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JP4981902B2 - 液状感光性樹脂凸版の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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液状感光性樹脂凸版の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、段ボール、フィルム、シール及びラベル等の印刷で使用される液状感光性樹脂凸版の製造方法及び製造装置に関する。より詳細には、本発明は、特定の成形及び露光工程を含む、液状感光性樹脂凸版の製造方法、及びこの方法に使用される製造装置に関する。
一般に、液状感光性樹脂を用いて印刷版を製造するためには、図1に例示する構成に代表されるように、液状感光性樹脂の露光装置が使用される(例えば、特許文献1〜4参照)。図1は、液状感光性樹脂を用いて印刷版を製造する際に利用される従来技術の露光装置10の斜視図を示す。露光装置10は、装置の上部から順に、上部光源11、上部硬質板13、下部硬質板14及び下部光源12を備える。露光装置10は、下部硬質板14上のネガフィルム上に配されるカバーフィルムを供給するカバーフィルム収納部15と、上部硬質板13上に、マスクネガフィルムを介して配されるベースフィルムを供給するベースフィルムセット部16と、を備える。また、この露光装置10は、カバーフィルムを介して下部硬質板14の上に液状感光性樹脂を供給する液状感光性樹脂コーティングバケット17をさらに備える。この液状感光性樹脂コーティングバケット17は、キャリッジ18の移動により、下部硬質板14の上を左右に移動して、下部硬質板14上に液状感光性樹脂とともに、ベースフィルムセット部16から当該液状感光性樹脂上にベースフィルムを供給することができる。
図2は、図1に示す露光装置10を用いて、液状感光性樹脂から液状感光性樹脂凸版の製造を説明するための概略断面図を示す。先ず、高い平面精度に処理された下部硬質板14の上に、ネガフィルム23、及びカバーフィルム収納部15から供給されたカバーフィルム24を、真空等の手段によりしわがないように密着して、下部硬質板14上に固定する。次に、図1に示すキャリッジ18を移動させて、カバーフィルム24の上に、液状感光性樹脂25を塗布する。カバーフィルム24の平面上に塗布する液状感光性樹脂25の流出を抑制するために、カバーフィルム24の上に、塗布されるべき液状感光性樹脂25の厚さに応じた高さのダム材30を枠状に形成し、カバーフィルム24上に貼り付けるなどして固定する。ここで、ダム材30によって形成された枠内に液状感光性樹脂25を塗布した後、当該液状感光性樹脂25の上に、ベースフィルム26とマスクネガフィルム27を重ねる。その後、感光性樹脂版の厚みを決めるためにセットされたスペーサー28の上に置かれた上部硬質板13によって、下部硬質板14の上に積層された、ネガフィルム23、カバーフィルム24、ダム材30、液状感光性樹脂25、ベースフィルム26、及びマスクネガフィルム27を挟む。
次に、上部硬質板13を通して、上部光源11からの活性光を照射し、製造すべき印刷版のレリーフ部分の基部を形成させるためのマスキング露光を行う。次いで、レリーフ部分の画像を形成させるために、下部硬質板14上のネガフィルム23を介して、下部光源12からの活性光を照射してレリーフ露光を行ない、露光工程を終了する。
露光が終了した版からカバーフィルム24を引き剥がし、カバーフィルム24に付着している樹脂、及び活性光が照射されていないレリーフ面の未硬化樹脂をゴム製ブレード等で掻き取って除去する。版面から未硬化樹脂を完全に除去するため、適当な洗剤で版面を洗い出して現像し、後露光及び乾燥処理を施すことにより、液状感光性樹脂凸版が製造される。
特開平 8−305006号公報 特開平 8−314126号公報 特開平11− 84633号公報 特開平11−151729号公報
しかしながら、前述の技術により液状感光性樹脂凸版を製造する方法では、液状感光性樹脂を平滑平面上に塗布する故に、この流出を抑制するためのダム材30が必要となる。製版の副資材であるダム材30は、印刷版を1版製造する毎に用いなければならず、これを枠状に形成するためには少なくとも樹脂を塗布する範囲の周囲長さ分は必要となる。また、ダム材30は、成形しようとする版厚に対応した高さの物を選択する必要があり、製造現場において複数種類のダム材30を所有することは製版作業を煩雑にする要因となっている。ダム材30で枠状を形成するにあたっては、液状感光性樹脂を塗布する面積範囲に見合った寸法に収めなければ版厚精度が安定せず、また、毎度定められた位置にダム材30を貼り付けるなどの方法で固定しなければ樹脂漏洩が発生するため、この形成作業にはある程度の熟練を要し、製版作業時間を引き延ばす要因ともなっている。
また、ダム材30には樹脂が直接付着し、かつ、活性光線により露光硬化した樹脂がダム材30に固着するために、ダム材30を繰り返し使用するにあたっては、この拭き取り除去に多大な労力を要することから、実際には使い捨てのダム材30が一般に用いられており、これらは産業廃棄物として処理されている。
ところで、印刷版の図柄に関わらない部分の液状感光性樹脂は硬化させずに掻き取って回収し、再利用できることは液状感光性樹脂凸版を製造する際の最大のコストメリットである。しかしながら、未硬化の樹脂を掻き取り回収する工程において、カバーフィルム24を剥がしてフィルム面に付着している樹脂を掻き取る際に、フィルム面に貼り付けたダム材30がこの掻き取りを阻害する故に、効率的かつ充分に樹脂回収が実現できず再利用できる樹脂量が減ることから、製版に要するコストを引上げる要因となっている。
ここで、上記の使い捨てのダム材30とは、独立気泡を有するスポンジで片面に粘着テープが付いた部材が一般に用いられている。このスポンジの高さ寸法は0.5mm単位で、製造する版厚に応じて複数種類の高さ寸法の部材が用いられている。独立気泡のスポンジは液状樹脂が漏洩しにくいので堰き止めに有効であり、また、スポンジは軽量で扱いやすく、かつ、容易に手でちぎることができるため任意の長さに切って使い易い。
さらに、スポンジの片面に付けた粘着テープは、合い紙を剥せば直ぐにカバーフィルム上に貼り付けて固定ができるという利点がある。しかしながら、作業の優位性はあるもののカバーフィルム24上に貼り付けるという作業自体が無くなるわけではなく、製版時間の短縮や製版コストの引き下げに寄与するものではない。なお、液状感光性樹脂凸版の製造方法及び装置について、このダム材30を用いずに製版する方法については、前述の特許文献1ないし4には全く記載されていない。
本発明の目的は、液状感光性樹脂凸版の製造の際、露光工程においては、液状感光性樹脂の流出を抑制するダム材30を毎版カバーフィルム24上に貼り付ける等して露光することなく、任意の厚さの液状感光性樹脂凸版を製造する製造方法及び当該製造方法を実施するための製造装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カバーフィルムを硬質板上にしわなく平滑に真空吸着して固定でき、且つ、カバーフィルム自体を任意の深さを有する凹部に形成し、この凹部の内部へ液状感光性樹脂を適量塗布して成形及び露光を行うことにより、ダム材を用いることなく任意の版厚の液状感光性樹脂版を製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の態様では、第1のフィルム層、液状感光性樹脂層、及び第2のフィルム層を含む積層体を、下部硬質板と上部硬質板とで挟み、その後、露光する凸版の製造方法であって、
(a)前記下部硬質板と、前記下部硬質板の周囲であって、前記下部硬質板との間に隙間を有するように配置された堰部材とに、前記第1のフィルム層を密着させる工程と、
(b)前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を上方又は下方に移動させることにより、前記第1のフィルム層により凹部を形成する工程と、
(c)前記第1のフィルム層による前記凹部の内側に、液状感光性樹脂を塗布する工程と、
(d)前記液状感光性樹脂上に、第2のフィルム層を積層する工程と、を含む凸版の製造方法を提供する。
かかる製造方法により、下部硬質板と堰部材の昇降量を調節することで、カバーフィルムによる凹部を形成する際、凹部の任意の深さを得ることができ、当該凹部の内側へ液状感光性樹脂を凹部の深さにほぼ等しい程度の厚み分塗布させて、任意の厚さに成形された液状感光性樹脂凸版を製造することができる。
また、本発明の第2の態様では、下部硬質板及び前記下部硬質板と対向する上部硬質板で、液状感光性樹脂を挟んだ後露光する凸版の製造装置であって、
活性光線を透過し、第1の溝を有する下部硬質板と、
前記下部硬質板と対向する位置に配設される上部硬質板と、
前記下部硬質板の周囲に、前記下部硬質板と所定の隙間を有して配置され、第2の溝を有する堰部材と、
前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を移動させる昇降機構と、
を備える凸版の製造装置を提供する。
本発明による液状感光性樹脂凸版の製造装置では、これまで版を1枚製造する際に毎回、カバーフィルム上に貼り付ける等して形成していたダム材を使用することなく、例えば、1.7〜8mm程度の範囲内で任意の版厚の液状感光性樹脂版を得ることができる。
また、凹部に形成していたカバーフィルムを引き剥がせば元の平坦なフィルム状になることから、フィルム面に付着している未硬化樹脂を掻き取りやすく、再利用できる樹脂量を増やすことができる。つまりは、ダム材を使用しないことによる作業負担や製版時間の短縮、版コストの削減、及び産業廃棄物の削減が可能となる。
液状感光性樹脂を用いて印刷版を製造する際に利用される従来技術の露光装置10の斜視図を示す。 図1に示す露光装置10を用いて、液状感光性樹脂から液状感光性樹脂凸版の製造を説明するための概略断面図を示す。 本実施形態である製造方法における工程(a)を説明する概略断面図である。 本実施形態である製造方法における工程(b)を説明する概略断面図である。 本実施形態である製造方法における工程(c)を説明する概略断面図である。 本実施形態における成形及び露光工程を説明するための概略断面図である。 本実施形態の製造方法を実施するための露光装置の要部の概略分解図を示す。 本実施形態に用いられる露光装置100が備える、下部硬質板14及び堰部材29と、これらの下部硬質板14及び堰部材29の動作を制御する昇降機構32との関係を説明する概略斜視図である。 本実施形態に用いられる露光装置100における下部硬質板14と堰部材29の関係を説明する概略図である。 下部硬質板14及び堰部材29の双方の全面が覆われるようにカバーフィルム14を積層させた場合の概略断面斜視図を示す。
符号の説明
10、100:露光装置、11:上部光源、12:下部光源、13:上部硬質板、14:下部硬質板、15:カバーフィルム収納部、16:ベースフィルムセット部、17:液状感光性樹脂コーティングバケット、18:キャリッジ、23:ネガフィルム、24:カバーフィルム、25:液状感光性樹脂、26:ベースフィルム、27:マスクネガフィルム、28:スペーサー、29:堰部材、30:ダム材、32:昇降機構、35、36:溝。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の製版方法は、後述する液状感光性樹脂凸版を製造する露光装置に適用され得る。液状感光性樹脂を用いて版を製造する際の利点は、任意の版厚を製造できる点であり、本実施形態において用いられる液状感光性樹脂凸版の一の態様であるフレキソ印刷版の版厚は、被印刷物や印刷機の仕様で決定されるが、一般に多く用いられているのは、2.0〜8.0mmの範囲の版厚である。この版厚範囲を満足する版を製造するにあたり、本実施形態のように、カバーフィルムで凹部を形成し、この凹部内に液状感光性樹脂を塗布して露光する。この凹部の深さが最低でも1.7〜8.0mmの範囲を任意に形成できるようにすれば、所望のフレキソ印刷版の版厚を得ることができる。
本実施形態において用いられるフレキソ印刷版用感光性樹脂では、以下の樹脂に限定されるわけではないが、感光性樹脂として公知の樹脂のものを使用することができる。例えば、特開平10−171111号公報、特開昭63−088555号公報、特開平05−134410号公報等に提案されている樹脂がその典型例である。フレキソ印刷版用感光性樹脂の一般的な構成として、オリゴマー又はポリマー成分と重合性モノマー成分と光開始剤および安定剤から構成される。版の物性に最も影響の大きいオリゴマー又はポリマー成分に用いられる材料も多岐にわたり、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系、ポリエステル樹脂系若しくはナイロン樹脂系から、極性基含有ポリマーと疎水性のポリマーを混合・分散した樹脂計系(バインダーポリマー)や、疎水性のポリマー、例えば、熱可塑性エラストマーを用いる場合まで様々である。これらのオリゴマー又はポリマー成分は単独で用いてもよいし2つ以上を併用してもよい。
本実施形態の凸版の製造方法は、第1のフィルム層であるカバーフィルム、液状感光性樹脂層、及び第2のフィルム層であるベースフィルムを含む積層体を、下部硬質板と上部硬質板とで挟み、その後、露光する凸版の製造方法であって、(a)前記下部硬質板と、前記下部硬質板の周囲であって、前記下部硬質板との間に隙間を有するように配置された堰部材とに、前記第1のフィルム層を密着させる工程と、(b)前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を上方又は下方に移動させることにより、前記第1のフィルム層により凹部を形成する工程と、(c)前記第1のフィルム層による前記凹部の内側に、液状感光性樹脂を塗布する工程と、(d)前記液状感光性樹脂上に、第2のフィルム層を積層する工程と、を含む。
本実施形態において用いられる露光装置とは、製造しようとする版の版厚に応じた厚さに液状感光性樹脂を塗布した後、上下に対向した2枚の活性光線を透過する硬質板で挟んで平滑になるよう圧縮成形し、活性光線を照射して露光を行う装置である。実際に印刷版を製造するに当たっては、凸部を形成させる場所に光が照射されるように作製されたネガフィルム等を介して活性光線を選択的に照射する。活性光線が照射された部分の樹脂は露光硬化して固化するが、非照射部分は硬化せずに液状を保つ。なお、この未硬化の樹脂は後工程の回収機で掻き取って回収し、再利用することが可能である。
図3は、本実施形態の製造方法における工程(a)を説明する概略断面図である。工程(a)は、昇降機構32の上に置かれた下部硬質板14と、前記下部硬質板14の周囲であって、隙間dを有するように配置された堰部材29とに、カバーフィルム24を密着させる工程である。なお、凸版のレリーフ部を形付けるネガフィルム23は、予め下部硬質板14とカバーフィルム23との間に配置させることができる。
ここで、堰部材29は、下部硬質板14の周囲に配置される枠部材であり、材質は特に限定されないが、上部硬質板11を載せてもこの自重量で形状変化の殆どない硬質材、例えば、金属、非鉄金属、樹脂成形材等、が好ましい。なお、堰部材29のカバーフィルム24に接触する面は、カバーフィルム24の破れを防ぐために、表面ができるだけ滑らかに加工又は処理された部材で、特に金属では錆びの発生がない材質、もしくは錆びの発生を抑えるように表面処理された材料であることが好ましい。堰部材29自体が枠部材であることから、下部硬質板14の周囲に堰部材29を配置させることにより、堰部材29内に、下部硬質板14が配置される構成となる。本実施形態では、カバーフィルム24を、下部硬質板14及び堰部材29の上面に配置させる。なお、堰部材29の側面と下部硬質板14の側面との間である隙間dは、カバーフィルム24で凹部を形成し、この凹部内に液状感光性樹脂を塗布した際、液状感光性樹脂の自重によるカバーフィルム24のたるみの影響、具体的には、凹部の形状が維持できずに、凹部内に塗布した液状感光性樹脂が成形範囲外に流出することを抑える観点、及び装置周辺での作業性を考慮し、装置自体のサイズをできるだけ小さくするという観点から、200mm以下の隙間であることが好ましく、5mm以下の隙間がより好ましい。
図3に例示するように、下部硬質板14と堰部材29は、それぞれ、その上面に溝36、35を有することが好ましい。かかる溝36、35を介して、真空手段等により空気を排気することにより、必要に応じて、給気によりカバーフィルム24の位置を調整したうえで、さらに排気を行なうことにより、カバーフィルム24を下部硬質板14及び堰部材29の所定の位置に、しわがないように密着させることができる。なお、図3では、下部硬質板14及び堰部材29の上面に溝36、35を形成した構成により、本実施形態における工程(a)を説明したが、本発明では、溝の位置は下部硬質板14及び堰部材29の上面に限定されるものではない。カバーフィルム24が、下部硬質板14及び堰部材29に密着するならば、下部硬質板14及び堰部材29における溝の位置は限定されず、下部硬質板14及び堰部材29の側面であってもよい。
図4は、本実施形態の製造方法における工程(b)を説明する概略断面図である。工程(b)は、後述する昇降機構により、下部硬質板14及び/又は堰部材29を上方又は下方に移動させることにより、カバーフィルム24により凹部を形成する工程である。具体的には、後述する昇降機構により下部硬質板14を下方に移動させる、又は堰部材29を上方に移動させて、液状感光性樹脂を受け入れる凹部を、カバーフィルム24のみで構成する。なお、本工程(b)では、下部硬質板14を下方に移動させるとともに、堰部材29を上方へ同時に移動させて、カバーフィルム24により凹部を形成させてもかまわない。また、昇降機構により下部硬質板14及び/又は堰部材29を移動させる際、溝35、36を介して真空を保持しながら、カバーフィルム24を下部硬質板14及び堰部材29に密着させることが、製造される凸版の位置決めの観点から好ましい。
ここで、工程(b)において、下部硬質板14の上面と堰部材29の上面との距離は、カバーフィルム24により形成される凹部の深さに相当し、最終的に露光による硬化により製造される凸版の版厚にほぼ相当する距離である。そのため、下部硬質板14の上面と堰部材29の上面との距離が、1〜10mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、1.0〜9.0mmの範囲である。
図5は、本実施形態の製造方法における工程(c)を説明する概略断面図である。工程(c)は、先行する工程(b)により形成されたカバーフィルム24による凹部の内部に、液状感光性樹脂25を塗布する工程である。ここで用いる液状感光性樹脂の具体例としては、以下のものに限定されるわけではないが、前述したオリゴマー又はポリマー成分と重合性モノマー成分と光開始剤および安定剤から構成される液状観光性樹脂等を挙げることができる。なお、液状感光性樹脂を塗布する際、溝35、36を介して真空を保持しながら、カバーフィルム24を下部硬質板14及び堰部材29に密着させることが、製造される凸版の位置決めの観点から好ましい。
本実施形態における液状感光性樹脂25の塗布方法は、特に限定されるものではないが、図1にて例示したような、露光装置が備えるキャリッジ18を、下部硬質板14上を左右に移動する際、液状感光性樹脂コーティングバケット17により、カバーフィルム24により形成される凹部の内側に塗布されることが好ましい。なお、液状感光性樹脂25を塗布する際の樹脂層自体の厚さは、前述のカバーフィルム24による凹部の深さに相当するため、1〜10mmの範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜9.0mmの範囲である。
また、本実施形態の製造方法における工程(d)は、前述の液状感光性樹脂25の上に第2のフィルム層であるベースフィルム26を積層する工程である(図5参照)。ベースフィルム26を積層する方法は、特に限定されるものではないが、図1にて例示したような、ベースフィルムセット部16により、液状感光性樹脂25上に供給することが好ましい。工程(b)及び(c)と同様に、ベースフィルム26を積層する際、溝35、36を介して真空を保持しながら、カバーフィルム24を下部硬質板14及び堰部材29に密着させることが、製造される凸版の位置決めの観点から好ましい。また、図5に例示するように、ベースフィルム26を液状感光性樹脂25上に積層する際、回転ローラにより押圧することが好ましい。本実施の好ましい形態では、下部硬質板14上に液状感光性樹脂25を塗布するとほぼ同時に、ベースフィルムセット部16から当該液状感光性樹脂25上にベースフィルム26を供給することが好ましい。
図6は、本実施形態における成形及び露光工程を説明するための概略断面図である。前述のようにして下部硬質板14上に塗布した液状感光性樹脂層25を、その上方から、マスクネガフィルム27とともに上部硬質板13を配置する。下部硬質板14及び堰部材29における溝36、35を介して真空を保持しながら、カバーフィルム24を下部硬質板14及び堰部材29に密着させ、マスクネガフィルム27及び上部硬質板13を液状感光性樹脂層25に積層し、圧縮する。その後、上部硬質板13を通して、上部光源11からの活性光線を照射し、製造すべき印刷版のレリーフ部分の基部を形成させるためのマスキング露光を行う。次いで、レリーフ部分の画像を形成させるために、下部硬質板14上のネガフィルム23を介して、下部光源12からの活性光線を照射してレリーフ露光を行ない、成形及び露光工程を終了する。本実施形態で用いる上部及び下部光源11、12としては、以下のものに限定されないが、活性光線の一例である紫外線等を放射する光源が好ましい。具体的な光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、メタルハライドランプ、UV−LED等を挙げることができる。液状感光性樹脂に照射される光は、300〜400nmの波長を有することが好ましい。
露光後、上部硬質板13及びマスクネガフィルム27を除去した後、溝35、36に空気を給気して、下部硬質板14及び堰部材29に真空密着していたカバーフィルム24を離脱し、カバーフィルム24、液状感光性樹脂25、ベースフィルム26からなる積層体、すなわち製造された凸版を装置から取り出す。後工程において、製造された版からカバーフィルム24を引き剥がし、カバーフィルム24に付着している樹脂、及び活性光が照射されていないレリーフ面の未硬化樹脂をゴム製ブレード等で除去する。版面から未硬化樹脂を完全に除去するため、適当な洗剤、例えば、現像剤W−10(商標・旭化成ケミカルズ(株)製、アニオン界面活性剤水溶液)を1.5wt%、表面処理剤A−10(商標・旭化成ケミカルズ(株)製、ベンゾフェノン含有ノニオン界面活性剤水溶液)を0.5wt%、消泡剤SH−4(商標・旭化成ケミカルズ(株)製、シリコン系消泡剤)を0.3wt%加えた水溶液で版面を洗い出して現像し、後露光及び乾燥処理ののち、液状感光性樹脂凸版が得られる。
次に、本実施形態における製造方法を実施し得る本実施形態の製造装置について、詳細に説明する。
本実施形態における製造装置は、下部硬質板及び前記下部硬質板と対向する上部硬質板で、液状感光性樹脂を挟んだ後露光する凸版の製造装置であって、活性光線を透過し、第1の溝を有する下部硬質板と、前記下部硬質板と対向する位置に配設される上部硬質板と、前記下部硬質板の周囲に、前記下部硬質板と所定の隙間を有して配置され、第2の溝を有する堰部材と、前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を移動させる昇降機構と、を備える。図7は、本実施形態の製造方法を実施するための露光装置の要部の概略分解図を示す。図7の構成に例示すように、本実施形態に用いられる露光装置100は、露光装置100の上下に対向した2枚の上部硬質板13及び下部硬質板14を備え、下側に配置した下部硬質板14の上に、堰部材29、ネガフィルム23、カバーフィルム24、液状感光性樹脂25、ベースフィルム26、マスクネガフィルム27の順に積層し、上側に配置した上部硬質板13で挟んで、圧縮し、その後、露光を行う。本実施形態で用いる上下の硬質板のうち、上部硬質板13は必ずしも活性光線を透過する必要はないが、上部及び下部硬質板13、14の双方とも活性光線を透過する板部材であることが好ましい。前記露光は上部硬質板で挟んだ状態で行ってもよいし、上部硬質板で挟み圧縮して表面を平滑化した後、凹部内の樹脂を上部硬質板及び下部硬質板で挟まない状態で露光してもよい。
本実施形態で用いる堰部材29は、下部硬質板14の周囲であって、下部硬質板14と隙間をおいて配置される。この隙間とは、堰部材29と下部硬質板14との間であって、両者の近接する辺同士が、一定の隙間を有して配置される(前述の図3のdに相当)。なお、図7には例示していないが、本実施形態に用いられる露光装置100は、図1に示したカバーフィルム収納部、ベースフィルムセット部、液状感光性樹脂コーティングバケット及びキャリッジを備える。
図8は、本実施形態に用いられる露光装置100が備える、下部硬質板14及び堰部材29と、これらの下部硬質板14及び堰部材29の動作を制御する昇降機構32との関係を説明する概略斜視図である。本実施形態における下部硬質板14及び堰部材29のいずれか一方、又は両方が昇降機構32を有し、この昇降機構32の制御により、下部硬質板14及び堰部材29の位置関係を任意に調整できる。具体的には、昇降機構32の作用により、下部硬質板14を、堰部材29よりも上部に配置させることもできるし、堰部材29を、下部硬質板14よりも上部に配置させることもできる。下部硬質板14と堰部材29のこのような位置関係を利用して、下部硬質板14上に配されるカバーフィルム24により、液状感光性樹脂を貯留しうる凹部を形成し、該凹部の深さを任意に調節することも同時に可能となる。本実施形態に用いられる昇降機構は、図8に例示するように、いわゆる矢板式のものが、下部硬質板14及び/又は堰部材29を上方又は下方に移動させる量を、連続的に可変制御できる点から好ましいが、図8に例示する昇降機構の形状に限定されるものではない。下部硬質板14及び/又は堰部材29を上方又は下方に連続的に移動させる方法としては、前記矢板式のもの以外に、ボールネジを用いた方法が挙げられる。尚、昇降の移動量を可変制御する手段として、エンコーダを内蔵したステッピングモータやサーボモータなどの駆動機器と、これらを駆動制御するドライバ機器とを用いて行う方法が一般的に知られており、エンコーダーからのパルス信号を取り込んで演算し、昇降移動させたい量だけモーターを回転させるフィードバック制御方式が最も一般的である。
図9は、本実施形態に用いられる露光装置100における下部硬質板14と堰部材29の関係を説明する概略図である。本実施形態に用いられる下部硬質板14と堰部材29は、双方ともに、その上面に溝35、36を有する。この溝35、36から、下部硬質板14と堰部材29の上面に配されるカバーフィルム24を密着させるため、堰部材29に形成された溝35と、下部硬質板14に形成された溝36から、真空等の手段により空気を排気させる。なお、図9では、堰部材29と下部硬質板14の上面に溝を形成させた構成を例示したが、本実施形態では、かかる構成に限定されず、カバーフィルム24を堰部材29及び下部硬質板14に密着させることができる溝ならば、その溝を形成する位置は限定されず、堰部材29及び下部硬質板14の側面にかかる溝を形成してもよい。
図10は、下部硬質板14及び堰部材29の双方の全面が覆われるようにカバーフィルム14を積層させた場合の概略断面斜視図を示す。図9を用いて説明したように、下部硬質板14及び堰部材29に形成された溝36、35を介して排気することにより、カバーフィルム14が下部硬質板14及び堰部材29に密着させることができる。その後、図8の概略図の説明で用いた昇降機構32により、堰部材29の位置を保持したまま、下部硬質板14を下方へ移動させる、または下部硬質板14の位置を保持したまま、堰部材29を上方へ移動させることにより、カバーフィルム14による凹部が形成される。あるいは、下部硬質板14及び堰部材29を、昇降機構32により同時に移動させることにより、カバーフィルム14による凹部が形成される。このようにして、下部硬質板14及び堰部材29の昇降量を調節することで、カバーフィルム24により形成される凹部の深さを任意に調整できる。
なお、上部硬質板13の下部硬質板14と相対する面にも、下部硬質板14に同じく真空等の手段で空気を排気する溝を形成していることが好ましい。これは上下硬質板で、前記、液状感光性樹脂を含む積層体を挟んで成形する際に、ベースフィルム26と上部硬質板13の接触境界面に残存する空気溜りを除去し、且つ、ベースフィルム26の位置がずれないように上部硬質板13に吸着固定させるためであり、ベースフィルム26のサイズの違いや、液状感光性樹脂25上に積層する位置の許容ずれ分を考慮した上で、ベースフィルム26を上部硬質板13に吸着固定させることができる溝ならば、その溝の形状や溝を形成する位置は限定されず、前記溝は中央で分割され、例えば、コの字が対面した形状としてもかまわない。
次いで、このように形成されたカバーフィルム24による凹部の内側へ、液状感光性樹脂を凹部の深さにほぼ等しい厚み分塗布することで、所望の厚さに成形された液状感光性樹脂凸版を製造することができる。凹部を形成したカバーフィルム24の内側に、凹部の深さを超えないように、液状感光性樹脂を適量塗布することにより、液状樹脂の流出を抑制することができる。このようにして、従来、カバーフィルム24上に貼り付ける等して形成していたダム材30を使用する必要がなくなる。
なお、凹部の深さを形成するにあたって、下部に配置した下部硬質板14の上面と、この周囲に形成された堰部材29の上面との高さの差が均一であることは、版厚精度を決定するための重要な要素である。この高さの差が、局所的又はなだらかな傾向で違いがある場合には、塗布した液状感光性樹脂の流動によって均一な面構成の版、つまりは版厚が安定した版が製造できない。したがって、下部硬質板14の上面と堰部材29の上面との高さの差は、全面において樹脂流動の影響を受けない位置精度を保つ必要がある。この位置精度を保ったまま、凹部の深さを任意に変更するならば、昇降しようとする下部硬質板14又は堰部材29の全面において均一に移動でき、かつ、得ようとする版厚に等しい凹部の深さを形成する位置で完全に保持できる昇降機構が好ましい。
また、構造的な配慮として、カバーフィルム24によって凹部に形成し、この内側に液状感光性樹脂を塗布した後、上部に配置した上部硬質板13で圧縮した時にも下部硬質板14の上面と堰部材29の上面との高さの差が変動しないような構造も必要である。
凹部を形成するための昇降機構の高さ精度について説明する。一般に、薄手版として代表的な版厚で2.84mmなどの凸版を製造しようとするならば、要求される版厚が1/100mm単位であるが故に、凹部の深さ精度も1/100mm単位を保証する必要がある。そのため、凹部を形成するにおいては、下部硬質板14及び/又はこの周囲に形成する堰部材29全体が1/100mm単位で昇降でき、且つ、精度を維持したまま容易に高さが変動しない機構を有することが好ましい。
カバーフィルム24で凹部を形成する場合において、好ましいフィルムの性状としては、柔軟性だけでなく、引き裂き強度に優れ容易に破断しないことが重要である。また、露光に必要な活性光線を効率良く透過すること、及び活性光線を照射しても性状変化が少ないことが必要である。そのため、凹部を形成するに適したカバーフィルム24の材料としては、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が挙げられる。これらをカバーフィルム24とする場合の厚みとしては、10〜30μmが好ましい。カバーフィルム24の厚み精度は少なくとも数μm以内のものを用いて、このカバーフィルム24上に液状感光性樹脂25を塗布し、露光硬化しても版厚精度に影響がないものが好ましい。
カバーフィルム24で任意の深さの凹部を形成するにあたって、前述したように、先ず、カバーフィルム24を、下部硬質板14及びこの周囲に配置された堰部材29の上面全体を被覆するように積層し、カバーフィルム24を下部硬質板14全面に密着させた状態とする。次いで、昇降機構32により、下部硬質板14を下降する、又はこの周囲に形成された堰部材29を上昇させて、カバーフィルム24の周囲全体を持ち上げ、凹部を形成させるという手順が、本実施形態では最も有効である。
下部硬質板14の全面に、カバーフィルム24を密着する手段として、下部硬質板14の表面とカバーフィルム24面の接触境界に存在する空気層を真空等の手段によって排気する方法である。従来技術と同様に、液状感光性樹脂凸版を製造するには、下部硬質板14の上面にネガフィルム23、カバーフィルム24を積層し、本実施形態では、下部硬質板14上面に形成された溝35から真空引きを行うことで、ネガフィルム23を下部硬質板14とカバーフィルム24との間に挟んで密着固定し、版形成に重要な画像のブレを防ぐ。なお、下部硬質板14上面から真空排気する手段は特に限定されない。下部硬質板14上面の溝35から真空排気することによって、ネガフィルム23を密着するという元来の目的を満たしつつ、カバーフィルム24で凹部を形成した際の凹部の底面は、高精度に平面処理された下部硬質板14面に追随した、精度の良い底面を得ることができる。
カバーフィルム24を下部硬質板14に密着させるための手段としては、主に真空ポンプ等を用いるが、真空密着した後に容易に剥れず、また過密着によってカバーフィルム24を破いたりすることがない真空圧力とすべきである。本実施形態における真空圧力は、350〜450Torrの範囲であることが好ましい。また、一旦真空ポンプの到達真空圧力に排気が完了したら、凹部を形成し、この凹部の内側に液状感光性樹脂を塗布し、上部硬質板13で当該樹脂を圧縮成形し、活性光線を照射して液状感光性樹脂を露光硬化するまでの間中は、常に到達した真空圧力を保持し、圧力低下させない排気速度を持った真空ポンプを用いることが好ましい。なお、排気速度は製造しようとする版の大きさや、排気配管の系統・長さによって排気容量が異なるため、適した能力を算出する必要がある。
次に、堰部材29に形成するカバーフィルム24吸着用の真空溝35について説明する。本実施形態では、下部硬質板14の周囲に配置した堰部材29の上面又は側面からも排気及び給気ができる構造としている。この溝35から排気を行うことによりカバーフィルム24を堰部材29に真空吸着し、カバーフィルム24を凹部に形成した際に、凹部となったカバーフィルム24の側面及び上部周囲を固定して、凹部形状を保持するためのものである。なお、伸縮性の殆どない2次元平面のカバーフィルム24を底面積が一定なまま3次元の凹部に形成しようとした時凹部の深さが深くなるにつれて必ず余剰な面積が発生し、余剰面積分のカバーフィルム24がたるみや皺を発生させて、整った凹部が形成できなくなる。この状態を緩和するためには、堰部材29に形成する溝35は、カバーフィルム24の側面周囲の全周、又は上部周囲の全周を吸着固定する構造としないことが好ましい。なぜならば、例えば、平面のカバーフィルム24を底面が四角形の凹部に形成しようとするときには、四角のそれぞれ頂点を起点とするしわが発生する。この皺が集中的に折り重なることを解消するためには、角部に発生する余剰な面積分の自由な逃げ分を確保すればよく、つまりは、皺が集中的に発生する角部にはあえて堰部材29に溝35を形成せず、凹部の角部となるカバーフィルム24を真空吸着しないことにより、余剰面積分で発生する皺を分散させることが好ましい。
このように、下部硬質板14及び堰部材29に形成された溝36、35を介して空気を排気する際の真空圧力は、適宜選択できる。具体的には、溝36を介して空気を排気する際の真空圧力を、溝35を介して空気を排気する際の真空圧力と同一とすることもできるし、溝36、35の両者における真空圧力に差をつけて空気を排気することもできる。真空圧力の条件は、当業者により適宜変更可能である。
以上の説明より、本発明では、版を連続製造した際に、少なくとも2/100mm以上変動していた版毎の平均版厚バラツキを低減できることが期待できる。なぜならば、これまでは1版製版する度に、人手によってダム材を貼り付ける等して固定していたために、このダム材によって形成された枠状の寸法は、実質的には製版する度に異なっており、毎版同じ寸法とはなり得なかった。そのため、枠状に形成されたダムの内容積が毎版異なっており、この内側に塗布する樹脂量とのマスバランスは常に同じ比率とならないことが、製造した版毎に版厚精度が変わる要因の一つとなっている。これに対して、本実施形態によれば、縦横寸法が固定された枠状の堰とすることによって、この堰が形成するカバーフィルムの凹部内容積は実質的に毎版不変となる。そのため、液状感光性樹脂を塗布する範囲に見合った寸法となるように堰の寸法を固定することで、カバーフィルムで形成した凹部内容積と、この凹部内に塗布する樹脂量とのマスバランスは常に同じ比率となり、版厚精度が安定することが期待できる。さらに、版厚精度が安定することにより、印刷機ドラムに版を張り替える度に必要となる、版へのインキ着肉量、及び被印刷物へのインキ転移量の調整等に時間を要さないため、印刷現場での作業負担が減り、印刷生産性の向上に寄与する。
本出願は、2007年6月5日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2007−149107)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、液状感光性樹脂版の製造装置において、カバーフィルムを任意の深さの凹部に形成することで、例えば、1.7〜8.0mmの範囲の版厚の如何によらず、1版製造する度にカバーフィルム上にダム材を貼り付ける等して使用する必要がなくなる。これにより、カバーフィルム面に付着しているのは未硬化樹脂のみであり、この未硬化樹脂はほぼ全量掻き取って回収し、再利用できる。さらに、版厚精度が安定することは、印刷現場での調整に要する試刷量も減らすことができる。これにより、液状感光性樹脂凸版を製造する現場と、この凸版を用いて印刷を行う現場の双方で発生する資材の使用量、及び廃棄物の量を削減でき、環境を汚しにくい液状感光性樹脂版の普及を図ることができる。

Claims (11)

  1. 第1のフィルム層、液状感光性樹脂層、及び第2のフィルム層を含む積層体を、下部硬質板と上部硬質板とで挟み、その後、露光する凸版の製造方法であって、
    (a)前記下部硬質板と、前記下部硬質板の周囲であって、前記下部硬質板との間に隙間を有するように配置された堰部材とに、前記第1のフィルム層を密着させる工程と、
    (b)前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を上方又は下方に移動させることにより、前記第1のフィルム層により凹部を形成する工程と、
    (c)前記第1のフィルム層による前記凹部の内側に、液状感光性樹脂を塗布する工程と、
    (d)前記液状感光性樹脂上に、第2のフィルム層を積層する工程と、
    を含む凸版の製造方法。
  2. 前記下部硬質板に形成された第1の溝を介して、前記工程(a)における密着を真空により行う請求項1に記載の凸版の製造方法。
  3. 前記堰部材に形成された第2の溝を介して、前記工程(a)における密着を真空によりさらに行う請求項1又は2に記載の凸版の製造方法。
  4. 前記(b)工程において、前記下部硬質板の上面と前記堰部材の上面との距離が、1〜10mmの範囲となるよう、前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を移動させる請求項1〜3のうち何れか一項に記載の凸版の製造方法。
  5. 前記(b)工程において、前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を上方又は下方に移動させる量を、連続的に可変制御させる請求項1〜4の何れか一項に記載の凸版の製造方法。
  6. 前記(c)工程において、厚み1〜10mmの範囲で液状感光性樹脂を塗布する請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の凸版の製造方法。
  7. 下部硬質板及び前記下部硬質板と対向する上部硬質板で、液状感光性樹脂を挟んだ後露光する凸版の製造装置であって、
    活性光線を透過し、第1の溝を有する下部硬質板と、
    前記下部硬質板と対向する位置に配設される上部硬質板と、
    前記下部硬質板の周囲に、前記下部硬質板と所定の隙間を有して配置され、第2の溝を有する堰部材と、
    前記下部硬質板及び/又は前記堰部材を移動させる昇降機構と、
    を備える凸版の製造装置。
  8. 前記昇降機構は、前記堰部材の上面が前記下部硬質板の上面よりも0〜10mmの範囲で高くなるよう任意に変更できる請求項6記載の凸版の製造装置。
  9. 前記昇降機構が、前記堰部材の上面と前記下部硬質板の上面との高さとを連続的に可変制御できる請求項7又は8記載の凸版の製造装置。
  10. 前記堰部材の側面と下部硬質板の側面が、200mm以下である前記隙間をもって配置される請求項7〜9のうちいずれか一項に記載の凸版の製造装置。
  11. 前記第1の溝は前記下部硬質板の上面又は側面に形成され、前記第2の溝は前記堰部材の上面又は側面に形成させており、前記第1及び第2の溝から空気の排気及び給気ができるよう構成される請求項7〜10のうちいずれか一項に記載の凸版の製造装置。
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