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JP5013183B2 - 半導体装置用テープキャリアの製造方法 - Google Patents
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JP5013183B2 - 半導体装置用テープキャリアの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば液晶表示装置駆動用IC(集積回路)チップのような各種半導体装置の実装に用いられる半導体装置用テープキャリアの製造方法に関する。
従来、液晶表示装置駆動用ICチップのような各種半導体装置の実装に用いられる半導体装置用テープキャリアでは、ポリイミド樹脂フィルム基板上に、接着剤層等を介して貼り合わされた銅箔をフォトエッチング法などによりパターニングして、配線パターンが形成されている。その配線パターンのうち、特にリードの部分に安定した接合性を付与することが要請されるので、少なくともそのリード部分を含めた配線パターンの表面に、錫めっき等によるめっき層が形成される(特許文献1、2参照)。
このような半導体装置用テープキャリアにおける、ICチップなどの半導体装置の実装は、例えば、半導体装置をデバイスホールに配置し、そのデバイスホールに突出するように設けられたインナーリードと半導体装置の接続用電極(接続用パッド等とも言う)とを位置合わせして、両者をボンディングツールにより圧着する。半導体装置の接続用電極には一般に金バンプが設けられている場合が多く、圧着時に加熱された状態になると、錫めっきが溶融して金−錫合金が形成されることで、インナーリードと接続用電極とが確実に接続されるように設定されている。
錫めっきによりめっき層を形成する場合、錫のいわゆるウィスカや針状結晶が発生する場合があるので、それらを抑制するための種々の技術および発明が提案されている。
特許文献3には、錫めっきを行った後に、濃度1.5〜3W/V(W=重量(g)/V=容積(L;リットル)、以下同様)%のリン酸三ナトリウム溶液を用いて、溶液温度50〜60℃、処理時間30〜60秒の条件設定で、錫析出結晶等の除去処理を行う、という技術が提案されている。
特許文献4では、錫めっきを行った後、濃度5〜10W/V%のリン酸三ナトリウム溶液を用いて、溶液温度40〜60℃、処理時間60〜120秒の処理を施す、という発明が提案されている。
ところで、近年では、実装密度のさらなる高密度化、配線パターンおよび配線間スペースのさらなる微細化ならびにテープキャリア全体のさらなる薄型・軽量化が要請され、それに対応するために、薄型のポリイミド樹脂フィルム基板上に、ニッケルまたはニッケル−クロムのスパッタ膜からなるシード層を形成し、その上に電解めっき法により銅めっき層を形成してなるキャリアテープ素材が開発されて、半導体装置用テープキャリアのさらなる薄型化、軽量化等を達成可能とする諸条件が整いつつある(特許文献5参照)。
特許第3076342号 特開2000−332064号公報 特開平10−50774号公報 特許第3743215号 特開平10−125722号公報
しかしながら、さらなる微細ピッチ化(ファインピッチ化とも言う)が進むにつれて、ニッケル−クロムスパッタ膜からなるシード層の形成等に起因して、ポリイミド樹脂フィルムの皺やソルダーレジスト層(絶縁性保護層)の剥れなどが発生するという問題や、微量な金属イオン等の残渣に起因して、耐マイグレーション性が低下するという問題が、新たに浮上してきた。これらの問題は、特に配線間スペース(隣り合う配線パターン同士の間の間隔)が15μm以下になると、益々顕著なものとなる傾向にある。
すなわち、例えばCOF(Chip On Film)型のテープキャリアでは、近年、配線間スペースが益々狭くなってきており、特に15μm以下になると、その極めて狭隘な配線間スペースに残存するニッケル、クロム、銅などの各種金属イオンや薬液等を除去することがさらに困難なものとなる。そのような残渣の残存に起因して、製品として完成した半導体装置用テープキャリアにおける耐マイグレーション性が低下する虞が高くなってきた。
従来の技術では、過マンガン酸ナトリウムまたはカリウムを含有する処理液を用いて残渣除去を行うようにしていた。しかし、特に上記のようなニッケルまたはニッケルクロムのスパッタ膜からなるシード層上に形成された15μm以下のような微細な配線間スペースの配線パターンを有する半導体装置用テープキャリアにおいては、従来の技術では十分な残渣除去を実現することが困難になってきている。
あるいは、例えば金属蝕刻性の高い薬液を用いるなどして、金属イオンの残渣等を完全に除去するようにすればよいとも考えられる。ところが、そのようにすると、確かに金属イオン等の残渣は除去できたとしても、その残渣除去処理に起因して、配線パターンやリード上のめっき層の表面までもが荒れてしまったり結晶変質したりすることとなり、完成したテープキャリアの配線パターンおよびリードの耐久性やリードと半導体装置の接続用電極との接続面における信頼性が損われてしまうという、別の新たな問題が生じてしまう虞がある。特に、15μm以下のような狭隘な配線間スペースの配線パターンを有する半導体装置用テープキャリアの場合には、配線パターン自体の線幅やその上に被着形成されるめっき層の厚さも、さらに微細で薄いものとなる傾向にあるので、上記のような従来の薬液および処理方法を用いた残渣除去処理を行うと、配線パターンやリードやそれらを覆うめっき層の耐久性や信頼性の低下が、さらに著しいものとなる虞がある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、配線パターンやリードやそれらを覆うめっき層の耐久性や信頼性の低下を引き起こすことなく、確実に金属イオンや薬液等の残渣を除去して耐マイグレーション性を確保することを可能とした半導体装置用テープキャリアの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の半導体装置用テープキャリアの製造方法は、ポリイミド樹脂からなる絶縁性基板上に、前記絶縁性基板上にニッケルまたはニッケル−クロムスパッタ膜からなるシード層を介して設けられた配線パターンを形成する工程と、前記配線パターン上にめっき層を形成する工程と、前記配線パターンおよび前記めっき層が形成された前記絶縁性基板上に絶縁性保護層を形成する工程とを有する半導体装置用テープキャリアの製造方法であって、前記配線パターンおよび前記めっき層を形成した後、前記絶縁性基板における前記配線パターンおよび前記めっき層が形成されておらずに露出している部分のポリイミド樹脂表面に、リン酸三ナトリウム溶液を用いて粗面化処理を施す工程を含み、前記粗面化処理における、前記リン酸三ナトリウム溶液の濃度を0.1〜3W/V%、処理溶液の温度を20〜50℃、処理時間を5〜30秒とすることを特徴としている。
本発明の第の半導体装置用テープキャリアの製造方法は、上記第1の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、前記配線パターン同士の隣り合う配線間スペースの最小値を15μm以下としたことを特徴としている。
本発明の半導体装置用テープキャリアの製造方法により製造された半導体装置用テープキャリアは、ポリイミド樹脂からなる絶縁性基板上にニッケルまたはニッケル−クロムスパッタ膜からなるシード層を介して配線パターンを形成し、前記配線パターン上にめっき層を形成し、当該配線パターンおよびめっき層が形成された絶縁性基板上に絶縁性保護層を形成してなる半導体装置用テープキャリアであって、前記絶縁性基板における、前記配線パターンおよび前記めっき層が形成されておらずに露出している部分のポリイミド樹脂表面が粗面化処理が施されて、少なくとも当該ポリイミド樹脂表面上に前記絶縁性保護層が設けられていることを特徴としている。
また、本発明の半導体装置用テープキャリアの製造方法により製造された半導体装置用テープキャリアは、上記の半導体装置用テープキャリアにおいて、前記配線パターン同士の隣り合う配線間スペースの最小値が15μm以下であることを特徴としている。
本発明によれば、配線パターンおよびめっき層を形成した後、絶縁性基板における配線パターンおよびめっき層が形成されておらずに露出している部分のポリイミド樹脂表面に対して、粗面化処理を施すようにしたので、配線パターンやリードやそれらを覆うめっき層の耐久性や信頼性の低下を引き起こすことなく、確実に絶縁性基板のポリイミド表面における金属イオンや薬液等の残渣を除去すると共に、ソルダーレジスト層のような絶縁性保護層との密着性をさらに確実なものにして、絶縁性保護層形成後の完成した(製品の)半導体装置用テープキャリアとしての耐マイグレーション性を確保することが可能となる。
また、特に、リン酸三ナトリウム溶液を用いて、絶縁性基板における露出している部分のポリイミド樹脂表面に対して粗面化処理を施すようにしたので、従来提案されていた各種薬液を用いる場合よりも確実に、金属イオンや薬液等の残渣を除去すると共に絶縁性保護層との密着性をさらに確実なものにして、耐マイグレーション性を確保することが可能となる。
また、特にめっき層が錫めっきからなるものである場合、粗面化処理におけるリン酸三ナトリウム溶液の濃度を0.1〜3W/V%、処理溶液の温度を20〜50℃、処理時間を5〜30秒とすることにより、さらに確実に、配線パターンやリードやそれらを覆うめっき層の耐久性や信頼性の低下を引き起こすことを回避しつつ、金属イオンや薬液等の残渣を除去すると共に絶縁性保護層との密着性を良好なものにして、耐マイグレーション性を確保することが可能となる。
上記のような本発明の半導体装置用テープキャリアの製造方法によれば、配線パターン同士の隣り合う配線間スペースの最小値が15μm以下と極めて狭隘である場合に、従来の技術では極めて困難であった、金属イオンや薬液等の残渣の除去および絶縁性保護層との密着性の向上を、確実に行うことができ、延いてはそれによって製造された半導体装置用テープキャリアの耐マイグレーション性を確保することが可能となる。
以下、本実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアおよびその製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの主要部の構成を示す図、図2は、その主要な製造工程の流れを示す図である。
この半導体装置用テープキャリアは、ポリイミド樹脂からなる絶縁性基板1と、その上にニッケルまたはニッケル−クロムスパッタ膜からなるシード層2を介して設けられた配線パターン3と、配線パターン3上に形成された錫めっき層4と、それら配線パターン3および錫めっき層4が形成された絶縁性基板1の表面上に、配線パターン3における接続用のリードの部分等(図示省略)を避けて(つまりリードの部分は半導体装置の接続電極等に対して接続可能とするべく露出させるようにして)形成された絶縁性保護層であるソルダーレジスト層5とから、その主要部が構成されている。
そして、絶縁性基板1における、配線パターン3(およびその上の錫めっき層4)が形成されておらずに露出している部分6(以下、露出部分6とも呼ぶ)のポリイミド樹脂の表面、換言すれば、主に隣り合う配線パターン3同士の間の配線間スペースの部分であるポリイミド樹脂の表面の露出部分6が、粗面化処理されており、この露出部分6の絶縁性基板1のポリイミド樹脂表面に対するソルダーレジスト層5の密着性(いわゆる食い付き性)が極めて良好なものとなっていると共に、この露出部分6における耐マイグレーション性が極めて良好なものとなっている。他方、錫めっき層4や配線パターン3のリードの表面は、錫の結晶変質や荒れた状態の発生などが回避されている。
配線パターン3は、いわゆるファインパターン対応として、最小の配線間スペースを15μm以下に設定されている。
このような本実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアは、次のようにして製造される。
まず、図2(a)に示したような、ポリイミド樹脂からなる絶縁性基板1上に、ニッケルまたはニッケル−クロムスパッタ膜からなるシード層2を介して金属材料層である銅めっき層7が、例えば無電解銅めっきにより設けられた、キャリアテープ素材8を用意する。
そして、図2(b)に示したように、このキャリアテープ素材8の銅めっき層7上にフォトレジスト9を塗付した後、乾燥させる。引き続いて、図2(c)に示したように、フォトマスクおよび露光装置(いずれも図示省略)を用いて所定のパターンの露光・現像を行って、レジストパターン10を得る。
続いて、図2(d)に示したように、レジストパターン10をエッチングマスクとして用いて、エッチング法により銅めっき層7をパターニングし、最小の配線間スペースが15μm以下に設定された所定の配線パターン3を形成する。配線パターン3を形成した後、その配線パターン3で覆われておらずに露出している部分のシード層2を除去する。その後、図2(e)に示したように、レジストパターン10を剥離する。
続いて、図2(f)に示したように、めっき前処理として脱脂・酸洗を行って、配線パターン3の表面を清浄化する。その後、図2(g)に示したように、無電解めっき法により、例えば0.5μm程度の厚さの錫めっき層4を形成する。錫めっき層4の厚さは、高い自由度を以て、この半導体装置用テープキャリアに要求される配線幅および配線間スペースならびに耐久性や外部の電極等との接続性などの諸条件に適合するような設定とすることができる。何故なら、本実施の形態に係る製造方法によれば、後述するように、絶縁性基板1のポリイミド樹脂表面を粗面化する際に錫めっき層4の表面が荒らされたり厚さが削減されたりする虞がないので、そのような煩雑さがさらに助長されてしまうようなファクタを考慮することなしに、より高い自由度を以て、種々の設定に対して最適な厚さに設定することが可能だからである。
続いて、図2(h)に示したように、濃度0.1〜3W/V%のリン酸三ナトリウム溶液中に、この錫めっき層4が形成された状態の半導体装置用テープキャリアを浸潤させ、液温(処理溶液の温度)20〜50℃、処理時間5〜30秒のプロセス条件で、絶縁性基板1における露出部分6のポリイミド樹脂の表面に粗面化処理を施す。このとき、上記のプロセス条件に設定することにより、絶縁性基板1における露出部分6のポリイミド樹脂の表面に対しては、必要十分な粗面化処理を施して、この露出部分6に残存していた錫、銅、ニッケル、クロムあるいはさらにそれらの化合物の金属イオンや、製造プロセスで用いられて残存していた薬液等を、確実に除去することができると共に、ソルダーレジスト5に対する密着性を確実に高めることができる。しかも他方、錫めっき層4の表面に対しては、荒れや結晶変質が発生することを回避することができる。
その後、ソルダーレジスト層5を、例えば印刷法により形成する。より具体的には、配線パターン3および錫めっき層4が形成された絶縁性基板1の表面上に、その配線パターン3における外部接続用のリードの部分等は露出させ、その他の電気的絶縁性および熱的絶縁性ならびに機械的耐久性等の確保が必要とされる部分を十分に覆うことができるようにソルダーレジスト層5を設ける。
このようにして、図1に示したような本実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの主要部が完成する。
上記のように濃度0.1〜3W/V%のリン酸三ナトリウム溶液を用いて、プロセス条件を処理溶液の温度20〜50℃、処理時間5〜30秒に設定して粗面化処理を施すことにより、その粗面化の際に、絶縁性基板1における露出部分6のポリイミド樹脂の最表面が微量に除去される。このとき、露出部分6のポリイミド樹脂の最表面上に残存していた各種の金属イオンや薬液等も除去される。これにより、従来は特に15μm以下のような微細な(狭隘な)配線間スペースに残存していて除去することが極めて困難であった各種の金属イオンや薬液の残渣等に起因して発生する虞のあった耐マイグレーション性の低下の問題を、解消することができる。
また、それと共に、粗面化された絶縁性基板1の露出部分6の表面は、ソルダーレジスト層5に対する密着性が良好なものとなるため、それら両者の間に隙間が生じることを防ぐことができる。これにより、絶縁性基板1とソルダーレジスト層5との間に水分等が浸透することを防ぐことが可能となり、延いては配線パターン3からの銅イオン溶出や析出が抑制ないしは解消されて、配線パターン3同士の間での絶縁性を長期間に亘って保つことができる。その結果、耐マイグレーション性の低下の問題を解消して、長期信頼性に優れた半導体装置用テープキャリアを実現することが可能となる。
ここで、上記のような濃度よりも低い濃度のリン酸三ナトリウム溶液を用いた場合には、確実な粗面化を達成することが困難になる傾向がある。逆に、上記のような濃度よりも高い濃度のリン酸三ナトリウム溶液を用いると共に、上記のプロセス条件よりも高い温度および長い処理時間の設定を用いると、錫めっき層4の表面が荒れたり結晶変質を生じたりする虞が高くなる傾向にある。従って、リン酸三ナトリウム溶液の濃度は上記のように0.1〜3W/V%とし、かつプロセス条件は上記のように処理溶液の温度20〜50℃、処理時間5〜30秒とすることが望ましいのである。
以上説明したように、本実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアおよびその製造方法によれば、濃度0.1〜3W/V%のリン酸三ナトリウム溶液を用いて、処理溶液の温度20〜50℃、処理時間5〜30秒という低温・短時間のプロセス条件で粗面化処理プロセスを行うことにより、錫めっき層4の表面を荒らしたり結晶変質を生じたりすることなく、絶縁性基板1における露出部分6のポリイミド樹脂の表面を確実に粗面化することができ、その結果、錫めっき層4や配線パターン3のリード等の信頼性や耐久性を損なうことなく、ソルダーレジスト層5を形成した後の(そしてさらには完成した後の製品としての)、特に15μm以下の配線間スペースを有するようなファインパターン対応の半導体装置用テープキャリアにおける耐マイグレーション性を確保することが可能となる。
また、粗面化処理工程の処理時間が5〜30秒と短時間で済むので、その粗面化処理工程を付加することに起因したスループットの低下の虞が極めて小さいという利点もある。
上記の実施の形態で説明したような半導体装置用テープキャリアを試験的に作製し、信頼性試験を実施して、耐マイグレーション性を主体とする長期信頼性について確認した。また、比較例として、従来の製造方法によって従来の構成の半導体装置用テープキャリアを作製し、本実施例の半導体装置用テープキャリアの場合と同等の信頼性試験を行って、両者の結果を比較・検討した。
図3は、本実施例に係る半導体装置用テープキャリアと比較例に係る半導体装置用テープキャリアとの、信頼性試験の結果を纏めて示す図、図4は、比較例に係る半導体装置用テープキャリアの主要部の構成を示す図、図5は、比較例に係る半導体装置用テープキャリアの主要な製造工程を示す図である。
本実施例に係る半導体装置用テープキャリアについては、まず、ポリイミド樹脂からなる絶縁性基板1上にニッケル−クロムスパッタ膜からなるシード層2を介して電解銅めっき法により設けられた銅めっき層7をフォトエッチング法によりパターニングして、配線間スペースが15μm以下に設定された所定のファインパターン対応の配線パターン3を形成した。その形状は、より具体的には、信頼性試験用に好適なパターンとして櫛歯状のリードを形成してなるパターンとした。
続いて、配線パターン3が形成されておらずに露出している部分のシード層2を、塩酸と5〜30W/V%の硫酸、ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム5〜50W/V%、ノニオン系界面活性剤の組成で建浴した溶液を用いて、液温50℃、処理時間60秒の設定で除去した。
続いて、めっき前処理として脱脂・酸洗を施した後、配線パターン3の表面に、無電解めっき法により、0.5〜0.6μmの厚さの錫めっき層4を形成した。このときの無電解錫めっきプロセスは、石原薬品(社名)製の580M(製品名)を用いて、液温65℃、処理時間3分40秒の設定で行った。
そして、錫めっき層4の形成後、リン酸三ナトリウム溶液を添加した洗浄槽内に製造途中の半導体装置用テープキャリアを浸潤させ、液温20〜50℃、処理時間5〜30秒のプロセス条件で、絶縁性基板1の露出部分6のポリイミド樹脂表面に対する粗面化処理を行った。このときのリン酸三ナトリウム溶液の濃度は、図3に示したように、0.05W/V%(No.1)、0.1W/V%(No.2)、1W/V%(No.3)、3W/V%(No.4)の4通りとした。
その後、ソルダーレジスト層5を、配線パターン3における外部接続用のリードの部分等を除く配線パターン3の表面の錫めっき層4上を含む絶縁性基板1のほぼ全面に亘って、ソルダーレジスト層5を一般的な印刷法により設けた。
他方、比較例に係る半導体装置用テープキャリアについては、リン酸三ナトリウム溶液を用いた粗面化処理は全く行わないようにした。すなわち、比較例に係る半導体装置用テープキャリアは、まず、配線パターン3の形成までは上記の本実施例に係る製造方法と同様の工程(すなわち図2の(a)〜(d)に示した工程と同様の工程)により製造した。そして、図5(a)に示したように、配線パターン3上のレジストパターン10を剥離除去した後、図5(b)に示したように、錫めっき層4を被着形成し、その後、粗面化処理を行うことなく、そのままソルダーレジスト層5を本実施例と同様の一般的な印刷法により形成して、図4に示したような主要部を完成させた。
このようにして作製した本実施例に係る4つの半導体装置用テープキャリアおよび比較例に係る1つの半導体装置用テープキャリアのそれぞれについて、試験チャンバ内雰囲気の温度を85℃、湿度を85%とし、負荷電圧を60Vに設定して、THB(Temperature Humidity Bias)信頼性試験を行った。
その結果、図4に纏めて示したように、リン酸三ナトリウム溶液の濃度を0.1W/V%〜3W/V%(No.2、No.3、No.4)としたものについては、いずれも、絶縁抵抗1MΩ以上となり、良好な耐マイグレーション性が確保されていることが確認された。また、錫めっき層4の表面に荒れや結晶変質等の発生は全く見受けられなかった。但し、リン酸三ナトリウム溶液の濃度を0.05W/V%としたNo.1の半導体装置用テープキャリアについては、一部に若干の絶縁性劣化が発生することが確認された。
他方、粗面化を全く行わなかった、比較例に係る半導体装置用テープキャリアでは、絶縁性基板1のポリイミド樹脂表面に残存している金属イオンや薬液や銅めっき層等の残渣20およびそれらに因って発生したソルダーレジスト層5の剥れや隙間22等に起因して、短絡および絶縁抵抗が1MΩ未満であるような絶縁性の劣化が発生し、本実施例に係る半導体装置用テープキャリアと比較して、耐マイグレーション性が明らかに低くなることが確認された。
また、具体的な実験結果の説明および図示は省略するが、粗面化処理に3W/V%以上の濃度のリン酸三ナトリウム溶液を用いた場合には、錫めっき層4の表面に荒れや結晶変質等が発生する虞が高くなることが確認されている。
上記のような信頼性試験および実験の結果から、本実施例に係る半導体装置用テープキャリアおよびその製造方法によれば、錫めっき層4の耐久性や信頼性の低下を引き起こすことなく、絶縁性基板1のポリイミド樹脂表面における金属イオンや薬液等の残渣を確実に除去すると共にソルダーレジスト層5との密着性をさらに確実なものにして、ソルダーレジスト層5形成後の完成した(製品としての)半導体装置用テープキャリアとしての耐マイグレーション性を確保することが可能となることが確認された。
また、リン酸三ナトリウム溶液の濃度を0.1〜3W/V%とすることが望ましいことが確認された。
なお、錫めっき層4の形成に伴う錫結晶の針状析出や異常析出については、その錫めっき層4を形成する際の無電解めっき液自体の組成を最適化することなどにより、回避することが可能である。
また、上記ではソルダーレジスト層5を絶縁性保護層として用いる場合について説明したが、絶縁性保護層としては、これ以外にも、例えばエポキシ樹脂からなるパッシベーション層を用いることなども可能であることは勿論である。
また、粗面化処理で用いる溶液(薬液)としては、上記のリン酸三ナトリウム溶液のみには限定されないことは言うまでもない。その他にも、例えばKOH(水酸化カリウム)溶液やNaOH(水酸化ナトリウム)溶液などのようにPHが9〜11程度の弱アルカリ系の薬液で、上記のリン酸三ナトリウム溶液と同様に錫めっき層4の耐久性や信頼性の低下を引き起こすことなく絶縁性基板1のポリイミド樹脂表面における金属イオンや薬液等の残渣を確実に除去すると共にソルダーレジスト層5との密着性をさらに確実なものとすることができるような化学的粗面化処理性能を有するものを、好適に用いることが可能である。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の技術を併せ用いるなどして、製品としての半導体装置用テープキャリアの信頼性や耐久性のさらなる向上を達成することも可能であることは言うまでもない。
本実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの主要部の構成を示す図である。 本実施の形態に係る半導体装置用テープキャリアの製造工程の主要な流れを示す図である。 本実施例に係る半導体装置用テープキャリアと比較例に係る半導体装置用テープキャリアとの、信頼性試験結果を纏めて示す図である。 比較例に係る半導体装置用テープキャリアの主要部の構成を示す図である。 比較例に係る半導体装置用テープキャリアの主要な製造工程を示す図である。
1 絶縁性基板
2 シード層
3 配線パターン
4 錫めっき層
5 ソルダーレジスト層
6 露出部分(粗面化処理が施される部分)
銅めっき層
8 キャリアテープ素材
9 フォトレジスト
10 レジストパターン

Claims (2)

  1. ポリイミド樹脂からなる絶縁性基板上に、前記絶縁性基板上にニッケルまたはニッケル−クロムスパッタ膜からなるシード層を介して設けられた配線パターンを形成する工程と、前記配線パターン上にめっき層を形成する工程と、前記配線パターンおよび前記めっき層が形成された前記絶縁性基板上に絶縁性保護層を形成する工程とを有する半導体装置用テープキャリアの製造方法であって、
    前記配線パターンおよび前記めっき層を形成した後、前記絶縁性基板における前記配線パターンおよび前記めっき層が形成されておらずに露出している部分のポリイミド樹脂表面に、リン酸三ナトリウム溶液を用いて粗面化処理を施す工程を含み、
    前記粗面化処理における、前記リン酸三ナトリウム溶液の濃度を0.1〜3W/V%、処理溶液の温度を20〜50℃、処理時間を5〜30秒とする
    ことを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置用テープキャリアの製造方法において、
    前記配線パターン同士の隣り合う配線間スペースの最小値を15μm以下とすることを特徴とする半導体装置用テープキャリアの製造方法。
JP2007165162A 2007-06-22 2007-06-22 半導体装置用テープキャリアの製造方法 Expired - Fee Related JP5013183B2 (ja)

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