JP5010941B2 - 硬化性組成物及びそれを用いた硬化皮膜の製造方法 - Google Patents
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Description
光硬化性組成物としては、ラジカル重合系が使用されることが多く、生産性向上の観点からは硬化が速いより高感度なラジカル重合系が求められている。ラジカル重合系の高感度化の試みとしては、光重合開始剤や重合性化合物等の種々の検討がなされており、高感度な重合性化合物として特許文献1及び特許文献2に記載の重合性化合物等、低感度化の主原因である空気中の酸素の重合阻害を低減するなどの試みがなされている。
すなわち、本来、硬化性組成物は、重合して膜となった際の粘性、接着性、弾性、硬度、親水性、導電性等々の膜物性又は、機能発現が重要であるが、硬化性化合物の化学構造に制約を伴うことでそのバリエーションの幅が、狭まることが非常に問題である。
<1>式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする電子線硬化性組成物、
<2>前記X1が、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合及びチオエステル結合よりなる群から選ばれた少なくとも1つの結合を有する有機残基若しくはポリマー鎖である<1>に記載の電子線硬化性組成物、
<3>着色剤を含む<1>又は<2>に記載の電子線硬化性組成物、
<4>硬化皮膜の製造方法であって、有機高分子基材上に<1>〜<3>いずれか1つに記載の電子線硬化性組成物を用いて電子線硬化性層を形成する工程、及び、前記電子線硬化性層に電子線を照射して、前記電子線硬化性層を硬化させる工程を含むことを特徴とする硬化皮膜の製造方法。
本発明の電子線硬化性組成物は式(I)に示す化合物を含むことを特徴とする。また、本発明の電子線硬化性組成物は、着色剤を含有することが好ましい。更に必要に応じて、分散剤、界面活性剤等を含むこともできる。
本発明の電子線硬化性組成物は電子線の照射により硬化可能であり、「電子線」は、ほぼ一定の運動エネルギーを有する電子ビームであり、その照射により電子線硬化性組成物中において重合開始種を発生させ、電子線硬化性組成物を効果することができる。
以下、本発明の電子線硬化性組成物に含まれる成分について説明する。
X1及びX2は1価の有機残基でも良く、2価若しくはn価の有機連結基によってX1同士若しくはX2同士が連結して2官能型若しくはn官能型となっていても良く、又、オリゴマー又はポリマー中のモノマー単位の残基を形成して高分子型となってもよい。
以下に式(I)で表される代表的な化合物群i)〜iv)について説明する。
式(I)で示される化合物は、Q1が−COX2を表す場合において、X1及びX2がヘテロ原子を介してα炭素に結合する水素原子、1価の有機残基、又はハロゲン原子である場合には、後掲のi)単官能型エチレン性不飽和化合物となり(例示化合物A−1〜A−42)、X1とX2、RaとRb、X1とRaあるいはRbとが互いに結合して環状構造を形成する場合には、環状構造を有する単官能型エチレン性不飽和化合物となる(例示化合物B−1〜B−9)。
式(I)で示される化合物は、Q1が−COX2を表す場合において、X1がヘテロ原子を介してα炭素に結合する水素原子、1価の有機残基、又はハロゲン原子であって、X2がヘテロ原子を介して2つのカルボニル基に結合する2価の基である場合には、ii)2官能型エチレン性不飽和化合物となり(例示化合物C−1〜C−14)、X1がヘテロ原子を介して2つのα炭素に結合する2価の有機残基であって、X2が水素原子、1価の有機残基又はハロゲン原子である場合にもやはり2官能型エチレン性不飽和化合物となる(例示化合物D−1〜D−30)。
式(I)で示される化合物は、X1が1価の基であって、X2がn価の有機残基(n≧3)である場合には、iii)3官能型以上の官能基数を有するn官能型エチレン性不飽和化合物となり(例示化合物E−1〜E−22)、X1がn価の有機残基(n≧3;nは3以上の整数を表す。)であってX2が水素原子、1価の有機残基又はハロゲン原子である場合にもやはりn官能型エチレン性不飽和化合物となる(例示化合物F−1〜F−30)。
又、式(I)で示される化合物は、X1又はX2のいずれかが、好ましくはX2が、付加重合又は付加共重合により生成するオリゴマー又は高分子のモノマー単位の残基である場合には、iv)高分子型エチレン性不飽和化合物となる(例示化合物G−1〜G−15)。
式(I)で示される化合物は、Q1がシアノ基を表す場合においても、Q1がCOX2である場合と同様にして、後掲のようなi)単官能型、ii)2官能型、iii)多官能型、及び、iv)高分子型の化合物となることができる。
Q1が−COX2又は−CNを表す場合において、上記の4つの化合物群以外にも、当業者は多くのバリエーションの化合物を製造できることはいうまでもない。
すなわち、ポリウレタン、ノボラック、ポリビニルアルコール、ポリヒドロシスチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸アミド等のようなビニル系高分子、ポリアセタールが例示できる。これら重合体はホモポリマーでも、コポリマー(共重合体)でもよい。
X1は、好ましくは、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、スルホナト基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、ホスホノ基、置換ホスホノ基、ホスホナト基、置換ホスホナト基、ニトロ基及びヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)よりなる群から選ばれた、ヘテロ原子を介してα炭素に結合する水素原子、有機残基若しくはポリマー鎖であり、より好ましくは、酸素原子及び/又はイオウ原子を2つ以上有する置換基であり、更に好ましくは複数のエーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合及びチオエステル結合よりなる群から選ばれた、少なくとも1つのヘテロ原子を介してα炭素に結合している有機残基若しくはポリマー鎖であり、特に好ましくは、複数のエーテル結合又はカルボン酸エステル結合の酸素原子を介してα炭素に結合している有機残基若しくはポリマー鎖である。
上記の置換基を有していても良くかつ不飽和結合を含んでいてもよい炭化水素基としては、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基が挙げられる。
上記のアシル基には、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルフホニル基、アリールスルホニル基が含まれる。
上記のヘテロ環基には、窒素、酸素、硫黄原子をヘテロ原子として含む5員又は6員のヘテロ環基及びこれに芳香族基が縮合した基が含まれる。
以下に式(I)で示される化合物を前に説明したi)単官能型、ii)2官能型、iii)多官能型、及び、iv)高分子型の順に例示化合物を示す。
背景技術の欄で述べたように、低エネルギーの電子線により高感度の硬化性を示す化合物についてその化学構造面の制約を伴う理由については下記のように推定される。すなわち、電子線による重合機構について考えてみると、電子線照射装置から放出された高エネルギー電子が、硬化性組成物に多く含まれる重合性化合物に衝突し、2次電子を発生、その2次電子により重合が開始するという2段階の開始機構を経ている。また、その2次電子を効率よく発生する化合物としては、エチレンオキシド鎖やヒドロキシ基等の酸素を含有する電子リッチな化合物であり、低エネルギーの電子線を使用する際には、従来から一般的な高感度な重合性化合物として使用されているアクリル酸エステル基、アクリル酸アミド基やメタクリル酸エステル基、メタクリル酸アミド基等を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーなどの重合性化合物の構造に、上記エチレンオキシド鎖等を含むことが必要であり、膜物性や機能発現の点で足かせとなっているのが現状である。
このα−ヘテロ原子置換メチルアクリル基を有する重合性化合物は、同じα位に置換基を有する重合性の低いイタコン酸基やα−アルキルアクリル基などとは違い、α位に置換されたヘテロ原子の電子的効果及び立体的効果により重合性が向上し、アクリル系に匹敵する重合性をもつ基であることが知られている。また、α−ヘテロ置換メチルアクリル基を有する化合物と光開始剤の組み合わせにより、酸素の重合阻害の影響が大幅に低減でき、高感度化し保存安定性がよい光重合性組成物を得られることも、重合成長速度定数や停止速度定数や開始剤とのマッチングによる連鎖成長末端が酸素と反応しにくい等の理由によるものであるとのことは知られていたが、光とは要求性能や重合開始機構が異なる電子線硬化に対する有効性は知られていなかった。
α−ヘテロ置換メチルアクリル基を有する重合化合物の電子線硬化に対する重合機構は明確ではないが、その重合性基に直接結合しているα−ヘテロ原子の効果により、2次電子が重合性基の極近傍で発生することによるものと考えている。
また、このことは、結果的に、重合性が高いが置換基を1種しか連結できないアクリル基やメタクリル基では、先にあげた2次電子を発生する構造を置換することで、機能性基の置換が困難になるということに対し、幸いにも該重合性基においては、α−ヘテロ置換部(式(I)中のX1)以外にもう一つ機能性の基を連結するアクリル部(式(I)中のQ)が存在することで、構造の制限なく種々の機能性置換基を連結することができ、電子線硬化における構造制限の問題(電子線硬化時の重合高感度化)を解消することができたと推定される。
上記の数値の範囲内であると、保存安定性に優れた高感度の電子線硬化性組成物が得られ、硬化させた場合に、密着性に優れた硬化皮膜を得ることができる。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。
本発明において電子線硬化性組成物に好適に使用し得る着色剤は、電子線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤或いはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42、43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120、137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
白色顔料としては、PigmentWhite 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の重量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学工業(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明において、溶剤が硬化皮膜に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
これらの着色剤は電子性硬化性組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
本発明において、電子線硬化性組成物中における着色剤の含有量は色、及び使用目的により適宜選択されるが、一般的には、電子線硬化性組成物全体の重量に対し、0.01〜30重量%であることが好ましい。
着色剤の分散を行う際に分散剤を添加することが好ましい。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることが好ましい。高分子分散剤としては、DisperBYK−101、DisperBYK−102、DisperBYK−103、DisperBYK−106、DisperBYK−111、DisperBYK−161、DisperBYK−162、DisperBYK−163、DisperBYK−164、DisperBYK−166、DisperBYK−167、DisperBYK−168、DisperBYK−170、DisperBYK−171、DisperBYK−174、DisperBYK−182(以上BYK Chemie(株)製)、EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(以上エフカ・アディティブズ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース(Solsperse)3000,5000,9000,12000,13240,13940,17000,24000,26000,28000,32000,36000,39000,41000,71000などの各種ソルスパース分散剤(アビシア(株)製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123((株)ADWKA製)及びイソネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860,873SN,874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
また、EFKA−745等のフタロシアニン誘導体(エフカ・アディティブズ(株)製)、ソルスパース5000,12000、ソルスパース22000(アビシア(株)製)等の顔料誘導体もあわせて使用することができる。
本発明において、電子線硬化性組成物中における分散剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、一般的には、電子線硬化性組成物全体の重量に対し、0.01〜5重量%であることが好ましい。
本発明の電子線硬化性組成物には、必要に応じて界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
本発明において、電子線硬化性組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、一般的には、電子線硬化性組成物全体の重量に対し、0.0001〜1重量%であることが好ましい。
本発明において、電子線硬化性組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、増感剤、共増感剤、その他の重合性化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
本発明においては、得られる硬化皮膜の耐候性向上、電子線硬化性組成物の退色防止の観点から、紫外線吸収剤を添加することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5〜15重量%であることが好ましい。
電子線硬化性組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
本発明において、電子線硬化性組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1〜8重量%であることが好ましい。
本発明において、電子線硬化性組成物には、有機高分子基材との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は電子線硬化性組成物全体に対し0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
本発明において、電子線硬化性組成物には、皮膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。
高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが例示できる。
本発明の硬化皮膜の製造方法は、
(工程1)有機高分子基材上に前記電子線硬化性組成物を用いて電子線硬化層を形成する工程、及び、
(工程2)前記電子線硬化層に電子線を照射して、前記電子線硬化層を硬化させる工程を含むことを特徴とする。
有機高分子基材上に前記電子線硬化性組成物を用いて電子線硬化層を形成する工程について説明する。
基材としては、特に制限はないが、アルミ、銅、銀、金、鉄、ニッケル、スズ等の金属、ガラス、陶器、磁器、天然ゴム、絹、麻、動物の毛、動物の皮、ポリエステエル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テトロン、ナイロン、トリアセチルセルロース等セルロース類、シリコーン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエチレン等のポリオレフィン類及びスチレン−ブタジエン等の合成ゴム等の有機高分子基材が挙げられる。密着性の観点で好ましくは有機高分子基材である。より好ましくは、酸素及び/又は窒素原子を含有する有機高分子基材である。
有機高分子基材は公知の材料を用いることができ、その種類に特に制限はないが、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエーテル、セルロース誘導体、ポリイミド、(メタ)アクリル系誘導体ポリマー、耐熱性エラストマー、熱硬化性ポリマー、ポリエン、主鎖網状ポリマー及び上記のポリマーの共重合体が例示できる。
フィルム状の有機高分子基材の場合、密着性に優れる点で、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロース誘導体又はポリイミドが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、及び三酢酸セルロースフィルムがより好ましく、中でもポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
フィルム状の有機高分子基材の厚さは、15〜500μmが好ましく、15〜200μmがより好ましく、40〜200μmが更に好ましい。上記の厚さの範囲内であると取り扱いやすさ、汎用性の点で有利である。
フィルム状の有機高分子基材は透明でもよいし、前記着色剤を含有していてもよい。更に、必要に応じて添加剤を添加することができる。例えば紫外線吸収剤、光安定剤、熱線吸収剤、帯電防止剤及び抗菌剤等を含んでいてもよい。
また、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、書き換え型光ディスク等を基材として用いることもできる。
電子線硬化性層は、例えば、走行下にある有機高分子基材フィルムの表面に、前記電子線硬化性組成物を所定の膜厚となるように塗布することにより形成される。
電子線硬化性組成物を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
前記電子線硬化層に電子線を照射して、前記電子線硬化層を硬化させる工程について説明する。
電子線は、(1)重合性化合物の硬化トリガー、(2)グラフト化を誘起する活性ラジカルの発生トリガーの、2つの役割を果たすと考えられる。
ここで活性ラジカルとは、有機高分子の主鎖切断により発生するポリマーラジカルや、重合性化合物から発生するラジカル種によりポリマー鎖から水素引き抜きが起こり発生するポリマーラジカルを意味する。
有機高分子基材との密着性発現には、有機高分子基材を構成する高分子鎖から活性ラジカルが発生してグラフト化が起こることが重要であり、グラフト化量は活性ラジカル発生量に比例する。
また、生産スピードと重合性化合物の重合度との観点で、好ましい照射量は1kGy〜200kGyであり、より好ましい量は、1kGy〜70kGy、最も好ましい量は、1kGy〜30kGyである。
重合性化合物として、前記式(I)の例示化合物である、A−15、A−28、B−1、C−13、D−3、D−17、D−29、E−10、F−3、G−5、G−9又はG−10を用いた。
PE4A:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(共栄社化学(株)製、Mn=352)
BADGDA:ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート(共栄社化学(株)製、Mn=484)
BS575:6官能ウレタンアクリレート(荒川化学工業(株)製、Mn=818)
EB270:2官能芳香族ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、Mn=約1,500)
TPGDA:トリプロピレングリゴールジアクリレート(東亞合成(株)製、Mn=300)
TMPTA3EO:トリメチロールプロパントリアクリレート・エチレンオキサイド3モル付加物(共栄社化学(株)製、Mn=429)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、Mn=296)
TBA:t−ブチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、Mn=128)
Irg907:2−メチル−1{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製)
(顔料)
LBFG7330:フタロシアニン系顔料(東洋インキ製造(株)製)
MA−11:カーボンブラック(三菱化学(株)製)
S24000SC:高分子系分散剤(アビシア(株)製)
BYK−168:高分子系分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製)
S5000:高分子系分散剤(アビシア(株)製)
F−177:フッ素系界面活性剤メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株)製)
(着色剤A)
着色剤Aは下記の成分を混合して調製した。
LBFG7330 13.7部
BYK−168 3.00部
S5000 0.48部
(着色剤B)
着色剤Bは下記の成分を混合して調製した。
MA−11 14.4部
S2400SC 2.65部
S5000 1.06部
A−15 10部
シクロヘキサノン 20部
F−177 0.03部
上記の成分を混ぜて調製した硬化性組成物を、#4のバーコーターで市販の未処理PETフィルムに塗工した。つぎに、エリアビーム型電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製「CuretronEBC−200−20−30」)を用いて、加速電圧100kV、照射線量20kGyの条件で電子線を照射して硬化皮膜を作製した。
得られた硬化皮膜にカッターでクロス状に傷をつけ、セロハンテープ剥離試験を行い、セロハンテープ剥離後の残存塗膜の様子を目視で観察して、クロスカット密着性を5段階で評価した。
5:クロスカットで入れた4つの桝目部分が剥がれない。
4:3つの桝目部分が剥がれない(桝目の1つだけが剥がれる。)。
3:2つの桝目部分が剥がれない(2つの桝目が剥がれる。)。
2:1つの桝目部分が剥がれない(3つの桝目が剥がれる。)。
1:すべての桝目が剥離する。
製品として許容レベルは3以上である。結果を表1に示す。
調製した硬化性組成物を、高温条件下(60℃)に3日間放置し、その後、基材に塗布して同様の電子線照射又は露光し、クロスカット密着性の評価を行った。結果を表1に示す。数字が大きく変化のないことがよい。製品として許容レベルは3以上である。
重合性化合物を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様にして硬化皮膜を作製し、密着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
D−17 10部
着色剤A 3部
シクロヘキサノン 20部
F−177 0.03部
硬化性組成物は上記の各成分と、その各成分と等重量のガラスビーズ(直径2.0mm)をマヨネーズビンに入れ、ペイントコンディショナーで2時間分散させた後、ガラスビーズを取り除いて調製した。それ以外は実施例1と同様にして硬化皮膜を作製し、密着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
重合性化合物、着色剤及び電子線の照射線量を表1に示すものに変更した以外は実施例9と同様にして硬化皮膜を作製し、密着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
A−15 10部
Irg907 3部
シクロヘキサノン 20部
F−177 0.03部
上記の各成分を混ぜて調製した硬化性組成物を、#4のバーコーターで、実施例1と同様のPETフィルムの表面に塗工した。
次に、80W、120Wの水銀ランプ2灯用いて、20cmの距離から紫外線を照射して硬化皮膜を作製し、密着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
重合性化合物を表1に示すものに変更した以外は比較例17と同様にして硬化皮膜を作製し、密着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
D−17 10部
Irg907 3部
着色剤A 3部
シクロヘキサノン 20部
F−177 0.03部
硬化性組成物は、上記の各成分と、その各成分と等重量のガラスビーズ(直径2.0mm)をマヨネーズビンに入れ、ペイントコンディショナーで2時間分散させた後、ガラスビーズを取り除いて調製した。それ以外は比較例17と同様にして硬化皮膜を作製し、密着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
重合性化合物及び着色剤を表1に示すものに変更した以外は比較例25と同様にして硬化皮膜を作製し、密着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 硬化皮膜の製造方法であって、
有機高分子基材上に、式(I)で表される化合物を含有する電子線硬化性組成物を用いて電子線硬化性層を形成する工程、及び、
前記電子線硬化性層に電子線を照射して、前記電子線硬化性層を硬化させる工程、を含み、
前記電子線硬化性層には重合開始剤を含まず、電子線照射の加速電圧が5〜150kVであり、かつ、電子線の照射量が1〜200kGyであることを特徴とする
硬化皮膜の製造方法。
式(I)中、Q1はシアノ基又は−COX2基を表し、X1は、ヘテロ原子を介してα炭素に結合する水素原子、有機残基若しくはポリマー鎖、又は、ハロゲン原子を表し、X2は、ヘテロ原子を介してカルボニル基に結合する水素原子、有機残基若しくはポリマー鎖、又は、ハロゲン原子を表し、Ra、Rbは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は有機残基を表し、X1とX2、RaとRb、X1とRa又はRbとが互いに結合して環状構造を形成してもよい。 - 前記X1が、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合及びチオエステル結合よりなる群から選ばれた少なくとも1つの結合を有する有機残基若しくはポリマー鎖である請求項1に記載の硬化皮膜の製造方法。
- 着色剤を含む請求項1又は2に記載の硬化皮膜の製造方法。
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