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JP4997439B2 - 圧電素子及びmemsデバイスの製造方法 - Google Patents
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JP4997439B2 - 圧電素子及びmemsデバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は圧電素子及び圧電素子を含むMEMSデバイスの製造方法に関する。
圧電素子は、2枚の電極の間に圧電体を挟んだ構造を基本とする素子である。圧電体は、電圧を加えられると変形し(逆圧電効果)、また変形すると電圧を発生する(正の圧電効果)。この特性を利用して、アクチュエータとして用いられたり、各種のセンサとして用いられたりしている。
下掲非特許文献1には、カンチレバー型の圧電素子を利用した液体の粘度・密度センサが記載されている。この文献に記載されている圧電カンチレバーを図1に示す。圧電カンチレバー101は、圧電体105を下部電極103上と上部電極107,109によって挟んだ構造をしている。上部電極は、コの字型の電極107と、直方板状の電極109とに分離している。測定時には、舌状の下部電極107を液体に没入させ、コの字電極107と下部電極109との間に交流電圧を印加する。すると、逆圧電効果により圧電体105が変形し、印加電圧と同じ周波数で振動する。この振動によって発生する圧電体105の電圧は、電極109と下部電極103との間の電圧変動として測定することができる。測定される電圧変動の振幅は、印加される電圧が、圧電カンチレバー101と測定対象液とによって定まる共振周波数と同じである場合に最も大きくなるので、この原理を利用して、液体の粘度・密度を測定している。
JapaneseJournal of Applied Physics, vol.42, pp.6139-6142, (2003) Journal ofApplied Physics, vol.89, pp.1497-1505, (2001) Applied PhysicsLetters, vol.75, pp.334-336, (1999)
上掲の非特許文献1及び2によれば、圧電カンチレバー、ブリッジ、ダイヤフラムは、圧電素子を挟む一方の電極(上部電極)を分離することで、駆動及び検知双方の機能を備えることができることが記載されている。しかしながら、この構造では、圧電体薄膜、下部電極が共通であるため、駆動信号のノイズが、検知信号に入ってしまい、検知のS/N比を低下させてしまうという問題があった。
そこで本願発明者は、鋭意検討の結果、このような問題を解決するために、次のような圧電素子が有効であることを見出した。この圧電素子は、第1の上部電極と第1の下部電極との間に第1の圧電体を挟んだ第1の構造物を、弾性基体上に、前記第1の下部電極が前記弾性基体側となるように設けると共に、第2の上部電極と第2の下部電極との間に第2の圧電体を挟んだ第2の構造物を、前記第2の下部電極が前記弾性基体側となるように、且つ、前記第1の下部電極と前記第2の下部電極が接しないように、且つ、前記第1の圧電体と前記第2の圧電体が接しないように、前記弾性基体上に設けることを特徴とする。
上記の圧電素子によれば、第1の構造物と第2の構造物に、駆動及び検知の機能を付与することができる。例えば第1の構造物を駆動用の素子として用いる場合は、第1の上部及び下部電極に交流電圧を印加することにより、第1の圧電体を、その交流電圧と同一の周波数で振動させる。このとき、その振動は弾性基板を通じて第2の構造物の第2の圧電体を変形させる。圧電体の変形は電圧の発生を伴うので、第2の圧電体の変形は、第2の上部及び下部電極間の電圧変化として測定することができる。このため第2の構造物は、検知用の素子として用いることができる。
さらに上記の圧電体素子によれば、2つの構造物における圧電体と下部電極が分離しているので、駆動信号のノイズが検知信号に混入することが少なくなり、検知のS/N比を向上させることができる。
上記の圧電素子の周波数特性が、その置かれる環境によって変化することから、上記の圧電素子は、周波数変化を検出することで物理量の状態変化を検知するあらゆるセンサとして用いることができ、例えば、加速度・角速度などの運動量センサ、・力センサ、液体の粘度センサ、ガス濃度センサ、においセンサ、質量センサなどとして用いることができる。
また上記の圧電素子は様々な形状とすることができ、例えば、カンチレバー・ブリッジ・ダイヤフラムのような形状とすることができる。
ある実施態様において、上記の圧電素子は、前記第1の構造物が、互いに平行となる2本の腕部を有し、前記第2の構造物が、前記2本の腕部の間に配されるような構造を有することができる。このような構造とすると、第1の構造物が音叉のような形状を持つこととなるので、共振周波数における弾性基板の振幅を大きくすることができる。このため、環境の周波数特性をより鋭敏に測定することができるようになる。
本発明による上記の圧電素子は、上部電極・圧電体・下部電極が分離されるようなフォトマスクを利用して、半導体微細加工技術により製造することが可能である。この場合、上部電極と圧電体を同一のエッチングマスクで連続的にエッチングすると、次のような問題が発生する可能性がある。
(1)圧電体層をエッチング、特にウエットエッチングする場合は、圧電体層が必要以上にエッチングされ、結果として上部電極が下部電極にまで垂れ、電気的ショートを引き起こしてしまう。
(2)エッチング後の圧電体層の側壁がエッチング時のダメージのために非晶質化してしまい、これが圧電体の圧電特性を低下させてしまう(上掲非特許文献3参照)。
(3)エッチング時のプラズマ環境により圧電体層の側壁から水素が侵入し、これが圧電体を還元して圧電特性を低下させてしまう。
そこで本願発明者は、鋭意検討の結果、このような問題を解決するために、次のような製造方法が有効であることを見出した。この製造方法は、圧電体を上部電極と下部電極とで挟んだ圧電素子を製造する方法であって、
・ 基板上に、前記下部電極の材料となる下部導電層・前記圧電体の材料となる圧電体層・前記上部電極の材料となる上部導電層を、この順序で形成するステップと、
・ 前記上部電極の形状を定める第1のマスクパターンを有する第1のエッチングマスクを用いて前記上部導電層をエッチングするステップと、
・ 前記圧電体薄膜の形状の形状を定める第2のマスクパターンを有する第2のエッチングマスクを用いて前記圧電体層をエッチングして前記圧電体を形成するステップと、を備え、
・ 前記第2のマスクパターンは、前記第1のマスクパターンの全領域を、その内部に収めうる形状を有することを特徴とする。
上記の製造方法を採用することにより、圧電体が上部電極より一回り大きく成形されるため、上部電極が下部電極まで垂れて電気的ショートを引き起こすという問題を生ずることがなく、また電極間の圧電体がエッチング中やエッチング後に劣化するという問題を回避することができる。この結果、素子の圧電特性を向上させ、さらに製造の歩留まり向上を達成することができる。
上記の製造方法によれば、必要なフォトマスクが一枚増えてしまう。従って、この製造方法は、フォトマスクのコストを増大させる要因となり、コスト削減努力が求められる当業者にとって、上記のような課題の把握がなければ、フォトマスクをわざわざ一枚増やすなど、容易には想到し得ないであろう。
上に開示した本発明による圧電素子を含めて、カンチレバー・ブリッジ・ダイヤフラムのような自立構造体を製造する場合、最終工程で、シリコン等の基板を背面からドライエッチングにより貫通することで、自立構造体を形成することがしばしば行なわれる。
このとき、エッチングされるウエハをダミーウエハに貼り合わせることで、エッチングされるウエハの貫通後、ドライエッチング装置内部のウエハ設置部分が損傷されることを防ぐことが必要である。ウエハ同士を貼り合わせるためには、図6(a)に示すように、フォトレジストやワックスを用いるか、あるいは図6(b)に示すように、拡散ポンプ用オイルを用いていた。
しかし、フォトレジストを用いた場合は、ウエハ同士を完全に貼り合わせることが容易でなく、部分的に剥がれてしまうことが頻発する。この状態でドライエッチングを行うと、エッチングされるウエハの放熱が十分に行なわれない。(エッチングされるウエハ→フォトレジスト→ダミーウエハという経路で放熱が行なわれる。)するとエッチングされるウエハの温度が上昇するため、エッチングマスクが蒸発してしまい。望みの形状にエッチングをすることができなくなる。また、たとえエッチングマスクが蒸発しなくても、フォトレジストが過熱固化し、エッチング終了後にアセトンや酸素プラズマによるアッシングをもってしても、フォトレジストが除去できなくなってしまうことがある。
ワックスを用いた場合は、フォトレジストの場合のような剥がれの問題は起こらないが、エッチング終了後のワックス除去が困難な場合が多い。
図6(b)のように拡散ポンプ用オイルを用いる場合は、フォトレジストの場合のような剥がれの問題は起こらず、放熱もフォトレジストに比べて良好である。しかしながら、放熱が良好とはいえ、エッチング時の熱により拡散ポンプ用オイルが固化してしまい、エッチング終了後のオイル除去が困難であったり、場合によってはダミーウエハからデバイスが剥がれないという問題が生じる。
そこで本願発明者は、鋭意検討の結果、このような問題を解決するために、次のような製造方法が有効であることを見出した。この製造方法は、表面に所定の構造が形成されたウエハを、裏面からドライエッチングにより貫通させることによりMEMSデバイスを製造する方法であって、
・ 前記エッチングされるウエハの前記表面をフォトレジストで被膜する第1ステップと、
・ ドライエッチング装置への設置に用いるダミーウエハに拡散ポンプ用オイルを塗布する第2ステップと、
・ 前記フォトレジストで被膜された面と、前記拡散ポンプ用オイルが塗布された面とを貼り合わせることによって、前記エッチングされるウエハに前記ダミーウエハを貼り合わせる第3ステップと、
・ 前記ドライエッチング装置によって前記エッチングされるウエハのドライエッチングを行なう第4ステップと、
を有することを特徴とする。
このような方法でダミーウエハを貼り合わせることにより、エッチングされるウエハとダミーウエハとの密着性が向上するため、熱伝導性が向上し、所望の形状にエッチングを行なうことが容易となる。さらに、熱伝導性が向上して放熱が良好に行なわれるようになるため、フォトレジストはエッチング終了後にアセトンと酸素プラズマによるアッシングで容易に除去できるようになり、フォトレジストが過熱固化して除去が困難になるという事態を最小限に防ぐことができる。拡散ポンプ用オイルとしては、アルキルナフタレン(ナフタレン環にアルキル基を持つもの)などが知られており、これらを用いることができる。
別の実施態様においては、ダミーウエハにフォトレジストを被膜して、その上に拡散ポンプ用オイルを塗布してもよい。このような実施態様によれば、エッチングされるウエハとダミーウエハとの密着性・熱伝導性を、より向上させることができる。
この方法によって、あらゆるMEMSデバイスの製造においてついて回るフォトレジスト除去の問題が解決可能である。
以下、本発明のより具体的な実施態様を添付図面を参照しながら説明する。まず、本発明による圧電素子の実施態様の一例を、図2に描かれた圧電素子201を用いて説明する。
圧電素子201は、圧電素子201の上に、圧電体を2枚の電極で挟んだ圧電素子構造を、お互いが直接接触しないように、2つ有している。第1の圧電素子構造は、それぞれU字型(コの字型)の下部電極205,圧電体薄膜207,上部電極209により構成される。第2の圧電素子構造は、第1の圧電素子構造のU字型の腕の間に配置され、下部電極211,圧電体薄膜213,上部電極215により構成される。下部電極205,211が圧電体薄膜207,209からはみ出している部分205a,211aは、それぞれ下部電極205,211への導通を確保するために、わざと露出させた部分である。
上部電極209と圧電体薄膜207が接する面において、上部電極209は圧電体薄膜207より一回り小さい。このため上部電極209の外周全域に亘り、上部電極209と圧電体薄膜207とは段差構造を呈している。同様に、上部電極215と圧電体薄膜213が接する面において、上部電極215は圧電体薄膜213より一回り小さく、上部電極215の外周全域に亘って、上部電極215と圧電体薄膜213とは段差構造を呈している。第1の圧電素子構造においても第2の圧電素子構造においても、圧電体薄膜213のはみ出し幅は、0.5μm以上としている。この段差構造は、圧電素子201を製造する際に発生する可能性のある問題を、未然に防ぐために形成された構造である。詳細については後述する。
弾性基板の材料としては様々な物質を用いることが可能であり、例えば、シリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコンカーバイド、ガリウム砒素等の化合物半導体全般、アルミナ、アルミニウム、ステンレスなどを用いることが可能である。圧電体薄膜の材料も、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)など、既知の様々な物質を用いることができる。
U字型の下部電極205及び上部電極209の間に交流電圧を印加すると、圧電体薄膜207は逆圧電効果によって変形し、その交流電圧と同じ周波数で振動する。この振動は、弾性基板203に伝わり、弾性基板203を震わせる。さらに弾性基板203の振動は、第2の圧電素子構造の圧電体薄膜213へ伝わり、圧電体薄膜213をも振動させる。この振動により圧電体薄膜213が変形すると、正の圧電効果により圧電体薄膜213は電圧を発生する。この電圧変動は、下部電極211及び上部電極215間の電圧変動として測定することができる。第2の圧電素子構造211〜215から検出される電圧変動の振幅は、第1の圧電素子構造205〜209に印加される交流電圧の周波数が、弾性基板203の(又は圧電素子201全体の)共振周波数に一致したときに最も大きくなる。そして弾性基板203(又は圧電素子201全体)の共振周波数は、弾性基板203(又は圧電素子201)が位置する環境によって異なるため、圧電素子201は、周波数変化を検出することで物理量の状態変化を検知するセンサとして用いることができる。例えば圧電素子201は、加速度・角速度などの運動量センサ、・力センサ、液体の粘度センサ、ガス濃度センサ、においセンサ、質量センサなどとして用いることができる。このように圧電素子201は、単体で駆動・検知の両方の機能を備える素子である。
圧電素子201は、図2に描かれるように、第1の圧電素子構造の下部電極205や圧電体207が、第2の圧電素子構造の下部電極211や圧電体213に接触していない。このため圧電素子201においては、第1の圧電素子構造に加えられる駆動信号が、第2の圧電素子構造から得られる検知信号に混入しにくくなっており、ノイズの少ない測定を行なうことが可能になっている。
図2に描かれるように、第1の圧電素子構造がU字型を呈していると、音叉と同じように共振時の振幅を増すことができるので、共振周波数の検知をより容易とすることができる。しかし、本発明を利用した圧電素子が備える一方の圧電素子構造が、必ずU字型を備えていなければならない訳ではない。また図2においては、第1の圧電素子構造と第2の圧電素子構造が、弾性基板の同一面上に形成されているが、これも実施態様によっては、それぞれが別の面上に形成されていてもよい。
次に圧電素子201の製造方法について説明する。圧電素子201は、大体においては通常の半導体製造プロセスと同様のプロセスで製造されるが、一部に本発明の一側面によって提供される特有の製造方法を用いて製造される部分がある。以下、通常の半導体製造プロセスと同様の製造プロセスの説明は簡単に説明し、本発明に特有の製造プロセスのみを詳細に説明する。
圧電素子201の製造プロセスは、図3のフローチャートに示すように、大まかに4段階に分けられる。最初のステップ301では、弾性基板203上に、下部電極205,211の材料となる下部導電層と、圧電体薄膜207,213の材料となる圧電体層と、上部電極209,215の材料となる上部導電層とを、この順序で形成する。次のステップ302では、上部電極層を、リソグラフィによるレジストパターニングとエッチングにより成型する。続いて、ステップ303では圧電体層を、ステップ304では下部電極と基板を、同じくリソグラフィによるレジストパターニングとエッチングにより成型する。
上部電極209,215の表面形状と、圧電体薄膜207,213の表面形状を同一とすれば、これらは同一のフォトマスクでフォトエッチングを行なうことが可能である。しかし、このようにすると、次のような問題が起こる可能性がある。
(1)圧電体層をエッチング、特にウエットエッチングする場合は、圧電体層が必要以上にエッチングされ、結果として上部電極が下部電極にまで垂れ、電気的ショートを引き起こしてしまう。
(2)エッチング後の圧電体層の側壁がエッチング時のダメージのために非晶質化してしまい、これが圧電体の圧電特性を低下させてしまう(Applied Physics Letters, vol.75, pp.334-336, (1999))。
(3)エッチング時のプラズマ環境により圧電体層の側壁から水素が侵入し、これが圧電体を還元して圧電特性を低下させてしまう。
そこで、本発明による圧電素子201を製造するにあたっては、図4に示す如く、圧電体薄膜の形状の形状を定めるフォトマスクのマスクパターンを、上部電極の形状を定めるフォトマスクのマスクパターンより、一回り大きなものを用いる。すなわち圧電体用のマスクパターンは、上部電極用のマスクパターンの全領域を、その内部に収めうる形状を有する。(図4(c)参照。)これにより、圧電体薄膜207,213は、上部電極209,215よりも一回り大きな形状を有することになり、圧電体薄膜207,213と上部電極209,215とが図2に描かれる如く段差状の構造を呈することとなる。圧電素子の段部の幅は、0.5μm以上とすることが好ましい。このような製造方法を採用することにより、上記のような問題の発生を防ぎ、圧電素子製造における歩留まり向上及び素子の圧電特性向上を達成することができる。
図5a及び図5bに、本発明による圧電素子のより具体的な実施例を示す。この実施例では、本発明による圧電素子を、カンチレバーとして実施している。カンチレバー501は、圧電体を2枚の電極で挟んだ圧電素子構造が、お互いが直接接触しないように、SOI基板上に2つ形成された構造を有している。SOI基板はシリコン基板503,埋め込みシリコン酸化膜505,表面シリコン層507からなり、表面シリコン層507は、その上に形成されたシリコン酸化膜509と共に、圧電素子201における弾性基板203の役割を果たしている。圧電素子201の第1の圧電素子構造に相当する構造は、下部電極511,圧電体薄膜513,上部電極515であり、これらは圧電素子201の下部電極205,圧電体薄膜207,上部電極209にそれぞれ相当する。同様に、圧電素子201の第2の圧電素子構造に相当する構造は、下部電極519,圧電体薄膜521,上部電極523であり、これらは圧電素子201の下部電極211,圧電体薄膜213,上部電極215にそれぞれ相当する。第1の圧電素子構造511〜515と、第2の圧電素子構造519〜523は、互いに直接接していないので、圧電素子201と同様、第1の圧電素子構造に加えられる駆動信号が、第2の圧電素子構造から得られる検知信号に混入しにくくなっており、ノイズの少ない測定を行なうことが可能になっている。また、圧電素子201と同様に、上部電極は圧電体薄膜よりも一回り小さく形成されており、製造時に上部電極と下部電極が接触したり、圧電体の圧電特性が低下してしまうという問題を回避している。シリコン酸化膜509は、圧電体の成膜において熱処理をする際の、電極とシリコンの相互拡散防止のために設けられる。
カンチレバー501は、図3のフローチャートに示すような製造プロセスによって、圧電素子部分が形成された後、最終工程において、シリコン基板503をシリコン基板503側からドライエッチングにより貫通させることで、最終的な部品として完成する。
このとき、ウエアの圧電素子が形成された面にダミーウエハに貼り合わせることで、エッチングされるウエハの貫通後、ドライエッチング装置内部のウエハ設置部分が損傷されることを防ぐことが必要である。
このプロセスにおいて、カンチレバー501を製造する場合は、本発明の一側面による次のような方法により、ダミーウエハの貼り合わせを行なうことが好ましい。まず、ウエハのエッチングされる面とは逆の面(圧電素子が形成された面)に、フォトレジストを塗布し、適切な温度でベーキングすることにより、被膜を硬化させる。次に、アルキルナフタレンなどの拡散ポンプ用オイルをダミーウエハにスピンコートなどで塗布する。そしてフォトレジストで被膜された面と、拡散ポンプ用オイルが塗布された面とを貼り合わせることによって、エッチングされるウエハにダミーウエハを貼り合わせる。この様子を図7(a)に示す。
このような方法でダミーウエハを貼り合わせることにより、エッチングされるウエハとダミーウエハとの密着性が向上するため、熱伝導性が向上し、所望の形状にエッチングを行なうことが容易となる。さらに、熱伝導性が向上して放熱が良好に行なわれるようになるため、フォトレジストはエッチング終了後にアセトンと酸素プラズマによるアッシングで容易に除去できるようになり、フォトレジストが過熱固化して除去が困難になるという事態を最小限に防ぐことができる。
別の実施態様においては、図7(b)のように、ダミーウエハにフォトレジストを塗布した後、その上に拡散ポンプ用オイルを塗布してもよい。このような実施態様によれば、エッチングされるウエハとダミーウエハとの密着性・熱伝導性を、より向上させることができる。
以上、本発明がより良く理解されるように本発明を好適な実施例を用いて説明してきたが、本発明の実施態様がこれらの実施例に限定されるものではないことは当然であり、本発明は、その範囲を逸脱することなく、様々な実施態様を採り得ることはいうまでもない。
先行技術による圧電カンチレバーを説明するための図である。 本発明によって提供される圧電素子の実施態様の一例を説明するための図である。 本発明によって提供される圧電素子の製造方法の一例を説明するための図である。 上記の製造方法で用いられるフォトマスクの例である。 本発明による圧電素子のより具体的な実施例を描いた図である。 本発明による圧電素子のより具体的な実施例を描いた図である。 先行技術によるMEMSデバイス製造方法を説明するための図である。 本発明によって提供されるMEMSデバイスの製造方法の一例を説明するための図である。
符号の説明
201 圧電素子
203 弾性基板
205 下部電極
207 第1の圧電素子構造の圧電体薄膜
209 第1の圧電素子構造の上部電極
211 第2の圧電素子構造の下部電極
213 第2の圧電素子構造の圧電体薄膜
215 第2の圧電素子構造の上部電極
501 カンチレバー
503 シリコン基板
505 埋め込みシリコン酸化膜
507 表面シリコン層
509 シリコン酸化膜

Claims (6)

  1. 第1の上部電極と第1の下部電極との間に第1の圧電体を挟んだ第1の構造物を、弾性基体上に、前記第1の下部電極が前記弾性基体側となるように設けると共に、第2の上部電極と第2の下部電極との間に第2の圧電体を挟んだ第2の構造物を、前記第2の下部電極が前記弾性基体側となるように、且つ、前記第1の下部電極と前記第2の下部電極が接しないように、且つ、前記第1の圧電体と前記第2の圧電体が接しないように、前記弾性基体上に設けた圧電素子であって
    前記第1の構造物が、互いに平行となる2本の腕部を有し、前記第2の構造物が、前記2本の腕部の間に配されることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記第1の構造物及び/又は前記第2の構造物における、前記圧電体が前記上部電極に対向する面において、前記圧電体が前記上部電極より大きな表面積を有すると共に、前記上部電極と前記圧電体とが、前記上部電極の外周全域に亘り、段差構造を呈することを特徴とする、請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記段差構造における前記圧電素子の段部の幅が0.5μm以上であることを特徴とする、請求項に記載の圧電素子。
  4. 請求項1に記載の圧電素子を製造する方法であって、
    前記弾性基体上に前記第1の下部電極及び第2の下部電極の材料となる下部導電層・前記第1の圧電体及び第2の圧電体の材料となる圧電体層・前記第1の上部電極及び第2の上部電極の材料となる上部導電層を、この順序で形成するステップと、
    前記第1の上部電極及び第2の上部電極の形状を定める第1のマスクパターンを有する第1のエッチングマスクを用いて前記上部導電層をエッチングするステップと、
    前記第1の圧電体及び第2の圧電体の形状の形状を定める第2のマスクパターンを有する第2のエッチングマスクを用いて前記圧電体層をエッチングして前記第1の圧電体及び第2の圧電体を形成するステップと、を備え
    前記第2のマスクパターンは、前記第1のマスクパターンの全領域を、その内部に収めうる形状を有する、
    ことを特徴とする、製造方法。
  5. 請求項1に記載の圧電素子が形成されたウエハを、裏面からドライエッチングにより貫通させることによりMEMSデバイスを製造する方法であって、
    前記エッチングされるウエハの前記表面をフォトレジストで被膜する第1ステップと、
    ドライエッチング装置への設置に用いるダミーウエハに拡散ポンプ用オイルを塗布する第2ステップと、
    前記フォトレジストで被膜された面と、前記拡散ポンプ用オイルが塗布された面とを貼り合わせることによって、前記エッチングされるウエハに前記ダミーウエハを貼り合わせる第3ステップと、
    前記ドライエッチング装置によって前記エッチングされるウエハのドライエッチングを行なう第4ステップと、
    を有することを特徴とする、製造方法。
  6. 前記第2ステップにおいて、前記ダミーウエハにフォトレジストで被膜した後、該被膜された面に前記拡散ポンプ用オイルを塗布することを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
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