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JP5013373B2 - エックス線遮蔽装置 - Google Patents
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JP5013373B2 - エックス線遮蔽装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エックス線遮蔽装置に関し、特に、エックス線透視装置のエックス線の一部が人体に照射されるのを遮るエックス線遮蔽装置に関する。
医療分野においては、従来からエックス線透視装置を用いた診断が行なわれている。
また、近年においては、エックス線透視装置は、診断行為に加えて治療行為にも利用されるようになっている。
例えば、頭部の脳動脈瘤を患っている患者に対しては、従来は、全身麻酔の下、開頭手術により治療するのが一般的であったけれども、近年では、血管内手術による治療が行なわれることも少なくない。血管内手術は、マイクロカテーテルを血管に通すことによって行なわれ、このマイクロカテーテルを血管に通す作業を行なうのに、エックス線透視装置(血管造影装置)が用いられる。このような血管内手術は、人体の切開を伴わず、人体に対する侵襲性がより少ないという利点がある。
ところで、エックス線透視装置を治療に利用する場合には、診断に用いる場合に比較して、人体にエックス線を照射する時間は相対的に長くならざるを得ず、しかも、透視が必要とされる人体部位のみではなく、これに近接して位置する、透視が必要のない部位にまでエックス線が照射されることがある。
このようなエックス線照射による所謂医療被曝、殊に、透視が必要のない部位にまでエックス線が照射されることは、可能な限り防止すべきであることはいうまでもない。この被曝低減措置は、放射線に対する耐性、すなわち、耐容線量が低い人体部位において特に重要であり、例えば、先に例示説明した、頭部に対する血管内手術を行なう場合においては、眼球、特にその水晶体に対する被曝低減措置は白内障予防の観点から極めて重要である。
このような医療被曝の低減を目的としたX線遮蔽装置が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されているX線遮蔽装置は、患者の頭部と、その下方に配置された血管造影装置のX線管球との間に設置された鉛遮蔽円板を有する。この遮蔽円板は、XY面上を移動されると共に、X軸回りに所望角度傾斜され、この状態で、更にZ軸回りに回転されるようになっている。そして、X線管球からX線がZ軸方向に照射されると、回転する遮蔽円板によって構成される或る円形領域が、常時、X線管球からのX線を遮蔽することになる。
特開2004―49849号公報
上述した従来のX線遮蔽装置では、遮蔽円板を、XY面上を移動させことに加えて、X軸回りに回動させ、Z軸回りに連続回転させる必要があるので、これらを実行するための機構は複雑である。
また、鉛遮蔽円板はZ軸方向に立てられ、これをZ軸回りに連続回転させるための機構を設けなければならないところ、そのための空間を、患者の頭部とX線管球との間という限られた空間に提供することは設計上容易ではない。
更に、エックス線源を移動させる際には、作業を一旦中断して、遮蔽円板を所定位置に手作業で位置決めし直さなければならない。
本発明は、上述した課題を解決するために発明されたものであって、空間効率に優れ、エックス線源の移動に連動して遮蔽板を被検体の特定部位を遮蔽するように自動的に移動させることができるエックス線遮蔽装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によるエックス線遮蔽装置は、前記エックス線源と前記支持部材との間に配置されるエックス線遮蔽板と、該エックス線遮蔽板を支持する支持部を有し、エックス線照射経路を横切る方向に前記支持部の前記遮蔽板を移動させる遮蔽板駆動機構と、前記遮蔽板駆動機構を制御するための制御装置とを有し、該制御装置は、前記支持部材に対して前記エックス線発生器、前記エックス線検出器が移動されたときに前記エックス線源からのエックス線から前記被検体の特定部位を遮蔽するように、前記遮蔽板を移動させるようになっている、ことを特徴とする。
本発明によるエックス線遮蔽装置では、前記遮蔽板駆動機構の前記支持部が、大きさの異なるエックス線遮蔽板を取り替え可能に支持することができるようになっている、のが好ましい。
また、前記制御装置は、前記エックス線遮蔽板を、前記エックス線遮蔽板の中心を位置決めすべき位置であって、前記遮蔽板の移動平面と交差する、前記エックス線源と該エックス線源からのエックス線の照射を遮るべき前記被検体の特定部位の中心とを通って延びる中心線上の遮蔽位置に、移動させるようになっている、のが好ましい。
更に、前記遮蔽位置を決定する遮蔽位置決定手段を有し、前記制御装置が前記遮蔽位置決定手段によって決定された前記遮蔽位置に前記エックス線遮蔽板を移動させるようになっている、のが好ましい。
更にまた、前記遮蔽位置決定手段が、共通基準点に対する前記エックス線源の位置を計測するエックス線源位置測定装置と、前記共通基準点に対する前記遮蔽板駆動機構の位置を計測する遮蔽板駆動機構位置測定装置と、前記共通基準点に対する前記特定部位の位置を計測する非照射部位位置測定装置と、前記エックス線源位置測定装置からのデータと、前記遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、前記非照射部位位置測定装置からのデータとに基づいて前記遮蔽位置を演算処理する演算処理装置とによって構成される、のが好ましい。
また、前記制御装置は、前記エックス線遮蔽板を、前記エックス線遮蔽板の中心を位置決めすべき位置であって、前記遮蔽板の移動平面と交差する、前記エックス線源と前記投影面における前記特定部位の投影像の位置とを通って延びる中心線上の遮蔽位置に、移動させるようになっている、のが好ましい。
更に、前記遮蔽位置を決定する遮蔽位置決定手段を有し、前記制御装置が前記遮蔽位置決定手段によって決定された前記遮蔽位置に前記エックス線遮蔽板を移動させるようになっている、のが好ましい。
更にまた、前記遮蔽位置決定手段が、共通基準点に対する前記エックス線源の位置を計測するエックス線源位置測定装置と、前記共通基準点に対する前記遮蔽板駆動機構の位置を計測する遮蔽板駆動機構位置測定装置と、前記共通基準点に対する、前記投影面における前記特定部位の投影像の位置を測定する非照射部位投影像位置測定装置と、前記エックス線源位置測定装置からのデータと、前記遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、前記非照射部位投影像位置測定装置からのデータとに基づいて前記遮蔽位置を演算処理する演算処理装置とによって構成される、のが好ましい。
また、前記遮蔽位置に位置決めされる前記エックス線遮蔽板の、前記エックス線源からのエックス線の照射を遮るべき前記被検体の前記特定部位に適した大きさを決定するための遮蔽板寸法決定手段を有する、のが好ましい。
更に、前記遮蔽板寸法決定手段が、前記遮蔽位置決定手段と、前記エックス線源と前記前記特定部位の中心とを通って延びる中心線に対して垂直な平面に投影される前記前記特定部位の大きさに関するデータを記憶する非照射部位大きさ記憶装置と、前記遮蔽位置決定手段によって得られたデータ及び眼球大きさ記憶装置からのデータに基づいて当該前記特定部位に適した前記エックス線遮蔽板の大きさを演算処理する演算処理装置とによって構成される、のが好ましい。
更にまた、前記支持部材の前記エックス線遮蔽板を、大きさの異なるエックス線遮蔽板に交換するためのエックス線遮蔽板交換手段を有する、のが好ましい。
また、前記エックス線遮蔽板交換手段が、大きさの異なる2つ以上のエックス線遮蔽板を解放自在に保持する遮蔽板ラックを有し、前記支持部が前記エックス線遮蔽板を解放自在に支持することができるように構成され、前記遮蔽板駆動機構が、前記支持部の前記エックス線遮蔽板を前記遮蔽板ラックに保持させ、前記遮蔽板ラックのエックス線遮蔽板を前記支持部に支持させるように前記支持部を移動させることができるようになっている、のが好ましい。
更に、前記制御装置が、前記エックス線遮蔽板交換手段を制御して、前記支持部の前記エックス線遮蔽板を前記遮蔽板ラックに保持させ、前記遮蔽板ラックに保持されている、前記遮蔽板寸法決定手段によって決定された大きさのエックス線遮蔽板を前記支持部に支持させる、のが好ましい。
更にまた、前記遮蔽板駆動機構が、前記エックス線遮蔽板を前記エックス線照射経路に沿って移動させることができるようになっている、のが好ましい。
この構成によれば、遮蔽板を、その大きさに応じて、被検体の特定部位へのエックス線の照射を遮蔽するのに最適な位置に位置決めすることができる。
また、前記制御装置に接続された指令入力装置を有するのが好ましい。
更に、前記エックス線源からのエックス線が前記被検体の複数の特定部位に照射されないようにするために前記エックス線遮蔽板を少なくとも2つ有し、これらのエックス線遮蔽板を移動させる各前記遮蔽板駆動機構が、これらのエックス線遮蔽板を前記エックス線照射経路上の異なる位置で前記エックス線照射経路を横切る方向に移動させるようになっているのが好ましい。
本発明によれば、空間効率に優れ、エックス線源の移動に連動して遮蔽板を被検体の特定部位を遮蔽するように自動的に移動させることができるエックス線遮蔽装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明のエックス線透視装置を血管造影装置に適用したものである。
図1及び図2を参照すると、既知の構造の血管造影装置が全体的に参照番号1で概略的に示されている。
この血管造影装置1はC字形の固定アーム2を有し、このアーム2の下部にはエックス線発生器3が取り付けられ、エックス線発生器3はエックス線源Sを備えている。アーム2の上部にはエックス線検出器4が取り付けられ、このエックス線検出器4は、エックス線源Sと対向して配置された投影面Pを備える。
図3に示すように、固定アーム2の上方の上方支持面(天井)にはアーム用レール5が取り付けられ、スライダ6がモータ6Aを介してアーム用レール5に沿って摺動されるようになっている。スライダ6の下方には逆L字形の支持アーム7が配置され、支持アーム7の水平方向部分7Aがモータ7Cを介して垂直軸線を中心に回動されるようにスライダ6の下部に取り付けられている。
支持アーム7の垂直方向部分7Bの内側部には、モータ8Aを介して水平軸線を中心に回動されるように連結部材8が取り付けられ、C字形の固定アーム2は、この連結部材8を上下方向に移動自在に通って延び、モータ8Bを介して連結部材8内を駆動されるようになっている。また、エックス線検出器4は、モータ4Aを介してエックス線発生器3に対して離間自在に移動されるようになっている。
血管造影装置1はまた、図1及び図2に示すように、エックス線源Sと投影面Pとの間に配置されるベッド9を有し、ベッド9には被検体、例えば、患者PA、或いは、その模擬物体(ファントム)が横たわる。ベッド9は、既知の構造の駆動機構、例えば、モータと歯車列との組合せによって、垂直方向及び又は水平方向に移動可能なものであっても良く、また、エックス線検出器から独立していても良い。
血管造影装置1は更に、投影面Pに投影された患者PAの像を表示するための画像表示手段、例えば、モニター(図示せず)を有する。
血管造影装置1は更にまたエックス線遮蔽装置を有する。
(エックス線遮蔽板20について)
エックス線遮蔽装置は、血管造影装置1のエックス線源Sとベッド9との間に配置されるエックス線遮蔽板20を有する。エックス線遮蔽板20は、エックス線に対して遮蔽効果のある物質、例えば、鉛、タングステンで作られる。遮蔽板20は、この実施形態では、円形であるが、任意の形状で良い。また、エックス線遮蔽板20は、上記遮蔽効果のある物質で作った板状体に、該物質(例えば、鉛)よりも剛性の高い別個の材料で作った板状体を積層することによって構成しても良い。
(遮蔽板駆動機構30について)
エックス線遮蔽装置はまた、遮蔽板20を投影面Pと平行な平面、すなわち、エックス線源Sから投影面Pに延びるエックス線照射経路に対して垂直な平面(以下、「遮蔽板移動平面」と呼ぶ)SMPにおいて移動させるための遮蔽板駆動機構30を有する。
遮蔽板駆動機構30は、図1乃至図4では、エックス線発生器3と一定の間隔で固定アーム2に固定されているけれども、特にこの構成に限定されるわけではなく、例えば、固定アーム2と独立した任意の支持手段によって、前述したエックス線照射経路においてベッド9とエックス線源Sとの間を移動できるように構成されていても良い。また、エックス線発生器3及びこれと対向するエックス線検出器4が固定式である場合には、遮蔽板駆動機構30もまた固定でよく、この場合には、例えば、ベッドの下面に固定されていても良い。
いずれの場合にも、本発明のエックス線遮蔽装置の使用の際には、遮蔽板駆動機構30は、その遮蔽板移動平面SMPがエックス線検出器4の投影面Pと平行になるように、位置決めされるようになっている。
遮蔽板駆動機構30は、図5Aに示すように、平坦なベースフレーム31を有し、ベースフレーム31には、互いに平行に延びる1対のX軸方向ガイド32A、32Bが固定されている。X軸方向ガイド32Aには第1摺動体33が摺動自在に取り付けられ、この第1摺動体33は、第1ステッピングモータ33Aと直動ボールネジ軸(図示せず)を介して駆動されるようになっている。第1摺動体33からはX軸方向ガイド32A、32Bに対して直交してY軸方向ガイド34が延び、Y軸方向ガイド34の自由端部は、下部に取り付けられたガイドローラ(図示せず)を介してX軸方向ガイド32Bで摺動自在に支持されている。
Y軸方向ガイド34には第2摺動体35が摺動自在に取り付けられ、この第2摺動体35は、Y軸方向ガイド34に取り付けられた第2ステッピングモータ35Aと直動ボールネジ軸を介して駆動されるようになっている。
モータ33A、35Aは、サーボモータによって構成しても良く、また、ブレーキ付きであるのが好ましい。また、摺動体33、35を駆動するための機構は、既知の任意の機構を用いることができ、例えば、モータと、ラック/ピニオンギヤ機構や、タイミングベルト機構などとの組み合わせによって構成しても良い。
第2摺動体35からはエックス線透過性アーム36がベースフレーム31と平行に延び、このアーム36にエックス線遮蔽板20を支持する支持部が設けられている。アーム36の支持部は、エックス線遮蔽板20を支持することができれば、その形状、構造は任意である。
図5Bからわかるように、本実施形態では、アーム36の支持部は、異なる大きさのエックス線遮蔽板20を着脱自在に支持することができるように、周縁部が上方に突出する皿状トレイ36Aに形作られ、トレイ36Aの中央部には案内保持孔36aが形成されている。他方、エックス線遮蔽板20の下面中央部には下方に延びる突出ピン部20aが形成され、この突出ピン部20aはアーム36の支持部の案内保持孔36aに挿入されて保持されることにより、エックス線遮蔽板20はアーム36の支持部で着脱自在に支持されることになる。突出ピン部20aはまた、その上面中央部に上方に延びる突出ピン部20bを有する。
第1ステッピングモータ33A、第2ステッピングモータ35Aは、夫々エンコーダを備え、第1摺動体33、第2摺動体35の位置情報を出力することができ、従って、遮蔽板駆動機構30におけるエックス線遮蔽板20の位置は常時特定することができるようになっている。
尚、ベースフレーム31にはエックス線を通すための貫通孔37が形成されている。
上述した遮蔽板駆動機構30における、エックス線遮蔽板20を遮蔽板移動平面SMPを移動させるための構造それ自体は、既知の任意の技術を用いて種々の仕方で構成することができ、図5に関連して説明した構造に限定されない。
例えば、遮蔽板駆動機構を図17に示すように構成しても良い。図17に全体的に参照番号200で示される、この変形例の遮蔽板駆動機構は、エックス線を通すための貫通孔237が形成されたベースフレーム231を有し、ベースフレーム231にはX軸方向ガイド232Aが固定されている。
X軸方向ガイド232Aには、その長手方向に沿って間隔を隔てられた一対のローラ240A、240Bが回転自在に設けられ、ローラ240Aはモータ240aによって駆動されるようになっている。これらのローラ240A、240Bには無端駆動ベルト241が掛けまわされ、無端駆動ベルト241の一部は各ローラ240A、240Bに固定されている。
Y軸方向ガイド234が、X軸方向ガイド232Aの長手方向に沿って摺動自在にX軸方向ガイド232Aの案内スロット232aで案内され、X軸方向ガイド232A対して直交して延びる。Y軸方向ガイド234の基端部は無端駆動ベルト241に固定され、従って、無端駆動ベルト241が駆動されると、Y軸方向ガイド234はX軸方向ガイド232Aの長手方向に沿って摺動される。
Y軸方向ガイド234には、その長手方向に沿って間隔を隔てられた一対のローラ250A、250Bが回転自在に設けられ、ローラ250Aはモータ250aによって駆動されるようになっている。これらのローラ250A、250Bには無端駆動ベルト251が掛けまわされ、無端駆動ベルト251の一部は各ローラ250A、250Bに固定されている。
Y軸方向ガイド234はまたその長手方向に沿って延びる摺動ガイド234Aを有し、摺動ガイド234Aには遮蔽板支持部材260が摺動自在に取り付けられている。そして、この遮蔽板支持部材260は無端駆動ベルト251に固定されている。従って、無端駆動ベルト251が駆動されると、遮蔽板支持部材260は摺動ガイド234Aに沿って摺動される。この遮蔽板支持部材260は、大きさの異なるエックス線遮蔽板220をビスを介して着脱自在に取り付けることができるようになっている。尚、無端駆動ベルト251、摺動ガイド234A及び遮蔽板支持部材260は、エックス線に対する遮蔽性の低い材料、例えば、プラスチックで作られている。
かくして、このような遮蔽板駆動機構200によっても、エックス線遮蔽板20(260)を前述した遮蔽板移動平面SMPを移動させることができる。
(制御装置100について)
図6に示すように、エックス線遮蔽装置は更に、遮蔽板駆動機構30を制御するための制御装置100を有する。すなわち、遮蔽板駆動機構30に用いられている各種ステッピングモータは、(いずれの実施形態においても)制御装置100によって制御される。
制御装置100には指令入力装置110が接続され、制御装置100が行なうことができる制御の全部又は一部を入力装置110によって手動により行なうことができる。
(エックス線遮蔽板交換手段について)
エックス線遮蔽装置は更にまた、アーム36の支持部で支持されているエックス線遮蔽板20を、大きさの異なるエックス線遮蔽板20に交換するためのエックス線遮蔽板交換手段とを有する。
エックス線遮蔽板交換手段は、図5Aに示すように、ベースフレーム31に取り付けられた遮蔽板ラック40を有する。遮蔽板ラック40は、図5Bに示すように、多数の電磁石部材40Xを備え、これらの電磁石部材40Xは、直径の異なる複数の、この実施形態では6個のエックス線遮蔽板20を解放自在に保持する。各電磁石部材40Xは、励磁されることによってエックス線遮蔽板20を拘束し、消磁されることによってエックス線遮蔽板20を解放するようになっている。各電磁石部材40Xの下面には案内保持孔40xが形成され、この案内保持孔40xがエックス線遮蔽板20の突出ピン部20bを案内保持するようになっている。
この遮蔽板ラック40の各保持部の電磁石部材40Xは、制御装置100からの指令に基づいて励磁又は消磁されるようになっている。
従って、所望の大きさのエックス線遮蔽板20を保持する電磁石部材40Xの下方に遮蔽板駆動機構30のアーム36の(遮蔽板20を保持していない)トレイ36Aを移動させ、電磁石部材40Xを消磁させると、電磁石部材40Xから遮蔽板20が解放され、遮蔽板20はトレイ36Aによって受け取られ、遮蔽板20の突出ピン部20aがトレイ36Aの案内保持孔36aによって案内保持される。他方、遮蔽板20を保持しているアーム36のトレイ36Aを移動させ、電磁石部材40Xを励磁させると、トレイ36Aの遮蔽板20は電磁石部材40Xに吸い寄せられ、遮蔽板20の突出ピン部20bが電磁石部材40Xの案内保持孔40xによって案内保持される。
遮蔽板ラック40におけるエックス線遮蔽板20の保持、解放機構は、上記実施形態に限定されず、既知の任意の機構を用いることができる。
(遮蔽板駆動機構30及びエックス線遮蔽板交換手段の変形実施形態)
図7は、図5に示す遮蔽板駆動機構30及びエックス線遮蔽板交換手段の変形実施形態を示す。
図5に示す遮蔽板駆動機構30及びエックス線遮蔽板交換手段と相違する構成を説明し、同様な構成の説明を省略する。図5に示す遮蔽板駆動機構30及びエックス線遮蔽板交換手段の構成要素と同様な構成要素には、同様な参照番号を付した。
図7では、遮蔽板駆動機構30Aは、ベースフレーム31に回動自在に取り付けられた第1軸201を有し、この第1軸201には第1アーム202が取り付けられている。第1軸201はまた、ベースフレーム31に対して垂直な方向に昇降することができるようになっている。
更なる変形例として、第1アーム202を第1軸201に沿って移動(昇降)することができるように構成しても良いし、後述の第3軸205をベースフレーム31に対して垂直方向に昇降させ、或いはまた、後述の第1支持ハウジング206を第3軸205に沿って移動(昇降)することができるように構成しても良く、要するに、後述するアーム206A、208Aをベースフレーム31に対して垂直方向に昇降させることができるように構成されていれば良い。
再び図7を参照すると、第1アーム202の自由端部には第1軸201と平行に延びる第2軸203が回動自在に取り付けられ、第2軸203には第2アーム204が取り付けられている。そして、第2アーム204の自由端部には第1軸201と平行に延びる第3軸205が回動自在に取り付けられ、第3軸205には第1支持ハウジング206が回動自在に取り付けられている。
第1支持ハウジング206からエックス線透過性アーム206Aがベースフレーム31と平行に延び、このアーム206Aの自由端部にはエックス線遮蔽板20を支持する第1支持部が設けられている。
第1支持ハウジング206にはまたアーム206Aと直交する方向であって、ベースフレーム31と平行に延びる案内穴(図示せず)が形成され、この案内穴には直摺動アーム207が摺動自在に配置されている。直摺動アーム207は、第1支持ハウジング206に収容されたステッピングモータ(図示せず)によって駆動される。
直摺動アーム207の一方の端部には第2支持ハウジング208が取り付けられ、この第2支持ハウジング208からはエックス線透過性アーム208Aがアーム206Aと平行に延び、アーム208Aの自由端部にはエックス線遮蔽板20を支持する第2支持部が設けられている。
尚、第1軸201、第2軸203、第3軸205はいずれも、ステッピンクモータ(図示せず)などによって回動駆動されるようになっており、第1軸201はまた、ステッピンクモータ(図示せず)と直動ボールネジ軸機構などとの組み合わせによって昇降されるようになっている。これらのステッピンクモータはエンコーダを備え、各軸201、203、205の(角度)位置情報を出力することができ、また、ベースフレーム31に対する垂直方向の第1軸201の位置情報を出力することができる。尚、上述した駆動モータは、サーボモータによって構成しても良く、また、ブレーキ付きであるのが好ましい。
また、上述したように摺動アーム207の位置情報もまた第1支持ハウジング206に収容されたステッピングモータ(図示せず)によって得ることができる。従って、この変形実施形態における遮蔽板駆動機構30Aでは、アーム206A、208Aで夫々支持される各エックス線遮蔽板20の位置を常時特定することができるようになっている。アーム206Aとアーム208Aの二つのアームを設けたのは、両目を保護するためであり、直動アーム207により二つのエックス線遮蔽板を両眼球間の距離に応じて調整することができる。他方、図5Aに示す遮蔽板駆動機構30のようにエックス線遮蔽板20が1つのみであるタイプのものでは、エックス線源Sから放射されるエックス線の放射領域を絞って、エックス線遮蔽板20で遮蔽されない眼球にエックス線が照射されないようにする。
この変形実施形態におけるエックス線遮蔽板交換手段もまた、ベースフレーム31に取り付けられた遮蔽板ラック40Aを有する。
図7乃至図9でよく分かるように、遮蔽板ラック40Aは、二組の、大きさの異なる複数の、この実施形態では、3個のエックス線遮蔽板20を解放自在に保持する。
遮蔽板ラック40Aは、各エックス線遮蔽板20を解放自在に保持するための保持バーからなり、この保持バー40Aには、夫々、ベースフレーム31に対して垂直に延びる3つの保持凹部41が形成されている。
この変形実施形態では、エックス線遮蔽板20は、その下面中央部に下方に延びる第1縮径部21と、この第1縮径部21の下面中央部から下方に延びる、第1縮径部21よりも縮径の第2縮径部22を備える。第2縮径部22の直径は、遮蔽板ラック40Aの保持凹部41よりも僅かに小さく、第1縮径部21の直径は、遮蔽板ラック40Aの保持凹部41よりも大きい。
第1縮径部21は、磁性部材で形成され、第2縮径部22が保持バー40Aの保持凹部41に挿入され、第1縮径部21の下面が保持バー40Aに当接している状態において、保持バー40Aに磁着する。これにより、固定アーム2が図1乃至図3に示す状態から回動され、遮蔽板駆動機構30、かくして、遮蔽板ラック40Aが傾斜され、倒立されたときに、遮蔽板ラック40Aからエックス線遮蔽板20が落下するのを防ぐことができる。第1縮径部21に代えて、第2縮径部22を磁性部材で形成しても良い。
図8から良く分かるように、遮蔽板駆動機構30Aの各アーム206A、208Aの各自由端部、すなわち、第1支持部、第2支持部には、U字形又は半楕円形の切欠部210が形成され、また、切欠部210に隣接して磁石211が設けられている。U字形切欠部210の幅は、エックス線遮蔽板20の第1縮径部21よりも僅かに大きい。
磁石211と関連して、使用される各エックス線遮蔽板20の下部側は磁石211と磁着する性質の材料で作られる。
遮蔽板駆動機構30Aのアーム206A、208Aがエックス線遮蔽板20を保持していない場合に、アーム206A、208Aが保持バー40Aから所望の大きさのエックス線遮蔽板20を受け取るためには、まず、2本のアーム206A、208Aの間隔を遮蔽板ラック40Aの二組のエックス線遮蔽板20の間隔に合わせた後、図9(A)に示すように、アーム206A、208Aの自由端部を遮蔽板ラック40Aで保持されている各エックス線遮蔽板20に近づけるように移動させ、図9(B)に示すように、各U字形切欠部210内にエックス線遮蔽板20の第1縮径部21を位置させる。
この状態で、第1軸201を、その基準平面位置から、ベースフレーム31の上方へ上昇させることによって、図9(C)に示すように、アーム206A、208Aをエックス線遮蔽板20の下面に当接させる。これにより、アーム206A、208Aの磁石211がエックス線遮蔽板20の下面に磁着する。次いで、保持バー40Aに対する第1縮径部21の磁着に抗して、第1軸201をベースフレーム31から更に上昇させることによって、図9(D)に示すように、エックス線遮蔽板20の第2縮径部22を遮蔽板ラック40Aの保持凹部41から引き抜く。
そして、エックス線遮蔽板20を支持するに至ったアーム206A、208Aを遮蔽板ラック40Aから遠ざけた後、第1軸201を基準平面位置まで下降させることによって、エックス線遮蔽板20を後述する遮蔽板移動平面SMP内に位置させる。
アーム206A、208Aが保持するエックス線遮蔽板20を遮蔽板ラック40Aに保持させるのは、上記作動を逆の順序で行えばよい。
図9−1乃至図9−3は、図8、図9に示すエックス線遮蔽板交換手段の変形実施形態を示す。
本実施形態では、図8、図9の切欠部210に代えて、遮蔽板駆動機構30Aの各アーム206A、208Aの各自由端部には、案内保持孔212が形成されている。
他方、使用される各エックス線遮蔽板20は、その中央下面から下方に突出する突出ピン部21aを有し、突出ピン部21aは案内保持孔212によって案内保持されるように寸法形状決めされている。各エックス線遮蔽板20はまた、その中央上面から上方に突出する突出ピン部21bを有し、突出ピン部21bには周溝21cが形成されている。
本実施形態では、図8、図9の遮蔽板ラック(保持バー)40Aに代えて、遮蔽板ラック40Bを採用する。
遮蔽板ラック40Bは、固定水平プレート42と、固定水平プレート42の一方端部から上方に突出する突出壁43と、固定水平プレート42の他方端部が切り欠かれて形成された二股部(図示せず)間に回動自在に取り付けられた回動プレート44とを有する。突出壁43と回動プレート44の上方端部との間にはバネ45が延び、バネ45は、図9−1で見たときに回動プレート44を反時計方向に回動させるように、初期設定されている。
固定水平プレート42よりも下方に位置する回動プレート44の下方部分には、遮蔽板可動保持部材46が取り付けられている。遮蔽板可動保持部材46は回動プレート44から下方に延び、その下端自由端部46aは、エックス線遮蔽板20の突出ピン部21bの周溝21c内に延びるように曲げられている。遮蔽板可動保持部材46と対向して遮蔽板固定保持部材47が設けられ、遮蔽板20は、その突出ピン部21bの周溝21cに延びる遮蔽板可動保持部材46の下端自由端部46aが突出ピン部21bを遮蔽板固定保持部材47に押し付けることによって、遮蔽板ラック40Bに保持される。
遮蔽板固定保持部材47にはネジ穴47Bが形成され、ネジ穴47Bにはネジストッパ48が螺合されている。ネジストッパ48は、回動プレート44が所定位置を越えて回動するのを阻止するように機能する。
固定水平プレート42の下方で、回動プレート44の下方部分に隣接して、電磁石49が設けられ、この電磁石49は、励磁されることによって、バネ45の付勢力に抗して、回動プレート44の下方部分を磁着することができるようになっている。
この実施形態では、アーム206A、208Aが遮蔽板ラック40Bから所望の大きさのエックス線遮蔽板20を受け取るためには、図9−1に示すように、アーム206A、208Aの自由端部を、その案内保持孔212が遮蔽板ラック40Bで保持されているエックス線遮蔽板20の突出ピン部21aの下方に位置するように、遮蔽板駆動機構30Aによって移動させる。
次いで、電磁石49を励磁する。すると、図9−2に示すように、回動プレート44は、バネ45の付勢力に抗して、時計方向に回動され、その結果、遮蔽板可動保持部材46の下端自由端部46aはエックス線遮蔽板20の突出ピン部21bの周溝21cから離れ、エックス線遮蔽板20は自由落下し、エックス線遮蔽板20の突出ピン部21aはアーム206A、208Aの案内保持孔212によって案内保持されると共に、アーム206A、208Aの磁石211によってエックス線遮蔽板20が磁着される。
次いで、第1軸201を基準平面位置から下降させることによって、図9−3に示すように、アーム206A、208Aを下降させ、遮蔽板ラック40Bから遠ざけた後、第1軸201を基準平面位置まで上昇させることによって、エックス線遮蔽板20を後述する遮蔽板移動平面SMP内に位置させる。これに前後して電磁石49を消磁する。これにより、遮蔽板可動保持部材46の下端自由端部46aは、図9−1に示すのと同じ位置に復帰する。
アーム206A、208Aが保持するエックス線遮蔽板20を遮蔽板ラック40Bに保持させるのは、上記作動を逆の順序で行えばよい。
(遮蔽位置決定手段について)
エックス線遮蔽装置はまた、遮蔽板20の中心を位置決めすべき位置であって、遮蔽板駆動機構30において遮蔽板20が移動される遮蔽板移動平面と交差する、エックス線源Sとエックス線源Sからのエックス線の照射を遮るべき患者PAの特定部位の中心とを通って延びる中心線C上の「遮蔽位置SH」を決定する遮蔽位置決定手段を有する。
以下の説明では、便宜上、エックス線源Sからのエックス線の照射を遮るべき患者PAの特定部位を眼球EBとして説明する。
この遮蔽位置決定手段は、図10に示す共通基準点CSPに対するエックス線源Sの位置を計測するエックス線源位置測定装置と、共通基準点CSPに対する遮蔽板駆動機構30の位置を計測する遮蔽板駆動機構位置測定装置と、共通基準点CSPに対する眼球EBの位置を計測する眼球位置測定装置と、エックス線源位置測定装置からのデータと、遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、眼球位置測定装置からのデータとに基づいて遮蔽位置SHを演算処理する演算処理装置60とによって構成される。
本願において、「共通基準点CSP」とは、例えば、血管造影装置1や、エックス線遮蔽装置が置かれた床上の点など、任意、特定の点(位置)を意味する。尚、図10中の矢印A、B、Cは、共通基準点CSPを基準とする位置ベクトルを示す。
(エックス線源位置測定装置について)
エックス線源位置測定装置は、以下に例示される手段によって構成することができる。
(1)血管造影装置1の位置出力手段
エックス線源位置測定装置は、血管造影装置1の前述した各モータ6A、7C、8A、8Bが、これらのモータによって移動される血管造影装置1の可動部分の位置データを出力することができるエンコーダ等の位置出力手段を備える場合、かかる位置出力手段と、該位置出力手段からの位置出力データに基づいて、共通基準点CSPに対するエックス線源Sの位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
(2)後付け位置測定装置
血管造影装置1のモータ6A、7C、8A、8Bが、これらのモータによって移動される血管造影装置1の可動部分の位置データを出力することができるエンコーダ等の位置出力手段を備えていない場合には、エックス線源位置測定装置は、血管造影装置1の可動部分の位置を測定するための、かかる可動部分に後付けされたリニアエンコーダ、傾斜センサなどからなる後付けの位置測定装置と、この後付け位置測定装置からの位置データに基づいて、共通基準点に対するエックス線源Sの位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
尚、上記2つの例のいずれの場合においても、演算処理装置60は図6に示すように制御装置100内に設けても良いし、制御装置100の外部に設け、これを制御装置100と接続しても良い。
(遮蔽板駆動機構位置測定装置について)
遮蔽板駆動機構位置測定装置は、以下に例示される手段によって構成することができる。
(1)記憶装置
遮蔽板駆動機構位置測定装置は、遮蔽板駆動機構30が或る位置に固定される場合、共通基準点CSPに対する、遮蔽板駆動機構30の任意の位置、この実施形態では、遮蔽板移動平面SMPにおける任意、特定の基準位置(以下、「移動平面基準位置」と呼ぶ)MSPを予め測定しておいた位置データを記憶する記憶装置50によって構成することができる。
(2)エックス線源位置データ
遮蔽板駆動機構位置測定装置はまた、遮蔽板駆動機構30を、上述したように位置測定可能なエックス線源Sに対して所定の相対位置(予め測定した位置関係)にてエックス線発生器3に取り付けた場合、エックス線源Sと、遮蔽板駆動機構30の任意の位置、この実施形態では、移動平面基準位置MSPとの相対位置データを記憶する記憶装置50と、上述したエックス線源位置測定装置とによって構成することができる。
(3)ベッド位置データ
遮蔽板駆動機構位置測定装置は更に、遮蔽板駆動機構30を、上述したように位置測定可能なベッド9に対して所定の相対位置(予め測定した位置関係)にてベッド9に取り付けた場合、ベッド9と、遮蔽板駆動機構30の任意の位置、この実施形態では、移動平面基準位置MSPとの相対位置データを記憶させる記憶装置50と、上述したベッド9の位置を測定するための手段とによって構成することができる。
(4)ビデオカメラによる3次元画像計測装置
遮蔽板駆動機構位置測定装置は更にまた、遮蔽板駆動機構30の基準位置(姿勢)を予め測定するための、遮蔽板駆動機構30に取付けられる計測用反射マーカー(図示せず)と、これらのマーカーを照らす照明装置(図示せず)と、前記マーカーを撮影するための、2台のビデオカメラ300A、300B(図18)を有する撮影装置と、撮影したマーカーの画像データから遮蔽板駆動機構30の位置・姿勢を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
このビデオカメラによる3次元画像計測装置は、一般的なモーションキャプチャ装置に組み込まれている周知の位置計測装置であり、その構成、作動について、ここでは詳述しない。
尚、上記4つの例のいずれの場合においても、記憶装置50および演算処理装置60は、図6に示すように、制御装置100内に設けても良いし、制御装置100の外部に設け、これを制御装置100と接続しても良い。
(眼球位置測定装置について)
眼球位置測定装置は、以下に例示される手段によって構成することができる。
(1)レーザーポインタ装置
眼球位置測定装置は、眼球EBを、予め測定しておいた、共通基準点CSPに対する所定位置に位置決めするためのレーザーポインタ装置と、この所定位置の位置データを記憶させる記憶装置50とによって構成することができる。記憶装置50は、図6に示すように、制御装置100内に設けても良いし、制御装置100の外部に設け、これを制御装置100と接続しても良い。
かかるレーザーポインタ装置は、X線CT装置による診断に使用されている周知の撮影位置決めレーザーポインタ装置であり、その構成、作動について、ここでは詳述しない。 また、眼球位置測定装置を、X線CT装置による診断に使用されている周知の、計測機能つきの撮影位置決めレーザーポインタ装置によって構成しても良い。このレーザーポインタ装置もまた、X線CT装置による診断に使用されている周知の装置であり、この装置を用いることによって共通基準点CSPに対する眼球EBの位置を測定することができる。
(2)ベッド位置データ
眼球位置測定装置はまた、ベッド9が、その位置データを出力することができるエンコーダ等を備えたモータ駆動式である場合、このエンコーダ等と、該エンコーダ等からのベッド位置データ及び予め測定された、ベット9で支持される患者PAの頭部背面から眼球までの距離に基づいて、共通基準点CSPに対する眼球位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
また、ベッド9が移動可能であるにもかかわらず、その位置データを出力する手段をベッドが備えていない場合には、眼球位置測定装置は、ベッド9の位置を測定するための、ベッド9に後付けされたリニアエンコーダ、傾斜センサなどからなる後付けベッド位置測定装置と、この後付けベッド位置測定装置からのベッド位置データ及び予め測定された、ベッド9で支持される患者PAの頭部背面から眼球までの距離に基づいて、共通基準点CSPに対する眼球位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
いずれの場合にも、演算処理装置60は図6に示すように制御装置100内に設けても良いし、制御装置100の外部に設け、これを制御装置100と接続しても良い。
(3)血管造影装置
眼球位置測定装置は更に、血管造影装置1であるエックス線透視装置それ自体と、かかるエックス線透視装置によって、図11に示すように、エックス線発生器3とエックス線検出器4が取り付けられているアーム2の回転角度を変えて2方向から患者PAの頭部を撮影し、夫々の透視画像上で眼球EBが投影されている位置の画素位置を計測し、1画素あたりの実サイズとエックス線検出器4の中心位置の座標値から、エックス線検出器4上に眼球EBが投影される位置である点B及び点Dの座標を計測したデータに基づいて、共通基準点CSPに対する眼球位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。この演算処理装置60もまた制御装置100内に設けても良いし、制御装置100の外部に設け、これを制御装置100と接続しても良い。
図11に示されるように、演算処理装置60は、血管造影装置1によって計測された座標、点B及び点Dのデータに基づいて、直線AB、直線CDの式(1)、(2)から、眼球が位置する交点座標E(X、Y、Z)を算出する。
X=x1+s(x3−x1),Y=y1+s(y3−y1),Z=z1+s(z3−z1) (1)
X=x2+t(x4−x2),Y=y2+t(y4−y2),Z=z2+t(z4−z2) (2)
すなわち、各定数を代入して「s」、「t」を解けば、交点Eの座標を求められる。
上記操作を両眼に対して行うことによって、各眼球が位置する交点座標E(X、Y、Z)を計測することができる。
(4)ビデオカメラによる3次元画像計測装置
眼球位置測定装置は更にまた、眼球近傍に取付けられる計測用反射マーカー(図示せず)と、該マーカーを照らす照明装置と(図示せず)、前記マーカーを撮影するための、2台のビデオカメラ300A、300B(図18)を有する撮影装置と、撮影したマーカーの画像データから眼球位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
このビデオカメラによる3次元画像計測装置は、一般的なモーションキャプチャ装置に組み込まれている周知の位置計測装置であり、その構成、作動について、ここでは詳述しない。
(演算処理装置について)
この実施形態では、演算処理装置60は、夫々上述した、エックス線源位置測定装置からのデータと、眼球位置測定装置からのデータと、遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータとに基づいて、遮蔽板20が移動される遮蔽板移動平面と、エックス線源Sと眼球EBの中心EBCとを通って延びる中心線Cとの交点、すなわち、遮蔽位置SHを計算する。
この実施形態では、演算処理装置60は、エックス線源Sの位置を(x1,y1,z1)、眼球の位置EBCを(x2,y2,z2)として、エックス線源Sと眼球EBの中心EBCとを通って延びる中心線を、式(3)で求める。

x=x1+s(x2−x1)、y=y1+s(y2−y1)、z=z1+s(z2−z1) (3)

一方、遮蔽板駆動機構の位置、この実施形態では、移動平面基準位置を(x3,y3,z3)とし、また、遮蔽板移動平面の法線ベクトル(a,b,c)は遮蔽板移動平面が投影面Pと平行であることから計算されるので、遮蔽板移動平面は式(4)で求められる。

a(x−x3)+b(y−y3)+c(z−z3)=0 (4)

式(3)を式(4)に代入して「s」を解くことにより、交点、すなわち、遮蔽位置SHの座標が求められる。
制御装置100は、この演算処理装置60によって求められた遮蔽位置SHに遮蔽板20(の中心)を移動させるように遮蔽板駆動機構30を制御する。遮蔽板駆動機構30における遮蔽板20の(中心)位置は、上述したように、第1ステッピングモータ33A、第2ステッピングモータ35Aからの第1摺動体33、第2摺動体35の位置情報に基づいて演算処理装置60によって求められ、制御装置100はこの遮蔽板20の(中心)位置データに従って遮蔽板駆動機構30を制御する。
(遮蔽板寸法決定手段について)
エックス線遮蔽装置はまた、エックス線源Sからのエックス線の照射を遮るべき患者PAの特定部位、例えば、頭部に対する血管内手術を行う場合においては眼球、に適した円形遮蔽板20の大きさ、例えば、直径を決定するための遮蔽板寸法決定手段を有する。
本願では、エックス線源Sからのエックス線の照射を遮るべき患者PAの特定部位に適した円形遮蔽板20の大きさとは、エックス線発生器からのエックス線の照射が必要な人体部位ヘのエックス線の照射を許容しながら、エックス線の照射を回避したい人体の所望部位へのエックス線発生器からのエックス線を遮る大きさを意味する。
以下の説明においても、便宜上、エックス線源Sからのエックス線の照射を遮るべき患者PAの特定部位を眼球EBとして説明する。
遮蔽板寸法決定手段は、前述した遮蔽位置決定手段と、エックス線源Sと眼球EBの中心とを通って延びる中心線Cに対して垂直な平面EBPに投影される眼球EBの大きさに関するデータを記憶する眼球大きさ記憶装置と、遮蔽位置決定手段によって得られたデータ及び眼球大きさ記憶装置からのデータに基づいて当該眼球EBに適した遮蔽板20の直径を演算処理する演算処理装置60とによって構成される。
(眼球大きさ記憶装置について)
眼球大きさ記憶装置は、解剖学的に一般的な眼球の直径とされる数値データ、或いは、眼球の平均直径である数値データなど、任意の数値データ、例えば、成人で24mmを、エックス線源Sと眼球EBの中心とを通って延びる中心線Cに対して垂直な平面EBPに投影される眼球EBの大きさとして、記憶する記憶装置によって構成される。
(演算処理装置について)
演算処理装置60は、前述した遮蔽位置決定手段によって得られたデータと、眼球大きさ記憶装置からのデータとに基づいて当該眼球に適した遮蔽板20の直径(d)を演算処理する。
図12は、理解を容易にするため、エックス線源位置Sと、眼球位置EBCと、遮蔽位置SHとの関係を概略的に示している。
演算処理装置60は、遮蔽板20の直径(d)を、この実施形態では、式(5)によって求める。
d = (エックス線源位置Sと、遮蔽位置SHとの間の距離)/(エックス線源位置Sと眼球位置EBCとの間の距離)
× 眼球の直径 (5)

すなわち、夫々、エックス線源位置Sを(x1、y1、z1)、遮蔽位置SHを(x2、y2、z2)、眼球位置EBCを(x3、y3、z3)とすれば、遮蔽板20の直径(d)は式(6)によって求められる。

d = √{(x2−x1)2+(y2−y1)2+(z2−z1)2}/
√{(x3−x1)2+(y3−y1)2+(z3−z1)2
× 眼球の直径 (6)
(エックス線遮蔽装置の作動について)
次に、上述した構成のエックス線遮蔽装置の作動を説明する。
エックス線遮蔽装置を使用する際には、エックス線源位置測定装置によってエックス線源Sの位置を測定し、遮蔽板駆動機構位置測定装置によって遮蔽板駆動機構の位置を測定し、眼球位置測定装置によって眼球の位置を測定し、或いは、眼球を所定の位置に位置決めする。これらの測定順序は問わない。
演算処理装置60が、これらの測定結果(データ)に基づいて、遮蔽板20を配置すべき遮蔽位置SHを計算する。
次いで、演算処理装置60は、眼球大きさ記憶装置の眼球の大きさに関するデータと、エックス線源位置測定装置からのデータと、遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、眼球位置測定装置からのデータとに基づいて、演算処理装置60によって眼球EBに適した遮蔽板20の直径を演算処理し、これを決定する。
この決定に基づいて、適当な直径の円形遮蔽板20を遮蔽板駆動機構30、30Aのアーム36、206A、208Aの支持部に制御装置100により遮蔽板駆動機構30、30Aを制御することによってセットする。手作業でセットしても良い。
次いで、演算処理装置60が、第1ステッピングモータ33A、第2ステッピングモータ35Aからの第1摺動体33、第2摺動体35の位置情報に基づいて遮蔽板駆動機構30における遮蔽板20の現在位置を求める。
制御装置100は、遮蔽板駆動機構30を制御して、遮蔽板20(の中心)を現在位置から遮蔽位置SHに移動させる。尚、エックス線透視装置1の使用中、エックス線源Sからエックス線が放射されたままの状態でエックス線発生器3が移動されることがあるが、このような場合でも、本発明によれば、制御装置100は、エックス線発生器3の移動に応じて、当初の遮蔽位置SHから新たな遮蔽位置SHに遮蔽板20を連続的に移動させるように遮蔽板駆動機構30を制御することができる。
[第2実施形態について]
本発明のエックス線遮蔽装置の第2実施形態は、遮蔽位置決定手段及び遮蔽板寸法決定手段の構成においてのみ上述した第1実施形態と異なるに過ぎない。以下、異なる構成についてのみ説明し、第1実施形態におけるのと同一の構成、作動についての説明は省略する。
以下、第1実施形態のエックス線遮蔽装置と異なる点についてのみ説明する。
(遮蔽位置決定手段について)
本実施形態における遮蔽位置決定手段は、エックス線遮蔽板20の中心を位置決めすべき位置であって、遮蔽板移動平面SMPと交差する、エックス線源Sと投影面Pにおける眼球EBの投影像の位置PPとを通って延びる中心線C上の遮蔽位置SHを決定する。
この遮蔽位置決定手段は、遮蔽板駆動機構位置測定装置と、エックス線源位置測定装置と、共通基準点CSPに対する、エックス線検出器4の投影面Pに投影される眼球EBの像の位置を測定する眼球投影像位置測定装置と、遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、エックス線源位置測定装置からのデータと、眼球投影像位置測定装置からのデータとに基づいて遮蔽位置SHを演算処理する演算処理装置60とによって構成される。
本実施形態のエックス線遮蔽装置の遮蔽位置決定手段における遮蔽板駆動機構位置測定装置、エックス線源位置測定装置は、上述した第1実施形態におけるのと同一であり、他方、眼球投影像位置測定装置を有する点、並びに、このデータに基づいて、演算処理装置60が遮蔽板20の遮蔽位置SHを演算処理する点において本実施形態のエックス線遮蔽装置は第1実施形態のエックス線遮蔽装置と異なる。
(眼球投影像位置測定装置について)
眼球投影像位置測定装置は、共通基準点CSPに対する投影面Pにおける任意の点(以下、「投影基準点」と呼ぶ)PSPを測定する投影面位置測定装置と、投影平面Pの投影基準点PSPに対するXY軸方向の位置を測定する眼球投影像横方向位置測定装置と、投影面位置測定装置からのデータ及び眼球投影像横方向位置測定装置からのデータに基づいて眼球(中心)の投影像の位置(以下、「眼球投影像位置」と呼ぶ)PPを演算処理する演算処理装置60とによって構成される。
図13は、共通基準点CSPと、投影基準点PSPと、眼球投影像位置PPとの関係を概略的に示し、図中の矢印A、Cは、共通基準点CSPを基準とする位置ベクトルを示し、矢印Bは、投影基準点PSPを基準とする位置ベクトルを示す。
(投影面位置測定装置について)
投影面位置測定装置は、以下に例示される手段によって構成することができる。
(1)血管造影装置1の位置出力手段
投影面位置測定装置は、血管造影装置1の前述した各モータ4A、6A、7C、8A、8Bが、これらのモータによって移動される血管造影装置1の可動部分の位置データを出力することができるエンコーダ等の位置出力手段を備える場合、かかる位置出力手段と、該位置出力手段からの位置出力データに基づいて投影面Pの位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
(2)後付け位置測定装置
血管造影装置1のモータ4A、6A、7C、8A、8Bが、これらのモータによって移動される血管造影装置1の可動部分の位置データを出力することができるエンコーダ等の位置出力手段を備えていない場合には、投影面位置測定装置は、血管造影装置1の可動部分の位置を測定するための、かかる可動部分に後付けされたリニアエンコーダ、傾斜センサなどからなる後付けの位置測定装置と、この後付け位置測定装置からの位置データに基づいて投影面Pの位置を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
尚、上記2つの例のいずれの場合においても、演算処理装置60は図6に示すように制御装置100内に設けても良いし、制御装置100の外部に設け、これを制御装置100と接続しても良い。
(眼球投影像横方向位置測定装置について)
眼球投影像横方向位置測定装置は、以下に例示される手段によって構成することができる。
(1)コンタクトレンズマーカー
眼球投影像横方向位置測定装置は、図14に示すように、眼球EBに装着される、エックス線に対して遮蔽効果のある物質、例えば、鉛、タングステンで作られたマーカーMを埋設したコンタクトレンズCLと、このコンタクトレンズCLを装着した患者PAをエックス線透視する血管造影装置1の検出器4の投影面Pに投影されたマーカーMの投影像の画素位置M1を、画像処理のパターンマッチングの手法を用いて、計測する手段と、かかる透視投影像の1画素当たりの実サイズに基づいて投影面Pにおけるマーカー、すなわち、眼球EBの投影像の横方向位置M2を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
コンタクトレンズCLに代えて、マーカーMをアイパッチに付け、このアイパッチ(粘着体を備えるのが好ましい)を患者の眼瞼に装着させても良い。また、マーカーの形状は、任意の幾何学形状、例えば、星形でも良い。
(2)マーカー
眼球投影像横方向位置測定装置は、図15に示すように、目(眼球EB)以外の特徴的な複数の人体部位、例えば、鼻、耳、頭頂、顎に装着される、エックス線に対して遮蔽効果のある物質で作られたマーカーM(粘着体を備えるのが好ましい)と、エックス線透視画像P上に投影されたマーカーMの画素位置M1を、画像処理のパターンマッチングの手法を用いて、計測する手段と、これらの鼻、耳、頭頂、顎のマッチング位置M2に関するデータ及び記憶装置50に格納された(過去に蓄積された)鼻、耳、頭頂、顎に対する相対的眼球位置に関するデータから眼球EBの推定眼球位置M3を演算処理(推定)すると共に、かかる透視投影像の1画素当たりの実サイズに基づいて投影面Pにおける眼球EBの投影像の横方向位置M4を演算処理する演算処理装置60とによって構成することができる。
(演算処理装置について)
演算処理装置60は、この実施形態では、遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、エックス線源位置測定装置からのデータと、眼球投影像位置測定装置からのデータとに基づいて、遮蔽板20が移動される遮蔽板移動平面SMPと、エックス線源Sと眼球投影像位置の中心PPとを通って延びる中心線Cとの交点(遮蔽位置SH)を計算する。
この実施形態では、演算処理装置60は先ず、図16に概略的に示すように、エックス線源Sを(x1、y1、z1)、眼球投影像位置PPを(x2、y2、z2)として、エックス線源Sと眼球投影像の中心PPとを通って延びる中心線Cを式(7)で求める。尚、図16中の矢印A、B、Cは、共通基準点CSPを基準とする位置ベクトルを示す。

x=x1+s(x2−x1)、y=y1+s(y2−y1)、z=z1+s(z2−z1) (7)

この実施形態では、演算処理装置60は次に、遮蔽板駆動機構の位置(遮蔽板移動平面SMP上の原点)MSPを(x3、y3、z3)とし、また遮蔽板移動平面SMPの法線ベクトル(a、b、c)は遮蔽板移動平面SMPが前記投影面Pと平行であることから計算されるので、遮蔽板移動平面は式(8)で求められる。

a(x−x3)+b(y−y3)+c(z−z3)=0 (8)

式(7)を式(8)に代入して「s」を解くことにより、交点、すなわち、遮蔽位置SHの座標(位置)を求めることができる。
(遮蔽板寸法決定手段ついて)
本実施形態における遮蔽板寸法決定手段は、本実施形態で説明した遮蔽位置決定手段と、エックス線検出器4の投影面Pに投影される眼球の像EBの大きさを測定する眼球投影像寸法測定装置と、遮蔽位置決定手段によって得られたデータ及び眼球投影像寸法測定装置からのデータに基づいて当該眼球EBに適した遮蔽板20の大きさを演算処理する演算処理装置60とによって構成される。
(眼球投影像寸法測定装置について)
眼球投影像寸法測定装置は、以下に例示される手段によって構成することができる。
(1)血管造影装置1の画像計測手段
眼球投影像寸法測定装置は、エックス線透視する血管造影装置1の検出器4の投影面Pに投影された患者の眼球部の投影像の画素寸法を、血管造影装置が持つ画像処理の画像計測の手法を用いて計測し、透視投影像の1画素当たりの実サイズを眼球投影像の画素寸法に掛けることで眼球投影像寸法を計測する手段によって構成することができる。
(2)後付け画像処理装置
眼球投影像寸法測定装置は、血管造影装置1に投影像の画素寸法を計測することができる画像処理手段を備えていない場合には、眼球投影像の寸法を測定するための、画像処理の画像計測手法を持つ画像処理装置を後付けする。エックス透視装置のモニタ画像用信号を分配して画像処理装置に入力し、眼球部の投影像の画素寸法を、画像処理の画像計測の手法を用いて計測し、透視投影像の1画素当たりの実サイズを眼球投影像の画素寸法に掛けることで眼球投影像寸法を計測する手段によって構成することができる。
(3)コンタクトレンズマーカーまたはマーカーを用いた画像処理装置
眼球投影像寸法測定装置は、エックス線透視する血管造影装置1の検出器4の投影面Pに投影された患者の眼球部の投影像の画素寸法と、眼球に直接装着された既知の寸法のコンタクトレンズマーカー、或いは、眼球の近傍に装着された既知の寸法のマーカーの投影面Pに投影された投影像の画素寸法との比より、眼球投影像寸法を計測する手段によって構成することができる。
(演算処理装置について)
この実施形態では、演算処理装置60は、上述した各データに基づいて、式(9)によって眼球EBに適した遮蔽板20の大きさ(直径)(d)を求める。

d = (エックス線源位置Sと、遮蔽位置SHとの間の距離)/
(エックス線源位置Sと眼球投影像位置PPとの間の距離)
× 眼球投影像の直径 (9)

すなわち、夫々、エックス線源位置Sを(x1、y1、z1)、遮蔽位置SHを(x2、y2、z2)、眼球投影像位置PP(x3、y3、z3)とすると、式(10)によって遮蔽板20の直径(d)が求められる。

d = √{(x2−x1)2+(y2−y1)2+(z2−z1)2}/
√{(x3−x1)2+(y3−y1)2+(z3−z1)2
× 眼球投影像の直径 (10)

共通基準点CSPに対する眼球投影像位置PPは、投影面位置測定装置から得られる投影面Pの投影基準点PSPと、投影像横方向位置測定装置から得られる投影面Pにおける眼球EBの投影像の横方向位置データとから求められる。
上述した構成の本発明によるエックス線遮蔽装置の遮蔽板駆動機構30のアーム36に直径1.0cmの遮蔽板20を取り付けて、東芝製の血管造影装置(商品名/循環器撮影装置、型式/KXO−100G)にて遮蔽性能試験を行った。
遮蔽板20は、0.5mm厚の鉄と、3.0mm厚の鉛とからなる積層体(実施例1)と、0.5mm厚の鉄と、6.0mm厚の鉛とからなる積層体(実施例2)の2種類を用意し、これらと遮蔽板20を使用しない場合とを比較試験した。
上述した血管造影装置の管球使用条件は、管電圧80kV、管電流125mAである。熱ルミネセンス線量計(170A)は、人体組織と放射線等価の物質で作られた所謂ランドファントムの右水晶体に3箇所配置した。
エックス線は、1分間に亘って、後頭部から右目に到達するように照射した。
実施例1、実施例2の遮蔽板20は夫々、その中心を、管球中心と右水晶体中心とを通る中心線上で管球から45cmの距離に配置し、右水晶体は、その中心を前記中心線上で管球から92cmの距離に配置した。尚、管球とイメージ[映像]増倍管との距離は122cmとした。
試験結果を表1に示す。
Figure 0005013373
上記実験結果から、遮蔽板20を用いてエックス線を遮蔽した右水晶体に関して、実施例1において遮蔽板なしと比較して約35%、実施例2において遮蔽板なしと比較して約39%もの遮蔽効果を確認できた。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく以下のような種々の変更が可能である。
例えば、図5に関連して説明した実施形態では、エックス線透過性アーム36は1つのみであったけれども、2以上のエックス線透過性アーム36を設けても良く、この場合には、各アームを別個独立に制御することができるようにするのが良い。
また、エックス線透過性アーム36は1つとし、これを例えば二股に形作ることによって例えば2つのエックス線遮蔽板20を保持しても良い。このような固定式の二股アーム36を眼球の遮蔽に使用する場合には、2つのエックス線遮蔽板20間の距離を、例えば、平均的な眼球間距離に合わせるのが良い。
更に、図7に示す遮蔽板駆動機構30Aでは、2つのエックス線遮蔽板20を独立して移動させて、患者の両目をエックス線から遮蔽することができる。ところで、エックス線発生器3、エックス線検出器4を水平に位置させた状態で、患者PAの側頭部にエックス線が照射されることがある。この場合には、患者の眼球をエックス線から遮蔽するのに1つのエックス線遮蔽板20があれば足り、他方のエックス線遮蔽板20は、必要な部位へのエックス線の照射を遮ってしまう恐れがある。そこで、2つのエックス線遮蔽板20を夫々別個の移動平面を移動させることができるように2つの遮蔽板駆動機構30Aを設け、2つのエックス線遮蔽板20を同時にエックス線照射経路(同一のエックス線軸線)上に位置させても良い。3つ以上のエックス線遮蔽板20を夫々異なる移動平面を駆動させるための複数の遮蔽板駆動機構30Aを設けても良い。
上述した実施形態では、本発明によるエックス線遮蔽装置を血管造影装置に適用して説明したけれども、本発明のエックス線遮蔽装置は、血管造影装置以外の任意のエックス線透視装置に用いることができる。また、エックス線以外の放射線遮蔽装置としても用いることができる。
血管造影装置の部分概略斜視図である。 血管造影装置の部分概略正面図である。 血管造影装置の概略正面図及び概略左側面図である。 本発明の第1実施形態のエックス線遮蔽装置と血管造影装置との位置関係を示す部分概略正面図である。 エックス線遮蔽装置の遮蔽板駆動機構を示す平面図である。 図5Aの蔽板駆動機構のアーム及び遮蔽板ラックの部分拡大概略断面図である。 エックス線遮蔽装置の構成を示すブロック図である。 遮蔽板駆動機構及びエックス線遮蔽板交換手段の変形実施形態を示す概略平面図である。 図7の遮蔽板駆動機構の部分拡大概略図である。 遮蔽板ラックのエックス線遮蔽板を遮蔽板駆動機構のアームが支持する仕方を示す作動状態図である。 遮蔽板ラックのエックス線遮蔽板をアームに保持させる仕方を示す作動状態図である。 遮蔽板ラックのエックス線遮蔽板をアームに保持させる仕方を示す作動状態図である。 遮蔽板ラックのエックス線遮蔽板をアームに保持させる仕方を示す作動状態図である。 共通基準点、エックス線源S、遮蔽位置SH、眼球位置EBCの位置関係を示す概略図である。 血管造影装置を眼球位置測定装置に利用した例を示す概略図である。 血管造影装置のエックス線源と、エックス線遮蔽装置の遮蔽板と、エックス線を遮蔽すべき眼球との位置関係を示す概略図である。 共通基準点CSP、投影基準点PSP、眼球投影像位置PPの位置関係を示す概略図である。 眼球投影像横方向位置測定装置の1例を示す概略図である。 眼球投影像横方向位置測定装置の1例を示す概略図である。 共通基準点CSP、眼球投影像位置PP、遮蔽板移動平面SMP上の原点MSPの位置関係を示す概略図である。 遮蔽板駆動機構の変形例を示す概略斜視図である。 変形例の血管造影装置を示す部分概略正面図である。
符号の説明
1 エックス線透視装置
S エックス線源
3 エックス線発生器
P 投影面
4 エックス線検出器
9 ベッド(支持部材)
20 エックス線遮蔽板
30 遮蔽板駆動機構
32A X軸方向ガイド
33 第1摺動体
33A 第1ステッピングモータ(第1モータ手段)
34 Y軸方向ガイド
35 第2摺動体
35A 第2ステッピングモータ(第2モータ手段)
36 エックス線透過性アーム
100 制御装置

Claims (16)

  1. エックス線源を備えるエックス線発生器と、前記エックス線発生器と一体に構成され、前記エックス線源に対向して設けられた投影面を備えるエックス線検出器と、前記エックス線源と前記投影面との間に、前記エックス線検出器から独立して配置される、被検体を支持するための支持部材とを有する、被検体の部位を透視するためのエックス線透視装置に使用される、前記エックス線源からのエックス線が前記被検体の特定部位に照射されないようにするためのエックス線遮蔽装置であって、
    前記エックス線源と前記支持部材との間に配置される少なくとも1つのエックス線遮蔽板と、
    該エックス線遮蔽板を支持する支持部を有し、エックス線照射経路を横切る方向に前記支持部の前記遮蔽板を移動させる遮蔽板駆動機構と、
    前記遮蔽板駆動機構を制御するための制御装置とを有し、該制御装置は、前記支持部材に対して相対的に前記エックス線発生器、及び前記エックス線検出器が移動されたときに前記エックス線源からのエックス線から前記被検体の特定部位を遮蔽するように、移動後の前記特定部位と前記エックス線発生器との位置関係に基づいて前記遮蔽板を移動させるようになっている、
    エックス線遮蔽装置。
  2. 前記遮蔽板駆動機構の前記支持部が、大きさの異なるエックス線遮蔽板を取り替え可能に支持することができるようになっている、請求項1記載のエックス線遮蔽装置。
  3. 前記制御装置は、前記エックス線遮蔽板を、前記エックス線遮蔽板の中心を位置決めすべき位置であって、前記遮蔽板の移動平面と交差する、前記エックス線源と該エックス線源からのエックス線の照射を遮るべき前記被検体の特定部位とを通って延びる中心線上の遮蔽位置に、移動させるようになっている、請求項2記載のエックス線遮蔽装置。
  4. 前記遮蔽位置を決定する遮蔽位置決定手段を有し、前記制御装置が前記遮蔽位置決定手段によって決定された前記遮蔽位置に前記エックス線遮蔽板を移動させるようになっている、請求項3記載のエックス線遮蔽装置。
  5. 前記遮蔽位置決定手段が、
    共通基準点に対する前記エックス線源の位置を計測するエックス線源位置測定装置と、
    前記共通基準点に対する前記遮蔽板駆動機構の位置を計測する遮蔽板駆動機構位置測定装置と、
    前記共通基準点に対する前記特定部位の位置を計測する非照射部位位置測定装置と、
    前記エックス線源位置測定装置からのデータと、前記遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、前記非照射部位位置測定装置からのデータとに基づいて前記遮蔽位置を演算処理する演算処理装置とによって構成される、
    請求項4記載のエックス線遮蔽装置。
  6. 前記制御装置は、前記エックス線遮蔽板を、前記エックス線遮蔽板の中心を位置決めすべき位置であって、前記遮蔽板の移動平面と交差する、前記エックス線源と前記投影面における前記特定部位の投影像の位置とを通って延びる中心線上の遮蔽位置に、移動させるようになっている、請求項2記載のエックス線遮蔽装置。
  7. 前記遮蔽位置を決定する遮蔽位置決定手段を有し、前記制御装置が前記遮蔽位置決定手段によって決定された前記遮蔽位置に前記エックス線遮蔽板を移動させるようになっている、請求項6記載のエックス線遮蔽装置。
  8. 前記遮蔽位置決定手段が、
    共通基準点に対する前記エックス線源の位置を計測するエックス線源位置測定装置と、
    前記共通基準点に対する前記遮蔽板駆動機構の位置を計測する遮蔽板駆動機構位置測定装置と、
    前記共通基準点に対する、前記投影面における前記特定部位の投影像の位置を測定する非照射部位投影像位置測定装置と、
    前記エックス線源位置測定装置からのデータと、前記遮蔽板駆動機構位置測定装置からのデータと、前記非照射部位投影像位置測定装置からのデータとに基づいて
    前記遮蔽位置を演算処理する演算処理装置とによって構成される、
    請求項7記載のエックス線遮蔽装置。
  9. 前記遮蔽位置に位置決めされる前記エックス線遮蔽板の、前記エックス線源からのエックス線の照射を遮るべき前記被検体の前記特定部位に適した大きさを決定するための遮蔽板寸法決定手段を有する、請求項5又は請求項8記載のエックス線遮蔽装置。
  10. 前記遮蔽板寸法決定手段が、
    前記遮蔽位置決定手段と、
    前記エックス線源と前記前記特定部位の中心とを通って延びる中心線に対して垂直な平面に投影される前記前記特定部位の大きさに関するデータを記憶する非照射部位大きさ記憶装置と、
    前記遮蔽位置決定手段によって得られたデータ及び眼球大きさ記憶装置からのデータに基づいて当該前記特定部位に適した前記エックス線遮蔽板の大きさを演算処理する演算処理装置とによって構成された、
    請求項9記載のエックス線遮蔽装置。
  11. 前記支持部材の前記エックス線遮蔽板を、大きさの異なるエックス線遮蔽板に交換するためのエックス線遮蔽板交換手段を有する、請求項9記載のエックス線遮蔽装置。
  12. 前記エックス線遮蔽板交換手段が、大きさの異なる2つ以上のエックス線遮蔽板を解放自在に保持する遮蔽板ラックを有し、
    前記支持部が前記エックス線遮蔽板を解放自在に支持することができるように構成され、
    前記遮蔽板駆動機構が、前記支持部の前記エックス線遮蔽板を前記遮蔽板ラックに保持させ、前記遮蔽板ラックのエックス線遮蔽板を前記支持部に支持させるように前記支持部を移動させることができるようになった、
    請求項9記載のエックス線遮蔽装置。
  13. 前記制御装置が、前記エックス線遮蔽板交換手段を制御して、前記支持部の前記エックス線遮蔽板を前記遮蔽板ラックに保持させ、前記遮蔽板ラックに保持されている、前記遮蔽板寸法決定手段によって決定された大きさのエックス線遮蔽板を前記支持部に支持させる、請求項12記載のエックス線遮蔽装置。
  14. 前記遮蔽板駆動機構が、前記エックス線遮蔽板を前記エックス線照射経路に沿って移動させることができるようになっている、請求項10記載のエックス線遮蔽装置。
  15. 前記制御装置に接続された指令入力装置を有する、請求項1記載のエックス線遮蔽装置。
  16. 前記エックス線源からのエックス線が前記被検体の複数の特定部位に照射されないようにするために前記エックス線遮蔽板を少なくとも2つ有し、これらのエックス線遮蔽板を移動させる各前記遮蔽板駆動機構が、これらのエックス線遮蔽板を前記エックス線照射経路上の異なる位置で前記エックス線照射経路を横切る方向に移動させる、請求項1記載のエックス線遮蔽装置。
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