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JP5009761B2 - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents
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JP5009761B2 - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システム及びその制御方法に関する。より詳しくは、発電停止後において燃料電池内部の掃気を行う燃料電池システム及びその制御方法に関する。
近年、自動車の新たな動力源として燃料電池システムが注目されている。燃料電池システムは、例えば、反応ガスを化学反応させて発電する燃料電池と、反応ガス流路を介して燃料電池に反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、この反応ガス供給装置を制御する制御装置と、を備える。
燃料電池は、例えば、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造である。ここで、各セルは、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持して構成され、膜電極構造体は、アノード電極(陽極)及びカソード電極(陰極)の2つの電極と、これら電極に挟持された固体高分子電解質膜とで構成される。
この燃料電池のアノード電極にアノードガスとしての水素ガスを供給し、カソード電極にカソードガスとしてのエアを供給すると、電気化学反応により発電する。この発電時に生成されるのは、基本的に無害な水だけであるため、環境への影響や利用効率の観点から、燃料電池が注目されている。
ところで、発電停止後の燃料電池システムにおいて、燃料電池や反応ガス流路の内部などには、発電中に生成された水が残留する。外気温度が氷点下の環境に、発電停止後の燃料電池システムを放置すると、このような残留水が燃料電池や反応ガス流路の内部で凍結してしまい、次回燃料電池システムを起動する際に、燃料電池の発電性能を確保しにくくなるおそれがある。
そこで従来より、燃料電池の発電が停止した後において、これら燃料電池や反応ガス流路の内部に掃気ガスを流通させることで、残留水をシステム外部に排出させる燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−207716号公報
ところで、このような燃料電池システムでは、システムを構成する装置ごとに温度差があるとともに、その温度変化特性も異なる。
図5は、発電停止後における燃料電池温度及びシステム温度の時間変化を示す図である。図5において、横軸は、イグニッションがオフにされた時刻を0とした、発電停止後の時間を示し、縦軸は、温度を示す。また、この図において、システム温度とは、例えば、ガス流路の末端の温度を示し、燃料電池システムを構成する装置のうち最も低い温度とする。
図5中、破線91,92は、それぞれ、風が吹いていない環境に放置された燃料電池システムにおける燃料電池温度及びシステム温度を示し、実線93,94は、それぞれ、風が吹いている環境に放置された燃料電池システムにおける燃料電池温度及びシステム温度を示す。
図5に示すように、発電停止後は、燃料電池温度及びシステム温度ともに減少するが、燃料電池温度は、システム温度よりも常に高い。また、風が吹く環境に燃料電池システムを放置した場合には、燃料電池温度及びシステム温度ともに速く減少する。また、システム温度は、燃料電池温度よりも、外気の状態による温度の変化が大きい。
ここで、上述の特許文献1に示された燃料電池システムを応用し、システム温度が所定の掃気実行温度に達した場合に掃気を開始する燃料電池システムを想定する。なお、燃料電池システムでは、燃料電池に加えて反応ガス流路も凍結から保護する必要があるため、ここでは、燃料電池よりも温度が低いシステム温度を掃気開始の判定温度に用いる。
この燃料電池システムでは、風がある環境では時刻tにおいて掃気が開始され、風がない環境では時刻tより遅い時刻tにおいて掃気が開始される。このとき、風がある環境における掃気開始時刻の燃料電池温度をTとすると、風がない環境における掃気開始時刻の燃料電池温度は、Tよりも低いTとなる。すなわち、外気の状態により、掃気開始時刻の燃料電池温度は異なる。
しかしながら、上述の特許文献1に示された燃料電池システムでは、このような燃料電池の状態にかかわらず、供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量は一定である。
このため、反応ガス流路よりも燃料電池の温度が高い状態で掃気ガスを供給すると、燃料電池内部での急激な温度上昇により掃気ガスの体積流量が増加し、燃料電池における掃気ガスの圧損が高くなってしまい、結果として、燃料電池内部の圧力が、燃料電池を保護するために設定された耐久圧力上限を上回ってしまうおそれがある。
また、このように耐久圧力上限を上回らないように、供給する掃気ガスの体積流量を少なくした場合には、掃気が完了するまでに必要以上の時間がかかってしまうおそれがある。
また、このようにシステム温度に基づいて掃気開始の判断を行わず、例えば、燃料電池の発電停止直後、あるいは、発電停止から所定時間後に掃気を開始する場合であっても、発電中における燃料電池の使用状況に応じて、掃気開始時刻における燃料電池温度にばらつきが生じてしまう。
本発明は、発電停止後に掃気を行う燃料電池システムであって、システムの状態に適した流量の掃気ガスを供給可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システム(例えば、後述の燃料電池システム1)は、反応ガス(例えば、後述の水素ガス及び空気など)の反応により発電する燃料電池(例えば、後述の燃料電池10など)と、前記燃料電池に接続され、反応ガスが流通する反応ガス流路(例えば、後述のエア供給路23、エア排出路24、水素供給路25、水素還流路26、アノードエア排出路29、アノードエア導入路31、及び希釈器50の排出管51など)と、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガス(例えば、後述の空気)を供給する掃気ガス供給手段(例えば、後述のエアコンプレッサ21、背圧弁241、アノードエア排出弁291、及びアノードエア導入弁311など)と、前記燃料電池による発電の停止後において、システム温度(例えば、後述のシステム温度センサ52により検出されたシステム温度T)に基づいて前記燃料電池及び前記反応ガス流路の掃気を実行する必要があるか否かを判断する掃気必要判断手段(例えば、後述の制御装置40の掃気必要判断部41など)と、前記掃気必要判断手段により、掃気を実行する必要があると判断された場合には、前記掃気ガス供給手段を制御して、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガスを供給する掃気実行手段(例えば、後述の制御装置40の掃気実行部42など)と、を備える燃料電池システムであって、前記燃料電池の温度を検出する燃料電池温度検出手段(例えば、後述のオフガス温度センサ11など)をさらに備え、前記掃気実行手段は、前記燃料電池温度検出手段により検出された燃料電池の温度が高いほど、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を減少することを特徴とする。
この発明によれば、システム温度に基づいて、燃料電池及び反応ガス流路の掃気を実行する必要があるか否かを判断する。これにより、掃気を実行する回数を最小限にとどめ、掃気の実行にかかる電力の消費を最小限にすることができる。
また、発電停止後、燃料電池及び反応ガス流路の掃気を実行する際において、燃料電池の温度が高いほど、これら燃料電池及び反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの流量を減少する。
これにより、例えば、掃気開始時における燃料電池の温度に適した単位時間当りの体積流量で掃気ガスを供給することができる。すなわち、燃料電池内における掃気ガスの熱膨張を考慮して、燃料電池内の圧力が耐久圧力上限以下になるように掃気ガスを供給することができる。
また、このように、燃料電池の温度に合わせて掃気ガスの単位時間当りの体積流量を変更することにより、常に燃料電池内の圧力が耐久圧力以下となるような体積流量で掃気ガスを供給する場合と比較して、掃気にかかる時間を短縮できる。
この場合、外気温度を検出する外気温度検出手段(例えば、後述の外気温度センサ59など)をさらに備え、前記掃気実行手段は、前記外気温度検出手段により検出された外気温度に応じて、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を補正することが好ましい。
この発明によれば、外気温度に応じて掃気ガスの単位時間当りの体積流量を補正する。これにより、例えば、外気温度と燃料電池の温度との温度差が大きく、燃料電池内での掃気ガスの熱膨張率が高い場合であっても、燃料電池内の圧力が耐久圧力上限以下となるように掃気ガスを供給することができる。
本発明の燃料電池システムの制御方法は、反応ガス(例えば、後述の水素ガス及び空気など)の反応により発電する燃料電池(例えば、後述の燃料電池10など)と、前記燃料電池に接続され、反応ガスが流通する反応ガス流路(例えば、後述のエア供給路23、エア排出路24、水素供給路25、水素還流路26、アノードエア排出路29、アノードエア導入路31、及び希釈器50の排出管51など)と、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガス(例えば、後述の空気)を供給する掃気ガス供給手段(例えば、後述のエアコンプレッサ21、背圧弁241、アノードエア排出弁291、及びアノードエア導入弁311など)と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池による発電の停止後において、システム温度(例えば、後述のシステム温度センサ52により検出されたシステム温度T)に基づいて前記燃料電池及び前記反応ガス流路の掃気を実行する必要があるか否かを判断する掃気必要判断ステップ(例えば、後述の掃気処理のステップS1)と、掃気を実行する必要があると判断された場合には、前記掃気ガス供給手段を制御して、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガスを供給するとともに、燃料電池の温度が高いほど、前記燃料電池及び前記反応ガスに供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を減少する掃気実行ステップ(例えば、後述の掃気処理のステップS2、ステップS4、及びステップS7)と、を備えることを特徴とする。
この場合、前記掃気実行ステップでは、外気温度に応じて、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を補正することが好ましい。
これら燃料電池システムの制御方法は、上述の燃料電池システムを、制御方法として展開したものであり、上述の燃料電池システムと同様の効果を奏する。
本発明の燃料電池システム及びその制御方法によれば、掃気を実行する回数を最小限にとどめ、掃気の実行にかかる電力の消費を最小限にすることができる。また、掃気開始時における燃料電池の温度に適した単位時間当りの体積流量で、掃気ガスを供給することができる。すなわち、燃料電池内における掃気ガスの熱膨張を考慮して、燃料電池内の圧力が耐久圧力上限以下になるように掃気ガスを供給することができる。また、常に燃料電池内の圧力が耐久圧力以下となるような体積流量で掃気ガスを供給する場合と比較して、掃気にかかる時間を短縮できる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム1のブロック図である。
燃料電池システム1は、燃料電池10と、この燃料電池10に反応ガスとしての水素ガスや空気を供給する供給装置20と、これら燃料電池10及び供給装置20を制御する制御装置40とを有する。
燃料電池10は、例えば、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造である。各セルは、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持して構成される。膜電極構造体は、アノード電極(陽極)及びカソード電極(陰極)の2つの電極と、これら電極に挟持された固体高分子電解質膜とで構成される。通常、両電極は、固体高分子電解質膜に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層とから形成される。
このような燃料電池10は、アノード電極(陽極)側に形成されたアノード流路13に水素ガスが供給され、カソード電極(陰極)側に形成されたカソード流路14に酸素を含む空気(エア)が供給されると、これらの電気化学反応により発電する。
また、燃料電池10には、この燃料電池10から排出されたオフガスの温度を検出するオフガス温度センサ11が設けられている。このオフガス温度センサ11は、燃料電池10のカソード流路14から排出されたオフガスの温度Tを検出し、検出した燃料電池温度Tに略比例した検出信号を制御装置40に出力する。本実施形態では、燃料電池温度検出手段として、このようなオフガス温度センサ11を設けることにより、燃料電池10の温度を間接的に検出する。
供給装置20は、燃料電池10のカソード流路14にエアを供給するエアコンプレッサ21と、燃料電池10のアノード流路13に水素ガスを供給する水素タンク22及びエゼクタ28と、を含んで構成される。
エアコンプレッサ21は、エア供給路23を介して、燃料電池10のカソード流路14の一端側に接続されている。燃料電池10のカソード流路14の他端側には、エア排出路24が接続され、このエア排出路24の先端側には、後述の希釈器50が接続されている。また、エア排出路24には、背圧弁241が設けられている。この背圧弁241を開くことにより、燃料電池10のカソード流路14からエア排出路24に排出されたオフガスを、希釈ガスとして希釈器50に流入させることができる。
また、エア供給路23には、アノードエア導入路31が分岐して設けられている。アノードエア導入路31の先端側は、後述の水素供給路25に接続されている。また、このアノードエア導入路31には、アノードエア導入弁311が設けられている。このアノードエア導入弁311を閉じた状態では、エア供給路23と水素供給路25は遮断され、アノードエア導入弁311を開いた状態では、エア供給路23と水素供給路25は連通し、エアを水素供給路25に供給することが可能となる。
水素タンク22は、水素供給路25を介して、燃料電池10のアノード流路13の一端側に接続されている。この水素供給路25には、エゼクタ28が設けられている。また、水素供給路25のうち水素タンク22とエゼクタ28との間には、水素タンク22から供給される水素ガスを減圧する図示しない遮断弁及びレギュレータが設けられている。
燃料電池10のアノード流路13の他端側には、水素還流路26が接続される。この水素還流路26の先端側は、上述のエゼクタ28に接続されている。エゼクタ28は、水素還流路26を流通する水素ガスを回収し、水素供給路25に還流する。
また、この水素還流路26には、図示しない水素排出路と、アノードエア排出路29とが分岐して設けられている。これら水素排出路及びアノードエア排出路29の先端側には、希釈器50が接続されている。
水素排出路には、この水素排出路を開閉する図示しないパージ弁が設けられている。水素還流路26を流通する水素ガスを排出する際には、このパージ弁を開き、水素ガスを水素排出路に流通させて希釈器50に導入する。
アノードエア排出路29には、このアノードエア排出路29を開閉するアノードエア排出弁291が設けられている。後述の掃気処理において、水素還流路26を流通する掃気ガスを排出する際には、このアノードエア排出弁291を開き、掃気ガスをアノードエア排出路29に流通させて希釈器50に導入する。
希釈器50は、エア排出路24を介して導入されたオフガスを希釈ガスとして用い、上述の水素排出路及びアノードエア排出路29を介して導入されたオフガスを、この希釈ガスで希釈した後に、排出管51を介して大気に排出する。
この希釈器50の排出管51には、当該排出管51の温度を燃料電池システム1のシステム温度として、このシステム温度Tを検出するシステム温度センサ52が設けられている。このシステム温度センサ52は、燃料電池システム1のうち最も温度が低い部分、すなわち、燃料電池システム1のうち最も大気にさらされやすく温度が低い希釈器50の排出管51の温度をシステム温度Tとして検出する。
また、燃料電池システム1には、上述のオフガス温度センサ11及びシステム温度センサ52の他、外気の温度Tを検出する外気温度センサ59が設けられている。
これらシステム温度センサ52及び外気温度センサ59は、それぞれ、検出した温度に略比例した検出信号を制御装置40に出力する。
また、本実施形態では、燃料電池10に接続され、水素ガス及びエアが流通する反応ガス流路は、エア供給路23、エア排出路24、水素供給路25、水素還流路26、アノードエア排出路29、アノードエア導入路31、及び希釈器50の排出管51を含んで構成される。
また、本実施形態では、燃料電池10の発電中において水素ガスが流通する水素供給路25及び水素還流路26の内径は、発電中においてエアが流通するエア供給路23及びエア排出路24の内径よりも小さくなっている。
制御装置40には、上述のエアコンプレッサ21、背圧弁241、アノードエア排出弁291、及びアノードエア導入弁311、並びに、オフガス温度センサ11、システム温度センサ52、及び外気温度センサ59が接続されている。
また、制御装置40には、図示しないイグニッションスイッチが接続される。このイグニッションスイッチは、燃料電池システム1が搭載された車両の運転席に設けられており、運転者の操作に従って、オン/オフ信号を制御装置40に送信する。制御装置40は、イグニッションスイッチのオン/オフに従って、燃料電池10の起動を開始したり、燃料電池10の発電を停止したりする。
ここで、イグニッションがオンにされ燃料電池10を起動した後、この燃料電池10で発電する手順は、以下のようになる。
すなわち、水素タンク22から、水素供給路25を介して、燃料電池10のアノード側に水素ガスを供給する。また、エアコンプレッサ21を駆動させることにより、エア供給路23を介して、燃料電池10のカソード側にエアを供給する。
燃料電池10に供給された水素ガス及びエアは、発電に供された後、燃料電池10からアノード側の生成水などの残留水とともに、水素排出路及びエア排出路24を介して希釈器50に流入し、この希釈器50で希釈された後、大気へ排出される。
また、イグニッションがオフにされ燃料電池10の発電を停止した後には、燃料電池システム1の掃気処理が行われる。
制御装置40は、掃気必要判断手段としての掃気必要判断部41と、掃気実行手段としての掃気実行部42と、を備え、燃料電池10の発電停止後、必要に応じてエアコンプレッサ21により掃気ガスとしてのエアを燃料電池10及び上述の反応ガス流路に供給することで、燃料電池10及び反応ガス流路の掃気を行う。図1においては、燃料電池10の掃気処理に係る制御ブロックのみを示す。
掃気必要判断部41は、燃料電池10による発電の停止後において、制御装置40に設けられたRTC(Real Time Clock)43により定期的に起動され、燃料電池システム1の状態に応じて燃料電池10及び反応ガス流路の掃気を実行する必要があるか否かを判断する。より具体的には、掃気必要判断部41は、システム温度センサ52により検出されたシステム温度Tに基づいて、掃気を実行する必要があるか否かを判断する。すなわち、掃気必要判断部41は、システム温度Tが所定の判定値(例えば5℃)以下である場合には掃気を実行する必要があると判断し、システム温度Tが所定の判定値より大きい場合には掃気を実行する必要がないと判断する。
掃気実行部42は、掃気必要判断部41により掃気を実行する必要があると判断された場合に、エアコンプレッサ21、背圧弁241、アノードエア排出弁291、及びアノードエア導入弁311を制御して、燃料電池10及び反応ガス流路に掃気ガスを供給する。
より具体的には、掃気実行部42は、背圧弁241、アノードエア排出弁291、及びアノードエア導入弁311を開閉制御することで、反応ガス流路のうち発電中にエアが流通する流路を重点的に掃気(以下、「カソード重点掃気」という)したり、反応ガス流路のうち発電中に水素ガスが流通する流路を重点的に掃気(以下、「アノード重点掃気」という)したりする。ここで、反応ガス流路のうち発電中にエアが流通する流路とは、エア供給路23、エア排出路24、及び排出管51を含む。また、反応ガス流路のうち発電中に水素ガスが流通する流路とは、アノードエア導入路31、水素供給路25、水素還流路26、アノードエア排出路29、及び排出管51を含む。
またここで、掃気実行部42は、オフガス温度センサ11により検出された燃料電池10のオフガス温度Tに基づいて燃料電池10の温度を推定し、この燃料電池温度と、外気温度センサ59により検出された外気温度Tに応じて、エアコンプレッサ21の回転数を制御する。
より具体的には、掃気実行部42は、燃料電池10の温度が高くなるほど、エアコンプレッサ21の回転数を小さくし、燃料電池10及び反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を減少する。また、さらに掃気実行部42は、このように燃料電池10の温度に応じて決定された掃気ガスの単位時間当りの体積流量を、外気温度センサ59により検出された外気温度Tに応じて補正する。
図2は、以上のような制御装置40による掃気処理の手順を示すフローチャートである。この掃気処理は、イグニッションがオフにされたことに基づいて開始する。
先ず、ステップS1では、システム温度Tが所定の判定値以下であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、掃気を実行する必要があると判断し、ステップS2に移り、NOの場合には、掃気を実行する必要が無いと判断し、ステップS3に移る。なお、判定値は、例えば5℃に設定される。また、このステップS1は、イグニッションがオフにされ燃料電池による発電が停止した後、上述のRTCにより定期的に行われるようになっている。
ステップS2では、オフガス温度Tに基づいて燃料電池の温度を推定し、ステップS4に移る。
ステップS3では、イグニッションがオンにされたか否かを判別する。この判別がYESの場合には、掃気処理を終了し、NOの場合には、ステップS1に移る。
ステップS4では、燃料電池の温度に基づいて燃料電池及び反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を設定し、ステップS5に移る。ステップS5では、外気温度Tを検出し、ステップS6に移る。ステップS6では、外気温度Tに基づいて、ステップS4で設定された掃気ガスの単位時間当りの体積流量を補正する。
図3は、掃気ガスの単位時間当りの体積流量と、燃料電池の温度との関係を示し、掃気ガスの単位時間当りの体積流量を設定する際に参照される制御マップの例を示す図である。図3において、横軸は、燃料電池の温度(℃)を示し、縦軸は、掃気ガスの単位時間当りの体積流量(cm/s)を示す。また、実線71は、カソード重点掃気を実行する際に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を示し、破線72は、アノード重点掃気を実行する際に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を示す。
掃気ガスの単位時間当りの体積流量は、燃料電池における掃気ガスの熱膨張を考慮して、燃料電池内の圧力が所定の耐久圧力以下となるように、燃料電池の温度が高くなるに従い減少するように設定される。
また、アノード重点掃気時には、カソード重点掃気時よりも掃気ガスの単位時間当りの体積流量は大きく設定される。これは、上述のように水素供給路及び水素還流路の内径は、エア供給路及びエア排出路の内径よりも小さくなっており、アノード重点掃気時における掃気ガスの圧損は、カソード重点掃気時における掃気ガスの圧損よりも大きくなるからである。
また、このようにして設定された掃気ガスの単位時間当りの体積流量は、燃料電池温度と外気温度Tとの温度差に応じて補正される。より具体的には、矢印73,74に示すように、燃料電池温度と外気温度Tとの温度差が大きい場合には、単位時間当りの体積流量を減少するように補正する。また、燃料電池温度と外気温度Tとの温度差が小さい場合には、単位時間当りの体積流量を増大するように補正する。
図2に戻って、ステップS7では、掃気を開始し、所定の完了条件が満たされた後、掃気処理を完了する。ここで、所定の完了条件とは、掃気が開始されてから供給された掃気ガスの総体積流量が、所定の総体積流量に達することとする。また、この所定の総体積流量とは、設定された単位時間当りの体積流量に応じて設定される。また、これに限らず、設定された単位時間当りの体積流量に応じて掃気時間を設定し、この掃気時間が経過することを完了条件としてもよい。
図4は、掃気処理のタイムチャートである。
図4に示すように、掃気処理は、時刻tから開始され、この時刻tからtまでカソード重点掃気が行われ、時刻tからtまでアノード重点掃気が行われる。
カソード重点掃気は、アノードエア排出弁及びアノードエア導入弁を閉じ、背圧弁を所定の開度まで開いた状態で、エアコンプレッサを駆動し掃気ガスを供給することで行われる。
アノード重点掃気は、アノードエア排出弁及びアノードエア導入弁を開き、背圧弁を所定の開度まで閉じた状態で、エアコンプレッサを駆動し掃気ガスを供給することで行われる。
また、図4において、破線81,82は、それぞれ、比較例の燃料電池システムにおける掃気ガスの単位時間当りの体積流量及び燃料電池内の圧力を示し、実線83,84は、それぞれ、本実施形態の燃料電池システム1における掃気ガスの単位時間当りの体積流量及び燃料電池内の圧力を示す。ここで、比較例の燃料電池システムとは、燃料電池の温度や外気温度にかかわらず、常に同じ単位時間当りの体積流量で掃気ガスを供給するものを示す。
破線81に示すように、比較例の燃料電池システムでは、カソード重点掃気を行う間は、掃気ガスの単位時間当りの体積流量はFC1に設定され、アノード重点掃気を行う間は、掃気ガスの単位時間当りの体積流量はFA1に設定される。
比較例では、このような設定のもとで掃気処理を行うことにより、破線82に示すように、カソード重点掃気を行う間は、燃料電池内の圧力は耐久圧力上限以下に保たれるが、アノード重点掃気を開始すると、燃料電池内における掃気ガスの熱膨張により燃料電池内の圧力は耐久圧力上限を上回ってしまう。
ここで、破線82に示すように、時刻tにおいてカソード重点掃気を開始した直後に、燃料電池内の圧力は急激に上昇する。これは、上述のように、アノード重点掃気における掃気ガスの圧損は、カソード重点掃気における掃気ガスの圧損よりも大きくなっており、燃料電池内の圧力が掃気ガスの熱膨張の影響を受けやすくなるためである。
一方、実線83に示すように、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池の温度及び外気温度に応じて、カソード重点掃気を行う間は、掃気ガスの単位時間当りの体積流量はFC1よりも小さいFC2に設定され、アノード重点掃気を行う間は、掃気ガスの単位時間当りの体積流量はFA1によりも小さいFA2に設定される。
本実施形態では、このような設定のもとで掃気処理を行うことにより、実線84に示すように、カソード重点掃気及びアノード重点掃気を行う間に亘って、燃料電池内の圧力は耐久圧力上限以下に保たれる。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態の燃料電池システム1によれば、システム温度Tに基づいて、燃料電池10及び反応ガス流路の掃気を実行する必要があるか否かを判断する。これにより、掃気を実行する回数を最小限にとどめ、掃気の実行にかかる電力の消費を最小限にすることができる。
また、発電停止後、燃料電池10及び反応ガス流路の掃気を実行する際において、燃料電池10の温度が高いほど、これら燃料電池10及び反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの流量を減少する。
これにより、例えば、掃気開始時における燃料電池10の温度に適した単位時間当りの体積流量で掃気ガスを供給することができる。すなわち、燃料電池10内における掃気ガスの熱膨張を考慮して、燃料電池10内の圧力が耐久圧力上限以下になるように掃気ガスを供給することができる。
また、このように、燃料電池10の温度に合わせて掃気ガスの単位時間当りの体積流量を変更することにより、常に燃料電池内の圧力が耐久圧力以下となるような体積流量で掃気ガスを供給する場合と比較して、掃気にかかる時間を短縮できる。
(2)本実施形態の燃料電池システム1によれば、外気温度Tに応じて掃気ガスの単位時間当りの体積流量を補正する。これにより、例えば、外気温度Tと燃料電池10の温度との温度差が大きく、燃料電池10内での掃気ガスの熱膨張率が高い場合であっても、燃料電池10内の圧力が耐久圧力上限以下となるように掃気ガスを供給することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、アノード重点掃気又はカソード重点掃気が開始してから終了するまでの間、掃気ガスの単位時間当りの体積流量は、開始時の設定のまま一定にした。これにより、エアコンプレッサを駆動する際に発生する騒音や、希釈器からオフガスを排出する際に発生する騒音の変化を少なくし、商品性を向上することができるが、これに限らない。
例えば、掃気ガスを供給している間であっても、燃料電池の温度を常に監視しつつ、掃気を行っている間の燃料電池の温度の変化に応じて、掃気ガスの単位時間当りの体積流量を変化させてもよい。この場合、掃気ガスを供給することで、燃料電池の温度は徐々に低下すると考えられるので、掃気ガスの単位時間当りの体積流量を徐々に増やすことができる。これにより、掃気にかかる時間を短縮できる。
また、上記実施形態では、オフガス温度センサ11により、燃料電池10のカソード流路14から排出されたオフガスの温度を検出することで、燃料電池10の温度を間接的に検出したが、これに限らない。
例えば、オフガス温度センサにより、燃料電池のアノード流路から排出されたオフガスの温度を検出することで、燃料電池の温度を間接的に検出してもよい。また、例えば、燃料電池を流通する冷媒の温度を検出することで、燃料電池の温度を間接的に検出してもよい。また、この他、燃料電池の温度を直接検出してもよい。
また、上記実施形態では、希釈器50の排出管51の温度を燃料電池システム1のシステム温度として、システム温度センサ52によりこのシステム温度を検出したが、これに限らない。例えば、システム温度は、外気温度センサにより検出された外気温度に基づいて推定してもよい。この場合、燃料電池システムに設けるセンサの数を減らすことができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムのブロック図である。 上記実施形態に係る制御装置による掃気処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る掃気ガスの単位時間当りの体積流量と燃料電池の温度との関係を示す図である。 上記実施形態に係る制御装置による掃気処理のタイムチャートである。 発電停止後における燃料電池温度及びシステム温度の時間変化を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池
11 オフガス温度センサ(燃料電池温度検出手段)
20 供給装置
21 エアコンプレッサ(掃気ガス供給手段)
23 エア供給路(反応ガス流路)
24 エア排出路(反応ガス流路)
241 背圧弁(掃気ガス供給手段)
25 水素供給路(反応ガス流路)
26 水素還流路(反応ガス流路)
29 アノードエア排出路(反応ガス流路)
291 アノードエア排出弁(掃気ガス供給手段)
31 アノードエア導入路(反応ガス流路)
311 アノードエア導入弁(掃気ガス供給手段)
40 制御装置
41 掃気必要判断部(掃気必要判断手段)
42 掃気実行部(掃気実行手段)
50 希釈器
51 排出管(反応ガス流路)
52 システム温度センサ
59 外気温度センサ(外気温度検出手段)

Claims (4)

  1. 反応ガスの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に接続され、反応ガスが流通する反応ガス流路と、
    前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガスを供給する掃気ガス供給手段と、
    前記燃料電池による発電の停止後において、システム温度に基づいて前記燃料電池及び前記反応ガス流路の掃気を実行する必要があるか否かを判断する掃気必要判断手段と、
    前記掃気必要判断手段により、掃気を実行する必要があると判断された場合には、前記掃気ガス供給手段を制御して、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガスを供給する掃気実行手段と、を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の温度を検出する燃料電池温度検出手段をさらに備え、
    前記掃気実行手段は、前記燃料電池温度検出手段により検出された燃料電池の温度が高いほど、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を減少することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 外気温度を検出する外気温度検出手段をさらに備え、
    前記掃気実行手段は、前記外気温度検出手段により検出された外気温度に応じて、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を補正することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 反応ガスの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に接続され、反応ガスが流通する反応ガス流路と、
    前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガスを供給する掃気ガス供給手段と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池による発電の停止後において、システム温度に基づいて前記燃料電池及び前記反応ガス流路の掃気を実行する必要があるか否かを判断する掃気必要判断ステップと、
    掃気を実行する必要があると判断された場合には、前記掃気ガス供給手段を制御して、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に掃気ガスを供給するとともに、燃料電池の温度が高いほど、前記燃料電池及び前記反応ガスに供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を減少する掃気実行ステップと、を備えることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  4. 前記掃気実行ステップでは、外気温度に応じて、前記燃料電池及び前記反応ガス流路に供給する掃気ガスの単位時間当りの体積流量を補正することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御方法。
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