JP5019663B2 - 不純物イオン除去装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、それぞれの方式に一長一短があり、さらなる長時間安定操作性、検出液へのガスの混入防止ほか基本的な性能向上が問われ、併せてリサイクル化の促進という観点から戻り水の活用に制約を与えない工夫も要求される。
試行錯誤を繰り返し、バランスのとれた装置として、基本構造の発明を創作するにいたった。
従って、電極とイオン交換樹脂との間にイオン交換膜で仕切り膜をもうけて、サンプルイオンが電極で電気分解されないようにし、さらに、溶液が系外に排出されるのを防ぎつつ、電極反応で生ずるガスが系内に入り込まないようにする。さらに仕切り膜の選択により外部から電極部に導入する気泡排出促進の水から系内に不純物が浸入するのを防ぐことによって再生循環する水の品質上の制約をなくすことができる。また、電極の周囲には高濃度の酸や塩基が溜まりやすく電極が腐食されやすいので、これを防止し、さらに除去対象イオンの除去効率を高めるため、電極付近に水を注入して希釈し、系外に排出する。さらに耐久性の高いイオン交換膜の使用により機器の運転寿命を長くすることができることを見出した。
先ず、本発明を整理すると、不純物イオンを除去する装置の基本構造、基本構造に純水による気泡排出促進部を組み込んだ不純物イオン除去装置、基本構造に純水による気泡排出促進部を両端に組み込んだ不純物イオン除去装置、不純物イオン除去装置を複数台、連結した装置に関する発明である。
(1) 不純物イオンを除去する装置の基本構造
図1は陽イオンを除去する場合の構成を図示したものであるが、当業者であれば原則、陽イオン除去のケースを説明すれば、陰イオン除去のケースも充分に援用可能である。両方、交えて説明するより簡潔明瞭なので、陽イオン除去のケースを説明することにする。
装置は横長の容器(21)に陽イオン交換体(23)を充填した層を挟んで、容器両端にイオン交換膜(27a,27b)で固定し、当該陽イオン交換膜の外側に電極(31a,31b)を取り付け、入口(21b,21c)に純水を注水して、出口(22b、22c)から排出する配管が取り付けられ、さらに、容器上端の一方の電極側(陰極側)に不純物イオンを含む溶液を導入する入口(21a)が設けられ、下端の他方の電極側(陽極側)に出口(22a)を設け、さらに外部電源(33)から両電極に接続した構成である。
ちなみに陰イオン除去のケースについては、図5に示すように陽イオン交換体(23)の代わりに陰イオン交換体(23)を、イオン交換膜27aに陰イオン交換膜を、同27bに陽イオン交換膜を使用、電極の設定が逆となる電極31aは陽極,同31bは陰極となる。装置の構成上の違いは以上の点だけである。図6、図7についても図2、図3の陽イオン除去装置に対応して、装置の構成上の違いを同様に準用することができる。
イオン交換体(23)はイオン交換機能を有する物質をさし、特に不溶性高分子化合物にイオン交換基をもつイオン交換樹脂を好適にもちいることができ、ビーズ状、フレーク状、繊維状、不織布状、膜状ほかに成形されたものがよい。
陽イオン交換樹脂としてはアンバライトIR120B(ダウ・ケミカル社製、登録商標)、DOWEX50WX2,50WX4,50WX8(ダウ・ケミカル社製、登録商標)を好適に用いることができる。中でもDOWEX50WX8(登録商標)が耐強酸性で高交換容量の点で好ましい。
図1では陽イオン交換樹脂を用いているが、陰イオンを除去する装置では陰イオン交換樹脂が用いられる。
陰イオン交換樹脂としては陽イオン交換樹脂と逆の電荷のイオン交換基を有し、交換基が耐強塩基性で高交換容量であるDOWEX1X8、2X8(登録商標)を好適に用いることができる。
さらには検査対象イオンを含む溶液が系外に漏出しない仕切り膜の役割を果たしている。
また、容器内に充填された樹脂を左右から押さえ、固定する役割を担っている。
さらに電極が直接、イオン交換体に接触することを避ける役割も有し、電極まわりで生成する強酸・強塩基に耐える強靭な材質が要求される。
このような陽イオン交換膜にはネオセプタ(登録商標)C66(トクヤマ社製)、テフロン(登録商標)系のNafion(登録商標)NRE−212、115、117、324、424、551(デュポン社製)が好適に用いられる。
また、陰イオン交換膜としてはネオセプタ(登録商標)AHA(商品名:アトムズ社製)、AMX、ACM、ACS、AFN、AFXが好適に用いられる。
電流の流れ方向が特定の方向にあるときイオンの流れが形成され、目的の除去イオンは近くの電極へ移動、排出されるから制御しやすさの点で直流が好ましい。また、印加する電圧の種類は直流電圧及び正バイアス電圧が加わった交流電圧どちらの電圧でも構わない。
カラム(7)で分離溶出された分析対象陰イオンを含む溶液が本装置の入口(21a)に導入され、陽イオン交換樹脂の充填されたゾーン(51)に入り、溶液は出口(22a)に向けて流れていく。溶液中に含まれる陽イオンは陽イオン交換樹脂に吸着されていくが、両極から電界がかけられるので溶液中の陽イオンも陽イオン交換樹脂に吸着された陽イオンも陰極に向けて電気泳動(イオンの移動)していくことになる。
一方、両電極では電極に水が導入される場合(図1、図2、図3)、導入された水の電気分解により水素、酸素ガスが発生すると共にヒドロニウムイオン、ヒドロオキシドイオンが生成している。陰極では陽イオン交換膜を介して浸出してきた陽イオンとヒドロオキシドイオンの反応により塩基が生成され、水素ガスとともに出口(22b)から外部に排出される。陽極では、ヒドロニウムイオンは、陰イオン交換膜との静電反発により侵入が阻まれて、系内に入れず、系内から排出してきたヒドロオキシドイオンと反応して水になり、酸素ガスとともに出口(22c)から外部に排出される。
つまり、水の電気分解による生成するガス及び、ヒドロニウムイオンとヒドロオキシドイオンはイオン交換膜及びイオン交換樹脂で形成するイオン交換体に阻まれ系内に侵入できない。そして上記した系内を移動するヒドロニウムイオン、ヒドロオキシドイオンは陰イオン交換膜と陽イオン交換膜樹脂の界面(以後、「イオン界面」と称す)で起こる水の解離平衡のズレから生じたヒドロニウムイオンとヒドロオキシドイオンであり、水を供給する事で生成している。つまり、水の解離平衡のズレから生じたヒドロオキシドイオンは、陰イオン交換膜に取り込まれ、ヒドロニウムイオンは、陽イオン交換樹脂に取り込まれることによって系内に供給されると考えられる。当該イオン界面を通じて供給されたヒドロニウムイオンは陰極に向かって移動し、ヒドロオキシドイオンは陽極に向かって移動し、両イオンが互いに反対方向に向かって移動することになる。
また、系内の陽イオン交換樹脂充填層の中に吸着した不純物陽イオンは、界面導電現象である電気泳動(イオンの移動)及び電気浸透流(イオンの移動に伴い、イオンを取り巻く周囲の溶媒も移動していく現象)により、対極である陰極に向け移動し、外部に排出されるものと考えられる。その時、ヒドロニウムイオンは系内に充填した陽イオン交換樹脂に吸着した不純物陽イオンとイオン交換しながら対極である陰極に向け移動することになる。
以上のことから、本発明の装置(図1、2、3、5、6、7)において、陽極で発生したヒドロニウムイオンと陰極で発生したヒドロオキシドイオンは、系内に設置した陰イオン交換膜と陽イオン交換膜との静電反発により、発生と同時に導入水の流れとともに、系外に排出されることになる。従って、外部電極で生じた水の電気分解由来のイオンが系内に供給されているわけではない。水の電気分解で生成するヒドロニウムイオンとヒドロオキシドイオンを、樹脂に吸着した不純物イオンを溶出させるための交換イオンとして使用していないことは、他の発明にない本発明の最も特徴的な方法である。
なお、本発明の説明にサプレッサーをモデルとして用いているが、不純物イオンの除去に用いる装置としてサプレッサーに限定されないことはいうまでもない。
(2) 基本構造に純水による気泡排出促進部を組み込んだ不純物イオン除去装置
本発明は前記(1)で説明した基本構造に純水による気泡排出促進部を組み込んだ不純物イオン除去装置であるから、追加部分の構成を重点的に説明する。
図2に示した装置も陽イオン除去を目的とした装置であり、陰極部分において電極(31a)と陽イオン交換膜(27a)の間に純水の注入ゾーンを設けている。すなわち、断面が陽イオン交換膜(27a)、陽イオン交換体(25B)層、液体透過性を付与した陽イオン交換膜(28a)、電極(31a)で構成され、陽イオン交換体(25B)層の上部に純水の導入口が設けられている。
液体透過性を付与した陽イオン交換膜とは、通常の陽イオン交換膜にスリット加工等を施して液体透過性を付与したものである。このスリット加工により、逆に外部から系内への不純物を含む液体やガスの浸入を避けられないが、そのため、純水供給装置41aから常に純水を流し、外部から系内への不純物を含む液体やガスの混入を防いでいる。
また、陽イオン交換膜(28a)を電極(31a)と陽イオン交換体(25B)の間に入れて、電極(31a)と陽イオン交換体(25B)が直接、接触しないようにし、陽イオン交換体(25B)が電気分解にさらされないようにしているためである。
しかし、このような構造はむしろ、陰イオン除去装置(図6)において、一層、有効であり、陽イオン交換体に較べ、耐久性がやや劣る陰イオン交換体(25B)と電極(31a)の間に陽イオン交換膜(28a)を入れることにより、陰イオン交換体(25B)の電気分解から避けることができる。
このような陽イオン交換膜には耐久性にすぐれたテフロン(登録商標)系の陽イオン交換膜でNafion(登録商標)NRE−212、115、117、324、424、551(デュポン社製)が好適に用いられる。
前記液体透過性を付与した陽イオン交換膜に代えて、同等の作用を示す不織布状イオン交換樹脂、メッシュ状成形イオン交換樹脂ほか陽イオン交換体であってもよい。
その他の構成は前記(1)と説明が重複するので省略する。
次に本装置の作用について説明する。
陰極部分に設けられた純水注入ゾーンは一言でいえば本体内側から注水して外に排出することといえる。これによって電気分解で生じた水素ガスの排出を一層促進することが出来る。さらには陰極付近で生成する強塩基、還元された活性物質を希釈して外部へ排出することができる。その結果、電極、例えば白金電極の寿命を延ばすことができるし、実施例8に示すように脱イオン効率を向上させることができる。
前記(1)で説明した基本構造における出口22bからの塩基、水の生成排出は、陽イオン、ヒドロニウムイオンの電気泳動(イオンの移動)にともなう溶媒の流れである電気浸透流と呼ばれるものと推察される。しかし、この流れは非常に微量のため、ポンプ揚力による純水注入によって、排出流を増量している。
(3) 基本構造に純水による気泡排出促進部を両端に組み込んだ不純物イオン除去装置
本発明は前記(1)で説明した基本構造に純水による気泡排出促進部を両端に組み込んだ不純物イオン除去装置に関するものであり、前記(2)と同様に追加部分の構成を重点的に説明する。
図3に示した装置も陽イオン除去を目的とした装置であり、両極部分に純水の注入ゾーンを設けている。すなわち、陽極部分においても電極(31b)と陰イオン交換膜(27b)の間に純水の注入ゾーンを設けている。すなわち、断面が陰イオン交換膜(27b)、陰イオン交換体(25A)層、液体透過性を付与した陽イオン交換膜(28b)、電極(31b)で構成され、陰イオン交換体(25A)層の上部に純水の導入口が設けられている。
液体透過性を付与した陽イオン交換膜とは、前記したように通常の陽イオン交換膜にスリット加工等を施して液体透過性を付与したもので、陰極側に用いたものと同じである。これは理想的には陰イオン交換膜を用いる方が有利であるが、耐久性にすぐれた材質のものがない。そこで、入口(21c)から純水を流し込み、イオン交換体(25A)層を通り、液体透過性を付与した陽イオン交換膜(28b)を通り、出口(22c)から排出する構成とすることで、耐久性にすぐれたテフロン(登録商標)系の陽イオン交換膜であるNafion(登録商標)NRE−212、115、117、324、424、551(デュポン社製)を好適に用いることができる。また、このスリット加工等により、液体透過性を付与した結果、逆に外部から系内への不純物を含む液体やガスの浸入を避けられないが、そのため、純水供給装置41bから常に純水を流し、外部から系内への不純物を含む液体やガスの混入を防いでいる。
前記液体透過性を付与した陽イオン交換膜に代えて、同等の作用を示す不織布状イオン交換樹脂、メッシュ状成形イオン交換樹脂ほか陽イオン交換体であってもよい。
その他の構成は前記(1)、(2)と説明が重複するので省略する。
前記(1)、(2)で述べた重複説明を避け、変更になる部分を重点的に説明する。
純水注入ゾーンを両極部分に設けたということで、陽極側では電気分解で発生した酸素ガスや強酸、酸化された活性物質を希釈して外部への排出、陰極側では電気分解で発生した水素ガスや強塩基、還元された活性物質を希釈して外部への排出を一層促進するものである。その結果、電極、例えば白金電極の寿命を延ばすことができるし、実施例8に示すように脱イオン効率を向上させることができる。
(4) 不純物イオン除去装置を複数台、連結した装置
請求項4に記載された発明は図4に示すとおり、図面3に記載した不純物イオン除去装置
を2台、直列に連結したものである。すなわち、第1装置の溶液出口から第2装置の溶液入口へ配管接続して連結し、単独の装置における脱イオン負荷を軽減し、2台で所期の脱イオン目標を達成しようとするものである。
装置の負荷を軽減するのは、電極をはじめイオン交換膜等の消耗を減らし、不純物イオン除去装置として寿命を長くすることができるからである。
本発明における複数台の不純物イオン除去装置の組み合わせは本願で提案する図1や図2に示した装置等も含まれ、また、2台に限定されるものではない。しかし、イオンクロマトグラフ(装置)におけるサプレッサーとして複数台使用する場合には検出対象イオンの拡散の影響(混合と同じ影響)が出て2台の連結が好適である。
その他構成、作用の説明は前記(1)、(2)、(3)と重複するので省略する。
電解質溶液生成装置1は塩基性電解質溶液生成装置(日理工業製)、電解質溶液精製装置2eは陰イオン除去用不純物イオン除去装置(日理工業製)、不純物イオン除去装置9は陽イオン除去用不純物イオン除去装置(日理工業製)、ポンプ47aと47bはCCPM(東ソー社製)、ポンプ3はDP−8020(東ソー社製)、電気泳動用の直流電源33はEX−375U2(高砂製作所社製)、検出器11は電気伝導度検出器CM432(日理工業製)を使用した。電解質溶液生成装置1は、定電流20mA(約38V、約1604μS/cmのNaOH溶液)とし、電解質溶液精製装置2eは、定電流30mA(約44V)とし、不純物イオン除去装置9は、定電流2.8mA(約9V)とし、電気泳動用電極として白金電極を用い、ポンプ47aと47bから純水(1.0ml/min)をそれぞれ供給し、ポンプ3の流量は0.75ml/minとした。その結果を図12に示した。なお、図12の符号1と2の区分は、1:図1と同様の構造の不純物イオン除去装置9を使用し、定電流2.8mA(約9V)時の、不純物イオン除去装置9からの溶出液の電気伝導度(約1325μS/cm)、2:不純物イオン除去装置9の作動を停止した時の、不純物イオン除去装置9からの溶出液の電気伝導度(約1604μS/cm)とした。
電流値を2.8mAとした事には理由があり、図1に示す装置のように、電極と接するようにイオン交換膜ネオセプタ(登録商標)AHA及びネオセプタ(登録商標)C66を使用する場合、適正電流密度40mA/cm2の制約により、2.8mAが最大電流値となる。つまり、約279μS/cm分のNaイオン量が図1の装置での最大除去量となる。
図13から、不純物イオン除去装置9aを定電流40mAで作動させた場合の溶離液のバックグラウンド伝導度は約3μS/cmであり、水酸化ナトリウムのほぼ完全な抑制を示した。
図14のチャート中、1のピークはF−イオン、2のピークはCl−イオン、3のピークはNO2 −イオン、4のピークはBr−イオン、5のピークはNO3 −イオン、6のピークは未知のCO3 −イオン及びSO4 2−イオン、7のピークはPO4 3−イオンである。この結果から、炭酸イオンと硫酸イオンのピークが重なっている以外は、各イオンを完全に分離・検出することが確認できた。
図15のチャート中、1のピークはLi+イオン、2のピークはNa+イオン、3のピークはNH3 +イオン、4のピークはK+イオン、5のピークはCa2+イオン、6のピークはMg2+イオンである。この結果から、標準カチオンについても各イオンを完全に分離・検出することが確認できた。
電解質溶液生成装置1で生成した水酸化ナトリウム溶液(定電流20mAの条件で生成した電解質溶液)を電解質溶液精製装置で定電流30mAの条件で精製を行い、印加電圧の時間変化をプロットしたグラフを図16に示す。
イオン交換膜27bにネオセプタ(登録商標)C66を使用した電解質溶液精製装置2iとNafion(登録商標)NRE―117膜を使用した電解質溶液精製装置2eを比較すると、ネオセプタ(登録商標)C66を使用した電解質溶液精製装置2iの印加電圧は、傾きが大きく、右肩上がりで上昇するのに対して、イオン交換膜27bにNafion(登録商標)NRE―117膜を使用している電解質溶液精製装置2eの印加電圧は、39V付近で印加電圧は安定している。
2mM以上の電解質を含む溶離液の抑制において、システムに流す電流量と抑制できるイオン量は、電流量が少ないところでは比例関係が成り立つ。しかし、電流量が増えると、比例関係は崩れ、過剰な電流を流しても、インライン中にイオンが取り残されバックグランド伝導度を下げることができない。そのため、システムに流す電流量を少なくし、システムに流す電流量と抑制できるイオン量とが比例関係が成り立つ電流範囲で、1つの不純物イオン除去装置で取り除く事ができなかったイオンを、もう一つ不純物イオン除去装置で取り除くことで、2段階方式で効率よく溶離液の抑制が行える。また、各システムに流す電流量が減ることで、システムにかかる負荷を低減することができ、システムの寿命を延ばすことができる。しかし、不純物イオン除去装置の数を3つ以上に増やし、溶離液の抑制効率を上げようとすると、今度は、不純物イオン除去装置内でサンプルが拡散する量が増えるために、結果、シグナル/ノイズは小さくなり、検出感度は低下する事になる。以上のことから、不純物イオン除去装置を2つ使用し、2段階方式で溶離液を抑制するとこが有効であることがわかる。
その結果を図20に示した。
図3と図6と同様の構造の不純物イオン除去装置9bと9eは、長時間の間印加電圧が変化することなく安定していた理由は、1つに、図3の装置のように、イオン交換膜27b、と電極31bとが接しないようにし、イオン交換膜27bと電極(陽極31b)との間にイオン交換樹脂を充填し、領域52を設け、イオン交換樹脂により塩橋を形成することで、電極間をイオン伝導による電気接続状態としたことである。2つに、図3と図6の装置のように、電極と接する部分のイオン交換体に化学的に安定であるテフロン(登録商標)系の陽イオン交換膜(図3では28b、図6では27b)を設置したことである。
この2つの改善点により、電流密度4A/cm2(本装置において2.8mA)以上の電流条件においても、装置を長時間使用することができるようになる。
これは、陰極に設置した気泡排出促進手段により、ポンプ47aからの純水を流し、陰極31a付近に移動してくる陽イオンを系外に排出し、陰極付近の陽イオン濃度を低くする事ができるためである。
測定結果を図22に示した。
分離カラム7からの溶出液を第1の出口22aから第1の入口21aに流した以外の実験条件及び分析方法は前記モデルの場合と同じである。測定結果を図23に示した。
この結果から、分離カラム7からの溶出液を第1の出口22aから第1の入口21aに流すと、標準陰イオンのクロマトグラムのピーク高さは小さくなること、すなわち感度の低下が確認できた。
一般的に、検査対象イオンの拡散が増大すれば感度の低下につながることは周知であることから、本実験によって正規の入口から流した液路の方が出口から流した液路より検査対象イオンの拡散が小さかったことを意味する。
図24から、ガスの混入で現れるスパイクノイズが現れていない事が確認できた。
2 電解質溶液精製装置
3 ポンプ
5 インジェクターポート
7 分離カラム
9 不純物イオン除去装置
11 検出器
13 配管
21 容器
21a 溶液入口
21b 溶液入口
21c 溶液入口
22a 溶液出口
22b 溶液出口
22c 溶液出口
23 イオン交換体
25A イオン交換体
25B イオン交換体
27a イオン交換膜
27b イオン交換膜
28a 液体透過性を付与したイオン交換膜
28b 液体透過性を付与したイオン交換膜
31a 電極
31b 電極
33 電源
41a 純水供給装置
41b 純水供給装置
45a 純水貯槽
45b 純水貯槽
47a ポンプ
47b ポンプ
49a 配管
49b 配管
51 第1の領域
52 第2の領域
53 第3の領域
Claims (8)
- 不純物イオンを含む溶液から陽、陰いずれかの不純物イオンを取り除く手段として
(X1)除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオンを吸着するイオン交換体A1層を挟んで
除去対象不純物イオンの極性と同極である一方の電極C1側に除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオン交換膜である強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B1を介して電極C1、
除去対象不純物イオンの極性と対極である他方の電極C2側に除去対象不純物イオンの極性と対極性のイオン交換膜である強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B2を介して電極C2
を備え、
(X2)前記イオン交換体A1層の上端部に原料溶液の導入口をつけ、下端部に精製溶液の排出口を導入口の真下から外れた位置に設け、導入口はイオン交換膜B2側に、排出口はイオン交換膜B1側にそれぞれ設け、
前記両電極の外側に排水出口と純水の供給口が併設され、
(X3)前記両電極につなぐ外部電流源と、
を備える不純物イオン除去装置。 - 不純物イオンを含む溶液から陽、陰いずれかの不純物イオンを取り除く手段として
(X1)除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオンを吸着するイオン交換体A1層を挟んで
除去対象不純物イオンの極性と同極である一方の電極C1側に除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオン交換膜である強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B1を介して電極C1、
除去対象不純物イオンの極性と対極である他方の電極C2側に除去対象不純物イオン極性と対極性のイオン交換膜である強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B2、除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオンを吸着するイオン交換体であるイオン交換体A2層、液体透過性と強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B3またはイオン交換体A3層を介して電極C2
を備え、
(X2)前記イオン交換体A1層の上端部に原料溶液の導入口をつけ、下端部に精製溶液の排出口を導入口の真下から外れた位置に設け、導入口はイオン交換膜B2側に、排出口はイオン交換膜B1側にそれぞれ設け、
前記両電極の外側に排水出口を設け、電極C1側には純水の供給口が併設され、前記イオン交換体A2層の上端部に純水の供給口が設けられ
(X3)前記両電極につなぐ外部電流源と、
を備える不純物イオン除去装置。 - 不純物イオンを含む溶液から陽、陰不純物イオンのいずれかを取り除く手段として
(X1)除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオンを吸着するイオン交換体A1層を挟んで
除去対象不純物イオンの極性と同極である一方の電極C1側に除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオン交換膜である強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B1、除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオンを吸着しないイオン交換体であるイオン交換体A4層、液体透過性と強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B5またはイオン交換体A5層を介して電極C1、除去対象不純物イオンの極性と対極である他方の電極C2側に除去対象不純物イオン極性と対極性のイオン交換膜である強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B2、除去対象不純物イオンの極性と同極性のイオンを吸着するイオン交換体であるイオン交換体A2層、液体透過性と強酸又は強塩基に耐えるイオン交換膜B3またはイオン交換体A3層を介して電極C2
を備え、
(X2)前記イオン交換体A1層の上端部に原料溶液の導入口をつけ、下端部に精製溶液の排出口を導入口の真下から外れた位置に設け、導入口はイオン交換膜B2側に、排出口はイオン交換膜B1側にそれぞれ設け、
前記両電極の外側に排水出口を設け、
前記イオン交換体A2層、A4層の上端部に純水の供給口が設けられ
(X3)前記両電極につなぐ外部電流源と、
を備える不純物イオン除去装置。 - 不純物イオンを含む溶液から陽、陰いずれかの不純物イオンを取り除く手段として請求項1、2または3に記載の不純物イオン除去装置で同じ極性の不純物イオン除去装置を複数台、互いにつなぎ合わせた多段式不純物イオン除去装置。
- イオンクロマトグラフの溶離液精製用に用いる請求項1、2、3または4記載の不純物イオン除去装置。
- イオンクロマトグラフのサプレッサー用に用いる請求項1、2、3または4記載の不純物イオン除去装置。
- イオンクロマトグラフにおいて
(A)電解質原料溶液が投入される導入部と
(A−1)当該導入部に陽イオン交換樹脂が充填され、第1の領域を形成して、
(B)(B−1)当該導入部は両端が電極に挟まれ、当該両電極の外側に排水出口が設けられ、
陽極電極に接して内側に液体透過性と強酸又は強塩基に耐える陽イオン交換膜、陰イオン交換樹脂層、強酸又は強塩基に耐える陰イオン交換膜を設けて第2の領域を形成し、
陰極電極に接して内側に液体透過性と強酸又は強塩基に耐える陽イオン交換膜、陽イオン交換樹脂層、強酸又は強塩基に耐える陽イオン交換膜を設けて第3の領域を形成し、
(B−2)前記第1の領域の前記陽イオン交換膜位置側に、電解質原料溶液投入口を設けて、投入配管が取り付けられ、前記陰イオン交換膜位置側に、目的精製液取り出し口をもうけて取り出し配管が取り付けれ、
(B−3)前記第2の領域の陰イオン交換樹脂層および第3の領域の陽イオン交換樹脂層の上端部に純水投入口を設けて投入配管が取り付けられ
(C)前記(B)に記載した電極を結ぶ外部電流源と
を備える電解質溶液の陽イオン除去装置。 - イオンクロマトグラフにおいて
(A)電解質原料溶液が投入される導入部と
(A−1)当該導入部に陰イオン交換樹脂が充填され、第1の領域を形成して、
(B)(B−1)当該導入部は両端が電極に挟まれ、当該両電極の外側に排水出口が設けられ、
陰極電極に接して内側に液体透過性と強酸又は強塩基に耐える陽イオン交換膜、陽イオン交換樹脂層、強酸又は強塩基に耐える陽イオン交換膜を設けて第2の領域を形成し、
陽極電極に接して内側に液体透過性と強酸又は強塩基に耐える陽イオン交換膜、陰イオン交換樹脂層、強酸又は強塩基に耐える陰イオン交換膜を設けて第3の領域を形成し、
(B−2)前記第1の領域の前記陰イオン交換膜位置側に、電解質原料溶液投入口を設けて、投入配管が取り付けられ、前記陽イオン交換膜位置側に、目的精製液取り出し口をもうけて取り出し配管が取り付けれ、
(B−3)前記第2の領域の陽イオン交換樹脂層および第3の領域の陰イオン交換樹脂層の上端部に純水投入口を設けて投入配管が取り付けられ
(C)前記(B)に記載した電極を結ぶ外部電流源と
を備える電解質溶液の陰イオン除去装置。
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