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JP5010932B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は自動変速機の変速制御装置に関し、特に、キックダウン変速時の変速制御装置に関する。
車両用自動変速機において、キックダウン時等の変速段が1段を超えて変化する場合に、油圧制御回路の2以上のシフトバルブが関連動作するため、過渡的な状態として最高速或いは最低速の変速段が設定されることがあり、変速ショックが大きくなることがある。
例えば、前進3速から前進1速へ変化する場合、2以上のシフトバルブが変化するが、変速途中に前進4段が設定されて前進3速→4速→1速と変化することもありえ、変速ショックが大きくなって乗り心地が損なわれることがあった。
このような問題を解決するため、特公昭61−58697号公報では、目標変速段と現在の変速段との段差が2以上であるか否かを判別する手段を備え、段差が2以上のキックダウンの場合には、まず1段低い変速段へダウンシフトし、これに伴い起動したタイマによって定められた時間が経過するまでその変速段を保持し、その後に最終段へダウンシフトする自動変速機の変速制御装置が開示されている。
この変速制御装置によると、中間変速段がタイマ制御によって所定時間保持された後、最終段へ変速するので、一挙に変速比が大きく変化することが回避されてエンジン回転数が急激に増大することが回避され、これに伴い変速制御用の摩擦係合装置の摩擦要素に大きい摩擦力が瞬間的に作用することが防止されてその耐久性が確保され、またエンジンがオーバーランすることが回避される。
しかし、上記公告公報に開示された変速制御装置によると、2段以上のキックダウンを行う場合、変速段を1段ずつ所定時間をおいて変化させることで、エンジン回転数が急激に増大することを回避し、エンジンのオーバーランを回避しているが、中間段に保持される時間が固定されているため、最終段に切り替わるまでに若干の時間遅れが生じ、加速性能が低下することがあるという問題がある。
さらに、一挙に目標段に変速するか1段ずつ変速するかをスロットル開度の大小に応じてまず判断し、次いで、変速段差が2以上であるか否かによって変速制御処理の内容を異ならしめている。そのため、変速段差が2以上であるか否かの判別手段が必要であるとともに、変速制御処理が複雑になるという問題がある。
この問題を解決する技術として、特公平8−15853号公報には、スロットル開度の大小に拘わらず常に変速比の大小に従った順序に変速することで、変速ショックを低減するとともに、変速制御処理の簡略化を図り、更に2段以上のダウンシフトを行う場合は中間段に保持する時間を、スロットル開度に基づいて変更可能にすることで、スロットル開度がほぼ全開のときには最終段まで短時間で変速できるようにし、加速性能の確保を図った自動変速機の変速制御装置が開示されている。
特公昭61−58697号公報 特公平8−15853号公報
しかし、特許文献2記載の変速制御装置では、運転者の本来の意思に関係なく、車速とアクセル開度によってダウンシフト判断を行うため、不用意なアクセルペダル操作により深く踏み込んでしまった場合に、必要以上のダウンシフトにより、過大な加速力が発生することがあり、スムーズな運転とならずドライバビリティが悪化するという問題がある。また、高回転運転となることにより燃費悪化を招くことがある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、運転者の様々な運転操作に対して、最適な駆動力特性を発生させることにより、スムーズな運転が可能となる自動変速機の変速制御装置を提供することである。
本発明によると、車速及びエンジン負荷に応じて複数のアップシフト線及び複数のダウンシフト線を設定した変速マップを用いて変速制御を行う自動変速機の変速制御装置において、高変速段から段差が2以上の低変速段へのダウンシフト指令を検出するキックダウン検出手段と、前記ダウンシフト指令に応じて前記低変速段よりも一段高い変速段である中間変速段への前記変速マップに基づくダウンシフトを許可する中間ダウンシフト許可手段と、前記キックダウン検出手段によるキックダウン検出時に所定時間を計時するタイマを作動させるタイマ作動手段と、前記タイマが前記所定時間を計時後、前記変速マップ上の変速段が前記低変速段であれば該低変速段への変速を許可し、前記変速マップ上の変速段が前記中間変速段であれば前記低変速段への変速を許可せずに前記中間変速段の設定を維持するように最終変速段を決定する最終変速段決定手段と、を具備したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置が提供される。
本発明によると、2段以上のキックダウン操作を行う場合、中間変速段に一旦ダウンシフトし、所定時間経過後に加速意思が継続している場合に最終変速段へのダウンシフトを許可するため、運転者の様々な運転操作に対して、最適な駆動力特性を発生させることができ、ドライバビリティを向上することができる。
図1は本発明実施形態の車両用自動変速機の変速制御装置の概略的システム構成図である。図1において、12はエンジン、14は自動変速機であり、エンジン12の出力は自動変速機14を介して図示しない駆動輪へ伝達される。
自動変速機14は、トルクコンバータ16と多段変速歯車機構18とから構成されている。このトルクコンバータ16は、図示を省略したロックアップクラッチを備えており、ロックアップ用のソレノイド20を制御することにより、ロックアップクラッチがオン(締結)オフ(締結解除)される。
多段変速歯車機構18は、本実施形態では前進6段とされ、既知のように変速操作手段としての複数個の変速用ソレノイド22の励磁、消磁の組み合わせを変更することにより、所望の変速段が設定される。もちろん、上記各ソレノイド20,22は、ロックアップ用或いは変速用の油圧式アクチュエータの作動態様を切り替えるものである。
符号24はマイクロコンピュータを利用した制御ユニット(ECU)であり、スロットル開度センサ26、車速センサ28及びギヤ位置センサ30からの信号が制御ユニット24に入力される。
スロットル開度センサ26は、スロットル弁32の開度すなわちスロットル開度を検出するものである。車速センサ28は車速を検出し、ギヤ位置センサ30は自動変速機14の現在のギヤ位置、すなわち変速段を検出するものである。
符号34はシフトレバーのシフト位置を示している。よく知られているように、Pは駐車レンジ、Rは後進レンジ、Nは中立レンジである。Dはドライブレンジであり、シフトレバーがDレンジにあるときには、決定すべき変速段若しくは変速比を走行状態に基づいて判断して変速動作を行う自動変速モードとなる。Sはスポーツレンジ又はマニュアルシフトレンジであり、自動変速機においてマニュアルライクな走行を可能とする。
制御ユニット24には更に、シフトレバー位置34及びブレーキの作動を検出するブレーキスイッチ36の信号が入力される。制御ユニット24からはソレノイド20に対してロックアップクラッチのオン・オフ用の制御信号が、またソレノイド22に対して変速制御用の信号が出力される。
制御ユニット24は、基本的にはCPU、ROM、RAM、クロック(ソフトタイマ)を備えるほか、A/D変換器或いはD/A変換器、更には入出力インターフェースを有するが、これらはマイクロコンピュータを利用する場合の既知の構成なので、その説明を省略する。
図2は本発明の原理ブロック図を示している。キックダウン検出手段40は、高変速段から段差が2以上の低変速段へのダウンシフト指令を検出する。キックダウン検出手段40が段差が2以上のダウンシフト指令を検出すると、中間ダウンシフト許可手段42が、ダウンシフト指令に応じて高変速段と低変速段との間の中間変速段へのダウンシフトを許可する。
タイマ作動手段44は、キックダウン検出手段40によるキックダウン検出時に所定時間を計時するタイマを作動させる。最終変速段決定手段46は、タイマが所定時間計時後、変速マップに従い最終変速段を決定する。
すなわち、タイマが所定時間を計時したとき、変速マップで低変速段の場合には、加速意思が継続していると判断して、最終変速段決定手段46が低変速段への変速を許可する。
一方、タイマが所定時間を計時したとき、変速マップで中間変速段の場合には、アクセルペダルの不用意な踏み込みで加速意思が継続していないと判断し、最終変速段決定手段46は中間変速段を維持する。
次に、図3のフローチャートを参照して、本発明実施形態にかかる自動変速機の変速制御装置の作用について説明する。まず、ステップS10で4,5又は6速からのキックダウンか否かを判定する。肯定判定の場合には、ステップS11へ進んでタイマAを所定時間にセットする。
次いで、ステップS12でタイマAが所定時間経過したか否かを判定し、経過していない場合にはステップS13へ進んでシフトマップ上は2NDか否かを判定する。肯定判定の場合には、ステップS14へ進んで3RDへのキックダウンを許可し、否定判定の場合には本処理を終了する。
ステップS12でタイマAが所定時間経過したと判定された場合には、ステップS15へ進んでシフトマップ上は2NDか否かを判定する。肯定判定の場合には、ステップS16へ進んで2NDへのキックダウンを許可し、否定判定の場合には、ステップS14でダウンシフトを許可した3RDを維持する。
すなわち、この実施形態では、4,5又は6速から2NDへのダウンシフト指示があったときは、一旦3RDまでダウンシフトし、タイマで計時する所定時間後に加速意思が継続している場合には、2NDへダウンシフトし、加速意思が継続していない場合には、3RDを維持する。
このように制御することにより、運転者の様々な運転操作に対して、最適な駆動力特性を発生させることができ、スムーズな運転が可能となり、ドライバビリティを向上することができる。
次に、図4及び図5のタイムチャートを参照して、本発明のキックダウンディレイ制御を更に説明する。図4のタイムチャートにおいて、時間t1において5速から2速へのキックダウンがなされたとすると、まず3速への変速指示がなされる。これに応じて、実変速比は5速から3速へダウンシフトされ、時間t1からある時間遅延した時間t2においてタイマAがセットされる。
タイマAが所定時間経過した時間t3において、シフトマップ上の変速段は2速のままであるため、時間t3において2速への変速指示が出されて実変速比が2速へダウンシフトされる。
よって、図4のタイムチャートの場合は、タイマAにより設定された所定のディレイ時間後に、加速意思が継続していると判断して、2速へのダウンシフトを許可している。
一方、図5のタイムチャートの場合には、時間t1で5速から2速へのキックダウンが成され、時間t2でタイマAがセットされるのは図4のタイムチャートと同様であるが、タイマAが所定時間経過しない時間t2´において、シフトマップ上の変速段が2速から3速へアップシフトし、タイマAが所定時間経過した時間t3においてもシフトマップ上では3速が維持されている。
よって、このタイムチャートの場合には、タイマAが所定時間経過した時間t3においては、加速意思が継続していないと判断して、2速へのダウンシフトを許可せずに3速を維持する。
次に、図6乃至図9のシフトマップ(変速マップ)を参照して、本発明のキックダウンディレイ制御をより具体的に説明する。これらのシフトマップは前進6段の自動変速機用シフトマップである。各シフトマップにおいて、実線はアップシフト線を示しており、一点鎖線はダウンシフト線を示している。
実線で示されたアップシフト線は、左から順に1−2アップシフト線、2−3アップシフト線、3−4アップシフト線、4−5アップシフト線、5−6アップシフト線である。一点鎖線で示されたダウンシフト線は、右から順に6−5ダウンシフト線、5−4ダウンシフト線、4−3ダウンシフト線、3−2ダウンシフト線、2−1ダウンシフト線である。
図6に示したケースでは、5速から2速へのキックダウンがなされたが、まず3速へのダウンシフトを許可し、3−2ダウンシフトはペンディングする。ディレイタイマで設定された所定時間が経過したとき、2速領域にいるので、このとき3−2ダウンシフトを許可する。
一方、図7に示されたケースでは、図6の場合と同様に5速から2速へのキックダウンがなされたが、ディレイタイマが経過した所定時間後にはアクセルペダルが戻されて3速にいるため、3−2ダウンシフトを許可せずに3速を維持する。
すなわち、この場合には、一旦5−2キックダウンがなされたが、ディレイタイマが経過した所定時間後には加速意思が継続していないと判断して、2速へのダウンシフトを許可せずに、3速を維持して運転者の意思に反した過大な加速力が発生することを防止する。
図8に示したケースでは、4速から2速へのキックダウンがなされたが、まず3速へのダウンシフトを許可し、3−2ダウンシフトはペンディングする。ディレイタイマで設定された所定時間経過後にシフトマップ上は2速にいるため、加速意思が継続していると判断して、2速へのダウンシフトを許可する。
一方、図9に示されたケースでは、図8に示された場合と同様に4速から2速へのキックダウンがなされたが、ディレイタイマで設定した所定のディレイ時間後にはアクセルペダルが戻されてシフトマップ上3速領域にいるため、加速意思が継続していないと判断して、2速へのダウンシフトを許可せずに3速を維持する。
本発明実施形態に係る自動変速機の変速制御装置の概略的システム構成図である。 本発明の原理を示す原理ブロック図である。 本発明実施形態の変速制御装置の作用を示すフローチャートである。 本発明実施形態のタイムチャートである(その1)。 本発明実施形態のタイムチャートである(その2)。 本発明実施形態の5−2キックダウンを説明するシフトマップである。 図6に類似しているが、所定のディレイ時間後に3−2ダウンシフトを許可しないことを説明するシフトマップである。 本発明実施形態の4−2キックダウンを説明するシフトマップである。 図8に類似しているが、所定のディレイ時間後に3−2ダウンシフトを許可しないことを説明するシフトマップである。
符号の説明
12 エンジン
14 自動変速機
24 制御ユニット(ECU)
26 スロットル開度センサ
28 車速センサ
30 ギヤ位置センサ
36 ブレーキスイッチ
40 キックダウン検出手段
42 中間ダウンシフト許可手段
44 タイマ作動手段
46 最終変速段決定手段

Claims (1)

  1. 車速及びエンジン負荷に応じて複数のアップシフト線及び複数のダウンシフト線を設定した変速マップを用いて変速制御を行う自動変速機の変速制御装置において、
    高変速段から段差が2以上の低変速段へのダウンシフト指令を検出するキックダウン検出手段と、
    前記ダウンシフト指令に応じて前記低変速段よりも一段高い変速段である中間変速段への前記変速マップに基づくダウンシフトを許可する中間ダウンシフト許可手段と、
    前記キックダウン検出手段によるキックダウン検出時に所定時間を計時するタイマを作動させるタイマ作動手段と、
    前記タイマが前記所定時間を計時後、前記変速マップ上の変速段が前記低変速段であれば該低変速段への変速を許可し、前記変速マップ上の変速段が前記中間変速段であれば前記低変速段への変速を許可せずに前記中間変速段の設定を維持するように最終変速段を決定する最終変速段決定手段と、
    を具備したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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