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JP5007621B2 - ハイブリッド車両の回生制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、有効圧縮比を変更する機構を有した内燃機関と電動機とを連結した原動機を備えたハイブリッド車両において、減速時の発電機として機能する電動機による回生効率を高めつつ再加速時の応答性を確保する制御技術に関する。
特許文献1には、上記ハイブリッド車両において、減速時に、電動機を発電機として機能させることにより、制動力を電力に変換して回生する技術が開示されている。
特開平10−023603号公報
上記特許文献1のように、減速時に回生を行うハイブリッド車両において、減速回生時に内燃機関と電動機とを切り離せないシステム構成の場合、内燃機関の連れ回しでの振動や、機関のフリクション損失による回生量の減少が生じる。
このため、有効圧縮比を低減する機構を備えた内燃機関では、減速時に回生を行う際に、有効圧縮比を低減して振動を抑制し、回生量を増大する方法が考えられる。
しかし、この方法では、有効圧縮比低減中に全開加速等の高出力要求が生じると、有効圧縮比低減機構の解除応答遅れによって、出力要求に十分に応えられず良好な加速感が得られない。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、減速時に圧縮比を低減しつつ回生している状態から再加速する際に、機関のトルク応答を良くして良好な加速感を得られるようにすることを目的とする。
このため、本発明は、
有効圧縮比を変更する機構を有した内燃機関と、電動機とが連結された原動機を搭載したハイブリッド車両の減速時に、前記電動機を発電機として発電させて回生を行うハイブリッド車両の回生制御装置において、以下の構成とした。
前記回生時に、ブレーキ操作をしているときは有効圧縮比を低減しつつ、該有効圧縮比の低減に応じて前記発電の回生量を増大補正する。
ブレーキ操作を開放したときに前記有効圧縮比の低減を解除する。
ブレーキ操作中に有効圧縮比を低減し機関の回転抵抗が減少する分を、回生量の増大補正量に充てて燃費を改善することができるとともに、機関の回転抵抗の減少によって振動を低減できる。
また、有効圧縮比を低減して回生している状態から再加速する際に、ブレーキ操作を開放したエンジンブレーキ状態で、有効圧縮比の低減解除が開始されるため、アクセルを踏み込んで加速するときには、既に、有効圧縮比を高められた状態で機関出力が増大されて加速されるため、良好な加速感が得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の駆動系の概略を示している。
エンジン(内燃機関)1の出力軸と、モータ(電動機)2の出力軸の一端部が連結され、該モータ2の他端部には、入/出力プーリ径比を変更することで変速比を無段に可変制御する無段変速機3が接続され、該無段変速機2の出力軸(出力プーリ軸)が、クラッチ4を介してギア軸5の一端に接続されている。なお、変速機は、上記無段変速機に限定されず、有段変速機であっても構わない。
前記ギア軸5に固定されたギア5aは、両端に車輪6が連結された車軸(駆動軸)7に固定されたギア7aと噛み合い、エンジン1およびモータ2の駆動力が、前記無段変速機3、クラッチ4、ギア5a、ギア7a、車軸7を介して車輪6に伝達される。
また、モータ2には、インバータ8を介してバッテリ(蓄電装置)9が接続され、モータ2が電動機として機能するときはバッテリ9から電力が供給され、モータ2が発電機として機能するときは、発電された電力がバッテリ9に充電される。
図2は、エンジン1の一例を示す。
エンジン1は、ディーゼルエンジンであり、吸入空気は、エアクリーナ22から吸気通路23、コレクタ24、吸気マニホールド25、吸気カム26により開閉駆動される吸気弁27を介してシリンダ28内に吸入される。
シリンダ28内には、ピストン29が嵌挿され、燃料噴射弁30によって燃料が噴射供給される。燃焼排気は、排気カム31によって開閉駆動される排気弁32を介して排気通路33へ排出される。
排気の一部は、EGRガスとしてEGR通路34に導入され、EGR弁35によってEGR量を制御されつつ吸気マニホールド25に還流される。
そして、エンジン1の有効圧縮比を変更する機構として、吸気弁27のバルブタイミング(作動角中心からの進角量として、以下、VTC角度θvで表す)を変更する可変バルブタイミング機構36を備える。
ここで、上記可変バルブタイミング機構36により、VTC角度θvを遅角するほど吸気弁27の閉時期IVCが、下死点から遠ざかって有効圧縮比が減少し、VTC角度θvを進角するほど有効圧縮比が減少する。なお、吸気弁が吸気下死点前で閉じる場合は、吸気弁の閉時期IVCを進角させることにより、有効圧縮比が減少する。
有効圧縮比を変更することは、実質的に圧縮上死点での圧縮圧力を変更すること、つまり、吸気の充填効率を変更することと同等であるから、有効圧縮比を変更する機構としては、上記可変バルブタイミング機構の他、吸気弁の作動角やリフト量を変更する可変バルブリフト機構、吸気スロットル弁等による吸気絞り機構等であってもよい。
また、エンジン1としては、ガソリンエンジンであってもよいことは勿論である。
図1に戻って、ECU(電子制御ユニット)10には、アクセルペダル踏量APSを検出するアクセルセンサ51、ブレーキペダル踏量BPSを検出するブレーキセンサ52、エンジン回転速度Ne(=モータ回転速度)を検出する回転速度センサ53、バッテリ9の充電状態(SOC)を検出するためのバッテリ電圧Vb、その他運転状態を検出する各種センサ類からの検出信号が入力される。
ECU10は、上記検出信号により得られる運転者の操作情報、運転状態情報、バッテリ9の充電状態(SOC)情報などに基づいてエンジン1、モータ2の要求出力を演算し、要求出力に応じた指令値を出力して、エンジン1、モータ2、インバータ8等を制御する。また、モータ2を発電機として作動させる回生の要求の有無を判定し、回生要求がある場合は要求に応じた指令値を出力して回生制御を行う。
ここで、減速時に回生を行うときは、上記可変バルブタイミング機構36によってブレーキ操作中に有効圧縮比を低減し、エンジン1の回転抵抗を減少させ、その分、モータ1の発電トルクを大きくし、回生量を増大補正する。
以下、上記回生量の補正制御を、図3のフローチャートにしたがって、説明する。
ステップS1では、前記アクセルセンサ51からの信号に基づいて、アクセルペダルを踏んでいる(アクセル踏量>0)かを判定し、アクセルペダルを踏んでいないと判定されたときは、ステップS2で、ブレーキペダルを踏んでいる(ブレーキ踏量>0)かを判定する。
ステップS2でブレーキペダルを踏んでいると判定されたときは、ステップS3へ進み、バッテリ9の充電量SOCが過充電防止用のしきい値SOCh以下であるかを判定し、しきい値SOCh以下と判定されたときに、ステップS4以降へ進んで、回生量の増大補正を実行する。
ステップS4では、可変バルブタイミング機構36によるVTC角度θvの指令値を算出する。
具体的には、図4に示す特性により、ブレーキ踏量BPSの増大に応じてVTC角度θvを遅角させ、エンジン1の有効圧縮比を減少させる。
ステップS5では、上記のように算出したVTC角度θvの指令値を、可変バルブタイミング機構36に出力し、ブレーキ操作中の吸気弁27のバルブタイミングを制御する。
ステップS6以降では、ブレーキ操作中の回生量を、上記VTC角度θvによる有効圧縮比の低減量に応じて補正する。
ステップS6では、回生量の増大補正量として、モータ1の発電トルクの増大補正量を演算する。具体的には、図5に示す特性により、有効圧縮比が減少するほど、増大補正量dTgを大きい値に算出する。
ステップS7では、上記のように算出した増大補正量dTgを出力し、モータ1の発電トルクを補正する。具体的には、増大補正量dTgが大きいほど、モータ1の界磁電流を大きくして発電トルクを増大させる。
これにより、図6に示すように、ブレーキ踏量BPSが増大するほどVTC角度θvが遅角して有効圧縮比が減少し、増大補正量dTgが増大して回生量がより増大する。
また、有効圧縮比の減少によるエンジン1の回転抵抗の減少に見合うように、発電トルクの増大補正量dTgを大きくしているので、制動力は変化せず、制動性能も満たされる。
このようにして、ブレーキ操作中に回生量の増大補正を行っている状態から、ブレーキペダルを離し、エンジンブレーキによるコースト減速に移行すると、ステップS2の判定がNOとなって、ステップS8へ進み、可変バルブタイミング機構36によるVTC角度θvの遅角補正が解除される。
これにより、エンジン1の有効圧縮比の低減が解除され、その後、アクセルペダルを踏んで再加速するときまでに有効圧縮比を高めておけるので、再加速時にエンジントルクを応答良く増大させて良好な加速感を得ることができる。
図7は、上記実施形態における制御時のタイミングチャートを示す。
時刻t0では、コースト減速回生の状態であり、VTC角度θvは最進角側で有効圧縮比の低減は行われていない。
t1からt2の間、運転者の操作により徐々にブレーキ踏量が増加すると、ブレーキ踏量に応じてVTC角度θvが遅角される。また、発電トルクの増大補正量dTgが0から増加する。
t3で運転者によりブレーキペダルが離されると、発電トルクの増大補正量dTgが減少し、コースト回生状態となって、VTC角度θvはt4で進角側に復帰する。
t5でアクセルペダルが大きく踏まれるが、エンジン1の有効圧縮比の低減は解除されているため、充分なトルク応答で動作することができる。
以上実施形態で示したように、ブレーキ操作時にエンジン1の有効圧縮比を低減しながら、該有効圧縮比の低減に応じた回生量の増大補正を行うことで、燃費を改善することができるとともに、有効圧縮比低減により機関の振動を低減できる。
また、有効圧縮比を低減して回生している状態から再加速する際に、ブレーキ操作を開放したエンジンブレーキ状態で、有効圧縮比の低減解除が開始されるため、アクセルを踏み込んで加速するときには、既に、有効圧縮比を高められた状態で機関出力が増大されて加速されるため、良好な加速感が得られる。
また、本実施形態では、可変バルブタイミング機構36によって、全気筒略同時に有効圧縮比が変更され、有効圧縮比の低減、低減解除を応答よく行える。
また、可変バルブタイミング機構36によりを連続的に変更できることを利用し、ブレーキ操作量が大きいほど有効圧縮比の低減量を大きくするようにしたので、加速要求の発生時期に対し圧縮比復帰完了時期の遅れを抑制しつつ、より有効圧縮比を低減して回生量の増大、振動低減効果を高めることができる。また、ブレーキ踏量に対する制動力の設定が一定に維持されて、ブレーキフィーリングも良好に保つことができる。
また、バッテリ9の充電量SOCが過充電防止用のしきい値SOChを超えたときは、有効圧縮比の低減および該低減に伴う回生量の増大補正を禁止するようにしたので、バッテリ9の過充電を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の駆動系の概略を示す図。 同上実施形態のエンジンの一例を示す図。 同上実施形態の回生量の補正制御を示すフローチャート。 同上実施形態において、ブレーキ踏量に対する有効圧縮比の特性を示す図。 同上実施形態において、有効圧縮比に対する発電トルクの増大補正量の特性を示す図。 同上実施形態において、ブレーキ踏量に対する目標発電トルクの特性を示す図。 本発明に係る回生時の制御を行った場合の、各種状態量の変化の様子を示す図。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 モータ(電動機)
9 バッテリ
10 電子制御ユニット
51 アクセルセンサ
52 ブレーキセンサ

Claims (6)

  1. 有効圧縮比を変更する機構を有した内燃機関と、電動機とが連結された原動機を搭載したハイブリッド車両の減速時に、前記電動機を発電機として発電させて回生を行うハイブリッド車両の回生制御装置において、
    前記回生時に、ブレーキ操作をしているときは有効圧縮比を低減しつつ、該有効圧縮比の低減に応じて前記発電の回生量を増大補正し、ブレーキ操作を開放したときに前記有効圧縮比の低減を解除することを特徴とするハイブリッド車両の回生制御装置。
  2. 前記有効圧縮比を変更する機構は気筒毎に設けられ、回生時に、ブレーキ操作しているときは全気筒の有効圧縮比を低減し、ブレーキ操作を解除したときに全気筒の有効圧縮比の低減を解除することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の回生制御装置。
  3. 回生時のブレーキ操作量が大きいときほど、有効圧縮比の低減量を大きくすると共に回生量の増大補正量を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の回生制御装置。
  4. 前記電動機に電力を供給する蓄電装置の充電量が過充電防止用のしきい値を超えるときは、前記回生時に有効圧縮比を低減する制御を禁止することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の回生制御装置。
  5. 前記有効圧縮比を変更する機構は、有効圧縮比を連続的に変更可能であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の回生制御装置。
  6. 前記有効圧縮比を変更する機構は、内燃機関の吸気弁のバルブ特性を可変とする機構であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のハイブリッド回生制御装置。
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