JP4983196B2 - セキュリティデバイスおよびその検証方法並びに印刷物 - Google Patents
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Description
例えば、万線のピッチの隙間を利用して隠し文字等を入れ、万線部分を隠蔽することで隠し文字が現れる方法や、凹版印刷を利用し角度を傾けたときに隠し文字が見える方法がある。
これらの方法では、通常の状態でもよく見ると潜像画像が見えてしまう。
その一つは、蛍光インキである。蛍光インキは紫外線を照射すると発光するインキであり、蛍光インキで潜像画像を形成しておけば、紫外線ランプで照射したときのみ画像確認可能である。
別の方法として、赤外線吸収インキを用いる方法がある。赤外線吸収インキで形成された画像は赤外線カメラ等でのみ画像確認可能である。これらの方法では、潜像の確認に特定の検出装置が必要であり、特に赤外線カメラ等を用いた検出方法は大掛かりなものになってしまう。
これは、液晶材料を部分的に配向させることで潜像画像を形成し、偏光フィルムを通して見ることで潜像画像を視認できる方法である。
ホログラムは、虹色に光り、見る角度によって色が変化するといった特殊な視覚効果を持つことから、偽造防止手段の一つとして使用されている。
しかし、さらに偽造防止効果を高めるためや、ホログラム自体の偽造を防止する目的で、潜像技術などの異なる偽造防止手段と組み合わせて使われることが多くなってきている。
ホログラムに液晶を用いた潜像技術を組み合わせると、目視ではホログラム画像のみが視認でき、偏光フィルムを通して見たときのみ液晶の配向による潜像画像が視認できるため、目視での判定と検証器での判定と二重の真偽判定が可能となり、偽造防止効果が高まると期待される。
また、本発明によるセキュリティデバイスの検証方法は、本発明のセキュリティデバイスの持つ従来にはない色表現の検証を可能にすると共に、傾けることや回転させることで色変化の検証が可能であり、さらに意匠性や偽造防止効果を高めることができる。
また、本発明による印刷物は、通常の印刷とは異なる目視効果を備え、かつコピーなどによる偽造を防止でき、かつ本発明のセキュリティデバイスの検証機能により真贋判定が可能である。
光が透過可能な基材1上に、格子様パターンからなる配向層2が形成され、その上に液晶材料からなる像形成層3が形成され、その上に散乱性反射層4が形成されている。
基材1上に、格子様パターンからなる配向層2が形成され、その上に液晶材料からなる像形成層3が形成され、その上に散乱性反射層4が形成され、基材1が散乱性反射層4に臨む側と反対側の箇所に偏光層5が形成されている。言い換えると、配向層2は基材1を挟んで偏光層5上に形成されている。この場合、検証時にさらに偏光フィルムを用いる必要はない。
このときの配向方向は、溝方向と液晶分子の長軸方向が一致するような配向となっている。このように液晶分子が格子様パターンの溝に配向することで、偏光フィルムをもしくは偏光層5を介して観察したときにのみ視認可能な像を形成する。
このとき、液晶の持つ複屈折によって、膜厚が変わると透過する光に与える位相差が変わるため、偏光フィルムもしくは偏光層5を介して観察すると、後で詳述するように膜厚に応じて異なる色が観察される。
このとき、配向層2に設ける深さの異なる領域の深さは、0.1〜3μmであることとする。
また、配向層2に形成される格子様パターンは、少なくとも2つ以上の格子角度からなる領域からなり、例えば図4に示すように、領域7aおよび7bの2つの領域からなっている。
言い換えると、格子様パターンは、該格子様パターンを構成する格子の構成が異なる複数の領域を含んでおり、配向層2が延在する平面上を延在する基準線に対して、格子様パターンをなす格子の長手方向がなす角度を格子角度とした場合に領域7aおよび7bの格子角度が異なっている。
このとき、格子角度が異なる領域に像形成層3を形成すると、液晶は格子方向に配向するため、配向方向の異なる領域が形成される。
これを偏光フィルムもしくは偏光層5を介して観察すると、後で詳述するように、配向方向に応じて異なる色が観察される。
ただし、一方向性拡散パターンとは、格子状の溝構造の長手方向がある程度ランダムでありながらも平均的には一方向に配置されている構造のことである。
また、格子様パターンの溝について、ピッチが0.1〜10μm、深さが0.05〜1μmであることとする。
本例では、散乱性反射層4は、微小な凹凸を有する金属反射膜であることとする。
すなわち、散乱性反射層4は偏光を乱さない金属反射膜に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
このような散乱性金属反射層は、例えば、微小な表面凹凸構造にアルミニウム等の金属を蒸着することによって得られる。
すなわち、この場合、散乱性反射層4は、偏光を乱さない一層または多層の誘電体膜に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
このような散乱性誘電体層は、例えば、微小な表面凹凸構造に硫化亜鉛等の高屈折率材料とフッ化マグネシウム等の低屈折率材料を多層蒸着することによって得られる。
すなわち、セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムもしくは偏光層5を介して観察した際に現れる潜像を確認することで真贋判定を行う方法である。
このとき観察される潜像は、独特の色を呈する。これは、像形成層3の、通常観察されにくい液晶分子の異方性に由来する効果が、散乱性反射層4により、傾けて観察したときに顕著に現れるためである。
すなわち、セキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムもしくは偏光層5を介して観察した際に現れる潜像を確認し、かつ、その状態を維持しつつセキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させた際に生じる潜像の色変化を確認することで真贋判定を行う方法である。
このとき観察される像は、独特の色を呈しており、かつ回転させることで色変化が起こる。これは、本発明のセキュリティデバイスを回転させることで、液晶分子の配向方向が回転したのと同じ効果が生まれるためである。観察される色は、液晶分子の配向方向に由来しているため、配向方向が異なると観察される色も変わる。
このとき、図5(A)の断面図である図5(B)に示すように、配向層2において領域8aと8c、8bと8dの深さはそれぞれ同じである。なお、領域8aと8bの深さは異なり、したがって、領域8cと8dの深さも異なる。
偏光フィルム9の透過軸は45°方向とする。
偏光フィルム9を介して正面方向から観察すると、領域8a、8b、8cおよび8dが潜像として観察できる。
このとき、互いに深さが同じである領域8aと8cの色は同じであり、互いに深さが同じである領域8bと8dの色は同じである。なお、領域8aと8bの色は異なり、したがって、領域8cと8dの色も異なる。
次に、セキュリティデバイスを傾けて観察すると、各領域8a、8c、8b、8dはそれぞれ異なる色に見える。
ここで見える色は、例えば領域8aが赤、領域8cが緑、領域8bが黄色、領域8dが青である。
これらの色の違いは、図5(C)に示すように配向方向の違いおよび像形成層3における液晶層の膜厚の違いに由来している。
これは、特に、0°配向と90°配向のときを考えると、液晶分子の異方性が最大に影響する、すなわち、0°配向領域では短軸方向の屈折率が支配的で、90°配向方向領域では長軸方向の屈折率が支配的であるためである。
液晶分子からなる像形成層3がちょうどπ/2の位相差を与えると考えると、45°方向の偏光が通過するとき、0°方向配向の領域5aでは右回りの円偏光に変換され、90°方向配向の領域5cでは左回りの円偏光に変換される、と考えることができる。
それぞれの円偏光は散乱性反射層4で反射され、もう一度液晶分子からなる像形成層3を通過し、直線偏光に変換される。このとき、散乱性反射層4が偏光を乱すと最終的な効率が悪くなるため、散乱性反射層4は偏光を解消しないことが重要である。
最終的に観察側に戻ってきた直線偏光は、共に135°方向の偏光となるため、観察側の偏光フィルム9を透過せず、呈色が観察される。
なお、円偏光の向きは右回りと左回りが逆の可能性もあり、また、完全な円偏光ではなく、楕円偏光である可能性もある。
これは、液晶の複屈折によって生じる位相差が膜厚および波長に依存するためであり、以下の式より明らかである。
Re=Δnd
(Δn=ne−no)
I=I0sin2(2θ)sin2(Reπ/λ)
Re:位相差
Δn:複屈折
d:液晶の膜厚
ne:常光線の屈折率
no:異常光線の屈折率
I:入射光強度
I0:透過光強度
θ:液晶の配向方向と偏光板の透過軸の角度
λ:波長
すなわち、セキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルム9を介して観察した際に現れる潜像を確認し、かつ、その状態を維持しつつセキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させると色変化が観察できる。
具体的には、領域8aが赤、領域8cが緑であったものが、図7に示すように傾けたまま水平に90°回転させると、領域8aが緑、領域8cが赤に見えるようになる。これは、全体を回転させることで、配向方向が回転したのと同じ効果が出るためである。すなわち、領域8aは0°方向配向であるが、90°回転させると観察側からは90°方向配向であるのと同じになる。
Claims (15)
- 凹凸によって形成された互いに略平行する格子様パターンが設けられた配向層と、
前記配向層上に形成され、液晶分子を有し前記液晶分子が前記格子様パターンに沿って配向することで偏光フィルムを介したときにのみ視認できる像を形成する像形成層と、
前記像形成層を挟んで前記配向層と反対側に形成され、入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に前記入射される光の偏光性を維持して反射させる散乱性反射層とを含み、
前記像形成層が膜厚の異なる少なくとも2つ以上の領域を有する、
ことを特徴とするセキュリティデバイス。 - 予め定められた直線偏光を透過する機能を有する偏光層と、
前記偏光層上に形成され、凹凸によって形成された互いに略平行する格子様パターンが設けられた配向層と、
前記配向層が前記偏光層に臨む側と反対側の箇所に形成され、液晶分子を有し前記液晶分子が前記格子様パターンに沿って配向することで前記偏光層を介したときにのみ視認できる像を形成する像形成層と、
前記像形成層を挟んで前記配向層と反対側に形成され、入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に前記入射される光の偏光性を維持して反射させる散乱性反射層とを含み、
前記像形成層が膜厚の異なる少なくとも2つ以上の領域を有する、
ことを特徴とするセキュリティデバイス。 - 前記配向層が深さの異なる少なくとも2つ以上の領域を有することで、前記像形成層に膜厚の異なる少なくとも2つ以上の領域が形成される、
ことを特徴とする請求項1または2記載のセキュリティデバイス。 - 前記格子様パターンは、該格子様パターンを構成する格子の角度が異なる複数の領域を含み、
前記配向層が延在する平面上を延在する基準線に対して、前記格子様パターンをなす前記格子の長手方向がなす角度を格子角度とした場合に前記各領域の格子角度が異なっている、
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のセキュリティデバイス。 - 前記像形成層が光重合性のネマティック液晶からなり、前記液晶分子が前記格子様パターンの溝に沿って配向したのち、重合によって配向が固定されていることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
- 前記格子様パターンが、回折格子または一方向性拡散パターンであることを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
- 前記格子様パターンの溝が、ピッチが0.1〜10μmであり、深さが0.05〜1μmであることを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
- 前記配向層に設ける深さの異なる領域の深さが、0.1〜3μmであることを特徴とする請求項1乃至7記載のセキュリティデバイス。
- 前記散乱性反射層が、微小な凹凸を有する金属反射膜であることを特徴とする請求項1乃至8に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
- 前記散乱性反射層が、微小な凹凸を有する一層または多層の誘電体膜であることを特徴とする請求項1乃至9記載に何れか1項のセキュリティデバイス。
- 請求項1記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる像の色変化を確認することで真贋判定を行う、
ことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。 - 請求項2記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から前記偏光層を介して観察した際に現れる像の色変化を確認することで真贋判定を行う、
ことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。 - 請求項1記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる像の色変化を確認し、かつ、その状態を維持しつつ前記セキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させた際に生じる前記潜像の色変化を確認することで真贋判定を行う、
ことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。 - 請求項2記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から前記偏光層を介して観察した際に現れる像の色変化を確認し、かつ、その状態を維持しつつ前記セキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させた際に生じる前記潜像の色変化を確認することで真贋判定を行う、
ことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。 - 請求項1乃至10に何れか1項記載のセキュリティデバイスを備えることを特徴とする印刷物。
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