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JP4986582B2 - 液晶光変調素子、液晶光変調装置、および液晶光変調素子の駆動方法 - Google Patents
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JP4986582B2 - 液晶光変調素子、液晶光変調装置、および液晶光変調素子の駆動方法 - Google Patents

液晶光変調素子、液晶光変調装置、および液晶光変調素子の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶光変調素子、この液晶光変調素子を備えた液晶光変調装置、さらに、液晶光変調装置を構成する液晶光変調素子の駆動方法に関するものである。
光通信において光時分割多重(OTDM:Optical Time Division Multiplexing)方式で、低速の光クロック信号を逓倍するのに、光クロックマルチプレクサ(Optical Clock Multiplexer)が用いられる。例えば10GHzの光搬送波パルスが2系統に分けられ、それぞれの系統の光搬送波パルスが例えば10Gビット/秒のデータ信号により変調を受ける。これら両被変調搬送波パルス波の一方は、例えば他方の変調搬送波パルス波に比して半周期(π)の位相差が与えられた後、被変調搬送波パルスは合成される。このインターリーブ処理により、例えば10GHzの光信号は、20Gビット/秒の光信号として送出される。
また、近年では、光時分割多重に用いられる光クロック(搬送波)も160Gビット/秒を超えるところまで検討されるようになっている。この超高速光時分割多重用高速クロック合成に用いる光クロックマルチプレクサの構成要素には合成後のクロック信号強度の平滑化、およびクロックマルチプレクサ本体や外部接続機器の温度変化に伴う微小な位相ずれを補正することでのクロックの等間隔化が非常に重要になるために光変調装置を用いて光クロックの波高値と位相補正が必要となる。
図36は、光時分割多重用の光クロックマルチプレクサを実現する構成例を説明するための図である。図36に示す構成例では、光クロックマルチプレクサ100は、入光ポート102と出力ポート103を備える。入力ポート102から入力して光信号は、光結合分離器104によって分離される。分離した一方の光信号は光変調装置101によって変調され、他方の光信号は遅延量が固定された固定遅延器106に通され、両光信号は光結合分離器105によって結合される。光結合分離器105で結合された光信号は出力ポート103から出力される。ここで、光変調装置101では、光信号の強度と位相量を調整することで、光時分割多重に用いられる光クロックの逓倍が行われる。
図37は、液晶素子を用いた波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing)に用いられる光変調器の一例を示している。この光変調器として、例えば特許文献1が知られている。この光変調装置はR-OADM(Reconfigurable Add/Drop Multiplexer)に適用される。なお、図37は反射型の構成例を示し、図37(a)はz−y平面を示し、図37(b)はx−z平面を示している。
光変調装置200は、複数波長を含む入力信号ビームの入力、および出力信号ビームを出力する入出力ポート201との間の光路上に、分光器202(ここでは回折格子)とOPMC(optical phased matrix coupling)203を、平行光を形成するシリンドリカルレンズ211,212,213が介して配置されている。
米国特許公開2006/0067611A1 特開平6−51340号(段落0010、0017,0018)
光時分割多重方式および波長分割多重と光時分割多重方式のハイブリッド伝送方式では光ファイバの利用可能な広いバンド幅を最大限活用するために、近年では160Gビット/秒というような高速光パルスクロックを用いる必要があるため、光信号について強度変調とともに位相変調を行うことが求められる。
前記した特許文献1に示す光変調装置では、主に強度変調について説明されている。特許文献1の段落0095には、LCOS(liquid crystal on silicon)によって、位相のみの調整を行うこと、あるいは位相と光強度の調整を行うことが記載されているが、強度変調を行うのみ構成が開示されているため、位相変調については別途位相変調を行う液晶装置を設けるものと想定される。
光変調装置において、光信号の強度変調と位相変調とは、従来それぞれ個別の調整装置によって行われる。
例えば、特許文献2には、光アドレス型空間変調器において、液晶を用いた位相変調素子と、その位相変調素子を偏光子と組み合わせることで液晶を用いた強度変調素子を構成する例が個別に示されている。図38は、特許文献2に示される光変調装置の構成例を模式的に表す図であり、光アドレス型空間変調器の構成例を説明するための模式図である。
図38において、光アドレス型空間変調器300は、光アドレス可能な位相変調素子で構成される光変調器(SLM)301と、印加電圧により、有効面全体の位相を補償する位相変調素子で構成される補償器302とを読み出し光の光路上に配置する。光変調器(SLM)301は、アドレス光によって読み出し光の位相パターンを調整し、補償器302は読み出し光の全体位相を調整する。位相変調された光は、偏光子203を通してアドレス光の書き込みパターンに応じた強度変調光として出力される。ここで、光変調器(SLM)301と補償器302とはそれぞれ個別の装置で液晶の配向方向が一致するように構成し、これら装置を光路上に配置する。
このように、光変調装置において、光信号の強度変調を行う場合、アドレス光による光パターンを書き込む位相素子と全体の位相変調を行う素子について、それぞれ独立した変調素子を用意し、これら変調素子を光路上に順に配置し、その後偏光子により位相変調量を強度変調に変換する構成としている。
このように、位相変調素子を用いて強度変調の変換を行うことができるため、位相変調を行う位相変調素子その素子と同じ構造の位相変調素子に偏光子を組み合わせた強度変調素子をそれぞれ用意し、これらを光路上に順に配置する構成が考えられる。この場合、それぞれの機能(強度変調および位相変調)を実現する素子を個別に用意する必要があるという問題がある。このように、強度変調の機能を実現するための強度変調素子と位相変調の機能を実現するための位相変調素子とをそれぞれ設け、これらの素子を光路上に配列する構成では、素子数が増加するという問題の他に、各素子を光路に接続することによる信号強度の減衰や、強度変調動作時に生ずる複雑な位相ずれ等が発生する機会が増加するという問題がある。
したがって、光信号の強度変調と位相変調とが同時に求められる光変調装置では、これら両調整機能を独立に制御できる一つの素子で実現することが望ましい。
そこで、本発明は、上記した課題を解決し、液晶光変調素子、液晶光変調装置、および液晶光変調素子の駆動方法において、光信号の強度変調と位相変調の両調整機能を一つの素子で実現することを目的とする。
本発明は、光信号を調整する液晶光変調素子において、一つの素子内おいて少なくとも領域を二つに区分し、一方の領域で強度変調を行うとともに、他方の領域で位相変調を行う構成とするものである。この構成によれば、強度変調を行う領域と位相変調を行う領域は、一つの液晶光変調素子の領域を区分することで形成することができるため、光信号の強度変調と位相変調の両調整機能を個別に一つの素子で実現することができる。
また、本発明は、上記した電圧印加の第1の態様の他に、第2の電圧印加の態様とすることができる。電圧印加の第2の態様では、光信号を調整する液晶光変調素子において、一つの素子の液晶層内に勾配電位に加えてバイアス電位を形成し、勾配電位によって出射側の結合係数を変調することにより強度変調を行い、バイアス電位によって位相変調を行う構成とするものである。この構成によれば、強度変調を行う領域と位相変調は、一つの液晶光変調素子の液晶層内の電圧分布を調整することによって行うことができるため、光信号の強度変調と位相変調の両調整機能を一つの素子で実現することができる。
本発明によれば、上述した第1、第2のいずれの電圧印加の態様によっても、光信号の強度変調と位相変調の両調整機能を一つの素子で実現することができる。
本発明は、液晶光変調素子の形態、この液晶光変調素子を含む液晶光変調装置の形態、および、液晶光変調素子を駆動する駆動方法の形態等の複数の形態とすることができる。また、各形態において、上記した二つの領域に対する電圧印加の第1の態様、およびバイアス電位を付加する電圧印加の第2の態様のいずれの態様も適用することができる。
本発明の液晶光変調素子は、複数の個別電極を有する第1の基板と、共通電極を有する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に挟持した液晶層とを備える。
この液晶光変調素子は、出射光を入射光側に戻す反射型の液晶光変調素子の構成、および、出射方向を変えずに出射させる透過型の液晶光変調素子の構成とすることができる。
反射型液晶光変調素子は、第1の基板を透明基板とし、第2の基板を不透明基板とし、第2の不透明基板を反射面として、第1の基板から入射した光を第2の基板で反射させることで液晶層を往復させて第1の基板から出射させ、入射光が液晶層を往復する間に強度変調および位相変調を行う。
反射型液晶光変調素子の別の態様は、第1の基板を不透明基板とし、第2の基板を透明基板とし、第1の基板を反射面として、第2の基板から入射した光を第1の基板で反射させることで液晶層を往復させて第2の基板から出射させ、入射光が液晶層を往復する間に強度変調および位相変調を行う。
また、透過型液晶光変調素子は、第1の基板を透明基板とし、第2の基板を透明基板とし、第1の基板から入射した光を液晶層を透過させた後、第2の基板から出射させて、入射光が液晶層を透過する間に強度変調および位相変調を行う。
本発明の液晶光変調素子は、この第1の基板上に形成された各個別電極に所定電圧を印加することによって液晶層の屈折率を変調させることで光変調を行う。ここで、第1の基板上に形成された電極を少なくとも二つの領域に区分し、各領域に対する電圧の印加態様を異ならせ、第1の領域において光を強度変調し、第2の領域において光を位相変調することによって、一つの素子で強度変調と位相変調を行う。
第1の領域に勾配電圧を印加し、この勾配電圧の印加によって第1の領域の液晶層内の実効的位相差に勾配を形成する。第1の領域の液晶層内において、実効的位相差に勾配が形成されると、出射光の位相が領域内でずれが生じ、光信号がこの液晶層内を移動する時間に差が生じる。そのため、液晶光変調素子の入射光面に平行に入射した波面は、出射光面から出射される際に、波面が進む方向が変わり、出射光の進行方向が変更される。出射光の進行方向の変更によって、出射側に設けた光結合系への結合係数が小さくなるため入射光の光強度に対して出射光の光強度が減衰され、これによって、光信号の強度変調が行われる。
一方、第2の領域全体に所定の一定電圧を印加し、この一定電圧の印加によって領域の液晶層内に均一の実効的位相差を形成する。出射光の位相変調を行う液晶層内に形成される実効的位相差は、液晶層を通過する光の移動時間、または位相を制御するため、出射面から出射される光遅延量を変化させる。これによって、出射光の位相変調が行われる。
なお、この液晶層内の実効的位相差の最大位相差Φmaxは、光変調を行う光の使用最大波長λmaxにおいてΦmax≧2πの関係を持たせる。この関係によって、光が液晶層内を通過する間に少なくとも1波長分の位相変調が可能となる。また、勾配電位による強度変調では、1波長を超える位相差については周期性があるため、1波長毎にリセットすることで複数波長に相当する位相についても調整することができる。
なお、このΦmax≧2πの関係は、光が液晶層を透過する場合であり、液晶素子を反射型構成として同じ液晶層を往復する場合には、Φmax≧πとすることができる。
また、上記Φmax≧2πの関係は、Φ=2πΔn・d/λの関係から、液晶層の最大厚さdmaxについては、dmax>λmax/Δnmaxで表される。なお、Δnは液晶の実効複屈折率、Δnmaxは液晶の実効最大複屈折率であり、λは波長であり、λmaxは使用する最大波長である。したがって、液晶装置を構成する液晶の実効最大複屈折率Δnmaxと使用する光の最大波長λmaxによって、液晶層の厚さdを定めることができる。
第2の電圧印加の態様において、本発明の液晶光変調素子は、複数の個別電極を有する第1の基板と、共通電極を有する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に挟持した液晶層とを備える構成とし、第1の基板上に形成された各個別電極に所定電圧を印加することによって液晶層の屈折率を変調させることで光変調を行うものであり、液晶の実効最大複屈折率をΔnmaxとし、使用最大波長をλmaxとし、mを整数としたとき、液晶層の厚さdは、mλmax/Δnmax<dとする。
ここで、強度変調は、第1の基板上に形成された電極に、勾配電圧に一定電圧のバイアス電圧を付加した電圧を印加し、勾配電圧の印加によって液晶層内の実効的位相差に勾配を形成し、この実効的位相差の勾配によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内でずらすことで、出射光の波面制御を行い進行方向を調整して、出射側に設けた光結合系の結合係数を調整することで行う。
一方、位相変調は、所定の一定電圧のバイアス電圧を印加することによって液晶層内に一定の実効的位相差を形成し、この一定の実効的位相差によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内で均一に調整することで行うことによって、出射光を位相変調する。これによって、一つの素子で強度変調と位相変調を行う。
この第2の態様の液晶光変調素子は、出射光を入射光側に戻す反射型の液晶光変調素子の構成、出射方向を変えずに出射させる透過型の液晶光変調素子の構成とすることができる。
反射型液晶光変調素子は、第1の基板を透明基板とし、第2の基板を不透明基板とし、第2の基板を反射面として、第1の基板から入射した光を第2の基板で反射させることで液晶層を往復させて第1の基板から出射させ、入射光が液晶層を往復する間に強度変調および位相変調を行う。この反射型液晶光変調素子では、一つの液晶層を往復するため、液晶層の厚さdは、mを1として、λmax/Δnmax<dとする。
反射型液晶光変調素子の別の態様では、第1の基板を不透明基板とし、第2の基板を透明基板とし、前記mを1とし、第1の基板を反射面として、第2の基板から入射した光を第1の基板で反射させることで液晶層を往復させて第2の基板から出射させ、入射光が液晶層を往復する間に強度変調および位相変調を行う。
また、透過型液晶光変調素子は、第1の基板を透明基板とし、第2の基板を透明基板とし、第1の基板から入射した光を液晶層を透過させた後、第2の基板から出射させて、入射光が液晶層を透過する間に強度変調および位相変調を行う。この透過型液晶光変調素子では、一つの液晶層の通過は一度だけであるため、液晶層の厚さdは、mを2として、2λmax/Δnmax<dとする。
液晶光変調素子は液晶を駆動する個別電極を備え、この複数の個別電極を、領域の配列方向に配列する一次元配列、又は領域の第1の配列方向と第1の配列方向と直交する第2の配列方向に配列する二次元配列とすることができる。
さらに、本発明の液晶光変調装置は、上述した本発明の液晶光変調素子を備えるとともに、入射光を入射するための入射ポートと、出射光を出射するための出射ポートと、入射ポートからの入射光を平行光として液晶光変調素子に入射する第1のコリメータ素子と、液晶光変調素子からの光を結合して平行光として出射ポートに出射する第2のコリメータ素子とを備える。
ここで、第1のコリメータ素子と第2のコリメータ素子の少なくとも何れか一つは、光ファイバに置き換えて構成することができる。
また、第1のコリメータ素子と液晶光変調素子との間に、一方の偏光の偏光方向を90°変換させる第1の偏光変換素子を備える他に、液晶光変調素子と第2のコリメータ素子との間に、変換した偏光の偏光方向に戻す第2の偏光変換素子を備えることができる。
また、入射ポートと第1のコリメータ素子との間に、一方の偏光の偏光方向を90°変換させる第1の偏光変換素子を備え、第2のコリメータ素子と出射ポートの間に、変換した偏光の偏光方向に戻す第2の偏光変換素子を備えることができる。
また、出射側の第2のコリメータ素子は複数備えることができ、液晶光変調素子において波面制御で進行方向が変えられた光を振り分けることができる。
第1のコリメータ素子と第2のコリメータ素子はコア拡大ファイバとする他、光ファイバに直接融着されたガラスレンズとすることができる。また、第2のコリメータ素子に代えて複数の光ファイバを用いることができる。
液晶光変調素子は、第1または第2の基板の少なくとも一部を、金属または樹脂により熱電変換素子に接着固定し、同一電圧プロファイル印加した際に、環境温度の変化による液晶層の波長換算した位相揺らぎが使用最大波長のλ/10以下となるように制御する。
また、液晶光変調素子の前後の光路上に分光器を備える構成としてもよく、この分光器により分光された波長毎に光変調を行うことができる。
さらに、液晶光変調素子は、複数の個別電極を、領域の第1の配列方向と第1の配列方向と直交する第2の配列方向に配列する二次元配列とし、第2の配列方向に、分光器により分光された波長を入射することができる。この二次元配列によって、波長毎に強度変調および位相変調を行うことができる。
さらに、本発明の液晶光変調素子の駆動方法の態様では、複数の個別電極は、複数の群にまとめられ、各群内における各複数の個別電極を共通の集電極で接続するとともに、その集電極の両端に一対の信号電極を接続し、この第1の領域に対応する群において、一対の信号電極にそれぞれ異なる電圧の駆動波形を印加することによって第1の領域に勾配電圧を形成し、また、第2の領域に対応する群において、一対の信号電極に、同一電圧の駆動波形を印加することによって第2の領域に所定の一定電圧を印加する。
また、上記した駆動方法の第1の形態の他に、第2の形態で駆動することができる。この第2の形態では、複数の個別電極は、複数の群にまとめられ、各群内における各複数の個別電極を共通の集電極で接続するとともに、その集電極の両端に一対の信号電極を接続し、一対の信号電極に、それぞれ異なる電圧の駆動波形に一定電圧のバイアス電圧を付加することによって、一定電位に勾配電電位を形成する。
本発明の液晶光変調素子、液晶光変調装置、液晶光変調素子の駆動方法において、光信号の強度変調と位相変調の両調整機能を一つの素子で実現することができる。
以下、本発明の液晶光変調素子、液晶光変調装置について図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の透過型の液晶光変調素子の概略構成、および機能を説明するための図である。図1(a)は液晶光変調素子の概略構成を示し、図1(b)、(c)は液晶光変調素子が備える位相変調と強度変調の機能を示している。
図1(a)において、液晶光変調素子1は、第1の電極1bと第2の電極1cとの間に液晶層1aを挟む概略構成であり、入力ポート2から入力した光信号の位相を調整する機能、および光信号の強度を調整する機能を有し、位相変調又は強度変調、あるいは位相変調と強度変調の両調整をほどこした光変調信号を出力ポート3(3a〜3c)から出力する。なお、強度変調は、入力した光信号の強度を減衰することで強度を調整するものであって、光アッテネータ(ATT)を構成するものである。また、位相変調は、入力した光信号の位相を遅延させることで位相を調整するものであって、フェイズシフターを構成するものである。
図1(b)は、位相変調の機能を説明するための図であり、液晶光変調素子1は、入力ポート2から入力した光信号の位相を遅延させることで位相変調を行って、出力ポート3から出力する。
また、図1(c)は、強度変調の機能を説明するための図であり、液晶光変調素子1は、入力ポート2から入力した光信号を偏向させて進行方向を変えて、出力ポート3に結合する光信号の光量を減衰させることで強度変調を行う。なお、液晶光変調素子1によって進行方向を変えた光信号は、廃棄する他、他の出力ポート3に向けて出力させてもよい。液晶光変調素子1によって、入力ポート2から入力した光信号を出力ポート3に出力する際の入出力関係を変えるスイッチング素子、あるいは信号切り替え素子としても使用することができる。
本発明の液晶光変調素子1は、第1の電極1bに印加する電圧を調整し、液晶層1aに一定の電位を形成することで位相変調を行い、液晶層1aに勾配電位を形成して波面方向を変え、出射側の光結合係数を調整することで強度変調を行う。
本発明の液晶光変調素子1は、第1の電極1bに所定の電圧プロファイルを印加するため複数の個別電極を形成し第2の電極1cを共通電極とする構成で説明したが、逆に第1の電極1bを共通電極とし、第2の電極1cを所定の電圧プロファイルを印加するための、複数の個別電極としても良い。
本発明の反射型の液晶光変調素子1の構成について図2を用いて説明する。
図2は、本発明の反射型の液晶光変調素子の概略構成、および機能を説明するための図である。図2(a)は液晶光変調素子の概略構成を示し、図2(b)、(c)は液晶光変調素子が備える位相変調と強度変調の機能を示している。
図2(a)において、液晶光変調素子1は、第1の電極1bと第2の電極1cとの間に液晶層1aを挟み、第2の電極1cを不透明基板上に形成する概略構成であり、不透明基板を反射面として、液晶層1aを透過して入射光をこの反射面で反射させ、再び液晶層1aを通過させて、第1の電極1bが形成される透明基板から入射側に出射させる。
この反射型の液晶光変調素子1においても前述した透過型の光変調素子と同様に、入力ポート2から入力した光信号の位相を調整する機能、および光信号の強度を調整する機能を有し、位相変調又は強度変調、あるいは位相変調と強度変調の両調整をほどこした光変調信号を入力ポート2(2a〜2c)から出力する。なお、強度変調は、入力した光信号の強度を減衰することで強度を調整するものであって、光アッテネータ(ATT)を構成するものである。また、位相変調は、入力した光信号の位相を遅延させることで位相を調整するものであって、フェイズシフターを構成するものである。
図2(b)は、位相変調の機能を説明するための図であり、液晶光変調素子1は、入力ポート2から入力した光信号について、液晶層1aを往復する間に位相を遅延させることで位相変調を行って、入力ポート2側に戻す。
また、図2(c)は、強度変調の機能を説明するための図であり、液晶光変調素子1は、入力ポート2から入力した光信号が液晶層1aを往復する間に偏向させて進行方向を変えて、入力ポート2に結合する光信号の光量を減衰させることで強度変調を行う。なお、液晶光変調素子1によって進行方向を変えた光信号は、廃棄する他、他の入力ポート2に向けて出力させてもよい。液晶光変調素子1によって、入力ポート2から入力した光信号を入力ポート2側に出力する際の入出力関係を変えるスイッチング素子、あるいは信号切り替え素子としても使用することができる。
本発明の反射型液晶光変調素子1においても、透過型液晶光変調素子と同様に、第1の電極1bに印加する電圧を調整し、液晶層1aに一定の電位を形成することで位相変調を行う。また、液晶層1aに勾配電位を形成して波面方向を変え、出射側の光結合係数を調整することで強度変調を行う。
反射型液晶光変調素子1は、第1の電極1bに所定の電圧プロファイルを印加するため複数の個別電極を形成し第2の電極1cを共通電極としても、逆に第1の電極1bを共通電極とし、第2の電極1cを所定の電圧プロファイルを印加するための、複数の個別電極としても良い。しかし、特にLiquid Crystal on Silicon (LCOS)素子を反射型液晶光変調素子1として用いる場合は、第2の電極1cを複数の個別電極とする構成が望ましい。
次に、本発明の液晶光変調素子1の構成について図3を用いて説明する。図3は、本発明の液晶光変調素子の構造を示す断面図である。図3において、液晶層の一例として示すネマティック液晶層1Iは、液晶光変調素子1の第1の透明基板1Bの複合電極1Cの上に形成した配向層1Dと、第2の透明基板1Hの共通電極1Gの上に形成した配向層1Fによって、電場無印加時のp型(ポジ型)液晶分子のダイレクタ1Eのプレティルト角が一定(通常、基板平面から5度以下)となるようにホモジニアス配向させる。
図3(a)は水平配向(ホモジニアス配向)の例であって、入射偏光を、複合電極1Cのアレイ方向に平行かつダイレクタ1Eが電場印加で動く平面に平行とする例を示し、図3(b)は垂直配向(ホメオトロピック配向)の例であって、入射偏光を、同様に複合電極1Cのアレイ方向に平行かつダイレクタ1Eが電場印加で動く平面に平行とする例を示している。図3(b)の構成は、ネマティック液晶層をn型(ネガ型)としてダイレクタ1Eの初期配向を透明基板1Bおよび透明基板1Hに垂直に近づける以外は、図3(a)の構成と同様である。
なお、特に垂直配向膜として例えばSiO2の斜方蒸着膜を配向層1Dおよび1Fに用いて、一定のプレティルト角(通常、基板法線から14度以下)を持たせても良い。
図3にはには明示しないが、ネマティック液晶層1Iが数μmから数十μmの所定の一定厚みを保持するように、第1の透明基板1Bと第2の透明基板1Hをスペーサを介して固定する。また、図3には示していないが複合電極1Cと共通電極1Gが短絡するのを防ぐために複合電極1Cの上および共通電極1の上の少なくとも一方に五酸化タンタル(Ta25)や二酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiN)などの透明絶縁膜を形成してもよい。また、透明絶縁膜を高屈折率膜と低屈折率膜からなる多層膜化して透過率を向上することも望ましい。第2の透明基板1H上に形成する共通電極1Gは透明導電膜からなる全面電極であってよい。なお、複合電極1Cの構造については後述する。
複合電極1Cの光路部分および共通電極1Gを形成する透明導電膜に酸化インジウムスズ(ITO)を用いるときは、膜厚を50nm以下として、さらに、利用する波長が近赤外域の場合、透過率を向上するために、成膜時に酸素濃度を多くしたシート抵抗数百Ωから1kΩ程度の膜を使用することが望ましい。
ITOのほかに透明導電膜としては、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン添加酸化インジウム(InTiO)などの薄膜が使用可能である。この場合も、膜厚は50nm以下として、シート抵抗は数十Ωから1kΩ程度の膜を使うことが望ましい。
ガラスからなる第1の透明基板1Bまたは第2の透明基板1Hのネマティック液晶層1Iと反対の面のうちの空気層と接触する面には、空気と基板界面での反射を防止するため、必要に応じて無反射コート1Aを形成する。無反射コート1Aは、たとえば五酸化タンタル(Ta25)と二酸化シリコン(SiO2)の誘電体多層膜からなるコーティングを用いることができる。
さらに、第1の透明基板1Bまたは第2の透明基板1Hの上に図示はしないが屈折率マッチング層を設けた上に、複合電極1Cまたは、共通電極1Gを形成しても良い。
図3では、便宜上入射側に複合電極1Cを形成し、出射側に共通電極1Gを形成する例で説明したが、入射側および出射側を入れ替えてもまた両側を複合電極とする構成としても構わない。
なお、図3に示す構成において、出力される光出力の偏光方向(p偏光あるいはs偏光)は、ネマティック液晶層1Iのダイレクタ1Eの向きと入射直線偏光との関係に応じて定まるので、入射直線偏光はネマティック液晶層1Iの異方性が大きくなる電圧を印加したときの結晶軸の方向に平行になるように調整することが肝要である。
次に、本発明の液晶光変調素子による位相変調と強度変調の機能について、図4,図5を用いて説明する。なお、図4は、液晶光変調素子による光変調(位相変調および強度変調)の第1の形態を説明するための概略図であり、図5は、液晶光変調素子による光変調(位相変調および強度変調)の第2の形態を説明するための概略図である。
液晶光変調素子の第1の透明基板上に形成された各個別電極に所定電圧を印加することによって液晶層の屈折率を変調させることで光変調を行う。この電圧印加は、2つの形態で行うことができる。
はじめに、図4を用いて、本発明の液晶光変調素子による光変調の第1の形態を説明する。第1の形態は、第1の透明基板上に形成された電極を二つの領域に区分し、各領域に対する電圧の印加状態を異ならせ、第1の領域において光を位相変調し、第2の領域において光を強度変調することによって、一つの素子で位相変調と強度変調を行う。
図4(a)、(b)において、横軸(x軸)は液晶光変調素子の第1の透明基板上に形成された複数の電極1Cが配列される方向であり、第1の領域Aと第2の領域Bの2つの領域に区分される。
ここでは、第1の領域Aおよび第2の領域Bをそれぞれ1つの連続する領域で表しているが、必ずしも1つの連続領域である必要はなく、各領域を複数部分に分割してもよく、実質的に2つに分割されるものも含んでいる。
一方、縦軸は液晶層の厚さ方向であって、実線は液晶層内に生じる位相変調量Φおよび屈折率異方性Δnを表し、一点鎖線の矢印はこの液晶層に入射する光c1(図4(a))、d1(図4(b))と、液晶層から出射する出射光c2,c3(図4(a))、d2,d3(図4(b))の光線方向を表している。
また、図4(a)と図4(b)において、第2の領域Bにおける位相変調量Φ、および屈折率異方性Δnの形態が相違している。なお、位相変調量Φと屈折率異方性Δnとの間には、λをこの液晶層を通る光の波長とし、dを液晶層の厚さとしたとき、位相変調量Φ=2πΔn・d/λの関係がある。また、λmaxを使用最大波長とした場合、液晶層による素子として使用する最大実効変調位相量Φmaxeffを2πΔnmax・d/λmax未満に設定する。ここで、Δnmaxは、実効最大複屈折率である。また、位相変調量は液晶層を通過する間に生じる可変可能な位相遅れに相当する。
はじめに、位相変調について説明する。位相変調は、図4(a)において第1の領域Aで示す領域で行う。この第1の領域Aでは、この第1の領域Aに設けられる電極1Cに対して同電圧を印加することで均一電位を形成する。
この第1の領域Aの入射面に入射した平行光である光c1は、液晶層を通過する間に、前記均一電位によって定まる均一位相量aによって遅延される。光の遅延量は、印加される電位状態に依存する。この光の遅延量と電位との関係については後述する。これによって、出射面からは位相変調された出射光c2が出射される。
次に、強度変調について説明する。強度変調は、図4(a)において第2の領域Bで示す領域で行う。この第2の領域Bでは、この第2の領域Bに設けられる電極1Cに対して勾配電圧を印加することで勾配位相変調b1を形成する。
この第2の領域Bの入射面に入射した平行光である光c1は、液晶層を通過する間に、前記勾配電位によって生じる勾配位相変調b1によって遅延されるが、その遅延量は電位に応じて異なり、出射面から出射される時点に場所による差が生じることとなり、結果的に出射光c3の波面が傾斜し、進行方向が変更される。この光の進行方向と勾配位相変調との関係については後述する。なお、図4では、ブレーズド型回折格子と等価な位相変調曲線の場合を示したが、光結合系との結合係数を調整できれば、ブレーズド型位相変調曲線にさらに細かい位相分布を重畳・付加しても良いし、結合係数を調整できる別の位相分布でも良いことは言うまでも無い。
出射面から出射される出射光の進行方向が変更されることで、出力ポートへの結合係数が小さくなり入射する光量が減衰することになる。これによって、出射面からは強度変調された出射光c2が出射される。
図4(a)では、液晶層の厚さが限られているため、第2の領域Bの全幅を使って行う出射光の角度変更の角度には限りがある。図4(b)は、出射光の角度変更を、第2の領域Bの全幅と位相変調量とで制限される角度を超えて偏向させるための構成である。この図4(b)に示す駆動方法は、第2の領域Bにおける勾配電圧の印加方法の点で図4(a)に示す駆動方法と相違するが、第1の透明基板上に形成された電極を二つの領域に区分して電圧を印加する点、第1の領域Aにおいて均一電位を印加することで位相変調を行う点、および第2の領域Bにおいて勾配電位を印加することで出射側の光学系との結合係数を変えて強度変調を行う点は共通している。
図4(b)の第2の領域Bでは、複数の電極1Cを区分けし、各区分けについて勾配電圧を印加することよって複数の勾配位相変調b2を形成し、各勾配位相変調b2の傾斜を大きく、したがって、各鋸歯状変調領域のピッチを小さく変調することで、第2の領域の全幅と位相変調量とで制限される角度を超えて出射光d3の角度を変更する。なお、液晶層内の隣接する電極部位においては位相差2πは同位相とみなせるため、x軸方向1周期毎に印加する電圧をリセットすることで、勾配位相変調b2の位相分布を形成することができる。
次に、図5を用いて、本発明の液晶光変調素子による光変調の第2の形態を説明する。第2の形態は、第1の透明基板上に形成された電極に、勾配電圧に一定電圧のバイアス電圧を付加した電圧を印加するものであり、勾配電圧の印加によって液晶層内の実効的位相変調量に勾配を形成し、この実効的位相変調量の勾配によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内でずらすことで、出射光の進行方向を調整して強度変調を行うとともに、所定の一定電圧のバイアス電圧を印加することによって液晶層内に一定の実効的位相変調を形成し、この一定の実効的位相変調によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内で均一に調整することで出射光の位相変調を行う。これによって、一つの素子の同じ領域内で強度変調と位相変調を行う。
図5において、図4と同様に、横軸(x軸)は液晶光変調素子の第1の透明基板上に形成された複数の電極1Cが配列される方向である。この形態では、前記した形態と異なり、強度変調と位相変調の領域に区分することは行わない。
一方、縦軸は液晶層の厚さ方向であって、実線は液晶層内に位相変調量Φおよび屈折率異方性Δnを表し、一点鎖線の矢印はこの液晶層に入射する光g1と、液晶層から出射する出射光g2,g3の光線方向を表している。
図5に示す第2の形態の構成は、図4に示す構成と比較して、液晶層の厚さ、及びこれに伴う位相変調量Φおよび屈折率異方性Δnの形態で相違している。この第2の形態では、液晶層の厚さを、その最大位相変調量を第1の形態の2倍の2Φmaxとなるようにする。なお、位相変調量Φと屈折率異方性Δnとの間には、図4に示した第1の形態と同様に、λをこの液晶層を通る光の波長とし、dを液晶層の厚さとしたとき、位相変調量Φ=2πΔn・d/λの関係がある。したがって、この第2の形態では、液晶層による最大位相変調量2Φmaxは4π・Δnmax・d/λmax未満に設定される。
この構成において、電極1Cには、一定電圧のバイアス電圧を付加した勾配電圧を印加する。図5では、バイアス電圧印加による一定位相変調量f1を付加した勾配位相変調量e1と、別のバイアス電圧印加による一定位相変調量f2を付加した勾配位相変調量e2の例を示している。
この形態では、位相変調と強度変調が同時に行われるが、位相変調は、所定の領域内一定電圧のバイアス電圧印加により生じる一定位相変調量f1およびf2の実効的位相変調によって行われる。この一定の実効的位相変調量は、出射光面から出射される出射光g2、g3の位相を領域内で均一に遅らせる。
一方、強度変調は、勾配電圧の印加によって形成される液晶層内の実効的位相変調の勾配によって行われる。この実効的位相変調の勾配は、出射光面から出射される出射光g2、g3の位相を領域内で鋸歯状にずらすことで、出射光の進行方向を調整して出射側に設けた光学系との結合係数を制御することで強度変調を行う。
図5では、電極1Cにおいてバイアス電圧を印加することによって、一定位相変調量f1あるいは一定位相変調量f2を与える。この位相変調量は、電極に付加するバイアス電圧の大きさを変えることで変えることができる。
この第2の形態では、電極1Cが配列される領域において、同じ領域内で位相変調と強度変調の両調整を行う。そのため、液晶層の厚さは、位相変調に要する厚さと強度変調に要する厚さの両厚さ分を要する。そのため、ここでは、液晶層の厚さは、最大位相変調量として少なくとも図4で示したΦmaxに対して、2倍の2Φmaxが得られるように設定する。
本発明は、上述した液晶光変調素子を用いて液晶光変調装置を構成することができる。
以下では、液晶光変調装置の基本構成を、分光(分波)を行わない場合の構成(液晶光変調装置10A,10C)と、分光(分波)を行う場合の構成(液晶光変調装置10B,10D)について説明する。
分光(分波)を行わない場合の構成では、波長による分離が行われないため、液晶光変調素子には一度には、1つの入力ポートから入力した入射光の強度変調および位相変調を行う。
はじめに、分光(分波)を行わない場合の液晶光変調装置10Aについて、図6〜図10を用いて説明する。なお、図6は、液晶光変調装置10Aの概略構成を説明するための図であり、図7は図6に示す液晶光変調装置10Aの側面方向からみた波面状態を示し、図8、図9は図6に示す液晶光変調装置10Aの上面方向からみた波面状態を示し、図10は等価光路位置を示している。
図6において、液晶光変調装置10Aは、入力ポートから入力した入射光をコリメータL1で複数の液晶画素を照射するスポットとなるように整形した後、液晶光変調素子1に入射する。ここで、液晶光変調素子1には、液晶層及び電極が配列され、コリメータL1からの光を入射する。液晶光変調素子1に入射された光は、位相変調ないし強度変調された後、出射される。出射光は、コリメータL2で円形スポットとなるように集光された後、出力ポートに出射される。この構成では分光を行わないため、波長毎に強度変調や位相変調は行わない。
なお、ここでは、入射偏光方向、液晶ダイレクタ(長軸)、および出射偏光方向は平行であり、液晶光変調素子1は、少なくとも1次元液晶セル層を備え、その縦方向および横方向の幅は、入射平行ビームの幅以上とする。
また、図6に示す入射偏光の方向と直交する入射偏光の場合には、液晶ダイレクタ(長軸)および出射偏光方向も入射偏光方向と合わせて、図6に示す入射偏光の方向と直交させる。
図7は、図6において、液晶光変調装置10Aを側面方向からみた波面状態を示している。なお、図7では、Gに示す位置は液晶光変調素子1が設置される位置である。入射光は、コリメータL1のレンズを透過した後は平面波となり、Gの入射位置は、液晶光変調素子1の動作にかかわらず一定である。
図8,図9は図6に示す液晶光変調装置10Aを上面方向からみた波面状態を示している。ここでは、入射側に3本の光ファイバ(SMF1i,SMF2i,SMF3i)が配置され、出力ポート側に3本の光ファイバ(SMF1o,SMF2o,SMF3o)が配置された構成において、1本のSMF1i(図では中央に配置した光ファイバ)から入射光を入力し、出力ポート側に設けた3本の光ファイバの何れか1本から出力する。出射側に設けた3本の光ファイバの内で、何れの光ファイバから出力するかは、液晶光変調素子1によるビーム偏向によって行われる。
図8(a)は、1本の入射側のSMF1iから入射光を出射側のSMF1oに出力する場合を示している。この場合には、液晶光変調素子1は光ビームを偏向させない動作を行うことで、入射側SMF1iからの出力を出射側SMF1oに結合させている。
図8(b)は、1本の入射側のSMF1iから入射光を出射側のSMF2oに出力する場合を示している。この場合には、液晶光変調素子1は光ビームを一方向(図8(b)中の下方向)に偏向させる動作を行うことで、入射側SMF1iからの出力を出射側SMF2oに結合させている。
図8(c)は、1本の入射側のSMF1iから入射光を出射側のSMF3oに出力する場合を示している。この場合には、液晶光変調素子1は光ビームを一方向(図8(c)中の上方向)に偏向させる動作を行うことで、入射側SMF1iからの出力を出射側SMF3oに結合させている。
図10は、上記した構成の光学素子の配置を示し、入射側のSMF1iの出射点又は後述するコリメーテッドスプリッタの実効的な焦点像を、出射側のSMF1o又はコリメーテッドスプリッタの実効的な焦点像の共役点として1:1で結合する4f−光学系を用いる。この構成では、コリメータのレンズL1とL2の焦点距離をfとするとき、レンズL1およびL2から丁度fの距離になるように、液晶光変調素子1を配置する。
入射側の任意のSMF又はコリメーテッドスプリッタの出力を、出射側の任意のSMF又はコリメーテッドスプリッタに結合させることができる。なお、この分光(分波)を行わない場合の構成では、入射側において複数の光信号を同時に入射すると、信号を分離することができずに信号の個別制御が不可能となるという問題、一度に入れた信号間のクロストークが生じるという問題があるため、入射側のSMFは一度に1本だけ入力として用いる。
図9(a)は、1本の入射側のSMF3iから入射光を出射側のSMF2oに出力する場合を示している。この場合には、液晶光変調素子1は光ビームを一方向(図9(a)中の下方向)に偏向させる動作を行うことで、入射側SMF3iからの出力を出射側SMF2oに結合させている。
図9(b)は、1本の入射側のSMF2iから入射光を出射側のSMF3oに出力する場合を示している。この場合には、液晶光変調素子1は光ビームを一方向(図9(b)中の上方向)に偏向させる動作を行うことで、入射側SMF2iからの出力を出射側SMF3oに結合させている。
上述した構成例では、入力ポートに偏光方向が揃った入射光を入力する。図11は、偏光方向そろった入射光を入力ポートに入力する構成を説明するための図である。
偏光方向が一方向に揃った入射光は、光源側で偏光方向を一方向に揃えた光を偏波保持光ファイバから出射される構成とする他、偏光方向を一方向に揃えるコリメータの機能と、光を分離するスプリッタの機能とを有したコリメーテッドスプリッタを光ファイバの先端に取り付ける構成とすることができる。
図11(a)は、光源側で偏光方向を一方向に揃えた光を偏波保持光ファイバから出射る構成である。光ファイバ28は、偏波保持光ファイバが望ましいが、代わりに例えば、単一モード(シングルモード)ファイバ(SMF)やマルチモードファイバ(MMF)とすることができる。光の偏光方向は光源側において予め一方向に揃えられているため、光ファイバ28の端部からは、偏光方向が一方向に揃った光が出射される。なお、この光ファイバ28の端部から出射される出射光の広がりは、光ファイバに依存するNA値により定められる。なお、図11(a)では、2つの偏波成分をそれぞれ異なる偏波保持光ファイバで導波する方法を示したが、両偏波をあらかじめ一本の偏波保持光ファイバに合成し、受光側の偏波保持ファイバの出力側で必要に応じて、偏波を所定の割合に2つの偏波成分に分波する構成としても良い。
図11(b)、(c)は、光ファイバの先端にコリメーテッドスプリッタを取り付ける構成例である。コリメーテッドスプリッタ27は、偏光方向を一方向に揃えるコリメータの機能と、偏光を分離するスプリッタの機能とを有した素子であり、コリメータレンズ27dと複屈折性結晶27aとを備える。
コリメーテッドスプリッタ27に入射した光は、コリメータレンズ27dによって平行光となり、複屈折性結晶27aによって偏波方向によりp偏光とs偏光に分離される。図に示す構成では、s偏光が出力される複屈折性結晶27aの出力端に90度偏光回転子27cを配置することによって偏光方向を揃える。なお、複屈折性結晶27aは、ルチルやYVO4等を用いることができ、90度偏光回転子27cは、例えば、1/2波長板またはファラデー回転子を用いることができる。
また、p偏光が出力される複屈折性結晶27aの出力端に光路の違いによる位相差補償板27bを配置する。この位相差補償板27bは、通過する光の位相を遅延させてもう一方の経路との光路長を合わせることによって、p偏光によるビームaとs偏光によるビームbの位相が、出射端平面Sで等位相となるようにする。なお、コリメーテッドスプリッタ27の出射端平面Sから出射される光の拡散角はコリメーテッドスプリッタ27の見かけのNAに対して、2×sin-1(NA)ラジアンとなる。
次に、分光(分波)を行う場合の液晶光変調装置10Bについて、図12〜図14を用いて説明する。なお、図12は、液晶光変調装置10Bの概略構成を説明するための図であり、図13は図12に示す液晶光変調装置10Bの上面方向および側面方向からみた波面状態を示し、図14は等価光路位置を示している。
図12において、液晶光変調装置10Bは、入力ポートから入力した入射光を液晶光変調素子1の波長分解方向で見ると、シリンドリカルレンズ等のアナモルフィックコリメータL1でコリメート・整形した後、回折格子形成軸方向で見て一方向に長いスポットとなるようにシリンドリカルレンズL2でコリメートおよび整形し、分波回折格子G1で分波して、波長多重化された光信号を波長分解し、アナモルフィックコリメータL3により液晶光変調素子1の波長分解方向だけ液晶光変調素子1上にライン状に集光させる。
ここで、液晶光変調素子1には、液晶層及び電極が二次元に配列される。液晶光変調素子1において、入射光は、アナモルフィックコリメータL1とシリンドリカルレンズL2によるライン状に展開された方向の回折格子形成軸と、この軸と直交する方向の波長分解方向軸の2軸の二次元液晶アレイ上に入射される。二次元液晶アレイは、回折格子形成軸方向の一次元アレイを波長分解方向軸方向に配列した構成であり、各一次元アレイに異なる波長の光を入射させることで、波長毎に光強度変調および位相変調を独立に制御することができる。
これによって、液晶光変調素子1に入射された光は、各波長毎に個別に独立して位相変調ないし光強度変調が行われ、この位相変調ないし光強度変調が行われた後、出射光はシリンドリカルレンズL4で液晶光変調素子1の波長分解方向において平行光に変換された後、合成回折格子G2上に入射される。
入射光は合成回折格子G2によって異なる波長が合波され、シリンドリカルレンズL5を通り、シリンドリカルレンズ等のアナモルフィックコリメータL6で円形スポットとなるように集光された後、出力ポートに出射される。この構成によれば、分波回折格子によって分光が行なれるため、波長毎に液晶光変調素子1のライン状の異なる箇所で独立に光強度変調調整や位相変調を行うことができる。
なお、液晶光変調素子1は2次元液晶セル層を備え、その縦方向および横方向の幅は、液晶光変調素子1への入射平行ビームの幅、および波長分解された光照射範囲の幅以上とする。
図13は、図12に示す液晶光変調装置10Bを上面方向および側面方向からみた波面状態(と光線方向)を示している。なお、図13では、LC1に示す位置は液晶光変調素子1が設置される位置である。
図13(a)は液晶光変調装置10Bを上面方向からみた波面状態を示し、図13(b)は液晶光変調装置10Bを側面方向からみた波面状態を示している。
ここで、入力ポートには、波長λ1,λ2,λ3の異なる波長を含む入射光が入射され、液晶光変調素子1において波長毎に光強度変調調整および位相変調を行うものとする。
入射光に含まれる各波長成分は、液晶光変調素子1の波長分解方向軸の方向に分解される。図13(b)〜図13(d)の側面方向からみた図は、この各波長成分の状態を示している。例えば、図13(b)は波長λ1の場合を示し、図13(c)は波長λ2の場合を示し、図13(d)は波長λ3の場合を示している。
このように、各波長は、液晶光変調素子1の波長分解方向軸の方向で異なる位置に集光するため、この各波長が集光する位置の一次元アレイによって光強度変調調整および位相変調を行うことで、波長毎に光強度変調調整や位相変調を独立して行うことができる。
図14は、上記した構成の光学素子の配置を示している。液晶光変調装置10Bの光学素子の配置は、上面からみた場合(図14中の上面図)、前記した図10と等価な4f光学系配置であり、入射側のSMFの出射点又はコリメーテッドスプリッタの実効的焦点像位置を出射側のSMF又はコリメーテッドスプリッタの焦点の共役点として1:1で結合する。一方、分波方向の側面からみた場合(図14中の側面図)、入射側のSMFの出射点又はコリメーテッドスプリッタの実効的焦点像位置から液晶光変調素子1までを4f光学系配置とし、さらに、液晶光変調素子1から出射側のSMF又はコリメーテッドスプリッタの焦点までを4f光学系配置とする。
したがって、入射側のSMFの出射点又はコリメーテッドスプリッタの実効的焦点像位置を液晶光変調装置10B上の共役点として1:1で結合し、液晶光変調素子1上の点を出射側のSMF又はコリメーテッドスプリッタの焦点の共役点として1:1で結合する。
シリンドリカルレンズ等のアナモルフィック光学系を用いることで、液晶回折格子によるビーム偏向方向と2枚の回折格子による分光方向とを別々に制御することができる。
なお、図14において、レンズの厚み等を考慮しない理想的な等価光学回路を想定した場合、上面からみたときの各レンズの焦点距離f2と側面からみたときの各レンズの焦点距離f1とは、f2=2・f1の関係になる。
次に、分光(分波)を行わない場合の第2の構成例である液晶光変調装置10Cについて、図15、図16を用いて説明する。なお、図15は、液晶光変調装置10Cの概略構成を説明するための図であり、図16は図15に示す液晶光変調装置10Cの上面方向および側面方向からみた波面状態を示している。
液晶光変調装置10Cは、前記図12に示した液晶光変調装置10Bの構成において、分波回折格子G1,G2を除いてシリンドリカルレンズL2,L5だけを配置した構成であり、分波回折格子G1,G2による分波は行われないため、波長毎の光強度変調や位相変調を行うことはできない。
図16(a)は液晶光変調装置10Cを上面方向からみた波面状態(および光線方向)を示し、図16(b)〜(d)は液晶光変調装置10Cを側面方向からみた波面状態を示している。また、図16(e)は、入力として3行×3列に9ポートを設けた場合に、図16(b)の入力側からと、出力側からポートを見たときの構成図である。
ここで、入力ポートには、異なる入射光の組R1、R2、R3をレンズL1の側面方向で異なる行において、入射する。これにより、図16(a)に示す上面方向からみた列方向C3、C1、C2では、液晶光変調素子1の変調デバイス面上では、一ライン状に集光して分離されないが、図16(b)に示す側面方向からみた行方向では、液晶光変調素子1の変調デバイス面で異なるラインに集光して分離が行われる。したがって、2次元液晶回折格子を用いることで、この変調デバイス面の異なるライン上で位相変調を行毎独立に行うことができる。
この結果、図8で示した光路切り替え機能を持つ強度・位相変調装置を3行独立に配置したのと同じ機能を持たせることができる。この構成は、図8の機能の液晶光変調装置を複合・小型化するのに有効である。
次に、分光(分波)を行う場合の第2の構成例である液晶光変調装置10Dについて、図17、図18を用いて説明する。なお、図17は、液晶光変調装置10Dの概略構成を説明するための図であり、図18は図17に示す液晶光変調装置10Dの上面方向および側面方向からみた波面状態を示している。
液晶光変調装置10Dは、前記図12に示した液晶光変調装置10Bの構成と同様の構成において、入射側に異なる波長を分離して入射位置を異ならせて入射する構成を示している。液晶光変調装置10Dの光学的な構成は、図12に示した液晶光変調装置10Bの構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
図18(a)は液晶光変調装置10Dを上面方向からみた波面状態(および光線方向)を示し、図18(b)は液晶光変調装置10Dを側面方向からみた波面状態を示している。
ここで、入力ポートには、異なる波長を持つ入射光をレンズL1の上面方向で異なる位置に入射する。これにより、図18(a)に示す上面方向からみた波面状態では、液晶光変調素子1の変調デバイス面上では、重なって見えるが、図18(b)に示す側面方向からみた波面状態では、分波回折格子G1,G2によって、液晶光変調素子1の変調デバイス面で波長毎に異なるラインに集光する。この各ラインにおいて、波長毎に光強度変調および位相変調を行うことができる。
ここで、入力側に3本のSMFを配置し、各SMFから波長多重された入射光を入射する場合には、各SMFに波長多重される波長に重なりが無いときには各波長(または波長の組)を独立に制御することができるが、各SMFに波長多重される波長に重なりが有るときには各波長を独立に制御することはできない。
例えば、SMF1に異なる波長λ1,λ2,λ3を入力し、SMF2に異なる波長λ4,λ5を入力し、SMF3に異なる波長λ6,λ7,λ8を入力する場合のように、各光ファイバに伝送される波長が異なる場合には、分光(分波)用回折格子により、液晶2次元アレイの別々の位置の1次元アレイに光信号が入力されるため、液晶デバイスによって独立に光強度変調、位相変調、および分波が可能である。
一方、SMF1に波長λ1を入力し、SMF2に同じ波長λ1を入力するなど、同一波長を異なるポートに入力した場合には、各信号を独立に制御することができず、クロストークが生じることになる。
図19は、2次元の液晶光変調装置の構成例を示す図である。なお、図19は透過型の構成例について示している。図19において、液晶光変調装置10が備える液晶光変調素子1は、液晶層および電極を二次元配置した構成とし、各波長成分について位相変調および強度変調を行うことができる。
この液晶光変調素子1の入射側には、入力ポート2、入射光の一方の偏光を他方の偏光に変換し偏光方向を液晶光変調素子1の可変できる方向に変換する偏光変換素子15、入射光を液晶光変調素子1の面上にライン状にコリメートおよび整形するアナモルフィックコリメータ11、および入射光を各波長成分λ1〜λnに分光する分光器12が配置される。一方、この液晶光変調素子1の出射側には、各波長成分を結合する結合器14、アナモルフィックコリメータ13、偏光状態を変換する偏光変換素子16、および出力ポート3が配置される。アナモルフィックコリメータ11および13は、図17で説明した構成のように分光器12および結合器14と液晶光変調素子1との間にも配置する複数のレンズから分散配置する構成としても良い。ここで、入力ポート2および出力ポート3は光ファイバによって構成してもよい。
上記した例は、透過型の構成例であるが、反射型の構成とすることもできる。図20,21は反射型の構成例を説明するために図である。
図20(a)は1次元の液晶光変調装置10Eの概略構成を説明するための図であり、図20(b)は2次元の液晶光変調装置10の概略構成を説明するための図である。
1次元の液晶光変調装置10Eは、入力ポートから入力した入射光を反射型の液晶光変調素子1に入射する。ここで、反射型の液晶光変調素子1は、液晶層及び電極が1次元に配列されるとともに反射面(図示していない)を備える。液晶光変調素子1に入射した光は、反射面で反射される前後において位相変調ないし光強度変調され、出射される。液晶光変調素子1から出射した光は、入力ポート側に戻される。なお、光強度変調において、廃棄される光りは、入力ポート側と異なる方向に向けて出射される。
一方、2次元の液晶光変調装置10Fは、入力ポートから入力した入射光(λ1〜λn)を分光器(分波器)12に入射し、分光器12で分光して各波長λ1〜λnの光を、反射型の液晶光変調素子1に入射する。
ここで、反射型の液晶光変調素子1は、液晶及び電極が2次元に配列されるとともに反射面(図示していない)を備える。液晶光変調素子1に入射された光は、波長毎に位相変調ないし光強度変調された後、出射される。液晶光変調素子1から出射した光は、入力ポート側に戻される。なお、光強度変調において、廃棄される光は、入力ポート側と異なる方向に向けて出射される。
図21は、前記した図20の2次元の反射型の液晶光変調装置10Fの構成例を示す図である。図21において、液晶光変調装置10Fが備える液晶光変調素子1は、液晶層および電極を二次元配置した構成とし、各波長成分について位相変調および強度変調を行うことができる。
この液晶光変調素子1の入射側および出射側には、入出力ポート4、偏光状態を変換する偏光変換素子15、入射光を液晶光変調素子1面上にライン状にコリメートおよび整形するアナモルフィックコリメータ11、および入射光を各波長成分λ1〜λnに分光ないし結合する分光結合器17が配置される。この構成では、光強度変調を行うことで、入射光を入力する入力ポートと、光変調された出射光を出力する出力ポートとを異なるポートとすることができる。なお、上記した各構成例において、入出力ポート4は光ファイバによって構成してもよい。アナモルフィックコリメータ11は、図17で説明した構成のように分光結合器17と液晶光変調素子1との間にも配置する複数のレンズから分散配置する構成としても良い。
なお、反射型の液晶光変調装置10Fにおいて、外部環境温度に対して液晶の温度を一定に保持するために、TEC(Thermo-Electric Cooler... Peltier素子)を設ける構成が望ましい。図22は、このTECの一構成例を説明するための図である。TEC5は、例えば、ペルチェ素子5aとヒートシンク5bとを組み合わせた構成とすることができる。
図22において、TEC5は、液晶光変調素子1の反射面を形成する基板の裏面(入射方向と反対側の面)に素子結合層5dを介してペルチェ素子5aを設けるとともに、結合層5cを挟んでヒートシンク5bを設ける構成とすることができる。素子結合層5dおよび結合層5cは、インジウム・半田などの金属や、エポキシ・アクリル樹脂によるボンディング剤を用いることができる。また、ペルチェ素子5aを液晶光変調素子1やヒートシンクに取り付ける場合、アルミナや窒化アルミなどの絶縁層を挟んでも良い。
本発明の液晶光変調装置を用いて光クロック逓倍装置を構成するような場合、取り扱う光クロックは例えば160Gビット/秒を超える程度の超高速となる。このような超高速環境では、クロック間の時間間隔も極めて短時間となり、液晶層やその周囲の光学部材の温度変化による位相変化に起因する光の通過時間の変動が大きく影響する場合があるため、外部環境温度に対して液晶の温度を一定に保持することが極めて重要となる。
したがって、液晶光変調素子1は、ペルチェ素子5aなどの熱電変換素子に金属または樹脂により接着固定することで、環境温度の変化による液晶層の波長換算した位相揺らぎを同一電圧プロファイル印加時に使用最大波長のλ/10以下になるように制御することが望ましい。
以下、本発明の液晶光変調装置の構成例について図23を用いて説明する。
図23(a)に示す構成例は、入力ポート2および出力ポート3をそれぞれ光ファイバで構成し、この光ファイバの間に本発明の液晶光変調素子1を配置する構成例である。ここで、図示する光ファイバにはコア拡大ファイバを用いたり、低融点ガラスからなる小型レンズを融着することでコリメータの機能を持たせることができる。
図23(b)に示す構成例は、前記図23(a)の構成において、入力ポート2と液晶光変調素子1との間のコリメータ21を配置し、液晶光変調素子1と出力ポート3との間にコリメータ23を配置する構成例である。図23(a)、(b)の構成によれば、光ファイバおよびコリメータ21,23によるコリメータ機能によって、液晶光変調素子1に対して平行光を入射することができる。
図23(c)に示す構成例は、図23(b)に示す構成例において、入力ポート2とコリメータ21との間に偏光変換素子25を配置し、コリメータ23と出力ポート3の間に偏光変換素子26を配置する。偏光変換素子は偏光状態を揃えることで液晶光変調素子1における液晶層での光変調作用の効率を最大にする。なお、コリメータ21と偏光変換素子25およびコリメータ23と偏光変換素子26の順番は、入れ替えても構わない。
図23(d)に示す構成例は、液晶光変調素子1で強度変調された出射光を複数の出力ポート3に出力させる構成例であり、出力ポート3に複数の光ファイバを配置する。この構成によれば、強度変調による出射光の偏向角度を調整することで、出射する出力ポート3を選択することができる。
図23(e)に示す構成例は、前記図23(d)の構成において、液晶光変調素子1の前方に分光器22を設け、分光器22で分光して得られる波長成分毎に位相変調および強度変調を行い、光調整された出射光を複数の出力ポート3に出力させる構成例であり、出力ポートに複数の光ファイバを配置する。この構成によれば、波長成分毎に位相変調および強度変調を行うことができ、さらに、選択した出力ポート3から出射させることができる。
図23(f)に示す構成例は、前記図23(e)の構成において、液晶光変調素子1の後方に結合器24を設け、各波長成分を結合器24で結合して出力ポート3に出力させる構成例である。この構成によれば、波長成分毎に位相変調および強度変調を行うことができ、さらに、波長毎に位相変調、強度変調された光成分を一つの光信号として出力ポート3から出射させることができる。
以下、本発明の適用される液晶光変調素子について説明する。はじめに、液晶光変調素子31の動作原理について説明する。図24は、液晶光変調素子の動作の基本原理を示す模式図である。ここで、液晶光変調素子31は、x−z面内に平行な方向にダイレクタ32がホモジニアス配向した状態で外部電場を印加した場合に、ダイレクタ32の長軸方向が電場方向に平行になるようにp型(ポジ型)ネマティック液晶を配向するものとする。この液晶光変調素子31に、x軸に平行な方向に振動する直線偏光33がz軸方向に入射するものとする。液晶光変調素子31に入射する前の入射波面34は平面である。その液晶光変調素子31に電場を印加し所定の屈折率分布となるようにダイレクタ32の面内分布を制御すると、入射波面34を所定の角度θだけ偏向した平面波の出射波面35に変換させることができる。
この現象をさらに詳細に図25を用いて説明する。図25は、本発明の液晶光変調素子の動作原理を示す説明図である。図25において、液晶光変調素子31のネマティック液晶層36の出射側の平面をx−y平面とし、液晶は、x−z平面に平行となるように配向させる。このとき、入射直線偏光33がネマティック液晶層36に垂直に入射される。このネマティック液晶層36内には位置xの関数である異常光屈折率ne(x)の分布35が要素格子のピッチPにおけるa−b間で直線的に変化するように予め動作点を決めておく。
また、ネマティック液晶層36の厚みdは一定であるが、屈折率ne(x)がピッチPで直線的に変化しているため、ネマティック液晶層36中を伝搬する入射直線偏光33は、場所によって異なるリターデーションΔn(x)・dの変調を受けることになる。ここで、n0を液晶の常光屈折率とおくと、Δn(x)=ne(x)−n0 である。
入射直線偏光33はネマティック液晶中、つまり誘電体媒質中を伝搬する場合、リターデーションが大きいところでは遅く、逆にリターデーションが小さい個所では速く伝搬する。このため、ネマティック液晶層36を出射した出射直線偏光34は、波面がtanθ=δΔn・d/P だけ傾くことになる。
ここで、δΔnは、a点とb点でのリターデーションΔn(x)の差を、δΔn=Δn(a)−Δnの式で計算した値である。
このように、ネマティック液晶層36における異常光屈折率ne(x)の分布35が直線的であれば、入射直線偏光33と同様に出射直線偏光34の波面も平面となり、結果的に入射直線偏光33に対して出射直線偏光34はθだけ偏向させることができる。
次に、本発明の液晶光変調素子が備える複合電極の構造について説明する。液晶光変調素子1のブレーズド型回折格子を形成するための第1の複合電極の構造について説明する。図26は第1の要素格子44と第2の要素格子48の2つの回折格子領域を含む第1の活性領域60を有する第1の複合電極55の平面図である。
図26において、第1の要素格子44は第1の個別電極51から第Nの個別電極52を有する。また、第2の要素格子48は第N+1の個別電極53から、第2Nの個別電極54を有する。なお、この第1の複合電極55では、説明を容易とするために便宜上N=10とした。また、第1の個別電極51から第2Nの個別電極54は上述の膜厚と抵抗値を有するITOなどの透明導電膜により形成する。
また、第1の個別電極51から第Nの個別電極52は、第1の活性領域60の外部で複数の群(では2つの群)にまとめられ、各群内における各個別電極を、個別電極と同じ材料であるITOなどの共通の集電極によって接続する。図26においては、第1の個別電極51から第Nの個別電極52を第1の活性領域60の外部で第1の集電極43で接続し、第N+1の個別電極53から第2Nの個別電極54は、同様にして第2の集電極47で接続する。
また、第1の集電極43の両端にMoやAg合金などの低抵抗金属材料からなる第1の信号電極41と第2の信号電極42をそれぞれ接続し、第2の集電極47に、第3の信号電極45と第4の信号電極46をそれぞれ接続している。なお、前記集電極をシート抵抗数百〜1kΩの膜だけでなく、膜厚をさらに薄くしたり、その電極幅を狭くして電極の長辺方向に線形の抵抗を有するように構成してもよい。
図26では便宜上、第1の要素格子44と第2の要素格子48の2つの回折格子領域だけを示したが、実際の液晶光変調素子1においては、第1の活性領域60に入射ビーム径に応じた所定の数の要素格子を形成する必要がある。入射光として850nm帯を用いるときの具体的な設計例として、第1の活性領域60に半導体レーザからの光をコリメータにより平行光として、入射する場合を仮定している。
このとき、平行光のガウシアンビーム径を300μmとした場合、第1の活性領域60の幅Lを400μmから1.5mmとする。また、各要素格子の個別電極は、入射光の波長を考慮して2μm以下のラインアンドスペースが望ましく、要素格子のピッチP0を30μmから100μmとしたとき第1の複合電極55の幅Wは、800μmから2mm程度が望ましい。したがって、ピッチP0を30μmとしたとき要素格子の数は、27個から67個となり、ピッチP0を100μmとしたときは、要素格子の数は、8個から20個となる。
上記の説明で明らかなように、ブレーズド型回折格子を形成する液晶光変調素子1においては一つの回折格子領域がN本の個別電極からなる場合にも、駆動回路からの制御信号に接続する信号電極の数は、第1、第2の集電極43,47の両端に接続することにより、要素格子の個数(M個)に対し2M本で済む。特に個別電極の数が増えた場合、信号電極の数を大幅に削減することが可能となるという利点を有する。
次に、第1の複合電極55を持った液晶光変調素子1の駆動方法について説明する。はじめに、第1の要素格子44の部分について説明する。図27に駆動波形を示す。第1の駆動波形Vaを第1の信号電極41に印加し、第2の駆動波形Vbを第2の信号電極42に印加する。第1の駆動波形Vaと第2の駆動波形Vbは互いに周波数と位相が等しく電圧のみが異なっており、第2の駆動波形Vbの方が第1の駆動波形Vaより電圧を大きくする。
また、期間t1においては第1の駆動波形Vaは+V1[V]であり、第2の駆動波形Vbは+V2[V]である。ここで、共通電極1Gを0[V]とする。したがって、透明導電膜など線形の抵抗材料で形成した第1の集電極43によって電位が分割されるため、第1の活性領域60に形成した第1の要素格子44の個別電極には、それぞれ第1の信号電極41と第2の信号電極42に印加した電圧が配置位置によって直線的に分割されることとなる。ここで、個別電極の長手方向については個別電極がネマティック液晶層36のインピーダンスと比較して低抵抗材料で形成されるためほぼ同電位とすることができる。さらに、必要に応じて共通電極1Gにバイアス交流電圧を印加する期間を期間1および期間2と別に設けてもよい。
次に、集電極による電位勾配について説明する。第1の複合電極55(図26)における第1の集電極43上の電位勾配と、各個別電極の電位との関係を詳細に説明する。図27に示す期間t1においては第1の信号電極41と第2の信号電極42とを接続する第1の集電極43の電位分布は、図28の第1の電位分布Vcで示す直線状の電位分布となる。図27に示す期間t2においては、第1の集電極43の電位分布は、図28の第2の電位分布Vdで示す電位分布となる。
ここで、図28において、a点は、第1の信号電極41に接続される個別電極位置に対応し、b点は、第2の信号電極42に接続される個別電極位置に対応している。図27に示した駆動波形が50%デューティの矩形波の場合は、図28で示す2つの第1および第2の電位分布Vc、Vdを交互に時間的に繰り返すことになる。したがって、0[V]に維持した共通電極1Gを介してネマティック液晶層36に印加される電圧はどの個別電極の位置においても交番電圧化され、ネマティック液晶層36に直流成分が加わることはない。また、ネマティック液晶は実効値応答のため第1の信号電極41側には、実効値で常時V1[V]が印加され、第2の信号電極42には、V2[V]の電圧が印加され、さらに第1の集電極43で分割された電位が各個別電極に印加されると考えればよい。
図29は、本発明の液晶光変調素子の位相分布を示す模式図である。この場合、要素格子のピッチをP0とし、最大偏向角θmaxを、tanθmax=λ/P0 と定義する。このときのθmaxの位相変調曲線(一点鎖線)のときの最大位相変調量は、要素格子のピッチP0の距離で一波長分つまり2πとなる。第1の複合電極55の場合、第1、第2の信号電極41、42の位置が予め決められているので、位相を変えるために任意の電極位置で、2πだけのリセットをかけることが不可能である。そこで、所定の位置でリセットを掛けるために、まず最大偏向角θmaxより少し小さい角度θp 高次光発生させること無く偏向させる場合を考える。このとき、θpの位相変調曲線(実線)においては、λ〜2λの間でリセットをかける必要がある。このように、第1の複合電極55を用いる場合は、所定の要素格子のうち、位相変調量がλ以上2λ未満に入る要素格子ごとにリセットをかける駆動方法を用いるようにしてもよい。

第1の複合電極55を持った液晶光変調素子1の別の駆動方法について説明する。
図30は、一つの要素格子に配置した信号電極端子への波形印加期間を示した図である。この駆動方法においては、1フレームを期間1と期間2に分けて駆動する。具体的には、ネマティック液晶層36の劣化を防ぐため、平均値が0となるような交番電圧の駆動信号を第1の信号電極41に印加し、第2の信号電極42を共通電極1Gと同電位となるように0[V]とする期間1と、第2の信号電極42に交番電圧の駆動信号を印加し、第1の信号電極41を共通電極1Gと同電位となるように0[V]とする期間2を交互に設けた駆動する。
このような駆動方法を用いることで期間1と期間2を足した1フレームに要素格子に生じる液晶電位分布は、それぞれの期間の実効値に近い値をとる。期間1および期間2の印加波形は、任意でよく、たとえば振幅の異なる2つの波形を印加できる。また、パルス幅変調により、実効値を制御した波形でもよい。さらに、必要に応じて共通電極にバイアス交流電圧を印加してもよい。
次に、ブレーズド型回折格子を形成するための複合電極の他の構造について図31を用いて詳細に説明する。先に説明した第1の複合電極55(図26)の構造に加えて、第2の複合電極95は、第1の活性領域60の外部で複数の個別電極の群の両端に集電極を配する構成を採用する。
図31においては、第1の活性領域60の外部で第1の集電極73と対向する位置に第3の集電極83を、第1の活性領域60の外部で第2の集電極77と対向する位置に第4の集電極87を配する。さらに、第3の集電極83はMoやAg合金などの低抵抗金属材料からなる第5の信号電極81と第6の信号電極82に接続し、第4の集電極87は第7の信号電極85と第8の信号電極86に接続している。
この第2の複合電極95の構造では、第1の信号電極71と第5の信号電極81、第2の信号電極72と第6の信号電極82、第3の信号電極75と第7の信号電極85、および第4の信号電極76と第8の信号電極86のペアは外部で短絡して駆動する。なお、第2の複合電極95を用いた光偏向装置の駆動方法は、先に説明した駆動方法をそのまま適用することができる。
図31に示した第2の複合電極95の構造は、個別電極が細くまた長くした場合などに、ネマティック液晶層の駆動周波数でのインピーダンスに比較して個別電極のインピーダンスが、無視できなくなる程大きくなる場合に特に有効である。
次に、高速応答が必要な応用の場合に特に有効である他の構成の第3の複合電極63について説明する。図32はブレーズド型回折格子を実現するための第1の活性領域60と第3の複合電極63の関係を示す平面図である。図32において第3の複合電極63は、複合電極を構成するITOなどの透明導電膜により形成した第1の個別電極61から便宜上N=20とし、第Nの個別電極62より形成している。
光偏向をおこなうためのブレーズド型回折格子を第1の活性領域60に実現するために第3の複合電極63には所定の電圧をそれぞれの個別電極61〜62に印加する必要がある。電圧パターンへの印加手段は、第1の個別電極61から第Nの個別電極62を図32に示すように別々に形成して各個別電極を独立にICなどの駆動回路で駆動して、各個別電極に段階的な電位差を生じさせる。
この第3の複合電極63を用いた液晶光変調素子1を用いて任意の偏向角を実現する方法を図33を用いて説明する。第3の複合電極63においては、各個別電極は独立に直接駆動回路により任意の電圧を印加できる。したがって、可変調量が最小で2π(一波長)まで取れる場合、任意の偏向角を実現することが可能となる。たとえば、第1の位相変調波形Ph1を、第1の活性領域60に実現するような電圧を各個別電極に印加したとき、偏向角θ1は、tanθ1=λ/P1で与えられる値を取る。なお、λは一波長分の相対位相差を示す。
また、x軸方向を個別電極に直交する方向とした。本構成を用いることで、所定の個別電極を束ねたピッチP1において、位相を一波長分リセットすることにより、回折効率を100パーセントに近づけることが可能となる。
次に、第2の位相変調波形Ph2を、第1の活性領域60に実現するような電圧を各個別電極に印加したとき、偏向角θ2は、tanθ2=λ/P2 で与えられる値を取る。このように、位相をリセットする所定のピッチP1を変更することで、任意の偏向角θを容易に実現することが可能となる。
次に、本発明の液晶光変調装置を光クロック逓倍装置に適用した構成例について図34を用いて説明する。
図34において、VOAD(Variable Optical Attenuator and Delay)111は、本発明の液晶光変調装置を用いて構成され、複数の波長について光強度変調、位相変調、および分波を行うことで、光クロック逓倍装置を構成する。
光クロック逓倍装置110は、入力ポート102と出力ポート103を備え、入力ポート102から入力した光信号は、光結合分離器104によって分離される。分離した一方の光信号はVOAD111によって変調が行われ、他方の光信号は遅延量が固定された固定遅延器106に通され、両光信号は光結合分離器105によって結合される。光結合分離器104から出力される光信号と固定遅延器106から出力される光信号との間に設定された所定位相差によって光クロックは逓倍化され、光結合分離器105で結合された光信号は出力ポート103から出力される。
VOAD111は各波長について独立に光強度変調と位相変調が行うことで、光クロック逓倍装置110は各波長について信号の搬送波となる光クロックを波高等価と位相補償をして逓倍化することができる。
図35は、VOAD111による光強度変調および位相変調を説明するための図である。図35(a)〜図35(c)は光クロック逓倍を行う2つの光信号が望ましい状態にあり、光強度が等しく、位相関係が等位相差である状態を示している。
図35(d)〜図(g)は、光強度が不均一な場合に光強度変調によって光強度を合わせる状態を示している。ここでは、図35(d)に示す光信号と図35(e)に示す光信号によって光信号を逓倍化する場合を示している。このとき、図35(e)に示す光信号の光強度が図35(d)に示す光信号の光強度よりも小さい場合には、二つの光信号を結合すると、図35(f)に示すように、逓倍化された光信号の光強度が不均一となる。
そこで、VOAD111は、図35(d)に示す光信号の光強度を減衰させて図35(e)に示す光信号の光強度に合わせ、図35(g)に示すような、光強度が均一化された逓倍光信号を形成する。
また、図35(h)〜図(k)は、位相ずれが生じた場合に位相変調によって位相関係を合わせる状態を示している。ここでは、図35(h)に示す光信号と図35(i)に示す光信号によって光信号を逓倍化する場合を示している。このとき、図35(i)に示す光信号の位相が図35(h)に示す光信号の位相に対して位相ずれが生じている場合には、二つの光信号を結合すると、図35(j)に示すように、逓倍化された光信号の位相間隔が不均一となる。
そこで、VOAD111は、図35(h)に示す光信号の位相をずらして図35(i)に示す光信号の位相との間の位相間隔を調整し、図35(k)に示すような、位相間隔が均一化された逓倍光信号を形成する。
また、図34および図35では、一段で2倍のビットレートを生成する、搬送波作成のための光クロック逓倍器の例を示したが、この構成を固定遅延器106を所定の遅延量とすることで、任意の位相遅れを持つ光クロック逓倍器の波高等価や位相調整に応用可能である。また、光クロック逓倍器をカスケード接続やパラレル接続した場合や、光アンプや信号変調器などを途中に挿入した場合も、本発明の構成が適用可能であることは言うまでもない。
以上、本発明の液晶光変調装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る液晶光変調装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
本発明の液晶光変調素子の概略構成、および機能を説明するための図である。 本発明の反射型の液晶光変調素子の概略構成、および機能を説明するための図である。 本発明の液晶光変調素子の構造を示す断面図である。 液晶光変調素子による光変調(位相変調および強度変調)の第1の形態を説明するための概略図である。 液晶光変調素子による光変調(位相変調および強度変調)の第2の形態を説明するための概略図である。 本発明の液晶光変調装置10Aの概略構成を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置10Aの側面方向からみた波面状態を示す図である。 本発明の液晶光変調装置10Aの上面方向からみた波面状態を示す図である。 本発明の液晶光変調装置10Aの上面方向からみた波面状態を示す図である。 本発明の液晶光変調装置10Aの等価光路位置を示す図である。 偏光方向はそろった入射光を入力ポートに入力する構成を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置10Bの概略構成を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置10Bの上面方向および側面方向からみた波面状態を示す図である。 本発明の液晶光変調装置10Bの等価光路位置を示す図である。 本発明の液晶光変調装置10Cの概略構成を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置10Cの上面方向および側面方向からみた波面状態を示す図である。 本発明の液晶光変調装置10Dの概略構成を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置10Dの上面方向および側面方向からみた波面状態を示す図である。 本発明の2次元の液晶光変調装置の構成例を示す図である。 本発明の液晶光変調装置の反射型の構成例を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置の反射型の構成例を説明するための図である。 TECの一構成例を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置の構成例を説明するための図である。 本発明の液晶光変調素子の動作の基本原理を示す模式図である。 本発明の液晶光変調素子の動作原理を示す説明図である。 液晶光変調素子1のブレーズド型回折格子を形成するための第1の複合電極の構造を説明するための図である。 第1の複合電極を有する液晶光変調素子の駆動方法を説明するための図である。 第1の集電極の電位分布を説明するための図である。 本発明の液晶光変調素子の位相分布を示す模式図である。 一つの要素格子に配置した信号電極端子への波形印加期間を示した図である。 ブレーズド型回折格子を形成するための複合電極の他の構造を説明するための図である。 ブレーズド型回折格子を実現するための第1の活性領域と第3の複合電極の関係を示す平面図である。 任意の偏向角を実現する方法を説明するための図である。 本発明の液晶光変調装置を光クロック逓倍装置に適用した構成例を説明するための図である。 VOAD111による光強度変調および位相変調を説明するための図である。 光時分割多重を実現する構成例を説明するための図である。 液晶素子を用いた光変調器の一例を説明するための図である。 光アドレス型空間変調器の構成例を説明するための模式図である。
符号の説明
1 液晶光変調素子
1A 無反射コート
1B 第1の透明基板
1C 複合電極
1D 配向層
1E ネマティック液晶層
1F 配向層
1G 共通電極
1H 第2の透明基板
1I ネマティック液晶層
2 入力ポート
3 出力ポート
4 入出力ポート
10,10C,10D,10E,10F 液晶光変調装置
10A 1次元液晶光変調装置
10B 2次元液晶光変調装置
11,13 アナモルフィックコリメータ
12 分光器
14 結合器
15,16 偏光変換器
17 分光結合器
21,23 コリメータ
22 分光器
24 結合器
25,26 偏光変換器
31 液晶光変調素子
32 ダイレクタ
33 入射直線偏光
34 入射波面
35 出射直線偏光
36 ネマティック液晶層
41 第1の信号電極
42 第2の信号電極
43 第1の集電極
44 第1の要素格子
45 第3の信号電極
46 第4の信号電極
47 第2の集電極
48 第2の要素格子
51 第1の個別電極
52 第Nの個別電極
53 第N+1の個別電極
54 第2Nの個別電極
55 第1の複合電極
60 第1の活性領域
61 第1の個別電極
62 第Nの個別電極
63 第3の複合電極
71 第1の信号電極
72 第2の信号電極
73 第1の集電極
74 第1の要素格子
75 第3の信号電極
76 第4の信号電極
77 電極
78 第2の要素格子
81 第5の信号電極
82 第6の信号電極
83 第3の集電極
85 第7の信号電極
86 第8の信号電極
87 第4の集電極
91 第5の信号電極
92 第6の信号電極
95 第2の複合電極
100 光クロックマルチプレクサ
101 光変調装置
102 入力ポート
103 出力ポート
104,105 光結合器
106 遅延器
107 コリメーテッドスプリッタ
110 光クロック逓倍装置
111 VOAD(Variable Optical Attenuator and Delay)
201 入出力ポート
202 分光器
203 偏光子
211,212,213 シリンドリカルレンズ
301 光変調器(SLM)
302 補償器
A 第1領域
B 第2領域

Claims (14)

  1. 複数の個別電極を有する第1の基板と、
    共通電極を有する第2の基板と、
    前記第1の基板と第2の基板との間に挟持した液晶層とを備え、
    前記第1の基板上に形成された各個別電極に所定電圧を印加することによって液晶層の屈折率を変調させることで光変調を行う液晶光変調素子であって、
    前記第1の基板上に形成された電極を少なくとも第1の領域と第2の領域を含む複数の領域に区分し、各領域に対する電圧の印加態様を異ならせ、第1の領域において波面方向を変えることで出射側の光結合係数を調整して強度変調し、第2の領域において光を位相変調する駆動回路を有し、
    前記第1の領域に勾配電圧を印加し、当該勾配電圧の印加によって前記第1の領域の液晶層内の実効的位相差に勾配を形成し、当該実効的位相差の勾配によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内でずらすことで、出射光の進行方向を調整して前記出射側の光結合係数を調整して強度変調を行い、
    前記第2の領域全体に所定の一定電圧を印加し、当該一定電圧の印加によって前記第2の領域の液晶層内に実効的位相差を形成し、当該実効的位相差によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内で均一に調整することで、出射光の位相変調を行い、
    一つの素子の異なる領域で強度変調と位相変調を行うことを特徴とする、液晶光変調素子。
  2. 前記実効的位相差の最大位相差Φmaxと光変調を行う光の使用最大波長λmaxにおいてΦmax≧2πの関係があることを特徴とする、請求項に記載の液晶光変調素子。
  3. 前記液晶層の最大厚さdmaxは、dmax>λmax/Δnmaxである(Δnmaxは液晶の実効最大複屈折率、λmaxは使用する最大波長)ことを特徴とする、請求項に記載の液晶光変調素子。
  4. 複数の個別電極を有する第1の基板と、
    共通電極を有する第2の基板と、
    前記第1の基板と第2の基板との間に挟持した液晶層とを備え、
    前記第1の基板上に形成された各個別電極に所定電圧を印加することによって液晶層の屈折率を変調させることで光変調を行う液晶光変調素子であって、
    前記液晶層の厚さdは、mλmax/Δnmax<dである(Δnmaxは液晶の実効最大複屈折率、λmaxは使用最大波長、mは整数)とし、
    前記第1の基板上に形成された電極に、勾配電圧に一定電圧のバイアス電圧を付加した電圧を印加し、
    前記勾配電圧の印加によって液晶層内の実効的位相差に勾配を形成し、当該実効的位相差の勾配によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内でずらして波面方向を変えることで、出射側の光結合係数を調整して強度変調を行うとともに、
    前記所定の一定電圧のバイアス電圧を印加することによって液晶層内に一定の実効的位相差を形成し、この一定の実効的位相差によって出射光面から出射される出射光の位相を領域内で均一に調整することで出射光の位相変調を行う駆動回路を有し、一つの素子の同一の領域で強度変調と位相変調を行うことを特徴とする、液晶光変調素子。
  5. 前記複数の個別電極を、前記領域の配列方向に配列する一次元配列、又は前記領域の第1の配列方向と当該第1の配列方向と直交する第2の配列方向に配列する二次元配列とすることを特徴とする、請求項1から請求項の何れか一つに記載の液晶光変調素子。
  6. 入射光を入射するための入射ポートと、
    出射光を出射するための出射ポートと、
    前記請求項1から請求項の何れか一つに記載の液晶光変調素子と、
    前記入射ポートからの入射光を平行光として前記液晶光変調素子に入射する第1のコリメータ素子と、
    前記液晶光変調素子からの光を結合して平行光として出射ポートに出射する第2のコリメータ素子とを備えることを特徴とする、液晶光変調装置。
  7. 前記第1のコリメータ素子と前記液晶光変調素子との間に、一方の偏光の偏光方向を90°変換させる第1の偏光変換素子を備え、
    前記液晶光変調素子と前記第2のコリメータ素子との間に、前記変換した偏光の偏光方向に戻す第2の偏光変換素子を備えることを特徴とする、請求項に記載の液晶光変調装置。
  8. 前記入射ポートと第1のコリメータ素子との間に、一方の偏光の偏光方向を90°変換させる第1の偏光変換素子を備え、
    前記第2のコリメータ素子と前記出射ポートの間に、前記変換した偏光の偏光方向に戻す第2の偏光変換素子を備えることを特徴とする、請求項に記載の液晶光変調装置。
  9. 前記第2のコリメータ素子に代えて複数の光ファイバを備えることを特徴とする、請求項から請求項の何れか一つに記載の液晶光変調装置。
  10. 前記液晶光変調素子は、第1または第2の基板の少なくとも一部を、金属または樹脂により熱電変換素子に接着固定し、環境温度の変化による前記液晶層の波長換算した位相揺らぎを、同一電圧プロファイル印加した時に使用最大波長のλ/10以下となるように制御することを特徴とする、請求項に記載の液晶光変調装置。
  11. 前記液晶光変調素子の前後の光路上に分光器を備え、
    前記液晶光変調素子は、前記分光器により分光された波長毎に光変調を行うことを特徴とする、請求項から請求項10の何れか一つに記載の液晶光変調装置。
  12. 前記液晶光変調素子は、前記複数の個別電極を、前記領域の第1の配列方向と当該第1の配列方向と直交する第2の配列方向に配列する二次元配列とし、
    前記第2の配列方向に、前記分光器により分光された波長を入射することを特徴とする、請求項11に記載の液晶光変調装置。
  13. 請求項から請求項の何れか一つに記載の液晶光変調素子の駆動方法であって、
    前記複数の個別電極は、複数の群にまとめられ、各群内における各複数の個別電極を共通の集電極で接続するとともに、その集電極の両端に一対の信号電極を接続し、
    前記第1の領域に対応する群において、前記一対の信号電極に、それぞれ異なる電圧の駆動波形を印加することによって前記第1の領域に勾配電圧を形成し、
    前記第2の領域に対応する群において、前記一対の信号電極に、同一電圧の駆動波形を印加することによって前記第2の領域に所定の一定電圧を印加することを特徴とする液晶光変調素子の駆動方法。
  14. 請求項に記載の液晶光変調素子の駆動方法であって、
    前記複数の個別電極は、複数の群にまとめられ、各群内における各複数の個別電極を共通の集電極で接続するとともに、その集電極の両端に一対の信号電極を接続し、
    前記一対の信号電極に、それぞれ異なる電圧の駆動波形に一定電圧のバイアス電圧を付加することによって、一定電位に勾配電電位を形成することを特徴とする液晶光変調素子の駆動方法。
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