以下、本発明に係る電子カルテシステムの好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態では、患者本人のカルテ情報を取得表示するとともに、一定範囲の家族員の一定範囲の診療情報を取得表示する電子カルテシステムを説明する。第2の実施形態では、第2の実施形態の変形例として、まず一定範囲の家族員のカルテ情報を取得し、取得したカルテ情報から一定範囲の診療情報を抽出表示する電子カルテシステムの変形例について説明する。第3の実施形態では、取得した診療情報を興味度順でソート表示する電子カルテシステムの変形例について説明する。第4の実施形態では、取得した診療情報を興味度及び診療日付順でソート表示する電子カルテシステムの変形例について説明する。第5の実施形態では、取得した診療情報からサマリを作成して表示し、サマリから表示する診療情報を選択可能とした電子カルテシステムの変形例について説明する。第6の実施形態では、第2の相関値の第2の態様を記憶している電子カルテシステムについて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る電子カルテシステムの第1のシステム構成を示す図である。
電子カルテシステム1は、注目する患者のカルテ情報やその家族員の診療情報を取得する所謂サーバである。診療情報は、病歴、治療歴、処方歴等を内容に含むデータである。この電子カルテシステム1には、表示装置2がデータ通信可能に接続されている。表示装置2は、電子カルテシステム1からカルテ情報やカルテ情報に含まれる診療情報を受信し、視認可能に表示するコンピュータ端末である。
電子カルテシステム1は、外部システム3からカルテ情報全体やカルテ情報に含まれる診療情報を受け取り、表示装置2に送信する。診断しようとする患者本人のカルテ情報は、電子カルテシステム1に記憶されており、その他の診断に必要とする診療情報を外部システム3から取得する。
外部システム3は、地域や医療グループや国家等の単位で集中的にカルテ情報を蓄積し、新たに蓄積したカルテ情報を基に患者に対して一意のMPI(Master Patient Index)番号を付与する。MPIは、患者を識別するグローバルIDである。即ち、外部システム3は、カルテ情報を蓄積するファイルサーバとMPI装置とにより構成される。ファイルサーバとMPI装置は、ネットワークN上の別体若しくは一体のコンピュータである。
MPI装置は、地域や医療グループや国家等の単位で設置され、複数の医療機関で生じたカルテ情報を集中的に管理し、その単位内で患者に固有のMPI番号を付す。カルテ情報を蓄積するファイルサーバは、地域や医療グループや国家等の単位で集中的にカルテ情報を管理しているネットワークN上の中央データベースコンピュータである。このファイルサーバには、患者本人や患者本人の家族員のカルテ情報も蓄積されている。
電子カルテシステム1と外部システム3とは、ネットワークNで接続されている。ネットワークNは、電子データの伝送が可能な電子通信回線である。例えば電話回線網、ISDN、FDDI、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV、又はこれらの複合が採用されたWAN(Wide Area Network)である。電子カルテシステム1と外部システム3とは、このWANを利用して、例えばWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)、TCP/IPプロトコル、DICOM(Digital Imaging and COmmunication Medicine)プロトコル等のネットワーク通信技術で電子データの通信を行う。
電子カルテシステム1、表示装置2、及び外部システム3は、いずれもコンピュータで構成されている。演算制御部(CPU:Central Processing Unit)、主記憶部(RAM:Random Access Memory)、外部記憶部(例えばHDD:Hard Disk Drive)、ネットワークインターフェースを備える。外部記憶部には、それぞれOS(Operating System)と制御プログラムが記憶されており、OS上で制御プログラムを適宜主記憶部に展開し、演算制御部で解読及び実行している。この制御プログラムの実行により、電子カルテシステム1、表示装置2、外部システム3の機能をそれぞれ発揮させている。表示装置2は、さらに操作者の入力を受け付けるキーボードやマウス、カルテ情報や診療情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイを備えている。
図2は、本実施形態に係る電子カルテシステムの第2のシステム構成を示す図である。
この電子カルテシステム1は、表示装置2を備える。即ち、電子カルテシステム1と表示装置2とは一体のコンピュータで構成され、電子カルテシステム1に、操作者からの入力を可能とするキーボードやマウス、及びカルテ情報や診療情報を表示するディスプレイが備えられる。
以下、この電子カルテシステム1に表示装置2が備えられた例に基づき説明するが、電子カルテシステム1と表示装置2とが別体のコンピュータである場合、電子カルテシステム1と表示装置2に操作者の入力の受け渡しやカルテ情報や診療情報の受け渡しが加わる。
図3は、この電子カルテシステム1の概略動作を示すシーケンス図である。
まず、操作者がキーボードやマウスを用いてカルテ情報を閲覧しようとする際、カルテ情報の情報主体である患者本人の固有情報を入力する。患者本人の固有情報が入力されると、電子カルテシステム1は、外部システム3に対して、患者本人のMPI番号を問い合わせる(Step01)。問い合わせコマンドには、患者本人の固有情報が付帯される。この固有情報が付帯した問い合わせコマンドが外部システム3にネットワークNを介して送信する。患者本人の固有情報は、患者氏名、患者の性別、患者の生年月日等である。
外部システム3は、患者本人のMPI番号の問い合わせコマンドを受信すると、ともに送信されてきた患者本人の固有情報を参照して、この固有情報と対になって記憶されているMPI番号を検索する。受信した固有情報で検索すると複数人が該当する場合、この複数人の本人候補をより詳しい固有情報をとともに電子カルテシステム1に送信する(Step02)。より詳しい固有情報は、例えば、患者氏名、患者の性別、患者の生年月日、患者の住所、患者の通院先病院名等である。
電子カルテシステム1では、外部システム3から受信した本人候補をより詳しい固有情報とともに選択可能に表示する。キーボードやマウスを用いて本人候補から一人の患者が選択されると、選択された患者のより詳しい固有情報とともに、再度MPI番号の問い合わせコマンドを再送信する(Step03)。
問い合わせコマンドを再受信すると、外部システム3は、ともに受信した固有情報を参照して、この固有情報と対になって記憶されているMPI番号を検索する。外部システム3は、患者が一意に絞られると、この固有情報と対になって記憶されているMPI番号を電子カルテシステム1に送信する(Step04)。
患者のMPI番号を受信すると、電子カルテシステム1は、このMPI番号を有する患者を基準にして家系図上一定の世代数範囲内にいる家族員のMPI番号を問い合わせる問い合わせコマンドを外部システム3に送信する(Step05)。この問い合わせコマンドには、カルテ情報を閲覧しようとする患者のMPI番号と、その患者を基準にした家系図上一定の世代数範囲内にいる家族員の続柄情報が付帯する。続柄情報は、例えば、父、母、子、祖父、又は祖母等である。一定の世代数範囲内は、患者の診断において遺伝的に参照することが効果的な範囲に予め規定されている。
家族員のMPI番号を問い合わせるコマンドを受信すると、外部システム3は、ともに受信したMPI番号を基準に続柄情報で表される者のMPI番号を検索し、電子カルテシステム1に送信する(Step06)。外部システム3では、蓄積しているカルテ情報に記載された父母のMPI番号をもとに、受信したMPI番号を基準にした家系図を作成し、この家系図を参照して、MPI番号を取得する。外部システム3に続柄情報に該当する者のカルテ情報が蓄積されていない場合は、その者のMPI番号は送信されない。
電子カルテシステム1では、患者のMPI番号と家族員のMPI番号を取得すると、家族員のカルテ情報から取得する診療情報の疾病分類と、その診療情報を取得する家族員を決定する(Step07)。どの家族員のどの診療情報を取得するかは、興味のある疾病と各種疾病との関連性に応じて重み付けで決定し、さらに患者本人と家族員との関連性に応じて重み付けし、その結果に応じて決定する。
どの家族員のどの診療情報を取得するかが決定されると、電子カルテシステム1は、予め取得したMPI番号を基にシステムで蓄積している患者本人のカルテ情報を読み出す(Step08)。さらに、取得が決定した家族員の診療情報の要求コマンドを外部システム3に送信する(Step09)。この要求コマンドには、家族員のMPI番号及び疾病分類IDで示されるカルテ情報とその中身の診療情報を特定する情報とが付帯する。疾病分類IDは、疾病項目の分類上のIDであり、診療情報に含まれる疾病内容の種類を示す情報となる。
要求コマンドを受信した外部システム3は、家族員の診療情報をMPI番号と疾病分類IDを参照して検索し(Step10)、検索されたカルテ情報と診療情報を電子カルテシステム1に送信する(Step11)。該当する情報が検索されなければ、その情報は送信されない。
電子カルテシステム1は、読み出した患者本人のカルテ情報及び受信した家族員の診療情報をレイアウトして表示し(Step12)、一連のカルテ情報表示処理を終了する。
このカルテ情報表示処理により、患者本人のカルテ情報のみならず、家族員の診療情報も参考情報として表示可能となる。しかも、表示する診療情報は、興味のある疾病に一定の関連性を有し、かつ遺伝的に参照価値のある家族員から取得した情報であり、参考価値が高い情報を効率的に表示することができる。
図4は、このような電子カルテシステム1とデータ通信を行う外部システム3の構成を示すブロック図である。
外部システム3は、カルテ情報を集中的に管理し、そのカルテ情報の情報主体に対してMPI番号を生成・付与している。また、家族員の診療情報を検索可能とすべく、要求された患者を基準とした家系図を生成し、その家系図を参照しながら家族員の診療情報を検索する。この外部システム3は、カルテ情報記憶部31、MPI生成部32、家系図生成部33、家系図記憶部34、送信MPI取得部35、及び送信カルテ取得部36を備えている。カルテ情報記憶部31及び送信カルテ取得部36がカルテ情報を管理するファイルサーバに該当し、MPI生成部32、家系図生成部33、家系図記憶部34、及び送信MPI取得部35が、MPI装置に該当する。
カルテ情報記憶部31は、主に外部記憶部で構成されている。このカルテ情報記憶部31には、外部システム3を中心としたネットワークN内の各病院の電子カルテシステム1で発生したカルテ情報を蓄積している。
図5は、カルテ情報記憶部31に蓄積されるカルテ情報のデータ構成を示す図である。
カルテ情報は、各種の情報とその情報を識別する識別子とを対にして構成される。カルテ情報に含まれる情報は、本人を識別する本人情報100、本人の家族員を識別する家族員情報106、診療歴に応じて追加されていく診療情報109、カルテ情報に含まれる診療情報のインデックスである診療情報インデックス108である。
本人情報100には、少なくとも本人のMPI番号101が含まれ、さらに本人固有の情報として、氏名102、性別103、生年月日104、住所105等が含まれる。家族員情報106には、母親と父親のMPI番号107が含まれる。母親や父親にMPI番号107が付されていなければ、この情報は記述されていない。
診療情報109には、診療情報109が示す疾病内容を識別する疾病分類ID110として付されている。この疾病分類ID110は、ICD−10規格に応じている。ICD(International statistical Classification of Diseases related helth problems)−10は、疾病及び関連保健問題の国際統計分類である。世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。ICD−10は、ICDの第10回目の修正版である。
また、この診療情報109には、診療を開始した日付を示す診療日付情報111、疾病の内容を示す病歴情報112、その疾病の治療内容を示す治療歴情報113、その疾病に対する処方内容を示す処方歴情報114が少なくとも含まれる。
病歴情報112に含まれる疾病名称115は、特に識別子により識別されている。治療歴情報113に含まれる治療方式名称116は、特に識別子により識別されている。処方歴情報114に含まれる処方名称117は、特に識別子により識別されている。
診療情報インデックス108は、診療情報109を特定するインデックスである。カルテ情報内に存在する疾病分類ID110が一覧となっている。即ち、診療情報インデックス108を参照することで、疾病分類上のどの疾病項目を診療対象とした診療情報109が存在するか確認され、疾病分類ID110を媒介して、所望の診療情報109にアクセス可能となっている。
MPI生成部32は、主に演算制御部を含み構成される。このMPI生成部32は、電子カルテシステム1で発生したカルテ情報が外部システム3に送信されると、そのカルテ情報の情報主体である患者にMPI番号101が付されているか検索する。カルテ情報内に本人のMPI番号101があれば、この患者にはMPI番号101が付されている。カルテ情報内に本人のMPI番号101がなければ、本人情報100を参照して、カルテ情報記憶部31内を検索し、この患者のカルテ情報が存在するか検索する。この患者のカルテ情報が存在すれば、そのカルテ情報に付されたMPI番号101を本人情報100に追加するとともに、カルテ情報を統合する。また、この患者のカルテ情報が存在しなければ、新たなMPI番号101を発行し、送信されてきたカルテ情報の本人情報100内に追加する。
家系図生成部33は、主に演算制御部を含み構成される。この家系図生成部33は、電子カルテシステム1から、カルテ情報及び家族員の診療情報109取得の前処理である家族員のMPI番号101の問い合わせコマンドが送出された場合に作動する。問い合わせコマンドとともに送出されてきたMPI番号101をカルテ情報記憶部31から検索し、送出されてきたMPI番号101を基準として家族員のMPI番号107を用いて家系図データを生成する。
図6は、家系図生成部33が生成する家系図データを示す模式図である。
家系図生成部33が生成する家系図データは、続柄情報126とその続柄の者が有するMPI番号101で構成される。送出されてきたMPI番号101を有する者の続柄を本人として、その本人を基準とした家系図データが生成される。
家系図生成部33は、送出されてきたMPI番号101が付されたカルテ情報をカルテ情報記憶部31から検索する。検索されると、検索されたカルテ情報の家族員情報106を参照し、家族員情報106に含まれる父母のMPI番号107を取得する。この父母を続柄情報126とし、各MPI番号107を本人の家系図上の上位に関係付ける。
さらに、父母のMPI番号107が本人情報100に付されたカルテ情報を検索する。検索されると、検索されたカルテ情報の家族員情報106に含まれる父母のMPI番号107を取得し、このMPI番号107を父方祖父、父方祖母、母方祖父、母方祖母を続柄として本人の家系図上のさらに上位に関係付ける。
また、カルテ情報記憶部31を検索し、送出されてきたMPI番号101が家族員情報106に付されたカルテ情報を検索する。検索されたカルテ情報の本人情報100に付されたMPI番号101を本人の子として家系図上の下位に関係付ける。この上位への関係付け及び下位への関係付けを繰り返し、家系図データが生成される。
家系図記憶部34は、主に主記憶部を含み構成される。家系図記憶部34には、家系図生成部33が生成した家系図データが一時的に記憶される。
送信MPI取得部35は、主に演算制御部を含み構成される。送信MPI取得部35は、MPI番号101の問い合わせコマンドを受信すると作動する。問い合わせコマンドを受信すると、家系図データが家系図記憶部34に記憶されるのを待機し、記憶された家系図を読み出して、その家系図データを参照してMPI番号101を取得する。例えば、父と祖父を続柄情報126とする問い合わせコマンドを受信すると、家系図データから父及び祖父の続柄情報126を検索する。検索されると、その続柄情報126に関連づけられているMPI番号101を取得して電子カルテシステム1に送出する。
送信カルテ取得部36は、主に演算制御部を含み構成される。送信カルテ取得部36は、家族員の診療情報109の要求コマンドの受信を契機に作動する。要求コマンドを受信すると、送信カルテ取得部36は、家族員の診療情報109をカルテ情報記憶部31から取得して、電子カルテシステム1に送信する。
家族員の診療情報109は、要求コマンドとともに送出された家族員のMPI番号101と疾病分類ID110を参照して、このMPI番号101と同一の番号を本人情報100に含むカルテ情報を検索し、検索されたカルテ情報内の疾病分類ID110と同一の識別子で識別される診療情報109を取得する。
次に、この外部システム3とデータ通信を行い本人のカルテ情報と家族員の診療情報109を取得する電子カルテシステム1の構成を説明する。図7は、本実施形態に係る電子カルテシステム1の構成を示すブロック図である。
電子カルテシステム1は、MPI取得部11と、続柄記憶部12と、診療情報取得部13と、表示管理部14と、患者カルテ情報記憶部17と、操作部21と、表示部22を備える。操作部21と表示部22は、表示装置2側に備える。
MPI取得部11は、主に演算制御部とネットワークインターフェースを含み構成される。このMPI取得部11は、外部システム3とネットワークNを介してデータ通信を行い、患者のMPI番号101とこの患者を基準とした家系図上の一定の世代数範囲内にある家族員のMPI番号101を取得する。
操作部21を用いて入力された患者の固有情報を患者のMPI番号101を問い合わせるコマンドに付帯させて外部システム3へ送信する。外部システム3から複数人の本人候補が送信されると、この候補を表示部22に表示させ、操作部21による選択を可能とする。
患者のMPI番号101を取得すると、患者のMPI番号101とこの患者を基準とした家系図上一定の世代数範囲内にある家族員の続柄情報126とを、家族員のMPI番号101を問い合わせるコマンドに付帯させて外部システム3へ送信する。送信される続柄情報126は、続柄記憶部12に記憶されている。続柄記憶部12は、主に外部記憶部で構成される。MPI取得部11は、この続柄記憶部12から続柄情報126を読み出して問い合わせコマンドに付帯させる。
図8は、続柄情報126を記憶するテーブルを示す模式図である。
このテーブルに記憶されている続柄情報126は、患者を基準とした家系図上一定の世代数範囲内にある家族員の続柄である。一定範囲は、患者の診断において遺伝的に参照することが効果的な範囲であり、患者と一定の相関関係を有する範囲である。どの診療情報109を取得するかは、家族員の患者との関連性に応じた重み付けを一要素とするが、重み付けの結果によって必ず除かれる範囲の家族員はこの一定範囲に含まれない。
診療情報取得部13は、主に演算制御部とネットワークインターフェースで構成されている。この診療情報取得部13は、どの家族員のどの診療情報109を取得するか決定し、外部システム3に対して、決定した家族員の診療情報109の要求を行う。また、患者本人のMPI番号を基に患者カルテ情報記憶部17に記憶されている患者本人のカルテ情報を読み出す。患者カルテ情報記憶部17は、外部記憶部を含み構成され、患者本人のカルテ情報が記憶されている。患者本人に既に外部システム3の設置単位内での通院歴がある場合、外部記憶部3から予め取得される。
どの家族員のどの診療情報109を取得するかは、興味のある疾病項目に対する相関性を疾病分類上の各疾病項目について算出し、さらに患者と家族員との家系図上の世代数に応じてこの相関性に重み付けを行い、興味度を算出する。この興味度と所定の閾値とを比較し、閾値を上回った興味度に対する家族員と疾病項目との組み合わせに対応する診療情報109を要求する。
表示管理部14は、主に演算制御部を含み構成される。この表示管理部14は、診療情報取得部13が読み出した患者本人のカルテ情報と外部システム3から受診した診療情報109をレイアウトした描画データを作成し、表示部22に描画データを表示させる。
図9は、この電子カルテシステム1の患者のカルテ情報及び家族員の診療情報の取得の前処理である患者及び家族員のMPI番号取得の動作を示すフローチャートである。
まず、MPI取得部11は、患者の固有情報を入力可能なフィールドを表示部22に表示させる(S21)。表示画面には、患者の氏名を入力が可能なフィールド、性別の選択が可能なプルダウンメニュ、生年月日の入力が可能なフィールド、住所の入力が可能なフィールド等が用意されている。
操作者が操作部21を用いてフィールドの少なくとも1つ以上に固有情報が入力され、入力が確定されると(S22)、MPI取得部11は、MPI番号101の問い合わせコマンドと入力された固有情報とを外部システム3に送信する(S23)。送信すると、MPI取得部11は、送信結果の返信を待つ。
送信した固有情報に該当する本人候補が複数人存在し、その複数人の本人候補を外部システム3から受信すると(S24,Yes)、MPI取得部11は、その複数人の本人候補とそれぞれの固有情報を選択可能に表示する(S25)。表示画面には、本人候補とその固有情報とを対にして表示し、かつその表示に対応させてラジオボタン等の選択ボタンを表示する。
操作者が操作部21を用いて本人候補の一人を選択して確定すると(S26)、S23に戻り、選択された本人候補の固有情報と問い合わせコマンドを送信する。本人候補の選択は、例えば、何れかのラジオボタンにチェックを付けることにより行われる。
本人候補を受信せず(S24,No)、外部システム3から患者本人のMPI番号101を受信すると、MPI取得部11は、続柄記憶部12から一定範囲の続柄情報126を読み出す(S27)。この続柄情報126を読み出すと、MPI番号101の問い合わせコマンドと、患者本人のMPI番号101及びこの続柄情報126を外部システム3に送信する(S28)。
この続柄情報126に対応する家族員のMPI番号を取得すると、本人、父、母、等の続柄情報126と対応付けて各MPI番号101を主記憶部に記憶させて(S29)、MPI番号取得処理を終了する。
さらに、MPI番号101取得の処理後、本実施形態に係る電子カルテシステム1で行われるどの家族員のどの診療情報を取得するかの決定について詳細に説明する。
図10は、診療情報取得部13の詳細構成を示すブロック図である。
診療情報取得部13は、興味のある疾病項目と各種疾病項目との相関性を算出し、この相関性に本人を基準とした家族員の関連性を示す重み付けを行って興味度を算出する。この興味度は、即ち各種疾病項目の興味ある疾病との関連性、及び遺伝的な関係から参照に値すべき家族員の関連性とを反映して、その家族員のその診療情報109の取得価値を示したものである。
この診療情報取得部13は、興味疾病記憶部131と、第1の相関値算出部132と、疾病分類記憶部133と、分類間規則記憶部134と、興味度算出部135と、第2の相関値記憶部136と、興味領域算出部137と、閾値記憶部138と、診療情報要求部139とを備える。
第1の相関値算出部132は、主に演算制御部を含み構成される。この第1の相関値算出部132は、興味のある疾病項目を基準に各種疾病項目の第1の相関値を算出する。興味のある疾病項目は、医師の専門分野に対応する疾病項目や、患者の主要な疾病で診療の対象となっている疾病等の参照の中心となる疾病項目である。第1の相関値は、完全一致を「1」とした場合に、ICD−10等の疾病分類上の興味のある疾病項目と疾病項目との相関性を示す値である。第1の相関値算出部132は、疾病分類を参照して、階層構造の経路を辿るようにして、その経路に応じて興味のある疾病項目を基準とした各疾病項目の第1の相関値を算出する。
図11は、興味疾病記憶部131に記憶されている興味疾病情報のテーブルを示す第1の例であり、図12は、興味疾病情報のテーブルを示す第2の例である。第1の相関値算出の基準となる興味のある疾病項目を表す興味疾病情報119は、興味疾病記憶部131に記憶されている。興味疾病記憶部131は、主に外部記憶部を含み構成される。
図11に示すように、興味疾病記憶部131には、医師名118aと興味疾病情報119が対になって記憶されている。医師名118aで表される医師が興味の対象としている疾病項目が興味疾病情報119として記憶されている。第1の相関値算出部132は、第1の相関値を算出する際、電子カルテシステム1にログオンしている医師のアカウントを読み出し、そのアカウントと一致する医師名118aを検索して、対になっている興味疾病情報119を取得する。
また、図12に示すように、興味疾病記憶部131には、患者を識別するMPI番号118bと興味疾病情報119が対になって記憶されている。このMPI番号118bで表される患者に対応して興味の対象となる疾病項目が興味疾病情報119として記憶されている。第1の相関値算出部132は、第1の相関値を算出する際、電子カルテシステム1と外部システム3とのデータ通信によって取得したMPI番号101を読み出し、このMPI番号101と一致するMPI番号118bを検索して、対になっている興味疾病情報119を取得する。
尚、興味疾病情報119は、予め記憶されている態様の他、第1の相関値の算出の際に設定するようにしてもよい。図13は、第1の相関値算出の際に第1の相関値算出部132が表示部22に表示させる興味疾病入力画面を示す模式図である。
興味疾病入力画面には、興味疾病情報119が入力可能なフィールドが表示される。操作部21を用いてこのフィールドに興味疾病情報119を入力し確定すると、入力された内容が興味疾病情報119として主記憶部に記憶される。
興味疾病情報119は、ICD−10等の疾病分類規則に則った識別子で表される。興味疾病入力画面では、このICD−10等の疾病分類を表示部22に表示させ、その分類一覧から選択可能としてもよい。
参照する疾病分類は、疾病分類記憶部133に記憶されている。疾病分類記憶部133は、主に外部記憶部を含み構成される。第1の相関値算出部132は、疾病分類記憶部133から疾病分類テーブルを読み出し、疾病分類テーブルを参照しながら第1の相関値を算出する。
図14は、疾病分類テーブルを示す模式図である。
疾病分類テーブルは、ICD−10に則り、21項目の大分類と、その各大分類の下位に分岐する複数の中分類と、その各中分類の下位に分岐する複数の小分類で構成される階層構造の分類である。大分類から順に各分類に疾病項目を識別する疾病分類ID110が付与されている。
例えば、第2の大分類は、新生物に関する項目であり、疾病分類ID110として「2」が付与されている。この第2の大分類を親として、その下に複数の子である中分類が分類上分岐している。この中分類の項目には、疾病分類ID110として「C00」乃至「D48」の何れかが付与されている。即ち、疾病分類ID110が「2」である疾病項目と、疾病分類ID110が「C00」乃至「D48」の疾病項目とは、分類上親子関係にある。また、「C00」乃至「D48」の疾病項目は、分類上兄弟関係にある。
さらに、例えば、疾病分類ID110が「C00」である「口唇の悪性新生物」の疾病項目を親として、その下層に複数の子である小分類が存在している。この小分類に分類された疾病項目には、疾病分類ID110として「C000」以降の何れかが付与されている。即ち、疾病分類ID110が「C00」である疾病項目と、疾病分類ID110が「C000」以降の疾病項目とは、分類上親子関係にある。また、「C000」以降の疾病項目は、分類上兄弟関係にある。
第1の相関値算出部132は、疾病分類テーブル上の興味疾病情報119に相当する分類を基準の「1」とし、階層構造を辿りながら分岐を経るたびに重み付けを行っていき、各疾病項目に第1の相関値を付与していく。
重み付けは、分類間規則記憶部134に記憶されている分類間規則に則り行う。分類間規則記憶部134は、主に外部記憶部を含み構成される。図15は、分類間規則記憶部134に記憶されている疾病間規則テーブルを示す模式図である。
分類間規則テーブルには、各種の分類関係121とその各分類関係121に対応した重付値122とを記憶している。分類関係121は、兄弟関係123と親子関係124と特定関係125とがある。
兄弟関係123は、同一分類の下層にぶら下がり、かつ同一の大きさの分類である関係であり、同一層における各疾病項目の関係である。親子関係124は、疾病項目が直接の上下関係となる関係であり、層間の関係である。特定関係125は、親子や兄弟の関係に問わず、特別に設定された所定疾病項目同士の関係である。この特定関係125は、操作部21を用いて入力されて分類規則記憶部134に記憶される。
例えば、兄弟関係123には、「0.5」の重み付け値122が対応付けられて記憶され、親子関係124には、「0.8」の重み付け値122が対応付けられて記憶される。また、例えば、特定関係125として小分類「C001」と小分類「C002」とが関係づけられ、この関係に「1.0」の重み付け値122が対応付けられて記憶される。または、特定関係125として疾病項目「F351」と疾病項目「F36」とが関係づけられ、この関係に「1.0」の重み付け値122が対応付けられて記憶される。特定関係125は、分類規則上最も優先される。
第1の相関値算出部132は、興味疾病情報119に対応する疾病項目から第1の相関値を算出する他の疾病項目にたどり着くまで、初期値を「1」として、親子関係124が存在するたびに親子関係124に対応付けられた重み付け値122を乗じ、兄弟関係123が存在するたびに兄弟関係123に対応付けられた重み付け値122を乗じていき、たどり着いたときの値をその疾病項目の第1の相関値とする。全ての疾病項目について第1の相関値を算出すると、疾病項目を示す疾病分類ID110と第1の相関値とを対応付けて主記憶部に記憶しておく。
興味度算出部135は、主に演算制御部を含み構成される。この興味度算出部135は、各家族員の各疾病項目が患者本人と興味ある疾病項目との組み合わせにどの程度の関連性を有するかの興味度を算出する。
図16は、第2の相関値記憶部136に記憶されている第2の相関値テーブルを示す模式図である。興味度算出部135は、第1の相関値に対して各家族員に規定された重み付け値である第2の相関値127を乗じて、家族員別に興味度を算出する。第2の相関値127は、第2の相関値記憶部136に記憶されている。第2の相関値記憶部136は、主に外部記憶部を含み構成される。
第2の相関値テーブルには、家族員の続柄を示す続柄情報126と対にして第2の相関値127が記憶されている。第2の相関値127は、患者本人を基準とした家系図上の世代数に応じて定まっている。例えば、本人から1親等の父や母は、「1」の第2の相関値127が対応付けられている。以降1親等増加するごとに0.25ずつ減少した第2の相関値127が対応付けられている。また、本人から1親等の子に対しては、「0.75」の第2の相関値127が対応付けられている。以降、1親等増加するごとに0.25ずつ減少した第2の相関値127が対応付けられている。
興味度算出部135は、主記憶部に記憶されている第1の相関値を読み出し、第1の相関値に各第2の相関値127を乗じた各興味度を算出する。各興味度は、算出元となった第1の相関値に対応付けられて記憶されている疾病分類ID110と、乗じた第2の相関値127と対応付けられている家族員の続柄情報126とを新たに対応付けて主記憶部に記憶する。
興味領域算出部137は、主に演算制御部を含み構成される。この興味領域算出部137は、どの家族員のどの疾病項目に関する診療情報109を取得するか決定する。主記憶部に記憶された興味度と所定の閾値とを比較する。図17に示すように、比較する閾値128は、閾値記憶部138に記憶されている。閾値記憶部138は、主に外部記憶部を含み構成される。
興味領域算出部137は、興味度が閾値128を上回れば、その興味度に対応付けられて記憶されている続柄情報126が示す家族員の診療情報109を取得することに決定する。また、取得する診療情報109は、閾値128を上回った興味度に対応づけられて記憶されている疾病分類ID110が示す疾病項目に関する診療情報109に決定する。
診療情報要求部139は、主に演算制御部とネットワークインターフェースを含み構成される。診療情報要求部139は、要求コマンドを外部システム3に送信し、家族員の診療情報109の送信を要求する。外部システム3に要求コマンドには、家族員のMPI番号101及び疾病分類ID110を付帯させる。
診療情報要求部139は、閾値128を上回った興味度に対応付けられている続柄情報126と疾病分類ID110を読み出す。前述したようにMPI取得部11は、患者本人を基準とした続柄とその続柄を有する者のMPI番号101を主記憶部に記憶させている。診療情報要求部139は、MPI取得部11が記憶させた記憶エリアから、読み出した続柄情報126と一致する続柄を検索し、検索された続柄と対になっているMPI番号101を取得する。そして、取得したMPI番号101と、閾値128を上回った興味度に対応付けられている疾病分類ID110を要求コマンドに付帯させて外部システム3に送信する。
図18は、どの家族員のどの診療情報109を取得するかの決定し、家族員の診療情報109を取得する動作を示すフローチャートである。
まず、第1の相関値算出部132は、興味疾病記憶部131から興味疾病情報119を読み出す(S31)。さらに、第1の相関値算出部132は、疾病分類記憶部133から疾病分類テーブルを読み出す(S32)。
第1の相関値算出部132は、ログオンしている医師のアカウントと一致する医師名118aと対になった興味疾病情報119を読み出す。又は、閲覧するカルテ情報の情報主体である患者のMPI番号101と一致するMPI番号118bと対になった興味疾病情報119を読み出す。
興味疾病情報119と疾病分類テーブルを読み出すと、さらに分類間規則記憶部134に記憶されている分類間規則を読み出し(S33)、疾病分類テーブルを参照しながら興味疾病情報119を基準とした他の疾病項目までの経路に応じて分類間規則を当てはめて、第1の相関値を算出する(S34)。
図19は、第1の相関値算出を示す模式図である。
興味疾病情報119が示す疾病項目が「C010」である場合、この「C010」の疾病項目を基準にして、他の疾病項目の第1の相関値を算出する。初期値は、「1」とする。「C010」の第1の相関値151は、「1」となる。
まず、疾病分類を辿るスタートとなる疾病項目である「C010」と「C011」との分類関係121は、兄弟関係123にあるため、兄弟関係123に対応する「0.5」の重み付け値122が読み出され、初期値「1」に乗じられる。従って、「C011」の第1の相関値は、「0.5」となる。
「C000」は、「C010」から「C01」と「C00」とを経る。「C010」と「C01」は、親子関係124にあるため、親子関係124に対応する「0.8」の重み付け値122が読み出されて初期値「1」に乗じられ、「0.8」が算出される。「C01」と「C00」は、兄弟関係123にあるため、兄弟関係123に対応する「0.5」の重み付け値122が読み出されて、先ほど算出した「C01」の第1の相関値151である「0.8」に乗じられ、「0.4」が算出される。そして、「C00」と「C000」は、親子関係124にあるため、親子関係124に対応する「0.8」の重み付け値122が読み出されて、先ほど算出した「C00」の第1の相関値151である「0.4」に乗じられ、「0.32」が算出される。この「0.32」が「C000」の第1の相関値151となる。同様にして、「D000」の第1の相関値151は、「0.1」となる。
また、例えば、分類間規則記憶部134に記憶されている特定関係125に「C010−D001間」が記憶され、対応させて「1」の重み付け値122が記憶されている場合、「D001」の第1の相関値151は、「1」となる。
第1の相関値算出部132は、各疾病項目の第1の相関値151を算出すると、その疾病項目の疾病分類ID110と第1の相関値151とを対応付けて主記憶部に一時的に記憶させる(S35)。
次に、第1の相関値151が算出されると、興味度算出部135は、第2の相関値記憶部136に記憶されている第2の相関値テーブルを読み出す(S36)。第2の相関値テーブルを読み出すと、興味度算出部135は、第1の相関値151に各第2の相関値127をそれぞれ乗じて、続柄情報126と疾病分類ID110の組み合わせ毎に興味度152を算出する(S37)。
図20は、興味度152の算出を示す模式図である。
第2の相関値テーブルに例えば続柄情報126として「父」と「母」と「父方祖母」と「父方祖父」等が記憶され、順に「1」、「1」、「0.75」、「0.75」の第2の相関値127が記憶されているものとする。特に「祖父」の続柄情報126に対応して「0.75」の第2の相関値127が記憶されているものとする。また、第1の相関値151の算出の結果、「C000」等の疾病分類ID110が記憶され、「C000」の疾病分類ID110に対応させて「0.32」の第1の相関値151が記憶されているものとする。
興味度算出部135は、まず、「祖父」の続柄情報126と対になった「1」の第2の相関値127を「C000」の疾病分類ID110と対になった「0.32」の第1の相関値151に乗じて興味度152として「0.32」を算出する。順に「C000」の疾病分類ID110と対になった「0.32」の第1の相関値151に対して、各続柄情報126の第2の相関値127を乗じて、それぞれ興味度152を算出する。さらに、「C000」の疾病分類ID110と各続柄情報126との組み合わせに対する各興味度152の算出が終了すると、次の疾病分類ID110と各続柄情報126との組み合わせに対応する各興味度152の算出を行っていき、全ての疾病分類ID110と各続柄情報126との組み合わせについて興味度152を算出する。
興味度算出部135は、全ての疾病分類ID110と各続柄情報126との組み合わせについて興味度152を算出すると、疾病分類ID110と続柄情報126とその組み合わせの興味度152とを対応付けて主記憶部に一時的に記憶させる(S38)。
興味度152が算出されると、興味領域算出部137は、閾値記憶部138から閾値128を読み出して(S39)、興味度152と閾値128とを比較する(S39)。比較の結果、閾値128を上回った興味度152に対応付けられた疾病分類ID110と続柄情報126の対を抽出する(S40)。
図21は、興味度152と閾値128との比較を示す模式図である。
興味度算出部135は、主記憶部に記憶されている興味度152と閾値128とを比較する。今、興味度152が「0.32」である「C000」の疾病分類ID110と「父」の続柄情報126の対と、興味度152が「0.10」である「D000」の疾病分類ID110と「父」の続柄情報126の対が主記憶部に記憶されているものとする。また、閾値128は、「0.2」とする。
興味度152が「0.32」である「C000」の疾病分類ID110と「父」の続柄情報126の対は、興味度152が閾値128を上回るため抽出される。一方、興味度152が「0.10」である「D000」の疾病分類ID110と「父」の続柄情報126の対は、興味度152が閾値128を下回るため抽出されない。この抽出された疾病分類ID110と続柄情報126の対が、外部システム3から取得する診療情報109を示す。
取得する診療情報109が決定すると、診療情報要求部139は、抽出した続柄情報126を対応する家族員のMPI番号101に置き換え(S41)、取得が決定された診療情報109を要求する要求コマンドを外部システム3に送信する(S42)。外部システム3から診療情報109とが送信されてくると、処理は終了する。
図22は、診療情報要求部139が送信する要求コマンドの生成を示す模式図である。
主記憶部には、MPI取得部11が取得した患者本人のMPI番号101と一定範囲の家族員のMPI番号101とが続柄情報126と対になって記憶されている。診療情報要求部139は、興味領域算出部137によって抽出された疾病分類ID110と続柄情報126との対を読み出し、MPI取得部11が取得したMPI番号101と続柄情報126との対から、読み出した続柄情報126と一致する情報を検索する。該当する続柄情報126が見つかると、該当する続柄情報126と対になったMPI番号101を読み出し、読み出したMPI番号101と疾病分類ID110とを対にして要求コマンド153に付帯させる。
例えば、MPI取得部11により「父」を表す続柄情報126と「MPI−50」を表すMPI番号101が記憶されているものとする。また、興味領域算出部137により「C000」を表す疾病分類ID110と「父」を表す続柄情報126の対が抽出されたものとする。
診療情報要求部139は、まず要求コマンド153を生成する。要求コマンド153を生成すると、「父」を表す続柄情報126を検索キーとしてMPI取得部11がMPI番号101を取得して記憶させたエリアを検索する。検索の結果、「父」を表す続柄情報126と「MPI−50」を表すMPI番号101の対が検索され、この対となっているMPI番号101である「MPI−50」を読み出す。「MPI−50」を読み出すと、「C000」を表す疾病分類ID110と「MPI−50」を表すMPI番号101とを要求コマンド153に付帯させる。
興味領域算出部137が抽出した疾病分類ID110と続柄情報126の対毎に続柄情報126のMPI番号101への置き換えを行い、要求コマンド153に付帯させ、外部システム3に送信する。
このように、本実施形態の電子カルテシステム1では、患者本人のカルテ情報のみならず、家族員の診療情報109も参考情報として表示可能となる。しかも、表示する診療情報109は、興味疾病情報119に一定の関連性を有し、かつ遺伝的に参照価値のある家族員から取得した情報であり、参考価値が高い情報を効率的に取得することができる。
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態に係る電子カルテシステム1の変形例である第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態に係る電子カルテシステム1では、まず、患者本人と一定世代数範囲内にある家族員のカルテ情報の内容全てを取得し、そのカルテ情報の中から一定の診療情報109を抽出し表示する。
図23は、この第2の実施形態に係る電子カルテシステム1の概略シーケンスを示す図である。
まず、電子カルテシステム1のMPI取得部11は、外部システム3に対して、患者本人の固有情報を付帯した問い合わせコマンドを送信して、患者本人のMPI番号101を問い合わせる(Step51)。外部システム3は、受信した固有情報で検索すると複数人が該当する場合、この複数人の本人候補をより詳しい固有情報をとともに電子カルテシステム1に送信する(Step52)。
電子カルテシステム1のMPI取得部11は、外部システム3から受信した本人候補を選択可能に表示し、選択された患者のより詳しい固有情報とともに、再度MPI番号の問い合わせコマンドを再送信する(Step53)。外部システム3は、問い合わせコマンドを再受信すると、固有情報と対になって記憶されているMPI番号101を検索し、患者が一意に絞られると、この固有情報と対になって記憶されているMPI番号101を電子カルテシステム1に送信する(Step54)。
電子カルテシステム1のMPI取得部11は、受信したMPI番号101を有する患者を基準にして家系図上一定の世代数範囲内にいる家族員のMPI番号を問い合わせる問い合わせコマンドを外部システム3に送信する(Step55)。外部システム3は、家族員のMPI番号101を問い合わせるコマンドを受信すると、ともに受信したMPI番号101を基準に続柄情報126で表される者のMPI番号101を検索し、電子カルテシステム1に送信する(Step56)。
電子カルテシステム1の診療情報取得部13は、患者のMPI番号101と家族員のMPI番号101を取得すると、取得した家族員のMPI番号101に対応する家族員のカルテ情報を要求する要求コマンドを外部システム3に送信する(S57)。要求コマンドを受信した外部システム3は、ともに送信されてきたMPI番号101に対応するカルテ情報を検索し(Step58)、検索されたカルテ情報を電子カルテシステム1に送信する(Step59)。
電子カルテシステム1は、家族員のカルテ情報を受信すると、診療情報取得部13の第1の相関値算出部132と興味度算出部135と興味領域算出部137とにより、カルテ情報から抽出する診療情報109の疾病項目と、その診療情報109を抽出する家族員のカルテ情報を決定する(Step60)。
どの家族員のどの診療情報109を取得するかが決定されると、電子カルテシステム1の診療情報取得部13は、決定した診療情報109を先に受信した家族員のカルテ情報から抽出する(Step61)。また、診療情報取得部13は、取得した患者のMPI番号101で患者カルテ情報記憶部17を検索し、患者のカルテ情報を読み出す(Step62)。
電子カルテシステム1は、読み出した患者のカルテ情報及び受信した家族員の診療情報109をレイアウトして表示し(Step63)、一連のカルテ情報表示処理を終了する。
即ち、本実施形態の電子カルテシステム1は、第1の実施形態において外部システム3が有していたカルテ情報から診療情報109を抽出する機能を有し、一度一定範囲の家族員のカルテ情報を取得して電子カルテシステム1において診療情報109を抽出するものである。
図24は、本実施形態の電子カルテシステム1が備える診療情報取得部13の構成を示すブロック図である。
診療情報取得部13は、診療情報要求部139が排され、診療情報抽出部140とカルテ情報取得部141とを備える。
カルテ取得部141は、主に演算制御部とネットワークインターフェースで構成される。このカルテ情報取得部141は、外部システム3に対して、患者本人のMPI番号101と、MPI取得部11で取得した家系図上一定の世代数範囲内にいる家族員のMPI番号101とをカルテ情報を要求する要求コマンドに付帯させて送信する。
診療情報抽出部140は、主に演算制御部で構成される。この診療情報抽出部140は、診療情報109を表す家族員のMPI番号101と疾病分類ID110とを検索キーとして、予め取得したカルテ情報内を検索し、診療情報109を抽出する。興味領域算出部137により抽出された続柄情報126と疾病分類ID110を、MPI取得部11が取得した続柄情報126とMPI番号101の対によって、診療情報109を表す家族員のMPI番号101と疾病分類ID110に置き換えて検索キーとする。
図25は、カルテ情報から診療情報109を抽出する抽出動作を示すフローチャートである。
まず、予め、興味領域算出部137により、抽出する診療情報109を表す疾病分類ID110と続柄情報126の対が抽出されている。抽出する診療情報109が決定すると、診療情報抽出部140は、抽出した続柄情報126を対応する家族員のMPI番号101に置き換えて、検索キーとなる家族員のMPI番号101と疾病分類ID110の対を取得する(S71)。
診療情報抽出部140は、検索キーを取得すると、カルテ情報取得部141が取得したカルテ情報のうち、検索キーのMPI番号101を本人情報100に有するカルテ情報を検索する(S72)。
カルテ情報が検索されると、カルテ情報を検索したMPI番号101の対となっている疾病分類ID110で識別される診療情報109をこのカルテ情報から検索する(S73)。診療情報109が検索されると、その診療情報109を抽出し(S74)、処理を終了する。
このS71〜S74を興味領域算出部137が抽出した疾病分類ID110と続柄情報126の対の全てについて行い、各診療情報109を抽出する。抽出された診療情報109は、患者のカルテ情報とともに表示管理部14でレイアウトされ、表示部22に表示される。
この実施形態によっても、表示する診療情報109は、興味疾病情報119に一定の関連性を有し、かつ遺伝的に参照価値のある家族員から取得した情報であり、参考価値が高い情報を効率的に取得することができる。
(第3の実施形態)
次に、第1又は第2の実施形態に係る電子カルテシステム1の変形例である第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態に係る電子カルテシステム1では、取得した診療情報109を興味度152でソートしてから表示する。
図26は、第3の実施形態に係る電子カルテシステム1の構成を示すブロック図である。この電子カルテシステム1の表示管理部14は、ソート部15を備える。ソート部15は、主に演算制御部を含み構成される。このソート部15は、取得した診療情報109を興味度152でソートして表示順を並び替える。取得した診療情報109は、続柄情報126と疾病分類ID110の対に対応する。さらに、主記憶部上では、この続柄情報126と疾病分類ID110の対に、興味度152が関連づけられている。ソート部15は、この興味度152を読み出し、興味度152順に診療情報109を並び替える。
図27は、このソート部15により並び替えられた診療情報109が表示されるカルテ情報の表示画面を示す模式図である。表示画面には、患者のカルテ情報の他、取得された診療情報109が表示される。診療情報109は、取得した診療情報109に対応する興味度152の順に表示される。これにより、参考価値の高い診療情報109を参考価値の高い順に表示することができ診療効率がよい。
(第4の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る電子カルテシステム1の変形例である第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態に係る電子カルテシステム1では、取得した診療情報109を興味度152と診療日付でソートしてから表示する。
このソート部15は、取得した診療情報109を興味度152と診療日付でソートして表示順を並び替える。取得した診療情報109は、続柄情報126と疾病分類ID110の対に対応する。さらに、主記憶部上では、この続柄情報126と疾病分類ID110の対に、興味度152が関連づけられている。また、診療情報109には、診療の日付を表す診療日付情報111が含まれている。ソート部15は、この興味度152を読み出し、続柄情報126と疾病分類ID110の対を介して診療情報109を興味度152順に並び替え、さらに同一の興味度152を有する診療情報109の表示順を診療日付情報111で並び替える。
図28は、本実施形態に係るソート部15のソートを示す模式図である。
今、診療情報取得部13によって診療情報109aと診療情報109bが取得されたものとする。この診療情報109aと診療情報109bの興味度152は、同じ値で「0.32」である。ソート部15は、この興味度152を100倍して得た値を上2桁若しくは3桁とし、診療情報109と診療情報109bに含まれる診療日付情報111をそれぞれ下8桁とした新たな興味度152aと興味度152bを生成する。そして、新たに生成された興味度152aと興味度152bとを比較してソートする。
例えば、診療情報109aに含まれる診療日付情報111が「2003年6月9日であれば、この診療情報109aの新たな興味度152aは、「3220030609」である。また、診療情報109bに含まれる診療日付情報111が「2002年3月14日であれば、この診療情報109bの新たな興味度152bは、「3220020314」である。興味度152aの値の方が興味度152bの値よりも大きいため、昇順でソートすれば診療情報109bよりも診療情報109aの方が先に表示される。これにより、あまりに古い診療情報109よりも最新の診療情報109を先に表示させることができるため、より参考価値の高い順に診療情報109を表示することができ、診療効率がさらによい。
(第5の実施形態)
次に、第1乃至第4の実施形態に係る電子カルテシステム1の変形例である第5の実施形態を説明する。この第5の実施形態に係る電子カルテシステム1では、取得した診療情報109のサマリを作成し、初期状態ではサマリを表示する。表示されたサマリのうち、選択されたサマリに対応する診療情報109を表示する。
図29は、本実施形態の電子カルテシステム1の構成を示すブロック図である。
カルテ情報と診療情報109をレイアウトして表示させる表示管理部14は、サマリ作成部16を備える。サマリ作成部16は、主に演算制御部と外部記憶部を含み構成される。このサマリ作成部16は、取得した診療情報109のサマリを作成する。そして、作成したサマリに診療情報109をリンク付けする。表示管理部14は、操作部21を用いてサマリが選択されると、リンク付けされている診療情報109を表示する。
図30は、本実施形態に係る電子カルテシステム1のサマリ作成の動作を示すフローチャートである。
まず、サマリ作成部16は、診療情報109が取得されると、その診療情報109に対応する続柄情報126を読み出し(S81)、さらに診療情報109に含まれるキーワードを読み出す(S82)。読み出すキーワードは、識別子で識別されている疾病名称115、治療方式名称116、処方名称117等である。疾病名称115を読み出す際には、疾病名称115を識別している識別子を検索し、その識別子に続く疾病名称115を表す文字列を読み出す。
サマリ作成部16は、予め続柄情報126と診療情報109内のキーワードを文字列として当てはめる定型文を有している。この定型文は、外部記憶部に記憶されており、例えば「〔続柄情報126〕に〔疾病名称115〕発症歴あり」、「〔続柄情報126〕に〔治療方式名称116〕歴あり」、「〔続柄情報126〕に〔処方名称117〕歴あり」等である。
サマリ作成部16は、読み出した続柄情報126と疾病名称115や治療方式名称116や処方名称117等のキーワードを定型文に当てはめてサマリを作成する(S83)。読み出したキーワードの種類に応じて定型文を読み出し、サマリを作成する。疾病名称115を読み出せば、疾病名称115の当てはめ用に予め記憶されている定型文を読み出し、その定型文に疾病名称115を当てはめる。
サマリが作成されると、サマリ作成部16は、その作成元である診療情報109の記憶先であるアドレス情報を定型文にリンク付けする(S84)。サマリが作成されると、表示管理部14は、作成されたサマリを表示部22に表示させて(S85)、処理を終了する。
図31は、このサマリ作成部16を備える電子カルテシステム1にて表示される表示画面を示す模式図である。
表示画面には、患者のカルテ情報の他、初期状態では、診療情報109のサマリが一覧表示される。サマリ欄には、取得した診療情報109に対応させてサマリ154a,154b,・・・が表示される。各サマリ154a,154b・・・は、例えば「父に肺ガン発症歴あり」等の父の診療情報109に対する病歴のサマリ、「父方祖父に胃潰瘍手術歴有り」等の父方祖父の診療情報109に対する治療方式のサマリである。これらサマリ154a,154b,154c・・・には、例えば「(詳細)」等のリンク文字列155a,155b,155c・・・が付帯し、このリンク文字列155a,155b,155c・・・に診療情報109がリンク付けされている。このリンク文字列155a,155b,155c・・・にカーソルを移してクリックすることによって、クリックしたサマリ154a,154b,154c・・・に対応する診療情報109が表示される。
このように、各実施形態の電子カルテシステム1では、患者本人のカルテ情報のみならず、家族員の診療情報109も参考情報として表示可能となる。しかも、表示する診療情報109は、興味疾病情報119に一定の関連性を有し、かつ遺伝的に参照価値のある家族員から取得した情報であり、参考価値が高い情報を効率よく取得することができる。また、興味度152や診療日付情報111で表示順をソートしたり、サマリ154aを表示したりすることによって、さらに効率よく参考価値の高い情報を閲覧することができる。
(第6の実施形態)
次に、第1乃至第5の実施形態に係る電子カルテシステム1の変形例である第6の実施形態を説明する。この第6の実施形態に係る電子カルテシステム1は、第2の相関値127を重み付けて興味度を算出する際、遺伝性の高い疾病については、例外的に特定の第2の相関値127を重み付ける。
図32は、本実施形態において第2の相関値記憶部136に記憶されている第2の相関値テーブルを示す模式図である。
第2の相関値記憶部136には、上記各実施形態における第2の相関値127と同一の第2の相関原則値127aに加え、第2の相関例外値127bを続柄情報126と対にして記憶している。第2の相関例外値127bには、遺伝性の高い疾病の疾病分類ID127cが対になって記憶されている。遺伝性の高い疾病の疾病分類ID127cは、例えば糖尿病等の遺伝性が高いと知られている疾病の分類IDである。この疾病分類ID127cと対になっている第2の相関例外値127bは、第2の相関原則値127aに比べて高い値が設定されている。
第1の相関値算出部132は、興味疾病情報119に対応する疾病項目から第1の相関値を算出する他の疾病項目にたどり着くまで、初期値を「1」として、親子関係124が存在するたびに親子関係124に対応付けられた重み付け値122を乗じ、兄弟関係123が存在するたびに兄弟関係123に対応付けられた重み付け値122を乗じていき、たどり着いたときの値をその疾病項目の第1の相関値とする。全ての疾病項目について第1の相関値を算出すると、疾病項目を示す疾病分類ID110と第1の相関値とを対応付けて主記憶部に記憶しておく。
興味度算出部135は、第1の相関値と対になっている疾病分類ID110を主記憶部から読み出し、疾病分類ID110が第2の相関値テーブルに記憶されている疾病分類ID127cと異なる場合には、読み出した疾病分類ID110と対になった第1の相関値に対して第2の相関原則値127aを乗じて興味度を算出する。一方、疾病分類ID110が第2の相関値テーブルに記憶されている疾病分類ID127cと同一の場合には、読み出した疾病分類ID110と対になった第1の相関値に対して第2の相関例外値127bを乗じて興味度を算出する。
これにより、診断に重要な遺伝性の高い疾病については高い興味度が付与され、参考情報を効果的に取得できる。
尚、各実施形態では、外部システム3を電子カルテシステム1の外部の装置としたが、外部システム3をローカルに運用する場合、電子カルテシステム1の一部に含めてもよい。