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JP5014226B2 - 可変利得増幅器 - Google Patents
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JP5014226B2 - 可変利得増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、主に増幅器を迂回させて利得を切り換える可変利得増幅器に関する。
無線通信装置では、小型化・省電力化の要求に応じた各種回路が必要とされ、また、用いられる回路を集積化している。
無線通信装置の受信部では、入力信号レベルが変動することにより、適正な信号レベルで信号処理を行うために可変利得増幅器が用いられている。その用途で利用される可変利得増幅器において、増幅器と増幅器を迂回させる信号切換部とを組み合わせて、入力信号と入力信号を増幅した出力信号とを切り換える利得調整手段が利用されている。
このような用途での信号切換部は、複数のスイッチを組み合わせて配置することにより、増幅器に係る信号を選択する信号選択回路をなすものである。
多くの信号切換部では、信号が通過する経路に容量を備え、スイッチによって切り換えを行う配線間に生じるバイアス電位の影響を回避していることが多い。そのため、特性に周波数依存性が生じるものであった(例えば、特許文献1)。
さらに、無線通信システムの高速化・多様化により、広帯域の受信範囲を備え、その帯域での受信特性に周波数依存性がない受信部を備える無線装置が必要とされている。
特開2002−124842号公報
ところで、復調方式にダイレクトコンバージョン方式を用いた広帯域信号復調においては、ベースバンド信号の増幅においても広帯域な周波数特性が必要になる。
しかしながら、信号切換部によって信号経路を切り換えて利得を変化させる構成の場合、信号切換部の寄生成分の影響により周波数依存性が生じる、すなわち、可変利得増幅器の周波数特性が劣化するという問題がある。
また、信号切換部により増幅器を迂回させた場合に、迂回された増幅器で不必要な電力が消費されるという問題がある。
また、この増幅器から発生する熱や雑音その他の影響によって、信号に悪影響が及ぼされるおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、信号切換部の影響による周波数特性劣化や迂回された増幅器による電力の浪費および信号への悪影響が生じない可変利得増幅器を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、増幅部と、前記増幅部を選択的に迂回させて信号を出力する複数のスイッチとして、前記増幅部に供給される信号を前記増幅部を迂回させて出力する信号経路に設けられるバイパススイッチと、前記増幅部によって増幅された信号を出力する信号経路に設けられる出力遮断スイッチとが配置された信号切換部と、前記信号切換部に配置された前記出力遮断スイッチによって生じる電気的特性変化により劣化する、前記増幅された信号の周波数特性を広帯域化するように補正する特性補正部と、を備え、前記特性補正部は、一端が接地電位に接続される受動素子と、2つの信号端子を有し、前記信号切換部に配置された前記スイッチと同じ特性を有するスイッチと、を備え、前記特性補正部の前記スイッチの第1の信号端子が前記受動素子の他端に接続され、第2の信号端子が前記増幅部の出力端子に接続され、かつ、当該スイッチは、前記増幅部の出力信号を常に遮断する設定とすることを特徴とする可変利得増幅器である。
また、本発明は、制御電圧を供給する制御電源部と、を備え、前記増幅部は、動作制御端子を有し、前記動作制御端子に前記制御電源部から制御電力が供給されることにより増幅動作を行い、前記信号切換部は、切換制御端子を有し、前記切換制御端子に前記制御電源部から入力される信号選択信号により前記増幅部の入出力信号を選択して出力し、前記制御電源部は、前記信号切換部が前記増幅部を迂回させる際、前記増幅器の増幅動作を停止させることを特徴とする。
また、本発明は、前記信号切換部は、信号が入力される入力端子と、信号を出力する出力端子と、それぞれがオン状態とオフ状態とを切り換える制御信号が入力される制御端子と2つの信号端子とを有する3個のスイッチと、を備え、入力遮断スイッチとして備えている第1のスイッチは、第1の信号端子が前記入力端子に接続され、第2の信号端子が前記増幅部の入力端子に接続され、制御端子が前記切換制御端子に接続され、前記制御端子から第1の制御信号が入力され、前記出力遮断スイッチとして備えている第2のスイッチは、第1の信号端子が前記増幅部の前記出力端子に接続され、第2の信号端子が前記出力端子に接続され、制御端子が前記切換制御端子に接続され、前記制御端子から前記第1の制御信号が入力され、前記バイパススイッチとして備えている第3のスイッチは、第1の信号端子が前記第1のスイッチの第1の信号端子に接続され、第2の信号端子が前記第2のスイッチの前記第2の信号端子に接続され、制御端子が前記切換制御端子に接続され、前記第1の制御信号と連動し、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと自スイッチとが互いにオン状態とオフ状態を切り換えるように動作させる第2の制御信号が前記制御端子から入力され、前記制御電源部は、接地電位に接続されるバイアス電源と、前記バイアス電源から入力された信号の論理に対して反転させた論理を示す信号を出力する反転増幅器と、を備え、前記バイアス電源および前記反転増幅器からの出力を、前記増幅部に供給される制御電力、及び、前記信号切換部の前記スイッチに入力される前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とし、前記特性補正部の前記受動素子は、抵抗とすることを特徴とする。
本発明の可変利得増幅器は、増幅部と、前記増幅部を選択的に迂回させて信号を出力する複数のスイッチが配置された信号切換部と、前記信号切換部に配置された前記スイッチによって生じる電気的特性変化を補正する特性補正部と、を備え、前記特性補正部は、一端が接地電位に接続される受動素子と、2つの信号端子を有するスイッチと、を備え、スイッチの前記第1の信号端子が前記受動素子の他端に接続され、第2の信号端子が前記増幅部の出力端子に接続されることとした。
これにより、信号経路に容量を配置することなく増幅部全体を集積化することができ、信号切換を目的に配置したスイッチの影響による周波数特性劣化を補正することができる。
また、本発明によると、上記発明において、前記特性補正部の前記スイッチは、前記信号切換部に配置される前記スイッチと同じ特性を有することとした。
これにより、信号切換部に配置したスイッチによる影響度に見合った特性の改善を行うことができる。
また、本発明によると、上記発明において、前記特性補正部の前記スイッチは、前記増幅部の出力信号を常に遮断する設定とすることとした。
これにより、増幅部の出力信号において、信号選択部により影響を受けた諸特性を改善させる働きを定常的に利用でき、スイッチの制御に必要となる電力を削減することができる。
また、本発明によると、上記発明において、制御電圧を供給する制御電源部と、を備え、前記増幅部は、動作制御端子を有し、前記動作制御端子に前記制御電源部から制御電力が供給されることにより増幅動作を行い、前記信号切換部は、切換制御端子を有し、前記切換制御端子に前記制御電源部から入力される信号選択信号により前記増幅部の入出力信号を選択して出力し、前記制御電源部は、前記信号切換部が前記増幅部を迂回させる際、前記増幅器の増幅動作を停止させることとした。
これにより、可変利得増幅器によって増幅しないときに、増幅部が動作することによる影響をなくすことができる。
また、これにより増幅部で消費する電力を削減させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による可変利得増幅器1の構成について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態による可変利得増幅器1を示す概略ブロック図である。
可変利得増幅器1は、増幅部30、制御電源部50のほか、入力端子11a、出力端子12a、スイッチ21a、22a、23a、スイッチ41a、抵抗42aを備えるとともに、これらと対になる入力端子11b、出力端子12b、スイッチ21b、22b、23b、スイッチ41b、抵抗42bを備える。
スイッチ21a、22a、23aは、スイッチ21b、22b、23bと対となって配置され、以下、これらとその配置をまとめて表すときに、信号切換部20という。ここで配置されるスイッチは、例えばSPST(Single-Pole/Single-Throw)スイッチが適用される。
増幅部30は、差動増幅器である。
スイッチ41a、抵抗42aは、スイッチ41b、抵抗42bと対になって配置され、以下、これらとその配置をまとめて表すときに、特性補正部40という。スイッチ41は、信号切換部20に配置されるスイッチと同じ特性のスイッチが適用される。
制御電源部50は、バイアス電源51と反転増幅器52とを備える。
可変利得増幅器1における接続の詳細についての説明を行う。
以下に、信号切換部20、増幅部30、特性補正部40および制御電源部50の接続を示す。
ここで説明する構成は、差動増幅回路による構成であり、信号切換部20、増幅部30、特性補正部40を経由する信号は、差動信号であるため増幅部30を挟んで同じ特性の1対の部品が配置されることになる。
図で示す符号において同じ数字に「a」、「b」を付記することにより、1対の部品であることを示す。例えば、抵抗42aと抵抗42bとは、同じ特性の1対の部品である。また、対になる部品についてまとめて表すときには、符号が示す数字によって表すことにする。例えば、1対の抵抗42aと抵抗42bのことを、以下、抵抗42という。
また、それぞれのスイッチが有する2つの信号端子間の接続は、それぞれがオン状態とオフ状態を切り換える制御信号が入力される制御端子への制御信号入力により切換が行われる。
信号切換部20のスイッチ21(第1のスイッチ)は、第1の信号端子、第2の信号端子及び制御端子を有しており、第1の信号端子が入力端子11に接続され、第2の信号端子が増幅部30の入力端子に接続され、制御端子に第1の制御信号が入力される。
信号切換部20のスイッチ22(第2のスイッチ)は、第1の信号端子、第2の信号端子及び制御端子を有しており、第1の信号端子が増幅部30の出力端子に接続され、第2の信号端子が出力端子12に接続され、制御端子に第1の制御信号が入力される。
信号切換部20のスイッチ23(第3のスイッチ)は、第1の信号端子、第2の信号端子及び制御端子を有しており、第1の信号端子がスイッチ21の第1の信号端子に接続され、第2の信号端子がスイッチ22の第2の信号端子に接続され、制御端子に第1の制御信号と連動する第2の制御信号が入力される。
第1の制御信号と第2の制御信号は、制御電源部50から供給される制御電圧に基づく信号であり、スイッチ21、22、23のオン状態とオフ状態とを互いに切り換える信号である。
特性補正部40の抵抗42(受動素子)は、一端が接地電位に接続される。
特性補正部40のスイッチ41は、信号端子の一端が増幅部30の出力端子に接続され、他端が抵抗42の他端に接続される。
特性補正部40のスイッチ41は、常に信号を遮断する状態で設定される。
制御電源部50のバイアス電源51は、一端が接地電位に接続され、バイアス電位を出力端子に出力する。
制御電源部50の反転増幅器52は、バイアス電源51の電源出力端子に接続され、反転バイアス電位を出力端子に出力する。
(利得切換動作)
最初に、信号の増幅と利得切換に関する基本動作について説明する。
可変利得増幅器1は、予め定められた増幅率で入力された信号を増幅させる増幅部30を有する。
可変利得増幅器1に対しては、配置された増幅部30で信号を増幅させる動作(高利得モード)と、増幅部30で増幅せずに信号を通過させる動作(低利得モード)と、の切換により2段階の利得設定を行うことができる。
可変利得増幅器1を増幅器として使用する高利得モードでは、増幅部30の入出力に接続されたスイッチ21、22によって入力される信号を通過させる。また、増幅部30は、入力される信号に対してバイアス電圧をかけて増幅動作を行う。
さらに、増幅部30ならびにスイッチ21、22から信号を迂回させるためのスイッチ23では、信号を遮断させる。これにより、迂回路は遮断され、信号切換部20の出力には、入力された信号が増幅部30で増幅されて出力される。
可変利得増幅器1を増幅器として使用せずに信号を通過させる低利得モードでは、増幅部30の入出力に接続されたスイッチ21、22によって信号を遮断させる。また、増幅部30には、バイアス電圧を制御して、増幅動作を停止させる。
さらに、増幅部30およびスイッチ21、22から信号を迂回させるためのスイッチ23では、信号を通過させる。これにより、迂回路を経由する信号が増幅部30で増幅されることなく信号切換部20から出力される。
上記の切換制御では、制御電源部50からの制御信号を利用して信号切換部20、増幅部30を制御する手段が用いられる。
先に示したように、第1実施形態で示す増幅部30は、信号切換部20での信号の選択により増幅部30への入力を迂回させて増幅させることなく出力させる設定を選択することが可能である。
増幅部30の動作を停止させることによって、消費電力の低減と、他の回路への影響を低減させることができる。
制御電源部50は、バイアス電源51と、バイアス電源51の出力電圧に対して論理的に反転した電圧を出力できる反転増幅器52とを備えている。
バイアス電源51および反転増幅器52の出力は、信号切換部20の各スイッチの制御端子に接続して、スイッチの動作状態の設定を行うことができる。
また、バイアス電源51は、増幅部30に対しての電力供給を制御するバイアス電圧の供給源でもある。
増幅部30は、バイアス電源51から増幅動作を行うときに所定のバイアス電位が与えられ、所定のバイアス電位から増幅動作をさせないバイアス電位に切り換えることにより、増幅動作を停止させる動作制御を行う。
信号切換部20の信号切換と、増幅部30での増幅動作制御の機能を組み合わせて、図1に示すスイッチ21、22をオン状態とし、スイッチ23をオフ状態とする設定のときに、増幅部30が増幅動作を行わせる設定とする。
また、逆にスイッチ21、22をオフ状態とし、スイッチ23をオン状態とする設定のときに、増幅部30が増幅動作を停止させる設定とする。
図1に示したブロック図の構成において、信号切換部20に配置されたスイッチを切り換えることで、利得を切り換えられることができ、利得の切換に合わせて省電力動作を行うことを可能とすることができる。
(信号切換部による特性変化)
信号切換部のスイッチ21、22、23は、スイッチを構成する際の寄生成分により信号周波数に応じた特性を有している。この特性の影響により、信号がスイッチを通過する際に減衰し、また、出力インピーダンスが変化するという影響が生じる場合がある。
その影響について図2ならびに図3に示すブロック図をもとにして説明する。
図2(a)は、図1で示した増幅部30と信号切換部20としてスイッチ21、22、23a、23bとの接続を示している。
また、図2(b)は、図2(a)で示すブロック図から信号切換部20のスイッチ21、22が比較説明のために除かれた構成となっている。
増幅部30の入力端子は入力端子11に、出力端子は出力端子12に直接接続される。
スイッチ23a、23bの信号端子は、入力端子22と、出力端子12に直接接続される。
ここで、図2(a)と図2(b)は、どちらも増幅動作を行う高利得モードによる設定とすることとし、回路が理想的な特性で動作すれば同じ結果を示すこととなる。しかし、実際には、配置されたスイッチの影響によって、図2(a)の構成の方が信号の劣化量が多くなる。
図2(a)、(b)で示した構成を評価するに当たり、図3(a)に示す詳細構成モデルを一例にとして特性への影響について説明する。
図3(a)は、図2(a)で示した構成に相当するモデルである。
図3(a)で構成されている素子は、図2(a)で示した素子の構成ならびに配置が同じであり、対応する素子には同じ符号を付与することし、以下異なる構成について説明する。
増幅部30を1段のトランジスタで構成する回路を、一実施形態として示す。
増幅部30は、トランジスタ31a、31b、定電流回路32、抵抗33a、33bを備える。
トランジスタ31a、31bは、ベースがスイッチ21に接続され、エミッタが定電流回路32を介して接地電位に接続され、コレクタが抵抗33を介して電源に接続され、またスイッチ22a、22bに接続される。
トランジスタ31a、31bのベースに入力された信号が差動信号として増幅され、コレクタから増幅された信号が出力される。
図4の出力側インピーダンスの変化と図5の周波数特性の変化についてシミュレーションを行った結果をグラフで示す。
図4は、図3(a)に示す可変利得増幅器の構成でのインピーダンス変化について評価するにあたり、可変利得増幅器の出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化を評価指標とし、評価結果を示すグラフである。
x軸は、周波数を示し、y軸は、低域(1MHz)を基準とした出力側反射係数(SパラメータのS22)の値に対する周波数における出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量の絶対値を表す。
出力側反射係数(SパラメータのS22)は、実数部と虚数部の数値によって表されるので、それぞれの変化を分けてグラフに表す。
図4(a)は、出力側反射係数(SパラメータのS22)の実数部の変化量の絶対値を示すグラフである。
図4(a)で示す実数部おいて、出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Rsは、図2(a)の条件、すなわち信号切換部20でのスイッチ21、22が配置され、増幅部30によって増幅を行う動作条件での結果を示す。
出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Rtは、図2(b)の条件、すなわち信号切換部20にスイッチ21、22を配置せずに、増幅部30で増幅を行う動作条件での結果を示す。
図4(b)は、出力側反射係数(SパラメータのS22)の虚数部の変化量の絶対値を示すグラフである。
図4(b)で示す虚数部のそれぞれにおいて、出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Isは、図2(a)の条件、すなわち信号切換部20でのスイッチ21、22が配置され、増幅部30によって増幅を行う動作条件での結果を示す。
出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Itは、図2(b)の条件、すなわち信号切換部20にスイッチ21、22を配置せずに、増幅部30で増幅を行う動作条件での結果を示す。
実数部も虚数部でも、周波数変化による変化量が増幅部30の入力と出力とにスイッチ21、22を配置した動作条件では、配置しない動作条件に比べて変化が大きくなっていることを示している。
図5は、図3(a)に示す可変利得増幅器の構成での周波数特性の変化を示すグラフである。
x軸は、周波数を示し、y軸は、低域(1MHz)を基準とした可変利得増幅器の利得についての周波数特性の変化をデシベル(dB)で表す。
周波数特性のグラフDS21sは、図2(a)の条件、すなわち信号切換部20でのスイッチ21、22が配置され、増幅部30によって増幅を行う動作条件での結果を示す。
周波数特性のグラフDS21tは、図2(b)の条件、すなわち信号切換部20にスイッチ21、22を配置せずに、増幅部30で増幅を行う動作条件での結果を示す。
ここで、周波数特性のグラフDS21tでは、周波数特性は周波数が高くなるにつれ、わずかに変化してグラフに示した周波数範囲(1GHz以下)においても1(dB)の範囲におさまっているのに対し、周波数特性のグラフDS21sでは、約560MHz以上の周波数では、3(dB)以上の変化が生じていることを示している。
このように、信号経路にスイッチ21、22が配置されたことによって、増幅部30単体で備えている性能から劣化してしまうことがわかる。
本実施形態による、上記に示した周波数に依存する電気的特性変化を緩和させ、スイッチ21、22を配置しない特性に近づける対策について以下に説明する。
図6は、図2に示した対策前の構成に図1で示した特性補正部40の対策を施した構成を追加し、図3に示したように増幅部30をトランジスタ1段で構成したブロック図である。
図6で示した特性補正部としてのスイッチ41a、抵抗42a(以下、まとめて特生補正部41aという)ならびにスイッチ41b、抵抗42b(以下、まとめて特性補正部40bという)を施した対策による効果を以下に説明する(以下、特性補正部40a、40bをまとめて特性補正部40という)。
図6で構成されている素子は、図1で示した素子の構成ならびに配置が同じであり、対応する素子には同じ符号を付与することとし、以下、異なる構成について説明する。
図6は、図1で示した可変利得増幅器1の構成に相当するモデルである。
前述の図3で示したように増幅部30を1段のトランジスタで構成する回路を、一実施形態として示す。
増幅部30は、トランジスタ31a、31b、定電流回路32、抵抗33a、33bを備える。
トランジスタ31a,31bは、ベースがスイッチ21a、21bに接続され、エミッタが定電流回路32を介して接地電位に接続され、コレクタが抵抗33a、33bを介して電源に接続され、またスイッチ22a、22bに接続される。
トランジスタ31a、31bのベースに入力された信号が差動信号として増幅され、コレクタから増幅された信号が出力される。
ここで、図3(a)との違いは、特性補正部40a、40bのスイッチ41aと抵抗42a及びスイッチ41bと抵抗42bが追加されている点になる。
図7は、図4で示した可変利得増幅器の出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化を評価指標とし、評価結果を示すグラフに特性補正部40による対策を施した改善結果を示すグラフである。
x軸は、周波数を示し、y軸は、低域(1MHz)を基準とした出力側反射係数(SパラメータのS22)の値に対する周波数における出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量の絶対値を表す。
図7(a)は、出力側反射係数(SパラメータのS22)の実数部の変化量の絶対値を示すグラフである。
図7(a)で示す実数部において、出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Rsは、図2(a)の条件、すなわち信号切換部20でのスイッチ21、22が配置され、増幅部30によって増幅を行う動作条件での結果であり図4(a)に示したものと同じグラフである。
出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Rtは、図2(b)の条件、すなわち特性評価用に、スイッチ21、22を配置せずに、増幅部30で増幅を行う動作条件での結果であり図4(a)で示したものと同じグラフである。
ここで新たに示す出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Rcは、特性補正部40の対策を施した第1実施形態によるもので、図6に示した構成をもとに評価を行った結果を示すグラフである。
グラフDS22Rcは、先に示したグラフDS22Rtに対するグラフDS22Rsでの特性変化量に対して、グラフDS22Rcの特性は、表示した周波数においてその変化量が1/2以下になることを示している。
図7(b)は、出力側反射係数(SパラメータのS22)の虚数部の変化量の絶対値を示すグラフである。
図7(b)で示す虚数部において、出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Isは、図2(a)の条件、すなわち信号切換部20でのスイッチ21、22が配置され、増幅部30によって増幅を行う動作条件での結果であり図4(b)に示したものと同じグラフである。
出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Itは、図2(b)の条件、すなわち特性評価用に、スイッチ21、22を配置せずに、増幅部30で増幅を行う動作条件での結果であり図4(b)で示したものと同じグラフである。
ここで新たに示す出力側反射係数(SパラメータのS22)の変化量のグラフDS22Icは、特性補正部40の対策を施した第1実施形態によるもので、図6に示した構成をもとに評価を行った結果を示すグラフである。
グラフDS22Icは、先に示したグラフDS22Itに対するグラフDS22Isでの特性変化量に対して、グラフDS22Icの特性は、表示した周波数においてその変化量を1/2以下になることを示している。
図8は、図4で示した可変利得増幅器の周波数特性の変化を示すグラフである。
x軸は、周波数を示し、y軸は、低域(1MHz)を基準とした可変利得増幅器の利得についての周波数特性の変化をデシベル(dB)で表す。
周波数特性のグラフDS21sは、図2(a)の条件、すなわち信号切換部20でのスイッチ21、22が配置され、増幅部30によって増幅を行う動作条件での結果であり、図5に示したものと同じグラフである。
周波数特性のグラフDS21tは、図2(b)の条件、すなわち信号切換部20にスイッチ21、22を配置せずに、増幅部30で増幅を行う動作条件での結果であり、図5に示したものと同じグラフである。
ここで新たに示す周波数特性のグラフDS21cは、特性補正部40の対策を施した第1実施形態によるもので、図6に示した構成をもとに評価を行った結果を示すグラフである。
グラフDS21cは、先に示したグラフDS21tに対するグラフDS21sでの特性変化量に対して、グラフDS21cの特性は、3(dB)減衰となる周波数、すなわちカットオフ周波数を数十MHz高い周波数に移動でき、扱える周波数帯域を広帯域化できることを示している。
このように、信号経路にスイッチ21、22が配置されたことによって、増幅部30単体で備えている性能から劣化させてしまった特性も、特性補正部40を付加することによって改善できることを示している。
(第2実施形態)
第1実施形態において、構成条件を差動増幅回路方式のものとして説明した。一方、本発明は、シングルエンド回路方式においても適用可能である。
第2実施形態で説明するシングルエンド回路方式のものは、前述の第1実施形態で説明した差動増幅回路方式のものと基本構成は同じであり、回路方式が相違点となる。したがって、前述の実施形態のものとの対比を行い相違点について補足することとし、図の説明に代える。
なお、図中の符号は、図1のブロック図で示したものと同様に機能するものには同じ番号を振り、その番号にシングルエンド回路構成とすることを表す「s」を付記した符号とした。
図9は、シングルエンド回路方式による可変利得増幅器2を示し、前述の第1実施形態の図1に相当するブロック図である。
なお、図1での増幅部30も差動増幅回路方式であったが、図9も増幅部30sはシングルエンド方式となる。
図9の基本動作ならびに制御手段についても実施形態1で説明した作動増幅の場合と同じであり詳細の説明は省略する。
図10は、第2実施形態における信号切換部20sと増幅部30sの配置を示すブロック図である。
また、図11は、第2実施形態における可変利得増幅器2のシミュレーションモデルを示すブロック図である。
第1実施形態の図2、図3、図6の説明と同様に、図10と図11に示す構成により特性のシミュレーションを行うことができる。
配置される素子に第1実施形態と同じものを適用することにより、シミュレーション結果は第1実施形態の結果と同じ特性を示す。
上記の第2実施形態で示すように、可変利得増幅器2の回路においてシングルエンド回路方式を適用した構成について適用可能である。
なお、増幅部30の一例として示したトランジスタ1段による実施形態は、他の構成による増幅器に置き換えることができ、特定の方式に制限されることなく適用が可能である。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明の可変利得増幅器における、特性補正部40では、必要に応じてスイッチ41の特性を選択することもでき、抵抗42には、インピーダンスが適合する他の受動部品を選択することができる。また、信号切換部を構成するスイッチの構成数や接続形態についても特に限定されるものではない。
また、本発明の増幅部は、増幅部30に対応する。
また、本発明の信号切換部は、スイッチ21(21a、21b)、22(22a、22b)、23(23a、23b)、21s、22s、23sに対応する。
また、本発明の特性補正部は、スイッチ41(41a、41b)、41sと抵抗42(42a、42b)、42sに対応する。
また、本発明の特性補正部の受動素子は、抵抗42(42a、42b)、42sに対応する。
また、本発明の特性補正部のスイッチは、スイッチ41(41a、41b)、41sに対応する。
また、本発明の第1のスイッチは、スイッチ21(21a、21b)、21sに対応する。
また、本発明の第2のスイッチは、スイッチ22(22a、22b)、22sに対応する。
また、本発明の第3のスイッチは、スイッチ23(23a、23b)、23sに対応する。
また、本発明の制御電源部は、制御電源部50に対応する。
また、本発明のバイアス電源は、バイアス電源51に対応する。
また、本発明の反転増幅器は、反転増幅器52に対応する。
本発明による第1実施形態における可変利得増幅回路1を示すブロック図である。 第1実施形態における信号切換部20と増幅部30の配置を示すブロック図である。 第1実施形態における可変利得増幅器1のシミュレーションモデルを示すブロック図(その1)である。 第1実施形態における可変利得増幅器1の出力側反射係数の変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ(その1)である。 第1実施形態における可変利得増幅器1の周波数特性の変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ(その1)である。 第1実施形態における可変利得増幅器1のシミュレーションモデルを示すブロック図(その2)である。 第1実施形態における可変利得増幅器1の出力側反射係数の変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ(その2)である。 第1実施形態における可変利得増幅器1の周波数特性の変化についてのシミュレーション結果を示すグラフ(その2)である。 第2実施形態における可変利得増幅回路2を示すブロック図である。 第2実施形態における信号切換部20sと増幅部30sの配置を示すブロック図である。 第2実施形態における可変利得増幅器2のシミュレーションモデルを示すブロック図である。
符号の説明
1 可変利得増幅器
11a、11b 入力端子
12a、12b 出力端子
21、21a、21b、22、22a、22b、23a、23b スイッチ
30 増幅部
40a、40b 特性補償部
41a、41b スイッチ
42a、42b 抵抗
50 制御電源部
51 バイアス電源
52 反転増幅器

Claims (3)

  1. 増幅部と、
    前記増幅部を選択的に迂回させて信号を出力する複数のスイッチとして、前記増幅部に供給される信号を前記増幅部を迂回させて出力する信号経路に設けられるバイパススイッチと、前記増幅部によって増幅された信号を出力する信号経路に設けられる出力遮断スイッチとが配置された信号切換部と、
    前記信号切換部に配置された前記出力遮断スイッチによって生じる電気的特性変化により劣化する、前記増幅された信号の周波数特性を広帯域化するように補正する特性補正部と、を備え、
    前記特性補正部は、
    一端が接地電位に接続される受動素子と、
    2つの信号端子を有し、前記信号切換部に配置された前記スイッチと同じ特性を有するスイッチと、を備え、
    前記特性補正部の前記スイッチの第1の信号端子が前記受動素子の他端に接続され、第2の信号端子が前記増幅部の出力端子に接続され、かつ、当該スイッチは、前記増幅部の出力信号を常に遮断する設定とする
    ことを特徴とする可変利得増幅器。
  2. 制御電圧を供給する制御電源部と、を備え、
    前記増幅部は、
    動作制御端子を有し、
    前記動作制御端子に前記制御電源部から制御電力が供給されることにより増幅動作を行い、
    前記信号切換部は、
    切換制御端子を有し、
    前記切換制御端子に前記制御電源部から入力される信号選択信号により前記増幅部の入出力信号を選択して出力し、
    前記制御電源部は、
    前記信号切換部が前記増幅部を迂回させる際、前記増幅器の増幅動作を停止させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変利得増幅器。
  3. 前記信号切換部は、
    信号が入力される入力端子と、
    信号を出力する出力端子と、
    それぞれがオン状態とオフ状態とを切り換える制御信号が入力される制御端子と2つの信号端子とを有する3個のスイッチと、を備え、
    入力遮断スイッチとして備えている第1のスイッチは、第1の信号端子が前記入力端子に接続され、第2の信号端子が前記増幅部の入力端子に接続され、制御端子が前記切換制御端子に接続され、前記制御端子から第1の制御信号が入力され、
    前記出力遮断スイッチとして備えている第2のスイッチは、第1の信号端子が前記増幅部の前記出力端子に接続され、第2の信号端子が前記出力端子に接続され、制御端子が前記切換制御端子に接続され、前記制御端子から前記第1の制御信号が入力され、
    前記バイパススイッチとして備えている第3のスイッチは、第1の信号端子が前記第1のスイッチの第1の信号端子に接続され、第2の信号端子が前記第2のスイッチの前記第2の信号端子に接続され、制御端子が前記切換制御端子に接続され、前記第1の制御信号と連動し、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと自スイッチとが互いにオン状態とオフ状態を切り換えるように動作させる第2の制御信号が前記制御端子から入力され、
    前記制御電源部は、
    接地電位に接続されるバイアス電源と、
    前記バイアス電源から入力された信号の論理に対して反転させた論理を示す信号を出力する反転増幅器と、を備え、
    前記バイアス電源および前記反転増幅器からの出力を、前記増幅部に供給される制御電力、及び、前記信号切換部の前記スイッチに入力される前記第1の制御信号と前記第2の制御信号とし、
    前記特性補正部の前記受動素子は、
    抵抗とする
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変利得増幅器。
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