以下に本発明の平版印刷版の作製方法について詳細に説明する。本発明の平版印刷版の作製方法に適用される平版印刷版用原版は、親水性表面を有する支持体上に、親水性樹脂、光熱変換剤、および微粒子ポリマーを含有する感熱層、または、スルホネート基を含有するシアニン染料および微粒子ポリマーを含有する感熱層を有することを特徴とする。
本発明に用いる平版印刷版用原版の感熱層は、上記のように、微粒子ポリマーを含有するものであるが、後述のように、前記微粒子ポリマー、好ましくは熱反応性官能基を有する微粒子ポリマーに加えて、必要に応じてこれらの反応を開始又は促進する化合物等を含有して構成され、さらに必要に応じて、他の構成成分を含有する。
本発明における平版印刷版の作製方法は、上記の平版印刷版用原版に、画像記録を行った後、処理液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより非画像部の感熱層を除去する工程を含むことを特徴とする。本発明における非画像部の感熱層の除去は、処理液の供給手段及び擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することができる。自動処理機としては、特に限定しないが、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。図1に本発明の現像処理に適した自動現像処理機の配置図で示すように、処理液10を循環ポンプ11によりスプレーパイプ5に送り、シャワーリングして、回転ブラシロール1及び版面12(平版印刷版用原版)に供給し、回転ブラシロール1で版面12を擦る自動処理機により非画像部の感熱層を除去する工程により、平版印刷版が作製される。
以下、本発明の平版印刷版の作製方法が適用される平版印刷版用原版の各構成について説明する。
(親水性表面を有する支持体)
本発明に使用される親水性表面を有する支持体には、支持体自身が親水性であるもの、支持体の表面を親水化処理したもの、あるいは、支持体上に親水性層を備えたものを含む。
本発明の平版印刷用原版に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、顔料が分散された上記プラスチックフィルム、空洞を有する上記プラスチックフィルム、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
本発明の平版印刷版用原版に用いられる支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましい。その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭
54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
上記の如き方法による粗面化は、アルミニウム板の表面の中心線表面粗さ(Ha)が0.3〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望により耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2、特に1.5〜4.0g/m2であることが好ましい。1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインクが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号および第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、または電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
また、本発明の支持体にポリエステルフィルム等の非導電性のものを用いる場合、支持体の感熱層側または反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を支持体と後述の親水性層との間に設けた場合には、親水性層の密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層が使用できる。
帯電防止層に用いられる金属酸化物粒子の材料としては、SiO2、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、MgO、BaO、MoO3、V2O5及びこれらの複合酸化物、並びに/又はこれらの金属酸化物に更に異種原子を含む金属酸化物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。金属酸化物としては、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgOが好ましい。異種原子を少量含む例としては、ZnOに対してAlあるいはIn、SnO2に対してSb、Nbあるいはハロゲン元素、In2O3に対してSnなどの異種原子を30モル%以下、好ましくは10モル%以下の量をドープしたものを挙げることができる。金属酸化物粒子は、帯電防止層中に10〜90質量%の範囲で含まれていることが好ましい。金属酸化物粒子の粒子径は、平均粒子径が0.001〜0.5μmの範囲が好ましい。ここでいう平均粒子径とは、金属酸化物粒子の一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径も含んだ値である。
帯電防止層に用いることができるマット剤としては、好ましくは平均粒径が0.5〜20μm、より好ましくは平均粒径が1.0〜15μmの粒径を持つ無機又は有機の粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の金属塩等が挙げられる。有機粒子としては、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリオレフィン及びそれらの共重合体の架橋粒子が挙げられる。マット剤は、帯電防止層中に1〜30質量%の範囲で含まれていることが好ましい。
帯電防止層に用いることができるポリマーとしては、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース化合物、デキストラン、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の合成ポリマー等が挙げられる。ポリマーは、帯電防止層中に10〜90質量%の範囲で含まれていることが好ましい。帯電防止層の厚みは、0.01〜1μmであることが好ましい。
支持体の表面を親水性にするために、本発明の支持体上に設けることが可能な親水性層としては、例えば、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスや、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜が挙げられるが、ゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスあるいは金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜が好ましい。
本発明の親水性層の有機親水性マトリックス形成に使用する架橋反応としては、熱または光による共有結合形成、又は、多価金属塩によるイオン結合形成が可能である。本発明に用いる有機親水性ポリマーとしては、架橋反応に用いることが可能な官能基を有するポリマーが好ましい。好ましい官能基としては、例えば、−OH、−SH、−NH2、−NH−、−CO−NH2 、−CO−NH−、−O−CO−NH−、−NH−CO−NH−、−CO−OH、−CO−O−、−CO−O-、−CS−OH、−CO−SH、−CS−SH、−SO3H、−SO2 (O- )、−PO3H2 、−PO(O- )2、−SO2−NH2 、−SO2−NH−、−CH=CH2、−CH=CH−、−CO−C(CH3)=CH2、−CO−CH=CH2、−CO−CH2−CO−、−CO−O−CO−、及び下記の官能基等が挙げられる。
特に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基が好ましい。
このような本発明の有機親水性ポリマーとしては、公知の水溶性バインダーを用いることが可能であり、例えば、ポリビニルアルコール(ケン化度60%以上のポリビニルアセテート)、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、澱粉およびその誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリド
ン、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体及びその塩、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルホスホン酸及びその塩、ポリスチレンスルホン酸及びその塩、ポリ(メタクリロイロキシプロパンスルホン酸)及びその塩、ポリビニルスルホン酸及びその塩、ポリ(メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらのポリマーは、親水性を損なわない限りにおいて、コポリマーであっても良く、1種単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。その使用量は親水性層の総固形分質量に対して、20質量%〜99質量%、好ましくは25質量%〜95質量%、より好ましくは30質量%〜90質量%である。
本発明においては、有機親水性ポリマーの架橋を公知の架橋剤により行うことが可能である。公知の架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能アミン化合物、ポリオール化合物、多官能カルボキシル化合物、アルデヒド化合物、多官能(メタ)アクリル化合物、多官能ビニル化合物、多官能メルカプト化合物、多価金属塩化合物、ポリアルコキシシラン化合物およびその加水分解物、ポリアルコキシチタン化合物およびその加水分解物、ポリアルコキシアルミニウム化合物およびその加水分解物、ポリメチロール化合物、ポリアルコキシメチル化合物等が挙げられ、公知の反応触媒を添加し、反応を促進することも可能である。その使用量は親水性層の塗布液中の総固形分質量に対して、1質量%〜50質量%、好ましくは3質量%〜40質量%、より好ましくは5質量%〜35質量%である。
本発明の親水性層の無機親水性マトリックス形成に使用することができるゾル−ゲル変換が可能な系は、多価元素から出ている結合基が酸素原子を介して網目状構造を形成し、同時に多価金属は未結合の水酸基やアルコキシ基も有していて、これらが混在した樹脂状構造となっている高分子体であって、アルコキシ基や水酸基が多い段階ではゾル状態であり、エーテル結合化が進行するのに伴って網目状の樹脂構造が強固となる。また、水酸基の一部が固体微粒子に結合することによって固体微粒子の表面を修飾し、親水性度を変化させる働きをも併せ持っている。ゾル−ゲル変換を行う水酸基やアルコキシ基を有する化合物の多価結合元素は、アルミニウム、珪素、チタン及びジルコニウムなどであり、これらはいずれも本発明に用いることができるが、以下はもっとも好ましく用いることのできるシロキサン結合によるゾル−ゲル変換系について説明する。アルミニウム、チタン及びジルコニウムを用いるゾル−ゲル変換は、下記の説明の珪素をそれぞれの元素に置き換えて実施することができる。
すなわち、特に好ましく用いられるのは、ゾル−ゲル変換が可能な、少なくとも1個のシラノール基を有するシラン化合物を含んだ系である。以下に、ゾル−ゲル変換を利用する系についてさらに説明する。ゾル−ゲル変換によって形成される無機親水性マトリックスは、好ましくはシロキサン結合およびシラノール基を有する樹脂であり、少なくとも1個のシラノール基を有するシラン化合物を含んだゾルの系である塗布液を、塗布、乾燥、経時する間に、シラノール基の加水分解縮合が進んでシロキサン骨格の構造が形成され、ゲル化が進行することにより形成される。また、このゲル構造のマトリックスのなかには、膜強度、柔軟性等の物理的性能向上や、塗布性の改良、親水性の調整等を目的として、上記の有機親水性ポリマーや架橋剤などを添加することも可能である。ゲル構造を形成するシロキサン樹脂は、下記一般式(I)で示され、また少なくとも1個のシラノール基を有するシラン化合物は、下記一般式(II)で示されるシラン化合物の加水分解により得られ、必ずしも一般式(II)のシラン化合物の部分加水分解物単独である必要はなく、一般には、シラン化合物が部分加水重合したオリゴマーからなっていてもよく、あるいは、シラン化合物とそのオリゴマーの混合組成であってもよい。
上記一般式(I)のシロキサン系樹脂は、下記一般式(II)で示されるシラン化合物の少なくとも1種の化合物のゾル−ゲル変換によって形成され、一般式(I)中のR01〜R03の少なくとも一つは水酸基を表し、他は下記一般式(II)中の記号のR0及びYから選ばれる有機残基を表わす。
一般式(II)
(R0 )n Si(Y)4-n
一般式(II)中、R0は、水酸基、炭化水素基又はヘテロ環基を表わす。Yは水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす)、−OR1、−OCOR2 又は、−N(R3 )(R4 )を表す(R1 、R2は、各々炭化水素基を表し、R3、R4 は同じでも異なってもよく、水素原子又は炭化水素基を表す)、nは0,1,2又は3を表わす。
一般式(II)中のR0の炭化水素基又はヘテロ環基とは、例えば、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等;これらの基に置換される基としては、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、エポキシ基、−OR' 基(R' は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、2−ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル基、2−シアノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、1−ブロモエチル基、2−(2−メトキシエチル)オキシエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−カルボキシプロピル基、ベンジル基等を示す)、−OCOR''基(R''は、前記R' と同一の内容を表わす)、−COOR''基、−COR''基、−N(R''' )(R''' )基(R'''は、水素原子又は前記R' と同一の内容を表わし、各々同じでも異なってもよい)、−NHCONHR''基、−NHCOOR''基、−Si(R'')3基、−CONHR''' 基、−NHCOR''基等が挙げられる。これらの置換基はアルキル基中に複数置換されてもよい)、
炭素数2〜12の置換されてもよい直鎖状又は分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等、これらの基に置換される基としては、前記アルキル基に置換される基と同一の内容のものが挙げられる)、炭素数7〜14の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−
ナフチルエチル基等;これらの基に置換される基としては、前記アルキル基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)、
炭素数5〜10の置換されてもよい脂環式基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、ノルボニル基、アダマンチル基等、これらの基に置換される基としては、前記アルキル基の置換基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)、炭素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基で、置換基としては前記アルキル基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)、又は、窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有する縮環してもよいヘテロ環基(例えば、該ヘテロ環としては、ピラン環、フラン環、チオフェン環、モルホリン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリドン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、テトラヒドロフラン環等で、置換基を含有してもよい。置換基としては、前記アルキル基に置換される基と同一の内容のものが挙げられ、又複数置換されてもよい)を表わす。
一般式(II)中のYの−OR1 基、−OCOR2基又は−N(R3)(R4)基の置換基としては、例えば、以下の置換基を表す。−OR1基において、R1 は炭素数1〜10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−(メトキシエチルオキソ)エチル基、1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル基、2−メトキシプロピル基、2−シアノエチル基、3−メチルオキサプロピル基、2−クロロエチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、クロロシクロヘキシル基、メトキシシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、ジメトキシベンジル基、メチルベンジル基、ブロモベンジル基等が挙げられる)を表わす。
−OCOR2 基において、R2 は、R1 と同一の内容の脂肪族基又は炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(芳香族基としては、前記R中のアリール基で例示したと同様のものが挙げられる)を表わす。又、−N(R3)(R4 )基において、R3 、R4 は、互いに同じでも異なってもよく、各々、水素原子又は炭素数1〜10の置換されてもよい脂肪族基(例えば、前記の−OR1基のR1 と同様の内容のものが挙げられる)を表わす。より好ましくは、R3 とR4 の炭素数の総和が16個以内である。一般式(II)で示されるシラン化合物の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロピルシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリ
エトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、
トリエトキシヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、イソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の親水性層の無機親水性マトリックス形成に用いる一般式(II)で示されるシラン化合物とともに、Ti,Zn,Sn,Zr,Al等のゾル−ゲル変換の際に樹脂に結合して成膜可能な金属化合物を併用することができる。用いられる金属化合物として、例えば、Ti(OR5)4(R5はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、TiCl4、Ti(CH3COCHCOCH3)2 (OR5 )2、Zn(OR5 )2 、Zn(CH3 COCHCOCH3 )2、Sn(OR5 )4 、Sn(CH3 COCHCOCH3 )4、Sn(OCOR5)4、SnCl4 、Zr(OR5 )4、Zr(CH3COCHCOCH3)4 、Al(OR5 )3、Al(CH3COCHCOCH3 )3等が挙げられる。
更に一般式(II)で示されるシラン化合物、更には併用する前記の金属化合物の加水分解及び重縮合反応を促進するために、酸性触媒又は塩基性触媒を併用することが好ましい。触媒は、酸あるいは塩基性化合物をそのままか、あるいは水またはアルコールなどの溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒という)を用いる。そのときの濃度については特に限定しないが、濃度が高い場合は加水分解・重縮合速度が速
くなる傾向がある。但し、濃度の高い塩基性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場合があるため、塩基性触媒の程度は1N(水溶液での濃度換算)以下が望ましい。
酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に限定されないが、具体的には、酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸など、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。
上記のゾル−ゲル法のさらに詳細は、作花済夫「ゾル−ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊)(1988年)、平島碩「最新ゾル−ゲル法による機能性薄膜作成技術」総合技術センター(刊)(1992年)等の成書等に詳細に記述されている。
本発明の上記有機又は無機親水性マトリックスの親水性層中には、上記以外にも、親水性の程度の制御、親水性層の物理的強度の向上、層を構成する組成物相互の分散性の向上、塗布性の向上、印刷適性の向上など種々の目的の化合物を添加することができる。例えば、可塑剤、顔料、色素、界面活性剤、親水性の粒子等が挙げられる。
親水性の粒子としては、特に限定されないが、好ましくはシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム等が挙げられる。これらは、親水性を助長したり、皮膜の強化などに用いることができる。より好ましくは、シリカ、アルミナ、酸化チタン又はこれらの混合物である。本発明の上記有機又は無機親水性マトリックスの親水性層においては、特に、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物粒子を含有することが好ましい態様である。
シリカは、表面に多くの水酸基を持ち、内部はシロキサン結合(−Si−O−Si−)を構成している。本発明において、好ましく用いることができるシリカとしては、コロイダルシリカとも称される、水もしくは、極性溶媒中に分散した粒子径1〜100nmのシリカ超微粒子である。具体的には、加賀美敏郎、林瑛監修「高純度シリカの応用技術」第3巻、(株)シーエムシー(1991年)に記載されている。
又好ましく用いることができるアルミナとしては、5〜200nmのコロイドの大きさをもつアルミナ水和物(ベーマイト系)で、水中の陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン等のハロゲン原子イオン、酢酸イオン等のカルボン酸アニオン等)を安定剤として分散されたものである。又好ましく用いることができる酸化チタンとしては、平均一次粒径が50〜500nmのアナターゼ型あるいはルチル型の酸化チタンを、必要に応じ、分散剤を用い、水もしくは、極性溶媒中に分散したものである。
本発明において、好ましく用いることができる親水性の粒子の平均一次粒径は、1〜5000nmであり、より好ましくは、10〜1000nmである。本発明の親水性層中において、これらの親水性の粒子は、1種単独で用いても、2種以上を併用して用いても良い。その使用量は親水性層の総固形分質量に対して、5質量%〜90質量%、好ましくは10質量%〜70質量%、より好ましくは20質量%〜60質量%である。
本発明に用いる上記の有機または無機親水性マトリックスの親水性層は、例えば、水や、メタノール、エタノール等の極性溶剤等の適当な溶剤の単独又はこれらの混合溶媒に溶解あるいは分散して、支持体上に塗布、乾燥、硬化される。その塗布質量は乾燥後の質量で、0.1〜5g/m2が適当であり、好ましくは0.3〜3g/m2 、さらに好ましくは0.5〜2g/m2 である。親水性層の乾燥後の塗布質量は、0.1g/m2より低す
ぎると、湿し水等の親水性成分の保持性の低下や、膜強度の低下など好ましくない結果を与え、高すぎると、膜が脆くなり、耐刷性の低下などの好ましくない結果を与える。
本発明の親水性層に用いる金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜は、薄膜の表面が親水性の金属酸化物により構成されておれば特に限定されず、親水性の金属酸化物を表面に有する金属又は金属化合物の薄膜を含む。本発明の親水性層に使用できる金属又は金属化合物としては、d−ブロック(遷移)金属、f−ブロック(ランタノイド)金属、アルミニウム、インジウム、鉛、スズ、又は珪素および合金やそれぞれの金属に対応する金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物が挙げられ、これらは、混合(均一な混合膜、不均一な混合膜及び積層膜を含む)して用いることもできる。なかでも、金属酸化物薄膜そのものが特に好ましく、金属酸化物の薄膜としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の薄膜および混合した薄膜が、本発明の親水性層として好適に用いることができる。金属及び金属化合物の薄膜表面は、実質上、大気中において、高酸化の状態にあり、表面は、金属酸化物により構成されており、本発明において使用可能であるが、本発明においては、親水性層の親水性を確保するために、親水性層である無機薄膜の表面は、金属酸化物より構成されることが必須である。このため、薄膜を形成した後、表面の酸化を促進するために、加熱処理や加湿処理、グロー放電処理等の処理を施しても良い。さらには、金属酸化物を薄膜表面上に積層しても良い。
本発明の親水性層に用いる金属又は金属化合物の薄膜形成には、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などのPVD法(物理蒸着法)あるいはCVD法(化学蒸着法)などが適宜用いられる。例えば真空蒸着法においては、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱等を用いることができる。また、反応性ガスとして、酸素や窒素等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を用いても良い。
スパッタ法を用いる場合は、ターゲット材料として純金属または目的とする金属化合物を用いることができ、純金属を用いる時は反応性ガスとして酸素や窒素等を導入する。スパッタ電源としては、直流電源、パルス型直流電源、高周波電源を用いることができる。
上記の方法による薄膜形成に先だって、下層との密着性を向上させるため、基体加熱等による基体脱ガスや下層表面への真空グロー処理を施してもよい。例えば、真空グロー処理においては、1〜10mtorr程度の圧力下で基体に高周波を印加しグロー放電を形成させ、発生したプラズマによる基板処理を行うことができる。また、印加電圧を上げたり、酸素や窒素などの反応性ガスを導入することにより効果を向上させることも可能である。
本発明の親水性層に用いる親水性表面を有する金属又は金属化合物の薄膜の厚みは、10nm〜3000nmが好ましい。さらに好ましくは20〜1500nmである。薄すぎると、湿し水の保持性の低下や、膜強度の低下など好ましくない結果を与え、厚すぎると、薄膜形成に時間を要するため製造適性上好ましくない。
本発明の支持体上に上記の親水性層を設ける場合には、支持体の親水性層側の表面は、親水性層の表面積の向上や上層との密着向上の観点から、サンドブラスト処理等による粗面化処理やコロナ処理等による表面改質処理が施されても良い。
本発明の平版印刷版用原版は、支持体の親水性表面上に本発明の感熱層を設けたものであるが、必要に応じてその間に、例えばホウ酸亜鉛等の水溶性金属塩のような無機下塗層、又は有機下塗層を設けることができる。有機下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
この下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液を支持体の親水性表面上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、支持体を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2 である。本発明で使用する支持体は、ブロッキングを防止する観点から、支持体の裏面の最大粗さ深度(Rt)が少なくとも、1.2μm以上であることが好ましく、さらに、支持体の裏面(即ち、本発明の平版印刷版用原版の裏面)が本発明の平版印刷版用原版の表面上を滑る時の動摩擦係数(μk)が2.6以下であることが好ましい。
本発明で用いられる上記の支持体の厚みはおよそ0.05mm〜0.6mm程度、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mmである。
(感熱層)
本発明の感熱層は、微粒子ポリマーを含有する。本発明において使用できる微粒子ポリマーは、微粒子ポリマー同志が熱により溶融合体するものが好ましく、その表面は親水性で、水に分散するものが、特に好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニルや、それらの共重合体のラテックス等が挙げられる。このように微粒子ポリマー表面を親水性にするには、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマーまたはオリゴマー、または親水性低分子化合物を微粒子ポリマー表面に吸着させてやれば良いが、その方法はこれらに限定されるものではない。
また、微粒子ポリマーのみを塗布し、凝固温度よりも低い温度で乾燥して作製した時の皮膜の接触角(空中水滴)が、凝固温度よりも高い温度で乾燥して作製した時の皮膜の接触角(空中水滴)よりも低くなることが好ましく、微粒子ポリマーの凝固温度は、70℃以上が好ましいが、経時安定性を考えると100℃以上がさらに好ましい。
さらに、本発明の微粒子ポリマーは、画像部の膜強度を向上させることを目的とし、熱反応性官能基を有することが好ましい。熱反応性官能基を有する微粒子状ポリマーとしては、他の微粒子状ポリマー中に存在する官能基もしくは感熱層中の他成分中に存在する官
能基と反応しうる官能基を有するものであれば特に限定されないが、これらの官能基を含有するラテックスなどを挙げることができる。
これらの微粒子状ポリマーは官能基を介して微粒子同士で反応してもよいし、感熱層内に他の添加物として後述の親水性樹脂、または低分子化合物を含有する場合には、それらと反応してもよい。また2種類以上の微粒子状ポリマーに互いに熱反応する異種の官能基を持たせて微粒子状ポリマー同士を反応させてもよい。
上記の熱反応性官能基としては、重合反応を行うエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、付加反応を行うイソシアナート基又はそのブロック体、その反応相手である活性水素原子を有する官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基など)、同じく付加反応を行うエポキシ基、その反応相手であるアミノ基、カルボキシル基又はヒドロキシル基、縮合反応を行うカルボキシル基とヒドロキシル基もしくはアミノ基、開環付加反応を行う酸無水物とアミノ基もしくはヒドロキシル基などを挙げることができる。しかし、化学結合が形成されるならば、どのような反応を行う官能基でも良い。
本発明の感熱層に用いる、熱反応性官能基を有する微粒子ポリマーとしては、アクリロイル基、メタクリルロイル基、ビニル基、アリル基、エポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアネート基、酸無水物およびそれらを保護した基を有するものを挙げることができる。これらの官能基のポリマー粒子への導入は、重合時に行ってもよいし、重合後に高分子反応を利用して行ってもよい。
重合時に導入する場合は、これらの官能基を有するモノマーを乳化重合もしくは懸濁重合することが好ましい。そのような官能基を有するモノマーの具体例として、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、そのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−イソシアネートエチルアクリレート、そのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2官能アクリレート、2官能メタクリレートなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
これらのモノマーと共重合可能な、熱反応性官能基をもたないモノマーとしては、例えば、スチレン、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げることができるが、熱反応性官能基をもたないモノマーであれば、これらに限定されない。熱反応性官能基の導入を重合後に行う場合に用いる高分子反応としては、例えば、WO96−34316号公報に記載されている高分子反応を挙げることができる。
上記の熱反応性官能基を有する微粒子ポリマーの中で、微粒子ポリマー同志が熱により溶融合体するものが好ましいが、熱により化学反応を起こし、微粒子ポリマー間あるいは微粒子ポリマーと添加された親水性樹脂、又は、添加された低分子化合物との間で化学結合を形成し、強固な膜が形成できれば、微粒子ポリマーが熱で溶融合体することは画像形成上好ましいことであるが、必須ではない。
本発明の微粒子ポリマーの平均粒径は、0.01〜20μmが好ましいが、その中でも0.05〜2.0μmがより好ましく、特に0.1〜1.0μmが好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
また、微粒子ポリマーの添加量は、感熱層固形分の50質量%以上が好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
本発明の感熱層に、上記のような熱反応性官能基を有する微粒子ポリマーを用いる場合、必要に応じてこれらの反応を開始又は促進する化合物を添加してもよい。反応を開始又は促進する化合物としては、熱によりラジカル又はカチオンを発生するような化合物を挙げることができ、例えば、ロフィンダイマー、トリハロメチル化合物、過酸化物、アゾ化合物、ジアゾニウム塩又はジフェニルヨードニウム塩などを含んだオニウム塩、アシルホスフィン、イミドスルホナートなどが挙げられる。これらの化合物は、感熱層固形分の1〜20質量%の範囲で添加することができる。好ましくは3〜10質量%の範囲である。この範囲内で、現像性を損なわず、良好な反応開始又は促進効果が得られる。
本発明の感熱層には親水性樹脂を添加してもよい。親水性樹脂を添加することにより現像性が良好となるばかりか、感熱層自体の皮膜強度も向上する。親水性樹脂としては、例えばヒドロキシル、カルボキシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、アミノ、アミノエチル、アミノプロピル、カルボキシメチルなどの親水基を有するものが好ましい。
親水性樹脂の具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、ならびに加水分解度が少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも80質量%の加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー等を挙げることができる。
親水性樹脂の感熱層への添加量は、感熱層固形分の5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。この範囲内で、良好な現像性と皮膜強度が得られる。
本発明の平版印刷版用原版は、感熱層あるいは、それに隣接する層(親水性層、下塗層または後述のオーバーコート層)内に、光熱変換剤を含有させることにより、レーザー光照射等による画像記録が可能となる。本発明の平版印刷版用原版は、少なくとも感熱層内に、光熱変換剤を含有させる。
かかる光熱変換剤としては、レーザー光源の波長を吸収する物質であればよく、種々の顔料、染料および金属微粒子を用いることができる。特に、700〜1200nmの少なくとも一部に吸収帯を有する光吸収物質であることが好ましい。
顔料の種類としては、黒色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には親水性樹脂や親油性樹脂を表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカゾル、アルミナゾル、シランカップリング剤やエポキシ化合物、イソシアネート化合物等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。これらの顔料中、赤外線を吸収するものが、赤外線を発光するレーザでの利用に適する点で好ましい。かかる赤外線を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好ましい。顔料の粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましく、0.01μm〜0.5μmの範囲にあることが更に好ましい。
染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊、「化学工業」1986年5月号P.45〜51の「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)又は特許に記載されている公知の染料が利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染料、シアニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。
さらに、例えば、特開昭58−125246号公報、特開昭59−84356号公報、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号公報、特開昭58−181690号公報、特開昭58−194595号公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号公報、特開昭58−224793号公報、特開昭59−48187号公報、特開昭59−73996号公報、特開昭60−52940号公報、特開昭60−63744号公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染料や米国特許第4,756,993号記載の染料、米国特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開平10−268512号公報記載の染料、特開平11−235883号公報記載のフタロシアニン化合物を挙げることができる。
また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号公報、同58−220143号公報、同59−41363号公報、同59−84248号公報、同59−84249号公報、同59−146063号公報、同59−146061号公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン染料、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号公報、同5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物、エポリン社製エポライトIII−178、エポライトIII−130、エポライトIII−125等も好ましく用いられる。以下にいくつかの具体例を示す。
上記の有機系の光熱変換剤は、感熱層中に30質量%まで添加することができる。好ましくは5〜25質量%であり、特に好ましくは7〜20質量%である。この範囲内で、良好な感度が得られる。
本発明の感熱層には、光熱変換剤として金属微粒子も用いることができる。金属微粒子の多くは光熱変換性であって、かつ自己発熱性であるが、好ましい金属微粒子として、Si、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Mo、Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、W、Te、Pb、Ge、Re、Sbの単体もしくは合金、又は、それらの酸化物または硫化物の微粒子が挙げられる。これらの金属微粒子を構成する金属の中でも好ましい金属は、光照射時に熱による合体をし易い、融点が
およそ1000℃以下で赤外、可視または紫外線領域に吸収をもつ金属、例えば、Re、Sb、Te、Au、Ag、Cu、Ge、PbおよびSnである。また、特に好ましいのは、融点も比較的低く、赤外線に対する吸光度も比較的高い金属の微粒子、例えば、Ag、Au、Cu、Sb、GeおよびPbで、最も好ましい元素としては、Ag、AuおよびCuが挙げられる。
また、例えばRe、Sb、Te、Au、Ag、Cu、Ge、Pb、Snなどの低融点金属の微粒子と、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、W、Geなどの自己発熱性金属の微粒子とを混合使用するなど、2種以上の光熱変換物質で構成されていてもよい。また、Ag、Pt、Pdなど微小片としたときに光吸収が特に大きい金属種の微小片と他の金属微小片を組み合わせて用いることも好ましい。
これらの粒子の粒径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは0.003〜5μm、特に好ましくは0.01〜3μmである。この範囲内で、良好な感度と解像力が得られる。
本発明において、これらの金属微粒子を光熱変換剤として用いる場合、その添加量は、好ましくは感熱層固形分の10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上で用いられる。この範囲内で高い感度が得られる。
本発明の感熱層には、上記のような熱反応性官能基を有する微粒子ポリマーを使用する場合、さらに、上記微粒子ポリマー中の熱反応性官能基と反応することができる官能基およびその保護基を有する低分子化合物を含有することができる。これらの化合物の添加量は、感熱層中5質量%〜40質量%が好ましく、特に5質量%〜20質量%が好ましい。これより少ないと架橋効果が少なく耐刷性が不十分となり、これより多いと経時後の現像性が悪くなってしまう。以下これらに使用可能な化合物について述べる。
前記低分子化合物としては、重合性不飽和基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、イソシアナート基、及びブロック化したイソシアナート基を分子内に有する化合物を挙げることができる。
重合性不飽和基を有する化合物としては、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用する事も可能
である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキ
サメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(A)で示される水酸基を有する不飽和モノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性不飽和基を含有するウレタン化合物等が挙げられる。
一般式(A)
CH2=C(Rm)COOCH2CH(Rn)OH(ただし、RmおよびRnは、HまたはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレートや、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物類を用いても良い。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、同52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、同1−40336号公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も好適なものとして挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する化合物も好適に使用される。さらに日本接着協会誌、20巻7号、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
エポキシ化合物としては、好ましくはグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノール類もしくはポリフェノール類又はそれらの水素添加物のポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
イソシアネートを有する化合物としては、好ましくはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネートまたはそれらをアルコールもしくはアミン類でブロックした化合物を挙げることができる。
アミン化合物としては、好ましくはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエチレンイミン
などが挙げられる。ヒドロキシル基を有する化合物としては好ましくは、末端メチロールを有するような化合物、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、ビスフェノール・ポリフェノール類などを挙げることができる。カルボキシル基を有する化合物としては、好ましくは、ピロメリット酸、トリメリット酸、フタル酸などの芳香族多価カルボン酸、アジピン酸などの脂肪族多価カルボン酸などが挙げられる。酸無水物としては、好ましくは、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。
本発明の感熱層には、さらに必要に応じて上記以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、画像形成後、画像部と非画像部の区別をつきやすくするため、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。添加量は、感熱層塗布液全固形分に対し0.01〜10質量%が好ましい。更に、本発明の感熱層中には、露光したとき画像部と非画像部を鮮明にするため発色系または消色系の化合物が添加されることが好ましい。例えば、ジアゾ化合物やジフェニルヨードニウム塩のような熱酸発生剤と共にロイコ染料(ロイコマラカイトグリーン、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットのラクトン体等)やpH変色染料(例えば、エチルバイオレット、ビクトリアプア−ブルーBOH等の染料)が用いられる。
また、本発明においては、感熱層塗布液の調製中又は保存中においてエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01〜5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸やその誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感熱層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸やその誘導体の添加量は、感熱層固形分の約0.1〜約10質量%が好ましい。
さらに、本発明の感熱層には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を加えることができる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
本発明の感熱層は、必要な上記各成分を溶剤に分散あるいは溶解して塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N
,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感熱層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.4〜5.0g/m2が好ましい。この範囲より塗布量が少なくなると、見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす感熱層の皮膜特性は低下する。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
感熱層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、感熱層全固形分の0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
(オーバーコート層)
本発明の平版印刷版用原版は、感熱層表面の親油性物質による汚染防止や傷防止のため、感熱層上に、オーバーコート層を設けることができる。本発明に使用されるオーバーコート層は印刷時、湿し水等の親水性印刷液体により容易に除去できるものであり、親水性の有機高分子化合物から選ばれた樹脂を含有する。ここで用いる親水性の有機高分子化合物としては、乾燥によってできた被膜がフィルム形成能を有するもので、具体的には、ポリ酢酸ビニル(但し加水分解率65%以上のもの)、ポリアクリアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガム、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。
また、オーバーコート層には、前記の親水性光熱変換剤を添加しても良い。さらに、オーバーコート層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の場合には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテルなどの非イオン系界面活性剤を添加することができる。オーバーコート層の乾燥塗布量は、0.1〜2.0g/m2が好ましい。この範囲内で、現像性を損なわず、指紋付着汚れなどの親油性物質による感熱層表面の良好な汚染防止や傷の防止ができる。
(画像形成及び製版)
本発明の平版印刷版用原版は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザー、YAGレーザー等の固体高出力赤外線レーザーによる露光が好適である。
画像記録された本発明の平版印刷版用原版は、次いで、処理液の存在下、擦り部材により版面を擦ることにより、非画像部の感熱層を除去し(オーバーコート層がある場合には、オーバーコート層も、同時に除去される。)、非画像部において、親水性の支持体表面を露出させ、平版印刷版が作製される。
本発明において使用可能な擦り部材としては、例えば、不織布、綿布、綿パッド、モルトン、ゴムブレードやブラシ等が挙げられる。
本発明において使用される処理液としては、親水性の処理液が適しており、例えば、水単独または水を主成分とする水溶液が好ましく、特に、一般的に公知な湿し水と同様組成の水溶液や界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系等)を含有する水溶液が好ましい。また、本発明の処理液には、有機溶剤を含有しても良い。含有可能な溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(トリクレン等)や、下記の極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等)が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能であり、処理液に、溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40質量%未満が望ましい。本発明の処理液に使用する界面活性剤としては、抑泡性の観点から、ノニオン性界面活性剤が好適に使用できる。
本発明の処理液に使用できるノニオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。これらノニオン性界面活性剤は、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。本発明においては、ソルビトール及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、本発明の処理液に使用するノニオン性界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−LipophileBalance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。さらに、処理液中に含有するノニオン性界面活性剤の比率は、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
また、処理液に、アルカリ性剤(例えば、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、ケイ酸塩類等)又は酸性剤(例えば、リン酸、亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、ホウ酸、アミノ酸類等)、防腐剤(例えば、安息香酸及びその誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、3−イソチアゾロン化合物、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム塩等)を添加したものも使用可能である。処理液の温度は、任意の温度で使用できるが、好ましくは10℃〜50℃である。
本発明における非画像部の感熱層の除去は、処理液の供給手段及び擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することができる。自動処理機としては、例えば、画像記録後の平版印刷版用原版を搬送しながら擦り処理を行う、特開平2−220061号公報、特開昭60−59351号公報に記載の自動処理機や、シリンダー上にセットされた画像記録後の平版印刷版用原版をシリンダーを回転させながら擦り処理を行う、US5148746、US5568768、GB2297719の各号に記載の自動処理機等が挙げられる。なかでも、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。図1に本発明の現像処理に適した自動処理機の1例として、処理液10を循環ポンプ11によりスプレーパイプ5に送り、シャワーリングして、回転ブラシロール1及び版面12(平版印刷版用原版)に供給し、回転ブラシロール1で版面12を擦る自動現像処理機を例示した。なお、本発明において、擦り処理後の平版印刷版を、引き続いて、水洗、乾燥処理することも任意に可能である。
使用できる回転ブラシロールは、画像部の傷付き難さ、さらには、平版印刷版用原版の支持体の腰の強さ等を考慮し、適宜選択することができる。上記回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチック又は金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号公報や、特開平3−100554号公報記載のものや、実公昭62−167253号公報に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属又はプラスチックの溝型材を芯となるプラスチック又は金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。また、ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、及び、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。さらに、回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
本発明に用いる回転ブラシロールの回転方向は、本発明の平版印刷版用原版の搬送方向に対し、同一方向であっても、逆方向であっても良いが、図1に例示した自動処理機のように、2本以上の回転ブラシロールを使用する場合は、少なくとも1本の回転ブラシロールが、同一方向に回転し、少なくとも1本の回転ブラシロールが、逆方向に回転することが好ましい。これにより、非画像部の感熱層の除去が、さらに確実となる。さらに、回転ブラシロールを、ブラシロールの回転軸方向に揺動させることも効果的である。