本発明の一実施形態の回路遮断器は、図1および図2に示すように、絶縁性を有する樹脂材料(一例としてはフェノール樹脂)により形成された樹脂成形品からなる器体1を備えている。
器体1の長手方向一端側(図1(a)における左端側)には電源側端子板20が設けられ、器体1の長手方向他端側(図1(a)における右端側)には負荷側端子板21が設けられている。電源側端子板20および負荷側端子板21それぞれには、直流電源や負荷の接続に用いられる電線(図示せず)を固定するための締付ねじ22がワッシャ23およびナット24とともに螺着されており、これらによって、直流電源に接続される電源端子10および負荷に接続される負荷端子11が構成されている。
ここで、器体1には、図1(b)に示すように、電源端子10が器体1の幅方向(図1(b)における左右方向)において2つ並設されており、以下の説明では、2つの電源端子10を区別するために、必要に応じて、直流電源の高電位側に接続される電源端子10を高電位側電源端子と称して符号10Hで表し、直流電源の低電位側に接続される電源端子10を低電位側電源端子と称して符号10Lで表す。また、負荷端子11も器体1の幅方向において2つ並設されており、以下の説明では2つの負荷端子11を区別するために、必要に応じて、高電位側電源端子10Hに対応する負荷端子11を高電位側負荷端子と称して符号11Hで表し、低電位側電源端子10Lに対応する負荷端子11を低電位側負荷端子と称して符号11Lで表す。なお、図1(b)においては、ワッシャ23およびナット24の図示を省略している。
各電源側端子板20には、例えば、耐溶着性、耐環境性、および耐熱性の高い金属材料(例えば、銀系の金属材料)を用いて形成された固定接点30が設けられている。各固定接点30には、固定接点30と同様の材料により形成された可動接点31が接離可能に配置され、固定接点30と可動接点31とによって、機械接点からなる開閉手段3が構成されている。
可動接点31は、器体1に可動自在に収納された可動接触子40に設けられており、可動接触子40は、可撓性を有する電線である編組線41と、熱応動素子からなるバイメタル42とによって、負荷側端子板21に電気的に接続されている。バイメタル42は、器体1の高さ方向(図1(a)における上下方向)に長手方向を沿わせた形で器体1に収納されており、自由端側となる長手方向一端側(図1(a)における上端側)において編組線41と接続され、固定端側となる長手方向他端側(図1(a)における下端側)において負荷側端子板21と接続されている。このバイメタル42は、自身の温度が上昇するにつれて、自由端が器体1の長手方向一端側に移動するように構成されている。
可動接触子40は、可動アーム43に固定されており、可動アーム43は、軸部44により器体1に枢支された可動枠45の開口(図示せず)に貫挿されている。また、器体1には、手動操作により開閉手段3を開閉するための操作ハンドル46が軸部44によって変位自在(本実施形態では回動自在)に取り付けられている。
操作ハンドル46には、操作摘み46aが設けられており、この操作摘み46aは、器体1の高さ方向一面側(図1(a)における上面側)に開口したハンドル孔1aより器体1外部に突出されている。なお、ハンドル孔1aは、開閉手段3が閉極する投入位置と開閉手段3が開極する開放位置との間で操作ハンドル46を移動させることができる大きさに形成されている。
操作ハンドル46は、引きばね(引っ張りばね、引っ張りコイルばねともいう)からなる連結ばねS1によって可動アーム43と連結されている。これによって、操作ハンドル46が開放位置に位置しているときは、可動アーム43が可動接点31を固定接点30から離間させる位置に位置し(つまり開閉手段3が開極し)、操作ハンドル46が投入位置に位置しているときは、可動アーム43が可動接点31を固定接点30に接触させる位置に位置する(つまり開閉手段3が閉極する)ようにしている。また、操作ハンドル46が開放位置と投入位置との間を移動する際には、連結ばねS1のばね力によって、固定接点30と可動接点31との接離が迅速に行われ、可動接点31が固定接点30に接触したときには、可動接点31が所定の接圧で固定接点30に接触する。したがって、可動接触子40と、可動アーム43と、操作ハンドル46と、連結ばねS1とによって、操作ハンドル46の操作に応じて各開閉手段3を開閉する開閉機構部4が構成されている。なお、上記の開閉機構部4はあくまでも一例であって、その他の周知の構成を採用してもよい。
ところで、可動枠45は、コイルばねからなる開離ばねS2によって、器体1の長手方向他端側(図1(a)における右端側であって、可動接点31が固定接点30から離間する方向)に付勢されている。この可動枠45は、ラッチ板47によって開離ばねS2により付勢された状態に係止(ラッチ)される。ラッチ板47は、可動枠45を係止する係止片47aを有しており、可動枠45を係止ラッチする位置と、可動枠45をラッチしない位置との間を回動自在となる形で器体1に枢着されている。
ここで、ラッチ板47によって可動枠45がラッチされている間は、操作ハンドル46の操作に応じて可動アーム43が回動し、開閉手段3の開閉が行われる。一方、ラッチ板47による可動枠45のラッチが解除されると、可動枠45は、開離ばねS2のばね力によって、可動アーム43が器体1の長手方向他端側に移動するように、軸部44の回りに回動され(図1(a)における反時計回り方向に回動され)、その結果、可動接点31が固定接点30から離間する。
このラッチ板47は、板ばね48によって、可動枠45をラッチする位置に保持されている。板ばね48は略ム字形のものであって、両方の腕部48a,48bが器体1の長手方向一端側(図1(a)における左端側)よりラッチ板47に弾接されている。ここで、操作ハンドル46が開放位置に位置しているときには、一方の腕部48bは、操作ハンドル46に当接するようになっており、これによって、ラッチ板47が可動枠45をラッチする位置から移動しないようにしている。一方、操作ハンドル46が投入位置に位置しているときは、一方の腕部48bは、操作ハンドル46に当接せず、これによって、ラッチ板47が可動枠45をラッチする位置から移動可能としている。
ラッチ板47における板ばね48側とは反対側には、バイメタル42の自由端側に設けられた押圧ねじ49が対向配置されている。したがって、操作ハンドル46が投入位置に位置しているときに、直流電源と負荷との間に過電流が流れたことによってバイメタル42の温度が上昇し、バイメタル42が曲がった際には、押圧ねじ49によってラッチ板47が押圧されて、ラッチ板45が、可動枠45をラッチする位置から移動され、これによって、開閉手段3が開極する。つまり、可動枠45と、ラッチ板47と、開離ばねS2と、バイメタル42と、押圧ねじ49とによって、直流電源と負荷との間に過電流が流れた際に各開閉手段3を釈放させる引外し装置5が構成されている。このような引外し装置5を動作させるタイミングは、押圧ねじ49のバイメタル42からの突出量によって調整することができる。また、引外し装置5は、あくまでも一例であって、その他の周知の構成を採用してもよい。例えば、本実施形態の引外し装置5は、バイメタル42を利用して過電流のうち過負荷電流を検出するものであるが、電磁石装置を利用して短絡電流を検出するものとしてもよく、あるいは電磁石装置とバイメタルとを併用して、短絡電流と過負荷電流の両方を検出するものとしてもよい。
このような器体1には、各開閉手段3の固定接点30と可動接点31との間に生じるアーク放電を迅速に消弧するための消弧装置6が収納されている。なお、消弧装置6は、従来周知のものを採用することができるから詳細な説明を省略する。
上述したように、本実施形態の回路遮断器は、直流電源(図示せず)の高電位側および低電位側にそれぞれ接続される高電位側電源端子10Hおよび低電位側電源端子10Lと、高電位側電源端子10Hおよび低電位側電源端子10Lそれぞれに対応する高電位側負荷端子11Hおよび低電位側負荷端子11Lとを具備し、開閉手段3を高電位側電源端子10Hと高電位側負荷端子11Hとの間および低電位側電源端子10Lと低電位側負荷端子11Lとの間それぞれに挿入する形で収納する器体1と、器体1に変位自在に取り付けられた手動操作用の操作ハンドル46を具備し当該操作ハンドル46の操作に応じて開閉手段3を開閉する開閉機構部4と、直流電源と負荷(直流負荷)との間に過電流が流れた際に開閉手段3を釈放させる引外し装置5とを備えている。
さらに、本実施形態の回路遮断器は、高電位側電源端子10Hと低電位側電源端子10Lの極性が逆極性であるときに操作ハンドル46を開放位置に拘束する拘束手段7を備えている。
拘束手段7は、操作ハンドル46が開放位置から投入位置まで移動する際の移動経路に進出した位置と当該移動経路から退出した位置との間を移動可能な形に設けられたプランジャ(可動鉄芯)70と、高電位側電源端子10Hと低電位側電源端子10Lとの間に挿入されたコイルLを有し当該コイルLが発生する電磁気力によりプランジャ70を移動させる電磁石装置71とを備えている。
ここで、プランジャ70が、操作ハンドル46の上記移動経路に進出している場合(図1(a)に示すように、上記移動経路上に位置している場合)には、プランジャ70が操作ハンドル46に当接することによって、操作ハンドル46は、開放位置に拘束される。一方、プランジャ70が上記移動経路から退出している(上記移動経路上に位置していない場合)には、プランジャ70は操作ハンドル46に接触しないから、操作ハンドル46は、開放位置に拘束されず、投入位置と開放位置とを自由に移動できる。
したがって、プランジャ70は、操作ハンドル46を拘束しない自由位置(上記移動経路上に位置しない位置)と、操作ハンドル46に当接して当該操作ハンドル46を開放位置に拘束する拘束位置(上記移動経路上に位置する位置)との間を移動自在な形に設けられている。
電磁石装置71は、コイルLが外周面に巻回された筒状のコイルボビン71aと、磁性板71bとを備えている。磁性板71bは、コイルボビン71aの長手方向一端側(図1(a)における左端側)の開口を閉塞する形に配置されており、コイルボビン71aの長手方向一端側の開口を閉塞する部位に、固定鉄芯71cが形成されている。
プランジャ70は、例えば棒状の永久磁石からなり、長手方向一端側(図1(a)における左端側)がN極に、長手方向他端側(図1(a)における右端側)がS極に着磁されている。このプランジャ70は、コイルボビン71aの長手方向他端側(図1(a)における右端側)の開口より突退出自在に配置されている。また、プランジャ70と磁性板71bとは、コイルばねからなる復帰ばね72によって連結され、コイルLに通電されてない場合には、プランジャ70は、復帰ばね72のばね力によって拘束位置に保持される。
コイルLは、高電位側電源端子10Hの電位が低電位側電源端子10Lの電位よりも高いときに、固定鉄芯71cがS極となるような磁界を発生させ(プランジャ70と磁性板71bとの間に引力を発生させ)、高電位側電源端子10Hの電位が低電位側電源端子10Lの電位よりも低いときに、固定鉄芯71cがN極となるような磁界を発生させる(プランジャ70と磁性板71bとの間に斥力を発生させる)形で、コイルボビン71aに巻回されている。
つまり、電磁石装置71は、高電位側電源端子10Hの電位が低電位側電源端子10Lの電位よりも高いときにプランジャ70を自由位置に保持し、高電位側電源端子10Hの電位が低電位側電源端子10Lの電位よりも低いときにプランジャ70を拘束位置に保持する。なお、コイルLのインピーダンスは、開閉手段3が閉極している場合には、コイルLに、プランジャ70を自由位置に保持できる程度の電流が流れるように設定してあり、これによって、直流電源より供給される電力の大部分がコイルLで消費されてしまうことを抑制している。
以上により本実施形態の回路遮断器は構成されており、次に結線時の動作について説明する。まず、結線前の状態において、操作ハンドル46が開放位置に位置しているときは、図1(a)に示すように、復帰ばね72のばね力によって、プランジャ70が拘束位置に保持され、これによって、操作ハンドル46を拘束位置に拘束される。
そして、直流電源の高電位側に高電位側電源端子10Hを、低電位側に低電位側電源端子10Lをそれぞれ接続した(すなわち正しく結線が行われた)場合、高電位側電源端子10Hの電位が低電位側電源端子10Lの電位よりも高くなるから、コイルLに流れた電流によって、電磁石装置70には、固定鉄芯71cがS極となるような磁界が発生(プランジャ70と磁性板71bとの間に引力が発生)する。これによって、プランジャ70は復帰ばね72のばね力に抗して、拘束位置から自由位置に移動され、自由位置に保持される。この場合、操作ハンドル46の拘束は解除されるから、操作ハンドル46を投入位置に移動させることができるようになり、操作ハンドル46を投入位置に位置させることによって、開閉手段3が閉極し、直流電源から負荷に電力が供給される。
つまり、直流電源の高電位側に高電位側電源端子10Hを、低電位側に低電位側電源端子10Lをそれぞれ接続した場合(正しく接続した場合)には、電磁石装置71によってプランジャ70が自由位置に保持され、操作ハンドル46を開放位置から投入位置に移動させることができて、直流電源から負荷に給電することが可能となる。
一方、直流電源の高電位側に低電位側電源端子10Lを、低電位側に高電位側電源端子10Hをそれぞれ接続した(すなわち誤結線が行われた)場合、高電位側電源端子10Hの電位が低電位側電源端子10Lの電位よりも低くなるから、コイルLに流れた電流によって、電磁石装置70には、固定鉄芯71cがN極となるような磁界が発生(プランジャ70と磁性板71bとの間に斥力が発生)する。これによって、プランジャ70は拘束位置から自由位置に移動することなく拘束位置に保持される。この場合、操作ハンドル46の拘束は解除されず、開閉手段3を閉極させることができないから、直流電源から負荷に電力が供給されることがない。
つまり、直流電源の高電位側に低電位側電源端子10Lを、低電位側に高電位側電源端子10Hをそれぞれ接続した場合(誤結線した場合)には、電磁石装置71によってプランジャ70が拘束位置に保持され、操作ハンドル46を開放位置から投入位置に移動させることができず、直流電源から負荷に給電することが不可能となるから、誤結線時に負荷に逆電圧が印加されることを防止することができる。
このように、本実施形態の回路遮断器によれば、直流電源の高電位側に低電位側電源端子10Lを、低電位側に高電位側電源端子10Hをそれぞれ接続した場合には、高電位側電源端子10Hと低電位側電源端子10Lの極性が逆極性となるため、操作ハンドル46は拘束手段7によって開放位置に拘束され、操作ハンドル46を開放位置から投入位置に移動させることができなくなるので、高電位側電源端子10Hと低電位側電源端子10Lの極性が逆極性であるときには、直流電源から負荷に給電することができなくなるから、誤結線時に負荷に逆電圧が印加されることを防止することができ、負荷が破壊されてしまうことがない。
ところで、本実施形態の直流開閉器は、例えば、図3に示すような直流配電システムにおける後述の直流ブレーカ114として用いられる。
図3では、直流配電システムを設置する建物として戸建て住宅の家屋を想定して説明しているが、集合住宅に適用してもよい。
図3に示す家屋Hには、直流電力を出力する直流電力供給部101と、直流電力により駆動される負荷(直流負荷)としての直流機器102とが設けられ、直流電力供給部101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して直流機器102に直流電力が供給される。直流電力供給部101と直流機器102との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流給電線路Wdc上で直流電力供給部101から直流機器102への給電を制限ないし遮断する前述の直流ブレーカ114が設けられる。
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
直流供給線路Wdcは、直流電力供給部101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において直流機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の直流機器102からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の直流機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う直流機器102からなるインターホンシステムK103、火災感知器のような警報系の直流機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102およびインターホンシステムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて4個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102とインターホンシステムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)される直流コンセント131に接続される直流機器102からなる情報機器システムK101が設けられる。
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(直流機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(直流機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、または家人自身が照明器具を取り付ける。
照明システムK102を構成する直流機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は直流機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の直流機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
上述した直流コンセント131、引掛シーリング132には、任意の直流機器102を接続することができ、接続された直流機器102に直流電力を出力するから、以下では直流コンセント131、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「直流アウトレット」と呼ぶ。
これらの直流アウトレットは、直流機器102に直接設けた接触子(図示せず)または接続線を介して設けた接触子(図示せず)が差し込まれる差込式の接続口が器体に開口し、接続口に差し込まれた接触子に直接接触する接触子受けが器体に保持された構造を有している。すなわち、直流アウトレットは接触式で給電を行う。直流アウトレットに接続された直流機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。直流機器102だけではなく直流アウトレットにも通信機能が設けられている。
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として直流機器102であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的に片方向のポーリング通信を行うことにより、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
宅内サーバ116における宅内網との通信機能のうち重要な機能は、宅内網を構成する機器の検出と管理である。宅内サーバ116では、UPnP(Universal Plug and Play)を応用して宅内網に接続された機器を自動的に検出する。宅内サーバ116はブラウザ機能を有する表示器117を備え、検出した機器の一覧を表示器117に表示する。この表示器117はタッチパネル式もしくは操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、たとえば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
ところで、直流電力供給部101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
直流電力供給部101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給部101を構成する主電源および分散電源から直流機器102への電力の配分を制御する直流電力制御部として機能する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
直流機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(もしくは1台の直流ブレーカ114に接続された直流機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源および分散電源や直流機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、直流機器102に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給部101を設けることができるから、直流電力供給部101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する直流機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111および分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
なお、本実施形態の回路遮断器はあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲を本実施形態の構成に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。