以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
一実施の形態について図1ないし図12を用いて説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る内視鏡装置10は、例えば気管支用装置として使用されるものである。この内視鏡装置10は、通常観察モードと蛍光観察モードとを切替可能に備えている。
この内視鏡装置10は、電子内視鏡(蛍光内視鏡)12と、光源装置14と、プロセッサ16と、モニタ18とを備えている。電子内視鏡12は、体腔内に挿入してその体腔内(例えば気管支内)を観察するものである。光源装置14は、通常観察用の光(通常光)および蛍光励起用の光(蛍光励起光)を選択的に発するものである。プロセッサ16は、通常光による通常観察画像と蛍光励起光による蛍光画像とを構築する信号処理を行なうものである。モニタ18は、通常光による観察対象物の観察画像と蛍光による観察画像とを表示、すなわち、被写体像を表示するものである。
図1および図2に示すように、電子内視鏡12は、例えば気管支内に挿入される細長い挿入部22と、この挿入部22の基端部に設けられた操作部24と、この操作部24から延出されたユニバーサルコード26とを備えている。
図1に示すように、電子内視鏡12は、挿入部22、操作部24およびユニバーサルコード26の内部を挿通した状態で、照明光学系32と観察光学系34とを備えている。さらに、図2に示す操作部24の後述する操作部本体72から折れ止め部74および挿入部22の先端部にかけては、例えば鉗子などが配設される処置具挿通チャンネル36が挿通された状態で形成されている。
なお、図2に示す挿入部22の特に先端部側の外径は、気管支に挿入するために例えば5mm程度など、極細に形成されている。このため、照明光学系32や観察光学系34は、それぞれさらに極細に形成されている。処置具挿通チャンネル36も同様である。
図1および図3(B)に示すように、照明光学系32は、挿入部22の先端部に配設された照明レンズ42と、この照明レンズ42の基端部に配設されたライトガイドバンドル44とを備えている。このライトガイドバンドル44は、多数のファイバが一方向に揃えられた状態で1つに束ねられて断面が円形に形成されている。1つ1つのファイバは、例えば多成分系ガラスや石英などにより形成されている。このように形成されたライトガイドバンドル44は、通常観察のための通常光や蛍光観察のための蛍光励起光を少ない伝送ロスで伝送(導光)することが可能である。
このライトガイドバンドル44は、光の出射端面44aを先端部に備え、光の入射端面44bを基端部に備えている。このライトガイドバンドル44の先端部(出射端面44a)は、挿入部22の先端部に配設されている。ライトガイドバンドル44の基端部(入射端面44b)は、先端部に対して、挿入部22、操作部24およびユニバーサルコード26を通してこのユニバーサルコード26の端部に設けられた後述するコネクタ82に配設されている。このライトガイドバンドル44の基端部の入射端面44bは、コネクタ82の後述するライトガイドコネクタ82bに光学的に接続されている。
図3(B)に示すように、ライトガイドバンドル44の先端部近傍の外周面には、被覆チューブ46が被覆されている。この被覆チューブ46は、観察光学系34の後述する撮像ユニット54の保持枠54cに干渉しない位置に配設されている。
なお、この実施の形態では、後述するように、1対(2つ)の照明レンズ42(図3(C)参照)を備えている。2つの照明レンズ42それぞれから光を出射させるため、ライトガイドバンドル44は、図示しないが、被覆チューブ46が配設された位置よりも基端部側の適当な位置では1つであるが、その位置よりも先端部側では2つに分離されている(図4(A)ないし図4(F)参照)。すなわち、ライトガイドバンドル44の入射端面44bは1つであるが、出射端面44aは2つ存在している。
図5(A)に示すように、観察光学系34は、挿入部22の先端部に配設された対物レンズユニット52と、この対物レンズユニット52の基端部に配設された撮像ユニット54と、この撮像ユニット54に電気的に接続された信号ケーブル56とを備えている。
図5(B)に示すように、撮像ユニット54は、ユニット本体54aと、撮像素子(CCD)54bと、保持枠54cとを備えている。ユニット本体54aは、全体的に硬質に形成され、撮像素子54bの基板回路(電気回路)や信号線などが内蔵され、これら信号線や基板回路等を樹脂材等で埋設してそれらの外側を密閉したものである。撮像素子54bは、受光部に結像される像を撮像して光電変換するものである。ここでは、撮像素子54bは、通常光および蛍光励起光による反射画像(被写体像)を撮像して光電変換するものである。この撮像素子54bは、生体からの微弱な自家蛍光を撮像するため、高感度のものが使用されている。
なお、撮像素子54bの代わりに、CMD(Charged Modulation Device)撮像素子、C−MOS撮像素子、AMI(Amplified MOS Imager)、BCCD(Back Illuminated CCD)などを用いても良い。
信号ケーブル56は、可撓性を有し、撮像素子54bで撮像されて光電変換された信号を基端部側に伝送するものである。また、この信号ケーブル56は、後述する制御回路230(CCD駆動回路232)からの信号を撮像素子54bに伝送するものである。
ユニット本体54aの先端部には、撮像素子54bが配設されている。さらに、このユニット本体54aの先端部には、撮像素子54bから遠位側に向かって保持枠54cが配設されている。図5(C)ないし図5(F)に示すように、撮像ユニット54の保持枠54cは、角部が面取りされた略矩形状の筒状に形成されている。撮像素子54bは、保持枠54cの基端部の内部に配設されている。保持枠54cは、対物レンズユニット52の後述するレンズ枠52aを保持するものである。
この撮像素子54bの後端側には、複数の信号線58がユニット本体54aの内部に延出されている。これら信号線58は、ユニット本体54aの基端部から延出された信号ケーブル56の内部に配設されて挿入部22、操作部24およびユニバーサルコード26を通して後述する電気コネクタ82aまで延出されている。
ところで、撮像ユニット54の保持枠54c、および、照明光学系32の被覆チューブ46は、外形がそれぞれの他部に対して大きく形成されている。しかし、図3(A)に示すように、この保持枠54cは、観察光学系34が挿入部22の先端部に配設されたときに、照明光学系32の上述した被覆チューブ46に干渉しない位置に配設されている。このため、これら撮像ユニット54の保持枠54c、および、照明光学系32の被覆チューブ46は、互いにずれた位置にあるので、互いに干渉することが防止され、挿入部22の細径化に貢献している。
図5(C)に示すように、この保持枠54cの外周面には、図5(C)中に破線で示す薄膜(被覆部)62が被覆されている。この薄膜62は、例えばステンレス鋼材やニッケルメッキなどにより形成されている。このため、保持枠54cは、保持枠54cの内部への光の透過を防止することができるとともに、保持枠54cに加えられるねじりに対する強度を向上させることができる。すなわち、撮像ユニット54の側部からの遮光性を向上させることができるとともに、強度を向上させ、破損を防止することができる。したがって、処置具挿通チャンネル36に例えばレーザープローブ(図示せず)を配設した場合にチャンネル36の壁部からレーザー光などが透過して撮像ユニット54の内部に入りこむことが防止されている。
信号ケーブル56の内部には、撮像素子54bから延出された信号線58が配設されている。この信号ケーブル56は、挿入部22、操作部24およびユニバーサルコード26を通してコネクタ82の後述する電気コネクタ82aに電気的に接続されている。この電気コネクタ82aは、プロセッサ16に着脱可能なので、信号ケーブル56を通した制御信号により撮像ユニット54が制御される。
図5(A)に示すように、対物レンズユニット52は、レンズ枠52aと対物レンズ系52bとを備えている。対物レンズ系52bは、先端に配設される対物レンズ53や、遠点から近点までフォーカスを合わせるため空間的に入射光量を制限する絞りや、励起光をカットする励起光カットフィルタを備えている。対物レンズ系52bは、図示しないが、小型モータを備えることも可能である。この小型モータは、後述する電気コネクタ82aに信号線により電気的に接続されている。このため、複数のレンズがレンズ枠52aの軸方向に対して前後に移動して、被写体に対してフォーカスを合わせながら拡大観察、縮小観察することが可能である。
励起光カットフィルタは、蛍光観察時に自家蛍光を発生させるための励起光の反射光を遮光するフィルタである。この励起光カットフィルタの特性を図6(A)に示す。この図6(A)に示すように、励起光カットフィルタは、例えば460−700nmの波長帯域を透過する。つまり、図6(B)に示すB光(青色帯域)の一部の波長(400−460nm)を除いた可視光を透過させる特性を備えている。
なお、図1および図5(A)に示す対物レンズ系52bは、処置具挿通チャンネル36に上述したレーザープローブ(図示せず)が挿通されて使用する場合に備えてレーザー光をカットするレーザー光カットフィルタを備えていることも好適である。
図4(A)および図4(B)に示すように、レンズ枠52aは先端部および基端部が略円筒状に形成されている。このレンズ枠52aの外周面には、円環状にフランジ部(凸部)52cが形成されている。このフランジ部52cの先端側は、基端側に比べて外径が大きく形成されている。
図5(A)および図5(C)に示すように、このレンズ枠52aの基端部の外周面は、撮像ユニット54の保持枠54cの先端部の内周面に保持されている。このレンズ枠52aと保持枠54cとは、例えば接着や半田付けにより固定されている。すなわち、対物レンズ系52bがレンズ枠52aの内部に配設された対物レンズユニット52が、撮像ユニット54に固定されている。
図2に示すように、電子内視鏡12の操作部24は、操作部本体72と、折れ止め部74と、湾曲操作ノブ76と、スイッチ部78とを備えている。
操作部本体72は、内視鏡12の操作者に片手で把持される把持部である。この操作部本体72の下端部には、挿入部22の後述する可撓管96の基端部を支持してその可撓管96の基端部の折れ止め作用を奏する折れ止め部74が配設されている。
一方、この操作部本体72の上端部には、湾曲操作ノブ76が配設されている。この湾曲操作ノブ76は、操作部本体72に回動可能に枢支されている。この湾曲操作ノブ76は、挿入部22の後述する湾曲部94に複数のワイヤ80(図4(D)ないし図4(F)参照)を介して接続されている。このため、湾曲操作ノブ76を操作することによって、湾曲部94を所望の方向に湾曲操作可能である。
さらに、この操作部本体72の上端部には、スイッチ部78が配設されている。このスイッチ部78には、湾曲操作ノブ76に隣接した位置に配設されている。このスイッチ部には、液体等を吸引するためのスイッチが配設されている。
なお、このスイッチ部78には、蛍光画像モードと通常画像モードとを選択する指示操作や、フリーズ、レリーズの指示操作を行なうためのスコープスイッチがさらに配設されている。これらの操作信号は後述する制御回路230(図1参照)に入力される。制御回路230はその操作信号に対応した制御動作を行なう。
例えばスコープスイッチにおいて通常モードを選択すると、光源装置14はライトガイドバンドル44に通常モードの照明光、つまり図6(B)に示すR光、G光およびB光を順次供給する。また、通常モードスイッチの操作によって、プロセッサ16も通常モードに対応した信号処理を行なう。
一方、蛍光モードを選択すると、光源装置14はライトガイドバンドル44に蛍光モードの照明光、つまり図6(C)に示すR1光、G1光およびE1光を順次供給する。また、蛍光モードスイッチの操作によって、プロセッサ16も蛍光モードに対応した信号処理を行なう。
図2に示すように、ユニバーサルコード26は、操作部本体72の上端部から延出されている。このユニバーサルコード26は、可撓性を有し、所望の方向に曲げることが可能である。このユニバーサルコード26の端部には、コネクタ82が配設されている。このコネクタ82は、電気コネクタ82aと、ライトガイドコネクタ82bとを備えている。
図1に示すように、電気コネクタ82aは、観察光学系34の信号ケーブル56に電気的に接続されている。そして、この電気コネクタ82aは、プロセッサ16に着脱可能に接続されている。このため、電気コネクタ82aにプロセッサ16が装着された状態では、プロセッサ16と観察光学系34とが電気的に接続される。なお、この電気コネクタ82aには、IDチップ(図示せず)が内蔵されているので、プロセッサ16に接続されたときに、内視鏡12の種類(型式)がプロセッサ16側で認識される。このため、光源装置14の後述するランプ駆動回路210などの制御も容易に行なわれる。
ライトガイドコネクタ82bは、照明光学系32のライトガイドバンドル44に光学的に接続されている。そして、このライトガイドコネクタ82bは、光源装置14に着脱可能に接続されている。このため、ライトガイドコネクタ82bに光源装置14が接続された状態では、光源装置14とライトガイドバンドル44とが光学的に接続される。
図2に示すように、挿入部22は、先端硬質部92と、湾曲部94と、可撓管96とを先端側から基端側に向かって備えている。
可撓管96の基端部は、上述した折れ止め部74に支持されている。この可撓管96は、それぞれ図示しないが、帯状の部材が螺旋状に形成された螺旋管と、この螺旋管の外周に配設された網状管と、この網状管の外周に配設された外皮とを備えている。
この可撓管96の先端部には、湾曲部94が配設されている。この湾曲部94は、複数の湾曲駒94aが隣接する湾曲駒94aに対して枢支軸94bを介して互いに連接されている。これら湾曲駒94aの外周には、網状管94cが配設されている。さらに、この網状管94cの外周には、外皮94dが配設されている。図4(D)ないし図4(F)に示すように、湾曲駒94aには、例えば2本のワイヤ80が挿入部22の中心軸に対して適当な角度に離れた状態で配設されている。これらワイヤ80は湾曲部94および可撓管、さらには操作部本体72を通して上述した湾曲操作ノブ76に連結されている。このため、湾曲操作ノブ76の操作により、ワイヤ80が挿入部22の軸方向に沿って進退して湾曲部94が湾曲操作される。
図3(A)および図3(B)に示すように、先端硬質部92は、例えばステンレス鋼材などの金属材製で筒状の先端枠部材102と、この先端枠部材102を覆う、不導体で形成された硬質樹脂材製の先端カバー104とを備えている。先端カバー104の硬質樹脂材には、例えばポリスルホンやポリフェニルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどが使用されている。
図3(A)に示すように、先端枠部材102の基端部の外周面には、湾曲部94の最も先端側の湾曲駒94aが装着されている。さらに、図3(A)および図3(B)に示すように、この先端枠部材102、および、最も先端側の湾曲駒94aの外周面には、湾曲部94の外皮94dの先端部が配設されている。この外皮94dと先端枠部材102との外周には、糸が巻回された後、外側から不導体の接着剤が塗布されて糸巻部108が形成されている。
なお、図示しないが、湾曲部94の外皮94dと可撓管96の外皮(図示せず)との連結部には、糸が巻回された後、不導体の接着剤が塗布されて同様に糸巻部が形成されている。
湾曲部94の外皮94dは不導体で形成され、かつ、糸巻部108も不導体であり、さらには先端カバー104や可撓管96の外皮も不導体であり、すなわち、挿入部22の全ての外表面は、不導体で形成されている。
図3(A)、図3(B)、図4(A)および図4(B)に示すように、先端枠部材102には、照明光学系32の先端部を支持する1対の照明用孔部112a、観察光学系34の先端部を支持する対物用孔部(観察用孔部)112b、および、処置具挿通チャンネル36の先端部を構成するチャンネル用孔部112cが形成されている。図3(A)ないし図3(C)に示すように、先端カバー104には、先端枠部材102のこれら照明用孔部112a、対物用孔部112bおよびチャンネル用孔部112cのそれぞれの先端に対応する位置に、照明用孔部114a、対物用孔部(観察用孔部)114bおよびチャンネル用孔部114cが形成されている。これら孔部114a,114b,114cは、それぞれ略円筒状に形成されている。
なお、先端カバー104は、互いに平行な先端面104aおよび基端面104bを備えている。先端面104aは、内視鏡12が成形された状態で、挿入部22の先端側の外部に露出する面である。先端カバー104の基端面104bは、先端枠部材102の先端面102aとの接着により固定される面である。
この先端カバー104の照明用孔部114aは、その先端面104a側が基端面104b側に比べて径が縮小されている。すなわち、照明用孔部114aの先端部には、径方向内方側に突出した爪部116が形成されている。この爪部116は、塑性変形もしくは弾性変形可能であり、照明レンズ42の形状(寸法公差)によって、そのままの形状(変形しない状態)もしくは先端カバー104の先端側に変形された状態で保持(維持)される。この爪部116によって、照明レンズ42が先端カバー104の先端面104a側に保持されている。また、この爪部116は容易に形成可能であるので、先端カバー104の部品コストの増大が防止されている。
先端カバー104の照明用孔部114aの爪部116と照明レンズ42との位置関係には、大きくわけて3つの状態(第1ないし第3の状態)がある。ここで、例えば、先端枠部材102の照明用孔部112aの照明レンズ設置孔122aと照明レンズ42とが所望の寸法に形成されていると仮定する。また、先端カバー104の爪部116も所望の寸法に形成されていると仮定する。
そうすると、第1の状態は、例えば、先端カバー104の先端面104aと基端面104bとの間の厚さが寸法公差内にあるものの、所望の寸法よりも僅かに薄く形成されている場合である。この場合、照明用孔部114aの爪部116が照明レンズ42の先端面の縁部の面取部42aに当接される。このため、先端枠部材102の先端面102aと先端カバー104の基端面104bとを接着させるときに、照明レンズ42の面取部42aにより爪部116が先端側に僅かに変形された状態にある。すなわち、爪部116が先端カバー104の先端面104aよりも先端側に僅かに突出されている。
第2の状態は、例えば、先端カバー104の先端面104aと基端面104bとの間の厚さが寸法公差内にあるものの、所望の寸法よりも僅かに厚く形成されている場合である。この場合、照明用孔部114aの爪部116が照明レンズ42の面取部42aに当接されないことがある。このとき、先端枠部材102の先端面102aと先端カバー104の基端面104bとを接着させるときに、照明レンズ42の面取部42aには爪部116が当接していない。したがって、爪部116と照明レンズ42の面取部42aとの間には、接着剤が塗布されて隙間が埋められている。
第3の状態は、例えば、先端カバー104の先端面104aと基端面104bとの間の厚さが所望の寸法に形成されている場合である。この場合、照明用孔部114aの爪部116が照明レンズ42の面取部42aに僅かに当接される。このため、先端枠部材102の先端面102aと先端カバー104の基端面104bとを接着させるときに、照明レンズ42の面取部42aにより爪部116がほとんど変形せずに配設された状態にある。また、爪部116と照明レンズ42の面取部42aとの間が僅かに当接されているので、接着剤により両者が互いに対して固定されている。
なお、照明レンズ42、先端枠部材102および先端カバー104がそれぞれ寸法公差内に形成されていると、互いに対する関係は、第1ないし第3の状態になり得る。ここで、先端枠部材102の照明用孔部112a、先端カバー104の照明用孔部114aおよび照明レンズ42はそれぞれ2つずつ設けられているので、互いに対する関係は、一方が第1の状態にあり、他方が第2の状態にあるなど、互いに同一の状態もしくは第1ないし第3の状態が適宜に組み合わせられた状態にある。すなわち、上述した先端カバー104の寸法公差の他、先端枠部材102の寸法公差や照明レンズ42の寸法公差により、第1ないし第3の状態に、先端枠部材102、先端カバー104および照明レンズ42が配設されている。
図4(A)中に破線で示すように、先端枠部材102の照明用孔部112aの先端部には、それぞれ外側が開口された照明レンズ設置孔122aが形成されている。すなわち、これら照明レンズ設置孔122aは、先端枠部材102の先端面102aの縁部の一部が切り欠かれた状態に形成されている。
これら設置孔122aの開口部の大きさは、それぞれ照明レンズ42の直径よりも僅かに大きく形成され、照明レンズ42を照明用孔部112aの中心軸上に配設可能である。これら設置孔122aの基端側には、ライトガイドバンドル44の先端部が配設されるライトガイドバンドル配設孔122bが形成されている。この配設孔122bの内径は、設置孔122aが円形であるとした場合の内径よりも小さく形成されている。この配設孔122bの基端側には、被覆チューブ46が配設される被覆チューブ配設孔122cが形成されている。この被覆チューブ配設孔122cの内径は、ライトガイドバンドル配設孔122bの内径よりも大きく形成されている。
図3(A)および図4(A)に示すように、先端枠部材102の対物用孔部112bの先端部には、対物レンズ枠52aの先端部が所定の状態に配設されるレンズ枠配設孔124aが形成されている。このレンズ枠配設孔124aは、先端部と基端部とで径が異なり、先端部の方が基端部よりも径が小さく形成されている。すなわち、レンズ枠配設孔124aには、レンズ枠52aのフランジ部52cが当接される段差部(ザグリ状などの拡径部)124bが形成されている。図4(C)および図4(D)に示すように、さらに、先端枠部材102の対物用孔部112bの基端部には、撮像ユニット配設孔124cが形成されている。
図3(A)に示すように、先端枠部材102のチャンネル用孔部112cには、処置具挿通チャンネル36の後述する筒状部材36aが配設されている。
処置具挿通チャンネル36は、筒状部材36aと、チューブ36bと、例えば螺旋状に形成された保持部材36cとを備えている。このうち、チューブ36bは、不導体の樹脂材で形成されている。このため、例えば高周波処置具(図示せず)を処置具挿通チャンネル36を通して使用する場合であっても、処置具挿通チャンネル36のチューブ36b、さらには、挿入部22(先端カバー104)の外周面が不導体で形成されているので、高周波処置を行なう際に高周波を流すことによる他の部材への影響を抑えることが可能である。
なお、チューブ36bは、例えばポリテトラフルオロエチレンで形成されているなど、半透明で可撓性を有する状態に形成されている。
筒状部材36aは、図3(A)に示す先端枠部材102のチャンネル用孔部112cの内周面に配設されている。この筒状部材36aの外周面には、円環状にフランジ部36dが形成されている。このフランジ部36dの先端側の一側面は、チャンネル用孔部112cの基端面に当接されている。また、フランジ部36dの基端側の他側面は、チューブ36bの先端面に当接されている。このチューブ36bの外周には、保持部材36cが配設されている。すなわち、保持部材36cは、チューブ36bの内部に鉗子等が配設されたときに、チューブ36bの外径を所定の範囲内に保持する。これらチューブ36bおよび保持部材36cの基端部は、挿入部22の基端部および折れ止め部74を通して操作部本体72に配設されている。これらチューブ36bおよび保持部材36cの基端部には、操作部本体72で鉗子栓72aに配設されている。
図3(B)および図3(C)に示すように、先端枠部材102の照明用孔部112a、および、先端カバー104の照明用孔部114aには、それぞれ照明レンズ42が配設されている。
図3(B)および図4(A)に示すように、先端枠部材102の照明用孔部112aの先端は、照明レンズ42が配設される径を有するので、ライトガイドバンドル44が配設される基端側に比べて径が大きく形成されている。さらに、このライトガイドバンドル44の先端部の外周面には、被覆チューブ46が配設されているので、照明用孔部112aの基端部は、被覆チューブ46が配設される分だけ径が拡大されている。
先端枠部材102の対物用孔部112b、および、先端カバー104の対物用孔部114bには、それぞれ対物レンズユニット52が配設されている。
図3(A)に示すように、先端枠部材102の対物用孔部112bの先端部は、レンズ枠52aの先端部に合わせて形成されている。この対物用孔部112bの基端部は、レンズ枠52aのフランジ部52cに合わせて先端部よりも径が拡大されている。先端枠部材102の対物用孔部112bの先端部側と基端部側とで径が異なることにより形成された段差部124bには、レンズ枠52aのフランジ部52cの先端面が当接可能である。
段差部124bに、レンズ枠52aのフランジ部52cの先端面が当接された場合、先端カバー104の対物用孔部114bに対物レンズユニット52の先端の対物レンズ53が配設された状態で、先端カバー104の先端面と、対物レンズユニット52の対物レンズ53のレンズ面とは、面一の状態にあるか、あるいは、対物レンズ53のレンズ面が先端カバー104の先端面に対して僅かに突出した状態にある。
以下、電子内視鏡12の組み立て工程について説明する。
まず、観察光学系34を形成する。
図5(A)に示す対物レンズユニット52を形成する。この場合、まず、対物レンズ系52bをレンズ枠52aに配設する。対物レンズ系52bのうち、最も先端に配設される対物レンズ53の側面(外周面)には、レンズ枠52aに配設するときに半田により固定するためにメッキを施しておく。レンズ枠52aの内孔に適当に組み合わせた複数のレンズを配置する。そして、対物レンズユニット52の先端に蓋をするように、最も先端の対物レンズ53を半田により固定する。
この場合、レンズ枠52aの先端部に対物レンズ53を配置する。対物レンズ53とレンズ枠52aとの間の半田による固定のために、対物レンズ53の側面の一部には半田シロが必要である。このため、対物レンズ53の側面の先端側縁部の側面がレンズ枠52aの先端よりも突出した状態にある。この状態で対物レンズ53の側面の全周に半田を回す。したがって、半田によりレンズ枠52aと対物レンズ53とが強固に固定される。このとき、レンズ枠52aよりも突出した対物レンズ53の先端側縁部には、半田が回された状態となる。すなわち、半田シロの部分に半田が回された状態にある。したがって、対物レンズ53の側面は半田により遮光されている。このため、対物レンズ53の側面から光が入射されることが防止される。すなわち、対物レンズユニット52にフレアーが生じた状態で被写体が観察されることが防止される。
そして、このように形成された対物レンズユニット52を、信号ケーブル56が装着された撮像ユニット54に装着する。図5(A)に示すように、対物レンズ枠52aの基端部の外周面と、撮像ユニット54の保持枠54cの先端部の内周面とを嵌合し、これらの間を接着剤や半田付け等により固定する。このようにして、観察光学系34が形成される。
なお、この観察光学系34のレンズ枠52aと対物レンズ53との位置関係は、先端枠部材102や先端カバー104が所定の寸法公差内にある状態で観察光学系34をこれらに配設したとき、対物レンズ53のレンズ面が先端カバー104の先端面104aよりも僅かに突出する状態に配置されている。これは、寸法公差による影響を考慮して設定されるものである。そうすると、寸法公差によって、対物レンズ53が先端カバー104の先端面104aに対して通常は僅かに突出した状態となり、少なくとも面一の状態となる。このような状態の場合、対物レンズ53のレンズ面に付着した液体等に対して吸引を行なう(上述した操作部本体72の上端部のスイッチ部78を操作する)ことによって、レンズ面を常に良好な状態に保つことができる。
次に、照明光学系32を内視鏡12の挿入部22の先端部に組み込む作業について説明する。
先端硬質部92の例えばステンレス鋼材製の先端枠部材102の照明用孔部112aの1対の設置孔122aに照明レンズ42を配設する。そして、これら照明レンズ42のうち、設置孔122aに接触した部分を接着により固定する。このとき、照明レンズ42のレンズ面は、先端枠部材102の先端面102aよりも前方(先端側)に突出されている。
次に、先端枠部材102の孔部112a,112b,112cの縁部、すなわち、先端枠部材102の先端面102a、および/もしくは、先端カバー104の基端面104bに接着剤を塗布し、先端カバー104を上から被せて接着により固定する。このとき、照明レンズ42と先端カバー104との位置関係は、上述した3つの状態(第1ないし第3の状態)にある。
まず、照明レンズ42と先端枠部材102と先端カバー104との関係が第1の状態にある場合について説明する。
この場合、例えば、先端カバー104の基端面104bおよび照明用孔部114aに接着剤を塗布した状態で先端カバー104を先端枠部材102の先端面102aに接着により固定する。このとき、図7に示すように、先端カバー104の照明用孔部114aの爪部116は、照明レンズ42の先端面の縁部の面取部42aに当接する。このため、このままの状態では、先端カバー104の基端面104bと先端枠部材102の先端面102aとの間に隙間Cが生じている。このような隙間Cを埋めるために、先端カバー104を先端枠部材102側に押圧して、図8に示すように、爪部116を変形させる。この変形は、弾性的であっても塑性的であっても良い。そうすると、先端カバー104の基端面104bと先端枠部材102の先端面102aとの間の隙間Cがなくなる。このため、先端カバー104の基端面104bが先端枠部材102の先端面102aに接着により固定される。したがって、先端枠部材102と先端カバー104と照明レンズ42とが互いに対して固定される。
次に、照明レンズ42と先端枠部材102と先端カバー104との関係が第2の状態にある場合について説明する。
この場合、先端カバー104の基端面104bと先端枠部材102の先端面102aとの間に隙間C(図7参照)が発生しないように接着により固定する。このとき、照明レンズ42の面取部42aと先端カバー104の照明用孔部114aの爪部116との間に寸法公差によって生じる隙間を接着剤で埋める。したがって、先端枠部材102と先端カバー104と照明レンズ42とが互いに対して固定される。
続いて、照明レンズ42と先端枠部材102と先端カバー104との関係が第3の状態にある場合について説明する。
この場合、先端カバー104の基端面104bと先端枠部材102の先端面102aとの間に隙間C(図7参照)が発生しないように接着により固定する。このとき、照明レンズ42の面取部42aと先端カバー104の照明用孔部114aの爪部116との間に接着剤を塗布しておく。したがって、先端枠部材102と先端カバー104と照明レンズ42とが互いに対して固定される。
このように、現時点では、先端枠部材102に対して照明レンズ42と先端カバー104とが装着されている。
そして、ライトガイドバンドル44の先端部(出射端面44a)に接着剤を塗布し、先端部近傍に被覆チューブ46を被覆させたライトガイドバンドル44を先端枠部材102の照明用孔部112aの基端部側から先端部側に向かって挿入する。すなわち、ライトガイドバンドル44の先端部から先端枠部材102の照明用孔部112aに挿入する。このため、先端枠部材102の照明用孔部112aのライトガイドバンドル配設孔122bにライトガイドバンドル44の先端を配設し、ライトガイドバンドル44の外周に被覆された被覆チューブ46を被覆チューブ配設孔122cに配設する。そして、ライトガイドバンドル44の出射端面44aを照明レンズ42の基端面に当接させて固定する。ライトガイドバンドル44の出射端面44aは2つあるので、それぞれに対して同様に行なう。
このとき、図3(B)に示すように、ライトガイドバンドル44の先端部近傍の外周面に被覆された被覆チューブ46の先端面は、先端枠部材102の対物用孔部112bの基端部よりもさらに基端側の位置に配置されている。
このようにして、照明光学系32を内視鏡12の挿入部22の先端部に組み込む作業を終了する。
次に、観察光学系34を内視鏡12の挿入部22の先端部に組み込む作業について説明する。
対物レンズユニット52が先端に装着された対物レンズユニット52のレンズ枠52aのフランジ部52cの外周面に接着剤を塗布し、観察光学系34の先端部を、先端枠部材102の対物用孔部112bに挿入する。このとき、レンズ枠52aのフランジ部52cを、先端枠部材102の対物用孔部112bの段差部124bに当接させる。先端カバー104の基端面104bは先端枠部材102の先端面102aに接着により固定されているので、対物レンズユニット52の対物レンズ53は、先端カバー104の対物用孔部114bに配置された状態で、その先端面104aに対して面一もしくは僅かに突出した状態に配置される。
なお、このとき、観察光学系34の光学調整にズレが生じることを防止するため、ゆっくりと先端枠部材102の孔部112bに挿入する。
先端カバー104に対して対物レンズユニット52および撮像ユニット54の位置を決めた後、図4(B)に示すように、先端枠部材102の側方からビス130を装着して先端枠部材102と対物レンズユニット52とを固定する。このビス130は、例えば樹脂材を注入して埋設により固定する。このため、先端枠部材102の外表面は、滑らかに形成されている。
したがって、挿入部22の先端部の先端硬質部92との間の干渉が防止された状態で観察光学系34の対物レンズユニット52が組み込まれる。
なお、処置具挿通チャンネル36は、照明光学系32が先端硬質部92に配設される前に配設されても、照明光学系32および観察光学系34が先端硬質部92に配設された後に先端硬質部92に配設されても良い。
先端硬質部92の先端枠部材102のチャンネル用孔部112cに筒状部材36aを配設する。このとき、チャンネル用孔部112cの基端部にフランジ部36dを当接させる。このときの筒状部材36aの先端部は、先端枠部材102の先端面と略面一の状態にあるか、先端枠部材102の先端面102aよりも基端部側に僅かに引き込まれた状態にある。
その後、この筒状部材36aの基端部の外周面に、保持部材36cを外周に配設したチューブ36bの先端部を配設する。このとき、チューブ36bの先端部をフランジ部36dに当接させる。このため、処置具挿通チャンネル36の挿入部22の先端部側が固定される。
一方、処置具挿通チャンネル36の基端部を操作部24に固定する。すなわち、外周に保持部材36cを配設したチューブ36bの基端部を操作部本体72に固定する。そして、操作部本体72には、処置具挿通チャンネル36の基端部に、鉗子栓72aを装着する。
なお、ライトガイドバンドル44の入射端面44bや、撮像ユニット54の信号ケーブル56は、挿入部22の湾曲部94および可撓管96を通して操作部24側に配設される。これらライトガイドバンドル44および信号ケーブル56は、操作部24からさらにユニバーサルコード26の端部まで導かれてコネクタ82に固定される。
そして、湾曲部94の外皮94dを挿入部22の先端部に固定する。ここでは、簡単に説明し、詳細を省略するが、湾曲部94の外皮94dの先端に糸を巻回した後、その糸の外側から接着剤を塗布して糸巻部108を形成する。このようにして、先端枠部材102と先端カバー104と湾曲部94とを一体化させる。このとき、湾曲部94の外皮94dの先端を先端カバー104の基端面104bに当接させた状態で一体化させる。
以上説明したように、この実施の形態に係る内視鏡装置10における内視鏡12の製造作業によれば、以下のことがいえる。
対物レンズユニット52の最も先端の対物レンズ53をレンズ枠52aに対して所望の位置に配置した状態で、対物レンズ53のメッキした側面をレンズ枠52aに半田付けすることができる。レンズ枠52aを半田で固定することにより、対物レンズ枠52aと対物レンズ53の側面のメッキ部との間は、半田によって合金化の結合が発生して固定される。また、半田付け後には、半田とレンズ枠52aとの熱膨張率の差により、対物レンズ53をカシメる効果が発生して対物レンズ53が所望の位置に固定される。
さらに、半田は急激に材料の基本構造が変化するような劣化が生じ難い。すなわち、半田は金属材料で形成されているので、原子の結晶構造により形成されており、接着剤(基本構造が長い鎖状高分子の集合体)に対して材料の特性の変化が遅い。このため、挿入部22の先端で対物レンズ53を長く良好な状態に保持することができる。
したがって、挿入部22の先端に観察光学系34を配設する際に、対物レンズ53の位置を容易かつ確実に所望の位置に配置することができるとともに、その対物レンズ53を配置した良好な状態を長く維持することができる。
さらに、対物レンズ53の側面がレンズ枠52aおよび半田により全周的に被覆された状態にあるので、対物レンズ53の側面から光が入射されることを防止することができる。したがって、被写体の観察時にフレアーが生じることを防止することができる。
また、上述したように内視鏡12の挿入部22を成形し、すなわち、上述したように内視鏡12を製造すれば、先端カバー104を先端枠部材102に対して常に接着により固定することができる。このとき、場合によっては先端カバー104の爪部116を照明レンズ42によって弾性変形または塑性変形させた状態でも先端カバー104を先端枠部材102に装着することができる。そうすると、観察光学系34を寸法公差の範囲内で、挿入部22の先端部の先端枠部材102および先端カバー104に対して所望の状態に配置することができる。
したがって、先端カバー104の基端面104bが先端枠部材102の先端面102aに接着により固定されていれば、観察光学系34の寸法公差を組み立て時に補正する必要がない。すなわち、観察光学系34の対物レンズ53を、先端カバー104の先端面104aよりも僅かに突出するように設計しておけば、すなわち、レンズ枠52aのフランジ部52cとレンズ枠配設孔124aの段差部(ザグリ部)124bとを当接させるだけで、対物レンズ53は寸法公差によっても先端カバー104の先端面104aに対して常に突出した状態もしくは面一の状態となる。そうすると、例えば、吸引時に対物レンズ53から容易に水等の液体を吸引することができる。
したがって、内視鏡12の製造を容易に行なうことができ、かつ、挿入部22の先端部に対する観察光学系34の位置出し精度を良好な状態に保つことができる。すなわち、同じ被写体を同じ位置から観察したときに、内視鏡12ごとに観察光学系34の観察状態がバラツクことを防止することができる。また、対物レンズ53が先端カバー104に対して常に突出した状態もしくは面一の状態にあるので、対物レンズ53に付着した液体を容易に吸引することができる。
また、照明レンズ42を、先端カバー104の爪部116で押さえるとともに接着により固定した。このとき、照明レンズ42が先端カバーに対して突出した状態であっても、変形した爪部116と、接着剤とにより照明レンズ42をより簡単かつ強固に固定することができる。一方、照明レンズ42が先端カバー104に対して引き込まれた状態であっても、照明レンズ42の縁部(照明用孔部114aの縁部)に接着剤を塗布して接着により固定して、被写体の照明必要範囲に影響を与えない程度に照明範囲を確保することができる。
また、先端枠部材102に照明レンズ42を配設する照明レンズ設置孔122aは、外周側が切り欠かれた状態であっても照明レンズ42を接着により固定することができる。したがって、先端枠部材102の外周側の肉厚分だけ挿入部22の細径化に貢献することができる。
なお、ここでは、照明レンズ42に対してライトガイドバンドル44の出射端面44aを当接させるものとして説明したが、照明レンズ42の基端面に対して適宜に離した状態でライトガイドバンドル44を先端枠部材102の照明用孔部112aに固定しても良い。
また、上述した内視鏡12によれば、以下のことがいえる。
撮像ユニット54の補強枠である薄膜62と、ライトガイドバンドル44の被覆チューブ46の位置をずらしたので、挿入部22の細径化に貢献することができる。
また、挿入部22の先端部の金属部(例えば、先端枠部材102)を不導体で覆ったので、処置具挿通チャンネル36に高周波処置具を挿通した状態で使用することができる。すなわち、気管支等に対して高周波処置を経内視鏡的に行なうことができる。
ところで、内視鏡装置10は、上述したように、通常観察モードと蛍光観察モードとを備えているものである。
図1に示すように、この内視鏡装置10の上述した光源装置14は、ランプ202と、光源絞り204と、切替フィルタ部206と、コンデンサレンズ208と、ランプ駆動回路210とを備えている。さらに、切替フィルタ部206は、切替フィルタ212と、回転用モータ214と、移動用モータ216と、ラック218とピニオン220とを備えている。
また、プロセッサ16は、制御回路230と、CCD駆動回路232と、プリアンプ234と、調光回路236と、オートゲインコントロール(AGC)回路238と、A/D変換回路240と、マルチプレクサ242と、第1ないし第3フレームメモリ244a,244b,244cと、画像処理回路246と、D/A変換回路248とを備えている。
制御回路230は、内視鏡12のスイッチ部78のスコープスイッチ78aと、ランプ駆動回路210と、切替フィルタ部206と、CCD駆動回路232と、調光回路236と、マルチプレクサ242と、画像処理回路244とにそれぞれ電気的に接続されている。このため、これら部材は制御回路230によって制御される。
ランプ202は、ランプ駆動回路210に電気的に接続されている。このため、ランプ202はランプ駆動回路210により駆動され、赤外波長帯域から可視光帯域を含む光を放射する。光源絞り204は、ランプ202による照明光路上に配設されている。この光源絞り204は、ランプ202からの光量を制限する。切替フィルタ部206は、照明光路上に配設されている。コンデンサレンズ208は、切替フィルタ部206を通した光をライトガイドコネクタ82bに集光する。すなわち、コンデンサレンズ208は、切替フィルタ部206を通した光をライトガイドバンドル44の入射端面44bに集光する。
このため、光源装置14のランプ202からの照明光はライトガイドコネクタ82bからライトガイドバンドル44に入射され、内視鏡12の挿入部22の先端側に伝送(導光)される。ライトガイドバンドル44の出射端面44aに伝送された光は、その出射端面44aに対向する照明レンズ42を経て、拡開されて体腔内の観察対象部位側に照射される。
切替フィルタ212には、ランプ202からの光路に平行な軸を有する回転用モータ214が装着されている。このため、切替フィルタ212は、ランプ202からの光の光路に対して垂直な軸回りに回転される。また、この回転用モータ214には、ラック218が配設されている。ラック218に螺合されたピニオンには、ランプ202からの光路に対して直交する方向に軸を有する移動用モータ216が配設されている。このため、この移動用モータ216を回転させることにより、ピニオン220に螺合されたラック218が移動し、すなわち、切替フィルタ212が移動する。そうすると、ランプ202の光路上に配置されるフィルタが、後述するRGBフィルタ264および蛍光フィルタ266に切り替えられる。
図9に示すように、切替フィルタ212は、円盤状のフィルタ保持部材262と、このフィルタ保持部材262の内周側に配設された通常観察用のRGBフィルタ264と、フィルタ保持部材262の外周側に配設された蛍光観察用の蛍光フィルタ266とを備えている。RGBフィルタ264と蛍光フィルタ266とは、フィルタ保持部材262の中心に対して同心的に配設されている。
この切替フィルタ212は、上述したように、ランプ202の光路に対してRGBフィルタ264が配設される位置と、蛍光観察用フィルタ266が配設される位置との間を移動可能である。このため、ランプ202の光路上にRGBフィルタ264が配設されると、通常画像モードの状態に設定される。蛍光フィルタ266が配設されると、蛍光画像モードの状態に設定される。
RGBフィルタ264は、周方向にR(赤)、G(緑)、B(青)の各波長帯域の光をそれぞれ透過するRフィルタ264a、Gフィルタ264bおよびBフィルタ264cがフィルタ保持部材262の円周を略3等分するように設けられている。このRGBフィルタ264は、回転用モータ214で切替フィルタ212が回転されることによりそれぞれがランプ202からの光路中に順次、略連続的に介挿される。
なお、Rフィルタ264a、Gフィルタ264bおよびBフィルタ264cの透過特性は、図6(B)に示すように、600−700nm、500−600nm、600−700nmの各波長帯の光をそれぞれ透過させる特性を備えている。なお、図6等では符号264a,264b,264cの代わりに、そのフィルタ透過特性に対応する符号R、G、Bを用いて示している。これは、後述する蛍光観察用フィルタ266においても、同様である。
また、蛍光観察用フィルタ266は、周方向に狭帯域の赤(R1)、狭帯域の緑(G1)、狭帯域の蛍光励起光(E1)をそれぞれ透過させるR1フィルタ266a、G1フィルタ266bおよびE1フィルタ266cがフィルタ保持部材262の円周を略3等分するように設けられている。この蛍光観察用フィルタ266は、切替フィルタ212が回転されることによりそれぞれがランプ202からの光路中に順次介挿される。
なお、R1フィルタ266a、G1フィルタ266bおよびE1フィルタ266cの透過特性は図6(C)に示すように640−660nm、540−560nm、400−440nmを各波長帯域の光をそれぞれ透過させる特性を備えている。
具体的には後述するが、通常モードにおいては、Bフィルタ264cを通して観察対象物に照明を行なった場合、撮像素子54bで受光される光量が他のRフィルタ264a、Gフィルタ264bで照明を行なった場合よりも低下する。このため、電子シャッタ機能を動作させる。
また、蛍光モードにおいても、E1フィルタ266cを通して蛍光励起光を観察対象物に照射して蛍光画像を得る期間における撮像素子54bで受光される光量がR1フィルタ266a、G1フィルタ266bで照明を行なった場合の反射光の場合よりもはるかに低下する。このため、電子シャッタ機能を動作させる。
制御回路230は選択されたモード(通常観察モード/蛍光観察モード)に応じて移動用モータ216を制御する。また、回転用モータ214は制御回路230により制御されるとともに、この回転用モータ214の回転軸等に取り付けた図示しないエンコーダの出力は制御回路230に入力される。制御回路230はこのエンコーダの出力に同期してCCD駆動回路232やマルチプレクサ242などの切り替えを行なう。
また、制御回路230は、マルチプレクサ242の切り替えを制御し、通常モードではRフィルタ264a、Gフィルタ264bおよびBフィルタ264cを通した照明のもとで撮像した各画像データ信号をそれぞれ第1フレームメモリ244a、第2フレームメモリ244b、第3フレームメモリ244cに順次記憶させる。
また、蛍光モードにおいても、制御回路230は、マルチプレクサ242の切り替えを制御し、R1フィルタ266a、G1フィルタ266b、E1フィルタ266cを通した照明のもとで撮像した各画像データ信号をそれぞれ第1フレームメモリ244a、第2フレームメモリ244b、および第3フレームメモリ244cに順次記憶させる。
上記フレームメモリ244a,244b,244cに記憶させて格納された画像データ信号は画像処理回路244に入力されて輪郭強調などが施された後、D/A変換回路248によりアナログのRGB信号に変換されてモニタ18に出力される。
また、このプロセッサ16にはプリアンプ234を通した信号に基づいて光源装置14の内部の光源絞り13の開口量を自動的に制御する調光回路236が設けられている。この調光回路236は制御回路230により、制御される。この制御回路230は、ランプ駆動回路210を制御して、ランプ202を発光駆動する際のランプ電流を制御する。また、この制御回路230はスコープスイッチ78a(図1参照)の操作に応じた制御動作を行なう。
図11(A)は通常モードにより、白い紙等の白い被写体を撮像した場合における撮像素子54bの受光面(撮像面)での光強度を示す。この場合、図6(B)に示す特性のRフィルタ264a、Gフィルタ264b、Bフィルタ264cを通すことにより観察対象物に対してR光、G光、B光の照明が順次行なわれる。
図6(A)に示すように、撮像素子54bの前に配置された励起光カットフィルタのフィルタ特性はG光およびR光は全て透過するが、B光に対してはその長波長側の一部のみを透過する特性である。このため、図11(A)中に2点鎖線で示すB光の短波長側がカットされたものとなる。つまり、B光に対しては実線で示すようにその長波長側の一部のみが撮像素子54bにより受光される。
したがって、Bフィルタ264cを透過したB光での照明期間では、撮像素子54bで受光される光量が他のRフィルタ264a、Gフィルタ264bによるR光、G光での照明期間の場合よりも低下する。
これを解消するため、後述するように、通常観察モードにおいては、Bフィルタ264cによる照明期間における撮像の場合には、Rフィルタ264a、Gフィルタ264bによる照明期間における撮像期間の場合に比べて、その照明光量を増大させたり、信号処理系側で増幅率を増大させる。そうすると、ホワイトバランスのとれた通常画像が得られる。
また、図11(B)は蛍光モードで例えば皮膚を観察した場合における撮像素子54bの受光面(撮像面)での光強度を示す。この場合、図6(C)に示す特性のR1フィルタ266a、G1フィルタ266b、E1フィルタ266cを通すことにより観察対象物に対してR1光、G1光、E1光の照明が順次行なわれる。
R1フィルタ266a、G1フィルタ266bによるR1光、G1光の反射光は励起光カットフィルタ(図6(A)参照)の透過帯域内であるので、皮膚の反射特性に応じて撮像素子54bで受光される。一方、図11(B)中に2点鎖線で示すように、E1フィルタ266cを通した蛍光励起光E1の反射光は励起光カットフィルタの透過帯域の外にあるため、カットされる。また、その励起光E1による蛍光は、励起光カットフィルタの透過帯域内のものが撮像素子54bで受光される。なお、この蛍光の光量はR1フィルタ266a、G1フィルタ266bによる照明の場合の反射光量に比較してかなり小さいので、図11(B)中では例えば10倍(×10の表記)して表示している。
また、図12(A)には正常組織の場合と癌組織の場合における蛍光モードにより得られる蛍光強度の特性を示す。この実施の形態では、図12(A)に示すように、波長が500nm付近での蛍光強度から観察対象部位の診断が可能である。
また、図12(B)には蛍光モードにおける画像生成に利用されるR1フィルタ266a、G1フィルタ266bを通したR1光、G1光の波長帯と酸化ヘモグロビンの吸光度(対数目盛)の特性例を示している。この実施の形態では、R1フィルタ266aの帯域を酸化ヘモグロビンの吸光度が低い部分に設定し、かつG1フィルタ266bの帯域を酸化ヘモグロビンの吸光度が高い部分に設定している。
したがって、蛍光モードの状態で、モニタ18で例えばカラー表示した場合、R1光で表示した部分に対してG1光で表示した部分の強度により血流部分の様子を診断し易い。具体的には、炎症を起こした組織(正常と分類)の場合には、酸化ヘモグロビンの量が増大するため、G1光の帯域での反射光強度が低下し、その反射光強度から診断を行ない易くなる。なお、蛍光モードで照射される励起光E1の青色領域の光は、半値幅が20nm〜50nmの間にある。
また、E1フィルタ266cの青色のカットオフ波長の値は、半値幅で430nm〜450nmの間にある。また、励起光カットフィルタのカットオフ波長の値は、半値幅で450nm〜470nmの間にある。E1フィルタ266cにより遮光された青色領域(の長波長領域)と、励起光カットフィルタで遮光させた青色領域(の短波長領域)の光の透過率はOD4(1/10000)以下に設定されている。このような設定にすることで、通常モードでの良好なホワイトバランス、蛍光モードでの明るい蛍光画像、蛍光観察に影響しない漏れ光状態を実現可能である。
また、撮像素子54bはプロセッサ16の内部に設けられたCCD駆動回路232からの信号線58を通したCCD駆動信号により駆動され、撮像素子54bに結像された光学像を光電変換して画像信号を出力する。
上述した撮像ユニット54の撮像素子54bによって変換された画像電気信号は、信号線58を通してプロセッサ16の内部に設けられたプリアンプ234により増幅される。この画像電気信号は、オートゲインコントロール(AGC)回路238で所定レベルまで増幅される。その後、画像電気信号は、A/D変換回路240によりアナログ信号からデジタル信号(画像データ)に変換される。各画像データはマルチプレクサ242を経て、第1ないし第3のフレームメモリ244a,244b,244cに一時的に格納(記憶)される。
このような構成による本実施の形態に係る内視鏡装置10の作用を以下に説明する。
図1に示すように、気管支用の電子内視鏡12の電気コネクタ82aをプロセッサ16に接続し、ライトガイドコネクタ82bを光源装置14に接続する。各装置の電源を入れて動作状態に設定する。すると、制御回路230は初期設定の動作を行なう。この初期設定の状態では例えば通常モードで動作するように設定する制御を行なう。
まず、内視鏡12が通常モードであるとして説明する。すなわち、スイッチ部78のスコープスイッチ78aのモード切替スイッチを操作し、観察モードを通常モードに切り替える。
制御回路230は、光源装置14の移動用モータ216を制御して、切替フィルタ212の内周側のRGBフィルタ264を、ランプ202からの照明光路中に設定する。すなわち、観察モードが通常モードに切り替えられる。
制御回路230は、回転用モータ214を回転させる。ランプ202の白色光の光路上には、切替フィルタ212のRフィルタ264a、Gフィルタ264bおよびBフィルタ264cが順次配置される。このため、これらフィルタ264a,264b,264cを通してコンデンサレンズ208によって集光された光は、ライトガイドバンドル44、および照明レンズ42を通して出射される。したがって、観察対象物(被写体)には、R光、G光、B光の照明光(図6(B)参照)が順次照射される。
この動作のタイミングを図10(A)ないし図10(E)に示す。
図10(A)に示すモードは、ここでは通常モードに設定されている。この通常モードでは、上記のようにRフィルタ264a、Gフィルタ264b、Bフィルタ264cが順次ランプ202の照明光路上に配置される。このため、観察対象物は、R光、G光、B光により順次照明される。これを図10(B)に示すフィルタとして、R、G、B、R、…、で示している。
R光、G光、B光で順次照明された観察対象物は、対物レンズユニット52を通して撮像ユニット54の撮像素子54bで撮像される。この撮像素子54bで光電変換された画像データ信号は、信号線58、すなわち、信号ケーブル56を通してプロセッサ16に伝送される。
この画像データ信号は、プリアンプ234で増幅され、AGC回路238を通してA/D変換回路240でアナログデータがデジタルデータに変換された後、マルチプレクサ242に入力される。マルチプレクサ242は、制御回路230により順次切り替えられて第1フレームメモリ244a、第2フレームメモリ244b、および、第3フレームメモリ244cに順次格納される。
これらフレームメモリ244a,244b,244cに格納されたR光、G光、B光の色成分の画像データは所定のフレーム期間(例えば33ms、つまり1/30秒)で同時に画像処理回路244により読み出される。画像処理回路244は、読み出した画像データ信号を輪郭強調等して、D/A変換回路248を経てアナログの標準的な映像信号、ここではRGB信号に変換してモニタ18に出力する。
モニタ18の表示面には、切替フィルタ212を通さずにランプ202から観察対象物に白色光を照射した場合と同様に、直接観察対象物を観察した場合のカラー色調を反映した、通常観察画像がカラー表示される。
なお、上述したように、Bフィルタ264cを通して観察対象物を照明した場合、観察対象物からの反射光量は、対物レンズユニット52内の励起光カットフィルタ(図6(A)参照)によりその短波長側がカットされて撮像素子54bで受光される。このため、そのB光の色成分画像の受光量が他のR光、G光の色成分画像の受光量より少なくなる。したがって、このままではモニタ18に表示される画像のホワイトバランスが崩れている。
これを防止するために、制御回路230は、図10(C)に示すように、CCD駆動回路232を介してBフィルタ264cを通して観察対象物をB光で照明した期間に撮像した場合の撮像素子54bの増幅率を例えば2倍に増大させる。
また、制御回路230は、図10(D)に示すように、ランプ駆動回路210を制御する。ランプ駆動回路210は、Bフィルタ264cを通して観察対象物をB光で照明した期間におけるランプ202を駆動する通常のランプ電流の値を例えば15Aから18Aに増大させる。このため、Bフィルタ264cを通して観察対象物に照明されるB光の照明光量が増大される。
また、制御回路230は、図10(E)に示すように、CCD駆動回路232を制御して撮像素子54bの電子シャッタの機能を動作させる。CCD駆動回路232は、Rフィルタ264aを通して観察対象物をR光で照明した期間、および、Gフィルタ264bを通して観察対象物をG光で照明した期間においては、その照明期間の一部の期間でのみ撮像を行なわせるように撮像素子54bを駆動させる。すなわち、R光、G光を照射した観察対象物を撮像素子54bで撮像する場合、B光を照明している期間よりも短い期間で撮像素子を駆動させる。
なお、図10(E)中で、開は撮像素子54bに結像された像を撮像する撮像期間であり、閉は電子シャッタを使用して撮像素子54bに結像された像を撮像しない期間である。そして、その期間内(電子シャッタを開から閉にする期間内、および、閉から開にする期間内)に撮像素子54bで光電変換した信号は掃き捨てる。
より具体的には、R光、G光を観察対象物に照明している間は、その照明期間の一部の期間でのみ撮像を行ない、その短い撮像期間以外では光電変換した信号を掃き出す。すなわち、掃き捨てて、フレームメモリ244a,244bには一部の期間でのみ撮像した画像データを記憶する。
このようにして、モニタ18には、ホワイトバランスがとれた通常画像を表示する。なお、電子シャッタによる撮像期間の設定は予め白い被写体を撮像した場合に、モニタ18でその被写体が白く表示されるように、制御回路230内の図示しないメモリ等に、具体的な撮像期間の値が格納されている。あるいは、電源投入の後の初期設定の際に、白い被写体を撮像して、電子シャッタによる撮像期間を具体的に設定するようにしても良い。このとき、電子シャッタの撮像期間ではなく、CCD増幅率の値、ランプ電流の値を記憶して、これらを単独あるいは組み合わせても良い。
このようにして通常モードで観察対象物を観察可能である。
例えば注目する患部部位等の観察対象物の蛍光観察を行ないたい場合には、スイッチ部78のスコープスイッチ78aのモード切替スイッチの蛍光モードスイッチを操作する。すなわち、スイッチ部78のスコープスイッチ78aのモード切替スイッチを操作し、観察モードを蛍光モードに切り替える。
すると、この操作信号を受けて、制御回路230は、光源装置14の移動用モータ216を駆動して、切替フィルタ212を移動させる。このとき、蛍光観察用フィルタ266がランプ202の照明光路上に配置される状態に設定する。すなわち、観察モードが蛍光モードに切り替えられる。
制御回路230は、回転用モータ214を回転させる。ランプ202の白色光の光路上には、切替フィルタ212のR1フィルタ266a、G1フィルタ266bおよびE1フィルタ266cが順次配置される。このため、これらフィルタ266a,266b,266cを通してコンデンサレンズ208によって集光された光は、ライトガイドバンドル44、および照明レンズ42を通して出射される。したがって、観察対象物(被写体)には、R1光、G1光、E1光の照明光(図6(C)参照)が順次照射される。
この動作のタイミングを図10(A)ないし図10(E)に示す。
図10(A)に示すモードは、ここでは蛍光モードに設定されている。この蛍光モードでは、上記のようにR1フィルタ266a、G1フィルタ266b、E1フィルタ266cが順次ランプ202の照明光路上に配置される。このため、観察対象物は、R1光、G1光、E1光により順次照明される。これを図10(B)に示すフィルタとして、R1、G1、E1、R1、…、で示している。
R1光、G1光、E1光で順次照明された観察対象物は、対物レンズユニット52を通して撮像ユニット54の撮像素子54bで撮像される。
ここで、R1光、G1光で観察対象物を照明した場合、通常モードでのR1光、G1光が順次照射された場合と同様の動作となる。つまり、この場合にはR1光、G1光の観察対象物での反射光(観察像)を撮像素子54bで受光する。この場合、反射光は、励起光カットフィルタ(図6(A)参照)による影響を受けずに、撮像素子54bで撮像される。
これに対し、励起光E1を照射した場合、その励起光E1の反射光は励起光カットフィルタにより殆ど完全に遮光されるが、この励起光カットフィルタの透過帯域内の観察対象物側からの蛍光を受光する。
この蛍光の強度は、R1光、G1光の観察対象物による反射光(観察像)の強度に比べてはるかに小さい。このため、上述した通常モードでのR光、G光の照明、B光の照明、および、それらの場合の信号処理と類似した動作を行なって、R1光、G1光の観察対象物による反射光の画像と対比し易い、明るい蛍光画像が表示されるようにする。
具体的には、R1光、G1光の観察対象物からの反射光を撮像する場合、図10(E)に示すように、電子シャッタにより、R1光、G1光の照明期間の一部の期間のみ撮像素子54bで撮像した画像データを第1フレームメモリ244a、第2フレームメモリ244bに格納する。
これに対し、E1光の励起光を照射した場合で、その励起光により励起された蛍光が発っせられたことによる蛍光画像を撮像する場合、図10(C)に示すように、撮像素子54bの増幅率を例えば10倍から100倍程度に増大させ、かつ、図10(D)に示すランプ電流も例えば15Aから21Aに増大させて励起光の照明光量も増大させる。そして、この場合に撮像した蛍光画像データを第3フレームメモリ244cに格納する。
そして、1フレーム周期で第1ないし第3フレームメモリ244a,244b,244cの画像データを同時に読み出し、モニタ18で例えば擬似的にカラー表示する。このようにして、蛍光モードにおいても、S/N比の良好な明るい蛍光画像が得られる。
蛍光モードにより得られた蛍光画像により、図12(A)に示すように、正常組織と癌組織とを診断し易い画像や、炎症部分があるか否か(図示せず)を診断することができる。
より具体的には、波長が400nm−440nmの励起光E1(図6(C)参照)を照射した際の正常組織と癌組織の蛍光スペクトルでは、正常組織に対し、癌組織では蛍光強度が減衰する。したがって、波長が400nm−440nmの励起光E1を照射し、その際発生する蛍光スペクトル強度を検出することで正常組織と癌組織とを診断することが可能である。
また、正常であると分類されるが、炎症を起こした組織では、ヘモグロビンの量が増えるため、蛍光スペクトル強度が減衰する。そして、G1光とR1光は、図12(B)に示すように、ヘモグロビンの吸光度に差がある波長帯が選定されている。つまり、G1光、R1光の情報を比較することでヘモグロビンの量を検出でき、蛍光波長と反射波長を組み合わせることで炎症組織による蛍光の減衰を補正することが可能である。
上述した内視鏡装置10は、拡大観察可能な機能を備えていることが好適である。このような機能は、対物レンズユニット52の対物レンズ系52bや、撮像素子54bや、プロセッサ16のいずれかに設けられていることが好適である。このため、蛍光モードで観察を行なった際に異常を疑う個所を精査することが可能である。
また、上述した内視鏡装置10は、上述したように、内視鏡12の挿入部22の先端部の対物レンズユニット52の内部にレーザー光カットフィルタが配設されていることが好適である。また、撮像ユニット54の遮光性の向上のため、撮像ユニット54の外周に図4(C)に示す遮光枠(薄膜62)が配置されている。このため、内視鏡12の処置具挿通チャンネル36にレーザー処置具を挿通した状態で撮像ユニット54に処置具挿通チャンネル36の壁部を通してレーザー光を入射させることを防止した状態で使用することができる。すなわち、気管支等に対してレーザー処置を経内視鏡的に行なうことができる。
なお、上述した実施の形態に係る内視鏡装置10では、電子内視鏡12に蛍光を用いることについて説明したが、特に、内視鏡12の製造工程は、気管支用だけでなく、他の用途(部位)に使用される内視鏡にも適宜に適用可能なものである。このため、上述した記載は、気管支用の内視鏡に限定されるものではない。
また、内視鏡12の光源装置14やプロセッサ16は、上述したものに限定されることはなく、種々の光源装置14やプロセッサ16を使用することが可能である。
これまで、一実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
[付記]
(付記項1)
先端枠部材、および、この先端枠部材を覆う先端カバーを先端部に備え、前記先端枠部材および先端カバーにそれぞれ照明用孔部と対物用孔部とを有する、細長い挿入部と、
この挿入部の基端部に配設された操作部と、
この操作部から延出されたユニバーサルコードと
を具備し、
前記挿入部、操作部およびユニバーサルコードに、照明レンズとライトガイドバンドルとを有する照明光学系、および、対物レンズユニットとケーブルが延出された撮像ユニットとを有する対物光学系が挿通された内視鏡において、
先端枠部材の照明用孔部に接着により照明レンズを固定し、
前記照明レンズの基端部からライトガイドバンドルを配設して前記照明レンズの基端側に固定し、
前記先端カバーの先端面および照明用孔部の縁部に接着剤を塗布して前記先端枠部材に前記先端カバーを被せて、前記先端カバーの爪部で前記照明レンズを保持するとともに、前記先端枠部材の先端面と前記先端カバーの基端面とを接着により固定し、
先端枠部材の基端部側から先端枠部材の対物用孔部に対物レンズユニットを挿入し、
前記対物レンズユニットのフランジ部を、前記対物用孔部のザグリ部に当接させて、前記対物レンズユニットの先端の対物レンズのレンズ面を、先端カバーの先端面に面一の位置もしくは先端カバーの先端面に対して僅かに突出する一致する位置に配置してなる
ことを特徴とする内視鏡。
(付記項2)
被写体を照明する光を出射する照明レンズと、前記被写体を内部側に取り込む対物レンズ系と、これらレンズ系を保持するレンズ枠とを先端に有し、前記レンズ枠と、前記レンズ系の最も先端側の対物レンズとが半田により固定されて対物レンズユニットが形成された細長い挿入部と、
この挿入部の基端部に配設された操作部と
を具備し、
前記挿入部は、前記照明レンズと前記対物レンズユニットとを保持する先端枠部材および先端カバーを備え、
前記先端枠部材は、
前記照明レンズが前記挿入部の先端部側から配設される凹部と、
前記対物レンズユニットが前記挿入部の基端部側から導入される観察用孔部と
を備え、
前記先端カバーは、
前記照明レンズが配設される照明用孔部と、
前記対物レンズユニットが配設される対物用孔部と
を備えた内視鏡において、
前記先端カバーは、前記先端枠部材の先端面に接着により固定される基端面を備え、
前記先端カバーの照明用孔部は、前記照明レンズを前記挿入部の先端部側から保持し、前記照明レンズの先端側の形状に合わせて前記先端カバーの先端側に向かって変形可能な状態で前記照明レンズを接着により固定する爪部を備え、
前記先端枠部材の前記観察用孔部は、先端部側に比べて径が拡径された拡径部を基端部側に備え、
前記レンズ枠は、前記拡径部に当接されて接着により固定される凸部を外周面に備えていることを特徴とする内視鏡。
(付記項3)
前記先端カバーの先端面および照明用孔部の縁部に接着剤を塗布して前記先端枠部材に前記先端カバーを被せて、前記先端カバーの爪部で前記照明レンズを保持するとともに、前記先端枠部材の先端面と前記先端カバーの基端面とを接着により固定する際、
前記爪部を前記先端カバーの先端側に変形させながら、前記先端枠部材の先端面と前記先端カバーの基端面とを接着により固定してなることを特徴とする付記項1もしくは付記項2に記載の内視鏡。
(付記項4)
前記先端カバーの前記爪部は、弾性変形することを特徴とする付記項3に記載の内視鏡。
このため、爪部を弾性変形させた状態で照明レンズをしっかりと保持することが可能である。
(付記項5)
前記先端カバーの前記爪部は、塑性変形することを特徴とする付記項3に記載の内視鏡。
このため、爪部を塑性変形させた状態で照明レンズをしっかりと保持することが可能である。
(付記項6)
前記操作部は、通常観察モードと蛍光観察モードとを切替可能な切替スイッチを備えていることを特徴とする付記項1ないし付記項5のいずれか1に記載の内視鏡。
このため、内視鏡を蛍光内視鏡として使用可能である。
(付記項7)
前記挿入部および前記操作部は、それらの露出部が不導体で形成されていることを特徴とする付記項1ないし付記項6のいずれか1に記載の内視鏡。
このため、内視鏡の処置具挿通チャンネル等に挿通した状態で高周波処置具等の電気的な処置具を使用することができる。
(付記項8)
前記挿入部は、前記対物レンズユニットの基端部に撮像ユニットを備え、
この撮像ユニットの外周面には、光の透過を防止する被覆部が配設されていることを特徴とする付記項1ないし付記項7のいずれか1に記載の内視鏡。
このため、内視鏡の処置具挿通チャンネル等に挿通した状態でレーザープローブ等の光学的な器具が使用される際に、撮像ユニットに対して処置具挿通チャンネル等から直接光が入射されることを防止することができる。
(付記項9)
前記対物レンズユニットは、レーザー光カットフィルタを備えていることを特徴とする付記項8に記載の内視鏡。
このため、内視鏡の処置具挿通チャンネル等に挿通した状態でレーザープローブ等の光学的な器具が使用される際に、レーザー光が撮像ユニットに入射されることを防止することができ、レーザー光を使用するときであっても通常観察や蛍光観察を行なうことができる。
(付記項10)
前記先端枠部材の前記照明用孔部は、一部が切り欠かれていることを特徴とする付記項1ないし付記項9のいずれか1に記載の内視鏡。
先端枠部材の肉厚を減少させることができるので、先端枠部材を小径化する、すなわち、挿入部を小径化することができる。
32…照明光学系、42…照明レンズ、44…ライトガイドバンドル、44a…出射端面、46…被覆チューブ、92…先端硬質部、94d…外皮、102…先端枠部材、104…先端カバー、108…糸巻部、112a…照明用孔部、114a…照明用孔部、116…爪部、122a…照明レンズ設置孔、122b…ライトガイドバンドル配設孔、122c…被覆チューブ配設孔