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JP4978255B2 - スプリングダンパ - Google Patents
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JP4978255B2 - スプリングダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、トルクコンバータ、湿式多板クラッチ等の自動車の発進装置と共に用いられるスプリングダンパに係り、詳しくは比較的長い吸収ストロークを有するアークスプリングを用いたスプリングダンパに関する。
一般に、トルクコンバータのロックアップクラッチ等と共に用いられ、アクセル操作及びクラッチの断接に伴うトルクの急減の変化を吸収すると共に、該クラッチの係合状態におけるエンジンの爆発振動に起因するトルク変動を吸収するため、該クラッチの出力側と自動変速装置の入力軸との間にスプリングダンパが用いられている。
近時、燃費向上等のため、ロックアップクラッチの作動割合が増加しており、大きなトルク変動を吸収する長いストロークのスプリングダンパが望まれており、円弧状のコイルスプリング(アークスプリング)を用いたスプリングダンパが提案されている。該アークスプリングを用いると、スプリングダンパの入力側と出力側で相対移動する際、該アークスプリングに径方向外側への分力を生じ、これにより該アークスプリングがハウジングに摩擦圧接して、該スプリングの滑らかな変形を阻害し、充分なエネルギ吸収に支障をきたす虞がある。
従来、アークスプリングの径方向外側に所定間隔で滑りシューを設け(特許文献1参照)、又はころ部材を設け(特許文献2参照)、上記アークスプリングを収納するハウジングとの間で上記滑りシュー又はころ部材を介在して、径方向外側への力が作用してもアークスプリングの滑らかな動きを確保するスプリングダンパが案出されている。
特開2002−310237号公報 特表2005−504236号公報
上記滑りシュー又はころ部材を設けたスプリングダンパは、各アークスプリングの所定間隔毎に、滑りシュー又はころ部材を多数取付ける必要があり、組立てが面倒であると共に、多数の滑りシュー又はころ部材が1つでも作動不良を生じると、アークスプリング全体の滑らかな移動が阻害され、信頼性も充分ではない。
また、アークスプリングの外径側に滑りシュー又はころ部材を配置することは、その分アークスプリングに作用する遠心力が大きくなり、上記分力に加えて大きな遠心力が作用すると共に該遠心力が周方向でアンバランスに作用し、ハウジングとの間の滑らかな移動を阻害する原因となる。
更に、長いアークスプリングは、エンジン爆発振動を柔かく吸収することができて好ましいが、アクセルのオン・オフに伴うチップイン等のトルク変動に際しては、過度に長い吸収ストロークは応答性の遅れを生じて、ドライバに違和感を与える場合がある。
そこで、本発明は、スプリングを収納するハウジングを回転自在に配置し、もって上述した課題を解決したスプリングダンパを提供することを目的とするものである。
本発明は、入力部材(25)(35)と、出力部材(26)(42)と、一端を前記入力部材に当接しかつ他端を出力部材に当接するスプリング(20)と、該スプリングを収納すると共に前記入力部材及び前記出力部材と別部材からなるスプリングハウジング(19)と、を備えたスプリングダンパ(17)(17’)(17”)において、
前記スプリングハウジング(19)は、前記出力部材又は前記入力部材に対して回転自在に支持されると共に、該スプリングハウジングの外径側における前記スプリングの長さ方向の中間部分に該スプリングと当接する当接部を有し
前記スプリング(20)が前記入力部材と前記出力部材との間で圧縮変形する際に前記スプリングハウジングの前記当接部に当接して、該スプリングと前記スプリングハウジングとが周方向に一体化されてなる、
ことを特徴とするスプリングダンパにある。
好ましくは、前記スプリングハウジング(19)は、周方向に円弧状に配置された複数の前記スプリング(20)の内径側にて、前記出力部材(15)又は前記入力部材(35,43)に回転自在に径方向支持されてなる。
更に、前記スプリングハウジング(19)の前記出力部材又は前記入力部材に対する相対回転量を所定量に規制する規制手段(26,27’)(19b,42a)を備え、
前記スプリングハウジング(19)が前記所定量以上に相対回転する場合、前記スプリング(20)の変形に伴い前記スプリングハウジングの当接部との間に摩擦摺動を生じてなるスプリングダンパにある。
また、前記スプリングハウジング(19)は、別体からなる主ハウジング(21)と補助ハウジング(22)とを接合手段(18)にて接合してなり、
前記スプリング(20)は、その一端が前記主ハウジングに形成した窓部(27)を通って前記出力部材又は前記入力部材に当接(26)すると共に、その他端が前記補助ハウジング(22)の開放部分を通って前記入力部材又は前記出力部材に当接(25)してなる。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、入力部材及び出力部材との間でスプリングが圧縮変形すると、該スプリングの中間部分には外径方向の分力が作用してスプリングハウジングに当接するが、該スプリングハウジングはスプリングの変形に伴い移動する。これにより、簡単な構成でもって、トルク変動を滑らかに吸収することが可能となる。
請求項2に係る本発明によると、スプリングハウジングは、スプリングの内径側にて径方向支持されるので、周方向の重量アンバランスに基づく遠心力の影響を少なくして、スプリングハウジング及びそれに収納されるスプリングを確実かつ正確に回転支持することが可能となり、トルク変動を滑らかに吸収することができる。
請求項3に係る本発明によると、スプリングハウジングの出力部材又は入力部材に対する相対回転量を所定量に規制して、該所定量以上に相対回転すると、スプリングハウジングとスプリングとの間に摩擦摺接を生じ、該摩擦力によりヒステリシスを発生して、減衰特性を変更することができる。これにより、エンジンの爆発振動等の周期の短いトルク変動にあっては、回転支持されたスプリングハウジングに基づく滑らかなスプリングの変形により、トルクを柔かく吸収することができるものでありながら、アクセルのオン・オフに伴うチップイン、自動変速装置からのアウトショック等、運転者の操作を伴う周期の長いトルク変動にあっては、上記ヒステリシスにより適正な減衰特性によりトルクを吸収して、運転者に違和感を生じることを防止できる。
請求項4に係る本発明によると、主ハウジングプレートと補助ハウジングプレートを別体で形成し接合手段により接合し、窓部又は開放部分を介して出力部材と入力部材がスプリングに当接するようにしたので、主ハウジングプレートと補助ハウジングプレートの間にスプリングを収納した後でも入力部材と出力部材が、スプリングの一端と他端で当接できるようになりアッシー化することができるようになり、組付け性が向上し得る。
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。トルクコンバータ1は、図1に示すように、ケース2及びフロントカバー3を一体に溶接してなるコンバータハウジング5を有しており、該ハウジング5内に、ポンプインペラ6、タービンランナ7及びステータ8、そしてロックアップクラッチ9が収納されている。ポンプインペラ6はケース2に固定された多数のブレードからなり、またタービンランナ7は外郭板7aに固定された多数のブレードからなり、ステータ8はワンウェイクラッチ10に載置された多数のブレードからなる。
前記フロントカバー3の中央にはセンタピース11が固着されていると共に周囲部にナット12が固着されており、図示しないエンジンクランクシャフトに、上記センタピース11が嵌合して整列すると共に、フレキシブルプレートを介して前記ナット12が連結されて、該クランクシャフトの回転がコンバータハウジング5に伝達される。前記ケース2の後側面にはボス13が固着されており、また上記タービンランナ7の外郭板7aに(タービン側)ボス15が連結されている。ポンプ側のボス13は、ミッションケースと一体のポンプケース(固定部材;図示せず)に回転自在に支持されて、上記センタピース11と相俟ってコンバータハウジング5を支持している。上記タービン側のボス15は自動変速装置の入力軸(図示せず)にスプライン(15a)係合しており、また上記ワンウェイクラッチ10のインナレース10aがステータスリーブ(図示せず)を介して固定部材に固定されている。
ロックアップクラッチ9は、フロントカバー3の内壁に接離自在に配置されたクラッチプレート16を有しており、該プレート16にて区画される上記コンバータハウジング5内の油室A,Bに供給される油流を切換えることにより、該クラッチ9が断接する。該クラッチプレート16は、タービン側ボス15に油密状にかつ回転及び軸方向摺動自在に支持されると共に周囲部に摩擦材16aが固着されており、油室AからBにオイルが流れることによりクラッチが切断し、油室BからAにオイルが流れることによりクラッチが接続する。
上記ロックアッププレート16とタービンランナ7との間に、本発明に係るスプリングダンパ17が介在している。該スプリングダンパ17は、ダンパハウジング19と、径方向異なる位置に2段に配置された外径側スプリング20及び内径側スプリング20とを有する(なお、外側及び径側を区別しない場合は、上記添字を省いて表記する)。これら各スプリング20は、コイルスプリングからなり、かつ円弧状になるように上記ハウジング19内に収納されてアークスプリングを構成している。具体的には、内径側及び外径側スプリング20,20は、それぞれ同一同周上に3本のコイルスプリングが配置されており、これらスプリングが、主ハウジングプレート21と補助ハウジングプレート22,22とにより形成される2個の環状のスプリングハウジングC,Cに収納されている。
補助ハウジングプレート22と補助ハウジングプレート22はそれぞれ、第1の補助ハウジングプレート22 と補助ハウジングプレート22であり主ハウジングプレート21と別体で形成されている。そして、第1、第2の補助ハウジングプレート22,22は、リベット(鋲)18により主ハウジングプレート21に取付ける構成とし、補助ハウジングプレート22,22に、入力部材側に開放部分を有する構成としたので、ダンパスプリングをスプリングハウジングC,Cに収納した後でも、スプリングに対して後述するエンドアーム25,25およびエンドアーム26,26に当接するように両エンドアームを配設することが可能となり組付け性が向上する。また、例えば、主ハウジングプレート21、補助ハウジングプレート22とスプリングを一つのアッシーとして組上げておくことも可能となる。本実施例では、スプリングの半径外側で主ハウジングプレート21と補助ハウジングプレート22とをリベットで接合しているが、これに限らず溶接などの接合手段を用いてもよい。
補助プレート22は、比較的幅の狭いリング状プレートからなり、その外径側が主プレート21にそれぞれ鋲により固着されて、スプリングの外径側及び主プレート21側を略々囲み、かつ補助プレート22側が開放して、スプリング収納部Cを構成している。前記各スプリング20,20の一端は二股状のエンドアーム25,25に当接し、他端は1本の棒状のエンドアーム26,26に当接し、上記各スプリングはこれら両エンドアームの間で所定予荷重を与えられて縮設されている。
二股状のエンドアーム25は、クラッチプレート16にカシメ等に固定されており、上記補助プレート22の開放側から軸方向に延びて上記スプリングの一端に当接し、入力部材を構成している。一本棒状のエンドアーム26は、タービンランナ7に固定されており、主ハウジングプレート21に形成された円弧状の窓(窓部)27,27を貫通して軸方向に延びて上記スプリングの他端に当接し、タービン側ボス15と共に出力部材を構成している。具体的には、外径側のエンドプレート26はタービンランナ外郭板7aに固着されており、内径側のエンドプレート26は窓27の外側で内径方向に延びて、タービンランナの取付ブラケット7bと共にボス15の鍔部15bに鋲24により共に固着されている。
詳細には、図2に示すように、各スプリング20は円弧状のアークスプリングからなり、かつ円周上に直列状に連なっているため、二股状及び一本棒状の両エンドアーム25,26は、共に直列状に隣接する両スプリングの間に、周方向に延びるラグを介して配置されている。また、図2に示す実施の形態にあっては、主ハウジングプレート21に形成された円弧状の窓27は、円周に沿って長く形成されており(例えば±25度)、かつスプリング20に荷重が作用していない状態にあって、エンドアーム26の棒が該窓27の中央に位置して、該出力側(一本棒状)エンドアーム26は、上記スプリングが完全に圧縮するまで窓27に沿って自由に移動し得る。
そして、上記各スプリング20を収納すると共に上記窓27を有する主ハウジングプレート21は、その中央部が短く軸方向に延びる鍔部21aになっており、該鍔部21aが前記タービン側ボス15の外周面に回転自在に径方向を支持されている。これにより、スプリング20は、スプリングハウジング19に当接しても、該当接面で一体にスプリングハウジング19と共に回転自在に支持されることになる。
本実施の形態は以上のような構成からなるので、コンバータハウジング5内の油室AからBへオイルが流れて、ロックアップクラッチ9が切状態にある場合、エンジンクランクシャフトの回転は、コンバータハウジング5を介してポンプインペラ6に伝達され、更に該ポンプインペラ6、タービンランナ7及びステータ8を循環するフルードの流れによりタービンランナ7に伝達されて、ボス15を介して自動変速装置の入力軸に伝達され、そして該自動変速装置により適宜変速された回転が駆動車輪に伝達される。
上記油室BからAへオイルの流れを切換えることにより、ロックアップクラッチ9が接続されて、フロントカバー3から該ロックアップクラッチ9、そしてスプリングダンパ17を介して、エンジンクランクシャフトの回転が直接タービン側ボス15に伝達される。該ロックアップクラッチ9を介する機械的動力伝達にあって、アクセルのオン・オフ、ロックアップクラッチの断接、自動変速装置のクラッチのオン・オフ並びにエンジンの爆発振動等に伴うトルク変動は、本発明に係るスプリングダンパ17により吸収される。
ロックアップクラッチ9の接続によるトルクは、クラッチプレート16及び二股状エンドアーム25,25から外径側及び内径側のアークスプリング20,20に伝達される。なお、外径側及び内径側のスプリング等は並列的に作用するので、区別せずに統合してかつ添字を省いて説明する。入力側である上記エンドアーム25と、タービン側ボス15に連結する出力側である(一本棒状の)エンドアーム26との間で、上記伝達トルクに基づきアークスプリング20は圧縮されて変形する。
該アークスプリング20は、両エンドアーム25,26で両端から圧縮力が作用すると、スプリングハウジング19内に円弧状に収納されている関係上、外径方向に拡がる方向の分力が作用して全長の略1/2部分で折れ曲がるような力が作用する。すると、各スプリング20は、その略1/2部分にてその外周面がスプリングハウジング19内周面に圧接し、該圧接部分がスプリングハウジング19と摩擦接触により一体化する。スプリングハウジング19は、鍔部21aによりボス15に回転自在に支持されているため、各スプリング20圧接部分は、その中間部分に作用する外径方向の力に基づきハウジング19と共に自由にエンドアーム25,26に対して相対移動しつつ、それぞれエンドアーム25,26により圧縮変形されて、上記変動トルクを吸収する。
すなわち、アークスプリング20は、入力部材を構成するエンドアーム25又は出力部材を構成するエンドアーム26により圧縮変形され、ハウジング19と所定の当接部位で当接してハウジング19と共に入力部材または出力部材に対して周方向に相対回転することで、上記変動トルクを吸収する。ところで、所定の当接部位はアークスプリング20の場合にはその長さの略1/2部分がその所定の当接部位となるが、スプリングの形状、大きさ、長さ、弾性特性などのスプリング特性に依存する。所定の当接部位は、本実施例ではスプリングの中間部分として説明している。
この際、スプリングハウジング19は、各スプリング20の中間部分に上記分力並びにスプリングのアンバランス及び遠心力に基づく外径方向への大きな力がそれぞれ作用するが、その内径側に位置する主ハウジングプレートの鍔部21aによりボス15に回転自在に支持されるので、滑らかに支持され、また主ハウジングプレートの窓27は、エンドアーム27をそのフルストロークに亘って自由な移動を許容するので、各スプリング20は、自由な変形を妨げられることはない。これにより、ストロークの長いアークスプリング20は、略全圧縮になるまで小さなヒステリシスで滑らかに変形して、大きなトルク変動を滑らかに吸収することができる。
ついで、図3ないし図5に基づき、一部変更した実施の形態について説明する。本実施の形態のスプリングダンパ17は、図3に示すように、主ハウジングプレート21に形成された窓27’(27’,27’)が短く形成されており(例えば±5度)、該窓を貫通する出力側エンドアーム26(26,26)が所定量ストロークすると、該窓の端に当接してスプリングハウジング19と該エンドアーム26とが回転方向に一体となる。なお、他の部分は、先の実施の形態と同様なので、図面に同一符号を付して説明を省略する。
上述した先の実施の形態にあっては、スプリング20が略全圧縮するまでスプリングハウジング19と共に自由に移動し、スプリングのすべてのストロークに亘って滑らかに変形してロングトラベルを可能とするが、アクセルのオン・オフに伴うチップイン及び自動変速装置の変速等の出力側のアウトショック等、オペレータの操作に基づく場合、上記スプリングダンパのロングトラベルに基づく違和感を感じる虞がある。
そこで、本実施の形態では、エンジンの爆発振動等の入出力の捩れ角が小さい場合、先の実施の形態と同様に滑らかにトルクを吸収するが、捩れ角が大きい場合、ヒステリシスを与えて、上記ロングトラベルによる違和感の発生を減少することを目的とする。
図4に沿って説明すると、ロックアップクラッチ9からタービンボス15への正トルク(図3の矢印F参照)伝達時にあっては、出力側(一本棒状)のエンドアーム26が窓27’の中央に位置するa点から、該アームが窓27’の端に当接するストロークエンド(b点)までは、該エンドアーム26が窓27’内を案内されてスプリングハウジング19が自由に回転し、これに伴い上述と同様に各スプリング20は自由に変形して、入力側(25)と出力側(26)との捩れ角の増加に比例して吸収トルクが増加する。この際、アークスプリング20は入力側及び出力側の両エンドアーム25,26との間で圧縮変形され、かつスプリング20の中間部分はスプリングハウジング19と共に自由に移動し得るため、出力側である一本棒状のエンドアーム26とスプリングハウジング19に形成された窓27との相対移動は、入出力の両エンドアーム25,26の捩れ角の1/2となる。従って、前記窓27’の周方向長さが±5度の場合、エンドアーム26が窓27’の中央部分a点から窓の端に当接するストロークエンドb点までの捩れ角は、(5度×2=)10度となる。
そして、b点において、規制手段となる出力側エンドアーム26が窓27’のストロークエンドに当接すると、スプリングハウジング19は出力側エンドアーム26と一体に回転する。この状態では、スプリング20の圧縮変形に伴い、該スプリングとスプリングハウジング19の当接面との間に相対摺動が発生し、該摺動に伴い各スプリング20とスプリングハウジング19との間の摩擦力が発生し、該b点以上の捩れ角にあっては、上記摩擦力がプラスされつつスプリング20が圧縮変形する(c点)。
上記摩擦力をプラスされたスプリング20の圧縮変形は該スプリングの全圧縮(d点)まであり、入力トルクの減少により上記スプリング20が吸収したトルクを解放する際、上記スプリング20が圧縮変形したd’点(≒d)から、入出力間の捩れ角が減少することに比例して、出力側エンドアーム26が窓27’の他方の端に当接するまで上記スプリングの吸収トルクが減少する(e)。この際、スプリングハウジング19は鍔部21aにより自由に回転する。
エンドアーム26が窓27’の他端に当接すると(e点)、トルク減少側にあっても上述したトルク増加側と同様に、スプリング20とスプリングハウジング19との相対摺動に基づく摩擦力が差引かれ(f点)、そして該摩擦力が差引かれてのスプリング20の伸長変形が捩れ角0まで続く(a’点(a≒a’))。
従って、アクセルオン・オフに伴うチップインのように、長い周期のトルク変動を生じる場合、上述した摩擦力(b−c,e−f)に基づくヒステリシスHが作用し、その分減衰特性が変更される。即ち、出力側エンドアーム26が窓27’の端に当接することにより、スプリング20がスプリングハウジング19との間の摩擦力がプラスされた硬いバネとなって、柔かいバネに起因する上記違和感を解消し得る。逆トルク(図3の矢印E参照)時も同様に作用する。
一方、図5に示すように、エンジンの爆発振動のように、短い周期のトルク変動の場合、入出力間の捩れ角は、上記窓27’により規制される範囲b−f間のj−k間にあって、スプリング20の中間部分はスプリングハウジング19と共に自由に移動し得、ヒステリシスの少ない柔かいスプリングにより滑らかに上述したトルク変動を吸収し得る。
ついで、図6及び図7に沿って、他の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明に係るスプリングダンパ17”を多板湿式クラッチからなる発進装置に適用したものである。多段化された自動変速装置及びハイブリッド駆動装置にあっては、トルクコンバータのトルク増幅機能の依属は小さくなり、発進装置として多板湿式クラッチの適用が考えられる。この場合、ロングトラベルからなる上記スプリングダンパは、上記多板湿式クラッチと良好にマッチングする。
多板湿式クラッチを有する発進装置30は、図6に示すように、ケース2、フロントカバー3、センタピース11及びボス13を一体に溶接してなるハウジング5を有しており、該ハウジング5内に、多板湿式クラッチ31及びスプリングダンパ17”が収納されている。上記クラッチ31は、フロントカバー3に固着されたドラム33と、出力部材となるハブ35と、これらドラム及びハブとの間に交互に係合すると共に軸方向外側がスナップリングにより抜止めされた多数の摩擦板36と、を有している。また、センタピース11のボス11aとフランジ11bとに油密状にピストン部材37が嵌合しており、該ピストン部材は、外径方向に延びて前記摩擦板36を押圧操作するアーム部37aを有し、かつその油圧室39にはセンタピース11に形成された油路40を介して圧油が給排される。
スプリングダンパ17”は、図6及び図7に示すように、上記クラッチ31の出力側となるハブ35が入力部材となり、前記ハウジング2にベアリング41,41を介してラジアル及びスラスト方向に回転自在に支持されるボス42が出力部材となり、これら入出力部材の間に円周上に3個のアークスプリング20が介在してなる。ハブ35には2枚のリング状プレート43,43が鋲45により一体に連結されており、該プレート43には等間隔3ヶ所に外径方向に突出するラグ43aが形成されている。上記出力部材であるボス42にも等間隔3ヶ所に外径方向に突出するラグ42aが形成されており、該ラグ42aが上記入力側になる2枚のプレート43の間に挟まれるように配置されている。上記出力側ボス42のフランジ部に周方向に所定長さの円弧状の長孔42bが等間隔に3個形成されており、該長孔42bには上記鋲45に回転自在に支持されているカラー44が案内されている。従って、入力部材となるハブ35及びリングプレート43は、上記カラー44及びハブ35の鍔部35aにより出力部材であるボス42に回転自在に支持されている。
そして、上記入力側ラグ43aと出力側ラグ42aとの間に各アークスプリング20が介在されており、上記ラグ43a,42aは先の実施の形態のエンドアームに相当する。前記アークスプリング20、入出力側の両ラグ43a,42aの外径側及び両側方を囲むようにスプリングハウジング19が配置されている。該スプリングハウジング19は、2枚のハウジングプレート21,22がその外径側で一体に固着されてなり、収納するスプリング20の長さ方向の中間部分の外径側に、該スプリングを当接・支持し得る突出部19aが形成されていると共に、前記出力側ラグ42aを受入れる箇所に、該ラグより所定間隔広い凹部19bが形成されている。上記出力側ラグ42aと凹部19bとが、先の実施の形態(図3参照)の出力側エンドアーム26と短い窓27’と同様な規制手段を構成する。
これにより、上記スプリングハウジング19は、各スプリング20を円弧状に収納すると共に、上記ラグ42aと凹部1bとにより、出力部材であるボス42に対して相対移動量が規制される。なお、入出力部材間にトルクが作用していない自然状態にあっては、ラグ42aが凹部1bの中央部分に位置するように設定されている。また、上記スプリングハウジング19を構成するハウジングプレート22は、上記アークスプリング20の内径側において軸方向に短く延びる鍔部22aが形成されており、該鍔部がクラッチハブ35の外周面に接触して径方向に回転自在に支持されている。
以上構成に基づき、油路40から油圧室39への圧油が供給されることにより多板湿式クラッチ31が滑らかに接続する。これにより、エンジンクランクシャフト(図示せず)の回転は、上記クラッチ31及びスプリングダンパ17”を介してボス42から自動変速装置の入力軸に滑らかな立上りで伝達され、車輌が発進する。
上記スプリングダンパ17”は、入力側であるクラッチハブ35からそれと一体のリングプレート43に伝達され、各スプリング20の一端をラグ43aにて押圧し、該スプリング20を圧縮変形してトルクを吸収しつつ、該スプリングの他端の出力側ラグ42aからボス42に伝達される。この際、各スプリング20は、その両端から圧縮力が作用して、中間部分で外径方向に折れ曲るような力が作用するが、該力は、スプリングハウジング19の突出部19aにて受けられ、かつ該ハウジング19は回転自在に支持されているので、スプリング20の全長に亘って滑らかに圧縮変形する。
また、入力側ラグ43aと出力側ラグ42aとが所定捩れ角になると、出力側ラグ42aがスプリングハウジングの凹部42aの端に当接し、一体に回転する。この状態では、スプリング20の圧縮変形に際してスプリング20と突出部19aとの相対摺動を生じ、この間にスプリングに作用する大きな外径方向力に基づく摩擦力が作用する。従って、上記所定捩れ角以上にあっては、上記摩擦力に基づくヒステリシスが生じ、スプリングの減衰特性が変更される。
なお、出力側ラグ42aとハウジング凹部19bとによる規制をなくして、スプリングの全ストロークに亘り少ないヒステリシスによってトルク変動を吸収してもよい。
また、スプリングハウジング19は、出力部材に回転自在に支持されても、入力部材に回転自在に支持されてもよい。また、スプリングハウジング19の相対回転の規制量は、エンジン特性、自動変速装置及びハイブリッド駆動装置の種類等により適正な値に設定することは勿論であり、かつ出力部材との間で規制するものに限らず、入力側部材との間で相対移動量を規制してもよい。
本発明に係るスプリングダンパをトルクコンバータに適用した実施の形態を示す側面断面図。 スプリングダンパを示す一部切欠いた正面図。 一部変更した実施の形態によるスプリングダンパを示す一部切欠いた正面図。 上記変更した実施の形態によるフルストローク状態を示す捩れ角とトルクの関係を示す図。 エンジンの爆発振動等による限られた捩れ角における捩れ角とトルクとの関係を示す図。 本発明に係るスプリングダンパを多板湿式クラッチによる発進装置に適用した実施の形態を示す側面断面図。 そのスプリングダンパを示す一部切欠いた正面図。
符号の説明
1 トルクコンバータ
9 ロックアップクラッチ
15 出力部材(タービン側ボス)
17,17’,17” スプリングダンパ
19 スプリングハウジング
20,20,20 (アーク)スプリング
21 主ハウジングプレート
21a 径方向支持部(鍔部)
25,25,25 入力部材(エンドアーム)
26 出力部材(エンドアーム)
27’ 規制手段(窓)
31 多板湿式クラッチ
35,43,43a 入力部材(クラッチハブ、リング状プレート、ラグ)
42,42a 出力部材(ボス、ラグ)
19a 当接部(突出部)
19b 規制手段(凹部)

Claims (4)

  1. 入力部材と、出力部材と、一端を前記入力部材に当接しかつ他端を出力部材に当接するスプリングと、該スプリングを収納すると共に前記入力部材及び前記出力部材と別部材からなるスプリングハウジングと、を備えたスプリングダンパにおいて、
    前記スプリングハウジングは、前記出力部材又は前記入力部材に対して回転自在に支持されると共に、該スプリングハウジングの外径側における前記スプリングの長さ方向の中間部分に該スプリングと当接する当接部を有し
    前記スプリングが前記入力部材と前記出力部材との間で圧縮変形する際に前記スプリングハウジングの前記当接部に当接して、該スプリングと前記スプリングハウジングとが周方向に一体化されてなる、
    ことを特徴とするスプリングダンパ。
  2. 前記スプリングハウジングは、周方向に円弧状に配置された複数の前記スプリングの内径側にて、前記出力部材又は前記入力部材に回転自在に径方向支持されてなる、
    請求項1記載のスプリングダンパ。
  3. 前記スプリングハウジングの前記出力部材又は前記入力部材に対する相対回転量を所定量に規制する規制手段を備え、
    前記スプリングハウジングが前記所定量以上に相対回転する場合、前記スプリングの変形に伴い前記スプリングハウジングの当接部との間に摩擦摺動を生じてなる、
    請求項1又は2記載のスプリングダンパ。
  4. 前記スプリングハウジングは、別体からなる主ハウジングと補助ハウジングとを接合手段にて接合してなり、
    前記スプリングは、その一端が前記主ハウジングに形成した窓部を通って前記出力部材又は前記入力部材に当接すると共に、その他端が前記補助ハウジングの開放部分を通って前記入力部材又は前記出力部材に当接してなる、
    請求項1ないし3のいずれか記載のスプリングダンパ。
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