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JP4985579B2 - Iii族窒化物系化合物半導体及び窒化ガリウム自立基板の製造方法 - Google Patents
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Iii族窒化物系化合物半導体及び窒化ガリウム自立基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、III族窒化物系化合物半導体の製造方法に関する。本願においてIII族窒化物系化合物半導体とは、AlxGayIn1-x-yN(x、y、x+yはいずれも0以上1以下)で示される半導体、及び、n型化/p型化等のために任意の元素を添加したものを含む。更には、III族元素及びV族元素の組成の一部を、B又はTl、或いは、P、As、Sb又はBiで置換したものをも含むものとする。
緑色、青色、或いは紫外線発光素子として、III族窒化物系化合物半導体発光素子が広く使用されている。また、III族窒化物系化合物半導体を用いたHEMT等も多数提案されている。これらは、通常、サファイア、シリコン、又は炭化ケイ素のような異種基板上に、III族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させて形成されたものである。III族窒化物系化合物半導体は、c軸方向に積層するエピタキシャル成長が結晶性が良く、また最も速い成長が得られる。
特許文献1は、III族窒化物系化合物半導体の主面としてc面とは異なる面を形成するための技術についての、本出願人による先行出願の公開公報である。
特開2006−036561号公報
しかし、III族窒化物系化合物半導体は、c軸方向にピエゾ電界が生じることが指摘されている。これにより、例えば多重量子井戸構造の発光層において、電子とホールの高濃度部分が異なる結果を生じ、発光効率の低下が生じるとされている。
本発明者らは、III族窒化物系化合物半導体の主面としてc面とは異なる面を形成するための技術として新たな着想から本発明を完成させた。
請求項1に係る発明は、サファイア基板上にIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させる、III族窒化物系化合物半導体の製造方法において、
サファイア基板の主面の法線ベクトルが、a軸からc軸方向に0.2度以上5度以下回転させた方向であり、
サファイア基板にc面又はc面と成す角が20度以下の側面を有する凹凸を形成し、
当該側面のうち、法線ベクトルの向きが同じで、当該法線ベクトルとサファイア基板のa軸との成す角の大きい方の側面のみが露出するように、他のサファイア基板の表面をIII族窒化物系化合物半導体がエピタキシャル成長しないマスク材料により覆い、
マスク材料により覆われていない、サファイア基板の露出したc面又はc面と成す角が20度以下の側面からIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させることにより、主面が、m面と0.2度以上5度以下の角を成すIII族窒化物系化合物半導体結晶を得ることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体の製造方法である。
ここにおいて、c面又はc面と成す角が20度以下の側面のうちの法線ベクトルの向きが同じ面のみが露出するとは、次のことを意味する。
例えばサファイア基板に凹凸を設けて凹凸の側面としてc面を形成する場合に、表裏の関係にあるc面からは、III族窒化物系化合物半導体が成長するが、サファイア基板の凹凸の表側の側面から成長するIII族窒化物系化合物半導体と、サファイア基板の凹凸の裏側の側面から成長するIII族窒化物系化合物半導体とは、成長方向が180度異なる。すると、例えば凹凸を覆うようにまで成長させても、それらサファイア基板の凹凸の表側の側面から成長したIII族窒化物系化合物半導体と、サファイア基板の凹凸の裏側の側面から成長したIII族窒化物系化合物半導体とは、結晶成長しても界面に極性の異なる不連続面が残ってしまう。
そこで、サファイア基板の凹凸の表側の側面と裏側の側面のうち一方のみを露出させる。これをサファイア基板の凹凸全てで行うものである。こうすることで、凹凸を覆うようにまで成長させたのち、異なる側面から成長した結晶の接合面は極性が同じとなるので、不連続面とならない。
また、凹凸の側面のうち、その法線ベクトルが同じで、当該法線ベクトルとサファイア基板のa軸との成す角の大きい方の側面とは、次のことを意味する。図1に示す通り、主面の法線ベクトルがa軸からδ(deg)>0だけc軸側に反時計回りに傾いているとする。角度表示を反時計回りを正とし、凹凸の2つの側面の法線ベクトルが主面の方線ベクトルに対して対称に、90−θ(deg)と−90+θ(deg)であるとする。a軸と成す角は各々90−θ+δ(deg)と−90+θ+δ(deg)である。これらのうち、絶対値が大きい方は、90−θ+δ(deg)である。これはθの符号が正負いずれであっても成立する。
請求項2に係る発明は、マスク材料により覆われていない、サファイア基板の凹凸の露出した側面は、c面と成す角が0.5度以下であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、 III族窒化物系化合物半導体の形成においては、800度未満の温度でバッファ層を形成したのち、1000度以上の温度で単結晶層を形成することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、バッファ層はマスク材料を形成する前に形成されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、III族窒化物系化合物半導体は、窒化ガリウム(GaN)であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、エピタキシャル成長は、トリメチルガリウムとアンモニアを用いた有機金属気相成長法(MOVPE)により行うものであり、アンモニア供給量のトリメチルガリウムの供給量に対するV/III比について、凹凸の凹部を埋めるまではV/III比を高く、凹凸の凸部をエピタキシャル成長膜が覆いつくすまではV/III比を低く、凹凸の凸部をエピタキシャル成長膜が覆いつくした以降はV/III比を高くすることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法によるエピタキシャル成長の後、更にハライド気相成長法により厚さ200μm以上に窒化ガリウム単結晶を成長させ、その後冷却する際に劈開を生じさせてサファイア基板と分離することを特徴とする窒化ガリウム自立基板の製造方法である。
サファイア基板に凹凸を設けて、c面又はc面と成す角が20度以下の側面のうちの法線ベクトルの向きが同じ面のみを露出させる。この際、当該側面はサファイア基板の低指数面ではないので、結局サファイア基板のc面が微細な段差を伴って露出するステップ状の面となる。すると、そこにエピタキシャル成長するIII族窒化物系化合物半導体は、当該ステップ毎に、サファイア基板のc面に形成した形になる。即ち、階段状に露出したサファイア基板のc面に平行となるように、III族窒化物系化合物半導体のc面が形成される。
ここで用いるサファイア基板は、主面がa面からわずかにオフしているので、形成されるIII族窒化物系化合物半導体のm面が、サファイア基板のa面に平行に形成されることになる。
こうして、用いるサファイア基板の主面と平行なIII族窒化物系化合物半導体の表面は、+c面がステップの側面となる方向へオフしたm面となる。この方向にオフが形成されると、主面にほぼ平行な横方向の成長が大幅に促進され、平坦性の極めて優れたm面のエピタキシャル成長層を形成することができる。
例えば本発明により、III族窒化物系化合物半導体を厚膜結晶として得て、サファイア基板から分離すれば、厚さ方向がc軸方向とほぼ直角の、ほとんど無極性のGaN基板が得られる。III族窒化物系化合物半導体はm面で劈開し易いので、例えば厚膜結晶を形成後、室温まで冷やす際にサファイア基板との界面近傍に劈開が生じ、厚膜の自立基板を得ることができる(請求項7)。
また、m面からわずかにオフした主面を有するIII族窒化物系化合物半導体膜又はIII族窒化物系化合物半導体基板が得られるので、この上に、更にIII族窒化物系化合物半導体層を積層することで、積層方向(膜厚方向)に歪の生じない半導体素子等を容易に形成することが可能となる。
更には、公知の方法により、より厚膜にIII族窒化物系化合物半導体を結晶成長させることにより、m面からわずかにオフした主面を有する、III族窒化物系化合物半導体の厚膜基板(自立基板)を得ることも可能となる。
オフ角が0.2度未満であると、横方向の成長が促進されず、平坦性が悪化したり、隣あうエピタキシャル成長部分が完全に合体せずに隙間(ボイド)が残ってしまう。一方、オフ角が5度を越えると、主面がm面から大きく異なる面となる。例えばこのような半導体膜に更にエピタキシャル成長を繰り返して半導体素子を形成すると、積層した各層の厚さ方向にc軸方向のピエゾ電界の影響が大きくなる。
用いるサファイア基板について、主面のオフ方向は、m軸を中心とした回転により得られるものである。c軸を中心とした回転は0.5度未満で良い。これにより、サファイア基板のm軸が主面と略平行となるので、その上に本発明により形成されるIII族窒化物系化合物半導体については、そのa軸が略主面と平行となる。
サファイア基板面に、凹凸を形成する方法は、任意の加工方法を用いることができる。例えばエッチングマスクを用いたエッチングにより凹凸を形成すると良い。サファイア基板に形成する凹凸は、欲しいc面又はc面と20度以下の角度を成す面以外の面を形成しないことが望ましいので、例えばサファイア基板のm軸に平行な多数のストライプ状に溝を形成すると良い。
この場合、エッチングにより形成される凹部の幅が1〜10μm、エッチングされずに残る凸部の幅が1〜10μm、凹部と凸部の高低差が1〜10μm程度とすると好適である。溝部が狭すぎると、結晶原料が到達しにくくなり、また、狭い領域でのエピタキシャル成長では良質な結晶が望めない。一方、凸部の幅が広すぎると、凸部を覆うまでに時間がかかり、完全に平坦化するのが困難となる。
エピタキシャル成長の際に形成する、c面又はc面と20度以下の角度を成す面以外の面を覆うマスク材料は、III族窒化物系化合物半導体がエピタキシャル成長しない任意の材料を用いることができる。例えばSiO2が簡易に用いることができる。形成方法も任意であるが、SiO2を用いる場合、電子線蒸着又はプラズマCVDにより精度良くマスクを形成できる。
V/III比を高くするとは、例えばアンモニアとトリメチルガリウムのモル比を800以上、より好ましくは1000以上とすると良い。
V/III比を低くするとは、例えばアンモニアとトリメチルガリウムのモル比を600以下、より好ましくは300以下とすると良い。
以下、図を用いて本発明の具体的な一実施例について説明する。
主面が、a面と1度のオフ角を成すサファイア基板10を用意し、その長手方向がm軸方向に平行なストライプ状の凹凸を形成した。図2.Aに示すように、サファイア基板10に垂直なエッチングにより、溝部の底10vが形成され、エッチングされなかった凸部の表面10tと、表裏の関係にある、法線ベクトルの向きが180度異なる2つの側面10c−1及び10c−2が形成された。ここで、紙面に垂直な方向がm軸である。
このうち、側面10c−1及び10c−2からは、サファイアのc軸方向に、III族窒化物系化合物半導体の+c軸が一致するように、III族窒化物系化合物半導体がエピタキシャル成長しうるものである。側面10c−1及び10c−2からのエピタキシャル成長を共存させると、c軸方向に極性を有するIII族窒化物系化合物半導体が異なる方向から成長するため、接合面が不連続面となり、好ましくない。
ここで、側面10c−1の法線ベクトルが、図1で示したa軸と90−θ+δ(deg)の角度を成し、側面10c−2の法線ベクトルが、図1で示したa軸と−90+θ+δ(deg)の角度を成すことに着目すると、a軸と法線ベクトルの成す角の絶対値の大きい側面10c−1を用いる方が好適である。これは形成されるIII族窒化物系化合物半導体の+c軸方向が、サファイア基板10の主面に対して、サファイア基板10内部から外部への向きであるのに対し、側面10c−2は、形成されるIII族窒化物系化合物半導体の+c軸方向が、サファイア基板10の主面に対して、サファイア基板10外部から内部への向きである。ここにおいて、側面10c−2からのIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長の際には、成長が最も著しいc面は、ストライプ状の凹部にもぐり込む形となり、凸部より高い位置に形成される可能性がない。一方、側面10c−1からのIII族窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長の際には、成長が最も著しいc面は、少なくともその一部がストライプ状の凸部より高い位置に到達し、その後、言わば横方向である+c軸方向の成長により凸部を迅速に覆うことが可能となる。
このように、III族窒化物系化合物半導体の+c軸方向の成長を期待するため、側面10c−1は露出させ、側面10c−2はマスクで覆うことが好ましい。
図2.Aで、ストライプ状の凸部の幅、凹部の幅を共に2μmとした。即ち、4μm周期のストライプとなる。凸部上面と凹部底面の高低差は2μmとした。
溝の角度、即ち表裏の関係にある2つの側面10c−1及び10c−2は、a面と1度のオフ角を成すサファイア基板10の主面に対し垂直に形成した。この角度は、正確な90度(即ちc面と1度のオフ角を成す面)でなくて良く、70度以上110度以下であれば良い。即ちサファイア基板のa面に対し、2つの側面10c−1及び10c−2は、69度以上111度以下(m軸の回りの回転角でもある)でよい。
エッチングの際にマスクとしてSiO2を用いる場合は、80〜90度に制御可能である。
次に、SiO2から成るエピ成長マスク20を電子線(EB)蒸着により形成した。この際、図2.Bの太い矢印に示す通り、SiO2の蒸着方向が、サファイア基板10の主面に垂直な方向から、側面10c−2に当たる方向まで、掃引されるようにサファイア基板10の向きを回転させると良い。この際、側面10c−1にはSiO2から成るエピ成長マスク20が形成されないようにした。こうして凹凸加工を施したサファイア基板10の、面10t、10v及び10c−2に厚さ500nmのSiO2から成るエピ成長マスク20が蒸着された(図2.B)。
次に、露出すべき側面10c−1に一部付着する異物を、フッ酸を添加した希硝酸溶液で処理した。例えば、市販のフッ酸、濃硫酸及び水を3:2:200の比率で混合すると良い。こうして、サファイア基板10のc面と成す角が20度以下の凹凸の側面10c−1以外がSiO2から成るエピ成長マスク20で覆われたエピタキシャル成長基板が得られた(図2.C)。
サファイア基板10のc面と成す角(m軸の回りの回転角)が20度以下の凹凸の側面10c−1以外がSiO2から成るエピ成長マスク20で覆われたエピタキシャル成長基板をMOCVD装置に装着した(図3.A、図2.Cの再掲)。
エピタキシャル成長は、基本的には次の通りに実行した。まず、サファイア基板10の表面を1100℃でベークした。次に基板温度を600℃として、GaNから成る低温バッファ層を形成した。この後、1100℃でGaN層30を形成した。
GaN層30の形成は次のようにした。まず、サファイア基板10のc面と成す角が20度以下の凹凸の側面10c−1からGaN層30が成長を開始してから(図3.B)、溝部を埋める迄(図3.C)は、常圧で、V/III比を高く保った。即ち、アンモニアを7.5L/分(336mmol/分)、トリメチルガリウムを285μmol/分、V/III比を1180とした。
溝部が埋まり、凸部の上面がほぼ覆われて平坦化する(図3.D)までは、減圧で、V/III比を低く(アンモニアの供給量を1/5と)した。即ち、アンモニアを1.5L/分(67mmol/分)、トリメチルガリウムを285μmol/分、V/III比を236とした。
凸部の上面がほぼ覆われて平坦化した後(図3.E)は、常圧で、V/III比を高くした(アンモニアの供給量を元に戻した)。即ち、アンモニアを7.5L/分(336mmol/分)、トリメチルガリウムを285μmol/分、V/III比を1180とした。
こうして得られた結晶はストライプ状の凹凸が完全に覆われ、主面が、m面と1度のオフ角を成す平坦な面であるGaN膜が形成できた。得られた結晶表面の平坦性をAFMで促成したところ、RMSが1.0nmであった。
尚、図3.D及び図3.Eでは、GaN層30の成長面である表面に大きなステップがある記載をしているが、これは、GaN層30の成長面の微細構造が、ステップ状であることを示しているものである。即ち、サファイア基板10に設けた凹凸と、GaN層30のステップとは、その大きさの関係が図3.D及び図3.Eに示されたものではない。
あくまでも、GaN層30の成長面がm面から1度のオフ角を成すため、その微細構造はm面と、幅の狭い+c面の段差の繰り返しであることを示しているに過ぎない。図3.D及び図3.Eは、言わばデフォルメした図である。
上記実施例によれば、4μm間隔に形成された側面10c−1を核(成長開始領域)として横方向成長によりエピ成長マスク20上部をも覆うようにエピタキシャル成長される。エピ成長マスク20上部で、隣り合う2つの側面10c−1からのエピタキシャル結晶が合体する周期も4μm間隔となる。
即ち、本発明によれば側面10c−1のみをエピタキシャル成長の核とするので、基板面全体として極性の揃った、高品質の結晶が得られる。
主面が、a軸からc軸方向へ3度回転させた方向の法線ベクトルであるサファイア基板10を用い、凹凸を形成した際、一方の側面10c−1がほぼ正確なc面となるように加工した。即ち、当該側面10c−1とサファイア基板の主面の成す角度は87度とした。この他は実施例1と同様に600℃でGaNから成る低温バッファ層を形成し、1100℃でGaN層30を形成した。
GaN層30の表面は完全に平坦化した。表面の高低をAFM画像で評価したところ、RMSは0.8nmと算出された。
〔比較例〕
比較のため、a面から0度以上0.5度以下c軸方向に回転させた方向を主面の法線ベクトルとするサファイア基板を用い、実施例1と同様にストライプ状の凹凸を形成して、図2.Aの側面10c−2、即ちc面からの法線ベクトルの方向がサファイア基板10の主面に対して外部から内部への方向である側面を露出させるようにしてマスクを形成した。この他は実施例1と同様にGaNをエピタキシャル成長させたところ、ストライプ状の凹凸を完全に覆うことはできなかった。また、その表面の高低をAFM画像で評価したところ、RMSは5nm以上であった。
実施例1で得られた、サファイア基板10上に形成したGaN層30の上に、更にHVPE法により厚膜GaNを形成した。即ち、V族原料にはアンモニア(NH3)を、III族原料にはGaとHClとを反応させて得られたGaClを用い、基板温度1100℃でGaNを250μm成長させた。供給量は、HClを50sccm(標準立方センチメートル)、NH3を2000sccmとし、キャリアガス(N2)を5000sccmとした。
結晶成長後、200分かけて室温まで冷却したところ、厚膜GaN層とサファイア基板10とが分離し、m面からわずかにオフした面を主面とする厚膜のGaN基板が得られた。これは、冷却中に、厚膜GaN層とサファイア基板10との界面がストライプ状の凹凸であるために熱膨張係数差に基づく応力が集中し、その付近でGaN層のm面を劈開面として分離したものである。得られたGaN基板は割れや細かいクラックが生ぜず、高品位の結晶であった。
本発明により、III族窒化物系化合物半導体素子を形成するための、主面がc面でないIII族窒化物系化合物半導体膜が提供される。
本発明における、サファイア基板の主面の法線と、形成した凹凸の法線と、サファイアのa軸及びc軸との関係を示す説明図。 実施例に係るGaN層30の製造方法を示す工程図の前半(断面図)。 実施例に係るGaN層30の製造方法を示す工程図の後半(断面図)。
符号の説明
10:主面がa面とオフ角を成すサファイア基板
10t:サファイア基板10に形成された凹凸の上面
10v:サファイア基板10に形成された凹凸の底面
10c−1:エピタキシャル成長に用いる、サファイア基板10に形成された凹凸の側面
10c−2:エピタキシャル成長に用いない、サファイア基板10に形成された凹凸の側面
20:SiO2から成るエピ成長マスク
30:GaN層

Claims (7)

  1. サファイア基板上にIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させる、III族窒化物系化合物半導体の製造方法において、
    前記サファイア基板の主面の法線ベクトルが、a軸からc軸方向に0.2度以上5度以下回転させた方向であり、
    前記サファイア基板にc面又はc面と成す角が20度以下の側面を有する凹凸を形成し、
    当該側面のうち、その法線ベクトルが同じで、当該法線ベクトルと前記サファイア基板のa軸との成す角の大きい方の側面のみが露出するように、他の前記サファイア基板の表面をIII族窒化物系化合物半導体がエピタキシャル成長しないマスク材料により覆い、
    前記マスク材料により覆われていない、前記サファイア基板の露出したc面又はc面と成す角が20度以下の側面からIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させることにより、主面が、m面と0.2度以上5度以下の角を成すIII族窒化物系化合物半導体結晶を得ることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
  2. 前記マスク材料により覆われていない、前記サファイア基板の凹凸の露出した側面は、c面と成す角が0.5度以下であることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
  3. 前記III族窒化物系化合物半導体の形成においては、800度未満の温度でバッファ層を形成したのち、1000度以上の温度で単結晶層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
  4. 前記バッファ層は前記マスク材料を形成する前に形成されることを特徴とする請求項3に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
  5. 前記III族窒化物系化合物半導体は、窒化ガリウム(GaN)であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
  6. 前記エピタキシャル成長は、トリメチルガリウムとアンモニアを用いた有機金属気相成長法(MOVPE)により行うものであり、
    アンモニア供給量のトリメチルガリウムの供給量に対するV/III比について、
    前記凹凸の凹部を埋めるまでは前記V/III比を高く、
    前記凹凸の凸部をエピタキシャル成長膜が覆いつくすまでは前記V/III比を低く、
    前記凹凸の凸部をエピタキシャル成長膜が覆いつくした以降は前記V/III比を高くすることを特徴とする請求項5に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法。
  7. 請求項6に記載のIII族窒化物系化合物半導体の製造方法による前記エピタキシャル成長の後、更にハライド気相成長法により厚さ200μm以上に窒化ガリウム単結晶を成長させ、その後冷却する際に劈開を生じさせて前記サファイア基板と分離することを特徴とする窒化ガリウム自立基板の製造方法。
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