない。そこで、用紙への単位面積当たりの浸透量は多くなり、若干染み込めないインクが表面に残る。更に、図7(c)は、べた画像部を記録する場合を示している。この場合、インクは広がることができないため、そのまま用紙内に浸透する。また、浸透には限界があるため、表面に染み込めないインクが大量に残る。このようになると、表面の未定着インクは、ドライヤ等の加熱乾燥手段を用いたとしても容易に乾かすことができない。また、面積が広がらないために、浸透しきれていないインクが用紙裏面まで到達してしまい、両面記録が不可能となってしまう。このように、必要以上のインクの吐出は、記録上の問題を起こすだけでなく、インクを無駄に消費することになる。
この対策として、従来では以下のような2つの方法がある。1つは、圧電素子への駆動電圧を変調する等してインク液滴そのものを小さくする方法である。この方法は、インク量を調整する方法としては理想的だが、回路が複雑になるため高速マルチノズルインクジェットの制御方法としては適切ではない。
また、もう1つは、また吐出データを間引くことにより塗布インク量を調整する方法である。図8は、吐出データを間引く方法により塗布インク量を調整した一例を示す図である。図8に示すように、吐出データを間引く方法は、通常のディザ法等の中間調再現方法と同様の手法である。具体的には、奇数ノズルN1,N3,…,における吐出タイミング(図8において、黒丸)は、記録方向に対し600dpiになっている。また、偶数ノズルN2、N4,…,に対する吐出タイミング(黒丸で示す)は、記録方向に対し300dpiである。そのため、べた画像部では600dpiの画像に対し塗布インク量を75%に調整することができる。しかしながら、この方法は解像度が低下するため、濃度むらが発生する等、画質を劣化させてしまう。また、100%と75%との間の微調整ができない点も問題である。ベースの解像度が1200dpi,2400dpiと高い場合は良いが、高解像度化は高速マルチノズルインクジェットの制御方法として適切ではない。
そこで、以下に高速マルチノズルインクジェットの制御方法として好適な、インク液滴吐出の調整方法について図を用いて説明する。
<本発明に係る駆動回路例>
図9は、本実施例における駆動回路の一構成例を示す図である。なお、図9では、図2と同様の構成については同一符号を用いることとし、その説明は省略する。また、図10は、本実施例における出力イネーブル生成回路の一構成例を示す図である。
図9及び図10に示すように本発明に係る実施例としての出力イネーブル生成回路211は、図4に示した従来のものと異なり、用紙位置検出信号ENCだけを入力し、ラッチイネーブルLEを入力していない。したがって、予め制御装置101により、設定しておくパラメータも、従来の距離PH1及びPH2の替わりに、出力イネーブルOE1,OE2の距離周期D1(μm)と、OE1発生からOE2発生までのシフト距離D2(μm)とが設定される。なお、各々の時間パルス幅PW(μs)については従来と同様である。これにより、出力イネーブルOE1,OE2の発生は、ラッチイネーブルLEとは非同期になり、吐出データDATの搬送方向解像度の影響を全く受けなくなる点が従来との大きな相違点となる。
ここで、出力イネーブル生成回路211内部は、用紙位置検出信号ENCを計数し、設定された距離D1及びD2に達すると出力パルスを立ち上げるカウンタ回路となっている。また、出力イネーブル生成回路211内部は、設定された共通の時間PWだけ進むと立ち下げるカウンタ回路となっている。
また、図9に示す駆動回路には、スイッチ回路にスイッチ207に流れる電流を制限するための電気抵抗212を設けている。また、図11は、駆動回路のスイッチ部分の他の構成例を示す図である。図11に示すようにスイッチ回路の一方が電源213に接続されている。図11により、スイッチ回路は、スイッチ207を切り替え、吐出信号を正電位とすることが可能で、回路の簡易化を実現することができる。なお、上述の電気抵抗212の抵抗値についての具体的な説明は後述する。
図12は、本実施例の駆動回路の動作タイミングチャートの一例を示す図である。上述した図6における従来の駆動回路の動作タイミングチャートと異なる第1の相違点は、駆動波形VCOMがラッチイネーブルLEとは独立に生成される点である。図6に示すように、通常ではラッチイネーブルLEは、転送するデータDATに設定される解像度で発生させる必要がある。そのため、ラッチイネーブルLEは、決められた距離周期(本実施例では600dpi、つまり約42μm)毎に発生している。これに対し、本発明では、駆動波形VCOMは、出力イネーブルOE1,OE2によって生成されるため、それらの距離周期D1は10μm毎であっても、また20μm毎であってもよく、自由に設定することができる。
図12に示すように本実施例では、0.5μm分解能のエンコーダを使っているため、距離周期D1については0.5μm刻みでほぼ連続的に設定することができる。ここで、図12に示す例では、距離周期D1=19μm、シフト距離D2=9.5μmとした場合である。したがって、9.5μm毎に駆動波形VCOMが発生するようになっている。
また、奇数ノズルのインクの吐出タイミングは、OE1に同期しており周期は19μmになる。また、偶数ノズルのインクの吐出タイミングは、OE2に同期しており、周期は同じく19μmになる。これらは、ラッチイネーブルLEの周期とは関係なく生成されることになる。
また、このインクの吐出タイミングの周期D1(及びD2)を変更することによって、単位面積当たりの塗布インク量が調整されることになる。具体的には、周期D1を長くすると塗布インク量が減り、周期D1を短くすると塗布インク量が増えることになる。なお、周期D1は、転送するデータDATの解像度を周期として発生するLEと同期していないので、連続的に変化させることが可能である。
また、第2の相違点は、駆動波形VCOMを生成している最中に、吐出データDATを更新できるようにした点である。ここで、図12では、VCOM及びVNOZの波形は、駆動波形印加手段より所定時間で圧電素子を放電させインクを引き込ませる放電波形502と、上述の所定時間より短い時間で圧電素子を急激に充電しインクを吐出させるファイア(FIRE)波形501とからなる。
ここで、図12に示すVNOZ1(on)の波形に関する発生原理は、図6に示したものと同じく、信号OE1がハイのときにスイッチ207がオンになり、接地される。この結果、奇数ノズルのうち吐出データDATがオンのノズルからインクが吐出する。
信号OE1がローのときはスイッチ207がオフになり、VCOMがVNOZ1としてそのまま出力され、インクは吐出しない。
図12においては、LE(m+1)が発生する時刻(図中縦点線で示す)に、吐出データDATがon(‘1’)からoff(‘0’)に変化した場合を示している。このように変化すると、例えば、図11のスイッチ207が開き放電が停止するため、その時点で圧電素子304に残留する電荷が残る。また、インク吐出に寄与するのは、急激な充電波形である。
通常の場合、ファイア波形501時のVCOMとVNOZとの電位差は、Vppになるものの、この場合は残留電荷のため図12に示すように‘Vfon−off(VfonからVfoffを減算した値)’に減ることになる。これにより、インク吐出が減ることになる。
この結果、信号LE(m)からLE(m+1)までの区間で、正規の大きさの液滴が2発と、大きさの小さな液滴が1発、次の区間との境界において吐出される。
また、この電位差Vfon−offは、ファイア波形501直前の放電波形502においてonとoffの時間のうち、offの時間が長ければ長いほど小さくなる。これにより、駆動波形VCOMを生成している最中に、吐出データDATがonからoffになった場合、それらの時間の比にしたがって通常より量の少ないインク液滴を吐出する。したがって、データの変わり目、すなわち画像のエッジ部分となる境界部を滑らかにし、モアレ等の折り返し雑音を防止することができるという効果が得られる。
更に、図12中のVNOZ1(off)の欄の中に、駆動波形VCOMを生成中にラッチイネーブルLE(m+1)により、吐出データDATがoff(‘0’)からon(‘1’)に変化した場合を示している。
このように変化すると、例えば、図9に示すスイッチ207が閉じ、急に放電が開始されるが、図9の電気抵抗212で電流が制限されるため、放電波形502中は直ぐに放電できない。また、電気抵抗212により制限される電流値と、放電波形により放電される電流値とが概略等しくなるような適当な抵抗値とすることにより、図12のようにVNOZの電位が、スイッチが閉になった電位(Vfoff−onと呼ぶ)付近に維持される。つまり、本発明での駆動波形VCOMは、放電波形502の直後にファイア波形501となるため、結局ファイア波形501時のVCOMとVNOZとの電位差はVfoff−onに減ってしまう。これによりインク吐出が減ることになる。
このVfoff−onは、ファイア波形501直前の放電波形502において、offとonの時間のうち、offの時間が長ければ長いほど小さくなる。これにより、駆動波形VCOMを生成している最中に、吐出データDATがoffからonになった場合についても、それらの時間の比にしたがって通常より量の少ないインク液滴を吐出することができる。これにより、データの変わり目を滑らかにし、モアレ等の折り返し雑音を防止することができる。
なお、VNOZ2(on)及びVNOZ2(off)についても同様であるが、この場合、LE(m+1)が発生する時刻(図中縦点線で示す)において吐出しないため、インク量の減少はおこらない。
以上、本実施例によれば、駆動波形VCOMの周期を吐出データDATの転送とは無関係に、つまり、吐出データDATの搬送方向解像度とは無関係に、殆ど任意に調整することにより画質を損ねることなく所望のインク量で記録媒体を塗布できるという効果がある。
なお、本実施例では、ノズルグループの数Nを、N=2としてきたが、駆動波形VCOMの波形時間幅PWが小さく、また用紙搬送速度が小さく、距離周期D1にかかる時間が十分に大きければ、ノズルグループの数に応じて距離周期D1−I(Iはノズルグループ対応番号)を設定することが可能である。この場合、シフト距離D2は設定されてない。また、距離周期D1を全てのノズルグループで同じ値に固定して、ノズルグループの数に応じてシフト距離D2−I(Iはノズルグループ対応番号)を設定することも可能である。その場合でも本実施例は適用可能であり、ノズルグループ毎に最適化することができる。
<インク塗布位置の第1の設定例>
ここで、上述した本実施例におけるインク塗布位置の設定例について説明する。図13は、本実施例におけるインク塗布位置の第1の設定例を示す図である。図13に示す第1の設定例では、ノズル300のピッチPnが1/600インチ(約42.3μm)とし、距離周期D1を2√3×Pn近傍(147μm)に設定し、シフト周期D2を√3×Pnの近傍(73.5μm)に設定している。これにより、インク塗布による記録媒体への記録結果は、図13(a)のような細密格子状に塗布することができる。また、同様に距離周期D1を2×Pn/√3近傍(49μm)に設定し、シフト周期D2をPn/√3の近(24.5μm)に設定すれば、インク塗布による記録媒体への記録結果は図13(b)のような細密格子状に塗布することができる。
上述したように第1の設定例によりインクの塗布位置を調整してインク量の吐出を調整することにより、インク液滴が球形であれば、紙面上で最もムラなく塗布することができる。また、単位面積当たり最小のインク量で白筋等の画質欠陥のない記録画像が得られる。
<インク塗布位置の第2の設定例>
次に、上述した本実施例におけるインク塗布位置の他の設定例について説明する。図14は、本実施例におけるインク塗布位置の第2の設定例を示す図である。図14に示す第2の設定例は、出力イネーブル信号OE1,OE2の距離周期をD1(μm)とし、基準となる出力イネーブル信号OE1の発生から出力イネーブル信号OE2の発生までのシフト距離をD2(μm)として記録する場合において、シフト距離D2を調整することにより記録用紙106上での塗布位置を設定するものである。
つまり、出力イネーブルOE1及びOE2の距離周期をD1とすると、D2/D1(D2をD1で除算した値)が1/2に近い(1/2近傍)場合は、上述の図7(a)に示すようなインクの浸透となる。また、D2/D1が0又は1に近い場合(言い換えればD2/D1、及び1−D2/D1)が0に近い(0近傍)場合)、図7(b)に示すようなインクの浸透となる。したがって、上述の2つの場合は、それぞれ記録用紙106へのインクの浸透の仕方や滲み方が異なるため、表面のインク画像の画質が異なることになる。
したがって、本実施例を適用したD2/D1の値を調整することにより、記録画像を広くに滲ませ、表面の乾燥が速くなるように調整することができる。また、用紙の裏抜けを防止することができ、両面記録したりする場合は、D2/D1を1/2に近く設定することによって達成することができる。また、滲みを抑えて画像濃度を上げたり、縦横線のエッジ部をシャープにする等して画質を上げる場合はD2/D1を0か1に近く設定することによって達成することができる。
このように、記録用紙への記録前に、上述した何れかの塗布内容を予め選択し設定しておくことにより、本発明の特長を生かすことができる。
上述したように本発明によれば、インクの吐出を高精度に行うことができる。つまり、用紙種類に応じて単位面積当たりのインク塗布量を高精度に設定することができる。これにより、高画質にすると同時にインクの無駄をなくすことができる。また、インク乾燥、裏抜けといった現象の他、記録画質も微妙に調整できるようになり、トータルな最適化が可能になる。また、データの境界で発生するモアレ等の画質劣化要因に対しても、比率に応じて中間調吐出が可能となるため、高精細な画像を形成することができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
インクジェット記録装置の一構成例を示す図である。 駆動回路の一構成例を示す図である。 本実施例におけるノズルの構造の一例を示す図である。 出力イネーブル生成回路の一構成例を示す図である。 波形生成手段の一構成例を示す図である。 通常の駆動回路のタイミングチャートの一例を示す図である。 用紙上に塗布されたインク液滴の定着の様子の一例を示す図である。 吐出データを間引く方法により塗布インク量を調整した一例を示す図である。 本実施例における駆動回路の一構成例を示す図である。 本実施例における出力イネーブル生成回路の一構成例を示す図である。 駆動回路のスイッチ部分の他の構成例を示す図である。 本実施例の駆動回路の動作タイミングチャートの一例を示す図である。 本実施例におけるインク塗布位置の第1の設定例を示す図である。 本実施例におけるインク塗布位置の第2の設定例を示す図である。
符号の説明
100 インクジェット記録装置
101 制御装置
102 駆動回路
103 インクジェット記録ヘッドモジュール
104 インクタンク
105 記録媒体搬送装置
106 記録用紙
107 用紙搬送方向
201,211 出力イネーブル生成回路
202 LE生成回路
203 シフトレジスタ
204 ラッチ
205 論理積回路
206 スイッチパルス
207 スイッチ
208 波形発生装置
209 ダイオード
212 電気抵抗
213 電源
300 ノズル
301 オリフィス(ノズル孔)
302 加圧室
303 振動板
304 圧電素子
305 信号入力端子
306 圧電素子固定基板
307 リストリクタ
309 弾性材料
310 リストリクタプレート
311 加圧室プレート
312 オリフィスプレート
313 支持板
400 高周波クロック出力部
401 バイナリカウンタ
402 波形メモリ
403 デジタルアナログコンバータ
404 オペアンプ回路
405 増幅器
410 出力波形データ
501 ファイア(FIRE)波形
502 放電波形

Claims (16)

  1. 複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、所定の搬送方向に移動している記録媒体に前記記録ヘッドモジュールからインクを吐出する液滴吐出装置において、
    前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチ回路と、
    前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成手段と、
    前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加手段と、
    前記出力イネーブル信号と、前記ラッチ回路から出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチ回路とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、記録媒体を搬送方向に移動させインクを前記記録ヘッドモジュールから吐出する液滴吐出装置において、
    前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチ回路と、
    前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生し、かつ複数のグループに分けられたノズルに対し、ある一つのグループのノズルに設定された基準となる周期からのシフト距離に基づいて、他のグループのノズル周期をシフトすることにより発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成手段と、
    前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加手段と、
    前記出力イネーブル信号と、前記ラッチ回路から出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチ回路とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 前記駆動波形印加手段は、
    所定時間で前記圧電素子を放電させインクを引き込ませる放電波形と、前記所定時間より短い時間で前記圧電素子を充電しインクを吐出させるファイア波形とからなる駆動波形を生成することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記スイッチ回路は、
    前記スイッチに直列に接続され、前記放電波形の時に放電電流を制限するための電気抵抗と、
    前記ファイア波形の時に、前記個別電極から接地の方向に接続され、前記電気抵抗の制限を受けることなく電流を流すダイオードとを有することを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記電気抵抗により制限される電流値と、前記放電波形により放電される電流値とが、概略等しいことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記出力イネーブル生成手段は、
    前記複数ノズルを奇数番目ノズル及び偶数番目ノズルの2つのグループに分け、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1及び前記複数のグループに分けられた複数のノズルに対して設定された基準信号からのシフト距離D2で発生する出力イネーブル信号の生成について、
    (D2/D1)が1/2近傍となる場合と、
    (D2/D1)又は(1−D2/D1)が0近傍となる場合との2つの場合に対応した前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記出力イネーブル生成手段は、
    ノズルピッチをPnとして、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1を2√3×Pnとし、かつ前記シフト距離D2を√3×Pnとするか、又は、前記整数倍の周期D1を2Pn/√3とし、かつ前記シフト距離D2をPn/√3とする前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  8. 前記記録ヘッドモジュールは、インクジェット記録ヘッドモジュールであることを特徴とする請求項1に記載の液滴排出装置。
  9. 複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、所定の搬送方向に移動している記録媒体に前記記録ヘッドモジュールからインクを吐出する液滴吐出方法において、
    前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチステップと、
    前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成ステップと、
    前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加ステップと、
    前記出力イネーブル信号と、前記ラッチステップから出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチステップとを有することを特徴とする液滴吐出方法。
  10. 複数ノズルを配置した記録ヘッドモジュールを少なくとも1つ有し、記録媒体を搬送方向に移動させインクを前記記録ヘッドモジュールから吐出する液滴吐出方法において、
    前記搬送方向の解像度が設定された吐出データを該解像度区間毎に取得し、前記解像度区間内でノズル毎に吐出データを設定するラッチステップと、
    前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍で周期的に発生し、かつ複数のグループに分けられたノズルに対し、ある一つのグループのノズルに設定された基準となる周期からのシフト距離に基づいて、他のグループのノズル周期をシフトすることにより発生する出力イネーブル信号を生成する出力イネーブル生成ステップと、
    前記出力イネーブル信号に同期して前記複数ノズルの各ノズルの圧電素子の共通電極線に駆動波形を印加する駆動波形印加ステップと、
    前記出力イネーブル信号と、前記ラッチステップから出力される吐出データとの論理積に基づいてスイッチを開閉し、前記各ノズルの圧電素子の個別電極を接地に導くスイッチステップとを有することを特徴とする液滴吐出方法。
  11. 前記駆動波形印加ステップは、
    所定時間で前記圧電素子を放電させインクを引き込ませる放電波形と、前記所定時間より短い時間で前記圧電素子を充電しインクを吐出させるファイア波形とからなる駆動波形を生成することを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出方法。
  12. 前記スイッチステップは、
    前記スイッチに直列に接続された電気抵抗により、前記放電波形の時に放電電流を制限し、前記ファイア波形の時に、前記個別電極から接地の方向に接続されたダイオードにより、前記電気抵抗の制限を受けることなく電流を流すことを特徴とする請求項11に記載の液滴吐出方法。
  13. 前記電気抵抗により制限される電流値と、前記放電波形により放電される電流値とを概略等しくすることを特徴とする請求項12に記載の液滴吐出方法。
  14. 前記出力イネーブル生成ステップは、
    前記複数ノズルを奇数番目ノズル及び偶数番目ノズルの2つのグループに分け、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1及び前記複数のグループに分けられた複数のノズルに対して設定された基準信号からのシフト距離D2で発生する出力イネーブル信号の生成について、
    (D2/D1)が1/2近傍となる場合と、
    (D2/D1)又は(1−D2/D1)が0近傍となる場合との2つの場合に対応した前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出方法。
  15. 前記出力イネーブル生成ステップは、
    ノズルピッチをPnとして、前記解像度区間とは異なる所定周期であって、前記記録媒体の位置を所定の分解能で検出した結果を出力する用紙位置検出信号の整数倍の周期D1を2√3×Pnとし、かつ前記シフト距離D2を√3×Pnとするか、又は、前記整数倍の周期D1を2Pn/√3とし、かつ前記シフト距離D2をPn/√3とする前記出力イネーブル信号を生成することを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出方法。
  16. 前記放電波形を印加している放電時間内に吐出データ1から0、又は0から1に変化した場合、変化直後の前記ファイア波形印加時に前記圧電素子に印加される駆動電位差は、
    前記放電時間全体において吐出データが1の時の電位差よりも小さくなり、かつその大きさは前記放電時間内において吐出データが1になっている時間が長いほど大きくなることを特徴とする請求項11に記載の液滴吐出方法。
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