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JP4999766B2 - 能動型振動騒音低減装置 - Google Patents
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JP4999766B2 - 能動型振動騒音低減装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車の車室内などの空間において、適応ノッチフィルタを用いて車室内の振動騒音を能動的に低減する能動型振動騒音低減装置に関するものである。
従来から、例えば自動車の車室内の騒音を低減するために、その騒音と逆位相の打消し音(消音波)をスピーカ等より発生させて干渉を起こすことによって騒音を低減する能動型騒音制御が実用化されている。
上記の実用化においては、信号増幅用アンプ、スピーカをオーディオセットと共有し、オーディオ信号と前述の打消し音を加算した信号をスピーカから出力する形態が一般的である。
近年では、純正カーオーディオの音質が高いものが普及しており、カーオーディオと音場を共有する能動型騒音制御装置には、オーディオの音質への影響を及ぼさないことが要求されるようになってきている。
図10は、従来のSAN型1タップ適応ノッチフィルタを用いた能動型振動騒音低減装置を自動車に適用した場合の構成をブロック図で示したものである。
図10に示されるように、SAN型1タップ適応ノッチフィルタ1は、制御周波数算出手段1ac、余弦波発生器1aa、正弦波発生器1abとで構成される基準信号生成手段1aと、第1適応ノッチフィルタ1ba、第2適応ノッチフィルタ1bb、加算器10とで構成される適応ノッチフィルタ1bと、模擬余弦波信号生成手段1ca、模擬正弦波信号生成手段1cbとで構成される模擬信号生成手段1cと、第1係数更新手段1da、第2係数更新手段1dbとで構成されるフィルタ係数更新手段1dから構成されており、このSAN型1タップ適応ノッチフィルタ1と、打消し音を発生する振動騒音打消し手段であるスピーカ3と、騒音と前記打消し音との干渉による誤差信号を検出する誤差信号検出手段であるマイクロフォン4とで能動型振動騒音低減装置が構成されている。
上記のそれぞれの構成要素は、以下のように動作する。
まず、制御周波数算出手段1acが、エンジンパルス等からエンジン回転数を検出して得られたエンジン回転信号をもとに制御すべき周波数を算出する。
そして、余弦波発生器1aaが、制御周波数算出手段1acで算出された制御周波数をもとに余弦波の基準信号(基準余弦波信号)を生成する。同様に、正弦波発生器1abが、制御周波数算出手段1acで算出された制御周波数をもとに正弦波の基準信号(基準正弦波信号)を生成する。
次に、基準余弦波信号と第1適応ノッチフィルタ1baの係数の積および基準正弦波信号と第2適応ノッチフィルタ1bbの係数の積が加算器10によって加算され、消音波信号としてスピーカ3に出力され、スピーカ3は前記の消音波信号を打消し音として車室内に出力する。
マイクロフォン4は、車室内の騒音とスピーカ3から出力される打消し音との和を検出し、それを誤差信号としてSAN型1タップ適応ノッチフィルタ1の第1係数更新手段1daおよび第2係数更新手段1dbに出力する。
ここで、第1適応ノッチフィルタ1baおよび第2適応ノッチフィルタ1bbの係数は以下のようにして決定される。
模擬余弦波信号生成手段1caが、基準余弦波信号と模擬余弦波信号係数(スピーカ3からマイクロフォン4までの音響伝達特性を模擬した係数)との積を模擬余弦波信号として第1係数更新手段1daに出力する。同様に、模擬正弦波信号生成手段1cbが、基準正弦波信号と模擬正弦波信号係数(スピーカ3からマイクロフォン4までの音響伝達特性を模擬した係数)との積を模擬正弦波信号として第2係数更新手段1dbに出力する。
そして、第1係数更新手段1daが、マイクロフォン4から出力された誤差信号と模擬余弦波信号にもとづき、最小二乗法により誤差信号が最小となるように第1適応ノッチフィルタ1baの係数を更新し、同様に、第2係数更新手段1dbが、マイクロフォン4から出力される誤差信号と模擬正弦波信号にもとづき、最小二乗法により誤差信号が最小となるように第2適応ノッチフィルタ1bbの係数を更新する。
これらの処理をマイクロコンピュータなどの演算処理装置にて逐次演算処理し、消音波信号をもとにスピーカ3から出力される打消し音を、時々刻々と変化する車室内の騒音に対応させるように、第1適応ノッチフィルタの係数および第2適応ノッチフィルタの係数を更新することで、車室内の騒音低減を実現する。
従来のこの種の1タップ式能動型振動騒音低減装置に関する文献としては、例えば特許文献1がある。
特開2004−361721号公報
上記のような従来のSAN型1タップ適応ノッチフィルタを用いた能動型振動騒音低減装置は、スピーカ3からマイクロフォン4までを含めた音響伝達特性として音響伝達周波数特性が一定であれば、適応ノッチフィルタ1bの制御周波数成分以外の音への影響は非常に少ないが、この音響伝達周波数特性の位相特性に遅れが存在すると、このSAN型1タップ式の能動型振動騒音低減装置からの打消し音が、その制御周波数付近にある音を増音してしまうことが知られている。また、その増音量は音響伝達周波数特性のゲイン特性の大きさに比例することが知られている。
ここで、自動車内などの密閉空間においては、その音響伝達周波数特性は一定ではなく、例えば図11のように、ゲイン特性においてピーク・ディップが存在し、位相特性においては遅れが存在する。そして、その音響伝達特性においてゲイン特性のピークが大きい場合には、そのゲインピークの周波数付近の位相特性遅れも大きくなる。
つまり、図10に示す従来のSAN型1タップ適応ノッチフィルタを用いた能動型振動騒音低減装置を自動車等の密閉空間で使用した場合、適応ノッチフィルタ1bの制御周波数がゲインピークの周波数からある一定の範囲内(付近)にある時、すなわちfcontrol=fpeak±α[Hz](αは任意の正数、fpeak:ゲインピークの周波数、fcontrol:適応ノッチフィルタ1bの制御周波数)の時に、スピーカからの打消し音出力が、自動車等の密閉空間内で受聴される音楽のゲインピーク周波数の成分に重畳されて著しく増音してしまい、オーディオの音質に悪影響を与えるという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、密閉空間内で受聴される音楽のゲインピーク周波数成分に対して、スピーカからの打消し音出力による増音を低減することができ、オーディオの音質への悪影響を確実に抑えることができる能動型振動騒音低減装置を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の能動型振動騒音低減装置は、振動騒音源から発生する振動騒音を相殺するために騒音打消し信号を出力する1タップ適応ノッチフィルタと、前記騒音打消し信号に基づいて得られた制御信号が入力され前記振動騒音を相殺して打ち消す打消し音を出力する振動騒音打消し手段と、前記振動騒音と前記打消し音との干渉による誤差信号を検出して出力する誤差信号検出手段とを有する能動型振動騒音低減装置において、前記誤差信号として検出される前記振動騒音打消し手段と前記誤差信号検出手段間の音響伝達特性に応じた所定のノッチフィルタ周波数を有するノッチフィルタ基準余弦波信号およびノッチフィルタ基準正弦波信号を出力するノッチフィルタ基準信号生成手段と、前記ノッチフィルタ基準余弦波信号に対して第1ノッチフィルタ係数を反映させた第1ノッチフィルタ信号を出力する第1ノッチフィルタと、前記ノッチフィルタ基準正弦波信号に対して第2ノッチフィルタ係数を反映させた第2ノッチフィルタ信号を出力する第2ノッチフィルタと、前記第1ノッチフィルタ信号と前記第2ノッチフィルタ信号とを加算して得られたノッチフィルタ加算信号と前記騒音打消し信号とを加算した係数更新信号および前記ノッチフィルタ基準余弦波信号に基づいて、前記第1ノッチフィルタ係数を更新する第1ノッチフィルタ係数更新手段と、前記係数更新信号および前記ノッチフィルタ基準正弦波信号に基づいて、前記第2ノッチフィルタ係数を更新する第2ノッチフィルタ係数更新手段と、前記更新された第1ノッチフィルタ係数を反映させた第1ノッチフィルタ信号と前記更新された第2ノッチフィルタ係数を反映させた第2ノッチフィルタ信号とを加算して得られたノッチフィルタ加算信号に対して、所定の減衰パラメータを乗算した信号を出力する減衰手段とを有する他の1タップ型ノッチフィルタを設け、前記他の1タップ型ノッチフィルタは、前記減衰手段から出力した信号と前記騒音打消し信号とを加算して前記制御信号として出力し、前記振動騒音打消し手段は、前記制御信号に応じて出力する前記打消し音により前記振動騒音を相殺して打ち消すよう構成したことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の能動型振動騒音低減装置は、請求項1記載の能動型振動騒音低減装置であって、前記所定のノッチフィルタ周波数は、前記1タップ適応ノッチフィルタの基準信号の周波数に基づくものであることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の能動型振動騒音低減装置は、請求項1記載の能動型振動騒音低減装置であって、前記他の1タップ型ノッチフィルタは、前記騒音打消し信号の周波数が所定の範囲の場合に、前記ノッチフィルタ基準信号生成手段が駆動することにより動作することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の能動型振動騒音低減装置は、請求項1記載の能動型振動騒音低減装置であって、前記他の1タップ型ノッチフィルタは、前記誤差信号検出手段からの前記誤差信号の所定の周波数成分の出力レベルに基づいて、前記ノッチフィルタ基準信号生成手段が駆動することにより動作することを特徴とする。
以上のように本発明によれば、新たに他の1タップ型ノッチフィルタを設け、1タップ適応ノッチフィルタから出力される騒音打消し信号に他の1タップ型ノッチフィルタからの出力信号を加算した信号を制御信号とすることにより、打消し音の所定の範囲の周波数成分の出力を任意に抑制することができる。
よって、この能動型振動騒音低減装置を車内に適用した場合に、ゲインピーク周波数付近における打消し音の出力を抑制することができるため、密閉空間内で受聴される音楽のゲインピーク周波数成分に対して、スピーカからの打消し音出力による増音を低減することができ、オーディオの音質への悪影響を確実に抑えることができる。
以下、本発明の能動型振動騒音低減装置の一実施の形態を、図1〜図9を用いて具体的に説明する。なお、従来技術と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態の能動型振動騒音低減装置の構成をブロック図で示したものであり、図2は同要部である他の1タップ型ノッチフィルタの構成を示すブロック図、図3、図4および図6は同要部である他の1タップ型ノッチフィルタの周波数特性(1)説明図、(2)説明図および(3)説明図、図5は自動車内における周波数特性説明図および図7は同自動車内における従来の能動型振動騒音低減装置との効果を比較した周波数特性説明図、図8は同展開例の要部である他の1タップ型ノッチフィルタの構成を示すブロック図、図9は他の展開例の要部である他の1タップ型ノッチフィルタの構成を示すブロック図であり、車室内の主騒音であるエンジンの回転に同期したこもり音を低減する場合を例に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の能動型振動騒音低減装置は、SAN型1タップ適応ノッチフィルタ(タップ適応ノッチフィルタ)1と、その出力部に設けられた他の1タップ型ノッチフィルタ2と、振動騒音打消し手段であるスピーカ3と、誤差信号検出手段であるマイクロフォン4とで構成されており、SAN型1タップ適応ノッチフィルタ1および他の1タップ型ノッチフィルタ2の逐次処理をマイクロコンピュータ5にて行うものである。
従来技術との相違点は、他の1タップ型ノッチフィルタ2であるので、ここでは全体説明を省略して相違点である他の1タップ型ノッチフィルタ2に係る部分についてのみ説明する。
他の1タップ型ノッチフィルタ2は、図2に示すように、前記誤差信号として検出される前記振動騒音打消し手段であるスピーカ3と前記誤差信号検出手段であるマイクロフォン4間の音響伝達特性に応じた所定のノッチフィルタ周波数を有するノッチフィルタ基準余弦波信号2aおよびノッチフィルタ基準正弦波信号2bを出力するノッチフィルタ基準信号生成手段2c、第1ノッチフィルタ2d、第2ノッチフィルタ2e、第1ノッチフィルタ係数更新手段2f、第2ノッチフィルタ係数更新手段2g、減衰手段2h、複数の加算器10a、10bおよび10cとで構成される。
他の1タップ型ノッチフィルタ2の動作を、以下に説明する。
ノッチフィルタ基準信号生成手段2cによって、ノッチフィルタ基準余弦波信号2a及びノッチフィルタ基準正弦波信号2bがそれぞれ出力される。
ノッチフィルタ基準余弦波信号2aと第1ノッチフィルタ2dの係数の積およびノッチフィルタ基準正弦波信号2bと第2ノッチフィルタ2eの係数の積が、加算器10aによって加算され、ノッチフィルタ加算信号Vout_sとして出力される。
ノッチフィルタ加算信号Vout_sとSAN型1タップ適応ノッチフィルタ1からの騒音打消し信号Vinが加算器10bによって加算され、係数更新信号Vin_sとして第1ノッチフィルタ係数更新手段2f及び第2ノッチフィルタ係数更新手段2gに出力される。
第1ノッチフィルタ係数更新手段2fは、係数更新信号Vin_sとノッチフィルタ基準余弦波信号2aにもとづき、最小二乗法により係数更新信号Vin_sが最小となるように第1ノッチフィルタ2dの係数を更新する。同様に、第2ノッチフィルタ係数更新手段2gは、係数更新信号Vin_sとノッチフィルタ基準正弦波信号2bにもとづき、最小二乗法により係数更新信号Vin_sが最小となるように第2ノッチフィルタの係数2eを更新する。
次に、上記の第1ノッチフィルタ2dおよび第2ノッチフィルタ2eの係数更新式を求める場合を説明する。
第1ノッチフィルタ2dの係数をw1とおくと、第1ノッチフィルタ2dの更新式は、最小二乗法より式(1)で表される。
Figure 0004999766
なお、nはマイクロコンピュータ5の逐次演算のステップ数であり、μ_fixは最小二乗法の逐次演算のステップサイズパラメータである。
ここで
Figure 0004999766
より、式(1)は下記の式(3)となる。
Figure 0004999766
ωは、他の1タップ型ノッチフィルタ2が持つ所定の角周波数である。
同様に、第2ノッチフィルタ2eの係数をw2とおくと、第2ノッチフィルタ2eの係数更新式は以下の式(4)となる。
Figure 0004999766
ここで、Vout_sは第1ノッチフィルタ2dからの信号と第2ノッチフィルタ2eからの信号の加算信号なので、
Figure 0004999766
とした。
このフィルタ演算によるVout_s/Vin_sの周波数特性は、図3のような特性となる(図3はω=2π×50[rad/sec]、μ_fix=0.04とした場合を示す)。
また、この演算処理により出力されるノッチフィルタ加算信号Vout_sと所定の減衰パラメータRed_feとの積と、騒音打消し信号Vinとが加算器10cで加算され、
Figure 0004999766
の制御信号Voutがスピーカ3に入力される。
このとき、ノッチフィルタ周波数における減衰量(Vout/Vin)は、以下の式(7)となる。
Figure 0004999766
また、この演算によるVout/Vinの周波数特性(他の1タップ型ノッチフィルタ2の周波数特性)は、図4(図4はω=2π×50[rad/sec]、μ_fix=0.04とした場合を示す)のような特性となる。
この他の1タップ型ノッチフィルタ2を有する能動型振動騒音低減装置のスピーカ3からマイクロフォン4を含んだ音響伝達特性は、図5に示すように、大きなゲインピークが抑制され、かつ急峻であった位相回転がなだらかなものとなっている。
なお、図5は、ω=2π×73[rad/sec]、μ_fix=0.16とした場合であり、他の1タップ型ノッチフィルタ2の周波数特性Vout/Vinは図6の通りとなる。
また、図7は従来技術との差異を示す周波数特性説明図である。図7は、図5に示す音響伝達特性を有する車室内において、従来の能動型振動騒音低減装置と、本実施の形態の他の1タップ型ノッチフィルタ2(ω=2π×73[rad/sec]、μ_fix=0.16)を有する能動型振動騒音低減装置とで、60Hz制御時に、70Hz付近の音楽成分を増音している様子を示している。
実線が、能動型振動騒音低減装置無しの場合、一転鎖線が従来の能動型振動騒音低減装置の場合、点線が本実施の形態における他の1タップ型ノッチフィルタ2を有する能動型振動騒音低減装置の場合の音圧レベルと周波数の関係であり、増音が明らかに抑制されていることがわかる。
以下、本実施の形態の能動型振動騒音低減装置における他の1タップ型ノッチフィルタ2のノッチフィルタ基準信号生成手段2cに更なる特徴を設けた展開例について説明する。
(展開例1)
本展開例の本実施の形態(図1)との相違点は、本実施の形態の他の1タップ型ノッチフィルタ2において、図8に示す如く、騒音打消し信号Vinをノッチフィルタ基準信号生成手段2cに入力することでノッチフィルタ基準信号生成手段2cのノッチフィルタ周波数fの決定を騒音打消し信号Vinに基づいて行なうものとした点である。
すなわち、騒音打消し信号Vinの周波数はSAN型1タップノッチフィルタ1の基準信号の周波数であるので、f=fcontrol±β[Hz](βはゲインが大きい周波数の帯域幅に合わせて任意に設定可能)のノッチフィルタ周波数を有する基準信号を生成する。
騒音打消し信号Vinの周波数とノッチフィルタ周波数が上記のような関係を持つことにより、ノッチフィルタ周波数、つまり増音を抑制する周波数帯域が一定ではなく、制御周波数に追随して増音を抑制する周波数も変化するので、打消し音に起因する増音を常に抑制させることができ、様々な音響伝達特性を有する空間に対応させることが可能となる。
(展開例2)
本展開例の能動型振動騒音低減装置は、ブロック図として特に図示しないが、展開例1を説明した図8において、騒音打消し信号Vinをノッチフィルタ基準信号生成手段2cに入力するに際し、基準信号生成可否判別手段を介して行なうものである。
即ち、他の1タップ型ノッチフィルタ2のノッチフィルタ基準信号生成手段2cを、騒音打消し信号Vinの周波数帯域に基づいて基準信号を生成するか否かを決定するように構成したものである。
例えば、能動型振動騒音低減装置を図3に示す音響伝達特性を有する空間に適用したとすると、図3に示す周波数帯域では、前記基準信号生成可否判別手段は打消し音が60−80Hzに存在するゲインピーク周波数付近以外の周波数であるときは、打消し音による音楽の顕著な増音はないので、他の1タップ型ノッチフィルタ2を動作させず、騒音打消し信号の周波数が60−80Hz付近の場合にのみ、ノッチフィルタ基準信号生成手段2cが基準信号を生成し、他の1タップ型ノッチフィルタ2を動作させるようにすることで、それ以外の周波数範囲においても行っていた1タップ型ノッチフィルタ2の演算の分だけ、その演算量を低減させることが可能となるものである。
(展開例3)
本展開例の本実施の形態との相違点は、本実施の形態の他の1タップ型ノッチフィルタ2のノッチフィルタ基準信号生成手段2cを、図9に示す如く、マイクロフォン4から出力された誤差信号をノッチフィルタ基準信号生成手段2cに入力するに際し、基準信号生成可否判別手段11を介して入力するように構成したものである。
この基準信号生成可否判別手段11によって、マイクロフォン4から出力された誤差信号の所定の周波数の出力レベルに基づいて基準信号を生成するか否かを決定するように構成したものである。
つまり、図11に示す音響伝達特性を有する空間に本展開例の能動型振動騒音低減装置を適用した場合、60−80Hzに存在するゲインピーク周波数付近に音楽の周波数成分が存在しないか、もしくは人間の聴覚で把握することができない出力レベルであるときは、他の1タップ型ノッチフィルタ2を動作させず、音楽のゲインピーク周波数付近の成分の出力レベルが打消し音によって増音されたときに、その増音が人間の聴覚で把握することができるレベルであるときにのみノッチフィルタ基準信号生成手段2cが基準信号を生成し、他の1タップ型ノッチフィルタ2を動作させるようにすることで、出力レベルが小さいときにも行っていた他の1タップ型ノッチフィルタ2の演算の分だけ、その演算量を低減させることが可能となるものである。
以上述べたように、本実施の形態および展開例の能動型振動騒音低減装置は、他の1タップ型ノッチフィルタ2によって、スピーカ出力のスピーカからマイクロフォンまでを含む音響伝達特性のゲインピーク周波数成分を抑制することによって、制御周波数付近の音楽成分や他の騒音成分の増音を効果的に抑制できるものである。
よって、自動車搭乗時に乗員が音楽を聞いている場合でも、車内の騒音を消音するとともに、上記音響伝達特性のゲインピーク周波数成分の音楽成分の音質への影響(音楽の増音)の少ない能動型振動騒音低減装置を提供することが可能となるものである。
本発明の能動型振動騒音低減装置は、密閉空間内で受聴される音楽のゲインピーク周波数成分に対して、スピーカからの打消し音出力による増音を低減することができ、オーディオの音質への悪影響を確実に抑えることができるものであり、自動車等の移動装置の内部空間に使用することができ、さらには住宅やマンション、オフィス等の居住空間への応用展開も期待できるものである。
本発明の実施の形態の能動型振動騒音低減装置の構成を示すブロック図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置における要部である他の1タップ型ノッチフィルタの構成を示すブロック図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置における要部である他の1タップ型ノッチフィルタの周波数特性(1)説明図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置における要部である他の1タップ型ノッチフィルタの周波数特性(2)説明図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置を自動車内に適用した場合の自動車内の周波数特性の説明図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置における要部である他の1タップ型ノッチフィルタの周波数特性(3)説明図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置の従来例との自動車内における効果比較のための周波数特性説明図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置の展開例において要部である他の1タップ型ノッチフィルタの構成を示すブロック図 同実施の形態の能動型振動騒音低減装置の他の展開例において要部である他の1タップ型ノッチフィルタの構成を示すブロック図 従来の能動型振動騒音低減装置の構成を示すブロック図 一般的な自動車内の音響伝達周波数特性の説明図
符号の説明
1 SAN型1タップ適応ノッチフィルタ
1a 基準信号生成手段
1aa 余弦波発生器
1ab 正弦波発生器
1ac 制御周波数算出手段
1b 適応ノッチフィルタ
1ba 第1適応ノッチフィルタ
1bb 第2適応ノッチフィルタ
1c 模擬信号生成手段
1ca 模擬余弦波信号生成手段
1cb 模擬正弦波信号生成手段
1d フィルタ係数更新手段
1da 第1係数更新手段
1db 第2係数更新手段
2 他の1タップ型ノッチフィルタ
2a ノッチフィルタ基準余弦波信号
2b ノッチフィルタ基準正弦波信号
2c ノッチフィルタ基準信号生成手段
2d 第1ノッチフィルタ
2e 第2ノッチフィルタ
2f 第1ノッチフィルタ係数更新手段
2g 第2ノッチフィルタ係数更新手段
2h 減衰手段
3 スピーカ
4 マイクロフォン
10、10a、10b、10c 加算器
11 基準信号生成可否判別手段

Claims (4)

  1. 振動騒音源から発生する振動騒音を相殺するために騒音打消し信号を出力する1タップ適応ノッチフィルタと、
    前記騒音打消し信号に基づいて得られた制御信号が入力され前記振動騒音を相殺して打ち消す打消し音を出力する振動騒音打消し手段と、
    前記振動騒音と前記打消し音との干渉による誤差信号を検出して出力する誤差信号検出手段と
    を有する能動型振動騒音低減装置において、
    前記誤差信号として検出される前記振動騒音打消し手段と前記誤差信号検出手段間の音響伝達特性に応じた所定のノッチフィルタ周波数を有するノッチフィルタ基準余弦波信号およびノッチフィルタ基準正弦波信号を出力するノッチフィルタ基準信号生成手段と、
    前記ノッチフィルタ基準余弦波信号に対して第1ノッチフィルタ係数を反映させた第1ノッチフィルタ信号を出力する第1ノッチフィルタと、
    前記ノッチフィルタ基準正弦波信号に対して第2ノッチフィルタ係数を反映させた第2ノッチフィルタ信号を出力する第2ノッチフィルタと、
    前記第1ノッチフィルタ信号と前記第2ノッチフィルタ信号とを加算して得られたノッチフィルタ加算信号と前記騒音打消し信号とを加算した係数更新信号および前記ノッチフィルタ基準余弦波信号に基づいて、前記第1ノッチフィルタ係数を更新する第1ノッチフィルタ係数更新手段と、
    前記係数更新信号および前記ノッチフィルタ基準正弦波信号に基づいて、前記第2ノッチフィルタ係数を更新する第2ノッチフィルタ係数更新手段と、
    前記更新された第1ノッチフィルタ係数を反映させた第1ノッチフィルタ信号と
    前記更新された第2ノッチフィルタ係数を反映させた第2ノッチフィルタ信号とを加算して得られたノッチフィルタ加算信号に対して、所定の減衰パラメータを乗算した信号を出力する減衰手段と
    を有する他の1タップ型ノッチフィルタを設け、
    前記他の1タップ型ノッチフィルタは、
    前記減衰手段から出力した信号と前記騒音打消し信号とを加算して前記制御信号として出力し、
    前記振動騒音打消し手段は、
    前記制御信号に応じて出力する前記打消し音により前記振動騒音を相殺して打ち消すよう構成した
    ことを特徴とする能動型振動騒音低減装置。
  2. 前記所定のノッチフィルタ周波数は、前記1タップ適応ノッチフィルタの基準信号の周波数に基づくものである
    ことを特徴とする請求項1記載の能動型振動騒音低減装置。
  3. 前記他の1タップ型ノッチフィルタは、
    前記騒音打消し信号の周波数が所定の範囲の場合に、
    前記ノッチフィルタ基準信号生成手段が駆動することにより動作する
    ことを特徴とする請求項1記載の能動型振動騒音低減装置。
  4. 前記他の1タップ型ノッチフィルタは、
    前記誤差信号検出手段からの前記誤差信号の所定の周波数成分の出力レベルに基づいて、
    前記ノッチフィルタ基準信号生成手段が駆動することにより動作する
    ことを特徴とする請求項1記載の能動型振動騒音低減装置。
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